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JP5720116B2 - 水系プライマー組成物 - Google Patents

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JP5720116B2 JP2010104994A JP2010104994A JP5720116B2 JP 5720116 B2 JP5720116 B2 JP 5720116B2 JP 2010104994 A JP2010104994 A JP 2010104994A JP 2010104994 A JP2010104994 A JP 2010104994A JP 5720116 B2 JP5720116 B2 JP 5720116B2
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Description

本発明は、水系プライマー組成物に関する。より詳細には、本発明はシーリング材用の水系プライマー組成物に関する。
建築用シーリング材をアルミ、ガラス、モルタル等の被着体と接着させるためには、被着体にシーリング材用プライマーを塗布することが必要である。
しかしながら、現在、環境汚染をできるだけ少なくし、作業者への安全衛生をより一層向上させるために、シーリング材との密着性に優れたプライマー層を得ることができる水系プライマーの開発が課題となっている。
従来の水系プライマーとしては、例えば、脂環族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸と分岐グリコールとを構成成分とするポリエステルグリコールと、有機ジイソシアネートと、遊離のカルボキシ基を有する鎖伸長剤または三級アミノ基を有する鎖伸長剤とを構成成分とする線状ウレタンプレポリマーを中和剤の存在下、水で架橋させた水系ポリウレタン樹脂を含む水系プライマー組成物を挙げることができる(特許文献1)。
特開2002−302526号公報
しかしながら、本発明者は、従来の水系プライマー組成物を硬化して得られるプライマー層は、シーリング材または被着体との間の接着性、特に耐水接着性が十分ではないことを見出した。
そこで、本発明は、硬化して得られるプライマー層とシーリング材および/または被着体との間の接着性、耐水接着性が優れる水系プライマー組成物を提供することを課題とする。
なお、本発明者は、上記課題を解決するための手段を検討するにあたり、以下の点に留意した。
(1)接着性を向上させるための特別の成分をシーリング材組成物に含有させると、使用できるシーリング材組成物が限定され、また、硬化後のシーリング材の物性が低下するおそれがある。そのため、従来のシーリング材組成物を使用できれば工業的有用性が高く、望ましい。
(2)新規化学物質については、工業的規模での製造に際しては化審法(昭和48年法律第117号、平成21年改正)に基づく規制を受け、分解性、蓄積性、人への長期毒性、生態毒性等の安全性評価が必要である。そのため、汎用原料のみを用いて製造することもできれば工業的有用性が高く、望ましい。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、揮発性塩基(c)と、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)とを含有する水系プライマー組成物を硬化して得られるプライマー層は、シーリング材との間および被着体との間の接着性、耐水接着性に優れることを知得した。
また、本発明者は、上記水系プライマー組成物に、さらに、表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)を含有すると、硬化して得られるプライマー層と被着体との間の耐水接着性がより優れることを知得した。
すなわち、本発明は以下に掲げるものである。
(1)カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、揮発性塩基(c)と、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)とを含有する水系プライマー組成物であって、前記カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)がカルボキシ基を有する自己乳化型のウレタン樹脂またはカルボキシ基を有する自己乳化型のアクリル樹脂である、水系プライマー組成物
(2)さらに、表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)を含有する、上記(1)に記載の水系プライマー組成物。
(3)カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基および
カルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、揮発性塩基(c)とを含
有するエマルションである第1液、および
1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)を
含有する水溶液またはエマルションである第2液を有する水系プライマー組成物であって、前記カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)がカルボキシ基を有する自己乳化型のウレタン樹脂またはカルボキシ基を有する自己乳化型のアクリル樹脂である、水系プライマー組成物
(4)さらに、表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)を前記第1液または前記第2液に含有する、上記(3)に記載の水系プライマー組成物。
(5)前記表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)が水分散シリカ(e1)である、上記(2)または(4)に記載の水系プライマー組成物。
(6)前記表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)が水溶性シリカ(e2)である、上記(2)または(4)に記載の水系プライマー組成物。
(7)前記1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)の少なくとも一部をその共役塩基の形で、前記揮発性塩基(c)の少なくとも一部をその共役酸の形で、それぞれ含有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
)前記1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)が2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸またはこれらの混合物である、上記(1)〜()のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
)前記揮発性塩基(c)が揮発性第3級アルキルアミンである、上記(1)〜()のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
10)前記カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)のカルボキシ基のモル数NAと、前記1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)のカルボキシ基のモル数NBと、前記1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)のカルボジイミド基のモル数NDとの間に、
NB<ND<3NB かつ ND<NA
なる関係が成立する、上記(1)〜()のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
11)ウレタン系シーリング材用の水系プライマー組成物である、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
12)カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)とを含有する、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の水系プライマー組成物を硬化して得られるプライマー層。
13)ウレタンプレポリマーを含有するシーリング材組成物と、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の水系プライマー組成物とを含む、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
14)第1の部材と第2の部材との間が上記(13)に記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットを用いてシーリングされているシーリング材。
本発明によれば、硬化して得られるプライマー層とシーリング材および/または被着体との間の接着性、耐水接着性が優れる水系プライマー組成物を提供することができる。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明は、カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)とを含有するエマルジョンである水系プライマー組成物である。
[水系プライマー組成物の成分]
〈カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)〉
カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)(以下「樹脂(a)」という。)について以下に説明する。
樹脂(a)は、カルボキシ基(アニオン型を含む。以下同じ。)を有する自己乳化型の樹脂であれば特に限定されない。
樹脂(a)としては、例えば、カルボキシ基を導入して自己乳化型とした、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)またはメチルメタクリレートブタジエンスチレン(MBS)樹脂等を挙げることができる。
樹脂(a)は被着体の種類によって適宜選択することができるが、本発明の水系プライマー組成物の接着性が、より多くの種類の被着体に対して良好となる観点から、カルボキシ基を導入して自己乳化型とした、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂が好ましい。
カルボキシ基を導入して自己乳化型としたウレタン樹脂の製造方法としては、例えば、ポリイソシアネートと、ポリオールと、2個以上のヒドロキシ基および少なくとも1個のカルボキシ基を1分子中に有する内部乳化剤とを反応させてカルボキシ基を有する末端イソシアネート型ウレタンプレポリマーを製造し、中和剤で中和のうえ水に分散し、さらにウレタンプレポリマーを鎖延長剤と反応させて高分子化する方法を挙げることができる。この場合、上記内部乳化剤としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸または2,2−ジメチロールブタン酸が好ましい。
カルボキシ基を導入して自己乳化型としたアクリル樹脂の製造方法としては、例えば、メタクリル酸メチルと(メタ)アクリル酸とを共重合し、中和剤で中和するする方法が挙げられる。
なお、上記中和剤としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の塩基を使用することが好ましい。これらの塩基は、樹脂(a)のエマルジョン中に含有されたまま、本発明の水系プライマー組成物のエマルジョン中に持ち込まれてもかまわない。これらの塩基は揮発性であり、本発明の水系プライマー組成物を硬化して得られるプライマー層中には残留するとしても痕跡量しか残留しないからである。
樹脂(a)は、また、カルボキシ基以外の親水性基を有してもよい。
上記カルボキシ基以外の親水性基は、自己乳化型の樹脂が有することができるもの(カルボキシ基を除く。)であれば特に制限されない。
上記カルボキシ基以外の親水性基としては、例えば、ノニオン性親水性基、カチオン性親水性基(カルボキシ基を除く。)等を挙げることができる。
上記ノニオン性親水性基としては、例えば、樹脂の主鎖や側鎖に導入されたオキシエチレン基の繰り返し単位の部分を挙げることができる。
上記アニオン性親水性基(カルボキシ基を除く。)としては、例えば、スルホニル基、ホスホリル基、ホスホニル基、ホスフィニル基、チオスルホニル基、これらのアニオン型等を挙げることができる。
上記カルボキシ基およびその他親水性基は、樹脂(a)の主鎖に直接結合してもよい。
耐水接着性および耐温水接着性を担保し、作業性に優れ、初期接着性に優れるという観点から、樹脂(a)1モルが有するカルボキシ基の数は、1〜10モルであるのが好ましく、1〜5モルであるのがより好ましい。
また、同様の観点から、樹脂(a)1モルが有するカルボキシ基およびカルボキシ基以外の親水性基の数は、合計で、1〜10モルであるのが好ましく、1〜5モルであるのがより好ましい。
樹脂(a)の重量平均分子量は、ガラス転移温度をより低くできるという観点から、10,000〜1,000,000であることが好ましい。
なお、ここで、重量平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で表わされる重量平均分子量である。
樹脂(a)のガラス転移温度は、水系プライマー組成物から得られるプライマー層の耐水性がより優れるという観点から、−50〜50℃であるのが好ましく、−20〜20℃であるのがより好ましい。
樹脂(a)のエマルジョンの最低造膜温度(エマルジョンに含まれる樹脂が膜を形成することができる最低の温度)は、本発明の水系プライマー組成物の冬場での乾燥性に優れるという観点から、0℃以上であるのが好ましく、0〜5℃であるのが好ましい。
樹脂(a)としては、市販品を使用することができる。
上記市販品は、本発明の水系プライマーを製造するうえで取扱いが容易であるという観点から、エマルジョンであるものが好ましい。
市販のウレタン樹脂エマルジョンとしては、例えば、F−2077D−1(第一工業社製)が挙げられる。
市販のアクリル樹脂エマルジョンとしては、例えば、YJ−2720D(BASF社製)が挙げられる。
樹脂(a)としては、また、合成品を使用することもできる。
樹脂(a)のエマルジョンの製造方法は特に限定されず、自己乳化型のウレタン樹脂エマルジョン、自己乳化型のアクリル樹脂エマルジョン等の一般的な製造方法によって、カルボキシ基を導入して、合成することができる。
〈1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)〉
1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)(以下「化合物(b)」という。)は、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する化合物であって、水溶性のものまたは水分散性のものであれば特に限定されない。
化合物(b)としては、例えば、α−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシコハク酸、ε−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒドロキシ酢酸、α−ヒドロキシブタン酸、ヒドロキシステアリン酸のようなモノヒドロキシ基含有飽和脂肪酸;リシノール酸のようなモノヒドロキシ基含有不飽和脂肪酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジヒドロキシコハク酸のようなカルボン酸含有ポリオールを挙げることができる。
本発明の水系プライマー組成物を硬化して得られるプライマー層とシーリング材との接着性、汎用性等に優れるという観点から、化合物(b)としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA;CAS登録番号 4767−03−7)、2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA;CAS登録番号 10097−02−6)が好ましい。
上記2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸としては、市販品を使用することができる。
化合物(b)は、本発明の水系プライマー組成物のエマルジョン中では、少なくともその一部が共役塩基の形で存在していると考えられる。
〈揮発性塩基(c)〉
揮発性塩基(c)(以下「塩基(c)」という。)は、揮発性を有する水溶性の塩基化合物であれば特に限定されない。なお、ここでいう塩基とはブレンステッド塩基のことである。
塩基(c)としては、例えば、アンモニア、揮発性第一級〜第三級アミン等を挙げることができる。
塩基(c)としては、揮発性第三級アルキルアミンが好ましく、揮発性第三級トリアルキルアミンがより好ましい。
揮発性第三級アルキルアミンとしては、トリメチルアミン(TMA;CAS登録番号 75−50−3)またはトリエチルアミン(TEA;CAS登録番号 121−44−8)が好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。
本発明の水系プライマー組成物は、塩基(c)を含有すると安定性が向上する。これは、化合物(b)と塩基(c)とが、酸と塩基の関係であることにより、水系プライマー組成物中での化合物(b)の安定性が向上するためであると思われる。
また、塩基(c)は、水系プライマー組成物のエマルジョン中では、少なくともその一部が共役酸の形で存在していると考えられる。
塩基(c)は、本発明のプライマー組成物中に、特に制限されず含有することができる。化合物(b)のカルボキシ基1モルに対して、第三級アルキルアミン0.2〜2モルを含有することが好ましく、0.5〜1.5モルを含有することがより好ましい。この範囲であると、本発明のプライマー組成物のエマルジョン中の化合物(b)の安定性がより向上する。
塩基(c)は、本発明の水系プライマー組成物を硬化させたときに、プライマー層中に痕跡量しか残留せず、本発明に係るプライマー層とシーリング材または被着体との接着性を損なうことはないものと考えられる。
〈1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する化合物(d)〉
1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する化合物(d)(以下「化合物(d)」という。)は、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する化合物であって、水溶性のものまたは水分散性のものであれば特に限定されない。
化合物(d)としては、市販品を使用することができる。例えば、カルボジライトE−01(日清紡ケミカル社製)等を挙げることができる。
〈表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)〉
本発明の水液プライマー組成物は、所望により、表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)(以下「シリカ(e)」という。)を含有することができる。
シリカ(e)は、表面にヒドロキシ基を有するものであれば特に限定されないが、水分散シリカ(e1)または水溶性シリカ(e2)が好ましい。
《水分散シリカ(e1)》
水分散シリカとしては、コロイダルシリカが好ましい。
上記コロイダルシリカとしては、例えば、球状コロイダルシリカ、連結コロイダルシリカ等を挙げることができる。
上記球状コロイダルシリカは、耐水接着性に優れるという観点から、その平均一次粒子径が1〜20nmであるものが好ましく、耐水接着性により優れ、耐温水接着性、透明性に優れるという観点から、球状コロイダルシリカの平均一次粒子径は、1〜10nmであるのがより好ましい。
なお、ここで、球状コロイダルシリカの平均一次粒子径は、動的光散乱法によって測定されたものである。
球状コロイダルシリカはその製造について特に制限されない。
球状コロイダルシリカはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
球状コロイダルシリカとしては、市販品を使用することができる。例えば、日産化学工業社製のスノーテックスXS(平均一次粒子径=4〜6nm)、これの派生商品であり、Naを除去した酸性タイプのスノーテックスOXS、アンモニア安定型スノーテックスNXS等を、使用することができる。
上記連結コロイダルシリカは、シリカ微粒子が複数個連結して、鎖状もしくは網目状となるものである。
上記連結コロイダルシリカとしては、シリカ微粒子が複数個化学結合したものが好ましい。
また、連結コロイダルシリカにおいて、シリカ微粒子の形状としては、例えば、円柱状、球状を挙げることができる。シリカ微粒子はその形状についてそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シリカ微粒子の形状が円柱状である場合、連結コロイダルシリカは、円柱状のシリカ微粒子がその長さ方向に複数個連結し鎖状または条件によっては網目状の形状となることができる。
連結コロイダルシリカの最大長さは、透明性を確保する観点から可視光線波長である380nm以下とすることが好ましく、28〜350nmとすることがより好ましい。
シリカ微粒子の形状が円柱状である場合、円柱の(長さ)/(太さ)が2.5〜350であることが好ましい。円柱の太さは1〜20nmであるのが好ましい。円柱の長さは7〜200nmであることが好ましい。
なお、ここで「太さ」とは連結コロイダルシリカを成す円柱状のシリカ微粒子の直径を
表わし、「長さ」とは該円柱状のシリカ微粒子の最も長い部分の寸法を表わす。
連結コロイダルシリカの製造は特に制限されない。例えば、従来公知のものを挙げることができる。
球状コロイダルシリカまたは連結コロイダルシリカは、その製造の際に例えばナトリウム中和、アンモニア中和される場合がある。
耐水接着性により優れ、耐温水接着性に優れるという観点から、アンモニア中和が好ましい。
連結コロイダルシリカとしては、市販品を使用することができる。例えば、日産化学工業社製のスノーテックス−UP(円柱状、円注の長さ=40〜100nm)、これの派生商品である、ナトリウムを除去した酸性タイプのスノーテックスOUP等を挙げることができる。
球状コロイダルシリカ、連結コロイダルシリカは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の水系プライマー組成物に含有する、球状コロイダルシリカの量、連結コロイダルシリカの量または球状コロイダルシリカおよび連結コロイダルシリカの合計の量は、耐水接着性により優れ、耐温水接着性、透明性に優れるという観点から、樹脂(a)(固形分)100質量部に対して、20〜100質量部であるのが好ましく、20〜50質量部であるのがより好ましい。
《水溶性シリカ(e2)》
水溶性シリカは、特に限定されないが、例えば、オルトケイ酸またはメタケイ酸のアルカリ金属塩を挙げることができる。
オルトケイ酸またはメタケイ酸のアルカリ金属塩としては、例えば、リチウムシリケート、ナトリウムシリケート、カリウムシリケート等を挙げることができる。
本発明では、これらを1種類単独で、または2種類以上組み合わせて使用することができる。
また、これらの化合物は単一の組成を有する化合物でなくてもよく、SiO(無水ケイ酸)とMO(アルカリ金属酸化物;ここで、Mはアルカリ金属を表す。)が様々なモル比で混合していてもよい。このとき、SiOとMOのモル比(SiO/MO)は、1.0〜8.0であることが好ましく、1.5〜4.5であることがより好ましく、1.5〜2.5であることがさらに好ましい。
水溶性シリカとしては市販品を使用することができる。
リチウムシリケートの市販品としては、例えば、日産化学工業社製リチウムシリケート35、45および75を使用することができる(SiO/MOはそれぞれ3.5、4.5および7.5である。)
ナトリウムシリケートの市販品としては、例えば、JIS規格(JIS K 1408:1996)の水ガラスを使用することができる。また、JIS規格外の水ガラスを使用してもよい。JIS規格の水ガラスとしては、例えば、1号〜3号ケイ酸ソーダを挙げることができる。1号ケイ酸ソーダ(SiO/MO=2.1)としては、例えば、富士化学社製のものを使用することができる。
カリウムシリケートの市販品としては、例えば、日産化学工業社製のスノーテックスK2(SiO/MO=3.3)を使用することができる。
本発明の水系プライマー組成物に含有する、水溶性シリカの合計の量は、耐水接着性により優れ、耐温水接着性、透明性に優れるという観点から、樹脂(a)(固形分)100質量部に対して、50〜500質量部であるのが好ましく、100〜400質量部であるのがより好ましく、200〜300質量部であるのがさらに好ましい。
〈その他含有することができる添加剤〉
本発明の水系プライマー組成物は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材、難燃剤、触媒、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、有機溶剤等を挙げることができる。
このような添加剤の量は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、制限されない。
[水系プライマー組成物の製造方法]
本発明の水系プライマー組成物は、樹脂(a)と、化合物(b)と、塩基(c)と、化合物(d)とを含有するエマルジョンであるが、そのエマルジョンの製造について特に制限されない。例えば、樹脂(a)のエマルジョンと、化合物(b)と、塩基(c)と、化合物(d)と、所望によりシリカ(e)と、その他含有することができる添加剤とを混合することによって製造する方法を挙げることができる。
ここで、塩基(c)は、単独で配合してもよいが、樹脂(a)との塩、化合物(b)との塩、またはこれらの水溶液または水分散液の状態で配合してもよい。
[シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット]
本発明のセットについて以下に説明する。
本発明のセットは、ウレタンプレポリマーを少なくとも含有するシーリング材組成物と、
本発明の水系プライマー組成物とを有する、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットである。
上記シーリング材組成物としては、例えば、ウレタンプレポリマーを少なくとも含有するシーリング材組成物を挙げることができる。
上記シーリング材組成物が含有することができるウレタンプレポリマーは、特に制限されない。例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによって得られるものを挙げることができる。ポリイソシアネート、ポリオールはそれぞれ上記と同様のものを挙げることができる。
上記ウレタンプレポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においてシーリング材組成物は、硬度発現性に優れるという観点から、さらに硬化剤を含有することができる。シーリング材組成物が2成分形の場合、硬化剤は貯蔵安定性に優れるという観点から第2液に含まれるのが好ましい。
シーリング材組成物がウレタンプレポリマーを含有する場合、硬化剤は、イソシアネート基と反応できるものであれば特に制限されない。例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等のイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を挙げることができる。好ましくはヒドロキシ基を有する化合物を挙げることができる。
上記ヒドロキシ基を有する化合物は特に制限されない。上記のポリオールと同様のものを挙げることができる。なかでも、ポリプロピレングリコール(PPG)のようなジオール;ポリオキシプロピレントリオールのようなトリオールが好ましい。
上記硬化剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化剤を使用する場合、硬化剤の官能基および炭化水素化合物Aのヒドロキシ基の合計モル数は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基のイソシアネート基1モルに対して、1.2〜2.0モルであるのが好ましく、1.5〜1.8モルであるのがより好ましい。
シーリング材組成物は、ウレタンプレポリマー、硬化剤以外に、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、接着付与剤、顔料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材、触媒、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、有機溶剤を挙げることができる。添加剤の量は、特に制限されない。
シーリング材組成物はその製造について特に制限されない。
本発明において、シーリング材組成物は、1成分形、または2成分形とすることができる。
シーリング材組成物が、ウレタンプレポリマーを含有する場合、ウレタンプレポリマーと必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して第1液とし、硬化剤と添加剤とを混合して第2液とすることができる。
本発明のセットは、例えば、シーリング材(例えば、建築用)、接着剤として使用することができる。
本発明のセットを適用することができる部材(被着体)としては、例えば、ガラス;アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、鉄、亜鉛鋼板、銅、ステンレスのような各種金属;モルタルや石材のような多孔質部材;フッ素電着、アクリル電着やフッ素塗装、ウレタン塗装、アクリルウレタン塗装された部材;シリコーン系、変成シリコーン系、ウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系のようなシーリング材の硬化物;塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂;NBR、EPDMのようなゴム類を挙げることができる。
次に本発明のシーリング材について以下に説明する。
本発明のシーリング材は、第1の部材と第2の部材との間を本発明のセットを用いてシールするシーリング材である。
本発明のシーリング材の製造方法としては、例えば、隙間を開けて隣あう少なくとも2つの部材間において、第1の部材の側面および第2の部材の側面にシーリング材用水系プライマー組成物を塗布するプライマー塗布工程と、前記隙間にシーリング材組成物を充填するシーリング材充填工程と、シーリング材組成物を養生させる硬化工程とを有する方法(以下この方法を「方法1」ということがある。)を挙げることができる。
なお、方法1において、プライマー塗布工程とシーリング材充填工程との間に、必要に応じてプライマー乾燥工程を設けることができる。
プライマー乾燥工程における乾燥温度は5〜100℃とすることができる。乾燥方法は特に制限されない。
[プライマー層]
本発明の水系プライマー組成物を被着体に塗布し、硬化して得られるプライマー層は、樹脂(a)と、化合物(b)と、化合物(d)とを含有する。本発明の水系プライマー組成物がシリカ(e)をさらに含有している場合には、上記プライマー層は、シリカ(e)をさらに含有する。
塩基(c)は、本発明の水系プライマー組成物を硬化して得られるプライマー層中には、残留しないか、残留するとしても痕跡量しか残留しないと考えられる。
[接着性が優れるメカニズム]
本発明の水系接着剤組成物は、硬化して得られるプライマー層とシーリング材または被着体との間の接着性が優れている。また、シリカ(e)を含有すると、耐水接着性がより向上する。
本発明者は、この接着性が優れるメカニズムについて、以下のように推定しているが、本発明の作用効果はこのメカニズムに限定して解釈されるものではない。
(1)プライマー層とシーリング材との間
ウレタン系シーリング材に含まれる残存イソシアネート基と、プライマー層に含まれる化合物(b)のヒドロキシ基とが反応し、シーリング材中のポリウレタンとプライマー層中の化合物(b)との間に共有結合が形成される。
プライマー層に含まれる化合物(b)のカルボキシ基と、化合物(d)のカルボジイミド基とが反応し、化合物(b)と化合物(d)との間に共有結合が形成される。
プライマー層に含まれる化合物(d)のカルボジイミド基と樹脂(a)のカルボキシ基とが反応し、化合物(d)と樹脂(a)との間に共有結合が形成される。
なお、化合物(d)はカルボジイミド基を1分子中に2個以上有するので、1分子の化合物(d)が、化合物(b)および樹脂(a)の両方と共有結合を形成しうる。
これらにより、本発明の水系プライマー組成物は、硬化して得られるプライマー層とシーリング材との間の接着性が優れていると考えられる。
(2)プライマー層と被着体との間
被着体表面のヒドロキシ基と、プライマー層中の樹脂(a)のカルボキシ基とが、水素結合を形成する。さらに、上述のとおり、樹脂(a)は化合物(d)とは直接、化合物(b)とは化合物(b)を介して結合している。
このため、本発明の水系プライマー組成物は、硬化して得られるプライマー層と被着体との間の接着性が優れていると考えられる。
シリカ(e)を含む場合、シリカ(e)の表面のヒドロキシ基と被着体表面のヒドロキシ基との間で水素結合が形成され、また、シリカ(e)の表面のヒドロキシ基と樹脂(a)のカルボキシ基との間で水素結合が形成される。
このため、本発明の水系プライマー組成物は、シリカ(e)を含有すると、硬化して得られるプライマー層と被着体との間の接着性がより優れると考えられる。
上記メカニズムを勘案すると、下記(ア)および(イ)に記載の関係が成り立つことが、本発明の水系プライマー組成物が所望の作用効果を奏する上で望ましい。
(ア) N<N<3N
(イ) N<N
ただし、ここで、N=樹脂(a)のカルボキシ基のモル数、N=化合物(b)のカルボキシ基のモル数、N=化合物(d)のカルボジイミド基のモル数である。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.水系プライマー組成物の製造
第1表に示す各成分を、第1表に示す量(単位は質量部)で混合し、水系プライマー組成物を製造した。
2.接着性試験体の作製
ウレタン系シーリング材組成物として、UH−01NB(横浜ゴム社製)を用いた。
被着体として、縦5cm、横5cm、厚さ3mmの陽極酸化アルミ(パルテック社製)を用いた。
上記のようにして製造した水系プライマー組成物を、塗布量50g/mで、1枚の陽極酸化アルミの片面の全面に刷毛を用いて塗布し、20℃の条件下で60分間硬化した。
次いで、水系プライマー組成物を硬化して得られたプライマー層の上に、上記ウレタン系シーリング材組成物を、塗布量500g/mでピール状に塗布した。塗布後、23℃、60%RHの条件下で7日間硬化して、接着性試験体を作製した。
3.水系プライマー組成物の評価試験
(1)安定性
上記のようにして製造した水系プライマー組成物を、50℃オーブンに7日間入れた後のゲル物の有無で評価した。
ゲルが発生しているものを「×」と評価し、発生していないものを「○」と評価した。
評価「○」のものが合格であり、「×」のものは不合格である。従って、評価「×」のものについては、下記の接着性試験を行わなかった。
(2)接着性
以下に示す方法で接着性の評価をした。
〈20℃×7日〉上記のようにして製造した接着性試験体を、20℃の条件下で7日間硬化した後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、破壊状況を評価した。
〈20℃水×7日〉上記のようにして製造した接着性試験体を、20℃の条件下で7日間硬化した後、20℃の水中に7日間置き、その後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、破壊状況を評価した。
接着性の評価基準は、CFはシーリング材層の凝集破壊、TCFはプライマー層の薄層破壊(プライマーが被着体との界面で部分的に界面破壊している状態)、PSはプライマー層とシーリング材層との界面破壊であることを示す。
TCFおよびCFが合格であり、PSは不合格である。
なお、20℃水×7日の接着性は、特に、耐水接着性ともいう。
4.試験結果の説明
(1)実施例
実施例1〜8は、水系プライマー組成物の製造時に、いずれもゲルの発生がなく、「○」と評価された。すなわち、実施例1〜8に係る水系プライマー組成物の安定性は良好であった。
実施例1、2は、接着性試験の結果、ともに、20℃×7日についてCF、20℃水×7日についてTCFであった(第1表)。従って、実施例1、2に係る水系プライマー組成物の接着性および耐水接着性はともに優れていた。
実施例3〜8は、接着性試験の結果、ともに、20℃×7日についてCF、20℃水×7日についてもCFであった(第1表)。従って、実施例3〜8に係る水系プライマー組成物の接着性および耐水接着性はともに優れていた。
実施例1、2と実施例3〜5とを接着性評価の上から対比すると、耐水接着性について、実施例3〜5は実施例1、2よりも優れていた(第1表)。実施例1、2と実施例3〜5とを構成上対比すると、実施例3〜5は実施例1、2の水系プライマー組成物に特定のシリカを配合したものである点が相違する。従って、実施例3〜5が耐水接着性により優れることは、シリカを配合したことによる効果であると考えられる。
実施例6〜8は樹脂(a)としてアクリル系樹脂を、シリカ(e)として、ナトリウムシリケート(水ガラス)、リチウムシリケートまたはカリウムシリケートを、それぞれ使用したものである。安定性および接着性がともに優れていたことから、樹脂(a)はウレタン系樹脂に限定されず、アクリル系樹脂も使用することができること、さらには、水溶性シリカ(e2)は水ガラス(ナトリウムシリケート)に限定されないことがわかる。
(2)比較例
比較例1、2は、水系プライマー組成物の製造時に、いずれもゲルの発生がなく、「○」と評価されたが、比較例3、4は、いずれもゲルの発生があり、「×」と評価された。
比較例3、4と、実施例3、4および比較例1、2とを対比すると、比較例3、4ではDMBAを含むがEtNを含まない点が相違する。この点に基づけば、DMBAを含有しながら水系プライマー組成物のエマルジョンを安定させるには、DMBAと揮発性塩基とを水系プライマー組成物中に含有させることが必要であることがわかる。
なお、比較例3、4は安定性が不合格であったため、接着性試験を行わなかった。
比較例1、2は、構成上、それぞれ、実施例1、2からDMBA+EtNを除いたものである。これらの接着性の評価は20℃×7日、20水×7日とも「PS」であった。これは、組成物中にDMBAを含有しないことによると考えられる。
(3)全体評価
上述したように、実施例1〜8に係る水系プライマー組成物は、硬化して得られるプライマー層とシーリング材および被着体との間の接着性、耐水接着性が優れる。
また、実施例1〜8に係る水系プライマー組成物は、従来のシーリング材組成物を使用することができ、さらに、汎用原料のみを用いて製造することができたため、工業的有用性が高く、望ましいものである。
第1表に示す各成分は以下のものである。
(1)樹脂(a)
・ウレタン1:F2077D−1(エマルジョン、樹脂固形分35質量%、ベース樹脂のTg=−5℃、ベース樹脂の数平均分子量=50000;第一工業社製)
・アクリル1:YJ2720D(エマルジョン、樹脂固形分41質量%、ベース樹脂のTg=9℃、ベース樹脂の重量平均分子量=100000;BASF社製)
(2)化合物(b)/化合物(b)+塩基(c)
・DMBA:2,2−ジメチロールブタン酸(水溶液、溶質濃度 10質量%)
・DMBA/EtN:ジメチロールブタン酸のトリエチルアミン塩の水溶液(水溶液、溶質濃度 12.3質量%)
(3)化合物(d)
・カルボジイミド1:カルボジライトE−01(エマルジョン、固形分40質量%;日清紡ケミカル社製)
(4)シリカ(e)
(4.1)水分散シリカ(e1)
・水分散シリカ1:スノーテックスNXS(コロイド溶液、固形分14質量%;日産化学工業社製)
・水分散シリカ2:スノーテックスUP(コロイド溶液、固形分20質量%;日産化学工業社製)
(4.2)水溶性シリカ(e2)
・水溶性シリカ1:リチウムシリケート35(SiO/LiOモル比=3.5;固形分50質量%;日産化学工業社製)
・水溶性シリカ2:1号珪酸ソーダ(SiO/NaOモル比=2.12;固形分50質量%;富士化学社製)
・水溶性シリカ3:スノーテックスK2(SiO/KOモル比=3.3;固形分50質量%;日産化学工業社製)

Claims (14)

  1. カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、揮発性塩基(c)と、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)とを含有する水系プライマー組成物であって、前記カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)がカルボキシ基を有する自己乳化型のウレタン樹脂またはカルボキシ基を有する自己乳化型のアクリル樹脂である、水系プライマー組成物。
  2. さらに、表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)を含有する、請求項1に記載の水系プライマー組成物。
  3. カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、揮発性塩基(c)とを含有するエマルションである第1液、および
    1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)を含有する水溶液またはエマルションである第2液を有する水系プライマー組成物であって、前記カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)がカルボキシ基を有する自己乳化型のウレタン樹脂またはカルボキシ基を有する自己乳化型のアクリル樹脂である、水系プライマー組成物
  4. さらに、表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)を前記第1液または前記第2液に含有する、請求項3に記載の水系プライマー組成物。
  5. 前記表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)が水分散シリカ(e1)である、請求項2または4に記載の水系プライマー組成物。
  6. 前記表面にヒドロキシ基を有するシリカ(e)が水溶性シリカ(e2)である、請求項2または4に記載の水系プライマー組成物。
  7. 前記1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)の少なくとも一部をその共役塩基の形で、前記揮発性塩基(c)の少なくとも一部をその共役酸の形で、それぞれ含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
  8. 前記1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)が2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸またはこれらの混合物である、請求項1〜のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
  9. 前記揮発性塩基(c)が揮発性第3級アルキルアミンである、請求項1〜のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
  10. 前記カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)のカルボキシ基のモル数Nと、前記1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)のカルボキシ基のモル数Nと、前記1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)のカルボジイミド基のモル数Nとの間に、
    <N<3N かつ N<N
    なる関係が成立する、請求項1〜のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
  11. ウレタン系シーリング材用の水系プライマー組成物である、請求項1〜10のいずれかに記載の水系プライマー組成物。
  12. カルボキシ基を有する自己乳化型の樹脂(a)と、1分子中にヒドロキシ基およびカルボキシ基を有する水溶性または水分散性の化合物(b)と、1分子中にカルボジイミド基を2個以上有する水溶性または水分散性の化合物(d)とを含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の水系プライマー組成物を硬化して得られるプライマー層。
  13. ウレタンプレポリマーを含有するシーリング材組成物と、請求項1〜11のいずれかに記載の水系プライマー組成物とを含む、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
  14. 第1の部材と第2の部材との間が請求項13に記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットを用いてシーリングされているシーリング材。
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