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JP2008202672A - ボールねじ及びその製造方法 - Google Patents

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JP2008202672A
JP2008202672A JP2007038579A JP2007038579A JP2008202672A JP 2008202672 A JP2008202672 A JP 2008202672A JP 2007038579 A JP2007038579 A JP 2007038579A JP 2007038579 A JP2007038579 A JP 2007038579A JP 2008202672 A JP2008202672 A JP 2008202672A
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JP2007038579A
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Soushi Miyahara
荘志 宮原
Masahiko Yoshino
雅彦 芳野
Takashi Sakiyama
隆 咲山
Reida To
麗娜 滕
Tsutomu Togashi
勉 富樫
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THK Co Ltd
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THK Co Ltd
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Abstract

【課題】ボール掬い部及びスペーサ掬い部を有する循環部材において、ボールがボール掬い部に当接したときの応力集中を緩和できるボールねじを提供する。
【解決手段】ボールねじのリターンパイプ3に、リターンパイプ3の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁でボール転走路を移動するボールに接触し、ボールをリターンパイプ内に掬い上げるボール掬い部11を形成する。ナットの負荷ボール転走溝に装着されるヨーク9に、ボール転走路を移動するスペーサに接触し、スペーサをボール戻し通路5内に掬い上げるスペーサ掬い部14を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させ、ナットにボールを循環させる循環経路を設けたボールねじ及びその製造方法に関する。
ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させ、ナットにボールを循環させる循環経路を設けたボールねじが知られている。ナットに対してねじ軸を相対的に回転させたとき、ねじ軸とナットとの間に介在されるボールが転がり運動するので、すべり接触するねじに比べて摩擦係数を低減できる。モータの動力を効率よく推力に変換でき、高精度の位置決めもできることから、工作機械、半導体・液晶製造装置、ロボットなどの位置決め機構や、自動車のステアリングなどに多用されている。
ボールねじのナットには、リターンパイプなどのボールを循環させるための循環部材が取り付けられる。循環部材には、ナットの負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するボール戻し通路が形成される。
図25は従来から一般的に用いられているリターンパイプ41の斜視図を示す。リターンパイプ41の長さ方向の両端部には、ねじ軸のボール転走溝を転がるボールをリターンパイプ41内へ掬い上げるボール掬い部42が設けられる。ボール掬い部42は、ねじ軸のボール転走溝内に突出できるように舌形状に形成される。ねじ軸のボール転走溝を周方向に移動するボールは、ボール掬い部42に当接し、リターンパイプ41内に掬い上げられる。
しかし、従来のリターンパイプのボール掬い部は舌形状に形成されるゆえ、ボールが繰り返し当接したときに根元から破損し易いという問題があった。出願人はこの問題を解決するために、図26に示されるように、リターンパイプ43にリターンパイプ43の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口を形成し、切り口の両側の縁でボール45を掬い上げるボール掬い部44を提案した(特許文献1参照)。ボール掬い部44は、徐々に幅が狭くなる両側の縁で抱え込むようにボール45を掬い上げる。ボール掬い部44とボール45が二点で接触するし、舌形状の部分もなくなるので、ボール掬い部44が破損し難くなる。
ボールねじにおいては、ボール同士の接触を防止するために隣接するボール間にスペーサが介在されることがある。ボールとスペーサとの間のすきまが小さいと、ボール間に介在されるスペーサもボールと同一の循環軌道を移動する。しかし、ボールとスペーサとの間にすきまができ、スペーサに自由に動く余裕ができた場合、スペーサが本来の循環軌道から外れ、ボール掬い部44の両側の縁に引っ掛かってしまうおそれがある。
この問題を解決するために出願人は、図27に示されるように、スペーサを掬い上げることができるスペーサ掬い部47をボール掬い部46と併設したボールねじを提案している(特許文献2)。図26に示されるリターンパイプと同様に、ボールはボール掬い部46の切り口の両側の縁に案内されてリターンパイプ内に導かれる。スペーサ掬い部47は、ボール掬い部46の切り口の奥に設けられる。ボールを掬い上げるのはあくまでボール掬い部46であり、スペーサ掬い部47ではない。スペーサ掬い部47はボールに当接することなく、循環軌道から外れたスペーサに当接し、スペーサをリターンパイプ内に導く。
特開2000−18359号公報 特開2004−28192号公報
ところで、ボールねじにおいては、ボールがボール掬い部に繰り返し当接するので、ボール掬い部に繰り返し荷重が発生する。循環部材にボール掬い部とスペーサ掬い部を併設する場合、ボール掬い部とスペーサ掬い部は一体である。発明者は、有限要素法(FEM(finite element method))を用いて、スペーサ掬い部と一体にしたボール掬い部にボールが当接するときの応力を解析した。
その結果、ボール掬い部とスペーサ掬い部を一体にした循環部材においては、ボールがボール掬い部に当接したとき、ボール掬い部とスペーサ掬い部の境目に特有の応力が集中することを知見した。ボールがボール掬い部に当接する回数が多くなったり、ボールの速度が大きくなったりすると、応力集中がボール掬い部とスペーサ掬い部の境目に亀裂を発生させるおそれがある。
そこで本発明は、ボール掬い部及びスペーサ掬い部を有する循環部材において、ボールがボール掬い部に当接したときの応力を緩和できるボールねじ及びその製造方法を提供することを目的とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外周に螺旋状のボール転走溝(1a)が形成されるねじ軸(1)と、内周に前記ボール転走溝(1a)に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝(2a)が形成されるナット(2)と、前記ナット(2)の前記負荷ボール転走溝(2a)の一端と他端を接続するボール戻し通路(5)が形成される循環部材(3)と、前記ねじ軸(1)のボール転走溝(1a)と前記ナット(2)の負荷ボール転走溝(2a)との間のボール転走路(4)、並びに前記循環部材(3)の前記ボール戻し通路(5)に収容される複数のボール(6)と、前記複数のボール(6)間に介在される複数のスペーサ(7)と、を備えるボールねじにおいて、前記循環部材(3)は、前記ボール戻し通路(5)の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路(4)を移動するボール(6)に接触し、前記ボール(6)を前記ボール戻し通路(5)内に掬い上げるボール掬い部(11)と、前記ボール掬い部(11)とは別体であると共に、前記ボール転走路(4)を移動するスペーサ(7)に接触し、前記スペーサ(7)を前記ボール戻し通路(5)内に掬い上げるスペーサ掬い部(14)と、を有するボールねじである。
請求項2に記載の発明は、外周に螺旋状のボール転走溝(1a)が形成されるねじ軸(1)と、内周に前記ボール転走溝(1a)に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝(2a)が形成されるナット(2)と、前記ナット(2)に取り付けられ、前記ナット(2)の前記負荷ボール転走溝(2a)の一端と他端を接続するボール戻し通路(5)が形成されるリターンパイプ(3)と、前記リターンパイプ(3)とは別体であると共に、前記ナット(2)の螺旋状の前記負荷ボール転走溝(2a)内に配置されるヨーク(9)と、前記ねじ軸(1)のボール転走溝(1a)と前記ナット(2)の負荷ボール転走溝(2a)との間のボール転走路(4)、並びに前記ボール戻し通路(5)に収容される複数のボール(6)と、前記複数のボール(6)間に介在される複数のスペーサ(7)と、を備えるボールねじにおいて、前記リターンパイプ(3)は、前記ボール戻し通路(5)の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路(4)を移動するボール(6)に接触し、前記ボール(6)を前記ボール戻し通路(5)内に掬い上げるボール掬い部(11)を有し、前記ヨーク(9)は、前記ボール転走路(4)を移動するスペーサ(7)に接触し、前記スペーサ(7)をボール戻し通路(5)内に掬い上げるスペーサ掬い部(14)を有するボールねじである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のボールねじにおいて、前記ボール掬い部(11)と前記スペーサ掬い部(14)との間に、すきまが空けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のボールねじにおいて、前記ボール掬い部(11)及び前記スペーサ掬い部(14)が、樹脂製であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のボールねじにおいて、前記ボール掬い部(11)が樹脂製であり、前記スペーサ掬い部(14)が金属製であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、外周に螺旋状のボール転走溝(1a)が形成されるねじ軸(1)と、内周に前記ボール転走溝(1a)に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝(2a)が形成されるナット(2)と、前記ナット(2)の前記負荷ボール転走溝(2a)の一端と他端を接続するボール戻し通路が形成される循環部材(21)と、前記ねじ軸(1)のボール転走溝(1a)と前記ナット(2)の負荷ボール転走溝(2a)との間のボール転走路(4)、並びに前記循環部材(21)の前記ボール戻し通路に収容される複数のボール(6)と、前記複数のボール(6)間に介在される複数のスペーサ(7)と、を備えるボールねじにおいて、前記循環部材(21)は、前記ボール戻し通路の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路(4)を移動するボール(6)に接触し、前記ボール(6)を前記ボール戻し通路内に掬い上げるボール掬い部(22)と、前記ボール掬い部(22)と一体であると共に、前記ボール転走路(4)を移動するスペーサ(7)に接触し、前記スペーサ(7)を前記ボール戻し通路内に掬い上げるスペーサ掬い部(23)と、前記ボール掬い部(22)と前記スペーサ掬い部(23)の境目に設けられる円弧形状の切込み部(25)と、を有するボールねじである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のボールねじにおいて、前記円弧形状の切込み部(25)の曲率半径は、1.5mm以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、ねじ軸(1)の外周の螺旋状のボール転走溝(1a)と、ナット(2)の内周の螺旋状の負荷ボール転走溝(2a)との間のボール転走路(4)に複数のボール(6)及び複数のスペーサ(7)を配列し、前記ナット(2)の負荷ボール転走溝(2a)の一端と他端を接続するボール戻し通路(5)が形成されるリターンパイプ(3)を前記ナットに取り付けるボールねじの製造方法において、ナット(2)の内周の負荷ボール転走溝(2a)に、前記ボール転走路(4)を移動するスペーサ(7)に接触し、前記スペーサ(7)を前記ボール戻し通路(5)内に掬い上げるスペーサ掬い部(14)を有するヨーク(9)を装着する工程と、前記ナット(2)の内側に、外周にボール転走溝(1a)を有するねじ軸(1)を挿入する工程と、前記ナット(2)の前記負荷ボール転走溝(2a)と前記ねじ軸(1)の前記ボール転走溝(1a)との間に、複数のボール(6)及び複数のスペーサ(7)を配列する工程と、前記ナット(2)に、前記ボール戻し通路(5)の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路(4)を移動するボール(6)に接触し、前記ボール(6)を前記ボール戻し通路(5)内に掬い上げるボール掬い部(11)を有すると共に、前記ヨーク(9)とは別体のリターンパイプ(3)を装着する工程と、を備えるボールねじの製造方法である。
ボール掬い部とスペーサ掬い部とが一体だと、ボールがボール掬い部に当接したとき、ボール掬い部とスペーサ掬い部の境目に応力が集中する。ボールがボール掬い部に当接する回数が多くなったり、ボールの速度が大きくなったりすると、この応力がボール掬い部とスペーサ掬い部の境目に亀裂を生じさせるおそれがある。スペーサ掬い部をボール掬い部と別体にすると、ボール掬い部及びスペーサ掬い部それぞれが弾性変形し易くなるから、境目に発生する応力を逃がすことができる。また、ボール掬い部とスペーサ掬い部とを別体にすることで、形状をシンプルにすることができるので、形状加工が容易になる。
ボール掬い部とスペーサ掬い部との間にすきまを空けると、ボール掬い部がより変形し易くなるし、ボールがスペーサ掬い部に当接することもなくなる。
ボール掬い部及びスペーサ掬い部を樹脂製にすると、加工がし易くなり、製造コストを低減することができる。
ボール掬い部を樹脂製にし、スペーサ掬い部を金属製にすると、加工がし易く、かつ強度の高いボールねじが得られる。
ボール掬い部とスペーサ掬い部とが一体の場合でも、ボール掬い部とスペーサ掬い部の境目に円弧形状の切込み部を設けることで、境目が角ばらなくなるので応力集中を緩和できる。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態におけるボールねじの斜視図を示す。ボールねじは、外周に螺旋状のボール転走溝1aが形成されるねじ軸1と、内周にボール転走溝1aと対向する螺旋状の負荷ボール転走溝2aが形成されるナット2と、ナット2に装着されるリターンパイプ3と、を備える。
ねじ軸1の外周面には、一定のリードを備えたボール転走溝1aが切削または転造加工される。ボール転走溝1aの断面形状は、ボールの半径よりも若干大きい単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状であるか、又は二つの円弧を組み合わせてなるゴシックアーチ溝形状である。ねじ軸1のボール転走溝1aをボールが負荷を受けながら転がり運動するので、ねじ軸1の硬さ、表面粗さ、及び寸法精度は注意して製作される。ねじ軸1の材質には、好ましくは軸受け鋼、炭素工具鋼などの焼入れに適した材質が用いられる。ねじ軸1のボール転走溝1aの表面は、焼入れなどの熱処理を経て所定の硬度に加工される。表面粗さを低減するために、ボール転走溝1aは研削加工される。
ナット2は略円筒状をなし、例えば、素材を円筒形状に押出し成形し、外径・端面を切削加工することで製造される。ナット2の内周面には、ねじ軸1のボール転走溝1aに対向する負荷ボール転走溝2a(図3参照)が切削または転造加工される。ナット2の材質には、好ましくは軸受け鋼、炭素工具鋼などの焼入れに適した材質が用いられる。ナット2の負荷ボール転走溝2aの表面は、焼入れなどの熱処理を経て所定の硬度に加工される。表面粗さを低減するために、負荷ボール転走溝2aは研削加工される。ナットの軸線方向の端部に相手部品に取り付けるためのフランジ2bが設けられる。ナット2の外径には、リターンパイプ3を装着するための平取り部2cが加工される。ナット2には、リターンパイプの脚部が挿入されるパイプ挿入孔2dが一つのリターンパイプ3あたり二つ開けられる。パイプ挿入孔2dは、ナット2の外径から内径まで貫通する。
図2に示されるように、ねじ軸1のボール転走溝1aとナット2の負荷ボール転走溝2aとの間のボール転走路4、並びにリターンパイプ3内のボール戻し通路5には、複数のボール6及びスペーサ7が収容・配列される。ボール6は一般の軸受けに用いられる転動体と同様に鋼製である。ボール6間には隣接するボール6の接触を防止するスペーサ7が介在される。ボール6が鋼製であるのに対し、スペーサ7は樹脂製である。スペーサ7は略円柱形状であると共に、その進行方向の両端にボール6の形状に合わせた球面状凹部を有する。各スペーサ7は他のスペーサ7から分離していてもよいし、全てのスペーサ7が帯状のバンドを用いて一連に繋げられてもよい。
リターンパイプ3は略門形に形成され(図4参照)、中央部3aと中央部3aの両側に設けられた一対の脚部3bとを有する。一対の脚部3bはナット2のパイプ挿入孔2dに挿入される。リターンパイプ3は、ボルト、カバーなどの結合手段によってナット2に取り付けられる。
図3は、ナット2のリターンパイプ側の断面図を示す。リターンパイプ3の内部空間はボールを循環させるためのボール戻し通路5になる。リターンパイプ3のボール戻し通路5は、ナット2の負荷ボール転走溝2aの一端P1と数巻き手前の負荷ボール転走溝2aの他端P2を接続する。ボール6はナット2の負荷ボール転走溝2aの一端P1まで転がった後、リターンパイプ3内に掬い上げられ、ボール戻し通路5を経由した後、再び負荷ボール転走溝2aの他端P2に戻される。この実施形態では、リターンパイプ3はナット2の軸線方向に平行に三列設けられる。
ナット2の負荷ボール転走溝2aのボール6が循環しない領域には、ヨーク9が配置される。ヨーク9は隣接するリターンパイプ3の脚部3b間に設けられ、また軸線方向の最も端に位置するリターンパイプ3の脚部3bに対して設けられる。ヨーク9の個数はリターンパイプ3の個数よりも一つ多く、例えば三つのリターンパイプ3に対して四つのヨーク9が設けられる。ヨーク9は、ナット2の負荷ボール転走溝2a内に埋め込まれるので、負荷ボール転走溝2aの形状に合わせた外形形状に形成される。リターンパイプ3間のヨーク9の長さと、軸線方向の端に位置するヨーク9の長さとは等しい。軸線方向の端に位置するヨーク9の長さを、リターンパイプ間のヨーク9の長さよりも短くしてもよい。そうすれば、ナット2の軸線方向の長さを短くすることができる。ヨーク9は樹脂製又は金属製である。ヨーク9にはボール6が衝突することがないから、樹脂製にすることができる。他方、ヨーク9を金属製にすると、より強度を上げることができる。
図4及び図5は、ねじ軸1の軸線方向からみたリターンパイプ3及びヨーク9を示す。図4は金属製のリターンパイプ3を示し、図5は樹脂の成型品のリターンパイプ3を示す。リターンパイプ3の一対の脚部の中心線は、ボール6の螺旋状の軌道の接線方向に配置され、また螺旋状の軌道のリード角に合わせて互いに異なる方向に傾けられている(図6参照)。ボール6をその進行方向に掬い上げるためである。リターンパイプ3の下部には、ボール転走路を移動するボール6をボール戻し通路5へ掬い上げるボール掬い部11が形成される。樹脂の成形品からなるときは、リターンパイプ3は軸線方向に沿って二分割される。分割位置がボール掬い部を横断しないように、リターンパイプ3は先端までは分割されていない。分割されたリターンパイプは、ボルト、溶着、接着などの結合手段によって結合される。
図6は、リターンパイプ3の斜視図を示す。ボール掬い部11は、ボール戻し通路5の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口からなる。図7に示されるように、ボール掬い部11の下端は、ねじ軸1の中心線を含む水平面内に位置する。ねじ軸1の軸線方向からみたボール掬い部11の形状は円弧形状に形成される。ボール掬い部11は、ボール6の軌道中心線Sよりもわずかに内側に配置される。ボール掬い部11の下端は、脚部3bの中心線よりもわずかにhだけ内側に位置する。
図8は、リターンパイプ3の脚部3bの断面形状の変化を示す。先端の断面形状を0で示し、上方に向かうにしたがっての断面形状の変化を1から9で示す。脚部3bの断面形状は0の位置で、リターンパイプ3の中心線よりも両脇がわずかにhだけ突出した半円形断面になる。そして、上方に向かうにしたがって(1の位置から10の位置に進むにしたがって)脚部3bの断面形状が円形断面に近づき、切り口の両脇の幅が徐々に狭くなる。
図7に示されるように、ボール6はねじ軸1の周囲を転がり運動し、ねじ軸1の中心線を含む水平面Lよりも上方に移動する。図8に示されるように、ボール掬い部11の両脇の幅Wは0の位置から4の位置まではボール6の直径よりも大きい。ねじ軸1の中心線を含む水平面Lよりもわずかに上方に移動しただけでは、ボール6はボール掬い部11の両脇に案内されることなく、ねじ軸1の周囲を転がり運動する。そして、0から4の位置に進むにつれて、脚部3bの内周面とボール6の背面とのすきま13が徐々に大きくなる。
ボール6がさらに上方に移動し、5の位置まで移動したとき、ボール6がボール掬い部11の両脇に案内されはじめる。ボール掬い部11の両脇はリターンパイプの上方向に向かって徐々に幅が狭くなるので、6から10の位置において、ボール6はボール掬い部11の両側の縁に案内されながら、円形断面のリターンパイプ3内に導かれる。
図9及び図10はリターンパイプ3及びヨーク9を下方からみた斜視図を示す。リターンパイプ3の長さ方向とヨーク9の長さ方向とは交差する。ヨーク9の長さ方向の両端部には、スペーサ7に接触し、ボール転走路4を移動するスペーサ7を掬い上げてリターンパイプ3内へ導くスペーサ掬い部14が形成される。スペーサ掬い部14は、ボール掬い部11の奥に配置される。スペーサ掬い部14は、リターンパイプ3の内面の円筒形状とほぼ同一の曲率の窪んだ曲面を有する。
図11のボール掬い部11及びスペーサ掬い部14の断面図に示されるように、スペーサ掬い部14は、ボール戻し通路5の内周面に対して角度α度傾けられている。角度α度傾けることによって、スペーサ掬い部14がボール掬い部11に掬い上げられるボール6に当接することがなくなる。図12に示されるように、スペーサ掬い部14はボール6に当接しない替わりにスペーサ7に当接する。スペーサ掬い部14にスペーサ7が常に当接するというわけではなく、ボール6間の隙間が広がって、かつスペーサ7が軌道から外れようとした場合のみスペーサ7がスペーサ掬い部14に接触する。
図13は、ナット2の内部からみたボール掬い部11及びヨーク9の斜視図を示す。上述したように、リターンパイプ3にはボール掬い部11が形成される。ボール転走路4を移動するボール6は、ボール戻し通路5の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁に案内されながらリターンパイプ3内に導かれる。一方、リターンパイプ3とは別体のヨーク9には、スペーサ掬い部14が形成される。ボール転走路4を移動するスペーサは、スペーサ掬い部14に案内されながらリターンパイプ内に導かれる。
ボール6はボール掬い部11とスペーサ掬い部14の境目15に当接しながら、ボール掬い部11に掬い上げられる。ボール掬い部11とスペーサ掬い部14が一体の場合、境目15に応力が集中し、繰り返し荷重によって境目15に亀裂が発生するおそれがある。ボール掬い部11が金属製の場合は摩耗が進行するだけですむかもしれないが、ボール掬い部11が樹脂製の場合は亀裂が発生するおそれがある。スペーサ掬い部14をボール掬い部11と別体にすると、ボール掬い部11及びスペーサ掬い部14が弾性変形し易くなるから、境目15に発生する応力を逃がすことができる。
図10に示されるように、ボール掬い部11とスペーサ掬い部14との間には、わずかな例えば0.1〜0.5mm程度のすきまWが空けられてもよい。すきまWを空けると、ボール6がスペーサ掬い部14に当接しなくなる。ボール掬い部11単独の場合には亀裂を発生させるような応力が発生しないから、すきまWを空けることで応力をより緩和できる。
リターンパイプ3にボール掬い部11及びスペーサ掬い部14を一体に設けると、リターンパイプ3の軸線方向の端面側からの加工が必要になる。マシニングセンターを使用し、軸線方向に沿って二分割したリターンパイプ3を加工すると、リターンパイプ3の表側、裏側及び端面側の三面の加工が必要になる。端面側からの加工はリターンパイプ3のコストアップを招く。ボール掬い部11及びスペーサ掬い部14それぞれを別体にすることで、形状がシンプルになり、リターンパイプ3の表側及び裏側の二面の加工で済む。また、金型を用いてリターンパイプ3を成形するときも、金型をシンプルにすることができる。
ボールねじの組立て方法について説明する。まず、ナット2の内周の負荷ボール転走溝2aにヨーク9を装着する。図13に示されるようにヨーク9には、タップ9aが加工される。ナット2にはヨーク9のタップに対応する貫通孔が空けられている。貫通孔からボルトを挿入し、ヨーク9をナット2の負荷ボール転走溝2aに仮締めする。
次に、ナット2の内側にねじ軸1を挿入し、ナット2の負荷ボール転走溝2aとねじ軸1のボール転走溝1aとの間に複数のボール6及び複数のスペーサ7を交互に配列する。
次に、リターンパイプ3内に複数のボール6及び複数のスペーサ7を交互に配列し、リターンパイプ3の脚部3bを下に向けてもリターンパイプ3から複数のボール6及びスペーサ7が落下しないように、リターンパイプ3にグリースなどの潤滑剤を封入する。
リターンパイプ3の脚部3bをナット2のパイプ挿入孔2dに挿入し、ボルトなどの結合手段を用いてリターンパイプ3をナット2に仮締めする。その後、リターンパイプ3のボール掬い部11とヨーク9のスペーサ掬い部14との間にわずかなすきまWが空くようにこれらの位置を調整し、リターンパイプ3及びヨーク9をナット2に本締めする。
図14は、リターンパイプの他の例を示す。この例のリターンパイプ21においては、ボール掬い部22とスペーサ掬い部23とが一体に形成される。図15は比較のための従来のリターンパイプ31を示す。本発明のリターンパイプ21と従来のリターンパイプ31のいずれにも、リターンパイプ21,31の内方に向かって徐々に幅が狭くなるボール掬い部22,32が形成される。ボール掬い部22,32の奥には、スペーサ掬い部23,33が一体に形成される。スペーサ掬い部23,33は、リターンパイプ21,31の内周面に対して傾けられている。スペーサ掬い部23,33には、ねじ軸1のボール転走溝1aとの干渉を避けるための逃げ面24,34が形成される。
図15に示されるように、ボール掬い部32とスペーサ掬い部33とが一体の場合、ボール掬い部32とスペーサ掬い部33の境目39に応力が集中する。図14に示されるように、この例のリターンパイプ21においては、ボール掬い部22とスペーサ掬い部23の境目に円弧形状の切込み部25を形成し、応力集中を緩和する。
発明者は、FEM解析を用いてリターンパイプに発生する応力を算出した。図16に示されるように、解析モデルは、境目に曲率半径R1.5mmの切込み部を形成したタイプ1、境目に曲率半径R2mmの切込み部を形成したタイプ2、境目に曲率半径R1.0mmの切込み部を形成し、かつスペーサ掬い部をボール掬い部よりも肉厚にしたタイプ3の三種類である。
図17は解析条件を示す。リターンパイプ21は中央部21aにてナット2にボルト結合されるから、中央部21aでX,Y,Zの変位が固定される。そして、ボール6をボール掬い部22とスペーサ掬い部23の境目に配置し、ボール6から境目に0〜7.725Nの荷重が作用すると条件設定した。
図18はボール掬い部22とスペーサ掬い部23の境目(参照点)に発生する応力のグラフを示す。図19は境目(参照点)近傍に発生する応力の分布を示す。円弧形状の切込み部25を設けない場合、ボール掬い部22とスペーサ掬い部23の境目が角張った形状になるので、大きな応力が発生した。境目に円弧形状の切込み部25を設けることで、応力を約半分の20MPa程度に低減できた。また解析結果から、曲率半径Rを大きくしても、応力が小さくなる傾向は少ないこと、言い換えれば、曲率半径Rの大小による応力の変化は小さいことがわかった。スペーサ掬い部23の肉厚を厚くし、曲率半径Rの切込み部25を設けると、最も応力を小さくすることができた。
また発明者は、円弧形状の切込みの曲率半径をR1mm(図20)→R1.5mm(図21)→R2mm(図22)→R3mm(図23)と変化させたきのボール掬い部22及びスペーサ掬い部23の形状の変化を調べた。図23に示されるように、曲率半径をR3mmにすると、スペーサ掬い部23に薄肉部Pが発生する。図22に示されるように、曲率半径をR2mmにすると、スペーサ掬い部22の凹凸が大きくなり、そこにスペーサが引っ掛かる可能性がある。図21に示されるように、曲率半径をR1.5mmにすると、R2mmのときよりもスペーサ掬い部23の凹凸が小さくなる。図20に示されるように、曲率半径をR1mmにすると、凹凸も生じなくなる。なお、図24に示されるように、曲率半径をR1mmにし、かつスペーサ掬い部23を肉厚にするとスペーサが引っ掛かり易い形状になる。
すなわち、曲率半径Rが1.5mmを超えると、スペーサ掬い部23に窪みやエッジが発生し、スペーサの引っ掛かりが発生する可能性がある。スペーサ掬い部23の肉厚を増やし、曲率半径Rの切込みをつけた場合も、スペーサが引っ掛かりやすい形状になる。よって、曲率半径Rは1.5mm以下、望ましくは1mm以下での切込み部を設け、肉を厚くしないものが、応力集中の緩和、及びスペーサの引っ掛かり防止に効果的である。
本発明の一実施形態におけるボールねじの斜視図 ボール循環経路に配列されるボール及びスペーサの斜視図 ナットのリターンパイプ側の断面図 ねじ軸の軸線方向からみたリターンパイプ及びヨークを示す図(リターンパイプが金属製) ねじ軸の軸線方向からみたリターンパイプ及びヨークを示す図(リターンパイプが樹脂製) リターンパイプの斜視図 リターンパイプへのボールの掬上げ状態を示す図(ねじ軸の軸線と直交する断面図) ターンパイプの脚部の断面形状の変化を示す図 リターンパイプ及びヨークを下方からみた斜視図 リターンパイプ及びヨークの詳細図 ボール掬い部及びスペーサ掬い部の断面図(ボールの掬上げを示す図) ボール掬い部及びスペーサ掬い部の断面図(スペーサの掬上げを示す図) ナットの内部からみたボール掬い部及びヨークの斜視図 リターンパイプの他の例を示す斜視図(本件発明) リターンパイプの他の例を示す斜視図(従来例) FEM解析のモデル図 解析条件を示す図 ボール掬い部とスペーサ掬い部の境目(参照点)に発生する応力のグラフ 境目(参照点)近傍に発生する応力の分布 曲率半径をR1mmにしたボール掬い部及びスペーサ掬い部を示す斜視図(図中(A)はリターンパイプを反転させた状態を示し、図中(B)はリターンパイプを下方からみた状態を示す) 曲率半径をR1.5mmにしたボール掬い部及びスペーサ掬い部を示す斜視図(図中(A)はリターンパイプを反転させた状態を示し、図中(B)はリターンパイプを下方からみた状態を示す) 曲率半径をR2mmにしたボール掬い部及びスペーサ掬い部を示す斜視図(図中(A)はリターンパイプを反転させた状態を示し、図中(B)はリターンパイプを下方からみた状態を示す) 曲率半径をR3mmにしたボール掬い部及びスペーサ掬い部を示す斜視図(図中(A)はリターンパイプを反転させた状態を示し、図中(B)はリターンパイプを下方からみた状態を示す) 曲率半径をR1mmにし、かつスペーサ掬い部23を肉厚にしたボール掬い部及びスペーサ掬い部を示す斜視図(図中(A)はリターンパイプを反転させた状態を示し、図中(B)はリターンパイプを下方からみた状態を示す) 従来のリターンパイプを示す斜視図(舌形状のボール掬い部) 従来のリターンパイプを示す斜視図(切り口形状のボール掬い部) 従来のリターンパイプを示す斜視図(ボール掬い部とスペーサ掬い部の併設)
符号の説明
1a…ボール転走溝
1…ねじ軸
2…ナット
2a…負荷ボール転走溝
3,21…リターンパイプ(循環部材)
4…ボール転走路
5…ボール戻し通路
6…ボール
7…スペーサ
9…ヨーク
11,22…ボール掬い部
14,23…スペーサ掬い部
15…境目
25…切込み部

Claims (8)

  1. 外周に螺旋状のボール転走溝が形成されるねじ軸と、
    内周に前記ボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝が形成されるナットと、
    前記ナットの前記負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するボール戻し通路が形成される循環部材と、
    前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの負荷ボール転走溝との間のボール転走路、並びに前記循環部材の前記ボール戻し通路に収容される複数のボールと、
    前記複数のボール間に介在される複数のスペーサと、を備えるボールねじにおいて、
    前記循環部材は、
    前記ボール戻し通路の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路を移動するボールに接触し、前記ボールを前記ボール戻し通路内に掬い上げるボール掬い部と、
    前記ボール掬い部とは別体であると共に、前記ボール転走路を移動するスペーサに接触し、前記スペーサを前記ボール戻し通路内に掬い上げるスペーサ掬い部と、を有するボールねじ。
  2. 外周に螺旋状のボール転走溝が形成されるねじ軸と、
    内周に前記ボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝が形成されるナットと、
    前記ナットに取り付けられ、前記ナットの前記負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するボール戻し通路が形成されるリターンパイプと、
    前記リターンパイプとは別体であると共に、前記ナットの螺旋状の前記負荷ボール転走溝内に配置されるヨークと、
    前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの負荷ボール転走溝との間のボール転走路、並びに前記ボール戻し通路に収容される複数のボールと、
    前記複数のボール間に介在される複数のスペーサと、を備えるボールねじにおいて、
    前記リターンパイプは、前記ボール戻し通路の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路を移動するボールに接触し、前記ボールを前記ボール戻し通路内に掬い上げるボール掬い部を有し、
    前記ヨークは、前記ボール転走路を移動するスペーサに接触し、前記スペーサをボール戻し通路内に掬い上げるスペーサ掬い部を有するボールねじ。
  3. 前記ボール掬い部と前記スペーサ掬い部との間に、すきまが空けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
  4. 前記ボール掬い部及び前記スペーサ掬い部が、樹脂製であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のボールねじ。
  5. 前記ボール掬い部が樹脂製であり、前記スペーサ掬い部が金属製であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のボールねじ。
  6. 外周に螺旋状のボール転走溝が形成されるねじ軸と、
    内周に前記ボール転走溝に対向する螺旋状の負荷ボール転走溝が形成されるナットと、
    前記ナットの前記負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するボール戻し通路が形成される循環部材と、
    前記ねじ軸のボール転走溝と前記ナットの負荷ボール転走溝との間のボール転走路、並びに前記循環部材の前記ボール戻し通路に収容される複数のボールと、
    前記複数のボール間に介在される複数のスペーサと、を備えるボールねじにおいて、
    前記循環部材は、
    前記ボール戻し通路の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路を移動するボールに接触し、前記ボールを前記ボール戻し通路内に掬い上げるボール掬い部と、
    前記ボール掬い部と一体であると共に、前記ボール転走路を移動するスペーサに接触し、前記スペーサを前記ボール戻し通路内に掬い上げるスペーサ掬い部と、
    前記ボール掬い部と前記スペーサ掬い部の境目に設けられる円弧形状の切込み部と、を有するボールねじ。
  7. 前記円弧形状の切込み部の曲率半径は、1.5mm以下であることを特徴とする請求項6に記載のボールねじ。
  8. ねじ軸の外周の螺旋状のボール転走溝と、ナットの内周の螺旋状の負荷ボール転走溝との間のボール転走路に複数のボール及び複数のスペーサを配列し、前記ナットの負荷ボール転走溝の一端と他端を接続するボール戻し通路が形成されるリターンパイプを前記ナットに取り付けるボールねじの製造方法において、
    ナットの内周の負荷ボール転走溝に、前記ボール転走路を移動するスペーサに接触し、前記スペーサを前記ボール戻し通路内に掬い上げるスペーサ掬い部を有するヨークを装着する工程と、
    前記ナットの内側に、外周にボール転走溝を有するねじ軸を挿入する工程と、
    前記ナットの前記負荷ボール転走溝と前記ねじ軸の前記ボール転走溝との間に、複数のボール及び複数のスペーサを配列する工程と、
    前記ナットに、前記ボール戻し通路の内方に向かって徐々に幅が狭くなる切り口の両側の縁で前記ボール転走路を移動するボールに接触し、前記ボールを前記ボール戻し通路内に掬い上げるボール掬い部を有すると共に、前記ヨークとは別体のリターンパイプを装着する工程と、を備えるボールねじの製造方法。
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