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JP5720078B1 - 遊技機 - Google Patents

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JP5720078B1 JP2014182215A JP2014182215A JP5720078B1 JP 5720078 B1 JP5720078 B1 JP 5720078B1 JP 2014182215 A JP2014182215 A JP 2014182215A JP 2014182215 A JP2014182215 A JP 2014182215A JP 5720078 B1 JP5720078 B1 JP 5720078B1
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Abstract

【課題】遊技者にリプレイの入賞と気づかせにくくするとともに、遊技機の制御負担を軽減する。【解決手段】リプレイが入賞した場合には、遊技終了処理中において自動的にベット状態を設定するとともに、リプレイが入賞したように見えない第2リプレイが入賞した場合には、表示制御手段170による投入ランプ自動点灯処理(リプレイ作動表示処理)の実行を遅延させるための一定時間の遅延処理を行い、遅延処理の実行中にメダルが投入又はベットスイッチ10が操作された場合には、一定時間の経過前であっても遅延処理を終了する。自動ベット設定中に投入されたメダルはクレジットに貯留可能である。【選択図】図9

Description

この発明は、遊技媒体を投入して遊技を行う遊技機に関するものである。
この種の遊技機、例えばスロットマシンは、遊技媒体であるメダルの投入(ベット)により遊技を開始可能となり、スタートスイッチの操作に基づき回転開始した回転リールを停止スイッチの操作に基づき停止させ、全ての回転リールが停止したときに、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと入賞となり、役に応じた利益が付与される。また、スロットマシンは、1回に掛けることができるメダル数(規定数)があらかじめ定められており、規定数を超えて投入されたメダルを遊技機内部に電子的に貯留(クレジット)するとともに、電子的に貯留されているメダルをベットスイッチの操作によりメダルの投入に代えることができるようになっている。
そして、役として、入賞すると、次遊技をメダルの投入なしで行う権利が与えられるリプレイが知られている。リプレイが入賞した場合には、自動的に、前遊技の掛けメダルと同数のメダルがベットされた状態が設定される。
一方、通常時よりもリプレイの当選確率を高くする遊技状態(いわゆるリプレイタイム)を設けたり、リプレイの当選確率が異なる複数の遊技状態を設けたりして遊技が複雑化するのに伴い、複数種類のリプレイが設けられるようになった。また、リプレイの当選確率を高くした遊技状態での遊技結果(停止出目)が単調にならないように、リプレイに対して、入賞しても一見してリプレイ入賞であるとは判らないような図柄組合せを設定する場合もある。例えば、入賞によりメダルが払い出される小役の図柄として一般的に知られている「ベル」や「スイカ」の図柄が所定のライン上に揃うように設定することもできる。そして、特許文献1には、そのような一見してリプレイと判別できないリプレイ(特定の再遊技役)が入賞した場合には、その入賞を契機として、自動ベット処理の実行が禁止される自動ベット処理凍結期間を設定し、設定された自動ベット処理凍結期間において遊技者により行われたベット操作等の遊技操作をキャンセル操作として受け付けるようにし、このキャンセル操作を受け付けたことを契機として、自動ベット処理凍結期間を終了し自動ベット処理を実行し、リプレイの入賞と気づかせないようにすることが記載されている。
特開2014−69090号公報
しかし、上記した従来の手法では、自動ベット処理凍結期間の解除時に、自動ベット処理と自動ベット処理に伴う表示処理等を同時に行わなければならないので、遊技機の制御装置に処理負担がかかるおそれがある。
本願発明は、上記した従来技術を踏まえた上で、リプレイに見えないリプレイが入賞した場合に、遊技者にリプレイの入賞と気づかせにくくするとともに、遊技機の制御負担を軽減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を有する。
すなわち、本発明に係る遊技機(スロットマシンS)は、遊技媒体投入部(メダル投入口5)と、外周面に複数種類の図柄が付された複数の回転リール61〜63と、回転リール61〜63を回転開始させるためのスタートスイッチ20と、回転中の回転リール61〜63を停止させるための停止スイッチ31〜33と、所定の図柄組合せが対応付けられた、リプレイを含む複数種類の役について、当選か否かの役抽選を行う役抽選手段120と、スタートスイッチ20の操作に基づいて回転リール61〜63を回転させるとともに、停止スイッチ61〜63の操作に基づいて回転中の回転リールを停止させる制御を行うリール制御手段130と、スタートスイッチ20の操作により回転開始した複数の回転リール61〜63が停止スイッチ31〜33の操作により全て停止したときに、役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に入賞と判定する入賞判定手段(遊技結果判定手段140)と、遊技媒体の投入に基づいてベット状態を設定し、リプレイの入賞に基づいて自動的にベット状態を設定する投入制御手段110と、投入制御手段110により自動的にベット状態が設定された場合に、ベットされた遊技媒体数を遊技媒体の投入に基づかず自動的に表示させる自動投入数表示(投入ランプ11の自動点灯)を含むリプレイ作動表示を行わせるリプレイ作動表示処理を実行可能な表示制御手段170と、遊技に関する処理の実行を遅延させる遊技処理遅延手段(フリーズ制御手段180)と、を少なくとも備え、規定数を超えて遊技媒体投入部から投入された遊技媒体を、一定数の範囲で遊技機内部に電子的に貯留可能であるとともに、電子的に貯留されている遊技媒体数が一定数未満であることを条件に、自動的にベット状態が設定されているときに遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を、電子的に貯留される遊技媒体として受け付け可能に形成され、遊技を開始させるための遊技開始処理の開始により1回の遊技が開始され、入賞判定手段による判定結果に応じた処理を実行する遊技終了処理の終了により1回の遊技が終了し、遊技開始処理において規定数のベット状態が設定されている場合にスタートスイッチ20の操作が有効となり、回転リール61〜63の回転開始後、遊技終了処理が終了するまで、スタートスイッチ20の操作が無効とされるように形成された遊技機に係る。
また、本発明において、リプレイには、入賞時に、一般にリプレイに対応する図柄組合せとして認識されている図柄組合せのみが有効ラインを含む所定のライン上に表示される第1リプレイ(通常リプレイ)と、入賞時に、一般にリプレイに対応する図柄組合せとして認識されている図柄組合せがいずれのラインにも表示されない第2リプレイ(小役図柄リプレイ)とが含まれ、投入制御手段110によるリプレイの入賞に基づく自動的なベット状態の設定は、遊技終了処理において行われ、遊技処理遅延手段は、第2リプレイが入賞した場合に、遊技終了処理において投入制御手段による自動的なベット状態の設定が行われた後に、表示制御手段170によるリプレイ作動表示処理の実行を遅延させるための一定時間の遅延処理を行い、遅延処理の実行中に遊技媒体が投入された場合には、一定時間の経過前であっても遅延処理を終了するように形成されていることを特徴とする。
ここで、「遊技媒体の投入」には、遊技媒体投入口から遊技媒体(メダル)を投入することの他、遊技機内部に電子的に貯留(クレジット)されている遊技媒体を、所定の操作手段(ベットスイッチ10)の操作に基づき、投入した遊技媒体に代える処理が行われることも含む。すなわち、ここでいう遊技媒体の投入は、リプレイの入賞に基づき遊技者の意思とは無関係に自動的にベット状態が設定される場合とは異なり、遊技者が自らの意思で投入動作を行うことを意味している。
またここで、「リプレイ作動表示」には、自動投入表示の他、リプレイが入賞していることを報知するランプ(リプレイランプ15)の点灯が含まれる。
本発明においては、リプレイが入賞したように見えないリプレイの入賞時には、自動的にベット状態の設定が行われるものの、リプレイ作動表示処理が実行される前に遊技処理遅延手段によって遅延処理が行われる。例えば、所定のループ処理(フリーズタイマーのタイムカウント)を行って次の処理への移行を停止させる。そして、遅延処理の実行中に、遊技媒体が投入された場合には、遅延処理が終了し、リプレイ作動表示処理、例えば自動投入数表示処理(投入ランプ自動点灯処理)が実行される。これにより、遅延処理の実行中に行った遊技媒体の投入によって投入数表示(投入ランプ11の点灯)が行われたかのように見せることができ、リプレイが入賞したと遊技者に気づかせにくくすることができる。
また本発明では、自動的なベット状態の設定後に、リプレイ作動表示処理の実行を遅延させる遅延処理を行うようにしている。このため、自動的なベット状態の設定を遅延させる遅延処理を発生させる場合と比べて、遅延処理終了後に行われる処理を軽減することができる(遅延処理終了後に自動的なベット状態の設定を行わなくてよい)。
さらに本発明では、自動的なベット状態の設定に基づくリプレイ作動表示処理の実行を遅延させる遅延処理を、スタートスイッチ20の操作が無効である遊技終了処理中に行っている。このため、遅延処理中にスタートスイッチ20が操作された場合の処理を考慮する必要がなく、制御を簡素化できる。
また、この遊技機は、表示制御手段170は、遊技媒体の投入を促す投入受付表示を行わせるための投入受付表示処理を実行可能であり、第1リプレイの入賞に基づき自動的にベット状態が設定された場合には、投入受付表示処理を実行せずにリプレイ作動表示処理を実行し、第2リプレイの入賞に基づき自動的にベット状態が設定された場合には、投入受付表示処理を実行するとともに、投入受付表示処理に基づく投入受付表示を終了させた後に、リプレイ作動表示処理を実行し、遊技処理遅延手段は、表示制御手段170が第2リプレイの入賞に基づき投入受付表示処理を実行することを契機に遅延処理を開始し、表示制御手段170は、遅延処理が終了することに伴って、投入受付表示を終了させるように形成されている。
ここで、「投入受付表示」には、遊技媒体投入口からの遊技媒体の投入が可能である旨を報知するランプ(インサートランプ13)の点灯や、遊技媒体を投入するための所定の操作手段が有効化されている旨を報知するランプ(ベットボタンランプ14)の点灯が含まれる。「投入受付表示を終了」には、インサートランプ13の消灯、ベットボタンランプ14の消灯が含まれる。
本発明では、リプレイ作動表示処理の実行が遅延されているときに、遅延処理の終了契機となる投入動作(遊技媒体の投入又はベットスイッチ10の操作)を促す投入受付表示が行われるので、遊技者が投入受付表示を見て遊技媒体の投入を行うことにより、早期に遅延処理を終了させ、遊技を迅速に進行させることができる。
さらに本発明に係る遊技機は、上記に加え、遊技に付随する演出を制御する演出制御手段(サブ制御装置200)を備え、役抽選手段120は、第1リプレイと第2リプレイが重複して当選するように役抽選を行い、リール制御手段130は、第1リプレイと第2リプレイが重複して当選した場合において、停止スイッチ31〜33が第1の操作順(中押し、右押し)で操作された場合には第1リプレイに対応付けられた図柄組合せを有効ライン上に表示させるように回転リール61〜63の停止を制御し、停止スイッチ31〜33が第2の操作順(左押し)で操作された場合には第2リプレイに対応付けられた図柄組合せを有効ライン上に表示させるように回転リール61〜63の停止を制御し、演出制御手段は、特定の演出状態である場合において、第1リプレイと第2リプレイが重複して当選した場合には、第1の操作順を遊技者に向けて報知可能に形成されていることを特徴とする。
本発明は、以上のように構成されているので、リプレイに見えないリプレイが入賞した場合に、遊技者にリプレイの入賞と気づかせにくくするとともに、遊技機の制御負担を軽減することができる。
本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。 本発明の実施の形態であって、スロットマシンの入力、出力及び制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態であって、回転リールの図柄配列の一部を示す図である。 本発明の実施の形態であって、図柄表示窓に表示されたリプレイに対応する図柄組合せを示す図である。 本発明の実施の形態であって、ベットランプの点灯説明図である。 本発明の実施の形態であって、メイン制御装置の制御に基づくスロットマシンの1遊技における遊技制御処理を示すフローチャートである。 1遊技における遊技制御処理のうちの遊技開始処理を示すフローチャートである。 1遊技における遊技制御処理のうちの遊技終了処理を示すフローチャートである。 遊技終了処理のうちの小役図柄リプレイ入賞時の処理を示すフローチャートである。 小役図柄リプレイ入賞時の処理のうちのフリーズ処理を示すフローチャートである。 遊技終了処理のうちの(A)通常リプレイ入賞時の処理、及び(B)小役入賞時の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例であって、リプレイ入賞時の処理を示すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態1であって、リプレイの当選領域と打順に応じた入賞役を示す表示ある。 本発明の他の実施の形態2であって、ステッピングモータの模式図である。
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
前扉Dには、図1に示すように、3個の回転リール61〜63の図柄を視認可能な図柄表示窓Wが形成されている。そして、この図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部Cとなっている。操作部Cの上面右端にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を行うためのメダルのベットに代えるためのベットスイッチ10が設けられている。
また、操作部Cの正面左側には、回転リール61〜63を回転開始させるためのスタートスイッチ20が設けられ、操作部Cの正面中央部には、3個の回転リール61〜63を個々に停止させるための3個の停止スイッチ31,32,33が設けられている。具体的には、左側に位置する停止スイッチ31は左側に位置する回転リール61を停止させるものであり、中央に位置する停止スイッチ32は中央に位置する回転リール62を停止させるものであり、右側に位置する停止スイッチ33は右側に位置する回転リール63を停止させるものである。操作部Cの正面左端には、クレジットを払い戻すための精算スイッチ40が設けられている。
前記ベットスイッチ10は、上下方向に移動可能なボタンスイッチであって、ベットスイッチ10の筐体内部側には、ボタンの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がベットスイッチ10の操作信号として扱われるようになっている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ20の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なボタンスイッチであって、各停止スイッチ31〜33の筐体内部側には、特に図示しないが、押圧操作によるボタンの位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
なお、操作部Cに設けられる操作スイッチとして、遊技者が演出内容を選択することができる演出スイッチを設けてもよい。
前扉Dにおいて図柄表示窓Wの上方には、液晶表示装置などの画像表示部70が設けられ、図柄表示窓Wの両側に位置する前扉Dの側部及び前扉Dの上端部には、電飾ランプ80が設けられている。また、前扉Dの下部には、メダルを貯留可能な下皿6が設けられているとともに、下皿6の奥壁には、ホッパーユニット3から払い出されたメダルを下皿6に排出するためのメダル排出口8と、メダル排出口8の両側に配置されたスピーカ90が設けられている。そして、メダル投入口5の下方であって前扉Dの裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター7が設けられている。
リールユニット2は、図示しない枠体に固定された3個のリールモータM1,M2,M3(図2参照)と、各リールモータM1〜M3の駆動軸にそれぞれ固定された3個の回転リール61〜63と、リールモータM1〜M3を駆動させるためのモータ駆動基板(図示せず)を備えている。なお、図示しないが、リールモータM1には回転リール61が固定され、リールモータM2には回転リール62が固定され、リールモータM3には回転リール63が固定されている。
リールモータM1〜M3は、ステッピングモータであって、図示しないが、駆動軸に連結された永久磁石からなるロータと4相のコイルを備えており(図14参照)、コイルが順次励磁されることにより、ロータが回転して駆動軸が回転し、駆動軸に固定された回転リール61〜63が回転するようになっている。4相のコイルは、モータ駆動基板に所定の駆動パルスが供給されることにより励磁し、駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることによって、回転リール61〜63に付されている図柄が図柄表示窓Wを上側から下側へ向けて通過するように回転リール61〜63を回転(正回転)させることができるとともに、回転リール61〜63を図柄単位で停止させることができるようになっている。
各回転リール61〜63の外周面には、図3に示すように、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」などの図柄が、1つの回転リールにつき21個ずつ付されている。ここで、回転リールに表示されている1図柄分の領域を1コマと称し、回転リール61〜63はそれぞれ、21個の図柄に対応して等分割された21コマを有している。そして、各回転リール61〜63の外周面に連続して配置されている3つの図柄が、図柄表示窓Wから視認可能となっている。
なお、各回転リール61〜63において、ベル図柄及びリプレイ図柄は、4コマ(後述する最大スベリコマ数)を超える間隔を空けずに配置されており、その他の図柄については、少なくともいずれか1つの回転リール61〜63において、4コマを超える間隔を空けて配置されている箇所があるようになっている。
ここで、図柄表示窓Wを通して図柄を視認するための表示位置として、各回転リール61〜63について上段、中段、下段が設けられており、各回転リール61〜63の表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。有効ラインとは、3個の回転リール61〜63の各表示位置にある縦3個横3個合計9個の図柄を1個ずつ繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。本実施の形態においては、図1に示すように、各回転リール61〜63の中段に位置する図柄を結ぶ中段ラインLが入賞ラインとして設定されている。また、本実施の形態では、1回の遊技を行うために、メダルを3枚又は2枚ベットする(掛ける)ことが可能となっており、3枚のメダルをベットした場合も、2枚のメダルをベットした場合も、入賞ラインLが有効になり、有効ラインとなるものである。そして、スロットマシンSは、スタートスイッチ20の操作によって回転開始し停止スイッチ31〜33の操作によって回転停止した回転リール61〜63の停止図柄により、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。
(制御装置1)
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
(メイン制御装置100)
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ7A、投入センサ7C、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ61〜63及び精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7A及び投入センサ7Cは、図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、投入センサ7Cはメダル投入口5から投入されたメダルを検出するためのものであり、メダルセンサ7Aはホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
一方、メイン制御装置100の出力側には、図2に示すように、リールモータM1〜M3、ホッパーモータ3B、ブロッカー7B、投入ランプ11、クレジット表示部12、インサートランプ13、ベットボタンランプ14及びリプレイランプ15が接続されている。ホッパーモータ3Bは、図示しないが、ホッパーユニット3に貯留されているメダルを1枚ずつ排出するメダル払出装置を駆動させるためのものである。ブロッカー7Bは、図示しないが、メダルセレクター4の内部を通過するメダルを、メダルセンサ7Aで検出される前にメダルセレクター4の外部に排出するためのメダルキャンセル装置である。排出されたメダルは、下皿6に払い戻される。
投入ランプ11は、図1に示すように、図柄表示窓Wの下方に設けられた発光表示部であって、1回の遊技を行うために掛けた(ベットした)メダル数を発光する発光領域の数により表示するものである。クレジット表示部12は、図柄表示窓Wの下方に設けられた7セグメント表示部であり、クレジットされているメダル数を数字で表示するものである。インサートランプ13は、クレジット表示部12の右側に設けられた発光表示部であって、点灯又は点滅によってメダル投入口5からメダルを投入可能であることを報知するものである。ベットボタンランプ14は、ベットスイッチ10のボタンの内部に設けられた発光体であって、点灯によってベットスイッチ10の操作が有効であることを報知するものである。リプレイランプ15は、インサートランプ13の下方に設けられた発光部であって、後述するリプレイの入賞に基づく再遊技が可能な状態であることを報知するものである。
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、図示しないが、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、内部抽選状態移行手段160、フリーズ制御手段170、表示制御手段180の各手段として機能する。
(投入制御手段110)
投入制御手段110は、メダルの投入に関する制御を行うものであり、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入動作という)と、遊技結果判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
ここで、投入制御手段110は、初期状態(電源投入時)においては、ブロッカー7Bを非作動状態にしてメダル投入口5からのメダルの投入を受け付けているとともに、スタートスイッチ20が操作されてから1回の遊技が終了(後述する遊技終了処理が終了)するまでの間は、ブロッカー7Bを作動状態にしてメダル投入口5からのメダルの投入を受け付けない。1回の遊技が終了した場合には、その後、後述する遊技開始処理が開始されることに伴って、メダル投入口5からのメダルの投入を受け付ける。
そして、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、最大規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。なお、規定数とは、1回の遊技に掛けることができるメダルの数であり、本実施の形態においては、規定数が3(3枚掛け遊技のみを実行可能)である場合と、規定数が2(2枚掛け遊技のみを実行可能)である場合が存在する。投入制御手段110は、1枚のメダルが検出された場合には1ベット状態、2枚のメダルが検出された場合には2ベット状態、3枚のメダルが検出された場合には3ベット状態を設定する。また、規定数を超えてメダルが投入された場合には、所定数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。具体的には、クレジットされたメダル数を記憶するクレジット記憶部の記憶値にメダルの投入数(メダルセンサ7Aの検知回数)を加算する(以下単にクレジットの加算という)。ただし、記憶部の記憶値(クレジット数)が所定数に達した場合には、ブロッカー7Bを作動状態にして、メダル投入口5からのメダルの投入を受け付けないようになっている。
そして、投入制御手段110は、クレジットがされている状態でベットスイッチ10が操作されベットスイッチ10の操作信号が入力されることに伴って、規定数を限度として、クレジットされたメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。具体的には、ベットスイッチ10の操作信号の入力に伴い、クレジット記憶部の記憶値を規定数分だけ減じる(以下単にクレジットの減算という)とともに、規定数のメダルがベットされたベット状態を設定する。また、投入制御手段110は、クレジットされているメダル数が規定数に満たない場合にベットスイッチ10の操作信号を入力した場合には、あるだけのクレジット数分のメダルがベットされたベット状態を設定する。この場合には、メダル投入口5からのメダルの投入を受け付け、規定数のメダルがベットされるまで待機する。
なお、本実施の形態では、ベットスイッチ10を1回操作するごとに最大規定数のメダル(規定数が3の場合には3枚、規定数が2の場合には2枚)がベットされるマックスベットスイッチとして機能するように形成されているが、ベットスイッチ10を1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるようにしてもよい。あるいは、1回操作するごとに1枚のメダルがベットされるシングルベットスイッチを別に設けてもよい。
さらに、投入制御手段110は、遊技結果判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、遊技終了時に、当該遊技と同一のベット数で次遊技を行うためのメダルがベットされたベット状態を自動的に設定する。投入制御手段110が自動的にベット状態を設定することを自動ベット設定といい、自動ベット設定がされている状態を自動ベット設定中という。
ここで、本実施の形態においては、自動ベット設定中でも、メダル投入口5からのメダル投入を受け付け、投入されたメダルは、クレジットが満杯でないことを条件に、クレジットされるようになっている。ただし自動ベット設定中は、すでに規定数のメダルがベットされた状態となっているので、ベットスイッチ10が操作されてもベットスイッチ10の操作に基づくベット状態を設定することはない。
なお、ベット状態の設定に基づく投入ランプ11の点灯やベットスイッチ10の操作に基づくクレジット表示部12の表示については後述する。
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた「役」について、当選か否かの役抽選を行うものであり、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として各役についての当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。なお、当選状態設定手段は、判定手段の判定結果に関わらず当選状態を設定する場合があるがこれについては後述する。
前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次遊技において投入動作を行うことなく再度の遊技を行えるリプレイと、入賞により次遊技からボーナス遊技が行われるボーナスとを備えている。
本実施の形態においては、ボーナスとして、所定の図柄組合せが対応付けられたBB(ビッグボーナス)が設けられている。BBが入賞すると、次の遊技からボーナス遊技が開始される。ボーナス遊技では、役抽選の抽選結果に関わらず小役が当選状態になるとともに、少なくとも1個の回転リールについて、後述するスベリコマ数が最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる。また、本実施の形態では、ボーナス遊技以外の遊技では、規定数が3に設定されており、ボーナス遊技中は、規定数が2に変更される。ボーナス遊技中は、小役が入賞しても1回の遊技で投入枚数以下のメダルしか払い出されない。ボーナス遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば28枚を超えた場合に終了する。
前記小役としては、例えば「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられたベル役や、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい意味)の図柄組合せが対応付けられたチェリー役などが設けられている。規定数が3の遊技において、ベル役が入賞すると、例えば9枚のメダルが払い出され、チェリー役が入賞すると2枚のメダルが払い出される。規定数が2の遊技では、いずれも1枚のメダルが払い出される。また、小役としては、上記以外に、規定数が3及び2の遊技において入賞により1枚のメダルが払い出される複数種類の特殊小役が設けられている。
前記リプレイとしては、入賞時に、一見してリプレイが入賞したように見える図柄組合せ(一般にリプレイに対応する図柄組合せとして認識されている図柄組合せ)のみが有効ラインを含む所定のライン上に表示される通常リプレイと、入賞時に、一見して小役が入賞したように見える図柄組合せが所定のライン上に表示され、かつ一見してリプレイが入賞したように見える図柄組合せがいずれのライン上にも表示されない小役図柄リプレイとが設けられている。
通常リプレイとしては、図4(A)に示すように、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが対応付けられたリプレイ1の他に、図4(B)に示すように、対応付けられた図柄組合せ「赤7・ベル・ベル」が有効ライン上に揃うと、無効ラインである下段ラインD1(回転リール61〜63の下段位置を結ぶライン)に、リプレイ図柄が揃うように設定されているリプレイ2が設けられている。
小役図柄リプレイとしては、図4(C)に示すように、対応付けられた図柄組合せ「スイカ・ベル・リプレイ」が有効ライン上に揃うと、無効ラインである右上りラインD2(左側の回転リール61の下段位置、中央の回転リール62の中段位置、右側の回転リール63の上段位置を結ぶライン)に、小役ベルの図柄組合せである「ベル・ベル・ベル」が揃うように設定されたリプレイ3や、図4(D)に示すように、対応付けられた図柄組合せ「ベル・スイカ・リプレイ」が有効ライン上に揃うと、無効ラインである右下りラインD3(左側の回転リール61の上段位置、中央の回転リール62の中段位置、右側の回転リール63の下段位置を結ぶライン)に、一般に小役としてのスイカ役の図柄組合せとして知られている「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄組合せが揃うように設定されたリプレイ4が設けられている。
なお、小役図柄リプレイとして、「ベル・ベル・ベル」や「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄組合せが対応付けられたものを設けてもよい。この場合には、小役(ベル役やスイカ役)に対応する図柄組合せとしてこれらの図柄組合せは設定しないようにする。
上記した通常リプレイ、小役図柄リプレイのいずれが入賞した場合にも再遊技が作動し、当該遊技終了後の次遊技において、投入動作を行うことなくスタートスイッチ20が操作可能となる。
前記役抽選テーブルとしては、図示しないが、通常状態において用いられる通常テーブルと、ボーナス内部中において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中において用いられるボーナステーブルとが設けられている。
ここで、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中は、それぞれ、役抽選手段120の抽選態様の違いに基づくスロットマシンSの内部抽選状態を表すものである。ボーナス作動中とはボーナス遊技が行われる内部抽選状態のことであり、ボーナス内部中とは、後述するボーナスフラグ(BBフラグ)が持ち越されている内部抽選状態のことであり、通常状態とは、それらのいずれでもない内部抽選状態のことである。通常テーブルには、単独又は複数の所定の役から構成される当選領域と、不当選領域とが設けられている。内部中テーブルには、BBの当選領域と不当選領域が設けられていない。ボーナステーブルは、不当選の領域のみが設けられている。
通常テーブル及び内部中テーブルには、入賞により9枚のメダルが払い出されるベル役と、入賞により1枚のメダルが払い出される複数の特殊小役からなる小役群が、重複して当選状態となる当選領域が複数個(例えば12個)設けられている。各当選領域の小役群に含まれる特殊小役の組合せは、領域ごとに異なるものとなっている。そして、この複数の小役の重複当選領域には、3個の停止スイッチ31〜33に基づく6通りの打順(操作順序)のうち、左側に位置する停止スイッチ31を最初に操作する打順(左押し)以外の打順が、それぞれ割り当てられている。例えば、1個目から3個目の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、停止スイッチ31、停止スイッチ33の順で操作する打順(中左右)が、4個目から6個目の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、停止スイッチ33、停止スイッチ31の順で操作する打順(中右左)が、7個目から9個目の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、停止スイッチ31、停止スイッチ32の順で操作する打順(右左中)が、10個目から12個目の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、停止スイッチ32、停止スイッチ31の順で操作する打順(右中左)が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている打順が、各当選領域の当選に対する正解の打順となる。そして、複数の小役の重複当選領域のいずれかが当選した場合、正解の打順で停止スイッチ31〜33が操作されたか否かによって、入賞し得る役が変化するようになっているが、これについては後述する。上記したように打順が設定されている複数の小役の重複当選領域を総称して「打順ベル」というものとする。
さて、各役抽選テーブルにおける全ての小役の当選領域の全領域に対する割合(当選確率)は、通常テーブル及び内部中テーブルにおいて、同等に設定されている。また、ボーナステーブル以外の役抽選テーブルにおけるリプレイの当選確率(合算値)は、通常テーブルよりも内部中テーブルの方が高くなるように設定されている。例えば、通常テーブルでは、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されており、内部中テーブルでは、リプレイの当選確率が約1/1.5に設定されている。
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。例えば、ボーナステーブルに小役やリプレイや不当選の当選領域が設けられていてもよい。
上記した当選状態設定手段は、ボーナス作動中でない場合において、前記役抽選手段120による役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(ベルフラグ、チェリーフラグなど)を成立させ、ボーナスが当選した場合にはボーナスフラグ(BBフラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグなど)を成立させる。また、複数の役から構成される当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは1回の遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス当選の場合には、当選状態が次の遊技以降に持ち越されるようになっている。さらに、当選状態設定手段は、ボーナス作動中においては、役抽選の結果に関わらず、全ての小役フラグを成立させるようになっている。すなわち、ボーナス作動中は、役抽選の結果が不当選であっても、全ての小役の当選フラグを成立させる。これにより、ボーナス作動中は全ての小役が当選状態に設定され、小役の入賞が容易な状態となる。ただし、ボーナス作動中は小役が入賞しても規定数を超えるメダルは払い出されないので、メダルの獲得に関してはボーナス内部中よりも不利な状態となる。
なお、BBテーブルに、全ての小役が同時に当選する当選領域を設け、ボーナス作動中は、役抽選の抽選結結果に基づいて、全ての小役が当選状態となるように形成してもよい。
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止スイッチ31〜33の操作(以下停止操作という)を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
(停止制御)
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握しつつ、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)での回転リール61〜63の回転角度から、有効ライン上に位置している図柄を特定すること(以下図柄参照という)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止操作がされた時点において所定位置(例えば上段位置)にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
具体的には、前記基準図柄を所定位置(上段位置)に停止させてもよい場合には、停止操作のタイミングで、リールモータM1〜M3の駆動を停止させるための停止信号を出力してそのまま回転リール61〜63を停止させる。また、基準図柄を所定位置に停止させることによって有効ライン上に停止させてはいけない図柄が停止することとなる場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上からその図柄を蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行う。また、前記引き込み可能コマ数の範囲内に、当選した役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が含まれている場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込む引き込み処理を行う。
リール制御手段130は、これらの処理を、回転リール61〜63の停止位置候補を特定するためのあらかじめ定められた優先順位に基づいて、基準図柄から何コマ分回転させて回転リール61〜63を停止させるかを役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて行う。
本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナスと小役が同時に当選している場合(ボーナス内部中に小役が当選した場合)には小役に対応付けられた小役図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナス内部中にリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられたリプレイ図柄を優先的に有効ライン上に引き込むように形成されている。したがって、ボーナス内部中において、ボーナスに対応付けられたボーナス図柄が優先的に引き込まれるのは、役抽選の結果がハズレの場合のみとなる。しかし、本実施の形態においては、内部中テーブルのハズレの領域が無いので、ボーナス当選に係る遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、特定の場合(例えば所定の小役の当選時に、所定の打順かつ特定のタイミングで停止操作された場合)を除き、ボーナスが入賞する場合はないようになっている。
また、停止テーブルとしては、引き込み可能コマ数の範囲内で当選図柄を有効ライン上に引き込み、当選図柄以外の図柄を有効ライン上から蹴飛ばすように、回転リール61〜63の停止位置が規定された当選図柄引き込みテーブルと、引き込み可能コマ数の範囲内で、いかなる役に対応する図柄組合せも有効ライン上に揃わないように、回転リール61〜63の停止位置が規定されたハズレテーブルとが設けられている。停止テーブルは、3個の回転リール61〜63にそれぞれ対応して設けられており、先に停止した回転リールの停止図柄に応じて、未停止の回転リールの停止テーブルが選択されるようになっている。
ここで、ボーナス作動中においては、全ての小役フラグが成立している状態に対応した停止テーブルが用いられる。これにより、停止操作のタイミングによって、いずれの小役図柄でも、有効ライン上に引き込み可能となっている。また、ボーナス作動中においては、あらかじめ設定された少なくとも1個の回転リール(例えば左リール61)について、スベリコマ数が1コマ以下(1コマ又は0コマ)となるように対応された停止テーブルが用いられる。これにより、ボーナス作動中においては、少なくとも1個の回転リールについては、当選図柄の引き込みコマ数が最大1コマとなる。
(打順ベル当選時の停止制御)
次に、「打順ベル」のいずれかが当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態においては、「打順ベル」の領域に共通して含まれるベル役の図柄組合せを構成する図柄(ベル図柄)は、全ての回転リール61〜63において通常状態及びボーナス内部中における最大スベリコマ数(4コマ)を超える間隔をあけずに配置されている。すなわち、ベル役は、最大スベリコマ数が4コマに設定されている制御中(ボーナス作動中以外)においては、停止操作のタイミングに関わらず入賞可能な設定となっている。また、「打順ベル」の領域に含まれる複数種類の特殊小役のそれぞれには、回転リール61〜63のいずれかにおいて4コマを超える間隔をあけて配置されている図柄が含まれる図柄組合せが対応付けられている。すなわち、特殊小役は、それらの役が単独で当選したとしても目押しをしないと入賞できない設定となっている。そして、リール制御手段130は、ボーナス作動中以外において、役抽選により、いずれかの「打順ベル」が当選した場合には、停止操作の態様に応じて、当該領域に含まれるベル役、特殊小役のいずれかの小役に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。これらの制御は、停止スイッチ31〜33の打順に応じて設けられている停止テーブルを参照して行われる。
具体的には、役抽選により「打順ベル」が当選した場合に、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、停止操作のタイミングに関わらず、ベル役の図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。すなわち、そのような停止位置が設定されている停止テーブルを用いて停止位置を決定し、回転リール61〜63を停止させる(以下同様)。これによりベル役が入賞し、9枚のメダルが払い出される。一方、その正解の打順以外の打順(不正解の打順)で各停止スイッチ31〜33が操作された場合には、特殊小役の図柄組合せを構成する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。この場合には、停止操作のタイミングによって、特殊小役が入賞して1枚のメダルが払い出されることもあるが、何の役も入賞せずメダルが払い出されないことがある。すなわち、ベル役は正解の打順で停止操作したときに入賞する正解役であり、特殊小役は不正解の打順で停止操作したときに入賞する不正解役として位置づけられている。
(遊技結果判定手段140)
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び内部抽選状態移行手段160に送信する。前述したように、入賞によるメダルの払い出し枚数は、規定数によって異なっており、内部抽選状態がボーナス作動中である場合には、規定数が2の場合に対応する払い出しを決定し、ボーナス作動中でない場合には、規定数が3の場合に対応する払い出しを決定する。小役が入賞した判定結果情報を受信した払出制御手段150は、ホッパーユニット3を作動させて入賞メダルの払い出し処理を行う。リプレイが入賞した判定結果情報を受信した投入制御手段110は自動的にベット状態を設定する自動ベット設定を行い、ボーナスが入賞した判定結果を受信した内部抽選状態移行手段160は、ボーナス作動中への移行準備処理を行い、ボーナスが当選した遊技でボーナスが入賞しなかった判定結果を受信した内部抽選状態移行手段160は、ボーナス内部中への移行準備処理を行う。
(払出制御手段150)
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、払出制御手段150は、当該小役の入賞に応じた所定数のメダルの払い出しを設定し、所定数のメダルが払い出されるまで、ホッパーモータ3Bを作動させる。また、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されている数のメダルの払い出しを設定し、クレジットとして貯留されている数のメダルが払い出されるまで、ホッパーモータ3Bを作動させる。なお、遊技結果判定手段140がリプレイやボーナスの入賞を判定した場合には、払出制御手段150は、0枚のメダルの払い出しを設定する。この場合には、ホッパーモータ3Bを駆動させないので、メダル払い出しは行われない。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
(内部抽選状態移行手段160)
内部抽選状態移行手段160は、内部抽選状態の移行を制御するものである。本実施の形態では、前述したように、内部抽選状態として、通常状態と、ボーナス内部中と、ボーナス作動中とが設けられている。スロットマシンSの内部抽選状態は、初期状態(工場出荷時又は設定変更時)において通常状態に設定されており、内部抽選状態移行手段160は、通常状態中にボーナス(BB)が当選すると、内部抽選状態をボーナス内部中に移行させる。また、ボーナス内部中においてボーナスが入賞すると、内部抽選状態をボーナス作動中に移行させる。そして、所定のボーナス終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、内部抽選状態を通常状態に移行させる。そして、役抽選手段120が内部抽選状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中の各内部抽選状態が発動する。
ここで、既述したように、本実施の形態においては、ボーナス内部中にボーナスを入賞させることが極めて希な仕様となっている。したがって、本実施の形態における内部抽選状態は、いったんボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ほぼ常にボーナス内部中に滞在することとなる。また、通常テーブルにおいて、BBの当選確率を高く設定しておくことにより、初期状態から早期にボーナス内部中に移行させることができる。
(表示制御手段170)
表示制御手段170は、所定の表示部に遊技の進行に関する表示を行わせるためのものであり、クレジット表示部12の表示や、投入ランプ11、インサートランプ13、ベットボタンランプ14及びリプレイランプ15の点灯消灯に関する処理を行う。表示制御手段170は、上記以外の表示部の表示を制御可能であってもよいが、説明は省略する。
なお、スロットマシンSの初期状態(電源投入時)においては、インサートランプ13は点灯しており、投入ランプ11、ベットボタンランプ14及びリプレイランプ15は消灯している。クレジット表示部12の表示は0である。
そして、表示制御手段170は、投入制御手段110がベット状態を設定することに伴って、投入ランプ11を点灯させる処理を行うとともに、投入制御手段110がクレジットの加減算を行うことに伴って、クレジット表示部12の表示を加算又は減算表示させる処理を行う。
ここで、投入ランプ11は、図1及び図5に示すように、縦方向に並ぶ3個の発光領域を備え、領域内部にそれぞれ設けられた発光体を点灯させることにより、領域ごとに発光表示できるものとなっている。表示制御手段170は、投入制御手段110がメダルの投入(メダルセンサ7Aの検知)に基づくベット状態を設定した場合には、ベット状態が設定される都度、投入ランプ11の点灯領域を増やしていく。具体的には、図5(A)に示すように、1枚目のメダルが投入され1ベット状態が設定された場合には、下側に位置する発光領域を点灯させ、2枚目のメダルが投入され2ベット状態が設定された場合には、中央に位置する発光領域を点灯させ、3枚目のメダルが投入され3ベット状態が設定された場合には、上側に位置する発光領域を点灯させる。これにより、メダルを1枚投入すると1個の発光領域が点灯し、メダルを2枚投入すると2個の発光領域が点灯し、メダルを3枚投入すると3個の発光領域が点灯するものとなる。
なお、表示制御手段170は、投入制御手段110がメダルセンサ7Aの検知に基づきクレジットを加算した場合には、クレジット表示部12の数値を加算表示させる。
一方、表示制御手段170は、投入制御手段110がベットスイッチ10の操作に基づきベット状態を設定した場合、又はリプレイの入賞に基づき自動ベット設定を行った場合には、ベット数に応じた数の投入ランプ11の発光領域を、所定時間経過ごとに点灯させていく。例えば、3ベット状態が設定された場合(規定数が3の遊技の場合)には、図5(B)に示すように、t秒(例えば0.03秒)後に下側に位置する発光領域を点灯させ、そのt秒後に中央に位置する発光領域を点灯させ、さらにt秒後に上側に位置する発光領域を点灯させる。これにより、ベットスイッチ10を操作した場合又はリプレイが入賞した場合には、発光領域が下から順次点灯し3t秒経過後に3個の発光領域が点灯するものとなる。なお、規定数が2の遊技でベットスイッチ10が操作され又はリプレイが入賞した場合には、下側と中央の2個の発光領域を点灯させる。
ここで、メダルセンサ7Aの検知又はベットスイッチ10の操作に基づきベット状態が設定された場合に投入ランプ11を点灯させる処理を、投入ランプ点灯処理といい、自動ベット設定が行われた場合に投入ランプ11を自動的に点灯させる処理を、投入ランプ自動点灯処理というものとする。
なお、表示制御手段170は、投入制御手段110がベットスイッチ10の操作に基づきクレジットを減算した場合には、クレジット表示部12の数値を減算表示させる。そして、スタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、投入ランプ11を消灯させる投入ランプ消灯処理を行う。
また、表示制御手段170は、遊技終了時(後述する遊技終了処理中)において自動ベット設定中でない場合には、インサートランプ13を点灯させる処理(インサートランプ点灯処理)を行い、遊技開始時(後述する遊技開始処理中)において自動ベット設定中でない場合には、ベットボタンランプ14を点灯させる処理(ベットボタンランプ点灯処理)を行う。なお、クレジットが1以上50未満の場合にはインサートランプ点灯処理及びベットボタンランプ点灯処理の双方を行い、クレジットが満杯の場合にはベットボタンランプ点灯処理のみ行い、クレジットが0の場合にはインサートランプ点灯処理のみ行う。インサートランプ13の点灯及びベットボタンランプ14の点灯は、スロットマシンSがメダルの投入を受け付けていることを報知する投入受付表示に該当する。インサートランプ点灯処理及びベットボタンランプ点灯処理をあわせて投入受付表示処理というものとする。そして、表示制御手段170は、ベットボタンランプ14を点灯させているときにベットスイッチ10の操作信号を入力した場合には、ベットボタンランプ14を消灯させるベットボタンランプ消灯処理を行う。また、インサートランプ13を点灯させているときにスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、インサートランプ13を消灯させるインサートランプ消灯処理を行い、ベットボタンランプ14を点灯させているときにスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合にはベットボタンランプ消灯処理を行う。
さらに、表示制御手段170は、投入制御手段110が自動ベット設定を行った場合には、リプレイランプ15を点灯させる処理(リプレイランプ点灯処理)を行う。この場合には、上述したように、投入ランプ自動点灯処理も行うものとなっているが、リプレイランプ点灯処理は遊技終了処理中において行われ、投入ランプ自動点灯処理は遊技開始処理中に行われる。リプレイランプ15の点灯及び投入ランプ11の自動点灯は、リプレイの入賞を報知するためのリプレイ作動表示に該当する。リプレイランプ点灯処理と投入ランプ自動点灯処理をあわせてリプレイ作動表示処理というものとする。表示制御手段170は、スタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、リプレイランプ15を消灯させるリプレイランプ消灯処理を行う。
そして、本実施の形態では、入賞したリプレイの種類によって、自動ベット設定に基づく表示処理の内容が異なるものとなっている。
具体的には、表示制御手段170は、投入制御手段110が通常リプレイの入賞に基づいて自動ベット設定を行った場合には、遊技終了処理においてリプレイランプ点灯処理を行った後、遊技開始処理において投入ランプ自動点灯処理を行い、投入受付表示処理は行わない。すなわち、通常リプレイが入賞した場合には、リプレイランプ15が点灯するとともに、投入ランプ11が自動的に点灯するが、インサートランプ13やベットボタンランプ14は点灯しない。
一方、投入制御手段110が小役図柄リプレイの入賞に基づいて自動ベット設定を行った場合には、遊技終了処理においてまずリプレイランプ点灯処理を行った後、リプレイランプ15を消灯させるリプレイランプ消灯処理を行い、その後、投入受付表示処理を行う。つまり、小役図柄リプレイが入賞した場合には、リプレイランプ15が一瞬だけ点灯するものの、その後、小役が入賞したときと同様に、インサートランプ13及びベットボタンランプ14が点灯するものとなる。なお、この時点ではまだ遊技終了処理中なので、投入制御手段110はメダルの投入を受け付けておらず、ここで行われる投入受付表示は、投入制御手段110がメダルの投入を受け付けている場合に行われる本来の投入受付表示ではなく、小役図柄リプレイの入賞を小役の入賞に見せるための、いわば擬似的な投入受付表示である。
そして、表示制御手段170が擬似的な投入受付表示を行うことを契機に、以下に述べるフリーズ制御手段180がフリーズを発生させるようになっており、表示制御手段170は、フリーズ制御手段180がフリーズを終了させることを条件に、インサートランプ消灯処理及びベットボタンランプ消灯処理を行って投入受付表示を終了させ、再度リプレイランプ点灯処理を行った上で、その後の遊技開始処理において投入ランプ自動点灯処理を行うものとなっている。
(フリーズ制御手段180)
フリーズ制御手段180は、所定の契機で、遊技に関する処理が停止した状態となるフリーズの発生及び終了を制御するものである。
フリーズ制御手段180は、図示しないフリーズタイマーを備え、フリーズタイマーのタイムカウント中は、遊技に関する処理を進行させないことにより、所定の処理の実行を遅延させるフリーズを発生させるものとなっている。すなわち、フリーズ制御手段180は、遊技に関する処理の実行を遅延させる遊技処理遅延手段として機能するものである。
具体的には、フリーズ制御手段180は、投入制御手段110が小役図柄リプレイの入賞に基づき自動ベット設定を行った場合において、表示制御手段170が投入受付表示処理(インサートランプ点灯処理及びベットボタンランプ点灯処理)を行うことを契機に、フリーズタイマーをスタートさせる。そして、フリーズタイマーのタイムカウント中(フリーズ中すなわち遅延処理の実行中)は、表示制御手段170は次に行うべき処理(インサートランプ消灯処理及びベットボタンランプ消灯処理)を実行不能な状態となる。これにより、結果として、投入受付表示を終了させた後に行われるリプレイランプ15の点灯処理及びその後の遊技開始処理において行われる投入ランプ自動点灯処理(リプレイ作動表示処理)の開始が遅延されることとなる。
フリーズタイマーがタイムカウントを終了した場合(タイムアップした場合)にはフリーズが終了し、表示制御手段170の制御に基づく処理の停止が解除され、次の処理が開始される。また、フリーズ制御手段180は、フリーズタイマーのタイムカウント中に、投入センサ7Cの検知信号を入力した場合、又はベットスイッチ10の操作信号を入力した場合には、当該信号入力を契機に、フリーズタイマーのタイムカウントを強制終了(タイマーを初期化又はリセット)させる。すなわち、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作によっても、フリーズが終了し、表示制御手段170の制御に基づく処理の停止が解除される。
ここで、メダル投入口5からのメダルの投入を投入センサ7Cの検知信号で検知しているのは、フリーズが発生するのが遊技終了処理中(すなわち次遊技の開始前)であって、投入制御手段110がメダルの投入を受け付けていないからである。しかし、フリーズが終了すると、その後の処理が進み、次遊技の遊技開始処理に移行するので、投入制御手段110がブロッカー7Bを非作動状態にすることに基づいてメダルの投入が許可される。投入センサ7Cの検知信号によりフリーズが終了した場合には、投入されたメダルはキャンセルされることなくメダルセンサ7Cを通過するものとなる。
なお、フリーズ制御手段180は、上記以外のフリーズの発生及び終了を制御可能であってもよい。例えば、所定の場合に、当該遊技でスタートスイッチ20の操作が無効とされる(操作信号を受け付けない、又は信号を受け付けても無視する)フリーズや、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始が保留される(リール制御手段130によるリールモータM1〜M3への駆動パルスの出力処理が遅延する)フリーズや、停止スイッチ31〜33の操作が無効とされるフリーズや、ベットスイッチ10の操作が無効とされるフリーズを設定可能に形成してもよい。
(サブ制御装置200)
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドに基づいて、遊技に関する演出を制御するためのものである。
なお、メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力するコマンドとしては、メダルの投入(ベット)に関するコマンドや、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関するコマンドや、役抽選の抽選結果に関するコマンドや、回転リール61〜63の回転及び停止に関するコマンドや、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関するコマンドや、内部抽選状態の移行に関するコマンドなどがある。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRWM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、少なくとも、演出実行制御手段220、AT制御手段230として機能する。
(演出実行制御手段220)
演出実行制御手段220は、画像表示部70や電飾ランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するためのものであり、メイン制御装置100から入力するコマンドや、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、打順ナビや、遊技状態に応じた演出を行わせる。
打順ナビは、小役の入賞を補助する情報が報知されるAT(アシストタイム)において行われるものであり、画像表示部70に、正解打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、最初に操作すべき停止スイッチ31〜33を示すことなどにより行われる。
遊技状態に応じた演出としては、ATでない場合に行われるATへの移行を示唆する演出や、ATが開始される場合に行われるAT開始告知演出や、AT中の遊技を盛り上げる演出などがある。
ここで、演出実行制御手段220は、メダル投入音の出力に関する制御を行うものとなっている。具体的には、表示制御手段170の投入表示処理(投入ランプ点灯処理、投入ランプ自動点灯処理)に伴ってメイン制御装置100から出力される投入コマンドをもとに、スピーカ90から所定のメダル投入音を出力させる。投入コマンドには、メダルの投入に基づいて投入ランプ点灯処理が行われる場合に出力される手動投入コマンドと、ベットスイッチ10の操作に基づいて投入ランプ点灯処理が行われる場合に出力されるベットコマンドと、リプレイの入賞に基づいて投入ランプ自動点灯処理が行われる場合に出力される自動投入コマンドがある。そして、演出実行制御手段220は、手動投入コマンドを入力するごとにメダル投入音を出力させ、ベットコマンド又は自動投入コマンドを入力した場合には、t秒ごとにベット数に係るメダル投入音を出力させる。これにより、表示制御手段170の表示処理(投入ランプ点灯処理、投入ランプ自動点灯処理)と同期して、メダル投入音の出力が行われるものとなる。
なお、メダル投入音は、メダルがクレジットされる場合にも出力される。すなわち、演出実行制御手段220は、表示制御手段170がクレジット表示部12の加算表示を行う場合に出力されるクレジット加算コマンドを入力するごとに、メダル投入音を出力させる。これにより、クレジット表示部12の加算表示と同期して、メダル投入音の出力が行われるものとなる。
ここで、メダル投入音は、投入形態にかかわらず同一の音であってもよいし、手動投入の場合とベットスイッチ10の操作又は自動ベット設定の場合、あるいはベットされる場合とクレジットされる場合とでメダル投入音を異ならせてもよい。
(AT制御手段230)
AT制御手段230は、ATを制御するものである。そして、AT制御手段230は、図示しないが、AT抽選手段、遊技回数管理手段、報知実行手段を備え、メイン制御装置100から出力されるコマンドや演出状態等に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、AT移行抽選、上乗せ抽選を行う。AT移行抽選は、内部抽選状態がボーナス内部中であって、演出状態がATでない場合において、所定の移行抽選契機が発生(例えば「チェリー」などが当選)した場合に、AT状態に移行するか否かを抽選により決定するものである。上乗せ抽選は、AT中に、所定の上乗せ抽選契機が発生した場合に、ATの遊技回数の上乗せの有無及び上乗せ回数を、抽選により決定するものである。
遊技回数管理手段は、ATの遊技回数の設定や上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタを備えている。ATカウンタは、ATの遊技回数をカウントするものである。具体的には、遊技回数管理手段は、AT移行抽選に当選することに基づいてATへの移行が確定すると、ATカウンタにATの遊技回数を最低限保証された回数分だけ設定して記憶する。そして、ATの開始後、ATカウンタの記憶値を、1回の遊技終了ごとに1ずつ減算する。また、AT中に上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタの記憶値に抽選で決定された数値を加算する。これにより、ATの遊技回数が上乗せされる。
報知実行手段は、演出実行制御手段220に打順ナビを実行させるためのものである。報知実行手段は、ATを開始した場合には、「打順ベル」の当選時に、ベル役(正解役)を入賞させるための正解の打順をナビする打順ナビ(ベルナビ)を行わせる。
ところで、本実施の形態においては、AT状態でないとき(ナビが行われない状態)に、停止スイッチ31〜33が左押し以外の打順で操作(いわゆる変則押し)されたことに基づいて、所定のペナルティを設定するようになっており、AT制御手段230は、このペナルティに関する制御をも行うものである。具体的には、AT制御手段230は、図示しないペナルティカウンタを備えており、ペナルティの設定条件に該当すると、ペナルティカウンタに所定の遊技回数がセットされる。ペナルティ遊技回数は、遊技消化ごとに減算されるが、ペナルティカウンタが遊技回数を有している間(ペナルティ中)は、AT移行抽選や上乗せ抽選を行わない等のペナルティが実行される。また、ペナルティに該当する行為(変則押し)が行われた場合には、所定の警告表示がなされ、遊技者に適正な操作を促すようになっている。
(スロットマシンSの作動)
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理について、図6に基づき説明する。
まず、遊技開始処理が行われ(S100)、役抽選処理が行われる(S101)。そして、回転リール61〜63の回転開始処理が行われ(S102)、所定の停止可能要件を満たすこと(S103でYes)を条件に、いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなったか否かが判断される。ここで、停止可能要件とは、ウエイト時間が経過しているとともに、全ての回転リール61〜63が定常回転速度に達し、全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されることにより、図柄参照が可能な状態となることである。
いずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合(S104でYes)には、対応する回転リール61〜63について回転停止処理が行われる(S105)。全ての回転リール61〜63が停止するまでS104〜105が繰り返され(S104〜S106)、全ての回転リール61〜63が停止した場合(S106でYes)には、遊技結果判定処理が行われる(S107)とともに、遊技終了処理が行われる(S108)。そして、1遊技における遊技制御処理を終了する。
次に、図6のステップ100における遊技開始処理について、図7のフローに基づき説明する。遊技開始処理とは、回転リール61〜63の回転開始に基づく1回の遊技を開始させるための準備処理である。
まず、自動ベット設定中の場合(S200でYes)、すなわち前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、投入ランプ自動点灯処理が行われる(S220)。これに基づきスタートスイッチ20の操作が有効化され、スタートスイッチ20がONとなった場合(S208でYes)には、点灯している所定のランプ(投入ランプ11、リプレイランプ15)を消灯させるランプ消灯処理が行われ(S209)、遊技開始処理を終了する。
一方、自動ベット設定中でない場合(S200でNo)、すなわち前回の遊技でリプレイが入賞していない場合には、ベットボタンランプ点灯処理及び/又はインサートランプ点灯処理が行われる(S201)。
次に、メダルセンサ7AがONとなったか否かが判断され、メダルセンサ7AがONにならない場合(S202でNo)には、ベットスイッチ10がONとなったか否かが判断される。ベットスイッチ10がONとなった場合(S203でYes)には、クレジット減算処理が行われる(S204)。クレジット減算処理とは、投入制御手段110が記憶しているクレジット数の減算を行うことに伴い、表示制御手段170がクレジット表示部12の表示を減算表示させる処理である。そして、ベットボタンランプ消灯処理が行われるとともに(S205)、ベットスイッチ10の操作に基づく投入ランプ点灯処理が行われる(S206)。また、メダルセンサ7AがONとなった場合(S202でYes)には、メダルセンサ7Aの検知に基づく投入ランプ点灯処理が行われる(S206)。
そして、規定数のメダルがベットされるまでS202〜S207の処理が行われ、規定数のメダルがベットされた場合(S207でYes)には、スタートスイッチ20がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ20がONとなった場合(S208でYes)には、点灯している所定のランプ(投入ランプ11、インサートランプ13、ベットボタンランプ14)を消灯させるランプ消灯処理が行われ(S209)、遊技開始処理を終了する。
スタートスイッチ20がONにならない場合(S208でNo)には、メダルセンサ7AがONとなったか否かが判断され、メダルセンサ7AがONとなった場合(S210でYes)には、クレジット加算処理が行われる(S211)。クレジット加算処理とは、投入制御手段110が記憶しているクレジット数の加算を行うことに伴い、表示制御手段170がクレジット表示部12の表示を加算表示させる処理である。そして、スタートスイッチ20がONとなったか否かの判断(S208)に戻る。
なお、このフローでは省略しているが、クレジット加算処理によって、クレジット数が50に達した場合には、ブロッカー7Bを作動させてメダルセレクター7をメダルキャンセル状態にする。この場合には、投入されたメダルはメダルセンサ7Aを通過する前にキャンセルされるので、メダルセンサ7AがONになることはない。
また、スタートスイッチ20がONとなった場合にも、ブロッカー7Bを作動させてメダルセレクター7をメダルキャンセル状態にする。
続いて、図6のステップ108における遊技終了処理について、図8のフローに基づき説明する。遊技開始処理とは、遊技結果判定手段140の判定結果に基づく処理であって、1回の遊技を終了させるための始末処理である。
遊技終了処理では、遊技結果判定の結果がボーナス入賞であった場合(S300でYes)にはボーナス入賞時の処理が行われ(S301)、リプレイ入賞であった場合(S302でYes)において、小役図柄リプレイの入賞である場合(S303でYes)には小役図柄リプレイ入賞時の処理が行われ(S304)、小役図柄リプレイの入賞でない場合、すなわち通常リプレイの入賞である場合(S303でNo)には通常リプレイ入賞時の処理が行われる(S305)。また、遊技結果判定の結果が小役入賞であった場合(S306でYes)には小役入賞時の処理が行われる(S307)。そして、遊技終了処理が終了する。
上記したS304の小役図柄リプレイ入賞時の処理について、図9のフローに基づき説明する。
小役図柄リプレイが入賞した場合には、まず、メダルの払い出しが0枚に設定される(S400)。すなわち、メダルは払い出されない。そして、自動ベット設定が行われる(S401)とともに、リプレイランプ点灯処理が行われる(S402)が、その後、リプレイランプ消灯処理が行われる(S403)。ここで、リプレイランプ点灯処理を行った後、リプレイランプ消灯処理を行うようにしているのは、自動ベット設定とリプレイランプ点灯処理をリプレイ入賞時の一連の処理としてプログラムしてあることに基づく(図11(A)参照)。
そして次に、ベットボタンランプ点灯処理及び/又はインサートランプ点灯処理が行われ(S404)、これを契機にフリーズ処理が行われる(S406)。フリーズ処理が終了した場合には、ベットボタンランプ消灯処理及び/又はインサートランプ消灯処理が行われ(S406)、リプレイランプ点灯処理が行われる(S407)。そして、小役図柄リプレイ入賞時の処理が終了する。
なお、上記フローでは省略しているが、S407のリプレイランプ点灯処理が行われる場合には、次遊技においてメダルの投入を可能とするためにブロッカー7Bが非作動状態とされる。ただしインサートランプ点灯処理は行われない(以下に述べる図11(A)のS602において同じ)。
上記したS406のフリーズ処理について、図10のフローに基づき説明する。
まず、フリーズタイマーが時計測を開始し(S500)、ベットスイッチ10がONとなったか、あるいは投入センサ7CがONとなったかが判断される。ベットスイッチ10がONとなった場合(S501でYes)、あるいは投入センサ7CがONとなった場合(S502でYes)のいずれかの場合には、フリーズタイマーが停止し(S504)、フリーズ処理が終了する。また、ベットスイッチ10がONとならず(S501でNo)、投入センサ7CもONとならない場合(S502でNo)において、フリーズタイマーがタイムカウントを終了した場合(S503でYes)には、フリーズタイマーが停止し(S504)、フリーズ処理が終了する。
図8のS305の通常リプレイ入賞時の処理について、図11(A)のフローに基づき説明する。
通常リプレイが入賞した場合には、まず、メダルの払い出しが0枚に設定され(S600)、自動ベット設定が行われるとともに(S601)、リプレイランプ点灯処理が行われる(S602)。そして、通常リプレイ入賞時の処理が終了する。
図8のS307の小役入賞時の処理について、図11(B)のフローに基づき説明する。
小役が入賞した場合には、小役に対応する枚数のメダルの払い出しが設定されてメダル払い出し処理が行われる(S700)とともに、インサートランプ点灯処理が行われる(S701)。なお、S701のインサートランプ点灯処理が行われる場合には、次遊技においてメダルの投入を可能とするためにブロッカー7Bが非作動状態とされる。
(まとめ)
以上のように、本実施の形態では、表示制御手段170は、通常リプレイ(第1リプレイ)の入賞に基づく自動ベット設定が行われた場合には、リプレイ作動表示処理としてのリプレイランプ点灯処理及び投入ランプ自動点灯処理を行い、小役図柄リプレイ(第2リプレイ)の入賞に基づく自動ベット設定が行われた場合には、投入受付表示処理としてのベットボタンランプ点灯(ベットスイッチ操作許可表示)処理及び/又はインサートランプ点灯(投入許可表示)処理を行う。そして、投入受付表示処理が行われることを契機として、フリーズ制御手段180(遊技処理遅延手段)が一定時間のフリーズを発生させ、フリーズ中にメダル投入口5からメダルが投入された場合、又はベットスイッチ10が操作された場合には、フリーズを終了させる。そして、フリーズが終了することに伴って、表示制御手段170がベットボタンランプ消灯処理及び/又はインサートランプ消灯処理を行うとともに、リプレイランプ点灯処理及び投入ランプ自動点灯処理を行うものとなっている。
このように、小役図柄リプレイが入賞した場合には、リプレイランプ15が点灯せず(本実施の形態では一瞬点灯して消える)、インサートランプ13やベットボタンランプ14が点灯するので、一見すると、小役が入賞したかのように見えるものとなる。そして、フリーズ中にメダルを投入したりベットスイッチ10を操作した場合には、フリーズの終了に基づき遊技終了処理が終了し、次の遊技開始処理において自動ベット設定に基づく投入ランプ自動点灯処理が行われる流れとなる。これにより、あたかも、メダルの投入やベットスイッチ10の操作によって投入ランプ11が点灯したかのように見せることができる。
また、投入制御手段110は、リプレイの入賞による自動ベット設定中においても、遊技終了処理の終了後、スタートスイッチ20が操作されるまでの間、メダル投入口5からのメダルの投入を受け付けており、フリーズ中にメダルが投入された場合、クレジットが満杯でなければ遊技終了処理の終了に伴いブロッカー7Bが非作動状態にされて、投入されたメダルはキャンセルされずにホッパーユニット3に誘導される。このため、リプレイの入賞に気づかずにメダルを投入しても、それが下皿6に払い戻される煩わしさがない。さらに、メダルの投入を投入センサ7Cの検知により判定しているので、投入されたメダルがブロッカー7Bに到達するときにはフリーズの終了及び遊技終了処理の終了によってブロッカー7Bが非作動状態にされており、ブロッカー7Bによるメダルの噛み込みを防止できる。
また、本実施の形態では、小役図柄リプレイが入賞した場合、自動ベット設定が行われた後に、自動ベット設定に基づくリプレイ作動表示を遅延させるフリーズを発生させている。このように形成することにより、小役図柄リプレイが入賞した場合に、自動ベット設定を遅延させるフリーズを発生させる場合と比べて、フリーズ終了後に行われる処理を軽減することができる。例えば、小役図柄リプレイが入賞した場合に、投入受付表示処理を行って自動ベット設定を遅延させるフリーズを発生させるように形成した場合、フリーズの解除とともに、投入受付表示の解除と、自動ベット設定と、リプレイ作動表示処理を行わなければならないが、本実施の形態では、投入受付表示の解除とリプレイ作動表示処理を行えばよい。これにより、予後の処理を迅速に進めることができる。
また、本実施の形態では、1回の遊技の遊技処理がまだ終了していない遊技終了処理中にフリーズを発生させているので、スタートスイッチ20が操作された場合の処理を考慮する必要がない。例えば、遊技開始処理において、前遊技で小役図柄リプレイが入賞していた場合に、投入受付表示処理(インサートランプ点灯処理及び/又はベットボタンランプ点灯処理)を行うとともにリプレイ作動表示処理(リプレイランプ点灯処理及び投入ランプ自動点灯処理)を遅延させるフリーズを発生させるように形成したとする。この場合、遊技終了処理が終了してすでに自動ベット設定がされている状態であるので、スタートスイッチ20の操作が有効化されていることから、フリーズによってスタートスイッチ20の操作を無効にする制御プログラムを組まなければならない。
この場合において、投入動作によってフリーズが終了することを条件にスタートスイッチ20の操作無効状態が解除されるようにすると、すでにベット状態が設定されているのにさらに投入動作を行うという無用の投入動作を遊技者に強いることとなり好ましくない。そこで、上記したフリーズの終了契機(時間経過と投入動作)に加え、スタートスイッチ20の操作信号入力をフリーズの終了契機とすることが考えられる。しかし、このように形成すると、スタートスイッチ20の操作に基づいてフリーズが終了した場合には、その後、投入受付表示の解除(インサートランプ消灯処理及び/又はベットボタンランプ消灯処理)とリプレイ作動表示処理を行うことに加え、スタートスイッチ20の操作に基づく役抽選処理等も行わなければならず、処理負担が増大してしまう。この点、本実施の形態では、そもそもスタートスイッチ20が操作無効状態である遊技終了処理中において、自動ベット設定を行うとともに、擬似的な投入受付表示を表示させ、リプレイ作動表示を遅延させるフリーズを発生させているので、上述のような問題を考慮することなく、遊技開始時の処理負担を少なくすることができるものとなる。
さらに、本実施の形態では、遊技終了処理中にフリーズを発生させていることにより、フリーズ中はブロッカー7Bが作動状態となっている。このため、遊技開始後にフリーズを発生させるとともに、フリーズ中に投入されたメダルを受け入れるためフリーズ中はブロッカー7Bを非作動状態としておく場合に比べ、フリーズ中のメダル詰まりや異物投入等に関するセキュリティを向上させることができる。
また、フリーズ中は、フリーズの終了契機に該当するまで、図10のS501〜503をループするものとなっているが、この中にエラー検知用のプログラムを組み込むことにすると、制御上の負担が増大する。この点、本実施の形態によれば、フリーズ中にブロッカー7Bを非作動状態にしてあることである程度のセキュリティが守られるため、エラー検知のプログラムを省くことができ、制御負担を軽減することができるものとなる。
なお、上記した実施の形態では、投入ランプ11、インサートランプ13、ベットボタンランプ14及びリプレイランプ15の点灯消灯処理を、メイン制御装置100において行っていたが、これらの点灯消灯処理を、サブ制御装置200が行うようにしてもよい。この場合には、上述した投入コマンドに加え、表示制御手段170による決定(ベットボタンランプ点灯処理の決定や、リプレイランプ点灯処理の決定など)に基づいて、メイン制御装置100からサブ制御装置200に所定のコマンドを出力し、サブ制御装置200は入力したコマンドに基づいて、上記したランプの制御を行うように形成することができる。
(変形例)
上記した実施の形態では、通常リプレイ、小役図柄リプレイのいずれが入賞したかによって、リプレイ入賞時の処理を分けていたが(図8のS304、S305参照)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ入賞時の処理として、図12に示すような処理を行うように形成してもよい。すなわち、自動ベット設定(S801)を行った後、小役図柄リプレイが賞していた場合(S802でYes)には、投入受付表示処理を行った後にフリーズを発生させる(S803、S804)とともにフリーズの終了を契機に投入受付表示を終了(インサートランプを消灯及び/又はベットボタンランプを消灯)させる投入受付表示解除処理(S805)を行い、その後リプレイランプ点灯処理(S806)を行う。一方、小役図柄リプレイが賞していない場合(S802でNo)には、ただちにリプレイランプ点灯処理を行う。このように形成しても、上記した実施の形態と同様の効果を得られる。
ここで、インサートランプ13とリプレイランプ15が小さいランプであったり、よく見ないとわからない場所に設けてある場合には、遊技者が遊技を行っているとき比較的目に付きやすいベットボタンランプ14についてのみ、小役図柄リプレイ入賞時の処理の対象としてもよい。すなわち、図9のS403のリプレイランプ消灯処理を行わず(したがってS407のリプレイランプ点灯処理も行わず)、S404ではベットボタンランプ点灯処理のみ行い、S406ではベットボタンランプ消灯処理のみ行うようにしてもよい。
また、インサートランプ点灯処理、リプレイランプ点灯処理を、遊技開始処理において行うようにしてもよい。
あるいは、遊技終了処理において、フリーズ処理の終了後に投入ランプ自動点灯処理を行うようにしてもよい。
また、第2リプレイとして、何の役も当選していない場合に表示されるようなハズレの図柄組合せが対応付けられたハズレ図柄リプレイを設け、ハズレ図柄リプレイが入賞した場合に、上記したフリーズを発生させるようにしてもよい。このように形成した場合には、リプレイの入賞に係る遊技をハズレの遊技のように見せることができる。
あるいは、ATの開始契機となるリプレイとして、一般にボーナスに対応付けられた図柄組合せとして知られている「7・7・7」が対応付けられた7図柄リプレイを設け、上記と同様の扱いとすることもできる。このように形成した場合には、リプレイの入賞に係る遊技をボーナスが入賞した遊技のように見せることができる。
(他の実施の形態1)
上記した実施の形態では、リプレイの当選時は、打順に関係なく当選しているリプレイが入賞するようになっていたが、打順によって、当選するリプレイが異なるように形成してもよい。例えば、図13に示すように、リプレイの当選領域として、図4(A)に示すリプレイ1と図4(C)に示すリプレイ3の重複当選領域「リプレイA」と、リプレイ1と図4(D)に示すリプレイ4の重複当選領域「リプレイB」を設ける。そして、リール制御手段130は、「リプレイA」の当選時に、左押しで停止操作された場合にはリプレイ3(第2リプレイ)が入賞するように、「リプレイB」の当選時において、左押しで停止操作された場合にはリプレイ4(第2リプレイ)が入賞するように設定された停止テーブルを用いて、回転リール61〜63の停止を制御する。一方、「リプレイA」又は「リプレイB」の当選時に、停止スイッチ32を最初に操作する打順である中押しで停止操作された場合、又は、停止スイッチ33を最初に操作する打順である右押しで停止操作された場合には、リプレイ1(第1リプレイ)が入賞するように設定された停止テーブルを用いて回転リール61〜63の停止を制御する。
そして、AT中に第2リプレイが入賞しない打順(中押し、右押し)をナビするように形成することにより、AT中は第2リプレイの入賞に基づくフリーズが発生しないようにすることができる。このように形成した場合には、AT中は一見してリプレイが入賞したと判る第1リプレイ(通常リプレイ)のみが表示されるので、遊技者が投入動作を行うことなくスタートスイッチ20を操作する場合もあると考えられ、第2リプレイの入賞時の、フリーズを投入動作で解除しないと迅速に遊技を進められないという煩わしさを軽減することができる。また、内部抽選状態がAT中と非AT中とで同一であっても、AT中はリプレイの当選確率が高くなったように見せることかできる。
(他の実施の形態2)
スロットマシンSは、上記した実施の形態の構成を備えるとともに、以下の構成を備えていてもよい。
すなわち、フリーズ制御手段180は、所定のフリーズ開始条件に該当した場合に、スタートスイッチ20の操作を契機としてフリーズを設定する。そして、リール制御手段130は、フリーズが設定された場合に、回転リール61〜63を擬似的に回転(擬似回転)させ、回転リール61〜63を擬似的に回転させているときに停止スイッチ31〜33の操作信号を入力した場合に、擬似的に回転している回転リール61〜63を擬似的に停止(擬似停止)させて、擬似的に遊技を進行させる。このように、フリーズ中において擬似的に進行する遊技を擬似遊技といい、擬似遊技でない遊技を本遊技というものとする。擬似的に回転している回転リール61〜63が全て擬似停止することにより、1回の擬似遊技が終了する。
ここで、フリーズ中において、擬似遊技の結果、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されても、そのことによって入賞に応じた利益が付与されることはない。すなわち、小役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されてもメダルの払い出しは行われず、リプレイに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されても再遊技は作動せず、ボーナスに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されてもボーナスは作動しない。なお、本実施の形態における擬似遊技では、所定のリプレイに対応する図柄組合せのみを有効ライン上に表示させるようにしている。
さらに、本実施の形態では、メイン制御装置100は、リール制御手段130が回転リール61〜63を擬似停止させた後、スタートスイッチ20の操作信号を受け付け、回転リール61〜63が擬似停止しているときにスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、リール制御手段130が回転リール61〜63を擬似回転させる。このようにして、フリーズ中に複数回の擬似遊技を実行させることができるようになっている。ただし、フリーズ中にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても役抽選手段120は役抽選を行わない。
以上のように、擬似遊技では、本遊技と同様の操作手順で本遊技と同様の回転リール61〜63の挙動が実現されるが、擬似遊技は、フリーズ中における所定の操作スイッチの操作信号入力に基づいて行われる回胴演出の一態様として位置づけられるものである。
ここで、フリーズ開始条件としては、特定役(例えば打順の設定されていないリプレイ)の当選時に、特定の打順で停止操作された場合などとすることができる。所定の打順はメイン制御装置100からサブ制御装置200に出力され、サブ制御装置200は、特定の場合(AT中や、AT移行抽選に当選している場合等)に、特定の打順をナビする。
また、リール制御手段130は、擬似遊技中において、本遊技と同様の制御ロジックを用いて、回転リール61〜63の擬似回転及び擬似停止を制御する。これにより、本遊技と擬似遊技の見分けがつかず、遊技者が違和感なく遊技を行うことができる。また、擬似遊技において回転リール61〜63を擬似停止させる際には、本遊技においていずれかのリプレイに対応する図柄組合せのみを表示させる。なお、上記した実施の形態では、本遊技で小役図柄リプレイが入賞した場合にはリプレイの入賞でないように見せる制御を行っているので、擬似遊技においては、通常リプレイを表示させるのが望ましい。そして、擬似遊技において通常リプレイが表示された場合には、本遊技と同様のリプレイ作動表示を行わせる。このように形成することにより、遊技者がリプレイが入賞したと認識し、本遊技と擬似遊技の見分けがつかなくても、擬似遊技の途中で遊技を止めて帰ってしまうのを防止することができる。
そして、擬似遊技における停止スイッチ31〜33の操作態様(打順)に基づき、メイン制御装置100において種々の処理を行うようにすることができる。例えば、擬似遊技中に所定の打順で停止操作された場合に、遊技機外部に出力される外部出力信号(AT作動信号)を出力させたり、回転リール61〜63を通常の作動態様と異なる態様(例えば逆回転)で作動させる回胴演出を行わせたりすることができる。
あるいは、特定の遊技期間において擬似遊技を頻発させ、当該遊技期間における本遊技の役抽選結果を希釈化させたり、投入メダル数を減らすことにより手持ちのメダルの目減りを少なくしたりしてもよい。この場合には、擬似遊技における停止スイッチ31〜33の操作態様によって、擬似遊技を終了させ、特定の遊技期間を終わらせるようにしてもよい。
なお、擬似遊技において本遊技と同様の制御ロジックを用いて、回転リール61〜63の擬似回転及び擬似停止を制御する場合に、例えば画像表示部70の表示画面に「フリープレイ」と表示し、擬似遊技であることを遊技者に告知するようにしてもよい。この場合には、擬似遊技中にリプレイ以外の図柄が表示された場合でも、遊技者は擬似遊技だと認識できるので、擬似遊技の途中で遊技を止めて帰ってしまうのを防止することができる。
ここで、擬似遊技において、本遊技とは異なる制御ロジックを用いて、回転リール61〜63の擬似停止を制御するようにしてもよい。例えば、回転リール61〜63の擬似停止時に、リールモータM1〜M3を逆転駆動して、回転リール61〜63を振動(バウンド)又は微振動(ブルリ)させたり、回転リール61〜63の擬似停止中に、リールモータM1〜M3の正転駆動・逆転駆動を繰り返して、回転リール61〜63を振動(ふわふわ)させたり、リールモータM1〜M3の正転逆転を小刻みに繰り返して微振動(ブルブル)させるようにしてもよい。バウンドさせてからふわふわさせたりブルブルさせるようにしてもよい。
回転リール61〜63の振動(バウンド、ブルリ、ふわふわ、ブルブル含む)のパターンとしては、1番目に擬似停止した回転リール(第1擬似停止リール)、2番目に擬似停止した回転リール(第2擬似停止リール)、3番目に擬似停止した回転リール(第3擬似停止リール)が全て振動するパターン、第2擬似停止リール及び第3擬似停止リールのみが振動するパターン、第3擬似停止リールのみが振動するパターンを設けることができる。
また、擬似停止したいずれかの回転リールが振動(バウンド又はブルリ)又は振動開始(ふわふわ又はブルブルを開始)した場合に、擬似停止している他の回転リールの全て又はいずれかの回転リールが振動又は振動開始するパターンを設けることかできる。例えば、第1擬似停止リールは擬似停止時に振動又は振動開始せず、第2停止リールが擬似停止すると、第1及び第2擬似停止リールが、又は第1擬似停止リールのみが振動又は振動開始する。そして第3擬似停止リールが擬似停止すると、第1乃至第3擬似停止リールが、又は第1及び第2擬似停止リールが、もしくは3擬似停止リールと第1又は第2擬似停止リールのいずれかが、振動又は振動開始する。あるいは、第1及び第2擬似停止リールは擬似停止時に振動又は振動開始せず、第3擬似停止リールが擬似停止すると、第1乃至第3擬似停止リールが全て、又は第1乃至第3擬似停止リールのうちのいずれかが、振動又は振動開始する。
また、回転リール61〜63の擬似停止時に振動又は振動開始させる場合、停止スイッチ31〜33の検知センサ(押圧しているとON状態、押圧していないとOFF状態)がOFFからONになった場合(押下時)に振動又は振動開始するようにしてもよいし、検知センサがONからOFFになった場合(押下解除時)に振動又は振動開始するようにしてもよい。
また、回転リール61〜63を擬似停止中に振動(ふわふわ又はブルブル)させる場合、所定時間経過や所定操作(次の停止スイッチ31〜33の操作や他の操作スイッチの操作)後に、静止状態になる(振動が停止する)ように形成してもよい。
ところで、回転リール61〜63の擬似停止中において、ステッピングモータであるリールモータM1〜M3の励磁方式を本遊技と異ならせるようにしてもよい。この場合には、外見上は、擬似停止している回転リール61〜63は本遊技で停止しているときと同じ状態であるが、内部的な制御状態は異なるので、両者を区別することができる。このことは、遊技機のプログラムのデバッグや試験の際に利用できる。例えば、擬似遊技を実行するプログラムPと本遊技を実行するプログラムQがあり、これらのデバッグ中の停止制御に問題が生じたとき、リールモータM1〜M3の励磁状態を測定器などで直接確認することにより、プログラムPとQのいずれに問題があるのかを切り分けることが可能となる。
本実施の形態においては、リールモータM1〜M3の駆動中は、1相のコイルが励磁状態となる1相励磁と隣接する2相のコイルが同時に励磁状態となる2相励磁とが繰り返される1−2相励磁方式が採用されている。ステッピングモータを模式的に示した図14(A)に示すように、1相励磁においては、永久磁石であるロータのN極(図中の矢印)は、励磁状態のコイル(図示した例ではコイル1)に対応する位置となり、同じく図14(B)に示すように、2相励磁においては、ロータのN極は、励磁状態の2相のコイル(図示した例ではコイル1と2)の間に対応する位置となる。そして、コイル1、コイル1と2、コイル2、コイル2と3・・・の順で励磁させることにより、ロータが図面上の右回りに回転する。そして、4相のコイルを全て励磁状態にする全相励磁によりロータの回転が停止し、リールモータM1〜M3を駆動停止させることができる。リールモータM1〜M3を駆動停止(回転リール61〜63を停止)させた後は、4相のコイルを全て非励磁状態にする全相開放により、駆動停止状態を維持している。
一方、擬似遊技においては、リールモータM1〜M3を駆動停止(回転リール61〜63を擬似停止)させた後、所定の励磁態様と全相開放とを繰り返して、駆動停止状態を維持するように形成する。
具体的には、リールモータM1〜M3を駆動停止させる際の励磁態様(停止時の励磁態様)が、1相励磁であるか2相励磁であるかにより、所定の励磁態様が決定される。
例えば、停止時の励磁態様が1相励磁であった場合には、駆動停止させた後、全相開放と、停止時に励磁していた相と同じ相を励磁状態にする1相励磁とを、所定時間(例えば29.92ms)ごとに繰り返す。具体例を挙げると、コイル1が励磁状態でありロータが図14(A)に示す回転位置であるときに全相励磁でロータを停止させた場合には、その後、全相開放→コイル1の1相励磁を繰り返す。全相励磁、全相開放、同じ相の励磁によってはロータが回転しないので、リールモータM1〜M3を駆動停止状態すなわち回転リール61〜63を停止状態にしておくことができる。
上記と同様にして、停止時の励磁態様が2相励磁であった場合には、駆動停止させた後、全相開放→停止時と同じ相のコイルの2相励磁を繰り返す。例えば、コイル1と2が励磁状態でありロータが図14(B)に示す回転位置であるときに全相励磁でロータを停止させた場合には、全相開放→コイル1と2の2相励磁を繰り返す。
なお、リールモータM1〜M3を駆動停止させる際、徐々に駆動パルスの幅を長く(励磁時間を長く)していく減速処理を行い、その後全相開放にすることによりロータの回転を停止させることができる。この場合には、全相開放でリールモータM1〜M3を駆動停止させた後、1相励磁又は2相励磁→全相開放を繰り返す。
ここで、全相開放と交互に行われる所定の励磁態様は、停止時の励磁態様と同じ相のコイルを励磁させる励磁態様に限られない。例えば、停止時の励磁態様が1相励磁であった場合には、停止時に励磁状態となっていたコイルとそれに隣接するコイルを含む3相のコイル(図14(A)におけるコイル4、1、2)が励磁状態となる3相励磁と全相開放を交互に繰り返してもよく、全相励磁と全相開放を交互に繰り返してもよい。なお、停止時の励磁態様が1相励磁であった場合に、擬似停止後において隣接するコイル4又は2を励磁状態にして2相励磁にすると、ロータが回転してしまい、回転リール61〜63の停止位置が1ステップ分ずれてしまうので、全相開放と交互に行われる所定の励磁態様として2相励磁は採用すべきでない。また、停止時の励磁態様が2相励磁であった場合には、全相励磁と全相開放を交互に繰り返してもよい。なお、停止時の励磁態様が2相励磁であった場合に、擬似停止後にロータのN極に隣接するコイル(図14(B)におけるコイル1又は2)を励磁状態にして1相励磁又は3相励磁(コイル1、2、3又は2、3、4又は3、4、1)にすると、ロータが回転してしまうので、全相開放と交互に行われる所定の励磁態様として1相励磁及び3相励磁は採用すべきできない。要は、擬似停止中に、ロータが回転しない励磁態様が設定されるようになっていればよい。
なお、上述した擬似遊技中の制御(フリープレイの表示、回転リール60〜63の振動)が行われる場合には、擬似遊技において必ずしもリプレイに対応付けられた図柄組合せを表示させる必要はない。すなわち、リプレイの表示、フリープレイの報知、回転リール61〜63の挙動のうちのいずれかにより、又はそれらの組合せにより、遊技者が擬似遊技中に遊技を止めて帰ってしまうのを防止できるようになっていればよい。
また、擬似遊技においてリプレイを表示させる場合、本遊技で有効ラインとなるラインにリプレイに対応付けられた図柄組合せが表示されるようにしてもよいし、本遊技では有効ラインとならない無効ラインのいずれかにリプレイに対応付けられた図柄組合せが表示されるようにしてもよい。このように形成した場合でも、擬似遊技でリプレイが入賞したように見せることができ、遊技者が途中で遊技を止めてしまうのを防止できる。
また、リプレイとして、「チェリー・ANY・ANY」や「7・7・7」等の図柄組合せが対応付けられたレアリプレイ(当選確率が低い)を設け、本遊技においてレアリプレイが入賞した場合にはAT抽選(AT移行抽選や上乗せ抽選)を行うように形成した上で、擬似遊技においてレアリプレイが表示された場合にもAT抽選を行うようにしてもよい。このように形成した場合には、擬似遊技において本遊技と同様の挙動で回転リール61〜63を作動させても、遊技者はレアリプレイの表示によってATに移行する可能性を期待して、途中で遊技をやめてしまうことはないものと考えられる。
また、擬似遊技の結果表示され得る図柄組合せは、1回の擬似遊技ごとに抽選により決定してもよいし、あらかじめ設定されたシナリオに基づいて決定してもよい。例えば、1回目の擬似遊技で特定図柄組合せ(例えば「赤7・赤7・赤7」)を表示させるシナリオ、1回目の擬似遊技では何の役にも対応付けられていないハズレの図柄組合せを表示させ、2回目の擬似遊技で特定図柄組合せを表示させるシナリオ、1回目及び2回目の擬似遊技ではハズレの図柄組合せを表示させ、3回目の擬似遊技で特定図柄組合せを表示させるシナリオ・・・など、複数のシナリオを設け、その中から1つのシナリオを抽選等により選択し、選択されたシナリオに基づいて擬似遊技の実行を制御するようにしてもよい。あるいは、単一のシナリオのみを設け、擬似遊技中は必ず同じ図柄が表示されるようにしてもよい。
なお、上記した実施の形態では、内部抽選状態がほぼ常にボーナス内部中に滞在する仕様となっていたが、本発明を適用できるのは、そのような仕様に限られない。例えば、内部抽選状態として、通常状態よりもリプレイの当選確率が高く設定されたリプレイタイム(RT)を設け、RT中にATが行われる設定となっている場合にも適用できる。
(他の実施の形態3)
内部抽選状態がほぼ常にボーナス内部中に滞在する仕様において、擬似遊技で表示するリプレイのうち、所定のリプレイに関しては、ボーナス内部中には一切表示されないようにしてもよい。
例えば、リプレイとして、「赤7・赤7・赤7」の図柄組合せ(赤7揃い)が対応付けられた赤7リプレイと、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せ(リプレイ揃い)が対応付けられた通常リプレイがあるとする。この場合に、通常状態の役抽選テーブル(通常テーブル)には赤7リプレイと通常リプレイの当選領域を設け、ボーナス内部中の役抽選テーブル(内部中テーブル)には通常リプレイの当選領域を設け赤7リプレイの当選領域を設けないことにより、ボーナス内部中は赤7リプレイが当選せず、ボーナス内部中において赤7リプレイ(赤7揃い)が表示されないようにすることができる。なお、赤7リプレイの当選時に停止操作のタイミングで赤7揃いを表示できなくてもリプレイが入賞するように、赤7リプレイに複数の図柄組合せ(例えば「赤7・赤7・リプレイ」や「赤7・リプレイ・リプレイ」など)が対応付けられているか、もしくは赤7リプレイと同時にそのような図柄組合せが対応付けられた複数のリプレイが同時に当選するものとなっているが、ここでは説明を省略する(以下同様)。
また、リプレイとして、「リプレイ・リプレイ・赤7」の図柄組合せが対応付けられた赤7不揃いリプレイがあるとして、通常テーブルには、赤7リプレイと赤7不揃いリプレイが同時に当選する重複当選領域Aを設け、内部中テーブルには、赤7リプレイと赤7不揃いリプレイと通常リプレイが同時に当選する重複当選領域Bを設ける。そして、通常状態においては、上記した重複当選領域Aの当選時に、停止制御において、赤7不揃いリプレイに対応するリプレイ図柄に優先して赤7リプレイに対応する赤7図柄を有効ライン上に引き込むことにより、赤7揃いを表示させることができる。一方、ボーナス内部中においては、上記した重複当選領域Bの当選時に、停止制御において、赤7リプレイに対応する赤7図柄に優先して赤7不揃いリプレイ及び通常リプレイに対応するリプレイ図柄を有効ライン上に引き込むことにより、赤7揃いを表示させないようにすることができる。すなわち、ボーナス内部中においても赤7リプレイが当選するが、同時に当選している赤7リプレイ以外のリプレイの図柄組合せを優先して有効ライン上に引き込む制御を採用することにより、赤7揃いを表示させないようにすることができる。
あるいは、リプレイとして、赤7揃い及び赤7不揃いの2個の図柄組合せが対応付けられたリプレイaがあるとして、通常テーブル及び内部中テーブルの双方に、リプレイaと通常リプレイが同時に当選する重複当選領域Cを設ける。そして、通常状態においては、重複当選領域Cの当選時に、停止制御において、リプレイaに対応付けられた図柄組合せのうち7揃いが有効ライン上に揃うように引き込み制御を行うことにより、赤7揃い、赤7不揃い、リプレイ揃いのいずれかの図柄組合せを表示させることができる。一方、ボーナス内部中においては、重複当選領域Cの当選時に、停止制御において、リプレイaに対応付けられた図柄組合せのうちの赤7不揃い又はリプレイ揃いが有効ライン上に揃うように引き込み制御を行うことにより、赤7不揃い、リプレイ揃いのいずれかの図柄組合せを表示させ、赤7揃いを表示させないようにすることができる。すなわち、ボーナス内部中においては、上記した重複当選領域Cの当選時に、停止制御において、1つの役(リプレイa)に対応付けられた複数の図柄組合せのうち、赤7揃い以外の図柄組合せに対応する図柄を優先して有効ライン上に引き込む制御を採用することにより、赤7揃いを表示させないようにすることができる。
以上のように形成したうえで、擬似遊技中に赤7揃いを表示させるようにすれば、本遊技では表示されない7揃いを擬似遊技でのみ表示させることができるようになる。遊技者がその図柄組合せは擬似遊技中にのみ表示されるということを把握していれば、擬似遊技中であることを認識でき、擬似遊技の途中で遊技を止めて帰ってしまうのを防止することができる。また、7揃いが表示された場合には、AT抽選が行われる等、所定の特典が付与されるようにすれば、より効果的に、遊技者が途中で遊技を止めて帰ってしまうのを防止することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
S スロットマシン 1 制御装置
10 ベットスイッチ 11 投入ランプ
13 インサートランプ 14 ベットボタンランプ
15 リプレイランプ 20 スタートスイッチ
31〜33 停止スイッチ 61〜63 回転リール
100 メイン制御装置 110 投入制御手段
120 役抽選手段 130 リール制御手段
140 遊技結果判定手段(入賞判定手段)170 表示制御手段
180 フリーズ制御手段(遊技処理遅延手段)

Claims (3)

  1. 遊技媒体投入口と、
    外周面に複数種類の図柄が付された複数の回転リールと、
    回転リールを回転開始させるためのスタートスイッチと、
    回転中の回転リールを停止させるための停止スイッチと、
    所定の図柄組合せが対応付けられた、リプレイを含む複数種類の役について、当選か否かの役抽選を行う役抽選手段と、
    スタートスイッチの操作に基づいて回転リールを回転させるとともに、停止スイッチの操作に基づいて回転中の回転リールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
    スタートスイッチの操作により回転開始した複数の回転リールが停止スイッチの操作により全て停止したときに、役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に入賞と判定する入賞判定手段と、
    遊技媒体の投入に基づいてベット状態を設定し、リプレイの入賞に基づいて自動的にベット状態を設定する投入制御手段と、
    投入制御手段により自動的にベット状態が設定された場合に、ベットされた遊技媒体数を遊技媒体の投入に基づかず自動的に表示させる自動投入数表示を含むリプレイ作動表示を行わせるリプレイ作動表示処理を実行可能な表示制御手段と、
    遊技に関する処理の実行を遅延させる遊技処理遅延手段と、を少なくとも備え、
    規定数を超えて遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を、一定数の範囲で遊技機内部に電子的に貯留可能であるとともに、電子的に貯留されている遊技媒体数が一定数未満であることを条件に、自動的にベット状態が設定されているときに遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を、電子的に貯留される遊技媒体として受け付け可能に形成され
    遊技を開始させるための遊技開始処理の開始により1回の遊技が開始され、入賞判定手段による判定結果に応じた処理を実行する遊技終了処理の終了により1回の遊技が終了し、
    遊技開始処理において規定数のベット状態が設定されている場合にスタートスイッチの操作が有効となり、回転リールの回転開始後、遊技終了処理が終了するまで、スタートスイッチの操作が無効とされるように形成された遊技機であって、
    リプレイには、入賞時に、一般にリプレイに対応する図柄組合せとして認識されている図柄組合せのみが有効ラインを含む所定のライン上に表示される第1リプレイと、入賞時に、一般にリプレイに対応する図柄組合せとして認識されている図柄組合せがいずれのラインにも表示されない第2リプレイとが含まれ、
    投入制御手段によるリプレイの入賞に基づく自動的なベット状態の設定は、遊技終了処理において行われ、
    遊技処理遅延手段は、第2リプレイが入賞した場合に、遊技終了処理において、投入制御手段による自動的なベット状態の設定が行われた後に、表示制御手段によるリプレイ作動表示処理の実行を遅延させるための一定時間の遅延処理を行い、遅延処理の実行中に遊技媒体が投入された場合には、一定時間の経過前であっても遅延処理を終了するように形成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 表示制御手段は、遊技媒体の投入を促す投入受付表示を行わせるための投入受付表示処理を実行可能であり、第1リプレイの入賞に基づき自動的にベット状態が設定された場合には、投入受付表示処理を実行せずにリプレイ作動表示処理を実行し、第2リプレイの入賞に基づき自動的にベット状態が設定された場合には、投入受付表示処理を実行するとともに、投入受付表示処理に基づく投入受付表示を終了させた後に、リプレイ作動表示処理を実行し、
    遊技処理遅延手段は、表示制御手段が第2リプレイの入賞に基づき投入受付表示処理を実行することを契機に遅延処理を開始し、
    表示制御手段は、遅延処理が終了することに伴って、投入受付表示を終了させるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 遊技に付随する演出を制御する演出制御手段を備え、
    役抽選手段は、第1リプレイと第2リプレイが重複して当選するように役抽選を行い、
    リール制御手段は、第1リプレイと第2リプレイが重複して当選した場合において、停止スイッチが第1の操作順で操作された場合には第1リプレイに対応付けられた図柄組合せを有効ライン上に表示させるように回転リールの停止を制御し、停止スイッチが第2の操作順で操作された場合には第2リプレイに対応付けられた図柄組合せを有効ライン上に表示させるように回転リールの停止を制御し、
    演出制御手段は、特定の演出状態である場合において、第1リプレイと第2リプレイが重複して当選した場合には、第1の操作順を遊技者に向けて報知可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
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