JP5712933B2 - ボールねじ - Google Patents
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Description
しかしなから、この掬い上げ部は、ボールが連続的に衝突するため、ボールも大きくかつ高速でタング部に衝突する高負荷容量でかつ高速型のボールねじでは、掬い上げ部が強度的に不十分となるという問題があった。
また、この先行技術は、デフレクターのボール掬い上げが平面であり、ボールねじのねじ線に沿った掬い上げになっていない。このため、ボールを掬い上げる時にボールの軌跡が不連続の軌跡となり、騒音の発生や前記掬い上げ部への衝突によるボール表面の傷の発生、タング部の削りとられた微小破片のボール溝への噛み込み等、高速使用には適さないという問題が有った。
また、本発明は、ボールがデフレクターによってスムーズに掬い上げられて騒音が低減され、かつ高速の使用条件に耐えられるボールねじを提供することを目的としている。
前記循環部品は、前記ボールを掬い上げるデフレクターと、前記掬い上げられたボールを再び前記ボール転動路に戻すボール戻し部材とから形成され、前記デフレクターは、その長手方向に沿って設けられた複数の固定部材によって前記ナットに独立して固定され、かつ前記ボール転動路のボールを前記ボール戻し部材に向ってねじ線に沿って掬い上げる形状を有する。
また、本発明の他の実施形態に係るボールねじは、前記デフレクターのボール掬い上げ面が、ボール転動路のボールをボール戻し部材に向ってねじ線に沿って掬い上げる凹曲面形状とされている。
また、本発明の他の実施形態に係るボールねじは、前記デフレクターは樹脂材料で形成されている。
本発明の他の実施形態に係るボールねじによれば、ボールがデフレクターによってスムーズに掬い上げられて騒音が低減され、かつ高速の使用条件に耐えられるデフレクター式ボールねじを提供することができる。
以下、本発明に係るボールねじの第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示されるように、ねじ軸1の外周にナット2が装着されている。ねじ軸1の外周面には螺旋状のボールねじ溝1aが形成されており、ナット2の内周面には、ねじ軸1のボールねじ溝1aに対向する螺旋状のボールねじ溝2aが形成されている。そして互いに対向するねじ軸1のボールねじ溝1aとナット2のボールねじ溝2aとで、螺旋状のボール転動路3が構成されている。
また、ナット2の内周面には、ボール戻し部材5の両端部の位置にその両端部を合わせてデフレクター9が配置され、固定部材であるボルト11によってナット2に固定されている。
そして、透孔4a,4bと循環部品17とでボール転動路3の互いに離れた一部と他の一部とを接続して連通させる接続路6が構成されている。
このボール8がボール循環路7内を無限循環することによって、ナット2がねじ軸1に対してねじ軸1に沿って相対移動することができる。
特許文献1に示されたボールねじのデフレクター(ボール転向装置)130は、該デフレクター(ボール転向装置)130の中心に1箇所設けられた固定ボルトによってナット118に固定される。
それに対して本発明のボールねじにおいては、デフレクター9が複数の固定部材(ボルト11)によってナット2に固定されるので、デフレクター9に振動が発生せず固定部材(ボルト11)が緩むことはない。
また、本実施形態では、固定部材としてのボルト11を2本使用した例を示したが、2本に限らず3本以上であっても良い。
以下、本発明に係るボールねじの第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示されるように、ねじ軸1の外周にナット2が装着されている。ねじ軸1の外周面には螺旋状のボールねじ溝1aが形成されており、ナット2の内周面には、ねじ軸1のボールねじ溝1aに対向する螺旋状のボールねじ溝2aが形成されている。そして互いに対向するねじ軸1のボールねじ溝1aとナット2のボールねじ溝2aとで、螺旋状のボール転動路3が構成されている。
また、ナット2の内周面にはボール戻し部材5の両端部の位置にその両端部を合わせてデフレクター9が配置され、固定部材であるボルト11によってナット2に固定されている。
そして、透孔4a,4bと循環部品17とでボール転動路3の互いに離れた一部と他の一部とを接続して連通させる接続路6が構成されている。
このボール8が、ボール循環路7内を無限循環することによって、ナット2がねじ軸1に対してねじ軸1に沿って相対移動することができる。
特許文献1に示されたボールねじのデフレクター(ボール転向装置)130は、該デフレクター(ボール転向装置)130の中心に1箇所設けられた固定ボルトによってナット118に固定される。
デフレクター9の掬い上げ面19は、図2(a)に示す様に、ボール8の掬い上げ方向と直角の断面がボール8の半径より多少大きい曲率半径を有する凹曲面とされている。そしてこの凹曲面は、ボール転動路3から排出されるボール8をねじ線の接線方向に掬い上げる形状とされている。
ここで、ねじ線とはボール転動路3内を移動する螺旋状のボールの中心軌跡をいう。ねじ線の接線方向とは具体的には、図1においてボール転動路3内にあるボール8のピッチ円直径25の接線方向で、かつ図2(b)に示す様に、ねじ軸1のボールねじ溝1aのリード角θ分傾いた方向である。
さらに、デフレクター9が複数の固定部材(ボルト11)によってナット2に固定されているのに加えて、ボール8がねじ線にそってスムーズに掬い上げられるため、デフレクター9に振動が発生せずより一層固定ボルトが緩むことが防止される。
以下、本発明に係るボールねじの第3の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示されるように、ねじ軸1の外周にナット2が装着されている。ねじ軸1の外周面には螺旋状のボールねじ溝1aが形成されており、ナット2の内周面には、ねじ軸1のボールねじ溝1aに対向する螺旋状のボールねじ溝2aが形成されている。そして互いに対向するねじ軸1のボールねじ溝1aとナット2のボールねじ溝2aとで、螺旋状のボール転動路3が構成されている。
また、ナット2の内周面にはボール戻し部材5の両端部の位置にその両端部を合わせてデフレクター9が配置され、固定部材であるボルト11によってナット2に固定されている。
これにより、ボール転動路3が接続路6を介して無端状に連通し、この無端状に連通する通路がボール循環路7である。このボール循環路7内に、無端状に連続して配列するように鋼、セラミック等の材料で形成された多数のボール8が収容され、これらボール8がねじ軸1の回転時にボール循環路7内を転動して無限循環するようになっている。
このボール8がボール循環路7内を無限循環することによって、ナット2がねじ軸1に対してねじ軸1に沿って相対移動することができる。
特許文献1に示されたボールねじのデフレクター(ボール転向装置)130は、該デフレクター(ボール転向装置)130の中心に1箇所設けられた固定ボルトによってナット118に固定される。
デフレクター9の掬い上げ面19は図2(a)に示す様にボール8の掬い上げ方向と直角の断面がボール8の半径より多少大きい曲率半径を有する凹曲面とされている。そしてこの凹曲面はボール転動路3から排出されるボール8をねじ線の接線方向に掬い上げる形状とされている。
ここで、ねじ線とはボール転動路3内を移動する螺旋状のボールの中心軌跡をいう。ねじ線の接線方向とは具体的には、図1においてボール転動路3内にあるボール8のピッチ円直径25の接線方向で、かつ図2(b)に示す様に、ねじ軸1のボールねじ溝1aのリード角θ分傾いた方向である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
1a ボールねじ溝(ねじ軸側)
2 ナット
2a ボールねじ溝(ナット側)
3 ボール転動路
5 ボール戻し部材
8 ボール
9 デフレクター
10 ボールねじ
11 固定部材(ボルト)
17 循環部品
19 掬い上げ面
Claims (4)
- 外周面に螺旋状のボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向する螺旋状のボールねじ溝を内周面に有するナットと該ナットのボールねじ溝とねじ軸のボールねじ溝で形成した螺旋状のボール転動路を転動するボールと、前記ナットに設けられ、前記多数のボールが前記ボール転動路を循環するように案内する循環部品とを備え、
前記循環部品は、前記ボールを掬い上げるデフレクターと、前記掬い上げられたボールを再び前記ボール転動路に戻すボール戻し部材とから形成され、前記デフレクターは、その長手方向に沿って設けられた複数の固定部材によって前記ナットに独立して固定され、かつ前記ボール転動路のボールを前記ボール戻し部材に向ってねじ線に沿って掬い上げる形状を有することを特徴とするボールねじ。 - 前記デフレクターのボール掬い上げ面と対向する前記ナットの透孔は、前記ボール転動路のボールを前記ボール戻し部材に向ってねじ線に沿って掬い上げる凹曲面形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
- 前記デフレクターのボール掬い上げ面は、ボール転動路のボールをボール戻し部材に向ってねじ線に沿って掬い上げる凹曲面形状とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
- 前記デフレクターは樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のボールねじ。
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