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JP5720194B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置 Download PDF

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JP5720194B2
JP5720194B2 JP2010256553A JP2010256553A JP5720194B2 JP 5720194 B2 JP5720194 B2 JP 5720194B2 JP 2010256553 A JP2010256553 A JP 2010256553A JP 2010256553 A JP2010256553 A JP 2010256553A JP 5720194 B2 JP5720194 B2 JP 5720194B2
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Description

本発明は、噴射ヘッドから液体を噴射する技術に関する。
微細な噴射ノズルが設けられた噴射ヘッドから、インクなどの液体を噴射する液体噴射
装置が知られている。液体噴射装置は、一般に、印刷用紙などの印刷媒体を水平方向に搬
送しながら、噴射ノズルから印刷媒体上に液体を噴射するように設計される。このため、
液体噴射装置を構成する部品は水平方向に配置されることになり、結果として液体噴射装
置は大きな設置面積が必要となる。そこで、印刷媒体を垂直方向に搬送しながら媒体上に
液体を噴射する構成(いわゆる縦置き型)が採用されることがある。こうすれば、液体噴
射装置の構成部品を垂直方向に配置することができるので、液体噴射装置の設置面積を小
さくすることができる。
もっとも、設置面積が小さくなると液体噴射装置が転倒し易くなる。また、縦置き型で
ない通常の液体噴射装置についても、持ち運びの際などには液体噴射装置の姿勢が通常の
姿勢(液体を噴射するときの姿勢)から変化する。そして、液体噴射装置が通常の姿勢か
ら変化すると噴射ヘッドの状態が大きく変わってしまうことがある。そこで、液体噴射装
置に取り付けた加速度センサーを用いて液体噴射装置の傾きを検出可能としておき(特許
文献1)、加速度センサーの出力から液体噴射装置が倒れたと判断した場合には、噴射ヘ
ッドのメンテナンスを行うことが考えられる。
特開2005−271384号公報
しかし、液体噴射装置の姿勢の変化は、液体噴射装置に電力が供給されている状態(す
なわち電源ONの状態)に限らず、液体噴射装置への電力供給が断たれた状態(電源OF
Fの状態)にも起こり得る。そして、電源OFFの状態では加速度センサーを用いること
ができないので、電源OFFの間に液体噴射装置の姿勢が通常の姿勢から変化したか否か
の判断を行うことができないという問題があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
電源OFFの状態における液体噴射装置の姿勢変化の有無を判断可能とする技術の提供を
目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体噴射装置は次の構成を採用した。すなわち、
噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記液体噴射装置に対して移動可能に設けられて、該液体噴射装置が前記液体を噴射する時の姿勢から傾くと、重力の作用を受けて移動する移動部材と、
移動した前記移動部材に当接されることによって変化した状態を保持するロック機構を有し、該ロック機構の保持状態により前記移動部材が移動したことを記憶する移動履歴記憶手段と
を備えることを要旨とする。
このような本発明の液体噴射装置においては、液体噴射装置が液体を噴射する時の姿勢から傾くと重力によって移動部材が移動し、その移動部材当接されることによって変化した状態がロック機構で保持されることにより移動部材が移動したことが記憶される。
こうすれば、重力を用いて移動部材と移動履歴記憶手段とを当接させることにより移動
部材が移動したことを記憶することができるので、電気的なエネルギーを利用することな
く移動部材が移動したことを記憶することができる。これにより、電力が供給されていな
い状態(電源OFFの状態)で液体噴射装置が傾いたことを移動履歴記憶手段に記憶して
おくことができる。従って、記憶された内容を操作者が参照することにより、電源OFF
の状態で液体噴射装置が傾いたか否かを判断することができる。その結果、噴射ヘッドの
メンテナンスを行うべきか否かを操作者が判断することが可能となる。また、移動履歴記
憶手段の記憶内容を参照するための機構を液体噴射装置に設けておけば、参照した結果を
もとに、電源OFFの状態で液体噴射装置が傾いたか否かを液体噴射装置側で判断するこ
とができるので、噴射ヘッドのメンテナンスを行うべきか否かを液体噴射装置側で判断す
ることも可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、移動履歴記憶手段によって記憶された移動部材の電源OFF時の移動履歴に基づいて、傾き具合または傾き方向のうちいずれか一つの判断を行うこととしてもよい。
このような構成によれば、電力が供給されていない状態(電源OFFの状態)で液体噴射装置が傾き具合または傾き方向のうちいずれか一つを移動履歴記憶手段に記憶しておくことができ、更に移動履歴記憶手段の記憶内容を参照するための機構を液体噴射装置に設けておくことで、参照した結果をもとに、電源OFF時における液体噴射装置の傾き具合または傾き方向のうちいずれか一つを判断することができる。その結果、噴射ヘッドのメンテナンスを行うべきか否かを操作者が判断することが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、移動履歴記憶手段によって記憶された移動部材の移動履歴に基づいてメンテナンス動作を実行するかどうかの判断を行うこととしてもよい。
このような構成によれば、液体噴射装置が傾いたことを移動履歴記憶手段に記憶しておくことができ、更に移動履歴記憶手段の記憶内容を参照するための機構を液体噴射装置に設けておくことで、参照した結果をもとに、液体噴射装置が傾いたか否かを判断することができる。その結果、噴射ヘッドのメンテナンスを行うべきか否かを液体噴射装置側で判断することが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、移動部材の移動履歴に基づいて転倒していないと判断された場合には、メンテナンス動作を実行しないこととしてもよい。
このような構成によれば、転倒していないと判断された場合にはメンテナンス動作を実行しない為、必要のないメンテナンスを省略することができ、その結果、噴射ヘッドのメンテナンスにかかる時間を短縮することができると共に、メンテナンスよって廃棄されるインクの量を削減することが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、移動部材の移動履歴に基づいて転倒したと判断された場合には、メンテナンス動作を実行することとしてもよい。
このような構成によれば、転倒したと判断した場合にはメンテナンス動作を実行する為、結果として印刷に悪影響が生ずることを自動的に回避することが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、移動部材は、移動部材の移動経路上を移動する時の移動量が、液体噴射装置が傾く大きさに応じて変化するものとし、移動経路上の複数の箇所に移動履歴記憶手段を設けておくこととしてもよい。
こうすれば、移動部材の移動量を記憶することにより、電源OFFの状態で液体噴射装置が傾いた時の傾きの大きさを記憶することが可能である。液体噴射装置の傾きによっては、噴射ヘッドに生ずる状態の変化の程度が異なる場合がある。従って、移動履歴記憶手段に記憶された内容から電源OFFの状態での液体噴射装置の傾きの程度を判断することとすれば、噴射ヘッドの状態変化の程度に応じて適切なメンテナンスを行うことが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置においては、移動部材は、予め定められた複数の移動経路の何れかに沿って移動するものとし、何れの移動経路に沿って移動するかについては液体噴射装置の傾いた方向に応じて決まるものとする。そして、各々の移動経路上に移動履歴記憶手段を設けておくこととしてもよい。
こうすれば、移動部材が何れの移動経路に移動したのかを記憶することにより、電源OFFの状態で液体噴射装置が傾いた方向を記憶することが可能である。詳細には後述するが、液体噴射装置の構成によっては、液体噴射装置が傾いた方向により、噴射ヘッドに生ずる状態の変化の程度が異なる場合がある。従って、移動履歴記憶手段に記憶された内容から電源OFFの状態での液体噴射装置が傾いた方向を判断することとすれば、噴射ヘッドの状態変化の程度に応じて適切なメンテナンスを行うことが可能となる。
本実施例の液体噴射装置の大まかな構成を示した説明図である。 本実施例の液体噴射装置の印刷動作を示した説明図である。 転倒時のインクジェットプリンターの内部の様子を示した説明図である。 本実施例のインクジェットプリンターの転倒検出機構を示した説明図である。 本実施例の投入時メンテナンス処理を示したフローチャートである。 インクジェットプリンターが投入時メンテナンス処理で実行するメンテナンス動作を示した説明図である。 第1変形例の転倒検出機構を示した説明図である。 第2変形例の転倒検出機構を示した説明図である。 第3変形例の転倒検出機構を示した説明図である。 第4変形例の転倒検出機構を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.装置構成:
B.本実施例のインクジェットプリンターの転倒検出機構:
C.本実施例の投入時メンテナンス処理:
D.変形例:
D−1.第1変形例
D−2.第2変形例
D−3.第3変形例
D−4.第4変形例
A.装置構成 :
図1は、いわゆるインクジェットプリンターを例に用いて本実施例の液体噴射装置の大
まかな構成を示した説明図である。尚、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向
」「上下方向」をいう場合は、各図中に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれ
ぞれ示すものとする。図示したインクジェットプリンター10は、略箱形の外観形状をし
ており、上面奥側には、印刷用紙をセットする給紙口11が設けられており、上面手前側
には、印刷された印刷用紙が排出される排紙口12が設けられている。詳細には後述する
が、本実施例のインクジェットプリンター10では、印刷用紙を給紙口11にセットする
と、セットした印刷用紙の下端がインクジェットプリンター10内部の給紙機構(図示せ
ず)によって上向きに反転された後に、インクジェットプリンター10の上方に搬送され
て排紙口12から排出されるようになっている。図中には、本実施例のインクジェットプ
リンター10の印刷用紙の搬送経路が破線によって示されている。また、排紙口12の右
側には、印刷に関する情報を表示するための液晶表示部13が設けられている。
また、インクジェットプリンター10の前面側には前面カバー14が設けられている。
前面カバー14は下端側で軸支されており、上端側を手前に倒すと、インクジェットプリ
ンター10の内部の状態を確認したり、インクジェットプリンター10の修理などを行っ
たりすることが可能となっている。
また、インクジェットプリンター10の内部には、主走査方向に往復動しながら印刷用
紙上にインクドットを形成するキャリッジ20や、キャリッジ20を往復動させる駆動機
構30などが搭載されている。キャリッジ20の手前側(インクジェットプリンター10
の前面に向いた側)には、複数の噴射ノズルを備えた噴射ヘッド22が設けられている。
噴射ヘッド22の噴射ノズルが設けられた面(ノズル面22a)は、搬送されてきた印刷
用紙の紙面と対向しており、噴射ノズルから印刷用紙に向かってインクを噴射する。
また、噴射ノズルから噴射するインクは、インクカートリッジ40と呼ばれる専用容器
に収容されている。インクカートリッジ40は、噴射ヘッド22とは別の位置(本実施例
ではインクジェットプリンター10の右斜め上部)に設けられたカートリッジホルダー4
2に装填され、インクカートリッジ40内のインクは、インクチューブ44を介してキャ
リッジ20に供給される。インクジェットプリンター10の上面には、カートリッジ交換
用スロット46が設けられており、カートリッジ交換用スロット46にインクカートリッ
ジ40を差し込むことでインクカートリッジ40をカートリッジホルダー42に装填する
ことができ、この状態からインクカートリッジ40を引き抜くことで、インクカートリッ
ジ40を取り外すことができる。
尚、図示したインクジェットプリンター10では、シアン色、マゼンタ色、イエロー色
、黒色の4種類のインクを用いてカラー画像を印刷することが可能であり、このことと対
応して、噴射ヘッド22には、インクの種類毎に噴射ノズルが設けられている。そして、
それぞれの噴射ノズルには、対応するインクカートリッジ40内のインクが、インクの種
類毎に設けられたインクチューブ44を介して供給されるようになっている。
キャリッジ20を往復動させる駆動機構30は、内側に複数の歯形が形成されたタイミ
ングベルト32と、タイミングベルト32を駆動するための駆動モーター34などから構
成されている。タイミングベルト32の一部はキャリッジ20に固定されており、タイミ
ングベルト32を駆動すると、主走査方向に延設された図示しないガイドレールによって
ガイドしながら、キャリッジ20を主走査方向に往復動させることが可能となる。
また、キャリッジ20を主走査方向に移動させた印刷領域外の位置には、ホームポジシ
ョンと呼ばれる領域が設けられており、ホームポジションにはメンテナンス機構が搭載さ
れている。メンテナンス機構は、キャップ50や、ワイパー52、負圧ポンプ54、廃イ
ンクタンク56などから構成されており、メンテナンス機構では、噴射ヘッド22の状態
を正常に保つための各種のメンテナンス動作が行われる。先ず、キャップ50は図示しな
い駆動機構によってインクジェットプリンター10の前後方向に移動可能となっている。
そして、印刷を行わない場合には、キャリッジ20をホームポジションに移動した状態で
、キャップ50をキャリッジ20の手前側に押し当てて噴射ヘッド22を覆うように閉空
間を形成し、噴射ヘッド22内のインクが乾燥することを防止する。
また、キャップ50は負圧チューブを介して負圧ポンプ54が接続されており、キャリ
ッジ20の手前側にキャップ50を押し当てた状態で負圧ポンプ54を作動させることで
、噴射ヘッド22内のインクを吸い出して廃インクタンク56に排出する動作(クリーニ
ング動作)を行うことができる。さらに、キャップ50と噴射ヘッド22とを対向させた
状態で、噴射ヘッド22からインクを噴射してキャップ50に排出する動作(フラッシン
グ動作)を行うことも可能である。噴射ノズルのメニスカスが壊れるなどして噴射ヘッド
22から正常にインクを噴射することができなくなった場合には、上述したクリーニング
動作やフラッシング動作を実行し、噴射ヘッド22の状態を正常に保つ。
加えて、ワイパー52は図示しない駆動機構によって前後方向に移動可能となっており
、ワイパー52の先端部分を、複数の噴射ノズルが設けられた噴射ヘッド22の手前面(
ノズル面22a)に当接させ、この状態でキャリッジ20を主走査方向に移動させること
により、ノズル面に付着したインクを拭い取る動作(ワイピング動作)を行う。
また、インクジェットプリンター10の内部には、印刷用紙を紙送りするための図示し
ない給紙機構や、インクジェットプリンター10の全体の動作を制御する制御部60など
が搭載されている。キャリッジ20を往復動させる動作や、印刷用紙を紙送りする動作や
、噴射ノズルからインクを噴射する動作や、正常に印刷可能なようにメンテナンスを実行
する動作などは、全て制御部60によって制御されている。また、本実施例のインクジェ
ットプリンター10には、上述の構成に加え、インクジェットプリンター10の転倒を検
出するための転倒検出機構70が設けられている。この転倒検出機構70の詳細について
は後述する。
図2は、本実施例のインクジェットプリンター10の印刷動作を示した説明図である。
図2には、インクジェットプリンター10の印刷領域をインクジェットプリンター10の
側方から見た様子が示されている。先ず、給紙口11にセットした印刷用紙は用紙収容部
100に収容される。用紙収容部100に収容された印刷用紙は図示しないバネによって
インクジェットプリンター10の前面側に押され、用紙収容部100の前方に設けられた
給紙ローラー104に押し付けられる。給紙ローラー104は、細長い円柱状の部材であ
り、円周部分に対応する側面はゴム材料によって形成されている。給紙ローラー104の
一端には図示しない給紙モーターが接続されており、給紙モーターによって給紙ローラー
104を回転させると、用紙収容部100から印刷用紙が1枚ずつ下方に送り出される。
給紙ローラー104の直ぐ下方には、略U字型のガイド部材102が設けられている。
このため、給紙ローラー104によって下方に送り出された印刷用紙は、ガイド部材10
2に沿って搬送されることにより、その搬送方向が上方に反転する。こうして印刷用紙は
上向きに搬送されていき、途中、噴射ヘッド22のノズル面22aと対面する位置に設け
られたプラテン106上を通過する間に、印刷用紙上にインクが噴射されて画像が印刷さ
れていく。こうして画像が印刷された印刷用紙は、プラテン106の上方に設けられた紙
送りローラー108によって更に上方へと搬送され、最終的にインクジェットプリンター
10の上面の排紙口12から排出される。
以上のような本実施例のインクジェットプリンター10は、印刷用紙を略垂直方向に搬
送しながら印刷用紙にインクを噴射する関係上、インクジェットプリンター10の構成部
品がインクジェットプリンター10の高さ方向に配置される。このため、一般的なインク
ジェットプリンターのように、印刷用紙を略水平方向に搬送しながら印刷するものと比較
して、インクジェットプリンター10の設置面積を小さくすることができる。その反面で
、設置面積が小さくなることでインクジェットプリンター10は転倒し易くなる。
図3は、転倒時のインクジェットプリンターの内部の様子を示した説明図である。尚、
図3には、印刷を開始するまでの待機期間中にインクジェットプリンター10が転倒した
場合が例示されている。尚、ここでいう待機期間とは、インクジェットプリンター10へ
の電力の供給が断たれた期間や、インクジェットプリンター10への電力供給は行われて
いるものの、印刷を行っていない期間のことを指している。
図3(a)および図3(b)に示されるように、インクジェットプリンター10の待機
期間中は、噴射ヘッド22の周囲がキャップ50によって密閉される。また、キャップ5
0の内部には、フラッシング動作によってキャップ50に噴射したインクを貯めておく貯
留溝58が設けられており、キャップ50で密閉された空間の湿度が保たれることで、噴
射ヘッド22内のインクが乾燥して性状が劣化することが効果的に抑制されている。この
状態から、図3(a)に示されるように、インクジェットプリンター10が前面側に転倒
すると、転倒の勢いによって噴射ヘッド22内のインクが噴射ノズルから下方(キャップ
50の方向)に飛び出すことで、噴射ノズルのメニスカスが壊れる。また、図3(b)に
示されるように、インクジェットプリンター10が背面側に転倒すると、キャップ50の
貯留溝58からのインクによってノズル面22aが汚れる。
以上のように、インクジェットプリンター10が転倒すると、噴射ヘッド22に悪影響
が生ずる。すなわち、インクジェットプリンター10が前面側に転倒した場合(図3(a
)の場合)であれば、噴射ノズルのメニスカスが壊れたり、噴射ノズルから気泡が混入し
たりする。また、インクジェットプリンター10が背面側に転倒した場合(図3(b)の
場合)であれば、貯留溝58からのインクが噴射ノズル内に侵入してインクが混色したり
、ノズル面22aに付着したインクが固化して吐出不良が生ずることとなる。従って、こ
のままの状態で印刷を開始したのでは正常にインクを噴射することができず、印刷に悪影
響が生ずることとなる。従って、インクジェットプリンター10の転倒の有無を検出し、
転倒が生じた場合には必要なメンテナンス動作を実行することで、噴射ヘッド22を正常
な状態に保つ必要がある。
ここで、インクジェットプリンター10の転倒の有無を検出する方法としては、例えば
、加速度センサーを用いる方法が考えられる。しかし、加速度センサーを用いた場合、イ
ンクジェットプリンター10が電源OFFの状態ではインクジェットプリンター10の転
倒を検出することはできない。従って、転倒によって噴射ヘッド22に悪影響が生じてい
てもメンテナンス動作を実行することができず、結果として噴射ヘッド22から正常にイ
ンクを噴射することができなってしまう。そこで、本実施例のインクジェットプリンター
10では、以下のようなインクジェットプリンター10の転倒検出機構を採用することに
より、上述した問題が生ずることを防止している。
B.本実施例のインクジェットプリンターの転倒検出機構 :
図4は、本実施例のインクジェットプリンター10の転倒検出機構70を示した説明図
である。図4(a)に示されるように、本実施例の転倒検出機構70は、大まかには、転
倒検出機構70の構成部品を収容する収容ボックス71と、収容ボックス71の天井に設
けられた支持部材72から吊り下げられた移動部材としてのウェイト73と、インクジェ
ットプリンター10の側面から見てウェイト73の左右に設けられた移動履歴記憶手段と
してのスイッチ機構74a,74bなどから構成される。
また、図4(b)に示されるように、ウェイト73は、支持部材72を支点としてイン
クジェットプリンター10の前面側に角度θだけ振れたところでスイッチ機構74a上に
設けられたスイッチ75aと接触し、インクジェットプリンター10の背面側に角度θだ
け振れたところでスイッチ機構74b上のスイッチ75bと接触するようになっている。
そして、ウェイト73がスイッチ75と接触すると、スイッチ75はスイッチ機構74の
内部に押し込まれ、図示しないロック機構によってスイッチ機構74の内部に保持される
ようになっている。このとき、何れのスイッチ75a,75bがスイッチ機構74内に保
持されているかは、制御部60によって検出することが可能となっている。また、スイッ
チ機構74内に保持されたスイッチ75は、ロック機構(図示せず)のロックを解除する
ことにより、元の状態(スイッチ機構74上に突出した状態)に戻すことが可能となって
いる。
以上のような本実施例の転倒検出機構70では、電源OFFの状態でインクジェットプ
リンター10が転倒すると、ウェイト73が重力の方向に移動してインクジェットプリン
ター10が転倒した側のスイッチ75がスイッチ機構74内に押し込まれ、押し込まれた
状態が保持される。従って、電源OFF時のように電力の供給が断たれた状況下であって
も、インクジェットプリンター10が転倒したことを記憶しておくことができる。また、
何れのスイッチ75a,75bが押されているかによって、インクジェットプリンター1
0が転倒した方向を記憶しておくことも可能である。そこで、本実施例のインクジェット
プリンター10では、転倒検出機構70で記憶した内容をもとに、以下のようなメンテナ
ンス処理を実行する。
C.本実施例の投入時メンテナンス処理 :
図5は、本実施例の投入時メンテナンス処理を示したフローチャートである。本実施例
の投入時メンテナンス処理は、インクジェットプリンター10に電源が投入されると、制
御部60によって実行される処理である。
投入時メンテナンス処理を開始すると、先ず始めに、転倒検出機構70に記憶されてい
るインクジェットプリンター10の転倒に関する情報を読み出す(ステップS100)。
図4を用いて前述したように、電源OFFの間にインクジェットプリンター10が転倒し
ていれば、ウェイト73によってスイッチ75が押されてスイッチ機構74の内部に保持
された状態(スイッチ75がONの状態)となっている筈であり、また、インクジェット
プリンター10が転倒していなければ、何れのスイッチ75a,75bもOFFの状態と
なっている筈である。従って、投入時メンテナンス処理のステップS100では、スイッ
チ75a,75bのON/OFFの状態を検出することにより、電源OFF時にインクジ
ェットプリンター10が転倒したか否かを判断する(ステップS100)。
そして、ステップS100で何れのスイッチ75a,75bもOFFであると検出され
た場合、電源OFFの間にインクジェットプリンター10は転倒していないと判断し(ス
テップS102:no)噴射ヘッド22に対するメンテナンス処理は行わず、投入時メン
テナンス処理を終了する。
一方、ステップS100で、少なくとも何れかのスイッチ75a,75bがONである
と検出されることで、電源OFFの間にインクジェットプリンター10が転倒したと判断
された場合には(ステップS102:yes)、インクジェットプリンター10が前面側
にのみ転倒したか否かを判断する(ステップS104)。そして、スイッチ75aがON
、且つスイッチ75bがOFFであると検出されることにより、インクジェットプリンタ
ー10が前面側にのみ転倒したと判断した場合には(ステップS104:yes)、噴射
ヘッド22に対してメンテナンス処理Aを行う(ステップS106)。また、少なくとも
スイッチ75bがONと検出されることで、背面側への転倒があったと判断した場合には
(ステップS104:no)、メンテナンス処理Bを行う(ステップS108)
図6は、インクジェットプリンター10が投入時メンテナンス処理で実行するメンテナ
ンス動作を示した説明図である。前述したように、電源OFFの状態でインクジェットプ
リンター10が前面側に転倒した場合、噴射ノズルからインクが飛び出して噴射ノズルの
メニスカスが壊れるので(図3(a)を参照)、壊れたメニスカスを整えるためのメンテ
ナンス動作を行えば十分である。一方で、インクジェットプリンター10が背面側に転倒
した場合、転倒の勢いでメニスカスが壊れるだけでなく、キャップ50からのインクによ
ってノズル面22aが汚れてしまう(図3(b)を参照)。この場合、上述したメンテナ
ンス動作に加えて、汚れたノズル面22aを拭き取るメンテナンス動作を追加する必要が
ある。
そこで本実施例の投入時メンテナンス処理では、図6に示されるように、インクジェッ
トプリンター10が前面側にのみ転倒した場合には、噴射ノズルのメニスカスを整えるた
めのメンテナンス動作として、フラッシング動作を行った後、少量のインクを吸引するク
リーニング動作(弱吸引)を行い、仕上げにワイピング動作を行う(ステップS106)
。また、インクジェットプリンター10が少なくとも背面側に転倒したと判断した場合に
は、先ず始めにインクで汚れたノズル面22aをワイピングしてから、多めのインクを吸
引するクリーニング動作(強吸引)を行って噴射ノズル内に侵入したインクを吸い出し、
それから噴射ノズルのメニスカスを整えるための上述した軽微なメンテナンス処理を行う
(ステップS108)。
こうしてメンテナンス動作を行うことで噴射ヘッド22に生じた悪影響(噴射ノズルの
メニスカス異常や噴射ノズルへの気泡混入、噴射ノズル内へのインク混入、あるいはノズ
ル面22aでのインクの固化による吐出不良など)を排除したら(ステップS106,ス
テップS108)、スイッチ機構74内のロックを解除して転倒検出機構70を初期化し
(ステップS110)、投入時メンテナンス処理を終了する。
以上のような本実施例の投入時メンテナンス処理によれば、転倒検出機構70を用いて
記憶しておいた電源OFFの間の転倒に関する情報(転倒の有無、および転倒方向)を読
み出すことで、事後的にインクジェットプリンター10の転倒を検出することができる。
従って、電源OFFの間に生じたインクジェットプリンター10の転倒を検出し損ねるこ
とがないので、噴射ヘッド22に対する必要なメンテナンス動作を印刷前に実施すること
ができ、結果として印刷に悪影響が生ずることを回避することができる。
また、インクジェットプリンター10の電源をONにしている時間に比べれば、インク
ジェットプリンター10の電源をOFFにしている時間の方が長くなるのが通常である。
従って、インクジェットプリンター10の転倒が生ずる頻度もインクジェットプリンター
10の電源OFF中のほうが多いものと考えられる。このように、転倒が生じやすい時間
での転倒を検出することが可能となる。
また、メンテナンス動作を実行する際には、インクジェットプリンター10の転倒方向
に基づいてメンテナンスの方法を変更することができる。こうすることで、十分にメンテ
ナンスを行う必要がある場合(本実施例で背面側への転倒時)には必要なメンテナンス動
作を実行しつつ、それほど十分なメンテナンスを要しない場合(本実施例では前面側への
転倒時)には必要のないメンテナンスを省略することができる。その結果、噴射ヘッド2
2のメンテナンスにかかる時間を短縮することができると共に、メンテナンスによって廃
棄されるインクの量を削減することが可能となる。
D.変形例 :
前述した実施例には、いくつかの変形例が考えられる。以下では、これらの変形例につ
いて簡単に説明する。尚、以下に説明する変形例において、上述した実施例と同様の構成
部分については、本実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
D−1.第1変形例 :
前述した実施例では、転倒検出機構70のスイッチ75a,75bは、スイッチ機構7
4内のロック機構によってONの状態に保持するものと説明した。しかし、スイッチ75
a,75bは、以下のようにしてONの状態に保持するものとしても良い。
図7は、第1変形例の転倒検出機構70を示した説明図である。図示した転倒検出機構
70では、図4に示した転倒検出機構70に対して、ウェイト73の代わりに磁石76が
用いられている。また、スイッチ機構74a,74bが磁石76と当接する面は金属によ
って構成されており、磁石76とスイッチ機構74a,74bの表面とが吸着することで
スイッチ機構74a,74b上のスイッチ75a,75bが押された状態(ONの状態)
に保持されるようになっている。また、スイッチ機構74a,74bの上方には、スイッ
チ機構74a,74bに接着した磁石76をスイッチ機構74a,74bから引き離すた
めの離脱機構77がそれぞれ設けられている
このような第1変形例の転倒検出機構70を用いても、電源OFF時のインクジェット
プリンター10の転倒方向を記憶しておくことができる。また、スイッチ75を内部に保
持するためのロック機構をスイッチ機構74に設けなくてもよいので、スイッチ機構74
を簡素なものとすることが可能となる。
D−2.第2変形例 :
前述した実施例では、転倒検出機構70のウェイト73は支持部材72から吊るされる
ことにより移動可能に保持されているものと説明した。しかし、ウェイト73は次のよう
な構成によって移動可能としてもよい。
図8は、第2変形例の転倒検出機構70を示した説明図である。図示した転倒検出機構
70には、スイッチ機構74aとスイッチ機構74bとの間には略円弧状のスライドレー
ル78が設けられており、スライドレール78に設けられた溝にウェイト73の一部が嵌
合することで、ウェイト73がスライドレール78に沿ってスイッチ機構74aとスイッ
チ機構74bとの間を摺動可能となっている。また、ウェイト73が各スイッチ75a,
75bに向かう途中のスライドレール78上には保持爪79が設けられており、保持爪7
9は、スライドレール78に内蔵されたバネ機構によって保持爪79の先端がスライドレ
ール78上に少し突出した状態で保持されている。また、スライドレール78の内部には
、保持爪79をバネの力に逆らってスライドレール78内に収容するための収容機構(図
示せず)が設けられている。
このような第2変形例の転倒検出機構70では、インクジェットプリンター10が前面
側に転倒すると、ウェイト73が保持爪79を乗り越え、乗り越えた位置(ウェイト73
がスイッチ75aと接触可能な位置)で保持爪79によってウェイト73が固定されるよ
うになっており、また、インクジェットプリンター10が背面側に転倒すると、ウェイト
73が保持爪79を乗り越え、スイッチ75bと接触可能な位置で固定される。また、ウ
ェイト73が保持爪79に保持された状態で保持爪79をスライドレール78内に収容す
ることにより、ウェイト73を元の位置(図8に示した位置)に戻すことができる。従っ
て、前述した実施例の転倒検出機構70と同様に、インクジェットプリンター10が電源
OFFの間に転倒した場合の転倒方向を記憶することが可能である。また、ウェイト73
はスライドレール78にガイドされるので、ウェイト73をスイッチ75の位置に導くこ
とが可能である。
D−3.第3変形例 :
前述した実施例、第1変形例および第2変形例では、振り子、あるいはスライドレール
78を用いて転倒検出機構70を構成するものと説明した。ここで、転倒検出機構70の
構成としては、上述したもの以外に以下のような構成も考えられる。
図9は、第3変形例の転倒検出機構70を示した説明図である。図示した転倒検出機構
70は、大まかには、中心部分が円形にくり抜かれた円盤部材80と、円盤部材80の中
心を通る軸部81と、円盤部材80を軸部81に保持するための機構などから構成される
。円盤部材80の表面上の一カ所にはウェイト83が設けられており、円盤部材80の表
面上のウェイト83と別の位置には貫通穴84が設けられている。また、軸部81の外周
面には、深さの浅い固定溝85aが外周に沿って等間隔に3カ所、設けられるとともに、
固定溝85aと固定溝85aとの間の位置には、固定溝85aよりも深い固定溝85bが
それぞれ設けられている。インクジェットプリンター10がインクを噴射する時の姿勢(
通常時の姿勢)に保持されている状態では、図9(a)に示されるように、円盤部材80
の内周面の3カ所に設けられた付勢部材86の先端部(凸部87)が浅い固定溝85aの
それぞれに押し付けられて、円盤部材80が軸部81に保持されている。また、深い固定
溝85bの溝の底辺付近には、後述するように、固定溝85bに凸部87が嵌合した場合
、凸部87を押し上げて嵌合を解除するための解除機構88が設けられている。
以上のように構成される第3変形例の転倒検出機構70では、インクジェットプリンタ
ー10が前面側に転倒すると、ウェイト83の重みによって円盤部材80が軸部81を中
心として時計周りに回転する。このとき、付勢部材86の凸部87は浅い固定溝85aか
ら見て時計周り方向に位置する深い固定溝85bへと摺動していき、最終的には図10(
b)に示されるように深い固定溝85bと嵌合する。こうなると、円盤部材80は軸部8
1に固定されて回転不能となり、インクジェットプリンター10が地面に立て直されて、
ウェイト83にかかる重力の方向が変化しても、円盤部材80が元の位置(図10(a)
の位置)に戻ることはない。その結果、円盤部材80が時計周りに少し回転した状態(図
10(b)の状態)がインクジェットプリンター10の電源ONまで保持される。
また、インクジェットプリンター10が背面側に転倒した場合には、ウェイト83の重
みによって円盤部材80が軸部81を中心として反時計周りに回転する。その結果、図1
0(c)に示されるように、付勢部材86の凸部87は浅い固定溝85aから反時計まわ
り方向に位置する深い固定溝85bと嵌合し、この状態がインクジェットプリンター10
の電源ONまで保持される。
このような第3変形例の転倒検出機構70を用いれば、電源OFFの状態での転倒時に
ウェイト83の重みで回転した円盤部材80の位置を保持することができる。従って、例
えばインクジェットプリンター10の電源がONとなった状態で、円盤部材80の貫通穴
84の位置をフォトインタラプターなどのセンサーを用いて検出することにより、電源O
FFの状態でのインクジェットプリンター10の転倒方向を検出することが可能である。
また、深い固定溝85bと凸部87とを嵌合させることで、円盤部材80の回転後の状態
を確実に保持しておくことが可能である。
D−4.第4変形例 :
前述した実施例、第1変形例、第2変形例および第3変形例では、転倒検出機構70を
用いてインクジェットプリンター10の電源OFF時における転倒の有無、および転倒の
方向を記憶するものとして説明した。ここで、以下のような転倒検出機構70を用いれば
、電源OFF時のインクジェットプリンター10の傾きを記憶することも可能である。
図10は、第4変形例の転倒検出機構70を示した説明図である。図示した転倒検出機
構70には、両端が閉じた略円弧型のガイド通路90が設けられており、ガイド通路90
内にはガイド通路90内を転がりながら移動可能なボール92が設けられている。また、
ガイド通路90の途中には、ガイド通路90の壁面に沿って略等間隔に、6本のピン94
(ピン94a〜94f)が設けられている。これらのピン94がガイド通路90の壁面と
交差する位置にはヒンジ96が設けられており、ガイド通路90に沿って移動してきたボ
ール92がピン94に接触すると、ピン94が、ヒンジ96の位置からボール92の進行
方向に倒れるようになっている。また、倒れたピン94は図示しない復元機構によって倒
れる前の状態に復元することが可能となっており、更に、何れのピン94が折れ曲がった
かについては制御部60で検出することが可能となっている。
このような第4変形例の転倒検出機構70では、インクジェットプリンター10が設置
面に設置された状態から前面側に少しだけ傾くと、重力によってボール92がガイド通路
90に沿ってインクジェットプリンター10の前面側に少し移動し、このときボール92
によってピン94aが倒される。この状態から、更に前面側にインクジェットプリンター
10が傾くと、ボール92が更に前面側に移動してピン94bが倒され、最終的にインク
ジェットプリンター10が前面側に転倒すると、ボール92によってピン94cが倒され
る。また、インクジェットプリンター10が背面側に少し傾くとボール92が背面側に移
動してピン94dが倒され、更に背面側にインクジェットプリンター10が傾くとボール
92によってピン94eが倒され、最終的にインクジェットプリンター10が背面側に転
倒すると、ピン94fが倒される。
以上のような第4変形例の転倒検出機構70では、ピン94が倒されている状況によっ
て、インクジェットプリンター10の傾き具合を記憶することができる。こうすれば、イ
ンクジェットプリンター10が電源OFFの間に転倒した場合と、転倒には至らなかった
ものの本来の設置角度から少し傾いた場合とを区別して記憶することができる。こうすれ
ば、インクジェットプリンター10の電源がONとなった状態で、前述した投入時メンテ
ナンス処理(図6を参照)で実行する際、インクジェットプリンター10の傾きによって
メンテナンスの内容を変えることも可能である。
以上、各種の実施形態を説明したが、本発明は上記すべての実施形態に限られるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例
えば、上述した実施例、および変形例では、インクジェットプリンターは、印刷用紙を略
垂直方向に搬送しながら印刷を行うインクジェットプリンター(いわゆる縦置き側のイン
クジェットプリンター)に対して本発明を適用するものと説明したが、本発明は、印刷用
紙を略水平方向に搬送しながら印刷するインクジェットプリンターにも適用することが可
能である。
10…インクジェットプリンター、 11…給紙口、 12…排紙口、
13…液晶表示部、 14…前面カバー、 20…キャリッジ、
22…噴射ヘッド、 30…駆動機構、 32…タイミングベルト、
34…駆動モーター、 40…インクカートリッジ、
42…カートリッジホルダー、 44…インクチューブ、
46…カートリッジ交換用スロット、 50…キャップ、 52…ワイパー、
54…負圧ポンプ、 56…廃インクタンク、 58…貯留溝、
60…制御部、 70…転倒検出機構、 71…収容ボックス、
72…支持部材、 73…ウェイト、 74…スイッチ機構、
75…スイッチ、 76…磁石、 77…離脱機構、
78…スライドレール、 79…保持爪、 80…円盤部材、
81…軸部、 83…ウェイト、 84…貫通穴、
85a…浅い固定溝、 85b…深い固定溝、 86…付勢部材、
87…凸部、 88…解除機構、 90…ガイド通路、
92…ボール、 94…ピン、 96…ヒンジ、
100…用紙収容部、 102…ガイド部材、 104…給紙ローラー、
106…プラテン、 108…ローラー

Claims (7)

  1. 噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
    前記液体噴射装置に対して移動可能に設けられて、該液体噴射装置が前記液体を噴射する時の姿勢から傾くと、重力の作用を受けて移動する移動部材と、
    移動した前記移動部材に当接されることによって変化した状態を保持するロック機構を有し、該ロック機構の保持状態により前記移動部材が移動したことを記憶する移動履歴記憶手段と
    を備える液体噴射装置。
  2. 前記移動履歴記憶手段によって記憶された前記移動部材の電源OFF時の移動履歴に基づいて、傾き具合または傾き方向のうちいずれか一つの判断を行う請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記移動履歴記憶手段によって記憶された前記移動部材の移動履歴に基づいてメンテナンス動作を実行するかどうかの判断を行う請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 前記移動部材の前記移動履歴に基づいて転倒していないと判断された場合には、前記メンテナンス動作を実行しない請求項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記移動部材の前記移動履歴に基づいて転倒したと判断された場合には、前記メンテナンス動作を実行する請求項に記載の液体噴射装置。
  6. 請求項1ないし請求項の何れかに記載の液体噴射装置であって、
    前記移動部材は、該移動部材が該移動部材の移動経路上を移動する時の移動量が、前記液体噴射装置が傾く大きさに応じて変化する部材であり、
    前記移動履歴記憶手段は、前記移動部材の移動経路上の複数の箇所に設けられる手段である液体噴射装置。
  7. 請求項1ないし請求項の何れかに記載の液体噴射装置であって、
    前記移動部材は、予め定められた複数の移動経路のうちの何れかに沿って移動する部材であり、
    前記移動部材が移動する移動経路は、前記液体噴射装置が傾く方向に応じて前記複数の移動経路の中から決まるようになっており、
    前記移動履歴記憶手段は、前記複数の移動経路ごとに設けられる手段である液体噴射装置。
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