[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5710466B2 - 複焦点レンズおよび複焦点眼鏡 - Google Patents

複焦点レンズおよび複焦点眼鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP5710466B2
JP5710466B2 JP2011500585A JP2011500585A JP5710466B2 JP 5710466 B2 JP5710466 B2 JP 5710466B2 JP 2011500585 A JP2011500585 A JP 2011500585A JP 2011500585 A JP2011500585 A JP 2011500585A JP 5710466 B2 JP5710466 B2 JP 5710466B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent
state
elastic body
lens
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011500585A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010095571A1 (ja
Inventor
佐敏 山内
佐敏 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OISLLEE Planning Co Ltd
Original Assignee
OISLLEE Planning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OISLLEE Planning Co Ltd filed Critical OISLLEE Planning Co Ltd
Priority to JP2011500585A priority Critical patent/JP5710466B2/ja
Publication of JPWO2010095571A1 publication Critical patent/JPWO2010095571A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5710466B2 publication Critical patent/JP5710466B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/12Fluid-filled or evacuated lenses
    • G02B3/14Fluid-filled or evacuated lenses of variable focal length
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/08Auxiliary lenses; Arrangements for varying focal length
    • G02C7/081Ophthalmic lenses with variable focal length
    • G02C7/085Fluid-filled lenses, e.g. electro-wetting lenses

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Description

本発明は、焦点距離を可変可能な複焦点レンズ及びそれを備えた複焦点眼鏡に関し、例えば、視覚における焦点調整能力の低下をまねいている老齢者用の眼鏡や、細かな作業を手元で行うときに用いる拡大眼鏡等に適用して好適な複焦点レンズ及び複焦点レンズを備えた複焦点眼鏡に関する。
従来、視覚における焦点調整能力が低下した場合、図11に示すような眼鏡10を用い、通常の生活をするときのためのレンズ11と、本を読むためや、裁縫をするなど手元を見るためのレンズ12とを一体化し、一枚のレンズとして構成し、目の視線の角度でどちらか一方のレンズを用いるようにして、対象物がはっきり見られるようにしている。
言い換えると、数メートル以上の事物や景色などを見る場合は上側に光軸があるレンズを通して見るようにし、数十センチメートルぐらいの事物を見る場合は下側に光軸のあるレンズを通して見るように利用者が上側と下側とを意識して眼球を動かして利用する。
しかしながら、利用者は常に上側下側どちらを用いているかを意識しながら利用せざるを得ない。更に、例えば、下側レンズを用いて手元の作業をしている際、中心部の対象物を見ながら周辺の対象物の状態に気配りする場合は、視野角が狭いので、首を振りながら対象物を追う必要があった。そのため、利用者はすぐに疲労してしまうなどの欠点があった。
この欠点を克服するための方法として、従来、対象となる物体までの距離に応じて焦点距離を調整できる可変焦点レンズが提案されている。それは、2枚の透明軟弾性体の間に透明な液体またはゲル状の物体で充填させてあり、その液体またはゲル状物質の体積変化をさせて焦点距離を変化させるもの(例えば、特許文献1、2参照)や、透明なゲル状物質を片側を固体レンズとし、片側を透明軟弾性幕で封入して軟弾性幕の変形で焦点距離を変化させるもの(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
しかしながら、特許文献1あるいは特許文献2のような構成だと、透明軟弾性体に圧力をかけてレンズ化しようとするもので、設計したとおりのレンズ特性(正確なレンズ特性)が得難い。また、両面とも軟弾性体なので、眼鏡として用いようとした場合、指で触れた場合や物体が飛んできた場合に変形してしまったり、破損したりする可能性が多くなるので、少なくとも外界と接する方の面はガラスやプラスチックなどによる保護用のフードで覆うことが必要となる。その後者の課題を解決したのが、特許文献3であるが、軟弾性体のレンズ形状の制御が難しく所望のレンズ特性が得難いのは同じである。
特開2001−249202号公報 特開2003−14909号公報 特開2006−106488号公報
一つには外部からの飛来物が当っても簡単に傷が付かない構造とすることであり、二つには構造が簡単で安定した焦点距離を得る複焦点レンズを得ることである。
請求項1に記載の発明は、透明で剛性を有する透明基体と、透明で弾性を有する透明弾性体と、前記透明基体と前記透明弾性体との間に封入した透明流動体と、前記透明弾性体の状態変化を誘引させる制御機構とを備えている複焦点レンズにおいて、前記透明弾性体は剛性を併せ持つ透明剛弾性体であって外部からの力を与えない状態で凹状態または凸状態の2つの安定形状を持つ形状部分を有し、前記制御機構は前記形状部分を前記凸状態または前記凹状態のいずれかに反転変化させる駆動機構であることを特徴とする複焦点レンズであり、
請求項2に記載の発明は、透明で剛性を有する透明基体と、透明で弾性を有する透明弾性体と、前記透明基体と前記透明弾性体との間に封入した透明流動体と、前記透明弾性体の状態変化を誘引させる制御機構とを備えている複焦点レンズにおいて、前記透明弾性体は剛性を併せ持つ透明剛弾性体であって外部からの力を与えない状態で凹状態または凸状態の2つの安定形状を持つ形状部分を有し、前記制御機構は前記形状部分を周期的に前記凸状態または前記凹状態に交互に反転変化させる制御機構であることを特徴とする複焦点レンズであり、
請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の複焦点レンズを用いた複焦点眼鏡である。
請求項1に記載の発明によれば、透明剛弾性体の形態の変化を誘引させて、透明基体と透明剛弾性体との間に封入した透明流動体で構成するレンズの2様の形態を所定の形状に形成しようとするもので、2様のいずれの形態においても、所望の特性(正確な光学特性)を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、透明基体と透明剛弾性体との間に封入した透明流動体で構成するレンズにおいて、透明剛弾性体の形態を周期的に変化させて得られる2様のレンズ形態のいずれにおいても所望の特性(正確な光学特性)を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1あるいは請求項2のいずれかの複焦点レンズを用いて眼鏡としたもので、視野角の広い正確なレンズ特性によるレンズを用いているため、利用者は異なった位置の対象物を追いかけて凝視するような場合でも、利用者が疲労することなく、利用できる複焦点眼鏡とすることができる。
本発明の一つの構成要件である透明剛弾性体の動作原理を説明するための図である。 図1で示した皿状円板の中心部の断面を真横から示した図、及び、力Fを加えていった場合の中央部の上下方向の変移を概念として示した図である。 剛弾性体のうちで透明な弾性体を用いて構成した複焦点レンズの基本的な考え方を説明する図である。 周縁部での液漏れの対処をする透明弾性体の中央での断面図である。 透明基体にレンズ効果を持たせたり、透明基体と透明弾性体の曲率を異ならせたりすることにより、様々な焦点距離の組み合わせが可能となる例を示す図である。 透明弾性体を変化させるための具体例を説明するための図である。 透明弾性体の周縁部Cをスライダに固着させた例を示す図である。 透明弾性体に電動で力を与える実施例を示す図である。 駆動コイルを駆動する装置の一例を示す図である。 複焦点レンズを用いたヘッドマウント型のルーペへの適用した例を示す図である。 従来の複焦点レンズ及び複焦点眼鏡の実施形態を説明するための図である。
<弾性剛性体の動作原理の説明>
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)、(b)は本発明の一つの構成要件である透明剛弾性体の動作原理を説明するための図である。図1において、100は剛弾性体の円板で、この剛弾性体の円板100は、これは半径R(ここで示す記号の意味は後述する。)の球状の一部分を切り出した直径D、肉厚tの皿状の円板である。この剛弾性体とは剛性がありながら弾力性を持っているもので、透明ではないが鋼材は一般的であり、板バネに用いられているのは良く知られている(これに対してゴムに代表される軟らかな弾性体は軟弾性体と称する)。また、透明な弾性体としては一般的なガラスも弾性限界を超えないように用いればこの剛弾性体に入る。ただ、本発明で用いるためには一般的に言うプラスチック類が使いやすい。その中でもポリ塩化ビニール(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やユーポリマー(ユニチカの商標)等が適している。まず、図1(a)に示すように、下に凸状に置き、縁100aを固定しておいて、皿の中央部100bを矢印のように力Fで下から押し上げると皿状の円板100は徐々に撓みながら上昇し、ある一定量上昇すると、図1(b)に示すように、上に凸の状態に反転する。一度反転すると力Fを取り除いてもそのままの形を維持する。また、この状態から力Fを反対方向に(上の方から)力を加えていくと、ある一定量下降したところで元の図1(a)の状態に戻る。
次に、図2(a),(b)を用いて、上記の様子をもう少し詳しく説明する。図2(a)は図1(a)で示した皿状円板100の中心部の断面を真横から示した図である。実線で表示した皿の形状は半径Rで中空の球状体の一部分を切り出した形状をしており、直径D、周辺部に対する中央部の膨らみ量T,肉厚tの皿状の円板としてある。その実線で示した皿状の円板100を下に凸の状態で置き、周縁部分を上から押え、皿の中央部分を下から押し上げる場合を示している(その両方から加える力をFとする:但し、皿状円板の質量は無視する)。二点鎖線で示した皿の形状は図1(b)に示した皿状円板の状態を中心部の断面を真横から示した図である。図2(b)はこの力を加えていった場合の力Fと中央部の上下方向の変移量yとの関係を概念として示したものである。すなわち、座標の横軸に印加する力Fをとり、縦軸に皿状円板の中央部の変移量yをとる。
ここで、皿状円板の最初は自由で力Fが一切加わっていない状態(F=0)で、中央部の位置はa点であり、y軸上の−Tの位置(y=−T)であるとする。そこに図2(a)に示すように力Fを加えていくと中央部は図2(b)中に(1)に示すように推移する。即ち、縁と同じ位置までは力Fに比例的に上昇していき、その縁の位置を僅かに越えた(円板の厚み程度)b点に達すると(2)の軌跡を取りながら一気にc点まで上昇して、安定する。この(2)の軌跡の範囲では外部からの力は与えることはなく、皿状円板の内部応力のみで遷移する。この遷移後の安定状態は図2(a)に示す初期状態の上向き皿状とは逆の二点鎖線で示す下向き皿状態となっている(図1(b)の形状)。
ここで、皿状円板は最初の状態と同様に自由で力Fが一切加わっていない状態(F=0)である。この状態の中央部はc点にあるが、この中央部に負方向の力Fを加えていくと(3)の軌跡をとり縁と同じ位置までは力Fに比例的に下降していき、その縁の位置を僅かに越えた(円板の厚み程度)d点で(4)の軌跡を取りながら一気にa点まで下降して、元の状態に戻り安定する。この(4)の軌跡の範囲では外部からの力は与えることはなく、皿状円板の内部応力のみで遷移するのは(2)の軌跡の範囲の動作と同様である。
このように、この皿状円板の弾性体は二つの安定形状(上に凹の皿状、下に凹の皿状で、どちらもRの曲率)を持つ。
<複焦点レンズに摘要した場合の動作原理説明>
図3は、上記の動作原理で示した剛弾性体(以後、これを単に弾性体と呼称する)のうちで透明な弾性体を用いて構成した複焦点レンズの基本的な考え方を説明する図である。
複焦点レンズ200は透明で剛性を有する皿状の円板透明基体201と、透明で剛弾性を有する皿状の円板透明弾性体202を用意し、その凹面部を互いに向い合わせて縁を隙間なく一致させた形として、その間に透明な液体203を充填させ封入することによりレンズの機能を生じさせてある。また、透明基体201と透明弾性体202の縁は、ゴムのような弾性を有していて自動車や自転車のタイヤのように断面が英字のC字状で全体が環状に形成してある軟弾性体204でシールしてある。
更に詳細に複焦点レンズ200の構成を説明する。
透明基体201は透明樹脂(アクリルやポリカーボネートなど)あるいは透明ガラスで作ってある(但し、サングラスのような使い方では着色して用いてもよい)。厚みは1mm程度かそれ以上と比較的厚く(液体203に正圧力乃至は負圧力をかけたとき変形しなければどのような厚みでも良い)剛性を保たせる。これ自体レンズとしてもよいが、以後、本発明の本質を説明しやすくするために、厚みを一定とした状態で説明する。また、形状は主要部(レンズとして光を透過させる部分)を均一な厚みで内側がRの曲率を持つ皿状の円板としてあり、縁は円筒形の突起部206を設けて、透明弾性体202との間から液体203が漏れないようにしてある。具体的な材料としてポリカーボネート(PC)を用いた場合は、光屈折率は1.585となり、光学ガラスのBK7を用いれば、光屈折率は1.518となる。
透明弾性体202は、やはり、透明樹脂で作ってあるが、透明基体201より極めて薄くしてある(アクリルやポリカーボネートなどでは0.1mm程度とするのがよいが、PETや透明な塩化ビニールのような材料を用いる場合は0.2mmあるいはそれ以上にしてもよい。この厚さは絶対的なものではなく、直径Dとの関係で決まるものであり、図1乃至は図2で説明した特性が得られる厚さならここで示した値より小さくても大きくてもよい)。均一な厚みで透明基体201と同じRの曲率を持つ皿状の円板としてある。ポリカーボネート(PC)を用いた場合、光屈折率は1.585、アクリルの場合は1.49となり、ポリエチレンテレフタレート(PET)の光屈折率は1.575程度である。
液体203は透明液体(水、アルコール、スピンドル油やセダ油など流動性が高い物でも、オイル状の粘性が高い物でも物体が圧力により移動するものなら何でもよい)で、無色でも着色しても光線をある程度透過させるならばかまわない。水を用いた場合の光屈折率は1.333となり、エチルアルコールを用いると1.362、セダ油を用いると1.516となる。
弾性体204はゴムのような軟らかな弾性体で、自動車や自転車のタイヤのように断面を英字のC形にし、全体をリング状に形成してある。C形の先端で透明基体201と透明弾性体202を一定の力で挟み、透明弾性体202が凸状態(図4(C)で実線表示)でも凹状態(図4(C)で二点鎖線表示)でも透明基体201と透明弾性体202の位置関係を安定させる。
ここで、図3に示すように、透明弾性体202が実線で示す202−aのように下に凸であるときの状態(状態1とする)では、透明基体201と透明弾性体202、及び、その両者の間に満たされている透明な液体203の三者でRの曲率を持つ両方凸のレンズとなっている。そして、この凸レンズの焦点距離fは液体203の屈折率をnとするとf=R/(2×(n−1))である。
次に、透明弾性体202が二点鎖線で示す202−cのように上に凸である状態(状態2とする)では、透明基体201と透明弾性体202の間隙は全面のどの部分でも一定となり、透明基体201と液体203、透明弾性体202の3層全体が一体で厚みが一定の曲率Rの透明体となるのでレンズの効果はない(すなわち、このときの焦点距離fは無限大∞である)。言い換えると、図3において、LLの方向から入った平行光は透明基体201、透明弾性体202、液体203を透過した後も平行光のままである。
なお、透明な液体203にセダ油を用い、透明基体201に光学ガラスBK7を用いれば、それぞれの光屈折率は1.5程度でほとんど変わらないので、その境界面での反射はほとんど無くなる。また、透明基体201にポリカーボネート(PC)やアクリルを用いてもその反射は非常に小さい。透明弾性体202にはポリカーボネート(PC)あるいは弾性率がより高いポリエチレンテレフタレート(PET)を用いればよいが、この光屈折率も1.5を少し超える程度なので界面での反射は非常に小さい。さらに、透明液体203に水やエチルアルコールなど透明基体201や透明弾性体202の光屈折率と大きな違いのある光屈折率の部材を用いても界面に光反射防止膜を形成することにより、光透過率のよいレンズを構成することが可能である。
次に、このように構成した複焦点レンズの動作(状態1から状態2へと遷移させる、あるいは状態2から状態1へと繊維させる方法)を同じく図3で説明する。
ここで、状態変化を起こさせる力は透明弾性体202の中央と周辺に与えて説明する。即ち状態1から状態2へ変化させるには図3に示すように透明基体201を固定し、透明弾性体202の中央に力Fを与え、状態2から状態1へ変化させるにはやはり透明基体201を固定し、図のように透明弾性体202の周縁部z(リング状)に力F’を与えた形で説明する。このとき、弾性体204の透明基体201と透明弾性体202に与える力は無視して説明する。
まず、透明弾性体202の最初の状態202−aは自由で力Fが一切加わっていない状態(F=0およびF’=0)である(状態1)。この状態は凸レンズとなっている。この状態から透明基体201を固定して、透明弾性体202の中央部aに図示の下側から力Fを加えていくと破線で示したほぼ中央の位置202−bまで変化し(このときの透明弾性体202はほぼ平板状態)、それを僅かに越えると、一気に202−cの状態に変化する。即ち、中央部が縁と同じ位置までは力Fに比例的に上昇していき、その縁の位置を僅か(円板の厚み程度)に越えると外部からの力を与えなくても、皿状円板の内部応力のみで202−cの状態(初期状態の上向き皿状とは逆の二点鎖線で示す下向き皿状態)となる(状態2)。このとき、レンズ効果はない。
次に、皿状円板は最初の状態と同様に自由で力Fが一切加わっていない状態(F=0およびF’=0)である。この状態で透明弾性体202の周縁部zに力F’を加えていくと破線で示した位置202−bまで変化し(このときの透明弾性体202はほぼ平板状態)、それを僅かに越えると、一気に202−aの状態に変化する。即ち、周縁部zが中央部と同じ位置までは力F’に比例的に上昇していき、その中央部の位置を僅か(円板の厚み程度)に越えると外部からの力を与えなくても、皿状円板の内部応力のみで202−aの状態(初期状態の上向きの皿状態(状態1))に戻る。このとき、凸レンズとなる。
以上の実施例は基本的な考え方をそのまま実現する形であったが、透明液体の漏れは生じないように透明基体と透明弾性体との周縁部での接点において精度よく加工して組み立てる必要がある。また、透明弾性体を何回も凹凸形態の変移を繰り返すうち、磨耗の結果、透明液体が漏れ出す恐れがある。そこで、その周縁部を密閉し、長時間使用しても液体漏れの生じない実施例を図4に示す。
図4(a),(b)は周縁部での液漏れの対処をする透明弾性体302の図であり、これはその透明弾性体302の中央での断面図である。図4(a)は下に凸の状態を示す図であり、Aの範囲は図3に示した202に相当する。Cの範囲の詳細説明は後述するが、このCの部分は透明基体と固着する(接着したり、融接したり、押さえ込んだりする)部分である。Bの範囲は皿状のAの範囲が凸状から凹状へ、凹状から凸状へと変化する途中で中央部から周縁部zへ膨張力が働く際の逃げを与えたり、Cの固定されている部分の影響を少なくしてA部の周縁部zを動き易くしたりするクッション部である。波様の形状はその目的に応じて様々な形状をとる。図4(b)は、図4(a)と同じ物を上に凸状態にした場合の形態を示す。ここではA・B・C各部は一体で示したが、A部よりB部を若干薄めにして剛性を変化させたり、A部とB・C部とを別の部材、具体的にはA部は剛弾性体とし、B・C部は軟弾性体としたりすることにより、より容易に目的を達成できる。
図4(c)は、図3で示した複焦点レンズの透明弾性体に換えて図4(a),(b)で説明した透明弾性体を透明基体と固着して透明液体が漏洩しないようにした構成を示す概念図で、この入れ替えた透明弾性体を302としてある。
ここで301は透明基体で、図3の201に対応し、303は透明液体で図3の203に対応させてあり、透明弾性体302を図3の202に対応させ、A部は302−a、302−b、302−cをそれぞれ202−a、202−b、202−cに対応させて示している。B部の断面形状はA部の周縁部zの動きを自由にするために図4(a),(b)で示した波様より大きくS字状に形成してある。透明弾性体302のC部は304の面で透明基体301の周縁部に固着してある。こうして透明基体301と透明弾性体302は密閉しているので内部に注入されている液体303は漏れることがなくなる。
この複焦点レンズ300は図3で説明した動作と同様の動作をし、図3の複焦点レンズ200と置き換えることができる。その結果、透明弾性体302が302−aの状態の時には凸レンズとして動作し、302−cの状態の時には全くレンズ効果が無く、平行光は平行光のまま透過する。
<透明液と透明弾性体周縁部zの変位量>
以上、説明してきた複焦点レンズの透明弾性体の状態変化をさせる力FあるいはF’を与えた時に周縁部zが変位する量を求めてみる(両凸レンズとすると、レンズの片側の厚みと概ね一致する)。
ここで透明液に水、エチルアルコール、セダ油、αブロナフタレン、ジヨードメタンを用いた場合のレンズの主要サイズと共に示す。
Figure 0005710466
これから分るように割合と扱いやすいセダ油の場合、焦点距離200mm、レンズの直径42mmとした時、正味のレンズの厚みは2.14mm程度であり、力を与えて変位させる量は1.07mm程度となる。屈折率が大きな液を使えば、更にその変位させる量は小さくすることができる。
<複焦点レンズのバリエーション>
以上、透明基体はレンズ効果なしでその曲率は透明弾性体の曲率と同じにしたものを使い、状態1は凸レンズ状態、状態2はレンズ機能が無くなる(焦点距離が無限大)状態の二つの状態が切り替わる複焦点レンズの実施例を示したが、透明基体にレンズ効果を持たせたり、透明基体と透明弾性体の曲率を異ならせたりすることにより、様々な焦点距離の組み合わせが可能となる。そのバリエーションの一部を図5に示す。
図5(a)に示す複焦点レンズ310は図4(c)に示した複焦点レンズ300の透明基体以外の形状を同じとし、透明基体311を凹レンズとした例である(ただ、透明弾性体302のC部(図4(a)参照)はスペーサリング314を介して透明基体311と固着している)。こうすると状態1で正の焦点距離を持ち(即ち、凸レンズとなる)、状態2では負の焦点距離を持つ(即ち、凹レンズとなる)複焦点レンズが得られる。
図5(b)での複焦点レンズ320は同様に図4(c)の複焦点レンズ300の透明基体を凸レンズ321とした例である。こうすると状態1で正の焦点距離を持ち(即ち、凸レンズとなる)、状態2でも正の焦点距離を持つ(即ち、焦点距離の異なる凸レンズとなる)複焦点レンズが得られる。
図5(c),(d)では図4(c)の複焦点レンズ300と同様に透明基体331の厚みは一定とするが透明基体の球状の半径R1と透明弾性体の同R2を不一致とした例である。
図5(c)での複焦点レンズ330はR1>R2とした例であり、状態1で正の焦点距離を持ち(即ち、凸レンズとなる)、状態2では負の焦点距離を持つ(即ち、凹レンズとなる)複焦点レンズが得られる。
図5(d)での複焦点レンズ340はR1<R2とした例であり、状態1で正の焦点距離を持ち(即ち、凸レンズとなる)、状態2でも正の焦点距離を持つ(即ち、焦点距離の異なる凸レンズとなる)複焦点レンズが得られる。
この透明基体のレンズ化と透明基体の半径R1と透明弾性体R2を不一致にさせる手段の組み合せはここに示した4例以外でも取りうる。即ち、図5(a)、(b)で透明基体の半径R1と透明弾性体R2を不一致にさせることにより、状態1と状態2の焦点距離を異ならせることができる。また、図5(c)、(d)で透明基体を凸レンズや凹レンズとすることにより、状態1と状態2の焦点距離を異ならせることができるなどである。
<焦点距離を変化させる構造>
図3、図4(c)及び図5で示した複焦点レンズの二つの状態(状態1、状態2)を変化させるための力を与えるFとF’は単体のレンズとして用いる場合は手で与えることもできるが、眼鏡のように何かの装置の一部分に取り付ける場合はいちいち手で力を加えるのは大変である。そこで、電気的な制御で力を与える方法を説明する。
図6(a),(b)は図4(c)と同じ構造のレンズに透明基体と透明弾性体に電極を付加して、その電極に電荷を与え、クーロン力で力F乃至F’を与えるようにしたものである。図6(a)の図は断面図で、図4(c)と同じ方向から見た図で、透明弾性体402は図4(c)の二点鎖線で示した状態2の状態のみを示している。透明基体401と透明弾性体402は405の面と404の面をスペーサ406を介して固着してある。
更には、透明弾性体402の透明基体401に面した側に透明電極407として全面にITO薄膜を形成してあり、透明基体401の透明弾性体402に面した側に透明電極408及び409がITOでパターン形成してある。透明電極408は周縁部に透明電極409は中央部に円形に形成し、それぞれは絶縁されている。またそれぞれには端子T1とT2が形成されている。このような構成で、まず、透明電極407にはマイナス、透明電極408にプラス、透明電極409にマイナスの電位を与えると中央部はマイナスとマイナスの電荷同士なので斥力(−F)が働き、周縁部はマイナスとプラスの電荷なので引力が働くので、F’の力を与えるのと同じ効果の力を与えることができる。逆に、透明電極407にはマイナスの電位のままとし、透明電極408にマイナス、透明電極409にプラスの電位を与えると中央部はマイナスとプラスの電荷なので引力(F)が働き、周縁部はマイナスとマイナスの電荷同士なので斥力が働くので、−F’の力を与えるのと同じ効果の力を与えることができる。
もう一つの電気制御による駆動方法の実施例として、誘電磁界を与えて吸引力或いは斥力を発生させる方法を説明する。図6(c)は透明基体401の透明弾性体402に面する側に透明導体でコイル415を形成した状態を示している。416はコイル415の最内部の端から外側に引き出す透明導体形成してある引き出し線である。417はその引き出し線416とコイル415の交差部分を電気的に絶縁する透明膜である。このように構成し、そのコイルの両端に電極U1、U2を形成し、電極U1から電極U2に電流を流すと中心部で最大となる磁界が紙面に鉛直方向に発生させられる。同様に、透明弾性体402の透明基体401に面した側にコイル415と同形のコイル425を形成しておく。引き出し線426及び絶縁膜427もそれぞれ、416、417に対応させてある。その一対のコイルに同相の磁界を発生させるよう電流を流せば、中心部が最大となる吸引力Fが発生し、逆相の磁界が発生するように電流を流せば、中心部が最大となる排斥力−Fが発生する(これを図4(c)のような構成でも、透明基体301上のコイル415と透明弾性体302上のコイル425を形成すれば同様の吸引力F、排斥力−Fが発生する)。
更には、この二つの方法を同時に動作させることができるようにすることにより、より一層の力を発生させることができる。
例えば、図4(c)の透明弾性体302上に電極407の形状をコイル425の形状とし、透明基体301上には電極408の形状はそのままとして、電極409にはコイル415形状にする(コイル状にする範囲は電極409で示した範囲内にコイル415のような形状を形成する)。それぞれの電極に電位を与え、その電位がプラスとマイナスならば吸引力となり、プラス同士、マイナス同士の同じなら排斥力が生ずる。このコイル状にした電極407とコイル状にした電極409それぞれにプラスとマイナスの電位を与えると同時に同相の磁界が発生するようにそれぞれのコイルに電流を流せば吸引力が加算されるように発生し、吸引力Fが増強される。それとは逆にプラス同士、マイナス同士の電位を与えると同時に互いに逆相の磁界が発生するようにそれぞれのコイルに流せば排斥力が加算されるように発生し排斥力−Fが増強される。
次に電動で力F、F’を与えるもう一つの実施例を図7に示す。これは図4で示した透明弾性体の周縁部にリング状の電気コイル(駆動コイル)を固着し、一定の磁場の中に置いて電流を与えることにより外力をくわえる方法(ムービングコイル型と称する)である。
図7(a),(b),(c)はその透明弾性体の周縁部C部を透明基体側に固着せず新たに設けたスライダに固着させ、スライダに力F’を与える方法である。
ここで501は透明基体で、図3の201に対応し、503は透明液体で図3の203に対応させてあり、502は透明弾性体で、図3の202に対応し、502−a、502−cもそれぞれ202−a、202−cに対応させて示している。また、506は突起部で図4の206と対応する。533はスライダで透明弾性体502の周辺部分Cで固着してある。532は電気的に駆動する駆動コイルでスライダ533と534で固着してある。531は永久磁石であり、断面がコの字型で全体がリング状にしてある。コの字の各先端がN極、S極になるように励磁してあり、このコの字状の内側にスライダ533と駆動コイル532が入り込むように装着してある。また、コの字の外縁は透明基体501の突起部506と相対するように構成し、その対応面535は固着して一体化してある。更に、その一体化した内縁はスライダ533と摺動するようにしてある。
図7(a)は透明弾性体502が状態1の状態を示しており、駆動コイル532が永久磁石531のコの字部の先端部に少し食み出している。図7(b)は透明弾性体502が状態2の状態を図示しており、駆動コイルが永久磁石531のコの字部の奥に入っている。透明液体503の容積は図7(a)と変化無いことは言うまでも無い。図7(c)には永久磁石531と駆動コイル532、スライダ533の関係のみを斜視図で示した。
この様な構成で、コイル532に正の電流を供給すると透明弾性体502の周縁部C部に力F’を与えることができ、状態1から状態2へ変化させられる。負の電流を供給すると周縁部C部には−F’の力が働くので状態2から状態1へと変化させることができる。
図7(a),(b)に示した構成は使用を重ねるうちに密閉度が落ちて液漏れをする可能性がある。そこで図4(c)に示したように密閉する構成をとり、前述のような電磁コイルで駆動する方法を複焦点レンズ560とした例を図8(a)に示す。図8(a)は、図4に示した透明弾性体のA部とB部とを分け、A部の周縁部zにリブを突起させてそのリブに駆動コイルを装着し、駆動力F’を発生させるものである。詳しく説明すると、透明弾性体502の周縁には断面がL字状のリブ512がA部の延長として形成してあり、B部に対応する部分は断面がS字状のリングをA部と別部材の剛弾性体504で形成してあり、両者を、508部で固着している。その剛弾性体504の周縁部(図4に示すC部)は透明基体501とスペーサ507で挟み込んであるので透明基体501、透明剛性体502、リブ512によって完全に密閉され、透明液体503は外部に漏れ出すことはない。また、リブ512には複焦点レンズ500で示した駆動コイル532と同じ駆動コイルを固着させてある。駆動部の永久磁石の構造は500と同構造である(但し、両極の端面は違えてある)。
この図8(a)では、図7(a)と図7(b)に分けて別々に示してある状態を一つの図で示している。即ち、駆動コイルへ電流を供給して透明弾性体が動作する状態は複焦点レンズ500と全く同じで、状態1が断面をハッチンで示している502−aの状態であり、状態2は二点鎖線で示している502−cの状態である。
図8(b)には同じ目的で、B部に剛弾性体の代わりにゴム状の軟弾性体を用いた場合を示す。透明弾性体502の周縁はリブ522のように形成してあり、断面がL字状の押えリング523とで軟弾性体514を挟み込み508部および509部で固着している。また、軟弾性体514の周辺部(図4に示すC部)は透明基体501とスペーサ507で挟み込んであるので透明基体501、透明剛性体502、剛弾性体504によって完全に密閉され、透明液体503は外部に漏れ出すことはない。L字状リング523には駆動コイル532が固着してある。また、この図8(b)でも図7(a)と図7(b)に分けて別々に示してある状態を一つの図で示している。
この様な構成で、コイル532に正の電流を供給すると透明弾性体502のA部の周縁部に力F’を与えることができ、状態1から状態2へ変化させられる。負の電流を供給すると透明弾性体502のA部の周縁部には−F’の力が働くので状態2から状態1へと変化させることができる。
なお、この図7,図8では透明弾性体の縁に電磁コイルを固着させ永久磁石の磁場の中でその電磁コイルへ電流をオン、オフさせたが、逆に透明弾性体の縁には永久磁石、あるいは、軟鋼(α鉄)のリングを固着させ、コの字形永久磁石の代わりに電磁石を備え、その電磁石への電流をオン、オフさせることで透明弾性体の周縁部に力F’を与えることができる。
<コイル駆動実施例>
次に電気制御により状態1と状態2を切り替える方法をムービングコイル型により具体的に説明する。
図9は駆動コイル532を駆動する装置の一例を示す。図9(a)において、SW1は自動と、手動とを切り替えるスイッチであり、スイッチSW2からの信号(手動)か、発信器OSCからの信号(自動)かどちらかを選ぶ。電位変化検出器CDは入力Iの電位の変化を一定時間(td)遅らせる遅延器DLYと2個のインバータINV1、INV2と2個のアンドゲートAND1、AND2とで構成してある。これは入力Iがロー(L)からハイ(H)に変化した時に出力IIIから時間幅tdのパルスが出力され、ハイ(H)からロー(L)に変化した時に出力IVから時間幅tdのパルスが出力される。AMPは駆動コイルCOIL(532)を駆動する増幅器であり、この出力段は補完型FETで構成してあるので、AM1とAM2の両者が共にロー(L)あるいはハイ(H)の時はCOILに全く電流は流れず、AM1がハイ(H)、AM2がロー(L)の時、正の電流が、AM1がロー(L)、AM2がハイ(H)の時、負の電流がCOILに流れる。SW2は手動で入力Iに変位信号を与えるスイッチで、オンからオフにしたとき、ロー(L)からハイ(H)に変位し、オフからオンにしたときにハイ(H)からロー(L)に変位させる。発信器OSCは周波数Fの矩形波を発信する発信器で自動的に繰り返し変位信号を入力Iに与える。
図9(b)のタイムチャート,ローマ数字は、図9(a)中に示したローマ数字に対応した端子部の波形を示す。ただし、Vは駆動コイルCOIL(532)に流れる電流の波形であり、VIは透明剛弾性体502の位置(従って複合レンズの焦点距離の変化)を示していて、s1の位置が状態1でs2の位置が状態2である。
ここで、最初は自動モードを説明する。切り替えスイッチSW1が図9(a)に示すようにb側にあると、矩形波発信器OSCからの信号がCDの入力Iに供給されるが、以降の動作を図7(b)のタイムチャートを用いながら説明する。OSCの発信波形はIのように一定周期T=1/Fでハイ(H)とロー(L)を交番する矩形波である。DLYはそのIの波形をIIのように遅延時間td遅らせる。アンドゲートAND1はIIの波形をインバータINV1で変転させた波形とIの波形とのアンドをとるので、その出力はIIIのように、Iの立ち上がりからIIの立ち上がるまでの遅延時間tdの間がハイ(H)になる。アンドゲートAND2ではIの波形をINV2で反転させた波形とIIの波形とのアンドをとるので、その出力はIVのようにIの立下りからIIの立下りの遅延時間tdの間がハイ(H)になる。それぞれの出力は増幅器AM1、AM2に渡されてVに示す波形でCOIL(駆動コイル532)に電流を供給する。即ち、IIIがハイ(H)の時にはAM2がロー(L)のままでAMP1がハイ(H)となるのでCOILには正の電流(矢印の方向)が供給され、IVがハイ(H)の時には既にAMP1がロー(L)となっており、AMP2がハイ(H)となるのでCOILには負に電流(矢印と逆の方向)が供給される。
この時、図7(図8)の複焦点レンズ500(560、570)では駆動コイル532(COIL)に矢印の方向に電流が供給されると、磁石531の断面がコの字形の奥に引き込まれるので、透明弾性体は(a)の状態から(b)の状態を経由して(c)の状態に変化し、状態1(凸レンズ状態:焦点距離f1)から、状態2(レンズ効果なし状態:焦点距離f2)に変化する。この時、遅延時間tdは透明弾性体が(a)から(b)を通過するまでの時間を越えるようにしてあればよい。
この状態から、駆動コイル532(COIL)に矢印と逆の方向に電流が供給されると磁石531の断面がコの字形の奥から押し出されるので、透明弾性体は(c)の状態から(b)の状態を経由して(a)の状態へ変化し、状態2(レンズ効果なし状態:焦点距離f2)から状態1(凸レンズ状態:焦点距離f1)へと変化する。このとき遅延時間tdは透明弾性体が(c)から(b)を通過するまでの時間を越えるようにしてあればよい。
このように複焦点レンズ500(560、570)は凸レンズとレンズ効果なしの状態を周期T=1/Fで繰り返すことができるので、遠視あるいは老眼の利用者がこのレンズを装着した眼鏡を用いれば、その利用者の網膜には遠くの景色は凸レンズ状態の時間帯でボケているものの、レンズ効果なし状態の時間帯で明瞭に結像しており、手元の事物の像はレンズ効果なし状態での時間帯でボケているものの、凸レンズ状態の時間帯で明瞭に結像している。即ち、利用者は途中何の操作をしなくても、遠くの景色を観た直後に手元の何かを観ても対象物をはっきりと観ることができるし、その逆に手元のものを観察したままの状態から遠くを観てもはっきりした景色を観ることができる。
次に、切り替えスイッチSW1をa側に切り替えて手動にしたときは、スイッチSW2をオンからオフにしると、その瞬間だけCDの出力IIIから時間幅tdのパルスが発せられ、スイッチSW2をオフからオンになると、その瞬間だけCDの出力IVから時間幅tdのパルスが発せられる。その後の動作は前述の自動のときと同じなので、詳細説明は省略する。
このように複焦点レンズ500(560、570)は、手動で凸レンズ状態にしたり、レンズ効果なし状態にしたりすることができるので、観察対象に応じて適切な焦点距離のレンズを得ることができる。
<複焦点眼鏡の実施例>
これまで説明してきた複焦点レンズを2つ用いると、遠近両用の眼鏡やルーペを構成することができる。
図10は複焦点レンズを用いたヘッドマウント型のルーペへの実施例である。
図10(a)は図8に示す複焦点レンズ560(図7に示す500あるいは図8に示す570でもよい)を二つ用いてヘッドマウント型のルーペ1000として構成した外観図である。二つの複焦点レンズ560はブリッジ110で連結してあり、スリーブ120とも固着してある。二つのスリーブ120は支持軸(図示せず)で連結してあり、支持体140がその支持軸を受けて支持しており、ルーペ装着者が複焦点レンズ560を矢印Jのように動かすと、矢印Rのように回転するように構成してある。支持体140の内部には電磁コイルを駆動する電気回路も電源である電池と共に収納してあり、そのコイル駆動アンプの出力は複焦点レンズ560の駆動コイル532とは(柔軟な樹脂などで構成した)電線保護パイプ130内を通したリード線で結んである。また、自動と半自動の切り替えスイッチが取り付けてあり、そのノブ145が矢印Kのようにスライドするようにしてある。
また、姿勢検知スイッチ160(この図では図示せず)が収納箱175内に取り付けてある。ボディ170は支持体140と一体化してあり、バンド180を矢印Bの方向に出し入れできるようにして長さを調整できるように固定してある。そのバンド180はバネ性を持たせて有り、頭部に装着したときに頭部を圧迫する僅かな圧力で電源が入るようにした電源スイッチ185が取り付けてある。
こうしたヘッドマウントルーペの利用者はボディ170を額に当て、バンド180を鉢巻状に自分の頭に巻きつけると、二つの複焦点レンズ560が左右の眼の前に来る(このとき利用者は別の眼鏡を装着していてもその眼鏡と複焦点レンズ560はレンズ面を重ねた形で利用可能である)。また、この装着で電源スイッチ185がオンになる。
ここで姿勢検知スイッチ160の構造を図10(b)で説明する。
金属製の湾曲したパイプ161内に金属球164がパイプ内を自由に転がるように入れてある。パイプの両端にはやはり金属製の端子162と163が絶縁カバー165と166で支えられている。図のように左側が上がり金属球164が右端にあるとき、この状態を水平状態とよび、金属製の端子162に金属球164が接触するので金属パイプ161と端子162とを短絡させている。次に全体を角度θあるいはそれ以上傾けると、相対的に左端が下がり、金属球164はパイプ161内を転がって左端に移り、端子163と接触するので、金属パイプ161と端子163とを短絡させる。
言い換えると水平状態になったとき端子162とパイプ161がオンする電気的スイッチとなり、スイッチ装置全体が角度θ以上傾くと端子163とパイプ161がオンする電気的スイッチとなる。
この角度θはルーペの装着者が手元の作業をするために俯き加減になっている時の頭部の傾き角と、遠くを見ようとして正面を向いた時の頭部の傾き角との差の角度より小さくしてあり、作業中は端子162とパイプ161が、遠くを見ようとした時には端子163とパイプ161が短絡するようにスイッチ160を収納箱175の中に取り付けてある。
図10(c)はこのヘッドマウントルーペの駆動コイル531を駆動する電気回路の一例を示す。図9の説明と重複するところの詳細説明は省略する。図10(c)中、姿勢検出器SAは装着者の頭の姿勢を検出して半自動で一定時間(td)ハイ(H)となるパルスを発生させる。SW4は姿勢検知スイッチ160でパイプ161がn端子に、端子162がa端子に、更に端子163が端子bに対応するように構成してある。FFはナンドゲートを二つ組み合わせたフリップフロップである。MM1、MM2はモノマルチバイブレータで入力がハイ(H)からロー(L)に変位すると一定時間(td)ハイ(H)となるパルスを出力する。SA全体の動作としてはSW4がa端子からb端子に切り替わると出力III’から、b端子からa端子に切り替わると出力IV’から、パルスが出力される。スイッチSW3はOSCが発生させるパルス列をCDに通すかどうかのスイッチで、スイッチSW3がオフとなり開かれるとゲートGATEが閉じて、OSCのパルス列をCDには入力させない。SW3がオンとなり、閉じられるとゲートGATEが開き、OSCから発せられる矩形波のパルス列がCDの入力Iに入力され図9(a)と同じようにハイ(H)からロー(L)に変化した時に出力IIIからパルス(パルス幅td)が出力され、ロー(L)からハイ(H)に変位した時に出力IVから時間幅tdのパルスが出力される。オアゲートOR1はIII’とIIIの出力のどちらの信号も、OR2はIV’とIVの出力のどちらの信号もそのまま通してAMP1、AMP2に渡す。
その後は、図9(a)と同様にCOIL1(駆動コイル532−1)、COIL2(駆動コイル532−2)を駆動する。尚、駆動コイル532−1、532−2は複焦点レンズ560単体の532を眼鏡の左右二つに対応させて表現している。これらの動作は図9(b)のタイムチャートに示した内容と全く一致する。(尚、この図では電源、及び、電源スイッチ185は省略してある。)
ここで、発信器OSCの周波数は数Hz以上であれば対象物を連続的に観察できるが、20Hz程までは二つの状態が変化しているのを利用者に察知されてしまう。それ以上ならば、利用者は二つの状態の変化を意識することなく利用できる。映画はフレームレートが24Hzであるのでそれ以上なら効果的であるが、テレビのフレームレートは30Hzなのでそれらとは一致させないほうがよい。ここではその中間の約27Hz(T≒37m秒)にして説明する。
<ヘッドマウント型ルーペ装着時の動作説明>
こうした構成のヘッドマウントルーペ1000を利用者(老眼になっていて、景色をみたり、テレビをみたりする時は眼鏡を必要としないが、本や新聞を読んだり、手元で何か作業をしたりする時には眼鏡やルーペを用いなければならないような者)が頭に装着して実際に使用する場面を通じてルーペの動作を半自動モードと全自動モードについて説明をする。
居間などでテレビを見ながら新聞を読むような場合は半自動モードがよい。
利用者がルーペを頭に装着すると電源スイッチ185が入り電気回路150が動作可能な状態になる。利用者は複焦点レンズ560が眼前に来るようにJの向きを調整したら、スイッチノブ145を操作して、SW3をオフにする(半自動モードにする)。そうするとOSCから発信されるパルス列はゲートGATEで阻止されてCDの出力III、出力IVからはパルスは一切出力されない。
新聞を読む時は少し俯き加減になるのでスイッチ160は端子162とパイプ161は金属球164を介して短絡する。即ちSW4はa端子側になるのでSAの出力IV’から時間幅tdのパルスが発せられてAM1−1とAM1−2はロー(L)のままAM2−1とAM2−2の出力がハイ(H)となり、COIL1(駆動コイル532−1)とCOIL2(駆動コイル532−2)には矢印とは反対向きの電流が供給され、レンズ本体560の透明弾性体502は状態1の状態となり、凸レンズとなるので新聞紙面の文字をはっきり見ることができる。その途中で、あるいは読み終えてテレビの画面を見ようとすると、利用者は頭を上げて画面を見るためスイッチ160が端子163とパイプ161は金属球164を介して短絡する。即ちSW4はa端子側からb端子側に切り替わるのでSAの出力III’から時間幅tdのパルスが発せられてAM2−1、AM2−2はロー(L)のままAM1−1とAM1−2の出力がハイ(H)となり、COIL1(駆動コイル532−1)とCOIL2(駆動コイル532−2)には矢印の向きに電流が供給され、レンズ本体560の透明弾性体502は状態1から状態2に変わり、レンズ効果はなくなるのでテレビ画面をはっきり見ることができる。
手元(眼から20〜30cm離れたところ)で細かな作業をしていながら、少し離れた場所(50〜60cmほど離れたところ)の物を取ったり、操作したりする場合は頻繁に近いところと遠いところの対象物を交互に見る必要が生じ、また、近いところと遠いところを見る時の頭部の傾く角度が小さいので自動モードが良い。
利用者がルーペを頭に装着すると電源スイッチ185が入り電気回路150が動作可能な状態になる。利用者は複焦点レンズ560が眼前に来るようにJの向きを調整したら、スイッチノブ145を操作して、SW3をオンにする(自動モードにする)。そうするとゲートGATEが開かれ、OSCから発信されるパルス列はIからCDに入力され、出力IIIとIVから図9(b)のタイムチャートに示すように時間幅tdのパルス列が出力される。同時にタイムチャートに示すようにCOIL1(駆動コイル532−1)、COIL2(駆動コイル532−2)が動作するので、透明弾性体は状態1(s1)と状態2(s2)を交互に取る繰り返し動作をする。このとき、利用者は手元を見ている時は状態2(s2)のレンズ効果なしのタイミングでは対象物のボケた像になっているが、状態1(s1)の凸レンズ状態のタイミングで対象物の像をはっきり見ることができる(人の眼はボケた像は無視してハッキリしている像のみを意識している)。
即ち、約半分の時間は対象物の像を明確に捕らえ事ができるので作業をするのに支障がなくなる。その途中で少し離れた所の物を取ろうとして、そこに眼を向けると、状態1(s1)の凸レンズ状態のタイミングでは対象物の像がボケた像になってしまうが、状態2(s2)のレンズ効果なしのタイミングでは対象物をはっきり見ることができる。やはり、約半分の時間は対象物の像を明確に捕らえる事ができるので、物を取ろうとして支障がなく物を取ることができる。このように利用者はルーペのレンズ部を上げたり下げたり手を煩わせることなく手元と少し離れた場所の両者をはっきりした像で見ることができ、作業の効率も上がる。
このように半自動で用いる時は焦点距離を切り替える機会が少ないので駆動コイルへ流す電流も少なくなり電池の消耗を抑えられ、自動で用いる時は注視対象物の配置範囲が狭く、頭の変位が少ない場合でもいずれの対象物をもはっきり見ることができる。
これまで、汎用のルーペに複焦点レンズを組み込んだ実施例を示したが、個人個人の眼の特性に合致した眼鏡を作って着用することにより日常の生活レベルでも快適に過ごすことができる。即ち、図5に示したような複焦点レンズのバリエーションから、それぞれの眼の特性に適したレンズを選択して眼鏡を作ればよい。このようにすれば、必ずしも老眼だけの対応でなく、近視や遠視の矯正用にも用いることが可能である。
勿論、この様な複焦点レンズを用いてルーペや眼鏡を作ることにより、若い時期に近視であった人が老いて老眼となった使用者や、若い時期に遠視であった人が老眼になった使用者が手元を見る場合と比較的遠くを見る場合でも一つのルーペあるいは眼鏡で対応可能となる。また、乱視の人のためには透明基体に乱視対応の光学的処置(既に公知となっている技術で、乱視の特性の逆関数となるようにする)をすることによりその人が老眼になった場合でも、使用者が手元を見る場合と比較的遠くを見る場合でも一つのルーペあるいは眼鏡で対応可能となる。
100…剛弾性体の皿状円板、200,300,500,560…複焦点レンズ、201,301,311,311,401,501…透明基体、302,502…透明弾性体、203,303,503…透明液体、310,320,330,340…複焦点レンズ、407,408,409…透明電極、504…剛弾性体、507…スペーサ、512,522…リブ、531…永久磁石、532…電磁コイル、1000…ヘッドマウントルーペ。

Claims (3)

  1. 透明で剛性を有する透明基体と、
    透明で弾性を有する透明弾性体と、
    前記透明基体と前記透明弾性体との間に封入した透明流動体と、
    前記透明弾性体の状態変化を誘引させる制御機構とを備えている複焦点レンズにおいて、
    前記透明弾性体は剛性を併せ持つ透明剛弾性体であって外部からの力を与えない状態で凹状態または凸状態の2つの安定形状を持つ形状部分を有し、
    前記制御機構は前記形状部分を前記凸状態または前記凹状態のいずれかに反転変化させる駆動機構であることを特徴とする複焦点レンズ。
  2. 透明で剛性を有する透明基体と、
    透明で弾性を有する透明弾性体と、
    前記透明基体と前記透明弾性体との間に封入した透明流動体と、
    前記透明弾性体の状態変化を誘引させる制御機構とを備えている複焦点レンズにおいて、
    前記透明弾性体は剛性を併せ持つ透明剛弾性体であって外部からの力を与えない状態で凹状態または凸状態の2つの安定形状を持つ形状部分を有し、
    前記制御機構は前記形状部分を周期的に前記凸状態または前記凹状態に交互に反転変化させる制御機構であることを特徴とする複焦点レンズ。
  3. 請求項1あるいは請求項2のいずれか一項に記載の複焦点レンズを備えることを特徴とする複焦点眼鏡。
JP2011500585A 2009-02-20 2010-02-12 複焦点レンズおよび複焦点眼鏡 Expired - Fee Related JP5710466B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011500585A JP5710466B2 (ja) 2009-02-20 2010-02-12 複焦点レンズおよび複焦点眼鏡

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009037679 2009-02-20
JP2009037679 2009-02-20
PCT/JP2010/052083 WO2010095571A1 (ja) 2009-02-20 2010-02-12 複焦点レンズおよび複焦点眼鏡
JP2011500585A JP5710466B2 (ja) 2009-02-20 2010-02-12 複焦点レンズおよび複焦点眼鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010095571A1 JPWO2010095571A1 (ja) 2012-08-23
JP5710466B2 true JP5710466B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=42633854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011500585A Expired - Fee Related JP5710466B2 (ja) 2009-02-20 2010-02-12 複焦点レンズおよび複焦点眼鏡

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8882266B2 (ja)
JP (1) JP5710466B2 (ja)
WO (1) WO2010095571A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7697214B2 (en) 2005-05-14 2010-04-13 Holochip Corporation Fluidic lens with manually-adjustable focus
US9164202B2 (en) * 2010-02-16 2015-10-20 Holochip Corporation Adaptive optical devices with controllable focal power and aspheric shape
GB201205394D0 (en) 2012-03-27 2012-05-09 Adlens Ltd Improvements in or relating to deformable non-round membrane assemblies
CN103142348B (zh) * 2013-01-16 2015-04-15 宗致远 一种避免眼疲劳的仿生眼镜及其使用方法
US9977260B2 (en) 2013-03-15 2018-05-22 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Sealing and encapsulation in energized ophthalmic devices with annular inserts
KR101748808B1 (ko) 2014-04-25 2017-06-19 한국과학기술원 전자기장을 이용한 가변 초점 렌즈 어레이와 그 제조 방법
JP6943523B2 (ja) * 2017-05-18 2021-10-06 興和株式会社 眼用装置
FR3072786A1 (fr) * 2017-10-23 2019-04-26 Pascal Jean Lamothe Loupe constituee de 2 coques en demi sphere et hermetisee par un joint, qui une fois installe sera remplie d'eau....
CN112859382A (zh) * 2021-01-19 2021-05-28 温州医科大学 一种中央区屈光度可调节的双焦镜片及眼镜

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04323613A (ja) * 1991-04-23 1992-11-12 Saitou Denshi Shokai:Kk 眼鏡装置
JPH09230252A (ja) * 1996-02-22 1997-09-05 Denso Corp カメラ装置
JPH112701A (ja) * 1997-06-12 1999-01-06 Kuniyasu Sowa 視度調節式眼鏡
JP2002243918A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Olympus Optical Co Ltd 可変焦点レンズ、光学特性可変光学素子及び光学装置
JP2003014909A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Mitsumi Electric Co Ltd 可変焦点レンズ
JP2006072267A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Olympus Corp 光学特性可変光学素子
JP2006106488A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Konica Minolta Opto Inc 可変焦点レンズ及びそれを備えた可変焦点眼鏡
JP2009168971A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Oiree Kikaku:Kk 可変焦点レンズおよび可変焦点眼鏡

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5440357A (en) * 1991-09-03 1995-08-08 Lawrence D. Quaglia Vari-lens phoropter and automatic fast focusing infinitely variable focal power lens units precisely matched to varying distances by radar and electronics
US5182585A (en) * 1991-09-26 1993-01-26 The Arizona Carbon Foil Company, Inc. Eyeglasses with controllable refracting power
EP0918248A3 (en) * 1993-04-07 1999-06-30 Ttp Group Plc Switchable lens
US6280471B1 (en) * 1999-09-16 2001-08-28 Gholam A. Peyman Glare-free intraocular lens and method for using the same
JP2001249202A (ja) 2000-03-02 2001-09-14 Japan Science & Technology Corp 可変焦点レンズ体およびその制御機構
AU2005267561A1 (en) * 2004-03-31 2006-02-02 The Regents Of The University Of California Fluidic adaptive lens
US7453646B2 (en) * 2004-03-31 2008-11-18 The Regents Of The University Of California Fluidic adaptive lens systems and methods
US8018658B2 (en) * 2004-03-31 2011-09-13 The Regents Of The Univeristy Of California Fluidic adaptive lens systems and methods
WO2006088514A2 (en) * 2004-11-05 2006-08-24 The Regents Of The University Of California Fluidic adaptive lens systems with pumping systems

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04323613A (ja) * 1991-04-23 1992-11-12 Saitou Denshi Shokai:Kk 眼鏡装置
JPH09230252A (ja) * 1996-02-22 1997-09-05 Denso Corp カメラ装置
JPH112701A (ja) * 1997-06-12 1999-01-06 Kuniyasu Sowa 視度調節式眼鏡
JP2002243918A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Olympus Optical Co Ltd 可変焦点レンズ、光学特性可変光学素子及び光学装置
JP2003014909A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Mitsumi Electric Co Ltd 可変焦点レンズ
JP2006072267A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Olympus Corp 光学特性可変光学素子
JP2006106488A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Konica Minolta Opto Inc 可変焦点レンズ及びそれを備えた可変焦点眼鏡
JP2009168971A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Oiree Kikaku:Kk 可変焦点レンズおよび可変焦点眼鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2010095571A1 (ja) 2012-08-23
US8882266B2 (en) 2014-11-11
US20110299030A1 (en) 2011-12-08
WO2010095571A1 (ja) 2010-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5710466B2 (ja) 複焦点レンズおよび複焦点眼鏡
JP7440957B2 (ja) 動的集束ヘッドマウントディスプレイ
JP6330878B2 (ja) 流体充填調整可能コンタクトレンズ
JP7241678B2 (ja) 浸漬されたレンズ整形器を用いた調整可能非円形流体レンズ
CA2185897C (en) Spectacles using variable focal length lenses which have an arbitrarily shaped periphery
EP3017337B1 (en) Active multifocal lens
JP2009168971A (ja) 可変焦点レンズおよび可変焦点眼鏡
US11531204B2 (en) Relating to variable focusing power optical devices and an augmented reality headset or helmet incorporating such a device
CN109254399B (zh) 一种显示装置及显示方法
US20150160475A1 (en) Liquid Crystal Based Contact Lens
CN109669277A (zh) 有源矩阵式调焦镜片及具有该镜片的调焦眼镜
WO2018175889A1 (en) Vision correction device for a display
RU2610783C2 (ru) Линзы заполненные жидкостью и механизмы их заполнения
US20130229617A1 (en) Variable focus spectacles with bipolar lens units and front masking lenses
US20080186586A1 (en) Image Display Device
JP2009251067A (ja) 電子眼鏡
AU2015264899B2 (en) Fluid filled adjustable contact lenses
US20240302657A1 (en) User Interfaces for Adjusting a Tunable Lens
US20200110284A1 (en) Contact Lens Comprising An Electrowetting Variable Aperture
CN115079484A (zh) 镜片模组和眼镜
CN113081715A (zh) 视力矫正仪
TW200408850A (en) Electro-active contact lens system
JP2002517013A (ja) 視野適合可能な可変焦点距離レンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5710466

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees