以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABSアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース25(図6参照)と、この樹脂ベース25の後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けられている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状
電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4および図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図、図5は遊技盤30の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、一般入賞口を備える一般入賞装置31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動入賞装置33、第2の始動口を備える第2の始動入賞装置34(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置371A、普通図柄表示装置371B、装飾図柄表示装置42を備える可変表示装置ユニット35等が設けられている。これらの一般入賞装置31、可変入賞装置32、第1の始動入賞装置33、第2の始動入賞装置34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口(収容部の入口)61が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置31、可変入賞装置32および第1の始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置は、第1の始動入賞装置33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置は第2の始動入賞装置34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置は、後にも言及する表示装置371Aにおける第1表示部の9個のLEDセグメントで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチ或いは12インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置は、後述する表示装置371B内に配置された普通図柄用の2個のランプ(以下、第1ランプおよび第2ランプとも称す)を備えている。この実施例では、普通図柄用の第1ランプは、その外観形状は「○」形状となっている一方、第2ランプは、第1ランプの右側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置は、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過する毎に例えば第1および第2ランプによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、第1および第2ランプが交互に光り、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、第1および第2ランプは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図柄表示装置が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動入賞装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるようにして遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図6はパチンコ機10の背面の構成を示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板および該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを外包部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される払出制御装置311と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容する基板ボックス(電源・発射制御基板ケース203A)から構成される電源・発射制御装置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも上記第3制御基板ユニット203に一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201は、後述するように、取り外す場合には工具で封止状態を解除する必要があるが取付はネジ等の締結具も工具も何ら要することなく行い得るよう構成されており、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。更に、これに加え、各ユニット201〜203は、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な
開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて外包部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられている。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が
逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ359とが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ359が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、
電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置は上記したように9個のLEDセグメントで構成されており、普通図柄表示装置は上記したように普通図柄用の第1および第2ランプで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が
大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介し
て動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、9個のLEDセグメントの点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動入賞装置33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、大当たりを示す点灯パターンあるいは外れを示す点灯パターンが表示され、外れの場合は、始動入賞装置33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動入賞装置33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の
表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、第1ランプ(外観が○形状)と、第2ランプ(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動入賞装置34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大
値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種
である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動入賞装置34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置261において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行するのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(33a及び33b:図4および図5参照)が設けられ、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
(特徴構成)
上記パチンコ機10においては、前述の通り、遊技を制御する主制御基板が内部に収容され、第1制御基板ユニット201としてユニット化された第1制御基板ボックス201Aが、係合機構を介して遊技盤30の裏面側に取り付けられている。以下、この第1制御基板ボックス201Aおよびその取付構造を記述する。
第1制御基板ボックス201Aは、図11ないし図15に示すように、外形が概略直方体状であって、より具体的には概略横長の長方形の正面形状を有し前後方向にやや厚みを有する概略平板状に閉塞されたケースであり、制御基板の表面側を覆うボックスカバー71と、制御基板の裏面側を覆うボックスベース72とから構成され、したがって、後述する破断ネジ挿通部84F、矩形状突起部851等の突起部を除き、ボックスカバー71のほぼ全体が表面側被覆領域を形成し、ボックスベース72のほぼ全体が裏面側被覆領域を形成している。上記ボックスカバー71およびボックスベース72は第1ケースおよび第2ケースに相当するものであるが、ボックスカバー71およびボックスベース72のうちいずれを第1ケースとしいずれを第2ケースとするかは任意である。該第1制御基板ボックス202Aは、第1ケース即ちボックスカバー71と第2ケース即ちボックスベース72とをつき合わせた状態で内部に制御基板が収容される構成となっている。
上記ボックスカバー71およびボックスベース72は、図16にも示すように、それぞれ透明樹脂を概略横長の長方形状に成形してなり、ボックスカバー71は、やや厚みを有して内部に収容スペースが形成され一方面側が開放されたカバーとなっており、ボックスベース72は該ボックスカバー71の開放側を覆う平板状の部材となっている。
図16および図17に示すように、上記ボックスカバー71の上端縁および下端縁には
、ボックスベース72へ向けて垂直に延出する鉤状片73が、上下各8個ずつ長さ方向に間隔をおいて配列されている。該鉤状片73は、ボックスカバー71の天板および底板からそれぞれボックスベース72へ向けて垂直に延出し、先端側で直角に図16および図17における左方に延びて、平面視鉤形状(L字形状)をなすようにボックスカバー71に一体成形されている。ボックスベース72の上端縁および下端縁には、上記ボックスカバー71の鉤状片73に対応する位置にそれぞれ係合スロット74が設けられている。該係合スロット74は、ボックスベース72の天板部および底板部のそれぞれにおけるボックスカバー71側端縁から、鉤状片73の全幅W1より僅かに広い幅W2をもって内側に陥入し、その内奥側で直角に左方に延びて、平面視鉤形状(L字形状)をなす空洞部となっている。なお、ボックスベース72の天板部および底板部において、ボックスカバー71の上下各8個の鉤状片73のうちの図16および図17における右端に形成された上下1組の鉤状片73に対応する位置には、上記係合スロット74の左方に延びる先端部に相当する部分のみが形成され、この部分の右端はボックスベース72の右端に位置していて、これよりも右方は外部空間となっている(図示せず)。また、図16では、係合スロット74が露出して図示されるように天板72Tが分解して示されているが、該天板72Tは実際にはボックスベース72の天板部に溶着して一体化(または一体成形)されており、したがって係合スロット74の外側面部(上壁部)は該天板72Tにより閉塞されている。
上記ボックスカバー71は、図中の矢印A1に示すように鉤状片73をボックスベース72の係合スロット74にそれぞれ奥まで挿入するようにして、図18ないし図20に示すようにボックスベース72に重合され、ついで図中の矢印A2に示すようにボックスカバー71をボックスベース72に対し図18ないし図20における左方へ(またはボックスベース72をボックスカバー71に対し図18ないし図20における右方へ)即ちボックスカバー71およびボックスベース72の左右両端が揃うよう互いに寄せ合うようにスライドさせて図21および図22に示すように鉤状片73を係合スロット74に係合させ、これにより図21ないし図23に示すように第1制御基板ボックス201Aが閉塞される。
第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部(図16、図25および図26における左側端縁部)は、封印金具75F、75Sにより封印されるようになっている。ボックスベース72の一方側端縁部(図25および図26における左側端縁部)には、図25ないし図26に示すように、該一方側端縁よりも若干内側寄りの位置に、該一方側端縁に平行に上下に延びる2条のリブ(突条)72R、72Lが設けられ、これにより、両リブ72R、72Lの間に、図25および図26における下側であるボックスカバー71側から、図25および図26における上側である他方側へ向かって凹入する溝部が形成されている。
上記リブ72R、72L間の溝部には、1枚の金属板を該溝部の内面形状に沿って断面略コ字形状に折曲され、該溝部にほぼ等しい長さを有する受け金具76が嵌装され、中央部に突設されネジ挿通孔が穿設された突片(図示せず)で後述するようにネジにより固定されるようになっている。該受け金具76の一方側端縁はさらに延出して、前記2条のリブ72R、72Lのうちの内側(図25および図26における右側)のリブ72Rの先端に沿って該リブ72Rの外側面までを覆うように折曲されている。該受け金具76には、長さ方向に距離をおいた4箇所にそれぞれ係合片76Eが形成されている。該係合片76Eは、受け金具76における内側のリブ72Rの内面に当接する片に、図25および図26における下側であるボックスカバー71側から、図25および図26における上側である他方側へ向かって延びてコ字状に折り返す形状に切込みを入れ、該切込みの内側部分を溝部内にむけてやや傾斜するように引き起こして形成されている。
上記受け金具76が嵌装されたリブ72R、72Lは、図16に示すように被覆部材77が取り付けられて覆われるようになっている。該被覆部材77は、リブ72R、72Lにほぼ等しい長さを有する樹脂製の部材であり、図25ないし図26にも示すように、図25および図26における下側であるボックスカバー71側から、受け金具76が嵌装されたリブ72R、72Lをほぼ覆う断面概略コ字形状の溝部を有している。該被覆部材77において前記受け金具76の係合片76Eに対応する4箇所には、封印金具75F、75Sの幅より若干大きい長さを有するスリット状の金具挿通孔77Pがそれぞれ穿設され、各金具挿通孔77Pを上側、下側および外側(図25および図26における左側)の三方から平面視略コ字形状をなして包囲する周壁77Fがそれぞれ形成されている。該周壁77Fは、後述するボックスカバー71の金具挿通部78F、78Sを収容し得るものとなっている。該被覆部材77の中央部には図16に示すようにネジ挿通部77Sが形成され、前記内側のリブ72Rの中央部には内部にネジ穴を有する螺入部(図示せず)が一体的に形成されており、該ネジ挿通部77Sおよび螺入部には、間に前記受け金具76の突片を介在させた状態でネジ(破断ネジでもよい)が螺入され、これにより被覆部材77および受け金具76が、前記リブ72R、72L上に固定されるようになっている。
ボックスカバー71の一方側端縁部(図24における左側端縁部)には、図24に示すように、上記被覆部材77の4箇所の金具挿通孔77Pに対応する4箇所に、それぞれ金具挿通部78F、78Sが設けられている。該4箇所の金具挿通部78F、78Sのうち、上端および下端の2箇所の金具挿通部(以下、両端金具挿通部とも称す)78Fは、ボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)に、正面視概略コ字形状をなす周壁により上側面、下側面および外側面(図24における左側面)の三面が構成された直方体状の外形をなして突出するように一体成形され、その先端面(図24における左側面)よりやや内側に該先端面に平行な仕切壁が形成されて、これにより該先端面と仕切壁との間に、前後方向に貫通し封印金具75Fの幅より若干大きい上下長を有する正面視縦長の貫通部781Fが形成されている。上記両端金具挿通部78Fの間の2箇所の金具挿通部(以下、中央金具挿通部とも称す)78Sは、上記両端金具挿通部78Fとほぼ同様に、正面視概略コ字形状をなす周壁により概略直方体状の外形をなして突出するようにボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)に一体成形され、そのボックスベース72側(図24における後側)端面部は奥側壁が形成されてほぼ閉塞されているが、該奥側壁の先端部(図24における左端部)には、封印金具75Sの幅より若干大きい長さを有するスリット状の金具挿通孔が穿設されている(図示せず)。上記中央金具挿通部78Sの先端面(図24における左側面)を構成する先端面壁には、ボックスベース72側端縁(図24における後側端縁)から中央辺りまで並行して水平に延びる2条の切り込みが形成され、両切り込みの間に弾性片781Sが形成されている。該弾性片781Sの内側面における先端近傍には、図25に示すように、先端側およびその反対側の両側で先細りする台形状の断面形状をなして突出する係合突起782Sが形成されている。このように係合突起782Sが両側をテーパ状に形成されていることにより、後述するように中央封印金具75Sの係合孔751Sへ出入することが容易となっている。また特に、後述するように中央封印金具75Sを仮固定する場合には、該弾性片781Sが容易に外側へ弾性変形して中央封印金具75Sを受容することができる一方、該中央封印金具75Sをさらに奥へ押し込んで封印する場合には、該弾性片781Sが前記被覆部材77の周壁77Fに抵触するため、中央封印金具75Sを強く押し込まないと外側へ弾性変形することができないようになっており、これにより、不用意に封印操作がなされないようになっている。なお、このように中央封印金具75Sを押し込み難くするには、前記弾性片781Sの係合突起782Sにおけるテーパ面の勾配を変えるようにしてもよい。上記中央金具挿通部78Sの内部におけるボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)には、図24に示すように、水平に延びる案内リブ783Sが一体的に形成されている。
上記両端金具挿通部78Fと中央金具挿通部78Sとの間には、架橋片81が一体成形により架設されている。また、2箇所の中央金具挿通部78Sの間の位置においては、側面視コ字形状をなして延出し上下端がステーにより補強された形状を有する蓋部83がボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)に一体成形されており、前述のようにして第1制御基板ボックス201Aが閉塞された状態では、この蓋部83が前記被覆部材77のネジ挿通部77Sを上方、下方および後方(図24における前方)から包囲するように覆い、これにより外部からネジ挿通部77Sのネジを取り外すことができないようになっている。
前述のようにして第1制御基板ボックス201Aが閉塞された後、上記両端金具挿通部78Fから封印金具(以下、両端封印金具とも称す)75Fが挿入され、これにより第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部(図26における左側端縁部)が封印される。該両端封印金具75Fは、長方形の片状の金属板よりなり、一方端部には図26に示す矩形状の係合孔751Fが穿設されている。図26に示すように、第1制御基板ボックス201Aが閉塞された状態で、該係合孔751F形成側から該両端封印金具75Fを両端金具挿通部78Fの貫通部781Fに挿通し、さらに被覆部材77の金具挿通孔77Pも挿通して、ボックスベース72におけるリブ72R、72L間の溝部の内奥まで進入させると、受け金具76の係合片76Eが係合孔751F内に係合して両端封印金具75Fが引き出せない状態となり、これにより、該封印金具75Fがかんぬきのように機能する体勢に保持され、ボックスカバー71とボックスベース72とを互いにずらすようにスライドさせて鉤状片73と係合スロット74との係合状態を解除することが不可となって、第1制御基板ボックス201Aが封印されることとなる。
上記のようにして両端金具挿通部78Fの位置で両端封印金具75Fにより封印がなされるが、この段階では中央金具挿通部78Sの位置では封印がなされず、両端金具挿通部78Fにおける封印状態が解除された後に再び封印がなされる段階で中央金具挿通部78Sの位置で封印がなされる。即ち、両端金具挿通部78Fは初回の封印に使用され、中央金具挿通部78Sは2回目の封印に使用される。なお、図16ないし図26では、初回の封印が解除された後に再び第1制御基板ボックス201Aが閉塞されて封印がなされるまでの状況が示されており、このため同図においては、両端金具挿通部78Fはボックスカバー71から分離され、ボックスベース72側に残留した状態となっている(分離操作については後述)。
2回目の封印を行う際には、中央金具挿通部78Sから封印金具(以下、中央封印金具とも称す)75Sが挿入され、これにより第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部(図16ないし図26における左側端縁部)が再び封印される。
該中央封印金具75Sは、図16および図25に示すように、前記両端封印金具75Fと基本的に同様の構成を有する金具となっており、一方端部に矩形状の係合孔751Sが穿設されているが、他方端部が直角に折曲されて押圧片752Sが形成されている点で異なる。押圧片752Sの先端縁には切欠753Sが形成されている。該中央封印金具75Sは、押圧片752Sを内側(図16および図25における右側)に向けて、係合孔751S形成側から中央金具挿通部78Sに挿入され、ほぼ全体が中央金具挿通部78S内に収容されると、図25(a)に示すように、前記弾性片781Sの係合突起782Sが係合孔751S内に係合し、これにより該中央封印金具75Sがこの位置に仮固定される。この位置では、中央封印金具75Sはボックスカバー71側のみにあってボックスベース72側には到達しておらず、したがって第1制御基板ボックス201Aは封印されておらず自在に開閉可能な状態にある。即ち、中央封印金具75Sは、これを用いる以前の段階から予めボックスカバー71に仮固定して装着しておくことができるようになっている。
図21に示すように、第1制御基板ボックス201Aが閉塞された状態で、図中の矢印A3で示すように中央封印金具75Sの押圧片752Sを中央金具挿通部78S内へ押し込むと、この押圧力により弾性片781Sを外側へ弾性変形させ係合突起782Sを係合孔751Sから押し出して係合状態を解除し、一方、押圧片752Sの切欠753Sが中央金具挿通部78S内の案内リブ783Sに嵌合してこれに沿って案内されながら、中央封印金具75Sが中央金具挿通部78S内をボックスベース72側へ陥入していく。図25(b)に示すように、中央封印金具75Sの先端部が被覆部材77の金具挿通孔77Pに挿通され、ボックスベース72におけるリブ72R、72L間の溝部の内奥まで進入すると、前述の両端封印金具75Fの場合と同様に、受け金具76の係合片76Eが係合孔751S内に係合して封印金具75Sが引き出せない状態となり、これにより、該封印金具75Sがかんぬきのように機能する体勢に保持され、ボックスカバー71とボックスベース72とを互いにずらすようにスライドさせて鉤状片73と係合スロット74との係合状態を解除することが不可となって、第1制御基板ボックス201Aが再び封印されることとなる。
上記第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11、図12および図15における左側端縁部)と反対側の端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)は、後述する破断ネジにより封印されるようになっている。ボックスカバー71における金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11、図12および図15における左側端縁部)と反対側の端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)の上端部および下端部には、図11、図12および図15に示すように、それぞれ破断ネジ挿通部84Fが設けられている。該破断ネジ挿通部84Fは、図12に示すように、ボックスカバー71の一方側端面(図12における右側端面)から外側(図12における右側)へ正面視U字形状をなすように先端で丸く折り返すように延出した周壁841の奥側端縁(図12における後側端縁)よりやや内側の位置に奥壁を設け、該周壁841内の空間を前後に2分して該奥壁より外側(図12における後側)を嵌合部とし(図示せず)、該奥壁より内側(図12における前側)の空間における先端(図12における右側端)より内側に仕切壁842を設け、該仕切壁842より先端側をネジ収容部843、反対側を破断部844とした構成となっている。上記ネジ収容部843における奥壁には図15に示すようにネジ挿通孔845が穿設されている。ボックスベース72の一方側端縁(図12における右側端縁)には、上記上下の破断ネジ挿通部84Fに対応する位置に、螺入部85Fがそれぞれ設けられている。該螺入部85Fは、ボックスベース72の一方側端面(図12における右側端面)から外側(図12における右側)へ正面視コ字形状をなして折り返すように延出した延出部の先端部に、前後方向に延び内部にネジ孔が設けられた円筒形状部が一体的に形成された構成となっている。
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備えるネジであり、具体的には例えば図10に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
前述のようにして鉤状片73を係合スロット74に挿入するようにしてボックスカバー71をボックスベース72に重合すると、上記ボックスベース72の螺入部85Fがボックスカバー71における破断ネジ挿通部84Fの嵌合部内における破断部844に対応す
る位置に入り込んで嵌合し、ついでボックスカバー71およびボックスベース72の左右両端が揃うよう互いに寄せ合うようにスライドさせて鉤状片73を係合スロット74に係合させると、螺入部85Fが破断ネジ挿通部84Fの嵌合部内で先端側へスライド移動してネジ収容部843に対応する位置にくる。この状態で、破断ネジ挿通部84Fのネジ収容部843から破断ネジを挿入して螺入部85Fに螺入させ、該破断ネジの頭部を破断させることにより、第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11、図12および図15における左側端縁部)と反対側の端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)が封印される。
また、上記第1制御基板ボックス201Aにおける上記破断ネジ挿通部84F形成側端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)は、外部との電波の送受信を行うように構成されたシール(封印シール)601によっても封印されるようになっている。第1制御基板ボックス201Aにおける当該端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)には、矩形状突起部851が設けられており、該矩形状突起部851は、第1制御基板ボックス201Aのボックスカバー71およびボックスベース72の右側端縁部分に、互いに合同な縦長の長方形状を有する突起片をそれぞれ右方へ突出するように形成しておき、ボックスカバー71にボックスベース72を嵌着するとともにこれら突起片を重合させるようにすることによって構成されている。封印シール601は、横断面コの字形状をなすように折り曲げた状態で、前記ボックスカバー71およびボックスベース72の両突起片を跨ぐようにして貼付されている。
封印シール601は、図29および図30に示すように、前記第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851の上下面を除く3面を折り曲げ状態でほぼ全面的に覆い得る長方形状の平面形状を有し、図28に示すように、基材層602、粘着材層603および剥離紙604を積層して構成され、粘着材層603上にはICタグユニット605が配置されている。
基材層602は、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムよりなり、封印シール601を剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の適度な脆性を有するとともに、粘着材層603を構成する粘着剤に対する溶解性を有するトルエン等の有機溶剤や粘着剤層の粘着力が低下する温度(例えば50℃以上)の熱により変色するものとなっている。これにより、第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から封印シール601を不正に剥がすことを意図して溶剤をかけたり熱を加えたりすると、基材層602が変色して不正行為の痕跡が残るようになっている。
粘着剤層603を構成する粘着剤は、一旦貼付した後に剥がされると基材層602から剥がれる程度の粘着力を有している。よって、封印シール601が剥がされた場合には再度貼付することが困難であり、さらに粘着剤層603の一部が被着体側に残存することとなる。これにより、封印シール601を不正に剥がした場合に痕跡を残すことができる。
ICタグユニット605は、ICチップ605aおよびアンテナ605bより構成されており、帯状に延びる長尺状のアンテナ605bの中央付近にICチップ605aが配置されている。ICチップ605aは集積回路として形成されるものであり、制御部およびメモリー領域を有する。メモリー領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。アンテナ605bは、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ605aの厚みよりも薄い。また、アンテナ605bは、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ605aのメモリー領域に格納されたID情報は、制御部により呼び出されてアンテナ605bから発信し得るように構成されており、アンテナ605bから発信さ
れたID情報をリーダー/ライターとして形成されるスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、スキャナーから前記周波数の微弱な電波で呼び出しが行われ、この電波で誘導電磁界が形成される。この誘導電磁界内にアンテナ605bが位置する程度に、スキャナーをアンテナ605bに近接させると、アンテナ605bに電磁誘導により起電力が発生する。ICチップ605aではこの起電力を電源として、メモリー領域に格納されているID情報が制御部で呼び出されてアンテナ605bから送信され、このように発信されたID情報をスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。
ICタグユニット605(アンテナ605b)は、図30に示すように、粘着剤層603が形成された基材層602に対し、当該基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。詳細には、アンテナ605bは基材層602の対角線上にはなく、アンテナ605bの長手方向が基材層602の両対角線と交差している。この場合、長尺状のアンテナ605bはその長手方向が基材層602のすべての辺方向と交差することとなる。そして、前記矩形状突起部851を構成する両突起片に跨って封印シール601が貼付されているのに伴って、アンテナ605bも両突起片に跨っている。
また、封印シール601には、アンテナ605bの長手方向に沿って多数のアンテナ用切り込み606が等間隔に並置するようにして形成されている。アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、基材層602の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通している(なお、図29ではアンテナ用切り込み606は図示省略している)。ちなみに、アンテナ用切り込み606が延びる方向は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向であるため、基材層602のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bに若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ605bはアンテナ用切り込み606により分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線状に並ばないように、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とはずらして形成されている。詳細には、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とは、アンテナ605bの長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
上記封印シール601を第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から剥がそうとする場合、できるだけ該封印シール601を損なわないようにするには、剥がす力に伴う応力が、基材層602の隅角に対して局所的に集中したり封印シール601の折り曲げ部分に集中したりしないように、封印シール601の短辺に沿う方向に剥がすことが必要となるが、この方向はアンテナ605bの延びる方向に対して交差する方向である。従って、剥がす力に伴う応力がアンテナ605bの周囲に位置するアンテナ用切り込み606の端部に集中することで、アンテナ用切り込み606を端緒とする断裂が生じて基材層602が破壊され、これに伴いアンテナ605bが分断されることとなる。アンテナ605bが分断されるとID情報がアンテナ605bから送信されなくなるので、ID情報をスキャナーで読み取ることができなくなる。よって、封印シール601を第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851からできる限りきれいに剥がして第1制御基板ボックス201Aを開封し、制御基板80に対して不正を行った後に、第1制御基板ボックス201Aを封印すべく封印シール601を再度きれいに原状に復すように貼ったとしても、当該不正行為を容易に発見することができる。
封印シール601の4隅には、基材層602の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通する隅部切り込み607がそれぞれ形成されている。詳細には、隅部切り込み607は、封印シール601の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されてい
る。よって、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされるのではなく隅角側から(即ち封印シール601の辺に対し斜方向に)剥がされたとしても、隅部切り込み607から封印シール601に破壊が生じることとなる。これにより、不正行為の痕跡を残すことができる。
封印シール601の外縁には、図29に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み608が形成されている。これら外縁切り込み608は、内側から外側に向けて開く鋭角のV字状となっており、さらに封印シール601の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。従って、第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から封印シール601を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部に集中して封印シール601に破れなどといった破壊が生じる。これにより、封印シール601が剥がされたことの痕跡を残すことができ、制御基板80に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
ただし、上記のように外縁切り込み608が形成された構成においては、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って封印シール601が剥がされると封印シール601の破壊が生じ難い。即ち、封印シール601をその角から剥がす場合や、封印シール601の外縁における隣り合う外縁切り込み608間を摘んで剥がす場合などは、剥がす力に伴う応力が少数の外縁切り込み608の内側端部に集中するため、外縁切り込み608を介した封印シール601の破壊が生じ易いのに対し、矩形状の封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がす場合には、剥がす力に伴う応力が多数の外縁切り込み608の内側端部に分散されるため、外縁切り込み608を介した封印シール601の破壊が生じ難い。よって、後者の方式で封印シール601が剥がされると、外縁切り込み608では不正の痕跡が残らない場合がある。ところが、前述したように、アンテナ605bが封印シール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして斜めに配置されているので、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って封印シール601が剥がされたとしてもアンテナ605bが分断されることとなる。これにより、不正行為を容易に発見することができる。
基材層602の表面には、図29に示すように、インク塗布部609、識別情報部610および機種情報部611が設けられている。インク塗布部609には、紫外線等の特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別情報部610には、複数の数字が記載されており、当該識別情報部610に記載される数字は遊技機毎に異なっている。この場合に、識別情報部610に記載される数字はICチップ605aに格納されているID情報と対応づけて設定されている。例えば、ID情報が数字で登録されている場合には、ID情報の数字と識別情報部610に記載された数字との和が、遊技ホールなどに設置された複数の遊技機において同一となるように設定されている。機種情報部611には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
ここで、封印シール601の図29における上部領域R1は、図27に示すように、ボックスカバー71の突起片の表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、第1制御基板ボックス201Aに対峙する位置からは、インク塗布部609および識別情報部610を視認することができるので、インク塗布部609および識別情報部610の確認作業を容易に行うことができる。また、封印シール601の図29における中間領域R2は、図27に示すように、ボックスカバー71およびボックスベース72の両突起片の突出端面(即ち矩形状突起部851の突出端面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、機種情報部611に記載された内容は第1制御基板ボックス201Aを取り外すことなく確認することができる。なお、下部領域R3は、ボックスベース72の突起片の表側面(重合面と反対側の面)
に貼付することを意図して形成された領域となっている。
上述のようにインク塗布部609および識別情報部610が設けられていることにより、第1制御基板ボックス201Aが不正に交換された場合に、その交換がなされていることを容易に発見することができる。即ち、交換された不正用の基板ボックスが正規の第1制御基板ボックス201Aと外観上区別できなかったとしても、インク塗布部609に特定の光を照射し模様が表れないことを確認することで交換されたことを発見することができる。また、不正用の基板ボックスのシールにICタグユニットが設けられていたとしても、ID情報をスキャナーで読み取り、その情報と識別情報部610の情報とを確認することで交換されたことを発見することができる。
上記構成によれば、制御基板80を収容するボックスカバー71とボックスベース72とを跨ぐようにしてICタグユニット605を有する封印シール601が貼り付けられているので、第1制御基板ボックス201Aを開封するためには、矩形状突起部851から封印シール601を剥がし当該矩形状突起部851のネジ固定を解除する必要がある。この場合に、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が基材層602の隅角部分に集中し、基材層602は適度な脆性を有しているので、基材層602が大きく破壊されることとなる。また、封印シール601の外縁には、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込み608が形成されているので、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部(内側に尖った部位)に集中し、基材層602がより破壊されやすくなっている。さらに、封印シール601が第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851に対して略コ字状に折り曲げて貼り付けられているので、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、同様に基材層602が大きく破壊されることとなる。この場合、封印シール601が不正に剥がされたこと、即ち、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。よって、制御基板80に対して不正を行おうとする者は、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がすことで、剥がす力に伴う応力を基材層602の一辺全体に分散させ、ベース部材が極力破壊されないようにすることとなる。ところが、アンテナ605bをその長手方向が封印シール601のすべての辺方向と交差するように配置する構成とすることにより、封印シール601をその一辺全体から剥がそうとすると、アンテナ605bの長手方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、アンテナ605bが長尺状であり、アンテナ605bの長手方向と交差する方向の寸法は短くなっていることにより、破壊が生じた位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。この場合、遊技ホールの管理者等がスキャナーによりICチップ605aに格納されたID情報を確認できなくなるため、主基板に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、上記のとおり、アンテナ605bを基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置する構成とすることにより、アンテナ605bを基材層602の一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナ605bの長さ寸法が大きく確保されている。よって、封印シール601が剥がされた場合におけるアンテナ605bの分断が生じる機会を多く設けることができる。
また、ICチップ605aをアンテナ605bの長手方向の略中央に配置する構成とすることにより、上記のとおりアンテナ605bが封印シール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置された構成においてはICチップ605aの位置は封印シール601の中央付近となる。よって、ICチップ605aの厚みに起因して封印シール601が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップ605aは所定の厚みを有するため、封印シール601におけるICチップ605aの周囲と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との間には隙間が生じることとなる。この場合に
、ICチップ605aが封印シール601の外縁側にあるとその外縁と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との隙間に指を掛けることで封印シール601が剥がし易くなる。これに対して、ICチップ605aの位置が封印シール601の中央付近であることにより、ICチップ605aの厚みに起因して封印シール601の外縁と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との間に隙間が生じることはない。
また、基材層602におけるアンテナ605bの周囲にアンテナ用切り込み606を形成する構成とすることにより、封印シール601が剥がされた場合にアンテナ用切り込み606の端部から基材層602が破壊されるのに伴ってアンテナ605bも破壊され、その位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。よって、アンテナ605bが分断され易くなり、主基板に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。特に、アンテナ用切り込み606をアンテナ605bの長手方向及び基材層602のすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みとすることにより、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み606のアンテナ側端部に集中し易くなる。これにより、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナ605bの分断をより確実に発生させることができる。なお、アンテナ用切り込み606はアンテナ605bに達する位置まで形成されているので、封印シール601が不正に剥がされた場合にアンテナ605bが分断され易い構成となっている。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線上に並ばないように形成されていることにより、例えば、遊技機の製造時における封印シール601の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合にアンテナ605bを挟んで位置するアンテナ用切り込み606が繋がりそれに伴ってアンテナ605bが分断されてしまうことを抑制することができる。
また、封印シール601の4隅に、基材層602の表面側から粘着材層603の背面側まで貫通するL字状の隅部切り込み607をそれぞれ形成する構成とすることにより、封印シール601がその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅部切り込み607の端部に集中し、隅部切り込み607から封印シール601に破れなどといった破壊が生じる。よって、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が封印シール601に残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅部切り込み607を介した封印シール601の破壊を回避すべく、封印シール601の一辺に沿う方向に当該封印シール601が剥がされたとしても、上記のとおりアンテナ605bの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
なお、粘着材層603を構成する粘着剤に対して溶解性を示す溶剤が封印シール601にかけられたり塗布されたりした場合、基材層602が変色する構成とすることにより、溶剤により粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなく封印シール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。また、封印シール601に対して所定温度以上の熱が加えられた場合も同様に、基材層602が変色する構成とすることにより、所定温度以上の熱を加えることにより粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなく封印シール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
以上の構成により、上記第1制御基板ボックス201Aは、製造段階においては、2箇所の両端金具挿通部78F、2箇所の破断ネジ挿通部84Fおよび矩形状突起部851の計5箇所で、それぞれ両端封印金具75F、破断ネジおよび封印シール601により封印される。点検等により開封する場合には、両端金具挿通部78Fを、図23中の仮想線L1で示すように貫通部781Fより内側の周壁および架橋片81でニッパ等により切断するとともに、破断ネジ挿通部84Fを破断部844で切断して、それぞれボックスカバー
71から分離し、また封印シール601を剥離ないし破断するようにして、封印を解除する。この後、再度第1制御基板ボックス201Aを封印する場合には、前述したように2箇所の中央金具挿通部78Sで中央封印金具75Sにより封印され、再度開封する場合には、中央金具挿通部78Sを前記両端金具挿通部78Fの場合と同様に切断するようにして封印を解除する。
上記のように第1制御基板ボックス201Aが再度封印し得る構成となっていることで、付随的な不正行為をも効果的に抑止することができる。例えば、初回の封印が解除されて第1制御基板ボックス201A内の制御基板を不正基板に交換されたような場合、この第1制御基板ボックス201Aを不正発覚により取り外した後に、不正基板を元の制御基板に戻して不正の状況が把握できないようにするといった付随的な不正行為がなされることがあるが、不正基板に交換された第1制御基板ボックス201Aを再度封印するようにしておくことにより、上述のような付随的な不正行為を困難とすることができる。
上記第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11および図12における左側端縁部)には、図11ないし図14に示すように、係合機構の第2機構部である連結封止部86が設けられている。該連結封止部86は、概略縦長の直方体形状の外形を有し、図31ないし図33に示すように、外側ブロック86Eに内側ブロック86Nを装填するようにして構成されている。
上記外側ブロック86Eは、概略縦長の箱状に成形され、図33に示すように一側面(遊技盤30側面)がほぼ開放されて受入開口861が形成されている(以下、該受入開口861形成側面を後側面とする)。該受入開口861が形成された後側面に隣接する右側面部には、図31および図32に示すように、上端よりやや下方の高さ位置から下端よりやや上方の高さ位置まで上下に延び、前端から中央よりやや後方の位置まで前後に延びる概略縦長の直方体形状のネジ固定部862が、内外に突出するように一体的に形成されている。該ネジ固定部862内の空間は仕切壁が形成されて上下に4等分されるとともに、後端よりやや内側には奥壁(図示せず)が形成され、これにより、奥壁の前側に上下に4個のネジ収容部862Hが、後側に上下に4個の嵌合部(図示せず)がそれぞれ形成されている。各ネジ収容部862Hにおける奥壁にはそれぞれネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。該ネジ固定部862において外側ブロック86Eの右側面より内側(左側)に陥入する部分の上壁、下壁および左側壁は、図33に示すように外側ブロック86Eの後端の位置よりも若干後方の位置まで延出し、外側ブロック86Eの右側面より外側(右側)に突出する部分の上壁および下壁の後端縁は、図32に示すようにそれぞれ上方および下方に延びて段面部862Sを形成し、その上端縁および下端縁からそれぞれ後方に延出している。該ネジ固定部862の左側壁における内側面(左側面)862Nの中央には、図33に示すように前後に延びる仕切リブ863が形成されている。該ネジ固定部862における左側壁の内奥側端に連続する外側ブロック86Eの内壁面には、後述するヒンジ部材90における挿入片923の凹凸部928に対応する凹凸部(図示せず)が形成されている。
上記外側ブロック86Eの右側面における上下両端縁の後部からは、正面視コ字形状の嵌合片864がそれぞれ延出している。また、外側ブロック86Eの前側面において、上端部の左右2箇所および下端部右寄りの1箇所の計3箇所には、ネジ取出部869R、869L、869Bがそれぞれ設けられている。これらのうち、右上のネジ取出部869Rは、外側ブロック86Eの前側面を構成する前側壁に矩形状の貫通孔を穿設し、該貫通孔の上辺、下辺および右辺の各辺の中央から前方に延出片がそれぞれ延出し、各延出片の延出端が中央に向かって直角に延びて正面視T字形状をなすように交わる形状を有する突起部を前側壁に一体的に形成するようにして設けられ、右下のネジ取出部869Bは該右上のネジ取出部869Rと同様に構成され、左上のネジ取出部869Lは該右上のネジ取出
部869Rと左右対称となるように構成されている。これらネジ取出部869R、869L、869Bは、後述する内側ブロック86Nのネジ収容腔870R、870L、870Bに収容された予備の破断ネジ(図示せず)を取り出すためのものであり、それぞれ、正面視中央からT字状に延びる延出片をニッパ等により切断して突起部を切除し貫通孔を開放して、内部から破断ネジを取り出すようになっている。このとき、正面視中央からT字状に延びる延出片が外側ブロック86Eの前側面より前方に延出しているため切断しやすく、さらに、右上および左上のネジ取出部869R、869Lは、それぞれの右部および左部の延出片が正面視中央から互いに逆方向に外側へ(それぞれ右方および左方へ)延びているため、一方のネジ取出部869R/869Lにおける右部/左部の延出片を、他方のネジ取出部869L/869Rが邪魔となることなく容易に切断し得るようになっている。
上記内側ブロック86Nは、上記外側ブロック86Eの受入開口861の内部形状に対応して、上下にやや長く延びる直方体の上端および下端がそれぞれ一方側(右側)へ直角に延出する、正面視概略C字形状(コの字の左右対称形状)の外形に成形されたほぼ中空の部材となっている。該内側ブロック86Nは、正面部のみがほぼ開放され、上記外側ブロック86Eの3箇所のネジ取出部869R、869L、869Bに対応して、右上、左上および右下の3箇所にネジ収容腔870R、870L、870Bがそれぞれ形成されている。これらネジ収容腔870R、870L、870Bはいずれも、断面矩形状で前後方向に長く延び、前端が開放され後端が内側ブロック86Nの背面壁により閉塞されている。該ネジ収容腔870R、870L、870Bにはそれぞれ予備の破断ネジ(図示せず)が収容されるようになっている。
上記内側ブロック86Nにおける背面の上端縁、下端縁および左端縁からは前記外側ブロック86Eの背面の外周とほぼ合同の外周を有するフランジ865が延出している。該内側ブロック86Nにおける上下の延出部の先端面には、先方(右方)へ水平に延出しその先端から前方へ延びて平面視概略鉤形状をなし、その先端部に、テーパ状の前面および垂直な後面を有して側面視台形状に高さ方向中央へ向かって下方ないし上方へ突出する係合突起が形成された係合片866がそれぞれ一体的に形成されている。
上記内側ブロック86Nにおける上下の延出部の間に延びる中央側面867には、裏打金具868が装着・固定される。該裏打金具868は、1枚の金属板の一方側端縁を折り返すように折曲して折返し片868Fが設けられ、上下2箇所に係合片868Eがそれぞれ形成された構成となっている。該係合片868Eは、後側から前側へ向かって延びてコ字状に折り返す形状に金属板に切込みを入れ、該切込みの内側部分を外側にむけてやや傾斜するように引き起こして形成されている。該裏打金具868は、内側ブロック86Nの中央側面867を構成する壁の前端縁に折返し片868Fを前方から嵌着するようにして該中央側面867上に重合され固定される。
上記裏打金具868が装着された内側ブロック86Nは、ネジ収容腔870R、870L、870Bにそれぞれ予備の破断ネジ(図示せず)を収容して、図67に示すように、外側ブロック86Eの受入開口861内に挿入され、段面部862Sに係合片866が係合することにより係止固定されて、連結封止部86が構成される。この状態で、外側ブロック86Eにおけるネジ固定部862の左側面862Nと内側ブロック86Nの中央側面867とは所定間隔をおいて離隔しており、これにより、外側ブロック86Eと内側ブロック86Nとの間に、上下に長く延び、前後に奥行を有する挿入口が形成されるようになっている。
上記連結封止部86は、第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11および図12における左側端縁部)に取付固定される。図16
に示すように、ボックスベース72の一方側端縁部(図16における左側端縁部)には、螺入部88および嵌着部89が設けられている。螺入部88は、ボックスベース72の一方側端面(図16における左側端面)における高さ方向中央部に、水平に延出する延出片を介して一体的に形成された、内部にネジ孔を有して前後に延びる円筒状体88Pを、互いに若干間隔をおいて上下に4個並置するようにして構成されている。嵌着部89は、螺入部88のやや上方およびやや下方において、ボックスベース72の一方側端面(図16における左側端面)の後端縁から正面視矩形状の端板891T、891Bがそれぞれ垂直に延出し、上方の端板891Tにおける上端部には、上端縁および先端縁(図16における左側端縁)の上部に沿って正面視鉤形状に屈曲しさらにその下端が内側(図16における右側)に屈曲した形状を有する嵌合片892Tが前方に延出するとともに、下方の端板891Bにも該上方の嵌合片892Tと上下対称をなす嵌合片892Bが形成された構成となっている。連結封止部86は、内側ブロック86Nが装填された外側ブロック86Eの受入開口861形成側(後側)を後方に、外側ブロック86Eのネジ固定部862形成側(右側)を右方にそれぞれ向けた体勢で、外側ブロック86Eの上下の嵌合片864を嵌着部89の上下の嵌合片892T、892Bにそれぞれ嵌入するようにして、ボックスベース72の一方側端縁部(図16における左側端縁部)に前方から嵌着される。これにともない、螺入部88の4個の円筒状体88Pが外側ブロック86Eにおけるネジ固定部862の4個の嵌合部にそれぞれ嵌入する。この状態で、該ネジ固定部862のいずれかのネジ収容部862Hから破断ネジが螺入され、該破断ネジの頭部を破断させることにより、連結封止部86がボックスベース72に封止状態で固定される。この固定状態では、連結封止部86の外側ブロック86Eがネジ固定部862でボックスベース72に固定されているが、内側ブロック86Nも、係合片866がボックスベース72の端板891T、891Bに当って後方へ抜き出すことが不可となっており、したがって外側ブロック86Eとともに封止状態となっている。
なお、「封止」とは、痕跡を残すことなく固定状態を解除することができない状態とすることを意味し、上記のように破断ネジを用いて固定することや、さらにはこれ以外にも、例えば、「1WAYネジ」と称される、一方向にのみ回るネジを用いて固定すること、封印シールを貼付すること、等をいずれも含意する。
上記連結封止部86は、上記のようにして破断ネジにより封止状態で固定されているので、例えば第1制御基板ボックス201Aの取り外しが必要な場合には、螺入部88の円筒状体88Pを切り離すことにより封止状態を解除することができる。この後、連結封止部86を再度第1制御基板ボックス201Aに固定する場合には、前記内側ブロック86Nのネジ収容腔870R、870L、870Bのいずれかに収容された予備の破断ネジ(図示せず)を外側ブロック86Eのネジ取出部869R、869L、869Bから取り出して未使用の3個のネジ収容部862Hのいずれかに螺入し破断させるようにする。このように、1回の封止につき1個の円筒状体88Pで破断ネジにより封止・固定するようにすることで、計4回まで封止および解除を繰り返すことができる。
上記のようにして連結封止部86が固定された状態では、該連結封止部86の後端である背面は、第1制御基板ボックス201Aの後端であるボックスベース72の背面とほぼ面一となって後方に突出せず、一方、該連結封止部86の前端である外側ブロック86Eのネジ取出部869R、869L、869Bは、第1制御基板ボックス201Aの前端であるボックスカバー71の前面よりもわずかに後方の位置にきて前方に突出しないようになっている。即ち、ネジ取出部869R、869L、869Bも含め連結封止部86の前後方向の厚さが、第1制御基板ボックス201Aの前後方向の厚さより小となっていて、第1制御基板ボックス201Aより前方にも後方にも突出することなく設けられている。
上記連結封止部86は、図34ないし図40に示すように、ヒンジ部材90に連結される。該ヒンジ部材90は、図41および図42に示すように、固定部91に可動部92が
回動自在に連結された構成となっている。固定部91は、概略帯状に延びる金属板を側面視コ字形状に折曲して上下に腕金片911T、911Bをそれぞれ形成し、該腕金片911T、911Bの先端部に軸挿通孔をそれぞれ穿設したものとなっている。図34ないし図40に示すように、遊技盤30の裏面における下部には球集合板460が固定され、この球集合板460は、遊技盤30の左端近傍から右端近傍まで横長に延びる透明樹脂よりなる概略板状体であり、入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が一体的に形成されたものとなっている。該球集合板460の左端部には、図41および図42に示すように、角形状(四角柱をやや変形した形状)に突出する中空の基台部460Bが形成され、該基台部460Bの先端面には上下に2条のスリットが穿設されている。上記固定部91は、該基台部460Bの内部から腕金片911T、911Bをスリットを通して外部へ突出させるようにして、該基台部460Bに固定されており、これにより、球集合板460の外部からは該固定部91が取り外せないようになっている。
可動部92は、図41および図42に示すように、金属板を折曲して構成され、概略矩形状の本体片921の一端縁図41および図42における前側端縁から中間片922が一方図41および図42における右方に直角に折曲するように延出し、その延出端から挿入片923が、上記本体片921と反対側図41および図42における前側に直角に折曲するように延出し、これにより上記本体片921、中間片922および挿入片923が、平面視S字状に屈曲しながら連続するように形成されている。上記本体片921の中間片922に連続する端縁に隣接する一端縁図41および図42における下端縁における該中間片922側と反対側の端部図41および図42における後端部からは、上記中間片922と同方向に上部軸支片924Tが直角に折曲するように延出し、該上部軸支片923Tの先端部には軸挿通孔が穿設されている。上記中間片922において本体片921および挿入片923にそれぞれ連続する端縁に隣接する両側部のうち、上記上部軸支片924T形成側と同一側にある一側部図41および図42における下側部はさらに延出し、その延出端から上記本体片921側と同一側図41および図42における後側に下部軸支片924Bが直角に折曲するように延出し、上記上部軸支片924Tと平面視で重なる位置まで延びて、先端部に軸挿通孔が穿設されている。
上記固定部91における腕金片911T、911Bの先端縁は可動部92の回動に抵触し難い半円形状とされ、可動部92における上部軸支片924Tの先端縁も回動に好適な半円形状とされているが、下部軸支片924Bは矩形状となっていて、両側端縁部の先端近傍はそれぞれ、平面視V字形状をなして外側(図41および図42における下側)へ隆起するように変形加工され、これにより概略三角錐形状に外方(図41および図42における下方)へ突出する右側係止突起925Rおよび左側係止突起925Lがそれぞれ形成されている。
上記可動部92における挿入片923には、両側(図41および図42における上下)2箇所に並置するように矩形状の係合孔926がそれぞれ穿設され、また、該挿入片923の先端縁中央から、上記両係合孔926の間を通り、中間片922に連続する端縁の近傍までスリット状に延びる切欠927が形成されている。さらに、挿入片923の先端縁における切欠927より内側(図41および図42における下側)には、両側(図41および図42における上下)に並ぶ凸部が突出するように凹凸部928が形成されている。
上記可動部92における上部軸支片924Tおよび下部軸支片924Bは、固定部91における上下の腕金片911T、911Bに、それぞれ上側から重合され、軸挿通孔に回動軸93が挿通されて枢着され、これにより可動部92が固定部91に回動自在に連結されるようになっている。該回動軸93にはコイルバネ931が外嵌されており、下部軸支片924Bを下方の腕金片911B上に圧しつけるように付勢するようになっている。また、この枢着状態で、回動軸93の上端部は上方の腕金片911Tよりもやや上方まで突
き出てそのぶん余裕が形成されるようになっており、これにより可動部92をコイルバネ931の付勢力に抗して固定部91に対し上方にずらすように移動させ得るようになっている。
上記構成により、ヒンジ部材90においては、図43ないし図66に示すように該ヒンジ部材90を回動範囲内における所定の角度位置に保持し得る仮保持機構が構成されるようになっている。
上記ヒンジ部材90の可動部92を内側(図43ないし図66における右側)へ回動させると、下部軸支片924Bの右側係止突起925Rが、可動部92全体をコイルバネ931の付勢力に抗して上方に押し上げるように移動させながら、固定部91における下方の腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)から該腕金片911B上に乗り上げ、この後、該腕金片911B上を摺動しながら移動し、図43ないし図50に示すように可動部92が内側(図43ないし図66における右側)へ最大限に回動すると、右側係止突起925Rは、図48および図50によく表れているように、該腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)から外方(左方)へ脱落し、以降、コイルバネ931の付勢力により下方に圧しつけられることで該腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)に係合した状態に保持され、これにより、外力が加えられない限り可動部92がこの位置から逆方向に戻るように回動することがなく、したがってこの位置に仮保持される。この位置では、可動部92が外方(図43ないし図66における左方)へも後方(図43ないし図66における前方)へも突出することなく、内側へ折り畳まれた体勢となっているので、最も邪魔にならず納まりが良好であり、したがってこの位置は、例えば基板ボックスを取り付ける前の搬送時や保管時に好適であって、このため本明細書ではこの位置を「収納位置」とする。
上記収納位置にある可動部92を逆方向に戻るように回動させると、下部軸支片924Bの右側係止突起925Rが再び腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)から該腕金片911B上に乗り上げ、この後、該腕金片911B上を摺動しながら移動し、図51ないし図58に示すように可動部92が後方(図43ないし図66における前方)へまっすぐ突出する位置までくると、右側係止突起925Rは、図56および図58によく表れているように、該腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)から内方(右方)へ脱落し、以降、コイルバネ931の付勢力により下方に圧しつけられることで該腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)に係合した状態に保持され、またこれと同時に、下部軸支片924Bの左側係止突起925Lが該腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)に当接する位置まできて該端縁に係合した状態に保持される。即ち、下部軸支片924Bの左側係止突起925Lおよび右側係止突起925Rが腕金片911Bを両側から挟持するようにして係合し、下部軸支片924Bが腕金片911Bと同一方向(後方;図43ないし図66における前方)に延びる体勢となる。これにより、外力が加えられない限り可動部92がこの位置から内側へも外側へも回動することがなく、したがってこの位置に仮保持される。この位置は、後述するように第1制御基板ボックス201Aが取り付けられる取付位置である。
上記取付位置にある可動部92を外側(図43ないし図66における左側)へ回動させると、下部軸支片924Bの左側係止突起925Lが、可動部92全体をコイルバネ931の付勢力に抗して上方に押し上げるように移動させながら、下方の腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)から該腕金片911B上に乗り上げ、この後、該腕金片911B上を摺動しながら移動し、図59ないし図66に示すように可動部92が外側(図43ないし図66における左側)へ最大限に回動すると、左側係止突起925Lは、図64および図66によく表れているように、該腕金片911Bの内側端縁
(図43ないし図66における右側端縁)から内方(右方)へ脱落し、以降、コイルバネ931の付勢力により下方に圧しつけられることで該腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)に係合した状態に保持され、これにより、外力が加えられない限り可動部92がこの位置から逆方向に戻るように回動することがなく、したがってこの位置に仮保持される。この位置は、第1制御基板ボックス201Aが取り付けられた状態では該第1制御基板ボックス201Aを開いたときの位置であり、このため本明細書ではこの位置を「開位置」とする。
上記第1制御基板ボックス201Aは、上記ヒンジ部材90の可動部92を取付位置とした状態で、図35ないし図40に示すように遊技盤30の裏面側から取り付けられる。このとき、図39および図40に示すように、第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部に固定された連結封止部86が、ヒンジ部材90の可動部92における挿入片923を挿入口86S内に挿入するようにして、該ヒンジ部材90に連結固定される。
連結封止部86の挿入口86S内にヒンジ部材90の挿入片923を挿入すると、該挿入片923は、挿入口86S内に形成されている前記仕切リブ863を切欠927内に導入することにより、該仕切リブ863に抵触することなく挿入口86S内に挿入されていき、先端が挿入口86Sの内奥に達すると、先端縁の凹凸部928が前記外側ブロック86E内の凹凸部に嵌合して適合し、該挿入片923のほぼ全体が挿入口86S内に納まる。該挿入片923がこの位置まで挿入されると、図68および図71に示すように、裏打金具868の係合片868Eが該挿入片923の係合孔926内に係合し、これにより該挿入片923が挿入口86Sから抜け出せない状態となって、連結封止部86がヒンジ部材90に連結封止されることとなる。こうして、第1制御基板ボックス201Aが図34に示すように遊技盤30の裏面側に取り付けられる。
また、上記のようにして連結封止部86の挿入口86S内にヒンジ部材90の挿入片923が挿入された状態では、挿入口86Sにおける挿入片923の一方面側(連結封止部86における内側ブロック86N側)の半分すなわち挿入片923に対し裏打金具868の係合片868Eが存在する側の半分が、ヒンジ部材90の可動部92において挿入片923に連続し挿入口86Sより外側に露出する中間片922により覆われて閉塞される。即ち、該中間片922が、挿入口86Sの一部を覆う遮蔽部となっており、これにより外部から裏打金具868の係合片868Eを不正に操作することが困難となっている。
上記のようにして連結封止部86をヒンジ部材90に連結固定することにより、第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部が遊技盤30の裏面側に取り付けられるが、第1制御基板ボックス201Aの他方側端縁部は、該第1制御基板ボックス201Aと遊技盤30との間に介在するように配置された後述するスペーサ932に着脱自在に取り付けられ固定されるようになっている。
上記のようにして第1制御基板ボックス201Aが取り付けられた後、例えば点検等を行う場合は、第1制御基板ボックス201Aをヒンジ部材90で回動させるようにして開き戸式に開放することができるが、最大限に開放すると、ヒンジ部材90の可動部92が開位置にきて、これにより第1制御基板ボックス201Aが最大限に開放した体勢に仮保持される。
上記第1制御基板ボックス201Aと球集合板460との間には、図72ないし図75に示すように、スペーサ932が配置され、これにより第1制御基板ボックス201Aと球集合板460との間のスペースが充填されるようになっている。スペーサ932は、球集合板460にほぼ対応するやや横長の長方形状の正面形状を有する概略箱状体となっており、本体932Bと蓋体932Cとから構成されている。本体932Bは、横長に延び
る概略直方体状の中空の樹脂成形体であって、図73に示すように、配置状態で前上端縁部となる一長縁部が、前上方に隣接して配置される部材に干渉しないように(即ち、前上方に隣接して配置される前記外包部材82(図6参照)の後下端縁の稜角形状に追従するように)、内側へ切欠かれたように段状に凹入する側面視鉤形状をなす形状となっており、さらに、左右方向中央部が、前面から後方へ上面視矩形状に凹入する形状となっている。図72、図74および図75に示すように、本体932Bの後面は開放され、内部は等間隔に配置形成された縦5枚、横2枚、計7枚の隔壁(リブ)により格子状に区画されており、これら隔壁の10箇所の交差位置のうち、両端下側の交差位置には、隔壁の交線を軸として前後方向に概略円筒状に延び、内部にネジ穴を有する螺入部932Sがそれぞれ隔壁に一体的に配置形成されている。本体932Bの両側端面壁には、後端縁から内側(前側)へ平行に2条の切れ込みを入れることにより両切れ込みの間を弾性片とし、該弾性片の先端に爪部を形成してなる係合片932Eが、上中下の3箇所(左右両端で計6箇所)にそれぞれ配置形成されており、さらに、本体932Bの下端面壁(底面壁)における中央より若干左寄り(図72、図74および図75では右寄り)の位置にも、上記と同様に係合片932Eが配置形成されている。本体932Bの下面壁における両端部には、前後方向に貫通する溝状の凹部932Rがそれぞれ形成され、各凹部932Rには後述する左側接続金具933Lおよび右側接続金具933Rが挿入され固定されるようになっている。
蓋体932Cは、本体932Bの背面形状に対応する横長の長方形の板状であって、両長縁である上下両端縁には上側片932Hおよび下側片932Lがそれぞれ後方に延出するように形成され、全体として側面視略コ字形の形状となっている。上側片932Hおよび下側片932Lにおける左端近傍(図72、図74および図75では右端近傍)には、先端縁(後端縁)から内側(前側)へ平行に入れられた2条の切れ込みの間に形成され、かつ上側片932Hおよび下側片932Lよりも後方へやや大きく延出するように形成された弾性片の先端部の内側面に爪部が形成されてなる係合片932Nがそれぞれ配置形成されている。蓋体932Cの両側端縁部および下端縁部には、前記本体932Bの係合片932Eに対応する位置に、該係合片932Eを挿入し得るスリット状の開口形状を有し、内部に該係合片932Eの爪部を係合させ得る段部が形成された係合部932Aがそれぞれ配置形成されている。蓋体932Cには、前記本体932Bにおける隔壁の10箇所の交差位置に対応する位置に、ネジ挿通部932Pがそれぞれ配置形成されている。ネジ挿通部932Pは、図72および図73に示すように、蓋体932Cの後面から、前面よりやや突出するように円筒状に延び、前端面は前端面壁により閉塞され、該前端面壁の中心部にネジ挿通孔が穿設されており、蓋体932Cにおける円筒状部の周囲には、複数(4個)の円弧状の貫通溝が、円筒状部の外周に沿って間隔をおいて並ぶように配置形成され、該間隔部により円筒状部が蓋体932Cにおける周囲の部位と部分的に連続する構成となっている。蓋体932Cの下端縁における両端近傍には、内側へ直角に延びるスリット状の切れ込み932Gがそれぞれ形成され、各切れ込み932Gには後述する左側接続金具933Lおよび右側接続金具933Rの先端が挿通されるようになっている。
蓋体932Cには、後側から第1制御基板ボックス201Aが、上側片932Hと下側片932Lとの間に嵌合させるようにして配置され、係合片932Nを係合させることにより固定される。第1制御基板ボックス201Aは、前述の通りヒンジ部材90により一方側端縁部が回動可能(開閉可能)に保持されており、上記のように蓋体932Cの係合片932Nに係合することにより、他方側端縁部が着脱自在に保持される。蓋体932Cは、スペーサ932の後側壁部を構成するとともに、このように第1制御基板ボックス201Aの取付ベースとしても機能するものとなっている。
蓋体932Cは、本体932Bの各係合片932Eを係合部932Aに係合させるようにして、本体932Bの後側面を閉塞するように嵌着され、左右の螺入部932Sに対応
するネジ挿通部932Pから破断ネジKを螺入することにより、本体932Bに対して、痕跡を残すことなくしては開封し得ないように固定すなわち封止され、これにより図76および図77に示すようにスペーサ932が完成する。破断ネジKの構成は前述の通り(図10参照)であり、蓋体932Cの後側から軸部をネジ挿通部932Pのネジ挿通孔に挿通するとともに頭部をネジ挿通部932Pの円筒状部内に収容し、本体932Bの螺入部932Sに螺入して、破断部を破断させるようにする。一旦封止した後に蓋体932Cを本体932Bから取り外す場合には、ネジ挿通部932Pの周囲における貫通溝の間の間隔部をニッパ等により切断してネジ挿通部932Pを蓋体932Cから分離することにより、封止状態を解除することができる。
スペーサ932は、図72ないし図75に示すように、左側接続金具933L、右側接続金具933R、左側係止部材934、右側係止部材935および留め部材936により、球集合板460に連結固定される。
左側接続金具933Lは、図78および図79に示すように、鋼板を所定形状に成形してなり、一方向(図78および図79では右上がり方向)に概略短冊状に長く延びる本体部933Bの一方端部が、幅がほぼ2倍となるように一方側(図78および図79では下側)へ延出し、該延出部がさらに本体部933Bの長さ方向に平行に外方(図78では左下方)へやや長く延びて、本体部933Bの一方端部から略S字状に屈曲しながら長さ方向に沿って外方へ延出する差込片933Nが形成されたものとなっている。該差込片933Nの基端側における本体部933Bの側方の位置には、本体部933Bの幅方向に沿ってやや長い概略長方形状の係合孔933Pが穿設され、一方、該差込片933Nの基端部は長さ方向に沿って内方(図78では右上方)へ延出するとともに該延出部の大部分が一方面側(図78では右下方)へほぼ直角に折曲されて閉止片933Cが形成されている。本体部933Bにおいて、上記差込片933Nおよび閉止片933Cが形成された側とは反対側(図78および図79では上側)の端縁における閉止片933Cの上方の位置には、幅方向に外側へ概略矩形状に延出して上記閉止片933Cと同方向にほぼ直角に折曲され、その両側で本体部933Bの端縁から幅方向に内側へやや延びる切れ込みが入れられた構成を有する当接片933Eが形成されている。本体部933Bの他方端部(差込片933N形成側端部とは反対側の端部)は、先端が半円板状となるように角落ちし、上記当接片933Eが形成された側とは反対側(図78および図79では下側)の端縁における先端より内寄りの位置から、幅方向に内側へ延び、幅方向中央で直角に折れて、先端の半円形状の中心の位置まで延びる、全体としてL字形状の切れ込み933Sが形成されており、これにより、当該先端部に、概略釣り針状(またはJ字状)に延びる鉤部933Hが形成されている。
右側接続金具933Rは、係合孔が、上記左側接続金具933Lにおける係合孔933Pの形成位置よりも閉止片形成側に寄った位置に形成されている点以外は、上記左側接続金具933Lと同様の構成となっており、このためその説明は省略する。
左側係止部材934は、図80、図81および図82に示すように、縦長の長方形状の基端壁934Bにおける一方側長縁、幅方向中央および他方側長縁から、それぞれ概略横長の長方形状の第1係止片934R、第2係止片934Mおよび第3係止片934Lが互いに平行となるように同方向に延出し、全体として平面視略E字形状をなすように一体的に成形された部材となっている。該左側係止部材934は、特定色(本実施形態では緑色)に着色された不透明性の樹脂よりなる成形体となっている。図82に示すように、第2係止片934Mにおける第3係止片934L側面の中央付近には、内部係止突起934Nが形成され、該内部係止突起934Nは、第2係止片934Mの自由端側を向いた端面(図82では上端面)が、内奥側(基端壁934B側)へ傾斜し、一方、基端壁934B側を向いた端面(図82では下端面)が、第2係止片934Mに直交して、全体として平面
視台形状となるように、第3係止片934L側へ突出する形状となっており、前記左側接続金具933Lの係合孔933P内に係合し得るようになっている。図80および図81に示すように、第3係止片934Lの外側面における一方長縁側部(図80および図81では上縁側部)の中央部には、外部係止突起934Sが形成され、該外部係止突起934Sは、第3係止片934Lの自由端側を向いた端面(図80では右上端面)が、基端壁934B側へ傾斜し、一方、基端壁934B側を向いた端面(図80では左下端面)が、第3係止片934Lに直交して、全体として平面視台形状となるように外側へ突出する形状となっており、後述する球集合板460における左側嵌装腔460Sの左側面壁460Lに形成された係合孔(図示せず)内に係合し得るようになっている。第2係止片934Mと第3係止片934Lとの間には、後述するように左側接続金具933Lの差込片933Nが挿入され、このため該第2係止片934Mおよび第3係止片934Lの自由端における対向する稜角部は角落ちしていて、左側接続金具933Lの差込片933Nを受容しやすいようになっている。
右側係止部材935は、図83に示すように、基端壁935B、第2係止片935M(内部係止突起935Nを除く)、第3係止片935Lおよび外部係止突起935Sの構成は上述の左側係止部材934の基端壁934B、第2係止片934M、第3係止片934Lおよび外部係止突起934Sとそれぞれ同一となっており、第1係止片935Rが大幅に短くなっている点ならびに内部係止突起935Nが第2係止片935Mにおける自由端近傍に形成されている点で上述の左側係止部材934とは異なっている。
図73に示すように、球集合板460の左下部および右下部には、前記本体932Bの凹部932Rに対応する位置に、前後に概略角筒状に延びる左側嵌装腔460Sおよび右側嵌装腔460Tがそれぞれ形成されており、該左側嵌装腔460Sおよび右側嵌装腔460Tの内部には上記左側係止部材934の外部係止突起934Sおよび右側係止部材935の外部係止突起935Sに係合し得る係合孔(図示せず)がそれぞれ形成されていて、該左側係止部材934および右側係止部材935がそれぞれ前側から挿入されて固定されるようになっている。球集合板460は、このようにして左側嵌装腔460Sおよび右側嵌装腔460Tに左側係止部材934および右側係止部材935を収容、固定した状態で、遊技盤30の裏面側に取り付けられる。
留め部材936は、図84および図85に示すように、概略四角柱状に延びる中空の直方体の隣接する2側面(図84では前側面および下側面)が開放され、残りの2側面および2端面がそれぞれ壁で構成された嵌合部936Cにおいて、一方側壁(図84および図85では上側壁)における内側面の中央部から、該一方側壁と同幅でかつ互いに間隔をおいて平行な2枚の中央片936Mが、嵌合部936Cの両端面に平行となるように該一方側壁に垂直な方向(図84および図85では下方)に延びて、全体として概略T字形状となるように一体的に成形された樹脂製の部材となっている。両中央片936Mは嵌合部936Cの他方側壁(図85では前側壁)に連続しながら延びるとともに、両中央片936Mの間では該他方側壁は矩形状に切欠かれ、留め部材936の中央部が一方側壁(上側壁)を除いて空隙となっている。また、両中央片936Mの先端部における内側面には、互いに近寄る方向に突出する半球状突起936Eがそれぞれ形成されている。
スペーサ932は、図86ないし図90に示すようにして、球集合板460に取り付けられる。以下、スペーサ932の取付手順を順次説明する。なお、本明細書においては、ここより以降、左側の取付構造について説明し、右側の取付構造については説明を省略している箇所があるが、省略している場合は基本的に左側の取付構造の場合と同様である。
まず、図86および図87に示すように、スペーサ932における本体932Bの凹部932Rに左側接続金具933Lを取り付け、固定する。凹部932R内の中央部には、
該凹部932Rを幅方向(左右方向)に横断するように支軸部932Jが一体的に形成されている。左側接続金具933Lは、図86に示すように、鉤部933Hおよび差込片933Nをそれぞれ前方および後方に向けるとともに、差込片933N形成側端縁を上方に向けた体勢で、矢印A11に示すように、切れ込み933Sに支軸部932Jを嵌入しながら凹部932R内に下方から嵌装し、ついで矢印A12に示すように、支軸部932Jが切れ込み933Sの内奥端に達するまで、左側接続金具933Lを後方にスライドさせる。ついで、図87に矢印A13、A14で示すように、切れ込み933Sの内奥端を支軸部932Jに掛止した状態で、該支軸部932Jの回りに左側接続金具933Lを180°回転させ、ついで矢印A15に示すように、支軸部932Jが切れ込み933Sの屈曲部に達するとともに左側接続金具933Lの鉤部933Hの先端が凹部932Rの後端から露出する位置にくるまで、左側接続金具933Lを後方にスライドさせる。これにより、図88に示すように、左側接続金具933Lの切れ込み933Sが支軸部932Jに引き続き掛止するとともに、当接片933Eが凹部932Rの内奥面に当接して支持され、該左側接続金具933Lが凹部932R内で上下動し得ない状態で保持される。この状態で、図88に示すように、留め部材936を左側接続金具933Lの鉤部933Hおよび凹部932Rの後端に矢印A16に示すように後方から嵌着する。このとき、留め部材936の嵌合部936Cを凹部932Rの後端に被せるように嵌合させながら、留め部材936の中央片936Mを、間に左側接続金具933Lの鉤部933Hを挟むようにして押し込み、半球状突起936Eを左側接続金具933Lの切れ込み933Sに弾性的に(スナップ式に)嵌合させるようにする。これにより、左側接続金具933Lが凹部932R内で前後方向にも移動しないように固定される。
ついで、図89に矢印A17で示すように、本体932Bの後側面に蓋体932Cを嵌着し、矢印A18で示すように破断ネジKにより封止してスペーサ932を完成し、この後、矢印A19で示すように左側接続金具933Lの差込片933Nを球集合板460の左側嵌装腔460Sに後方から挿入して、図90に示すようにスペーサ932を球集合板460に固定する。
図91は、取付状態におけるスペーサ932および球集合板460の左側面図、図92は、図91のE−E部矢視断面図、図93は、図92における左側係止部材934付近の拡大図、図94は、図92における右側係止部材935付近の拡大図である。
図93に示すように、左側係止部材934は、第1係止片934R、第2係止片934Mおよび第3係止片934Lの自由端側を後方(図93では下方)に、第3係止片934Lの外側面を球集合板460における左側嵌装腔460Sの左側面壁460Lに向けるようにして、該左側嵌装腔460S内に前側から挿入され、基端壁934Bが左側嵌装腔460Sの前側開口部を閉塞しながら球集合板460の前面と面一となった状態で固定される。左側嵌装腔460Sの左側面壁460Lには、左側係止部材934の外部係止突起934S(図93では図示せず)に対応する位置に係合孔(図示せず)が形成されており、該外部係止突起934Sがこの係合孔に弾性的に係合することにより、左側係止部材934が左側嵌装腔460Sから前方へ脱離しないように保持される。一方、左側嵌装腔460Sの右側面壁460Rの後側端近傍には、内側へ直角にやや延びてその先端で直角に折れて前方へやや延び、全体として断面鉤形状に延びる左側障壁460Mが形成されており、左側係止部材934における第1係止片934Rの自由端が該左側障壁460Mの内側に嵌入して内奥面に突き当たり、これにより左側係止部材934がこれ以上左側嵌装腔460Sの内奥側(後側)へ進入し得ないようになっている。また、該左側障壁460Mは、左側嵌装腔460Sの右側面壁460Rから、左側係止部材934における第2係止片934Mの側面(右側面)に達する位置まで延びており、該第2係止片934Mが左側障壁460Mの左側端面に沿って挿入されるようになっていて、またこのため、該左側障壁460Mの左前側端縁(図93では左上側端縁)の稜角部は角落ちして、第2係止片93
4Mが挿入されやすい形状となっている。
前述したように左側接続金具933Lの差込片933Nを球集合板460の左側嵌装腔460Sに後方から挿入すると、該差込片933Nは左側係止部材934における第2係止片934Mと第3係止片934Lとの間に進入し、該差込片933Nの先端が内奥面すなわち基端壁934Bの内側面に突き当たる位置までくると、該差込片933Nの係合孔933P内に第2係止片934Mの内部係止突起934Nが係合し、これにより該差込片933Nが脱離しないように保持され、スペーサ932が球集合板460に固定される。
上述のように差込片933Nが第2係止片934Mと第3係止片934Lとの間を進入していく途上で、該差込片933Nの先端が内部係止突起934Nの斜面に突き当たり、この斜面がカム面となって、内部係止突起934Nを側方(図93では右方)へ押しのけて第2係止片934Mを同方向へ撓むように弾性変形させながら、さらに引き続き該差込片933Nが内奥側へ進入していくが、このとき、第2係止片934Mの自由端部は差込片933Nと左側障壁460Mとの間に挟持された体勢となっており、他方、第2係止片934Mの基端部は本来的に基端壁934Bと一体となっているから、第2係止片934Mは、両端部が側方へ変形し得ないように保持された状態にあり、したがって中央部が側方(図93では右方)へ弓なりに膨出するように弾性変形することとなる。この後、差込片933Nの先端が内奥端(基端壁934Bの内側面)に達すると、これにともない係合孔933Pが内部係止突起934Nに対応する位置に達し、変形状態にあった第2係止片934Mが、内部係止突起934Nを係合孔933P内に陥入させながら、弾性により変形前の平板状態に復帰する。
また、差込片933Nが第2係止片934Mと第3係止片934Lとの間に挿入されると、第3係止片934Lは、左側嵌装腔460Sの左側面壁460Lと差込片933Nとの間に挟持されるため弾性変形が困難な状態となり、したがって外部係止突起934Sと係合孔との係合状態が解除され難くなって、左側係止部材934が左側嵌装腔460S内に確実に保持されることとなる。
上記取付状態においては、第2係止片934Mの自由端部が、上述の通り差込片933Nと左側障壁460Mとの間に挟持されて側方へ変形し得ないように保持されており、またこの状態では第2係止片934Mの自由端部と第1係止片934Rの自由端部との間に左側障壁460Mが入り込むようにしてこの部分を閉塞しているので、第2係止片934Mの中央部に形成された内部係止突起934Nは、外部からの操作が及び難い閉鎖空間内にあって差込片933Nの係合孔933Pに係合した状態に保持される。換言すれば、第2係止片934Mを自由端部側から変形させて内部係止突起934Nの係合状態を解除しようとしても、第2係止片934Mの自由端部は側方へ変形し得ないように保持されており、また、第2係止片934Mを中央部で変形させて内部係止突起934Nの係合状態を解除しようとしても、第2係止片934Mの中央部は閉鎖空間内にあって、例えば何らかの不正具をこじ入れて届かせることも困難となっており、したがって内部係止突起934Nが、外部からの操作を受けることなく係合孔933Pに係合した状態に確実に保持され、これにより、取付状態にある左側接続金具933Lが不正に取り外されることが防止されるようになっている。さらに、第2係止片934Mおよび左側障壁460Mよりも後方の位置では、左側接続金具933Lの閉止片933Cが延出し、左側嵌装腔460Sの右側面壁460Rの後側端に後方から当接してこの部分を閉塞しており、これにより、不正具等を内部に進入させることがさらに困難となっている。
また、第2係止片934Mが、両端部が側方へ変形し得ないように保持された状態で中央部が側方へ弓なりに膨出するように弾性変形するようになっているので、一方端部のみが保持された状態(即ち片持ち支持された状態)で弾性変形する場合よりも変形し難くて
強度が向上している。
また、上述の通り、第2係止片934Mの自由端部が、差込片933Nと左側障壁460Mとの間に挟持されて側方へ変形し得ないように保持され、これにより、第2係止片934Mを自由端部側から変形させて内部係止突起934Nの係合状態を解除することが困難となっているのであるが、第2係止片934Mの自由端部は差込片933Nないし左側障壁460Mに接合も固定もされているわけではなく、差込片933Nと左側障壁460Mとの間隔方向に直交する前後方向には移動可能な状態で保持されているので、これにより、内部係止突起934Nを係合孔933Pに係合させるのに必要な変形性が確保されるようになっている。即ち、第2係止片934Mの中央部が側方へ弓なりに膨出するように弾性変形するのにともなって、該第2係止片934Mの両側が中央部へ僅かなりとも引き寄せられるが、このとき、第2係止片934Mの基端部側は基端壁934Bと一体となっていて中央部へは引き寄せられ得ないので、上記のように自由端部側で前後方向に移動可能に保持されている(即ち遊動可能に保持されている)ことで、中央部で弾性変形する際に中央部へ引き寄せられることが可能となって変形性が確保されるようになっているのである。
図94に示すように、右側係止部材935は、上記左側係止部材934の場合と基本的に同様にして、右側嵌装腔460T内に前側から挿入され固定されるが、右側嵌装腔460Tの右側面壁460Dには、前後方向中央よりやや前寄りの位置に、内側へ直角に延びる右側障壁460Nが形成されており、右側係止部材935における第1係止片935Rの自由端が該右側障壁460Nに突き当たり、これにより右側係止部材935がこれ以上右側嵌装腔460Tの内奥側(後側)へ進入し得ないようになっている。また、右側係止部材935における第2係止片935Mには前述の通り内部係止突起935Nが自由端近傍に形成されており、右側接続金具933Rの係合孔933Fも該内部係止突起935Nに対応するやや後寄りの位置に穿設されている。このとき、内部係止突起935Nが第2係止片935Mの自由端近傍にあって係合孔933Fに係合するようになっていることから、本来は係合状態を比較的に容易に解除し得るところであるが、ここでは、右側障壁460Nが第2係止片935Mの側面(右側面)に達する位置まで延びており、これにより、第2係止片935Mが側方(右方)へ撓むように変形しようとしても、その中央よりやや前寄りの位置で右側障壁460Nの延出端に当接するため、第2係止片935Mの変形がそのぶん抑制されて内部係止突起935Nと係合孔933Fとの係合状態が容易に解除し得ないようになっている。また、この右側嵌装腔460Tにおいては、前記左側嵌装腔460Sの場合と同様に、右側接続金具933Rの閉止片933Tで閉塞されることにより、不正具等を内部に進入させ難いようになっている。
以上のようにして、スペーサ932が球集合板460に取り付けられるが、このスペーサ932の取付は、図95および図96に示すように、第1制御基板ボックス201Aをヒンジ部材90で回動させて開き戸式に開放した体勢に仮保持した状態で行うようにする。スペーサ932の取付後は、図97ないし図100に示すように、第1制御基板ボックス201Aをヒンジ部材90で閉じる方向に回動させ、スペーサ932における蓋体932Cの上側片932Hと下側片932Lとの間に後側から嵌合させ、係合片932Nを係合させるようにして固定する。
例えば、パチンコ機10を作製し、ホールに設置して稼動を開始した後に、第1の始動入賞装置33の裏側のセンサ、大入賞口61開閉用のソレノイド(図示せず)等の部品が故障してこれを交換するような場合には、図101ないし図109に示すようにして、第1制御基板ボックス201Aおよびスペーサ932を開放し、球集合板460から引き離して部品交換を行うようにする。以下、第1制御基板ボックス201Aおよびスペーサ932の開放手順を順次説明する。
まず、図101に示す、第1制御基板ボックス201Aおよびスペーサ932を閉じた状態から、図102に示すように、第1制御基板ボックス201Aを開放する。第1制御基板ボックス201Aは、前述したように、ヒンジ部材90で回動させ、開き戸式に開放して開放体勢に仮保持するようにする。
ついで、図102および図103(a)に矢印A21で示すように、スペーサ932を球集合板460から離隔させるように後方へ引き出し、図104および図105に示すように後方の移動限界まで移動させる。このとき、図103および図105に示すように、スペーサ932における本体932Bの支軸部932Jを、左側接続金具933Lの切れ込み933Sに沿って後方へスライドさせるようにする。また、左側接続金具933Lの切れ込み933Sには留め部材936が弾性的に(スナップ式に)嵌合しているが、上述のようにスペーサ932を後方へ引き出すのにともない、該留め部材936は左側接続金具933Lの切れ込み933Sから後方へ離脱する。
ついで、図104および図105(a)に矢印A22で、図106および図107(a)に矢印A23で順次示すように、支軸部932Jを回転軸としてスペーサ932を前方へ倒すように回転させ、図108および図109に示すように左側接続金具933Lにおける切れ込み933Sの内奥端に支軸部932Jで支持されて垂下した体勢とする。
以上により、球集合板460の後側が開放されて部品交換等の作業を行うことができる。作業後は、上記と逆の手順を踏んで、図101に示す、第1制御基板ボックス201Aおよびスペーサ932を閉じた状態に戻すようにする。
上記構造においては、図105に示すように、スペーサ932が、留め部材936を離脱させながら後方へ引き出した後は、支軸部932Jで左側接続金具933Lの切れ込み933Sに軸支されて回転自在な体勢となるが、該支軸部932Jはスペーサ932の下端部における前後方向中央よりやや後方寄りの位置に形成されているので、そのままではスペーサ932が自重により前方の球集合板460に寄りかかるようにして支承されることとなり、これを後方へ倒すように回転させるには上部を後方へ引っ張る操作が必要となる。したがって、このような操作なしにスペーサ932がひとりでに自重により落下するように後方へ回転することによってスペーサ932自体ないし周囲の部材が不測の衝撃を受けるといった事態を回避することができる。
また、図103および図105に示すように、スペーサ932が左側接続金具933Lにおける切れ込み933Sの前後方向長さ(奥行)のぶん後方へスライド移動してから回転する構造となっているので、回転動作の途上で干渉することのないよう球集合板460との間に十分な間隔を確保してからスペーサ932を回転させることができ、また取付位置では逆に球集合板460との間にできるだけ隙間ができないように近接させて取り付けることができるようになっている。したがって、スペーサ932を支障なくスムーズに回転させることができるとともに、取付状態で隙間が形成されてこれを不正行為に利用されたり無駄なスペースが生じたりするといった事態を回避することができる。
また、第1制御基板ボックス201Aが、スペーサ932からは独立してヒンジ部材90により回動可能に支持され、該第1制御基板ボックス201Aを回動させて開き戸式に開放した体勢に仮保持した状態でスペーサ932の開閉動作(前後方向の出し入れおよび上下の回転の動作)を行うようになっているので、前方の球集合板460に近接する取付位置にスペーサ932が正しく配置されていないと第1制御基板ボックス201Aを閉じることができないようになっており、したがって、誤ってスペーサ932と球集合板460との間に隙間が形成されたままの状態とされてこの隙間を不正行為に利用されたり、ス
ペーサ932が誤った後方の位置に配置される取付ミスとなったりするといった事態を回避することができる。ここで例えば仮に、制御基板ボックスが独立して支持されることなくスペーサに直接的に固定されて該スペーサとともに前後に移動するような構造であったとすると、スペーサが取付位置に正しく配置されていなくてもそのまま見過ごされることともなりやすいが、これに対し本パチンコ機10の構成では、第1制御基板ボックス201Aを閉じることができるか否かによって、スペーサ932が取付位置に正しく配置されていない場合にこの誤りが見過ごされることなく確実に認識されるということとなる。
(作用)
上述の通り、パチンコ機10においては、制御基板を内部に収容する第1制御基板ボックス201Aが、係合機構を介してパチンコ機10の裏面側に連結固定され、上記第1制御基板ボックス201Aは、制御基板の表面側を覆う表面側被覆領域を形成するボックスカバー71と、制御基板の裏面側を覆う裏面側被覆領域を形成するボックスベース72とを有し、上記係合機構は、係合部である係合孔926が形成された挿入片923を有する第1機構部すなわちヒンジ部材90と、上記挿入片923を受容して上記係合孔926を内部の係合片868Eで係合させ得る挿入口86Sを有する第2機構部すなわち連結封止部86とで構成され、上記パチンコ機10の裏面側に第1機構部であるヒンジ部材90が設けられ、上記第1制御基板ボックス201A側に第2機構部である連結封止部86が設けられた構成において、上記第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86が、該第1制御基板ボックス201Aの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けられている構成となっているので、第1制御基板ボックス201A内に収容された制御基板を表側ないし裏側から視た場合に連結封止部86が邪魔になることがなく、したがって制御基板の視認性が良好に維持され、内部状況の確認に支障をきたすようなこともない。また、第1制御基板ボックス201Aにおける表面側被覆領域ないし裏面側被覆領域の前後のスペースを連結封止部86が占有することがなく、したがってそのぶん第1制御基板ボックス201A周辺のスペースが確保されている。
また、第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86の前後方向の厚さが、第1制御基板ボックス201Aの前後方向の厚さより小となっていて、前記第1制御基板ボックス201Aより前方にも後方にも突出することなく設けられているので、第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86が第1制御基板ボックス201Aの厚さの範囲内に納まっており、したがって遊技盤30の裏側における前後方向のスペースがより無駄なく有効に利用されるようになっている。
また、遊技盤30側に第1機構部であるヒンジ部材90が設けられ、前記第1制御基板ボックス201A側に第2機構部である連結封止部86が設けられている。第2機構部である連結封止部86は、第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923を受容する部位であるため、そのぶん必然的に該挿入片923よりも大きく構成されており、したがって上記パチンコ機10のように第1制御基板ボックス201A側に連結封止部86が設けられていると、視認性の面でも占有スペースの面でも影響がより大きいので、これを第1制御基板ボックス201Aの前面部にも後面部にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けるようにした効果がより有効に発揮されている。
また、第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に、該第1制御基板ボックス201Aを封印するための封印部すなわち金具挿通部78F、78S、破断ネジ挿通部84Fおよび矩形状突起部851が設けられ、第1制御基板ボックス201A側に設けられた第2機構部である連結封止部86が、上記3箇所の封印部のいずれの前面部にも後面部にも重ならない位置に設けられているので、該封印部の視認性も第2機構部である連結封止部86によって阻害されることがなく、該封印部の状況を確認するのに支障をきたすようなこ
ともない。
また、上記封印部の前後においても、第2機構部である連結封止部86がスペースを占有することがないため、そのぶん該封印部における前後方向のスペースが確保されている。
また、第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923に所定の凹凸部928が形成され、第2機構部である連結封止部86の挿入口86S内に、上記挿入片923の凹凸部928と嵌合し得る凹凸部が形成されている。本実施形態のパチンコ機10は、同一部品から構成される同一構成の機種であって当選確率のみを互いに異なるように設定した複数種の製品、即ち仕様の異なる製品に製造され、当該パチンコ機10の前面部に、遊技者に視認されるように当該パチンコ機10の当選確率が表示されるようになっている(図示せず)。このため、この所定の当選確率が表示された製品に、当該当選確率に設定された主制御基板を収容した(即ち対応する仕様の)第1制御基板ボックス201Aが正しく取り付けられている必要があるが、異なる当選確率に設定された(即ち仕様の異なる)主制御基板同士であっても同一部品から構成されているため、当該主制御基板がいずれの当選確率に設定されたものであるのか見分けがつき難い。したがって、所定の当選確率が表示された遊技機に、当該当選確率とは異なる当選確率に設定された主制御基板を収容した第1制御基板ボックス201Aが誤って取り付けられてしまう不良(誤組付)が生じやすい。そこで、上記パチンコ機10においては、所定の当選確率が表示された製品の遊技盤30側に設けられる第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923の凹凸部928と、当該当選確率に設定された主制御基板の第1制御基板ボックス201A側に設けられる第2機構部である連結封止部86の挿入口86S内の凹凸部とが互いに嵌合し得るように形成され、これとは異なる当選確率に設定された製品においては凹凸部の形状、位置、数等が変えられており、所定の当選確率が表示された製品には当該当選確率に設定された主制御基板を収容した第1制御基板ボックス201Aしか取り付けられないようになっていて、これにより誤組付が効果的に防止されるようになっている。
また、第1機構部と第2機構部とを互いに係合させた状態にあるとき、例えば第2機構部の挿入口内に針金等の不正具を進入させて第1機構部の係合部ないし第2機構部の係合部を動かすようにすると、この係合状態が解除されて第1制御基板ボックス201Aが不正に取り外されることとなる場合があるが、これに対し上記パチンコ機10においては、第1機構部であるヒンジ部材90における挿入片923の2個所に係合部として係合孔926がそれぞれ形成され、第2機構部である連結封止部86の挿入口86S内に、上記挿入片923の2個所の係合孔926とそれぞれ係合し得る係合部として2箇所に係合片868Eが形成された構成、即ち、第1機構部および第2機構部のそれぞれにおける複数個所(2箇所)に係合部が設けられ、これにより互いに係合し合う係合部が複数組(2組)設けられた構成となっているので、第1機構部(ヒンジ部材90)と第2機構部(連結封止部86)との係合を解除するには複数箇所(2箇所)における係合状態を同時に解除することが必要となり、したがって第1制御基板ボックス201Aの不正な取り外しがより困難となっている。
また、上記第1機構部の係合部である係合孔926および第2機構部の係合部である係合片868Eよりなる2組の間を仕切る仕切部として仕切リブ863が設けられているので、上記係合孔926と係合片868Eとがそれぞれ係合した2箇所の間が仕切リブ863によって互いに隔絶されており、したがって2箇所における係合状態を同時に解除することがより困難となって第1制御基板ボックス201Aの不正な取り外しがより困難となっている。
また、第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923が第2機構部である連結封止部86の挿入口86Sに挿入された状態で該挿入口86Sの少なくとも一部を覆う遮蔽部と
して中間片922がヒンジ部材90に設けられているので、例えば上記挿入口86S内に針金等の不正具を進入させることが、遮蔽部である中間片922が障害となって困難となっており、したがって第1制御基板ボックス201Aの不正な取り外しがより困難となっている。
また、上記挿入片923が金属板を成形してなるものであり、第2機構部である連結封止部86の挿入口86Sに挿入された状態で該挿入口86Sより外側に露出した部分を一方に折り曲げることにより上記遮蔽部である中間片922が形成されているので、折曲加工により容易に遮蔽部である中間片922が挿入片923と一体的に形成されている。
また、パチンコ機10においては、制御基板を内部に収容する第1制御基板ボックス201Aが、所定の軸すなわち回動軸93を中心として回動し得るヒンジ部材90を介して開閉可能に連結固定された構成において、上記ヒンジ部材90が、該ヒンジ部材90を回動範囲内における所定の角度位置すなわち取付位置、収納位置ないし開位置に保持し得る仮保持機構を備える構成としたので、パチンコ機10の保管、搬送、組立、点検等の際にヒンジ部材90を仮保持機構により所定の角度位置に保持しておくことにより、ヒンジ部材90の不要な回動を抑制することができる。
また、上記仮保持機構が、ヒンジ部材90を第1制御基板ボックス201Aが取り付けられる取付位置に保持し得るものとなっているので、第1制御基板ボックス201Aの取付時に、ヒンジ部材90を取付位置に保持して動かないようにしておくことにより、第1制御基板ボックス201Aを容易かつ確実に取り付けることができ、ヒンジ部材90が動いて取付作業が煩瑣となるといった難点もなく作業性が良好となっている。
特に、例えば基板ボックスが前面ないし後面に沿った方向(例えば左右方向)にスライドさせるようにしてヒンジ部材等に取り付けられる場合には、該ヒンジ部材等の位置を視認しながら基板ボックスを取り付けることもあまり困難とはならないのに対し、本実施形態のパチンコ機10では第1制御基板ボックス201Aが前面ないし後面に垂直な方向(即ち後方向)からヒンジ部材90に取り付けられるようになっているので、該第1制御基板ボックス201A自体により視界が遮られてヒンジ部材90の位置が視認しづらくなり、ヒンジ部材90が動いたりすると取付作業が煩瑣となりやすい。このため、上述のようにヒンジ部材90を取付位置に保持することが作業性を良好とする上で特に有効となっている。
換言すれば、本実施形態のパチンコ機10では、前述の通り第1制御基板ボックス201A内の視認性を良好に維持するとともに第1制御基板ボックス201Aの前後のスペースを確保するために、連結封止部86が、該第1制御基板ボックス201Aの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けられ、これにともない第1制御基板ボックス201Aが後方向からヒンジ部材90に取り付けられることとなって、取付作業が煩瑣となりやすく、このためヒンジ部材90を取付位置に保持する構成が特に有効な配置構成となっているともいうことができる。
また、上記仮保持機構が、ヒンジ部材90を折り畳んだ収納位置に保持し得るものとなっているので、例えば第1制御基板ボックス201Aを取り付ける前の搬送時や保管時に、ヒンジ部材90を収納位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材90を、搬送作業の邪魔になったり、搬送や保管の際に起立して納まりの悪い体勢となったりすることなく、整然と収納した体勢としておくことができる。
またこの場合、仮保持機構は、前記取付位置の場合における機構を用いてヒンジ部材90を収納位置に保持し得るようになっているので、そのぶん構成が簡略となっている。即ち、ヒンジ部材90を収納位置に保持するには、例えば、球集合板に適宜な係合部を設け
、ヒンジ部材90の先端部をこの係合部に係合させることにより収納位置に保持する機構とすることも考えられるが、本実施形態のパチンコ機10では、このような係合部を設けなくともヒンジ部材90を収納位置に保持することができ、そのぶん球集合板460等に付加的な仮保持構造を追加することも不要となっている。
また、上記仮保持機構が、ヒンジ部材90を第1制御基板ボックス201Aを開いた開位置に保持し得るものとなっているので、第1制御基板ボックス201Aの点検のために該第1制御基板ボックス201Aを開いた時に、ヒンジ部材90を開位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材90が動いて点検作業の邪魔になるといった難点もなく作業性が良好となっている。
また、ヒンジ部材90が、板状片同士すなわち可動部92における上部軸支片924Tおよび下部軸支片924Bと固定部91における上下の腕金片911T、911Bとをそれぞれ重合し回動軸93を挿通して枢着することにより構成され、上記仮保持機構が、上記板状片すなわち可動部92および固定部91のうちの一方である可動部92を他方である固定部91にむけて付勢手段であるコイルバネ931により付勢するとともに、上記双方の板状片すなわち可動部92および固定部91に、互いに係合し合う係止機構を設けることにより構成されているので、多数の部品を要することもなく簡潔な構成により効果的に機能し得るヒンジ部材90および仮保持機構となっている。
また、上記係止機構が、一方の板状片である可動部92の下部軸支片924Bに、他方の板状片である固定部91の(下方の)腕金片911Bにむけて突出して該腕金片911Bの辺縁部に係合する右側係止突起925Rおよび左側係止突起925Lを設けることにより構成されているので、一方の板状片である可動部92の下部軸支片924Bに設けた右側係止突起925Rおよび左側係止突起925Lを係合させる対象として他方の板状片である固定部91の腕金片911Bの辺縁部を利用できるため、そのぶんより簡略な係止機構となっている。
また、上記パチンコ機10は、取付対象部材である左側接続金具933Lと、該左側接続金具933Lが取り付けられる被取付部材、即ち左側係止部材934と組み合わされて構成された複合部材である球集合板460とを備え、上記球集合板460が、上記左側接続金具933Lの一部である差込片933Nを挿入口から内部へ導入して受容し得る挿入凹部すなわち左側嵌装腔460Sと、上記左側嵌装腔460Sの内奥側(前側)で左側係止部材934の基端壁934Bと一体となっていることによって一端部を支持されながら挿入口側へ延び、上記左側嵌装腔460S内へ導入された上記左側接続金具933Lの所定部位すなわち係合孔933Pに係合して該左側接続金具933Lの抜け出しを規制する係合部である内部係止突起934Nが上記一端部と上記挿入口との間である中間部に形成された弾性片すなわち左側係止部材934の第2係止片934Mを備え、上記左側接続金具933Lを上記左側嵌装腔460S内へ導入すると、上記第2係止片934Mの挿入口側端部すなわち自由端部が差込片933Nと左側障壁460Mとの間に挟持されて弾性変形し得ないように支持されるとともに、上記左側嵌装腔460Sの挿入口が閉塞され、上記第2係止片934Mが、両端部の間で弾性変形して内部係止突起934Nが上記左側接続金具933Lの係合孔933Pに弾性的に係合することにより、上記左側接続金具933Lが球集合板460に取り付けられる構成となっている。
上記構成においては、左側接続金具933Lを左側係止部材934の左側嵌装腔460S内へ導入するだけで、第2係止片934Mの内部係止突起934Nが左側接続金具933Lの係合孔933Pに弾性的に係合して該左側接続金具933Lの抜け出しが規制されるようになっており、したがって左側接続金具933Lが球集合板460に容易に取り付けられるようになっている。このとき、第2係止片934Mは、左側嵌装腔460Sの内
奥側端部だけでなく挿入口側端部(自由端部)においても、即ち両端部において弾性変形し得ないように支持されるとともに、上記左側嵌装腔460Sの挿入口が閉塞されるようになっているので、例えば外部から器具等を挿入凹部内に進入させ、係合状態にある第2係止片934Mを変形させて係合状態を解除するといったことは困難となっており、したがって左側接続金具933Lを球集合板460から不正に取り外されることが効果的に防止されるようになっている。
またこのとき、第2係止片934Mが両端部において弾性変形し得ないように支持されることにより、一方端部のみで支持(即ち片持ち支持)される場合に比して、第2係止片934Mがより確実かつ安定に支持されて強度も向上しているとともに、内部係止突起934Nが左側接続金具933Lに強固に係合して係合状態がより確実かつ安定に保持されるようになっている。
また、第2係止片934Mの自由端部が、中間部にむけて引き寄せられ得るように遊動可能に支持されており、これにより中間部における変形性が確保されるようになっている。
また、左側接続金具933Lに、第2係止片934Mの自由端部が位置するスペースを外側から閉塞する閉止片933Cが形成されており、これにより、不正具等を内部に進入させることがさらに困難となっている。また、該閉止片933Cは、左側接続金具933Lが挿入される方向に対して直交する面状に形成されているので、取付作業時に指、工具等で押圧して挿入方向に力を加えることが可能な操作片ともなっている。
また、球集合板460が、挿入凹部である左側嵌装腔460S内に別の部材である左側係止部材934を嵌入するようにして構成された複合部材となっており、該左側係止部材934に弾性片である第2係止片934Mが形成されているので、係合部である内部係止突起934Nを含む第2係止片934Mが形成された左側係止部材934を別個に作製することができるため、例えば単一の部材よりなる球集合板に弾性片を一体的に成形する場合に比して、弾性片すなわち第2係止片934Mの形成が容易となっている。
また、左側係止部材934および左側嵌装腔460Sに、互いに係合し得る係合構造として外部係止突起934Sおよび係合孔がそれぞれ設けられ、上記左側係止部材934が、外部係止突起934Sおよび係合孔で互いに係合することにより左側嵌装腔460S内に固定されるようになっているので、左側係止部材934を左側嵌装腔460S内に嵌入するだけでワンタッチ式に容易に固定することができるようになっている。
また、左側係止部材934に、第2係止片934Mと対向配置されて該第2係止片934Mとの間に左側接続金具933Lの差込片933Nを導入して受容し得るとともに、左側嵌装腔460Sの係合孔に弾性的に係合し得る外部係止突起934Sを備える別の弾性片すなわち第3係止片934Lが設けられているので、差込片933Nが第2係止片934Mと第3係止片934Lとの間に挿入されると、第3係止片934Lは、左側嵌装腔460Sの左側面壁460Lと差込片933Nとの間に挟持されるため弾性変形し得ない状態となり、したがって外部係止突起934Sと係合孔との係合状態が解除し得なくなって、左側係止部材934が左側嵌装腔460S内に確実に保持されるようになっている。
また、球集合板460が透明樹脂よりなり、左側係止部材934が特定色に着色されているので、左側接続金具933Lの取付位置が視認しやすく操作性が良好となっている。
また、上記パチンコ機10は、制御基板を内部に収容する第1制御基板ボックス201Aが、間にスペーサ932を介装するようにしてパチンコ機10の裏面側に連結固定され
、上記スペーサ932が、前後方向に移動し得るようにパチンコ機10の裏面側に支持され、上記第1制御基板ボックス201Aが、上記スペーサ932からは独立してパチンコ機10の裏面側に回動可能に支持され、該第1制御基板ボックス201Aを回動させて開放した状態でスペーサ932が前後方向に移動し得るようになっているので、前方の取付位置にスペーサ932が正しく配置されていないと第1制御基板ボックス201Aを閉じることができず、したがって、誤ってスペーサ932とパチンコ機10の裏面(球集合板460)との間に隙間が形成されたままの状態とされてこの隙間を不正行為に利用されたり、スペーサ932が誤った後方の位置に配置される取付ミスとなったりするといった事態が回避されるようになっている。ここで例えば仮に、制御基板ボックスが独立して支持されることなくスペーサに直接的に固定されて該スペーサとともに前後に移動するような構造であったとすると、スペーサが取付位置に正しく配置されていなくてもそのまま見過ごされることともなりやすいが、これに対し本パチンコ機10の構成では、第1制御基板ボックス201Aを閉じることができるか否かによって、スペーサ932が取付位置に正しく配置されていない場合にこの誤りが見過ごされることなく確実に認識されるということとなる。
また、スペーサ932が、後方に移動した状態で回転可能に支持されているので、回転動作の途上で干渉することのないようパチンコ機10の裏面(球集合板460)との間に十分な間隔を確保してからスペーサ932を回転させて開放することができ、また取付位置では逆にパチンコ機10の裏面(球集合板460)との間にできるだけ隙間ができないように近接させて取り付けられるようになっている。したがって、スペーサ932を支障なくスムーズに回転させることができるとともに、取付状態で隙間が形成されてこれを不正行為に利用されたり無駄なスペースが生じたりするといった事態が回避されるようになっている。
また、スペーサ932が、重心よりも後下方である、下端部における前後方向中央よりやや後方寄りに形成された支軸部932Jに軸支されることにより、遊技盤30に平行な水平軸まわりに回転可能に支持されているので、後方に移動した状態においては、そのままではスペーサ932が自重により前方のパチンコ機10の裏面(球集合板460)に寄りかかるようにして支承されることとなり、これを後方へ倒すように回転させるには上部を後方へ引っ張る操作が必要となっている。したがって、スペーサ932が自重により落下するように後方へ回転することによってスペーサ932自体ないし周囲の部材が不測の衝撃を受けるといった事態が回避されるようになっている。
(変更態様)
上記パチンコ機10には、例えば以下に列挙するように様々な変更を加えることが可能である。
(1)前記実施形態においては、遊技盤30側に第1機構部であるヒンジ部材90が設けられ、第1制御基板ボックス201A側に第2機構部である連結封止部86が設けられていたが、これとは逆に、遊技盤側に第2機構部を設け、基板ボックス側に第1機構部を設けるようにしてもよい。例えば、基板ボックスに、遊技盤側へむけて突出するとともに係合部が形成された挿入片を設け、遊技盤の裏面に固定された球集合板に、該挿入片を受容してその係合部を内部で係合させ得る挿入口を形成するようにした構成等が挙げられる。
ただし、前述の通り、第2機構部は、第1機構部の挿入片を受容する部位であるため、そのぶん第1機構部よりも大きく構成されざるを得ず、したがって基板ボックス側に第2機構部を設けたほうが、視認性の面でも占有スペースの面でも影響がより大きいので、これを基板ボックスの前面部にも後面部にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けるようにした本発明の効果がより有効に発揮されることとなる。
(2)前記実施形態においては、第2機構部である連結封止部86が、第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図34ないし図38上の左側端縁部)に固定されるようになっているが、このように該第2機構部を基板ボックスの周縁に直接的に固定する以外にも、例えば、適宜な架設部材を介して、基板ボックスの周縁から離隔した周囲に設けるようにしてもよい。あるいはこの場合、基板ボックスと第2機構部との間に介在する架設部材も、該基板ボックスまたは第2機構部のいずれかの一部を構成するものとみなすこともできる。
また、第2機構部を基板ボックスの周縁部に一体的に形成するようにしてもよい。ただし、第2機構部は、内部に係合部が形成されることから、前記実施形態におけるように基板ボックスとは別に組み立てるほうが構成しやすい。
(3)前記実施形態においては、第1機構部であるヒンジ部材90の係合部として係合孔926が、第2機構部である連結封止部86の係合部として係合片868Eがそれぞれ設けられていたが、これとは逆に、第1機構部に係合片を、第2機構部に係合孔をそれぞれ設けるようにしてもよい。また、第1機構部および第2機構部のそれぞれの係合部としては、上記のような係合片および係合孔以外にも、互いに係合し得るものであれば任意のものを用いることができる。
(4)前記実施形態においては、ヒンジ部材90が、該ヒンジ部材90を回動範囲内における取付位置、収納位置ないし開位置の3通りの位置に保持し得る仮保持機構を備えるものとなっていたが、仮保持機構としては、ヒンジ部材90を上記3通りの位置に保持し得るものに限定されるものではなく、回動範囲内における少なくとも1つの位置に保持し得るものであればよい。特に、上記3通りの位置のなかでも取付位置が最も重要であり、ついで開位置および収納位置がこの順に重要であるので、仮保持機構はヒンジ部材90を少なくとも取付位置に保持し得、望ましくは開位置にもあわせて保持し得、さらに望ましくは収納位置にもあわせて保持し得るように構成することが好ましい。ヒンジ部材90を1つの位置に保持し得るものとする場合、例えば、ヒンジ部材において互いに重合される一組の片のうちの一方片に係止突起を設け、この係止突起に係合し得る係合穴を他方片に設けるようにすることにより仮保持機構を構成することができる。ただし、前記実施形態においては、前述の通り下部軸支片924Bの左側係止突起925Lおよび右側係止突起925Rが腕金片911Bを両側から挟持するようにして係合する構成となっており、この構成によれば、該腕金片911Bの両側端縁を利用してきわめて簡潔な構成によってヒンジ部材90を3通りの位置に保持し得る仮保持機構を構成することができる。
(5)前記実施形態においては、ヒンジ部材90の可動部92が固定部91にむけて付勢手段であるコイルバネ931により付勢されるようになっていたが、例えばコイルバネ931にかえて、ウェーブワッシャと称される弾性を有するワッシャを付勢手段として用い、これにより簡略な構成の仮保持機構とするようにしてもよい。このように付勢手段としてウェーブワッシャを用いて前記実施形態の構成を一部変更するとすれば、例えば、ヒンジ部材90の可動部92における上部軸支片924Tおよび下部軸支片924Bを、固定部91における上下の腕金片911T、911Bに回動軸93ではなくリベットにより上下それぞれにおいて枢着し、上部軸支片924Tと上方の腕金片911Tとの間にウェーブワッシャを介装するようにすればよい(図示せず)。なおこのとき、上部軸支片924Tと上方の腕金片911Tとは、前記実施形態の場合とは逆に、上部軸支片924Tが下側、腕金片911Tが上側にくるように重合し、これらの間にウェーブワッシャを介装することにより、可動部92を固定部91にむけて付勢するようにすることができる。
(6)前記実施形態は、A)第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86が、該第1制御基板ボックス201Aの前面部にも後面部にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けられている構成、ならびにB)ヒンジ部材9
0が、該ヒンジ部材90を回動範囲内における所定の角度位置すなわち取付位置、収納位置ないし開位置に保持し得る仮保持機構を備える構成、のいずれをも備えるものとなっていたが、上記A)、B)のうちの一方の構成のみを備えるものとしてもよい。上記A)の構成のみを備えるものとする場合、仮保持機構を備えないヒンジ部材を用いてもよいが、さらには例えば、ヒンジ部材を用いることなく(即ち回動による開閉機構を省略して)、遊技盤側に第1機構部または第2機構部を設け、基板ボックス側に第2機構部または第1機構部を設けるようにしてもよい。上記B)の構成のみを備えるものとする場合、基板ボックス側に設けられる第2機構部または第1機構部の位置は問わず、基板ボックスにおける任意の位置に設けるようにしてもよいが、さらには、ヒンジ部材と基板ボックスとの取付構造も任意のものでよく、例えばヒンジ部材を基板ボックスに破断ネジ等により直接的に固定するようにしてもよい。さらにはまた、例えばヒンジ部材を遊技盤側でなく基板ボックス側に設けておくようにしてもよい。
(7)前記実施形態においては、主制御基板を収容する第1制御基板ボックス201Aについて説明したが、第1制御基板ボックス201Aと同様の構成ならびにその取付構造は、主制御基板以外にも、表示制御基板、サブ制御基板、払出制御基板、電源基板、発射制御基板等の各種の制御基板を収容する基板ボックスに適用することができる。
(8)前記実施形態においては、図93に示すように、左側係止部材934における第2係止片934Mの自由端部が、左側接続金具933Lの差込片933Nと左側嵌装腔460Sの左側障壁460Mとの間に挟持されるようになっていたが、例えば図110に示す左側係止部材937のように、第2係止片937Mが、前後に長く延びる矩形状の断面形状を有して上下に筒状に延びる形状、換言すれば前記実施形態の左側係止部材934における第2係止片934Mの自由端と第1係止片934Rの自由端とが断面コ字形状に連続して一体化したものに相当する形状をなし、左側係止部材937全体として底面視略e字形状(または平面視略9字形状)となるようにしてもよい。この構成においては、第2係止片937Mの断面コ字形状の自由端部(挿入口側端部)自体が、左側接続金具933Lの差込片933Nと、球集合板938における左側嵌装腔938Sの右側面壁938Rとの間に隙間なく納まり、これにより、第2係止片937Mの自由端部が側方へ変形し難いように保持されるとともに、第2係止片937Mの自由端部自体が断面コ字形状に閉塞していることで外部から中央部付近への進入が困難となっている。また、この構成においては、左側嵌装腔938Sの右側面壁938Rの後側端部が断面鉤形状となるように内側へ直角にやや延びて左側掛止壁938Mが形成されており、左側係止部材937における第2係止片937Mの自由端が該左側掛止壁938Mの内側面(前側面)に突き当たり、これにより左側係止部材937がこれ以上左側嵌装腔938Sの内奥側(後側)へ進入し得ないようになっているとともに、左側接続金具933Lの閉止片933Cが左側掛止壁938Mの外側面(後側面)に後方から当接してこの部分をさらに閉塞するようになっている。
前記実施形態においては、第2係止片934Mの自由端部が側方へ変形し得ないように保持する機能ならびに第2係止片934Mの自由端部付近の空間を閉塞する機能を左側障壁460Mが有していたのに対し、本変更態様においてはこれらの機能を第2係止片937Mの自由端部自体が有する構成となっており、この構成によっても前記実施形態の場合と基本的に同様の効果が得られる。ただし、本変更態様の場合、第2係止片937Mの断面コ字形状の自由端部が、取付作業等の際に場合によっては大きな応力を受けて破断する可能性があり、この場合、第2係止片937Mが自由端部で側方へ変形することが可能となって、左側接続金具933Lにおける差込片933Nの係合孔933Pへの内部係止突起937Nの係合が解除されてしまう惧れが出てくる。これに対し、前記実施形態においては、第2係止片934Mの自由端部が別部材である左側障壁460Mに当接しているのみであるため、大きな応力を受けても破断する可能性は殆どなく、したがって側方への変
形が困難な状態を保持することができる。
(9)前記実施形態におけるように第2係止片934Mと左側障壁460Mとを別部材とする構成の場合、例えば図111に示す左側係止部材939の左側嵌装腔940Sへの取付構造のように、左側障壁940Mの少なくとも一部が第2係止片939Mの自由端部に掛止し得るようにしてもよい。同図に示す例では、第2係止片939Mの自由端部における右後端部が断面矩形状に切欠かれて掛合段部939Sが形成され、左側障壁940Mの左側端面に、上記掛合段部939Sに対応する断面矩形状の掛止突起940Pが形成されて、該掛止突起940Pが掛合段部939S内に嵌入して掛止するようになっている。この構成によれば、仮に第2係止片939Mの自由端部に何らかの原因により破断が生じたとしても、掛合段部939Sが掛止突起940Pに掛止していることによってこの位置から脱離せずに保持され、これにより、外部からの進入が困難な閉塞状態が保持される。
(10)前記実施形態においては、前述の通り、第2係止片934Mの自由端部が、左側接続金具933Lの差込片933Nないし左側障壁460Mに接合も固定もされておらず、差込片933Nと左側障壁460Mとの間隔方向に直交する前後方向には移動(遊動)可能な状態で保持されていて、これにより、中央部が側方へ弓なりに弾性変形する際に中央部へ引き寄せられることが可能となって変形性が確保されるようになっているのであるが、例えば図112に示す左側係止部材941の左側嵌装腔942Sへの取付構造のように、第2係止片941Mの自由端部が回転可能に支持されるようにしてもよい。同図に示す例では、第2係止片941Mにおける自由端部の左後の稜角部が断面円弧状に丸く角落ちした形状となっているとともに、左側障壁942Mの左側端面が断面円弧状に湾曲する曲面となっており、この曲面(周面)上で第2係止片941Mの右側面が線的に当接して支持されるようになっている。この構成によれば、第2係止片941Mの中央部が側方へ弓なりに弾性変形する際に自由端部が中央部側へ引き寄せられることが可能となっているのに加えて、図中に矢印A31で示すように、第2係止片941Mが左側障壁942Mの左側端面に沿って回転することができるので、より容易に弾性変形することができ、また、弾性変形しても自由端部には応力がかかり難いため、この部分での破損も生じ難くなっている。
(11)前記実施形態においては、左側係止部材934の第2係止片934Mの全体が弾性片となっていたが、例えば図113に示すように、第2係止片943Mに部分的に弾性片943Eを形成するようにしてもよい。同図に示す例では、左側係止部材943の第2係止片943Mにおいて、上端縁および下端縁に沿って内側に平行にそれぞれ前後方向に延びて後端で略C字状に連続し、全体として概略横長のC字状(または概略時計回りに90°回転させたU字状)の切れ込み943Cを入れることにより、内部係止突起943Nを備える弾性片943Eが内側に、枠片943Fが外側にそれぞれ形成されている。即ち、弾性片943Eとは別に挿入口側(後側)へ延びる固定片として枠片943Fが形成された構成となっている。この構成においては、図114に示すように、第2係止片943Mの枠片943Fが、左側接続金具933Lの差込片933Nと左側嵌装腔460Sの左側障壁460Mとの間に挟持されて側方へ変形し得ないように保持され、この部分が外部からの進入が困難となるように閉塞される一方、弾性片943Eの自由端部は拘束されないため、図中に鎖線で示すように、より容易に弾性変形することができるようになっている。即ち、第2係止片943Mに切れ込み943Cを入れるという簡単な変更を加えるのみで、変形性をさらに向上させることができる。
(12)前記実施形態においては、スペーサ932の左側部が、左側接続金具933Lおよび左側係止部材934を用いて球集合板460の左側嵌装腔460Sに連結固定され、一方、スペーサ932の右側部が、右側接続金具933Rおよび右側係止部材935を用いて球集合板460の右側嵌装腔460Tに連結固定されるようになっていたが、左側接
続金具933Lおよびその他を用いた取付構造ならびに右側接続金具933Rおよびその他を用いた取付構造は、それぞれ左右両側部のいずれにも同様に適用することができ、例えば、スペーサ932の右側部においても左側接続金具933Lおよびその他を用いた取付構造と同一の構造を用いて(あるいは左側部においても右側接続金具933Rおよびその他を用いた取付構造と同一の構造を用いて)、スペーサ932の左右両側部を同一の取付構造により球集合板に連結固定するようにしてもよい。
(13)前記実施形態においては、スペーサ932の取付構造が示されていたが、これと同様の取付構造は、スペーサ以外にも任意の部材の取付構造に適用することができ、特に不正に取り外されやすい基板ボックス等に好適に適用することができる。
(14)前記実施形態においては、スペーサ932の取付に留め部材936が用いられていたが、例えば図115に示すように、スペーサ944に、留め部材936と同様に機能し得る挟持片945を設けておくようにしてもよい。なお本変更態様においては、前記実施形態の場合と同一の部材には図中で同一の符号を付し、以下の記述においてもその説明は省略する。同図に示す例では、スペーサ944が、前記実施形態の場合と同一の本体932Bと、蓋体944Cとから構成され、該蓋体944Cは、両端の切れ込み944G形成部の構成以外は、前記実施形態における蓋体932Cと同様の構成となっている。本変更態様における蓋体944Cの切れ込み944G形成部においては、図116に示すように、前記実施形態における切れ込み932Gと同様に内側へ直角に延びるスリット状の切れ込み944Gが形成されているが、該切れ込み944Gの周縁から正面視概略逆U字形状をなして前方へやや延出する周壁(リブ)における両側部がそれぞれ、高さ方向中央よりやや上方で前方に側面視略三角形状に膨出し、これにより挟持片945が形成されている。両挟持片945の先端部における内側面には、前記実施形態における留め部材936の半球状突起936Eと同様に、互いに近寄る方向に突出する半球状突起945Eがそれぞれ形成されている。
上記スペーサ944は、以下のようにして球集合板460に取り付けられる。即ち、まず、前記実施形態の場合と同様にして本体932Bに左側接続金具933Lを取り付け(図示省略)、ついで、図117に矢印A41で示すように、本体932Bの後側面に蓋体944Cを嵌着し、矢印A42で示すように破断ネジKにより封止してスペーサ944を完成する。このとき、本体932Bに蓋体944Cを嵌着するのにともない、蓋体944Cの挟持片945が、間に左側接続金具933Lの鉤部933Hを挟むようにして押し込まれ、図118(b)によく表れているように半球状突起945Eが左側接続金具933Lの切れ込み933Sに弾性的に(スナップ式に)嵌合し、これにより、前記実施形態の留め部材936を用いた場合と同様に、左側接続金具933Lが前後方向に移動しないように固定される。この後、前記実施形態の場合と同様にして、図117に矢印A43で示すように左側接続金具933Lの差込片933Nを球集合板460の左側嵌装腔460Sに後方から挿入して、図118に示すようにスペーサ944を球集合板460に固定する。
本変更態様の構成においては、留め部材936と同様に機能し得る挟持片945がスペーサ944の蓋体944Cに一体的に形成されているので、そのぶん、部品点数も少なく取付構造も簡略となっている。
(15)前記実施形態においては、左側係止部材934および右側係止部材935が、球集合板460の左側嵌装腔460Sおよび右側嵌装腔460Tにそれぞれ前側から挿入され固定されるようになっていたが、例えば図119に示すように、球集合板946の左側嵌装腔946Sおよび右側嵌装腔(図示せず)の少なくとも一方に、左側係止部材934ないし右側係止部材935(図示せず)の抜け出しを規制する規制壁947を設けるよう
にしてもよい。同図に示す例では、左側係止部材934が挿入され固定された左側嵌装腔946Sの前側開口部を覆うように規制壁947が配置固定されている。この構成によれば、例えば左側係止部材934ないし右側係止部材935に破断が生じて係合状態が解除されたような場合にも、規制壁947によって、左側係止部材934ないし右側係止部材935が前側へ抜け出すことがないように規制される。
(16)図120ないし図151は、別の実施形態に係る第1制御基板ボックス、スペーサ等の各部、その取付構造等を示す図である。以下、この別の実施形態すなわち変更態様について説明する。なお、この変更態様の構成は前記実施形態の場合と重複する部分も多く、このため以下の記述においては、前記実施形態と異なる部分を中心に説明し、前記実施形態と同様の部分については、符号を省略するかまたは同一の符号を付し、特に必要のない場合には基本的に説明を省略する。
図133ないし図135に示すように、第1制御基板ボックス201Bは、前記実施形態の第1制御基板ボックス201Aと同様に、制御基板の表面側を覆う透明樹脂製のボックスカバー271と、制御基板の裏面側を覆う透明樹脂製のボックスベース272と、前記実施形態の受け金具76および被覆部材77とそれぞれ同様の受け金具276および被覆部材277と、を有して基本的に構成されるとともに、外側ブロック87E、裏打金具868および内側ブロック86Nを有して構成され前述した係合機構の第2機構部を構成する連結封止部87を介し、図120、図121、図136および図137に示すように、遊技盤30の裏面側に取付固定されたスペーサ734および球集合板460Cに、後方から取り付けられる構成となっている。
上記第1制御基板ボックス201Bのボックスカバー271には、図133ないし図135に示すように、制御基板に接続されるコネクタのための接続用窓部271Aが設けられ、該接続用窓部271Aを密着状態で覆うようにして、コネクタカバー731がボックスカバー271の内側から着脱自在に取り付け得るように構成されている。該コネクタカバー731は、接続用窓部271Aに内側から嵌合するように、横長に延びる四角柱状体の隣接する2側面、即ち図では前側面および上側面が開放され、後側壁面にはここでは5個のコネクタ用開口部731Sが穿設され、前下端縁からはボックスカバー271の内面に沿って下方に矩形状片731Rが延出するとともに、両端面からはボックスカバー271にネジ固定するための螺入部731Fがそれぞれ延出している。このコネクタカバー731は、第1分割部材であるボックスカバー271ならびに第2分割部材であるボックスベース272とともに、第1制御基板ボックス201Bを分割構成する第3分割部材として別に成形されたものであり、制御基板のコネクタの数や形状などが異なる場合に、逐一別の形状の基板ボックスを用意しなくとも、このコネクタカバー731だけを換えれば対応でき、これにより基板ボックスにおいて共用し得る部分を多く確保してその製作等に要するコストを低減するようにしたものである。
上記ボックスカバー271において、封印金具75F、75Sが挿通される金具挿通部271F、271Sが形成された端部(図133ないし図135では左側端部)とは反対側の端部(図133ないし図135では右側端部)には、概略縦長の長方形状を有する突起片271Pが外方(図133ないし図135では右方)へ突出するように一体的に形成され、一方、ボックスベース272には該突起片271Pに対応する突起片272Pが一体的に形成されており、ボックスカバー271にボックスベース272が嵌着されるのにともないこれら突起片271P、272Pが重合されてネジ固定され、前記実施形態の第1制御基板ボックス201Aにおける矩形状突起部851の場合とほぼ同様に、矩形状突起部が構成されて封印シールが貼付される(図示省略)ようになっている。本変更態様においてはさらに、この矩形状突起部にレバー部材732およびカバー部材733が組み付けられるようになっている。
上記レバー部材732は、上記矩形状突起部に対応して縦長の帯状に延びる本体部732Bの上端に軸支部732Rが、下端にツマミ部732Lがそれぞれ一体的に形成され、全体として有色(ここではオレンジ色)の樹脂製の部材となっている。本体部732Bの上端近傍および下端近傍にはそれぞれ、上記突起片271P、272Pのネジ固定用のネジ挿通孔に対応するネジ挿通孔が穿設されている。軸支部732Rは、内部に軸挿通孔を有して概略筒状に前後に短く延びる部位となっており、一方、ボックスカバー271には、突起片271Pと上側の破断ネジ挿通部271Eとの間に、後方(図133では前方)に向けて支軸271Rが固定されていて、上記レバー部材732の軸支部732Rが先端側から嵌装されて回動自在に軸支されるようになっている。ツマミ部732Lは、本体部732Bの下端部から外方(図133ないし図135では右方)へ鉤状に延出し、その先端部が指を通し得るよう環状に形成されたものとなっている。また、本体部732Bの下端部には、上記ツマミ部732Lの延出方向とは反対方向に上下2本の支え(つかえ)片732Tが延出し、両支え片732Tは、先端へかけて次第に突出量が増大するように斜面状のカム面を有するカム突起がそれぞれ反対方向(上下方向)に突出するよう形成され、本体部732Bの下端部から内方(図133ないし図135では左方)へ向けて延出した構成となっている。
上記カバー部材733は、上記突起片271P、272Pおよびレバー部材732を内部に収容し得る、概略縦長の直方体状であって第1制御基板ボックス201Bに対向する一側面(図133ないし図135では左側面)が全面的に開放された箱形のキャップ状部材となっている。該カバー部材733の開放側面に対向する側壁(図133ないし図135では右側壁)には、上下に直線状に延びて上端部および下端部が矩形状に拡大した形状を有するスリット733Sが穿設されており、上記レバー部材732が該スリット733Sを通して出入し得るようになっている。また、該カバー部材733の開放側面とスリット733S形成側壁との間の二側壁のうちの一側面(図133ないし図135では前側面)には、上記レバー部材732のネジ挿通孔に対応する上下2箇所の高さ位置に、開放側端縁から内方(図133ないし図135では右方)に凹入する切欠733Cがそれぞれ形成されている。カバー部材733の内部における下部には、図134に示すように、上記レバー部材732の支え片732Tに対応する支え壁733Tが形成されている。
上記第1制御基板ボックス201Bを組み立てる工程においては、制御基板に搭載される電子部品をボックスカバー271側に向けた状態で制御基板を該ボックスカバー271にネジ止め固定し、ボックスカバー271にボックスベース272を嵌着する際に、上記ボックスカバー271の支軸271Rに軸支部732Rを嵌装しながら上記レバー部材732を突起片271P、272Pの間に介装しネジ固定するようにして矩形状突起部を構成し、この矩形状突起部に前記実施形態の場合と同様にして封印シールを貼付した後、該矩形状突起部の基端部までカバー部材733を被せるように嵌着する。そうすると、上記レバー部材732のツマミ部732Lがカバー部材733のスリット733Sから外側へ突出する(図131参照)とともに、レバー部材732の両支え片732Tがカム面に案内されて弾性変形しながらカバー部材733の支え壁733Tの内側に嵌り込む(図示省略)。こうして、矩形状突起部にカバー部材733をいったん嵌着すると、第1制御基板ボックス201Bを開封するためにボックスカバー271とボックスベース272とを分離するにはまずカバー部材733を取り外すことが必要となるが、上記のように支え片732Tが支え壁733Tに咬み合うことにより、カバー部材733を取り外すには、レバー部材732を取り外すことが不可避となる。このとき、上述の通り封印シールがレバー部材732も含め矩形状突起部を外側から覆うように貼付されているので、必然的に封印シールの貼着状態も原状通りでは済まないこととなる。したがって上記のようにしてレバー部材732およびカバー部材733を第1制御基板ボックス201Bに取り付けた構成により、封印シールによる封印がより確実なものとなっている。
内部の点検等の目的で上記第1制御基板ボックス201Bを開封する場合には、カバー部材733の切欠733Cを通して、矩形状突起部を固定しているネジを覆う部分の封印シールを除去して該ネジを取り外し、封印シールを折り曲げ部で断裂させ、ツマミ部732Lを引っ張り出すようにしてレバー部材732を取り外して、カバー部材733を取り外すようにする。この後、再度第1制御基板ボックス201Bを封印する場合には、新たな封印シールを用意して前述の手順を繰り返すようにする。
上記第1制御基板ボックス201Bの上下端縁部におけるボックスカバー271とボックスベース272との嵌合構造は前期実施形態の場合と同様であるが、ボックスベース272の上下端縁部にはさらに、第1制御基板ボックス201Bをスペーサ734に対し組み付ける際の誤組付防止構造(以下、後述する「第1誤組付防止構造」とは別の誤組付防止構造として「第2誤組付防止構造」とも称す)が設けられている。
図126、図133および図134に示すように、上記ボックスベース272の上下端縁部にはそれぞれ、間隔をおいて6箇所ずつ凹入部272Nが形成されている。該凹入部272Nは、図126に示すように、ボックスベース272の前面壁と上面壁および下面壁とが交差する稜部を直方体状に凹入させ、内部の後側面を開放するとともに、両側面のそれぞれにおける中央の高さ位置に、後端から中央よりやや前寄りの位置まで延びる係止リブ272Sを形成し、さらに該凹入部272Nの両側壁とボックスベース272の前面壁とが交差する稜部の下部は角落ちして、後述する閉塞部材735の係止片735Rが容易に挿入され得るようにした構成となっている。
上記閉塞部材735は、図138および図139に示すように、上記凹入部272Nの平面形状に対応する矩形状の第1閉塞片735Tの一方側端縁から、上記凹入部272Nの正面形状に対応する矩形状の第2閉塞片735Fが直角に延出し、該第1閉塞片735Tおよび第2閉塞片735Fに直交するように、上記凹入部272Nの側面形状に対応する矩形状のステー片735Fが中央に突設され、第2閉塞片735Fの先端縁部における両端部から、第1閉塞片735Tと並行するように角柱状に延出し先端部に外側へ突出する爪部を有する係止片735Rが形成され、以上の部位が一体的に成形された有色(ここでは赤色)の樹脂製の部材となっている。
上記閉塞部材735を前側からボックスベース272の凹入部272Nに挿入すると、その途上で係止片735Rが係止リブ272Sに当って内側に弾性変形しながらさらに挿入されていき、最も内奥まで達すると、係止片735Rの爪部が係止リブ272Sの後端に係止し、これにより、凹入部272Nの上面部ないし下面部が閉塞部材735の第1閉塞片735Tにより、前面部が閉塞部材735の第2閉塞片735Fによりそれぞれ閉塞され、周囲のボックスベース272の前面ならびに上面ないし下面と同一面を形成することとなる。
スペーサ734は、図136および図137に示すように、前記実施形態におけるスペーサ932の上側片932Hおよび下側片932Lとほぼ同様の上側片734Hおよび下側片734Lを有するが、本変更態様においては、該上側片734Hおよび下側片734Lにおける上記ボックスベース272の上下6箇所ずつの凹入部272Nに対応する位置に、障害部734Nがそれぞれ設けられている。
上記障害部734Nは、図140および図141に示すように、上側片734Hおよび下側片734Lを後側端縁から前側端縁まで、凹入部272Nの幅に対応する幅W3で切欠き、さらにその前側端縁から、スペーサ734の垂直片を、凹入部272Nの高さに対応する高さH1で切欠いて断面略L字形状の切欠を形成し、該切欠の後側半部に架橋片7
34Cを形成して該切欠の両側におけるスペーサ734の上側片734Hないし下側片734Lを連絡し、該架橋片734Cの前側端縁から、上記高さH1にほぼ等しい距離だけ垂直に下方ないし上方に延出してその延出端から前方へ延びてスペーサ734の垂直片に連続する障壁片734Dを形成し、上記各部をスペーサ734に一体的に成形した構成となっている。上記架橋片734Cの両端部はやや幅狭に狭隘化されてスペーサ734の上側片734Hないし下側片734Lに連続し、また上記障壁片734Dの前端部は中央が矩形状に切欠かれ両端で幅狭に狭隘化されてスペーサ734の垂直片に連続するように成形されており、これにより、該架橋片734Cおよび障壁片734Dをニッパ等で容易に切除し得るようになっている。
図136および図137に示すように、上記スペーサ734における垂直片の後面には、上側の6箇所の各障害部734Nの直下ならびに下側の6箇所の各障害部734Nの直上に、それぞれ浮彫り状の文字表示部734Rが形成されており、上側の6箇所の各障害部734Nには右から(図136および図137では左から)順に「0」ないし「5」の数字が付され、下側の6箇所の各障害部734Nには右から順に「6」ないし「9」の数字ならびに「A」および「B」のアルファベットが付されている。
本変更態様においては、図136、図137、図140および図141に示すように、上記計12箇所の障害部734Nのうち、最も右(図136および図137では最も左)に位置する、文字表示部734Rにより「0」「6」と表示された上下2箇所の障害部734Nのみにおいて架橋片734Cおよび障壁片734Dが切除されて切欠内が空隙とされ、一方、上記ボックスベース272の計12箇所の凹入部272Nのうち、最も右に位置する上下2箇所の凹入部272Nのみが閉塞部材735により閉塞されている。したがってこの場合、図128に示すように、右端の障害部734Nに閉塞部材735が内奥まで納まることができてスペーサ734にボックスベース272すなわち第1制御基板ボックス201Bが支障なく嵌合される。このとき仮に、スペーサ734において架橋片734Cおよび障壁片734Dが切除された障害部734Nの位置と、ボックスベース272において閉塞部材735により閉塞された凹入部272Nの位置が対応していないとすると、架橋片734Cおよび障壁片734Dが切除されていない障害部734Nに対応する凹入部272Nが閉塞部材735により閉塞されていることになるから、閉塞部材735が障壁片734Dにより進入を阻止されることとなってスペーサ734にボックスベース272すなわち第1制御基板ボックス201Bを嵌合することができなくなる。即ち、スペーサ734の障害部734N、ボックスベース272の凹入部272Nならびに閉塞部材735により、第1制御基板ボックス201Bをスペーサ734に対し組み付けるための第2誤組付防止構造が構成されている。
なおこの第2誤組付防止構造では、スペーサ734において架橋片734Cおよび障壁片734Dを切除する障害部734Nの位置ないしボックスベース272において閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置を誤る可能性は完全には排除されていないが、架橋片734Cおよび障壁片734Dの切除ならびに凹入部272Nの閉塞は、スペーサ734およびボックスベース272のそれぞれを作製する工程で行うことができ、これらの位置が同一である製品はまとめて作製することができるため、これらの位置を誤る可能性は低い。一方、スペーサ734およびボックスベース272のそれぞれを作製する工程を経た後に、スペーサ734に第1制御基板ボックス201Bを組み付ける工程においては、ボックスベース272において閉塞部材735により閉塞された凹入部272Nの位置が異なる複数種の第1制御基板ボックス201Bが存在し、最終的に組付に至るまでのいずれかの時点でこれら複数種の第1制御基板ボックス201Bの間に取り違えが生じる可能性は高いが、この場合、第2誤組付防止構造により、このような取り違えが生じてもこれがそのまま誤組付とはなり難くなっている。
また、万一、スペーサ734において架橋片734Cおよび障壁片734Dを切除する障害部734Nの位置ないしボックスベース272において閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置を誤ったとして、さらにこの位置が、たまたま別の設定位置に合致した場合、即ち、例えば上記最も右の、文字表示部734Rによる「0」「6」の位置に設定されたスペーサ734およびボックスベース272の組とは別に、その隣の「1」「7」の位置に設定されたスペーサ734およびボックスベース272の組があるとしたときに、スペーサ734およびボックスベース272のいずれか一方の位置を誤って「1」「7」の位置としてしまったような場合には、この誤って「1」「7」の位置としたスペーサ734またはボックスベース272が、正しく「1」「7」の位置に設定されたボックスベース272またはスペーサ734と合致し、誤組付に至ることも可能な組み合わせとなってしまう。しかしながら、このように誤った設定位置と正しい設定位置とが合致して誤組付に至る可能性は、皆無ではないにせよ非常に僅少である。
前記実施形態において述べた通り、同一機種において、所定の当選確率が表示された所定仕様の遊技機に、当該当選確率とは異なる当選確率に設定された主制御基板を収容した別仕様の基板ボックスが誤って取り付けられてしまう誤組付も生じやすいのであるが、本変更態様においては、上記スペーサ734において架橋片734Cおよび障壁片734Dを切除する障害部734Nの位置ならびにボックスベース272において閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置が仕様ごとに設定されており、したがって、第2誤組付防止構造により、所定仕様の遊技機に、対応する仕様の第1制御基板ボックス201Bを間違いなく組み付けることができる。しかも上述のように、スペーサ734において架橋片734Cおよび障壁片734Dを切除する障害部734Nの位置と、ボックスベース272において閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置とを、スペーサ734およびボックスベース272をそれぞれ成形した後の段階で、所定の位置に選択的に設定し得るようになっているので、これら障害部734Nおよび凹入部272Nの選択を変更することによって異なる仕様にも容易に対応することができ、したがって、異なる仕様間であっても、例えば、制御基板のみを変更するものとし、スペーサ734ないし第1制御基板ボックス201B自体は同一のものを共用として金型の変更も不要とすることができ、そのぶん作製コストを低減することができるようになっている。
本変更態様における受け金具276は、図133、図134、図144、図145および図146に示すように、前記実施形態における受け金具76と同様に、ボックスベース272におけるリブ272R、272L間の溝部の内面形状に沿って1枚の金属板を断面略コ字形状に折曲してなる、該溝部にほぼ等しい長さを有する縦長の金具となっている。該受け金具276の中央部にはネジ挿通孔が穿設された突片276Fが突設されていてネジにより固定されるようになっている。該受け金具276の一方側端縁はさらに延出して、前記2条のリブ272R、272Lのうちの内側(図133ないし図135における右側)のリブ272Rの先端に沿って該リブ272Rの外側面までを覆うように折曲されている。該受け金具276には、前記実施形態における係合片76Eと同様の4箇所の係合片276Eが形成されている。
本変更態様における被覆部材277は、図133、図134、図147、図148および図149に示すように、前記実施形態における被覆部材77の構成と基本的に同様の構成を有するが、本変更態様の被覆部材277に特徴的であるのは、後述の切取部である延出片95Eよりも透明度の低い[不透明性を有する]有色(ここでは青色)の樹脂で成形されている点(図示せず)と、第1制御基板ボックス201Bを連結封止部87に対し組み付ける際の誤組付防止構造(以下、第1誤組付防止構造とも称す)が設けられている点とである。
本変更態様における受け金具276および被覆部材277の取付構造は、具体的な図示
は省略するが、前記実施形態における受け金具76および被覆部材77の取付構造と同様となっている。即ち、前記実施形態においては、前述の通り、図25および図26に示すように、ボックスベース72の一方側端縁部(図25および図26における左側端縁部)に形成されたリブ72R、72Lに受け金具76が嵌装され、さらにこれを外側から覆うようにして被覆部材77が取り付けられており、図26によく表れているように、該被覆部材77がボックスベース72の一方側壁(図26における左側壁)の内面に内側から重なるように、即ちボックスベース72の当該側壁を裏打するようにして配置されているが、本変更態様における受け金具276および被覆部材277もこれと同様の取付構造でボックスベース272に取り付けられるようになっている。したがって、ボックスベース272が透明性を有し被覆部材277が不透明性を有するものとなっているから、ボックスベース272の一方側端縁部(例えば図133ないし図135では左側端縁部)の状況が内側の被覆部材277との対照により際立って明瞭に視認されるようになっている。例えば、ボックスベース272の当該端縁部に何らかの破損が生じた場合、仮に当該端縁部の内側が外皮(即ちボックスベース272の当該側壁)と同じく実質的に透明樹脂よりなる部材のみで構成されていたとすると、外皮に生じた異変すなわち破損が内側の透明樹脂に紛れて目立たなくなりやすいのに対し、本変更態様におけるように内側に不透明性を有する部材である被覆部材277を配置することによって、このような外皮に生じた異変を目立たせて視認性を良好とすることができる。
特に、本変更態様におけるボックスベース272の当該端縁部には、前記実施形態における螺入部88と同様の螺入部95が形成されており、この螺入部95は第1制御基板ボックス201Bと連結封止部87との封止状態を解除する場合に切断される部位となっているので、この切断の痕跡がより目立ちやすいようになっている。即ち、図133、図134および図135に示すように、本変更態様における螺入部95は、前記実施形態における螺入部88と同様に、ボックスベース272の一方側端面(図133、図134および図135における左側端面)における高さ方向中央部に、水平に延出する延出片95Eを介して一体的に形成された、内部にネジ孔を有して前後に延びる円筒状体95Pを、互いに若干間隔をおいて上下に4個並置するようにして構成され、4枚の延出片95Eには一方端から順に「1」「2」「3」「4」の数字よりなる位置表示が付されており(図示せず)、連結封止部87との封止状態を解除する場合には延出片95Eをニッパ等で容易に切断し得るように構成されている。したがって、例えば第1制御基板ボックス201Bの不正な取り外しを目的として延出片95Eが切断されたような場合に、その切断痕が外側から視て内側の、該延出片95Eよりも透明度の低い被覆部材277との対照により際立って明瞭に視認され、これにより不正行為の痕跡の見落としが効果的に防止されるようになっている。
また、上記被覆部材277が青色の樹脂で成形されているが、この被覆部材277の色は後述するように機種ごとに対応して設定されている。このように、被覆部材277を機種ごとに設定された特定色に着色されたものとすることにより、当該第1制御基板ボックス201Bがどの機種に対応するものであるのかが視覚的に明瞭に把握されやすくなり、該第1制御基板ボックス201Bの誤組付が効果的に防止されることとなる。しかもこのとき、該被覆部材277は、外部から該第1制御基板ボックス201Bを正対するようにして視た場合に主制御基板に重なることなく視認し得る位置、即ち該第1制御基板ボックス201Bの一方側端縁部(図131、図132、図133、図134、図142および図143における左側端縁部)の局限されたスペースを占有するように配置されているので、第1制御基板ボックス201Bの内部(特に主制御基板)の視認性が実質的には損なわれていない。
本変更態様における連結封止部87は、図150および図151に示すように、外側ブロック87Eにボックスカバー嵌合片871および咬合リブ872が設けられている点以
外は、前記実施形態における連結封止部86と同様である。本変更態様における連結封止部87の外側ブロック87Eにおけるネジ固定部873の外側面の上端縁および下端縁には、外方へ延出して下方ないし上方へ直角に折曲されて断面鉤状に前後方向に延びるボックスカバー嵌合片871が一体的に形成され、一方、図134および図135に示すように、ボックスカバー271における上下の中央金具挿通部271Sには、外方へ延出して上方ないし下方へ直角に折曲されて断面鉤状に前後方向に延びる連結封止部嵌着部271Dが一体的に形成されており、上記上下のボックスカバー嵌合片871にそれぞれ嵌合し得るようになっている。外側ブロック87Eには、図150および図151に示すように、前記実施形態における連結封止部86の外側ブロック86Eの嵌合片864と同様の嵌合片874が設けられ、ボックスベース272には前記実施形態におけるボックスベース72の嵌着部89と同様の嵌着部272Eが設けられていて、該嵌合片874が嵌着部272Eに嵌入されるようになっている。即ち、本変更態様における連結封止部87の外側ブロック87Eは、前記実施形態の場合と同様にしてボックスベース272の一方側端縁部(図133ないし図135における左側端縁部)に嵌着されるだけでなく、ボックスカバー271の同側端縁部(図133ないし図135における左側端縁部)に嵌着されるようにも構成されている。
上記外側ブロック87Eのネジ固定部873における上下のボックスカバー嵌合片871の間には、外方へ延出し前後方向に延びる咬合リブ872が、上下に等間隔に複数条(5条)並置するようにして一体的に形成され、各咬合リブ872の後側端面(図150および図151では前側端面)には上から順に「1」「2」「3」「4」「5」の数字が付されている(図示せず)。一方、被覆部材277の一方側面(図147ないし図149における左側面)の中央部すなわちネジ挿通部277Sの外側(左側)、上側および下側をコ字状に覆う壁部には、前後方向に延びる咬合スリット277Bが、上下に等間隔に複数条(5条)並置するようにして形成されていて、上記咬合リブ872が咬合するように嵌入し得るようになっている。
上記連結封止部87および被覆部材277は、それぞれ外側ブロック87Eのネジ固定部873およびコ字状の壁部のほぼ全体にわたって5条の咬合リブ872および5条の咬合スリット277Bをほぼ均等に配設した例となっており、これを機種間での誤組付を防止するための第1誤組付防止構造として実用に供することも可能ではある。しかしながら、例えば、上記連結封止部87および被覆部材277を特定の機種に対応するものとし、これとは別の機種に対応するものとして、上記5条の咬合リブ872および5条の咬合スリット277Bのうちの少なくとも1組を配設しない、即ちいずれか1組ないし4組のみの咬合リブおよび咬合スリットを配設して第1誤組付防止構造を構成したとすると、前記5条の咬合リブ872は1条ないし4条の咬合スリットには嵌入し得ないが、1条ないし4条の咬合リブは前記5条の咬合スリット277Bには嵌入することが可能であるから、これによっては機種間での誤組付を完全には防止しきれないこととなる。したがって、実用に供するものとしては、例えば、上記5条の咬合リブ872および5条の咬合スリット277Bのうち、特定の機種に対応する第1誤組付防止構造として、いずれか1組ないし4組のみの咬合リブおよび咬合スリットを配設し、これとは別の機種に対応する第1誤組付防止構造として、別の1組ないし4組のみの咬合リブおよび咬合スリットを配設するようにし、このとき異なる機種の咬合スリットには嵌入し得ない咬合リブが機種ごとに少なくとも1条ずつ存在するような配置としておくことが望ましい。
図132、図142および図143には、特定の機種に対応する連結封止部96および被覆部材377が示されていて、該連結封止部96および被覆部材377は、咬合リブ962が、前記5条の咬合リブ872のうちの最上部の1条と同様の1条のみが形成され、この1条の咬合リブ962に対応して咬合スリット377Bが1条のみ形成されて第1誤組付防止構造が構成され、上記咬合リブ962の後側端面(図142および図143では
前側端面)には「1」の数字が付され(図示せず)、被覆部材377の後側端面には、咬合スリット377Bの下に順に並置するように「2」「3」「4」「5」の数字が付されており(図示せず)、この点以外は前述と同様の構成となっている。この場合、上記最上部の1条の咬合リブ962が形成された連結封止部96には、最上部の1条の咬合スリット377Bが形成された被覆部材377を備える第1制御基板ボックス201Cが組付けられる。これに対し、別の機種に対応する第1誤組付防止構造としては、例えば、前記5条の咬合リブ872のうちの最上部を除く1条ないし4条と同様の咬合リブと該咬合リブに対応する1条ないし4条の咬合スリットとが形成されて第1誤組付防止構造が構成される(図示省略)。このように、機種間で咬合リブおよび咬合スリットの配置構成を異なるものとすることにより、特定の機種に対応する第1制御基板ボックス201Cおよび別の機種に対応する第1制御基板ボックス(図示省略)を、特定の機種に対応する連結封止部96および別の機種に対応する連結封止部(図示省略)にそれぞれ正しく組み付けることができる。
このとき、咬合リブ962が一体的に形成された連結封止部96の外側ブロック96Eは透明樹脂よりなり、咬合スリット377Bが形成された被覆部材377は不透明性を有する有色(ここでは青色)の樹脂よりなるので、両者が互いに紛れることもなく対照により際立って明瞭に視認され、したがってこれにともない機種ごとの違いもより際立って明瞭に視認されることとなっていて、これにより組付作業時の視認性がより良好となっている。
さらに、上記被覆部材377は、前記被覆部材277と同じく青色の樹脂で成形されているが、別の機種に対応する被覆部材(図示省略)は別の色(例えば黄色)の樹脂で成形され、これにより、特定の機種に対応する第1制御基板ボックス201Cと別の機種に対応する第1制御基板ボックス(図示省略)とが明瞭に見分けられることとなり、したがって第1制御基板ボックスの誤組付が効果的に防止されるようになっている。
なお、例えば透明樹脂が切断された場合には切断部が白くなりやすく、これに対して背景部となる被覆部材が該透明樹脂よりも透明度の低いものであっても、例えば白色または白に近い任意の色(白に近い灰色、桃色、ベージュ色等)であるとするとかえって切断部が紛れやすくなるので、被覆部材の色としてはなるべく白とのコントラストの強い色(例えば青、紺、赤、黄、緑、茶、黒等)とすることが望ましい。
上述の通り、本変更態様においては、被覆部材277、377を不透明性を有する有色(ここでは青色)の樹脂よりなるものとすることにより、1)螺入部95における延出片95Eの切断痕が明瞭に視認されて不正行為の痕跡の見落としが効果的に防止される、2)第1制御基板ボックス201B、201Cがどの機種に対応するものであるのかが視覚的に明瞭に把握されて該第1制御基板ボックス201B、201Cの誤組付が効果的に防止される、ならびに3)第1誤組付防止構造を構成する咬合リブ872、962および咬合スリット277B、377Bが互いに紛れることもなく明瞭に視認されて組付作業時の視認性がより良好となる、といった利点が得られる構成となっている。しかもこのとき、このように不透明性を有する有色(ここでは青色)とするのを、第1制御基板ボックス201B、201Cの一方側端縁部(図131、図132、図133、図134、図142および図143における左側端縁部)に局所的に配置される縦に細長の部材である被覆部材277、377とすることにより、第1制御基板ボックス201B、201Cの内部の視認性を実質的に損なうことなく、上に列挙した1)〜3)のような効果が効率的に奏されるようになっている。
さらにまた、本変更態様においては、連結封止部87、96の外側ブロック87E、96Eおよび被覆部材277、377を機種ごとに構成が異なるものとし、これに対し、特に第1制御基板ボックス201B、201Cの大部分を構成するボックスカバー271お
よびボックスベース272をはじめとする他の部材は機種間で共用とすることにより、機種の相違による部材の変更が最小限に抑えられ、そのぶん作製コストの増大も抑制されている。
さらにまた、本変更態様においては、図136および図137に示すように、前記実施形態の場合と同様のヒンジ部材90が用いられており、該ヒンジ部材90においては挿入片923の先端縁に凹凸部928が形成され、一方、連結封止部87の外側ブロック87Eの内壁面には、上記凹凸部928に対応する凹凸部(図示せず)が形成されていて、この部位においても誤組付防止構造が構成されている。即ち、前記実施形態において記述した通り、該挿入片923の凹凸部928と、所定の当選確率に設定された主制御基板を収容した所定仕様の第1制御基板ボックス201B側に設けられる第2機構部である連結封止部87の挿入口87S(図126ないし図128参照)内の凹凸部とが互いに嵌合し得るように形成され、これとは異なる当選確率に設定された別仕様の製品においては凹凸部の形状、位置、数等が変えられており、所定仕様の製品には当該仕様に対応する仕様の第1制御基板ボックス201Bしか取り付けられないようになっていて、これにより誤組付が効果的に防止されるようになっている。したがって、本変更態様においては、前記第1および第2誤組付防止構造ともあわせて、誤組付が効果的に防止される構成となっている。
本変更態様においては、前述の通り上記延出片95Eが4つ配置形成されているが、図152に示すように、上記被覆部材277は、上記4つの延出片95Eとこれら4つの延出片95Eの間の領域とをあわせて外側から(図15では左下側から)反対側の垂直面に投影して得られる縦長の概略短冊形状の図形F11を包含し得る長さ領域R11を有し、上記延出片95Eにより遊技機構成部材である第1制御基板ボックス201Bと連結封止部87とが連結されている方向(即ち図152における左下右上方向)A51に交差し且つ上記被覆部材277の長さ領域R11の長さ方向に沿った方向(即ち図152における上下方向)A52に上記延出片95Eを切断することで、封止部である螺入部95による封止状態が解除され得るようになっている。
なお、上記延出片95Eは、該延出片95Eによる第1制御基板ボックス201Bと連結封止部87との連結方向(即ち図152における左下右上方向)A51に直交する面で切断すると容易に切断することができ、したがって上記連結方向A51に直交する面を切断面としてもよい。
なお、前記特定の機種に対応する被覆部材377も、4つの延出片に対応する部位の構成は上述の被覆部材277の場合と全く同様であるから、上述の長さ領域R11と全く同様の長さ領域(図示せず)を有するものとなっている。
前記実施形態においては、前述の通り、第1制御基板ボックス201Aが、上下方向に延びる回動軸93を中心に回動可能に支持されて開き戸式に開閉可能に構成され、本変更態様における第1制御基板ボックス201B、201Cも同様の支持構造により開閉可能に構成されている。したがって、第1制御基板ボックス201B、201Cが、上記被覆部材277、377の長さ領域R11の長さ方向に沿った方向(上下方向)A52に延びる回動軸(図示せず)を中心に回動可能に支持されて開き戸式に開閉可能に構成されている。
本変更態様においては、遊技機の裏側に、第1制御基板ボックス201B、201Cにおける制御基板表面の通電状態確認用LEDや状態報知用セグメント、センターフレーム等の遊技盤内外照明用のLEDランプ等の各種の発光手段が配設されており、遊技機の稼動時にはこれらの発光手段が点灯するようになっている。上記延出片95Eおよび被覆部
材277、377は、これらの発光手段からの光が照射され得る位置に配置されており、これらの発光手段が延出片95Eないし被覆部材277、377ならびにその周辺の照明としても機能するようになっている。この場合、このように他の部位の照明として配置されている発光手段を延出片95Eないし被覆部材277、377ならびにその周辺の照明としても機能させるようにしてもよいが、発光手段を延出片95Eないし被覆部材277、377ならびにその周辺を照明するための発光手段を別に配置するようにしてもよい。さらにこの場合、発光手段を第1制御基板ボックス201B、201Cとは別の部位に配置し、第1制御基板ボックス201B、201Cを回動させた場合でもこの動作とは無関係に一定の位置から延出片95Eないし被覆部材277、377ならびにその周辺に光が照射される構成としてもよい。
本変更態様における第1制御基板ボックス201B、201Cのボックスカバー271には、前述の通り、封印金具75F、75Sが挿通される金具挿通部271F、271Sが形成されているが(図133ないし図135参照)、これら金具挿通部271F、271Sは、前記実施形態における第1制御基板ボックス201Aのボックスカバー71に形成された金具挿通部78F、78S(図24参照)と同様の構成および機能を有し、したがって透明樹脂で構成されていて封印を解除する場合にはニッパ等により切断する箇所(即ち貫通部より内側の周壁271M、271Nおよび架橋片271C)を備える部位であるから、これら金具挿通部271F、271Sも、螺入部95の延出片95Eと同様の切取部(即ち貫通部より内側の周壁271M、271Nおよび架橋片271C)を備える部位となっている。この場合、図153に示すように、遊技機構成部材である第1制御基板ボックス201Bのボックスカバー271とボックスベース272とが封止部である金具挿通部271F、271Sを介して封止状態で連結され、該金具挿通部271F、271Sが、透明性を有する切取部を備え、上記ボックスカバー271およびボックスベース272が、上記金具挿通部271F、271Sの切取部の近傍にあって外側すなわちボックスカバー271の正面側(第1制御基板ボックス201Bの設置状態では遊技機の背面側)からみて該切取部の背後となり得る位置すなわち該切取部の前側(ボックスカバー271の裏側)の位置に、該切取部よりも透明度の低い背景部として被覆部材277を備える構成となっている。
なお、上記金具挿通部271F、271Sの場合、該金具挿通部271F、271Sのボックスカバー271からの延出方向すなわち前記延出片95Eによる第1制御基板ボックス201Bと連結封止部87との連結方向A51と同一の方向に直交する面で切断すると容易に切断することができ、したがって前記延出片95Eの場合と同様に、上記連結方向A51と同一の方向に直交する面を切断面としてもよい。ただし、上記金具挿通部271F、271Sの間の架橋片271Cの場合は、上記連結方向A51に沿った水平面で切断すると容易に切断することができ、したがって水平面を切断面としてもよい。
(本変更態様の作用)
本変更態様の構成によれば、遊技機構成部材である第1制御基板ボックス201B、201Cと連結封止部87、96とが封止部である螺入部95を介して封止状態で連結され、該螺入部95が、透明性を有する切取部すなわち延出片95Eを備え、上記遊技機構成部材のうちの第1制御基板ボックス201B、201Cが、上記延出片95Eの近傍にあって外側すなわち左側からみて該延出片95Eの背後となり得る位置すなわち該延出片95Eの右側の位置に、該延出片95Eよりも透明度の低い背景部として被覆部材277、377を備えるので、螺入部95の延出片95Eを破断ないし切断した後に、その痕が背後の被覆部材277、377との対照により際立って明瞭に視認されるようになっている。したがって、延出片95Eが不正に切断された場合でも、この不正な切断の痕跡が見落とされ難くなっている。
また、上記被覆部材277、377が、特定機種に対応する色(ここでは青色)に着色され、別の機種の被覆部材は別の色(例えば黄色)に着色されるようになっているので、該被覆部材277、377が配置された第1制御基板ボックス201B、201Cがどの機種に対応するものであるのかが視覚的に明瞭に把握されやすくなっており、これにより該第1制御基板ボックス201B、201Cの誤組付が効果的に防止されるようになっている。
また、上記遊技機構成部材に第1誤組付防止構造が設けられ、該第1誤組付防止構造は、遊技機構成部材のうちの一方である連結封止部87、96の側において、上記被覆部材277、377に対して前景となり得る位置すなわち外側ブロック87E、96Eにおけるネジ固定部873、963の外側面に、凸部/凹部として咬合リブ872、962が配設され、上記遊技機構成部材のうちの他方である第1制御基板ボックス201B、201Cの側に、上記凸部/凹部に対応する凹部/凸部として咬合スリット277B、377Bが配設され、機種ごとに上記咬合リブ872、962および咬合スリット277B、377Bの配置構成が異なるものとされることによって構成されているので、咬合リブ872、962が背後の被覆部材277、377との対照により際立って上記咬合スリット277B、377Bと紛れることもなく明瞭に視認され、これにより組付作業時の視認性がより良好となっている。
また、上記咬合スリット277B、377Bが上記被覆部材277、377に形成されているので、上記咬合リブ872、962との対照がより直接的となってより明瞭に視認されるようになっている。
また、上記被覆部材277、377が、上記第1制御基板ボックス201B、201C内の局限されたスペースである一方側端縁部を占有する一部材となっているので、機種ごとに変更する部品が最小限に抑えられてそのぶん作製コストが低減されている。
また、上記被覆部材277、377が配置された第1制御基板ボックス201B、201Cが透明樹脂により成形されて内部が視認し得るように構成されているが、上述のように被覆部材277、377が第1制御基板ボックス201B、201C内の局限されたスペースを占有する一部材となっているので、第1制御基板ボックス201Bの内部の視認性が実質的には損なわれていない。
また、遊技機構成部材のうちの一方である第1制御基板ボックス201B、201Cと該第1制御基板ボックス201B、201Cが組み付けられる組付対象部材であるスペーサ734とに、異なる仕様の間での誤組付を防止するための第2誤組付防止構造が設けられ、該第2誤組付防止構造は、上記第1制御基板ボックス201B、201Cに、別に成形された閉塞部材735により選択的に閉塞され得る複数の凹入部272Nが形成され、上記スペーサ734において上記各凹入部272Nに対応する位置に、上記閉塞部材735の進入を阻止し得るとともに切除可能に構成された障壁片734Dがそれぞれ形成されることによって構成されているので、閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置と切除する障壁片734Dの位置とを一致させることによって、第1制御基板ボックス201B、201Cとスペーサ734との誤組付を効果的に防止することができ、このとき、閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置および切除する障壁片734Dの位置の選択を変更することによって、異なる仕様にも容易に対応することができ、したがって、異なる仕様間であっても、第1制御基板ボックス201Bないしスペーサ734自体は同一のものを共用として金型の変更も不要とすることができ、そのぶん作製コストを低減することができるようになっている。
また、上記切取部すなわち延出片95Eが複数(4つ)配置され、上記背景部すなわち
被覆部材277、377が、上記複数の延出片95Eのうちの少なくとも2つの延出片95Eとこれら2つの延出片95Eの間の領域とをあわせて外側から反対側の垂直面に投影して得られる図形F11を包含し得る長さ領域R11を有し、上記延出片95Eにより遊技機構成部材である第1制御基板ボックス201B、201Cと連結封止部87、96とが連結されている方向A51に交差し且つ上記被覆部材277、377の長さ領域R11の長さ方向に沿った方向A52に上記延出片95Eを切断することで、封止部である螺入部95による封止状態が解除され得るようになっているので、外側からみて少なくとも2つの延出片95Eとこれら2つの延出片95Eの間の領域との背後となり得る位置に必ず被覆部材277、377が存在するようになっており、したがってこれら2つの延出片95Eがより確実に被覆部材277、377により視認しやすくなっており、例えば正対位置よりも多少上下にずれた位置からこれら2つの延出片95Eを視たような場合でも、背後に被覆部材277、377が存在することにより、視認のしやすさが確保されている。
ここで、上記延出片95Eは、図152に表れているように、ボックスベース272の前側面(図152では後側面)に揃うようにして形成されており、したがって上述の延出片95Eの投影図形F11の前側端縁もボックスベース272の前側面に揃うように位置するのに対し、被覆部材277、377は、例えば図130に表れているように、ボックスベース272の内側に納まるように配置されており、したがってボックスベース272の前側壁の厚みのぶんだけ、ボックスベース272の前側面よりは内側(後側;図130では下側)へ後退した即ち引込んだ位置にあるから、そのぶん被覆部材277、377の前側端が延出片95Eの前側端よりも後側へ引込んだ位置にあるという位置関係となっており、外側である左側から正対するようにして視れば、延出片95Eの前側端部の背後に被覆部材277、377の存在しない(欠落した)箇所がわずかながらあるという構造となっているが、この場合でも、例えば外側である左側から正対して視る位置(目の位置)を、少し前側へずらすようにして、延出片95Eをやや左前側から(少し斜めから)視るようにすれば、延出片95Eの前側端部も容易に背後に被覆部材277、377が存在する状態で視ることができる。換言すれば、外側から被覆部材277、377を視た場合に、少なくとも延出片95Eが含まれる方向が存在するような配置とすれば、視認のしやすさを確保することができる。
なおこの場合、例えば、被覆部材277、377の前側端部を、ボックスベース272の前側壁を貫通させて、該被覆部材277、377の前側端がボックスベース272の前側面に揃うかあるいはボックスベース272の前側面よりも前方へ突出するような配置とすれば、延出片95Eの前側端部の背後にも被覆部材277、377が存在することとなり、したがって視認のしやすさをより確実に得ることができる。
また、上記延出片95Eが同一直線状に3つ以上(4つ)配置され、上記被覆部材277、377の長さ領域R11が、上記3つ以上(4つ)の延出片95Eのすべてと両端の延出片95Eの間の領域とをあわせて外側から反対側に投影して得られる図形F11を包含し得るものとなっているので、3つ以上(4つ)の延出片95Eがより確実に被覆部材277、377により視認しやすくなっており、このとき、3つ以上(4つ)の延出片95Eが同一直線状に配置され、被覆部材277、377の長さ領域R11もこれに対応して一直線方向A52に長く延びる形状に形成された構成となっているので、3つ以上(4つ)の延出片95Eおよび被覆部材277、377の長さ領域R11が、余分なスペースを占有することなく簡潔に配置形成されている。
また、第1制御基板ボックス201B、201Cが、上記被覆部材277、377の長さ領域R11の長さ方向に沿った方向(上下方向)A52に延びる回動軸を中心に回動可能に支持されているので、延出片95Eが視認し難いような場合でも、第1制御基板ボックス201B、201Cを回動させて被覆部材277、377と延出片95Eとの配置関
係を容易に確認することができる。
また、上記延出片95Eが遊技機の裏側の発光手段(第1制御基板ボックス201B、201Cにおける制御基板表面の通電状態確認用LEDや状態報知用セグメント、センターフレーム等の遊技盤内外照明用のLEDランプ等)からの光が照射され得る位置に配置されているので、延出片95Eおよびその周辺がさらに視認されやすくなっている。
また、上記発光手段が、第1制御基板ボックス201B、201Cとは別の部位に配置された場合には、第1制御基板ボックス201B、201Cを回動させた場合でもこの動作とは無関係に一定の位置から延出片95Eおよびその周辺に光が照射され、したがって延出片95Eおよびその周辺に対する光の入射角度が変化して延出片95Eおよびその周辺がさらに視認しやすいようになる。
また、本変更態様の構成によれば、主制御基板を収容した第1制御基板ボックス201B、201Cが組み付けられた遊技機において、上記第1制御基板ボックス201B、201Cの本体部すなわちボックスカバー271およびボックスベース272とは別に成形されたボックス構成部材である被覆部材277、377が、外部から該第1制御基板ボックス201B、201Cを正対するようにして視た場合に主制御基板に重なることなく視認し得る位置すなわち該第1制御基板ボックス201B、201Cの一方側端縁部(図131、図132、図133、図134、図142および図143における左側端縁部)に配置され、上記被覆部材277、377が、上記ボックスカバー271およびボックスベース272の色すなわち無色透明とは異なるとともに組み付けられる遊技機に対応する特定の色(ここでは青色)に着色されているので、該被覆部材277、377の色により、第1制御基板ボックス201B、201Cが遊技機に正しく対応したものであるか否かが外部から一目瞭然に識別できるようになっており、したがって組付作業を容易に行うことができるようになっている。また、第1制御基板ボックス201B、201Cの一部を構成する被覆部材277、377が遊技機に対応する特定の色(ここでは青色)に着色されていることにより、第1制御基板ボックス201B、201Cにおけるこれ以外の部分(ボックスカバー271およびボックスベース272等)は共用となっていて金型の変更も不要となっており、したがってそのぶん作製コストの増大も抑えられている。
またこのとき、被覆部材277、377が主制御基板に重なることなく視認し得る位置に配置されているので、主制御基板の視認性を妨げることなく、被覆部材277、377の色(ここでは青色)による良好な識別効果が得られている。さらにこのとき、例えば専ら識別機能を備える部材を別に用意して第1制御基板ボックス201B、201Cに配設するのではなく、被覆部材277、377に特定の色に着色することにより識別機能が付与されていることから、識別機能の付加にともなって部品点数が増大することともなっていない。
また、被覆部材277、377の近傍にあって外側である左側からみて該被覆部材277、377の前景となり得る位置すなわち該被覆部材277、377の左側の位置に、第1制御基板ボックス201B、201Cを外部の部材である連結封止部87、96に封止状態で連結するための封止部である螺入部95が形成され、該螺入部95が、透明性を有する切取部すなわち延出片95Eを備え、上記被覆部材277、377が該延出片95Eよりも透明度の低いものとなっているので、螺入部95の延出片95Eを破断ないし切断した後に、その痕が背後の被覆部材277、377との対照により際立って明瞭に視認されるようになっている。したがって、延出片95Eが不正に切断された場合でも、この不正な切断の痕跡が見落とされ難くなっている。
また、上記第1制御基板ボックス201B、201Cおよび連結封止部87、96に第
1誤組付防止構造が設けられ、該第1誤組付防止構造は、上記連結封止部87、96の側において、上記被覆部材277、377に対して前景となり得る位置すなわち外側ブロック87E、96Eにおけるネジ固定部873、963の外側面に、凸部/凹部として咬合リブ872、962が配設され、上記第1制御基板ボックス201B、201Cの側に、上記凸部/凹部に対応する凹部/凸部として咬合スリット277B、377Bが配設され、機種ごとに上記咬合リブ872、962および咬合スリット277B、377Bの配置構成が異なるものとされることによって構成されているので、咬合リブ872、962が背後の被覆部材277、377との対照により際立って上記咬合スリット277B、377Bと紛れることもなく明瞭に視認され、これにより組付作業時の視認性がより良好となっている。
また、上記咬合スリット277B、377Bが上記被覆部材277、377に形成されているので、上記咬合リブ872、962との対照がより直接的となってより明瞭に視認されるようになっている。
また、上記被覆部材277、377が、上記第1制御基板ボックス201B、201C内の局限されたスペースである一方側端縁部を占有する一部材となっているので、機種ごとに変更する部品が最小限に抑えられてそのぶん作製コストが低減されている。
また、上記被覆部材277、377が配置された第1制御基板ボックス201B、201Cが透明樹脂により成形されて内部が視認し得るように構成されているが、上述のように被覆部材277、377が第1制御基板ボックス201B、201C内の局限されたスペースを占有する一部材となっているので、第1制御基板ボックス201Bの内部の視認性が実質的には損なわれていない。
また、上記第1制御基板ボックス201B、201Cと該第1制御基板ボックス201B、201Cが組み付けられる組付対象部材であるスペーサ734とに、異なる仕様の間での誤組付を防止するための第2誤組付防止構造が設けられ、該第2誤組付防止構造は、上記第1制御基板ボックス201B、201Cに、別に成形された閉塞部材735により選択的に閉塞され得る複数の凹入部272Nが形成され、上記スペーサ734において上記各凹入部272Nに対応する位置に、上記閉塞部材735の進入を阻止し得るとともに切除可能に構成された障壁片734Dがそれぞれ形成されることによって構成されているので、閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置と切除する障壁片734Dの位置とを一致させることによって、第1制御基板ボックス201B、201Cとスペーサ734との誤組付を効果的に防止することができ、このとき、閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置および切除する障壁片734Dの位置の選択を変更することによって、異なる仕様にも容易に対応することができ、したがって、異なる仕様間であっても、第1制御基板ボックス201Bないしスペーサ734自体は同一のものを共用として金型の変更も不要とすることができ、そのぶん作製コストを低減することができるようになっている。
また、上記被覆部材277、377が遊技機の裏側の発光手段(第1制御基板ボックス201B、201Cにおける制御基板表面の通電状態確認用LEDや状態報知用セグメント、センターフレーム等の遊技盤内外照明用のLEDランプ等)からの光が照射され得る位置に配置されているので、被覆部材277、377およびその周辺がさらに視認されやすくなっている。
また、上記発光手段が、第1制御基板ボックス201B、201Cとは別の部位に配置された場合には、第1制御基板ボックス201B、201Cを回動させた場合でもこの動作とは無関係に一定の位置から被覆部材277、377およびその周辺に光が照射され、
したがって被覆部材277、377およびその周辺に対する光の入射角度が変化して被覆部材277、377およびその周辺がさらに視認しやすいようになる。
(17)前項(16)の変更態様においては、遊技機構成部材である第1制御基板ボックス201B、201Cが、切取部である延出片95Eの近傍にあって外側である左側からみて該延出片95Eの背後となり得る位置すなわち該延出片95Eの右側の位置に、該延出片95Eよりも透明度の低い背景部である被覆部材277、377を備える構成となっているが、このとき、「外側」というのは、第1制御基板ボックス201B、201C単品における第1制御基板ボックス201B、201Cの外側のことである。
しかしながら、ここでいう「外側(または外部)」とは、上記のような場合のみに限られるものではなく、この場合も含め、例えば以下の1.〜3.のようなものをいずれも含む概念である。
1.遊技機完成状態における外側(例えば遊技機背面側)から視た側
2.ホール等での遊技機設置状態における遊技機の前面側であって所定の操作(例えば解錠および開放操作を含む)を行った場合に視認可能となる側(例えば図1に示すパチンコ機10の正面側)
3.基板ボックス単品における基板ボックスの外側
上記1.の場合は遊技機搬送時、設置時、中古流通時等に不正の検出がしやすい。上記2.の場合は遊技機設置時に確認しやすい。上記3.の場合は細かな検査に有利である。
(18)前項(16)の変更態様においては、切取部である延出片95Eが透明樹脂よりなる無色透明の部位となっており、背景部である被覆部材277、377が有色(ここでは青色)の樹脂よりなる不透明の部位となっているが、「切取部」および「切取部よりも透明度の低い背景部」とは、前項(16)の変更態様のような組合せも含め、例えば以下のような組合せを含意する。
・切取部:無色透明、背景部:不透明または半透明の有色
・切取部:半透明の有色、背景部:不透明または切取部よりも透明度の低い半透明の有色(濃色または薄色)
(19)前項(16)の変更態様においては、背景部が被覆部材277、377となっているが、背景部としては、景状の如何は問わず、切取部よりも透明度が低くなっていれば任意のものであってよく、例えば、切取部の近傍にあって外側からみて該切取部の背後となり得る位置にある任意の構成部材の部位に、箔を貼付する、メッキ、塗装等を施す、等の方法により、切取部よりも透明度の低い低透度層を形成するようにしてもよい。
(20)前項(16)の変更態様においては、第1誤組付防止構造ならびにボックス構成部材である被覆部材277、377の色が、異なる機種の間での誤組付を防止するものとして構成され、第2誤組付防止構造が、異なる仕様の間での誤組付を防止するものとして構成されていたが、誤組付を防止する手段(第1誤組付防止構造/第2誤組付防止構造ないし色)とこれにより防止する誤組付の種類(機種間/仕様間)との組み合わせとしてはこれに限定されず、例えば、第1誤組付防止構造を異なる仕様間での誤組付を防止するものとして構成するようにしてもよい。この場合、例えば機種間での誤組付が防止されたとしても必ずしも異なる仕様間での誤組付までもが防止されるとは限らないのに対し、異なる仕様間での誤組付が防止されれば(即ち所定仕様の遊技機に対応する仕様の基板ボックスが間違いなく組み付けられれば)、必然的に機種間での誤組付も防止されていることとなるから、機種間での誤組付を防止するための誤組付防止構造を別に設けることを不要とすることができる。ただし、前項(16)の変更態様における第1誤組付防止構造は、凸部である咬合リブ872、962とこれに対応する凹部である咬合スリット277B、377Bとから構成されているので、より確実に誤組付を防止することができる反面、これ
ら咬合リブ872、962および咬合スリット277B、377Bが形成される連結封止部87、96の外側ブロック87E、96Eおよび被覆部材277、377に限っては金型の変更が必要となることもあってそのぶんだけ比較的に変更幅が大となることから、どちらかといえば機種間での誤組付を防止するための誤組付防止構造として好適である。一方、前項(16)の変更態様における第2誤組付防止構造は、閉塞部材735により選択的に閉塞され得る複数の凹入部272Nと障壁片734Dが切除可能に構成された複数の障害部734Nとから構成されているので、前述の通り僅かながら誤組付が起こる可能性も完全には排除しきれない反面、閉塞部材735により閉塞する凹入部272Nの位置と切除する障壁片734Dの位置とを選択するだけでよく金型の変更も不要であることもあってそのぶんだけ比較的に変更が小幅で済むことから、どちらかといえば仕様間での誤組付を防止するための誤組付防止構造として好適である。
(21)前項(16)の変更態様においては、第2誤組付防止構造におけるスペーサ734およびボックスベース272に、障害部734Nおよび凹入部272Nがそれぞれ左右に6箇所ずつ(上下2列で)配置されてその6箇所がすべて均等に構成され、6箇所の凹入部272Nのいずれも同一の閉塞部材735により閉塞し得るようになっていたが、例えば、複数個所(ここでは6箇所)のうちの選択される箇所に応じて、閉塞部材735を色分けするように着色するようにしてもよい。前項(16)の変更態様においては、赤色に着色された閉塞部材735がいずれの箇所にも使用されるようになっていたが、例えば、これに加えて、変更箇所に応じた別の色(例えば緑色等)に着色した閉塞部材を用意し、仕様変更(ないし機種変更)に応じてこれら異なる色の閉塞部材を使い分けるようにしてもよい。これによれば、閉塞部材を凹入部272Nに嵌着する際に視覚的に明瞭に見分けがつくため、閉塞部材を嵌着する凹入部272Nの位置をより誤り難くすることができ、また、第1制御基板ボックス201B、201Cをスペーサ734に組み付ける際にも、該第1制御基板ボックス201B、201Cが閉塞部材の位置だけでなく色によっても見分けがつくため、より明瞭に識別されることとなって作業性が向上する。
(22)上述の通り、前項(16)の変更態様における第2誤組付防止構造の障害部734Nおよび凹入部272Nは6箇所ずつすべて均等に構成され、6箇所の凹入部272Nのいずれも同一の閉塞部材735により閉塞し得るようになっていたが、例えば、複数個所(ここでは6箇所)の障害部および凹入部を不均等に構成し、それぞれに対応して異なる複数の閉塞部材を作製するようにしてもよい。例えば、6箇所の障害部および凹入部を、一方端から次第に幅が増大または減少していくように構成し、これに応じて幅が6通りに異なる閉塞部材を作製するようにしてもよい。これによれば、異なる複数の閉塞部材を作製するためそのぶん作製の手間が増大することにはなるものの、各幅の閉塞部材はそれぞれ1箇所の凹入部にしか嵌着することができないので、いずれの閉塞部材を用いるかを間違わない限りは閉塞する凹入部の位置を誤ることはほぼ完全になくすることができ、したがって誤組付をより確実に防止することができる。
さらにこれと合わせて、前項(17)で例示したように、変更箇所に応じて、即ち異なる複数の閉塞部材ごとに、閉塞部材を異なる色に着色するようにしてもよく、これによれば、閉塞部材の位置だけでなく、その寸法ないし形状、さらには色によっても見分けがつくようになるため、作業性をさらに向上させることができる。
(23)前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタ
ン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお本明細書は、次に掲げる発明をいずれも開示している。
本発明にかかる遊技機は、手段A1として、
制御基板を内部に収容する基板ボックスが、係合機構を介して遊技機の裏面側に連結固定され、
前記基板ボックスは、制御基板の表面側を覆う表面側被覆領域と裏面側を覆う裏面側被覆領域とを有し、
前記係合機構は、係合部が形成された挿入片を有する第1機構部と、前記挿入片を受容して前記係合部を内部で係合させ得る挿入口を有する第2機構部とで構成され、前記遊技機の裏面側に第1機構部または第2機構部が設けられ、前記基板ボックス側に第2機構部または第1機構部が設けられた遊技機であって、
前記基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部が、該基板ボックスの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けられていることを特徴とする。
本発明において、「表面側被覆領域」および「裏面側被覆領域」とは、制御基板の外形を表面側および裏面側に向けて基板面に垂直な方向に投影した場合に、基板ボックスを構成する壁面上に形成される図形によって包囲される領域のことである。したがって、表面側被覆領域ないし裏面側被覆領域内にある基板ボックスの壁面は、制御基板に平行な平面だけでなく、それ以外の平面や、さらには平面以外の、曲面や凹凸を有するもの等の任意の形状のものが含まれる。
上記手段A1の構成によれば、基板ボックス内に収容された制御基板を表側ないし裏側から視た場合に第2機構部または第1機構部が邪魔になることがなく、したがって制御基板の視認性が良好に維持され、内部状況の確認に支障をきたすようなこともない。
また、基板ボックスにおける表面側被覆領域ないし裏面側被覆領域の前後のスペースを第2機構部または第1機構部が占有することがなく、したがってそのぶん遊技機の裏面側における前後方向のスペースを確保することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A2として、手段A1の遊技機において、
前記基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部の前後方向の厚さが、前記基板ボックスの前後方向の厚さと同じまたはこれより小となっていて、前記基板ボックスより前方にも後方にも突出することなく設けられていることを特徴とする。
上記手段A2の構成によれば、基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部が基板ボックスの厚さの範囲内に納まり、したがって遊技盤の裏側における前後方向の
スペースをより無駄なく有効に利用することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A3として、手段A1または手段A2の遊技機において、
前記遊技盤側に第1機構部が設けられ、前記基板ボックス側に第2機構部が設けられていることを特徴とする。
第2機構部は、第1機構部の挿入片を受容する部位であるため、そのぶん第1機構部よりも大きく構成されざるを得ず、したがって上記手段A3のように基板ボックス側に第2機構部が設けられていると、視認性の面でも占有スペースの面でも影響がより大きいので、これを基板ボックスの前面部にも後面部にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けるようにした本発明の効果がより有効に発揮されることとなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A4として、手段A1から手段A3のいずれかの遊技機において、
前記基板ボックスの周囲の位置に、該基板ボックスを封印するための封印部が設けられ、前記基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部が、該封印部の前面部にも後面部にも重ならない位置に設けられていることを特徴とする。
本発明において、「基板ボックスを封印する」とは、痕跡を残すことなく基板ボックスを開封することができない状態とすることを意味する。
上記手段A4の構成によれば、封印部の視認性も第2機構部または第1機構部によって阻害されることがなく、封印部の状況を確認するのに支障をきたすようなこともない。
また、封印部の前後においても、第2機構部または第1機構部がスペースを占有することがないため、そのぶん封印部における前後方向のスペースを確保することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A5として、手段A1から手段A4のいずれかの遊技機において、
前記第1機構部の挿入片に所定の凹凸部が形成され、前記第2機構部の挿入口内に、前記挿入片の凹凸部と嵌合し得る凹凸部が形成されていることを特徴とする。
遊技機においては、例えば、同一部品から構成されたものであって当選確率のみが異なるように設定されたものがあり、この場合、遊技機の前面部に、遊技者に視認されるように当該遊技機の当選確率が表示されるようになっている。このため、この所定の当選確率が表示された遊技機に、当該当選確率に設定された主制御基板が正しく取り付けられている必要があるが、異なる当選確率に設定された主制御基板であっても、同一部品から構成されたものであるため見分けがつき難く、したがって所定の当選確率が表示された遊技機に、当該当選確率とは異なる当選確率に設定された主制御基板が誤って取り付けられてしまう不良(以下、「誤組付」とも称す)が生じやすい。そこで、上記手段A5の構成によれば、所定の当選確率が表示された遊技機の遊技盤側に設けられる第1機構部または第2機構部の凹凸部と、当該当選確率に設定された主制御基板の基板ボックス側に設けられる第2機構部または第1機構部の凹凸部とを互いに嵌合し得るように形成しておき、これとは異なる当選確率に設定された遊技機においては凹凸部の形状、位置、数等を変えるようにすることにより、所定の当選確率が表示された遊技機には当該当選確率に設定された主制御基板しか取り付けられないようにして誤組付を効果的に防止するようにすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A6として、手段A1から手段A5のいずれかの遊技機において、
前記第1機構部における挿入片の複数個所に係合部がそれぞれ形成され、前記第2機構部における挿入口内に、前記挿入片の複数個所の係合部とそれぞれ係合し得る係合部が形成されていることを特徴とする。
第1機構部と第2機構部とを互いに係合させた状態にあるとき、例えば第2機構部の挿入口内に針金等の不正具を進入させて第1機構部の係合部ないし第2機構部の係合部を動かすようにすると、この係合状態が解除されて基板ボックスが不正に取り外されることとなる場合があるが、上記手段A6のように第1機構部および第2機構部のそれぞれにおける複数個所に係合部が設けられ、これにより互いに係合し合う係合部が複数組設けられた構成によれば、第1機構部と第2機構部との係合を解除するには複数箇所における係合状態を同時に解除することが必要となり、したがって基板ボックスの不正な取り外しをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A7として、手段A6の遊技機において、
前記第1機構部の係合部および第2機構部の係合部よりなる組の間を仕切る仕切部が設けられていることを特徴とする。
上記手段A7の構成によれば、第1機構部の係合部と第2機構部の係合部とがそれぞれ係合した複数箇所の間が仕切部によって互いに隔絶されることとなり、したがって複数箇所における係合状態を同時に解除することがより困難となって基板ボックスの不正な取り外しをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A8として、手段A1から手段A7のいずれかの遊技機において、
前記第1機構部の挿入片が前記第2機構部の挿入口に挿入された状態で該挿入口の少なくとも一部を覆う遮蔽部が設けられていることを特徴とする。
上記手段A8の構成によれば、例えば第2機構部の挿入口内に針金等の不正具を進入させることが遮蔽部が障害となって困難となり、したがって基板ボックスの不正な取り外しをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A9として、手段A8の遊技機において、
前記挿入片が金属板を成形してなるものであり、前記第2機構部の挿入口に挿入された状態で該挿入口より外側に露出した部分を一方に折り曲げることにより前記遮蔽部が形成されていることを特徴とする。
上記手段A9の構成によれば、折曲加工により容易に遮蔽部を挿入片と一体的に形成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A10として、手段A1から手段A9のいずれかの遊技機において、
前記基板ボックスが、所定の軸を中心として回動し得るヒンジ部材を介して開閉可能に連結固定され、
前記ヒンジ部材が、該ヒンジ部材を回動範囲内における所定の角度位置に保持し得る仮保持機構を備えることを特徴とする。
上記手段A10の構成によれば、遊技機の保管、搬送、組立、点検等の際にヒンジ部材を仮保持機構により所定の角度位置に保持しておくことにより、ヒンジ部材の不要な回動を抑制することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A11として、手段A10の遊技機において、
前記仮保持機構が、ヒンジ部材を基板ボックスが取り付けられる取付位置に保持し得るものであることを特徴とする。
上記手段A11の構成によれば、基板ボックスの取付時に、ヒンジ部材を取付位置に保持して動かないようにしておくことにより、基板ボックスを容易かつ確実に取り付けることができ、ヒンジ部材が動いて取付作業が煩瑣となるといった難点もなく作業性を良好とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A12として、手段A10または手段A11の遊技機において、
前記仮保持機構が、ヒンジ部材を折り畳んだ収納位置に保持し得るものであることを特徴とする。
上記手段A12の構成によれば、例えば基板ボックスを取り付ける前の搬送時や保管時に、ヒンジ部材を収納位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材を、搬送作業の邪魔になったり、搬送や保管の際に起立して納まりの悪い体勢となったりすることなく、整然と収納した体勢としておくことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A13として、手段A10から手段A12のいずれかの遊技機において、
前記仮保持機構が、ヒンジ部材を基板ボックスを開いた開位置に保持し得るものであることを特徴とする。
上記手段A13の構成によれば、基板ボックスの点検のために該基板ボックスを開いた時に、ヒンジ部材を開位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材が動いて点検作業の邪魔になるといった難点もなく作業性を良好とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A14として、手段A10から手段A13のいずれかの遊技機において、
前記ヒンジ部材が、板状片同士を重合し軸を挿通して枢着することにより構成され、前記仮保持機構が、前記板状片のうちのいずれか一方の板状片を他方の板状片にむけて付勢手段により付勢するとともに、前記双方の板状片に、互いに係合し合う係止機構を設けることにより構成されていることを特徴とする。
上記手段A14の構成によれば、多数の部品を要することもなく簡潔な構成により効果的に機能し得るヒンジ部材および仮保持機構とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A15として、手段A14の遊技機において、
前記係止機構が、前記板状片のうちのいずれか一方の板状片に、他方の板状片にむけて突出して該上記他方の板状片の辺縁部に係合する係止突起を設けることにより構成されていることを特徴とする。
上記手段A15の構成によれば、板状片のうちのいずれか一方の板状片に設けた係止突起を係合させる対象として他方の板状片の辺縁部を利用できるため、そのぶんより簡略な係止機構とすることができる。
る。
また、本発明にかかる遊技機は、手段A16として、手段A14または手段A15の遊技機において、
前記付勢手段が、前記板状片の間に介装された弾性を有するワッシャとなっていることを特徴とする。
上記手段A16の構成によれば、仮保持機構の構成をさらに簡略化することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B1として、
取付対象部材と、該取付対象部材が取り付けられる被取付部材とを備え、
前記被取付部材が、前記取付対象部材の一部を挿入口から内部へ導入して受容し得る挿入凹部と、
前記挿入凹部の内奥側で一端部を支持されながら挿入口側へ延び、前記挿入凹部内へ導入された前記取付対象部材の所定部位に係合して該取付対象部材の抜け出しを規制する係合部が前記一端部と前記挿入口との間である中間部に形成された弾性片とを備え、
前記取付対象部材を前記被取付部材の挿入凹部内へ導入すると、前記弾性片の挿入口側端部が弾性変形し得ないように支持されるとともに、前記挿入凹部の挿入口が閉塞され、前記弾性片が、両端部の間で弾性変形して係合部が前記取付対象部材の所定部位に弾性的に係合することにより、前記取付対象部材が被取付部材に取り付けられることを特徴とする。
本発明において、「取付対象部材」および「被取付部材」とは、遊技機を構成する部材のうち、互いに取り付けられる一組の部材であれば任意のものを含意する。例えば、スペーサおよび該スペーサが取り付けられる球集合板よりなる一組や、あるいは、制御基板を収容する基板ボックスの場合、当該基板ボックスおよび当該基板ボックスが取り付けられる取付台よりなる一組等がこれに該当し、さらに、互いに固定されて基板ボックスを閉塞する蓋体および本体よりなる一組等もこれに該当する。なおまた、これら一組の部材のうち、いずれを取付対象部材としいずれを被取付部材とするかは任意である。
また、「部材」とは、単一の部材よりなるものだけでなく、複数の部材を組み合わせて構成される複合部材も含意する。
また、「弾性片」とは、棒状、帯状等の形状をなして一方向に長く延びる樹脂、金属等よりなる弾性片をいずれも含意し、さらに加えて、縦方向および横方向に延びる矩形状、多角形状等の板状の弾性片も含意する。
また、「係合部」とは、例えば爪状、ピン状等の形状を有する突起部等をいずれも含意し、また該係合部が係合する「取付対象部材の所定部位」には、上記突起部が係合し得る孔、突条等がいずれも含まれる。なおまた、「係合部」および「取付対象部材の所定部位」は、互いに係合し得るものであれば任意のものを含意し、したがって例えば上記とは逆に、「取付対象部材の所定部位」を爪状、ピン状等の突起部等とし、「係合部」を上記突起部が係合し得る孔、突条等とした構成も含むものである。
上記手段B1の構成によれば、取付対象部材を被取付部材の挿入凹部内へ導入するだけで、弾性片の係合部が取付対象部材の所定部位に弾性的に係合して該取付対象部材の抜け出しを規制することとなり、したがって取付対象部材を被取付部材に容易に取り付けることができる。このとき、弾性片は、挿入凹部の内奥側端部だけでなく挿入口側端部においても、即ち両端部において弾性変形し得ないように支持されるとともに、前記挿入凹部の挿入口が閉塞されるので、例えば外部から器具等を挿入凹部内に進入させて係合状態にある弾性片を変形させて係合状態を解除するといったことは困難であり、したがって取付対象部材を被取付部材から不正に取り外されることを効果的に防止することができる。
またこのとき、弾性片を両端部において弾性変形し得ないように支持することにより、一方端部のみで支持(即ち片持ち支持)する場合に比して、弾性片をより確実かつ安定に支持して強度も向上させることができるとともに、係合部を取付対象部材に強固に係合させて係合状態をより確実かつ安定に保持することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B2として、手段B1の遊技機において、
前記弾性片の挿入口側端部が、中間部にむけて引き寄せられ得るように遊動可能に支持されていることを特徴とする。
上記手段B2の構成によれば、中間部における変形性を十分に確保することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B3として、手段B1または手段B2の遊技機において、前記取付対象部材に、前記弾性片の挿入口側端部が位置するスペースを外側から閉塞する閉止片が形成されていることを特徴とする。
上記手段B3の構成によれば、不正具等を内部に進入させることをさらに困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B4として、手段B1から手段B4のいずれかの遊技機において、
前記被取付部材が、挿入凹部内に別の部材を嵌入するようにして構成された複合部材となっており、該別の部材に前記弾性片が形成されていることを特徴とする。
上記手段B4の構成によれば、係合部を含む弾性片が形成された部材を別個に作製することができるため、例えば単一の部材よりなる被取付部材に弾性片を一体的に成形する場合に比して、弾性片の形成が容易である。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B5として、手段B4の遊技機において、
前記別の部材および挿入凹部に、互いに係合し得る係合構造がそれぞれ設けられ、前記別の部材が、前記係合構造により互いに係合することにより前記挿入凹部内に固定されるようになっていることを特徴とする。
上記手段B5の構成によれば、別の部材を挿入凹部内に嵌入するだけでワンタッチ式に容易に固定することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B6として、手段B5の遊技機において、
前記別の部材に、前記弾性片と対向配置されて該弾性片との間に前記取付対象部材の一部を導入して受容し得るとともに、前記挿入凹部の係合構造に係合し得る係合構造を備える別の弾性片が設けられていることを特徴とする。
上記手段B6の構成によれば、取付対象部材の一部が弾性片と別の弾性片との間に挿入されると、別の弾性片は、挿入凹部と取付対象部材の一部との間に挟持されるため弾性変形し得ない状態となり、したがって係合構造の係合状態が解除し得なくなって、別の部材が挿入凹部内に確実に保持されることとなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C1として、
取付対象部材と、該取付対象部材が取り付けられる被取付部材とを備え、
前記被取付部材が、前記取付対象部材の一部を挿入口から内部へ導入して受容し得る挿入凹部と、
前記挿入凹部の内奥側で一端部を支持されながら挿入口側へ延び、前記挿入凹部内へ導入された前記取付対象部材の所定部位に係合して該取付対象部材の抜け出しを規制する係合部が中間部に形成された弾性片と、
前記弾性片とは別に挿入口側へ延びる固定片とを備え、
前記取付対象部材を前記被取付部材の挿入凹部内へ導入すると、前記固定片の挿入口側
端部が支持されるとともに、前記挿入凹部の挿入口が閉塞され、前記弾性片が弾性変形して係合部が前記取付対象部材の所定部位に弾性的に係合することにより、前記取付対象部材が被取付部材に取り付けられることを特徴とする。
上記手段C1の構成によれば、前記手段B1の場合と同様に、取付対象部材を被取付部材の挿入凹部内へ導入するだけで、取付対象部材を被取付部材に容易に取り付けることができるとともに、挿入凹部の挿入口が閉塞されるので、取付対象部材の不正な取外しを効果的に防止することができる。
またこのとき、弾性片の自由端部は拘束されない構成とすることができるため、弾性片をより容易に弾性変形させることができる。即ち、前記手段B1の構成において固定片を設けるという簡単な変更を加えるのみで、変形性をさらに向上させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C2として、
制御基板を内部に収容する基板ボックスが、間にスペーサを介装するようにして遊技機の裏面側に連結固定され、
前記スペーサが、前後方向に移動し得るように遊技機の裏面側に支持され、
前記基板ボックスが、前記スペーサからは独立して遊技機の裏面側に回動可能に支持され、
前記基板ボックスを回動させて開放した状態でスペーサが前後方向に移動し得るようになっていることを特徴とする。
本発明において、「スペーサ」とは、遊技機の裏面側と基板ボックスとの間に介装される中間部材であって、主として、遊技機の裏面側と基板ボックスとの間に形成される空間を充填し、この空間を利用した不正行為を防止するために設けられるものである。
上記手段C2の構成によれば、前方の取付位置にスペーサが正しく配置されていないと基板ボックスを閉じることができず、したがって、誤ってスペーサと遊技機の裏面との間に隙間が形成されたままの状態とされてこの隙間を不正行為に利用されたり、スペーサが誤った後方の位置に配置される取付ミスとなったりするといった事態を回避することができる。ここで例えば仮に、基板ボックスが独立して支持されることなくスペーサに直接的に固定されて該スペーサとともに前後に移動するような構造であったとすると、スペーサが取付位置に正しく配置されていなくてもそのまま見過ごされることともなりやすいが、これに対し上記手段C2の構成では、基板ボックスを閉じることができるか否かによって、スペーサが取付位置に正しく配置されていない場合にこの誤りが見過ごされることなく確実に認識されるということとなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C3として、手段C2の遊技機において、
前記スペーサが、後方に移動した状態で回転可能に支持されていることを特徴とする。
上記手段C3の構成によれば、回転動作の途上で干渉することのないよう遊技機の裏面との間に十分な間隔を確保してからスペーサを回転させて開放することができ、また取付位置では逆に遊技機の裏面との間にできるだけ隙間ができないように近接させて取り付けることができる。したがって、スペーサを支障なくスムーズに回転させることができるとともに、取付状態で隙間が形成されてこれを不正行為に利用されたり無駄なスペースが生じたりするといった事態を回避することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C4として、手段C2または手段C3の遊技機において、
前記スペーサが、重心よりも後下方で遊技盤に平行な水平軸まわりに回転可能に支持さ
れていることを特徴とする。
上記手段C4の構成によれば、後方に移動した状態においては、そのままではスペーサが自重により前方の遊技機の裏面に寄りかかるようにして支承されることとなり、これを後方へ倒すように回転させるには上部を後方へ引っ張る操作が必要となる。したがって、スペーサが自重により落下するように後方へ回転することによってスペーサ自体ないし周囲の部材が不測の衝撃を受けるといった事態を回避することができる。
(手段D1〜手段D11の先行技術および課題)
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、制御基板を基板ボックスに収容して遊技盤の裏面側に配置するようにしたものがあるが、基板ボックスは例えばこれを取り外して不正な改変を加えたり、あるいは別に不正基板を収容して構成した偽造品に付け替えたりするといった不正行為がなされやすい。このため、このような不正行為を防止する上では基板ボックスを容易に取り外すことが困難な取付構造とすることが望まれる。
そこで、例えば、基板ボックスの端部に部分的に突出する封止部を形成し、この封止部に、破断ネジと称される、いったん締結すると取り外しが不可能となる特殊なネジを螺入することにより、基板ボックスを取付位置に取り付けるようにすることも行われている。この取付構造によれば、基板ボックスを取付位置に固定した後は、基板ボックスのいずれかの部位を破断させたりしない限りは固定状態を解除し得ない状態、即ち、破壊、破断等の痕跡を残すことなしには取り外すことが困難な封止状態とすることができ、これにより、基板ボックスの不正な取り外しが発覚することなく遂行されることを効果的に防止することができる。
上記取付構造においては、例えば封止部を、基板ボックスの端部から板状に延出する延出片と、該延出片の先端部に設けられた破断ネジの螺入部とを有して全体として基板ボックスと一体的に成形された構成とし、封止状態とした後に点検等のなんらかの目的で基板ボックスを取り外すことが必要となった場合には、封止部の延出片をニッパ等で切断することにより、封止部と基板ボックスとを分離し得るようになっているのが一般的である。また、このようにして封止部での封止および封止状態の解除を行うと、当該封止部が以降は使用不能となるので、封止部を複数配設しておき、封止および封止解除の操作を再度行い得るようにすることもなされている(例えば先行技術文献として特開2007−267832号公報参照)。
しかしながら、基板ボックスは、内部が視認し得るようにしておく必要から、透明樹脂を成形して構成されるのが一般的であり、したがって封止部もこれにともない通常は透明樹脂よりなるものとなっている。この場合、封止部の延出片を切断した後に、その痕があまり目立たず外部から気付き難くなることがあり、このため、例えば延出片が不正に切断された場合でも、この不正な切断の痕跡が見落とされることとなってしまう。特に、基板ボックスの構成によっては延出片の背後に別の透明樹脂よりなる部位が配置される場合もあるが、このような場合には延出片を切断した後の痕跡が背後の透明樹脂に紛れてさらに目立たなくなりやすい。
手段D1〜手段D11の遊技機は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、封止部またはその周辺における不正な封止解除の操作を効果的に防止することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、手段D1として、
2以上の遊技機構成部材が封止部を介して封止状態で連結され、該封止部が、透明性を有する切取部を備え、
前記遊技機構成部材が、前記切取部の近傍にあって外側からみて該切取部の背後となり得る位置に、該切取部よりも透明度の低い背景部を備えることを特徴とする。
本発明において、「2以上の遊技機構成部材」とは、互いに連結されて遊技機の少なくとも一部を構成する任意の2以上の部材を含意し、例えば、基板ボックスと、該基板ボックスのベース(取付台座)部材と、該基板ボックスを該ベース部材に連結する連結部材とのうちの少なくとも2部材や、基板ボックスが第1分割部材と第2分割部材との間に制御基板を収容した構成を有するものである場合の、当該第1分割部材と第2分割部材との2部材等がいずれも含まれる。
また、「封止」とは、連結対象となる遊技機構成部材を破断させたりしない限りは固定状態が解除し得ない状態、即ち、破壊、破断等の痕跡を残すことなしには取り外すことが困難な状態とすることであり、また、切取部を操作することで固定状態の解除が可能とされる状態を意味する。
また、「切取部」とは、当該部位を切断、変形または破壊等をすることで上述の封止状態が解除される部位をいう。例えば、手指で破断させることが可能な薄板状の部位、ニッパ等で切断することが可能な程度の厚みを有する板状の部位等をいずれも含意する。またこの「切取部」は、上述のように破断させたり切断したりすることが可能な部位であるから、その名称として、「切取部」以外にも例えば、「切断部」、「破壊部」、「破断部」等のような別称で表すこともできる。
また、「切取部の近傍にあって外側からみて該切取部の背後となり得る位置」というときの「外側からみて切取部の背後となり得る位置」とは、切取部を外側のいずれの方向から視るかに応じて定まる位置であり、必ずしも遊技機において切取部の背面側となる位置とは限らない。例えば、遊技盤の裏面側に配置される基板ボックスの左端部に設けられた封止部における切取部であれば、例えば遊技機の後方から切取部を視た場合には該切取部の前側となる位置に相当し、あるいは例えば遊技機の左側から切取部を視た場合には該切取部の右側となる位置に相当し、この場合、切取部は遊技機の背面側に配置されているため該切取部よりも前側からは視ることができないから、前側を除く全方向から切取部を視た場合に該切取部の背後となり得る位置、即ち該切取部の上下左右側ないし前側(換言すれば切取部を通る遊技盤に平行な平面上の位置ないしこの平面よりも前側にある位置)であれば任意の位置を含意する。また、「切取部の近傍にあって」とは、切取部を外側から視た場合にその背後に視認し得る範囲内に存在することを意味し、切取部に背後から直接的に接するように配置された態様だけでなく、例えば切取部の背後に空隙をおいて配置された態様や、切取部の背後に透明部材を介して配置された態様等をいずれも含意する。
また、「外側(または外部)」とは、例えば以下の(1)〜(3)のようなものをいずれも含む概念である。
(1)遊技機完成状態における外側(例えば遊技機背面側)から視た側
(2)遊技機設置状態における遊技機前面側であって所定の操作(例えば解錠および開放操作を含む)を行った場合に視認可能となる側
(3)基板ボックス単品における基板ボックスの外側
上記(1)の場合は遊技機搬送時、設置時、中古流通時等に不正の検出がしやすい。上記(2)の場合は遊技機設置時に確認しやすい。上記(3)の場合は細かな検査に有利である。
また、「切取部」および「切取部よりも透明度の低い背景部」とは、例えば以下のようなものを含意する。
・切取部:無色透明、背景部:不透明または半透明の有色
・切取部:半透明の有色、背景部:不透明または切取部よりも透明度の低い半透明の有色(濃色または薄色)
また、「背景部」とは、景状の如何は含意せず、切取部よりも透明度が低くなっていれば任意の部位を含意し、このためその名称としても、「背景部」以外にも例えば、「着色部」、「濃色部」、「低透度部」等のような別称で表すこともできる。
上記手段D1の構成によれば、封止部の切取部を破断ないし切断した後に、その痕が背後の背景部との対照により際立って明瞭に視認されることとなる。したがって、切取部が不正に切断された場合でも、この不正な切断の痕跡が見落とされ難くなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D2として、手段D1の遊技機において、
上記背景部が、機種ごとに対応する色に着色されていることを特徴とする。
上記手段D2の構成によれば、背景部が配置された遊技機構成部材がどの機種に対応するものであるのかが視覚的に明瞭に把握されやすくなり、これにより該遊技機構成部材の誤組付を効果的に防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D3として、手段D1または手段D2の遊技機において、
上記遊技機構成部材に第1誤組付防止構造が設けられ、該第1誤組付防止構造は、遊技機構成部材のうちの一方の側において、上記背景部に対して前景となり得る位置に、凸部/凹部が配設され、上記遊技機構成部材のうちの他方の側に、上記凸部/凹部に対応する凹部/凸部が配設され、機種ごとに上記凸部/凹部および凹部/凸部の配置構成が異なるものとされることによって構成されていることを特徴とする。
上記手段D3の構成によれば、上記凸部/凹部が背後の背景部との対照により際立って上記凹部/凸部と紛れることもなく明瞭に視認されるようになり、これにより組付作業時の視認性がより良好となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D4として、手段D3の遊技機において、
上記凹部/凸部が上記背景部に形成されていることを特徴とする。
上記手段D4の構成によれば、上記凸部/凹部との対照がより直接的となってより明瞭に視認されるようになる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D5として、手段D2または手段D3の遊技機において、
上記背景部が、上記遊技機構成部材内の局限されたスペースを占有する一部材よりなることを特徴とする。
上記手段D5の構成によれば、機種ごとに変更する部品を最小限に抑えてそのぶん作製コストを低減することができる。
また、上記背景部が配置された遊技機構成部材が例えば基板ボックスのように透明樹脂により成形されて内部が視認し得るように構成されている場合であっても、上述のように背景部が遊技機構成部材内の局限されたスペースを占有する一部材よりなるものであれば、該遊技機構成部材の内部の視認性が実質的には損なわれ難い。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D6として、手段D2または手段D3の遊技機において、
上記遊技機構成部材のうちの一方の遊技機構成部材と該遊技機構成部材が組み付けられる組付対象部材とに、異なる仕様の間での誤組付を防止するための第2誤組付防止構造が設けられ、該第2誤組付防止構造は、上記遊技機構成部材に、別に成形された閉塞部材により選択的に閉塞され得る複数の凹入部が形成され、上記組付対象部材において上記各凹入部に対応する位置に、上記閉塞部材の進入を阻止し得るとともに切除可能に構成された障壁片がそれぞれ形成されることによって構成されていることを特徴とする。
上記手段D6の構成によれば、閉塞部材により閉塞する凹入部の位置と切除する障壁片の位置とを一致させることによって、遊技機構成部材と組付対象部材との誤組付を効果的に防止することができ、このとき、閉塞部材により閉塞する凹入部の位置および切除する障壁片の位置の選択を変更することによって、異なる仕様にも容易に対応することができ、したがって、異なる仕様間であっても遊技機構成部材ないし組付対象部材自体は同一のものを共用として金型の変更も不要とすることができ、そのぶん作製コストを低減することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D7として、手段D1から手段D6のいずれかの遊技機において、
上記切取部が複数配置され、
上記背景部が、上記複数の切取部のうちの少なくとも2つの切取部とこれら2つの切取部の間の領域とをあわせて外側から反対側に投影して得られる図形を包含し得る長さ領域を有し、
上記切取部により遊技機構成部材が連結されている方向に交差し且つ上記背景部の長さ領域の長さ方向に沿った方向に上記切取部を切断することで、上記封止部による封止状態が解除され得るようになっていることを特徴とする。
上記手段D7の構成によれば、外側からみて少なくとも2つの切取部とこれら2つの切取部の間の領域との背後となり得る位置に必ず背景部が存在することとなり、したがってこれら2つの切取部がより確実に背景部により視認しやすくなり、例えば正対位置よりも多少上下にずれた位置からこれら2つの切取部を視たような場合でも、背後に背景部が存在することにより、視認のしやすさを確保することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D8として、手段D7の遊技機において、
上記切取部が同一直線状に3つ以上配置され、
上記背景部の長さ領域が、上記3つ以上の切取部のすべてと両端の切取部の間の領域とをあわせて外側から反対側に投影して得られる図形を包含し得るものとなっていることを特徴とする。
上記手段D8の構成によれば、3つ以上の切取部がより確実に背景部により視認しやすくなり、このとき、3つ以上の切取部が同一直線状に配置され、背景部の長さ領域もこれに対応して直線状に形成される構成となっているので、3つ以上の切取部および背景部の長さ領域を、余分なスペースを占有することなく簡潔に配置形成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D9として、手段D7または手段D8の遊技機において、
上記遊技機構成部材が、上記背景部の長さ領域の長さ方向に沿った方向に延びる回動軸を中心に回動可能に支持されていることを特徴とする。
上記手段D9の構成によれば、切取部が視認し難いような場合でも、遊技機構成部材を回動させて背景部と切取部との配置関係を容易に確認することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D10として、手段D1から手段D9のいずれかの遊技機において、
上記切取部が、遊技機の裏側の発光手段からの光が照射され得る位置に配置されていることを特徴とする。
上記手段D10の構成によれば、切取部およびその周辺がさらに視認されやすくなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段D11として、手段D10の遊技機において、
上記発光手段が、遊技機構成部材とは別の部位に配置され、
上記遊技機構成部材が回動可能に支持されていることを特徴とする。
上記手段D11の構成によれば、遊技機構成部材を回動させた場合でもこの動作とは無関係に一定の位置から切取部およびその周辺に光が照射され、したがって切取部およびその周辺に対する光の入射角度が変化して切取部およびその周辺がさらに視認しやすいようになる。
(手段E1〜手段E8の先行技術および課題)
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、制御基板を基板ボックスに収容して遊技盤の裏面側に配置するようにしたものがある。このような遊技機において、機種が異なる場合には、制御基板としては異なるものが用いられるが、その外装体である基板ボックス自体は同一構成のものが共用されることも多い。あるいはまた、同一機種であっても、当選確率のみを互いに異なるように設定した複数の異なる仕様に製造される場合があり、このような場合にも、制御基板としてはこの仕様ごとに異なる当選確率に設定されたものが用いられるが、その外装体である基板ボックス自体はやはり同一構成のものが共用されるのが通例である。
これらの場合、機種あるいは仕様ごとに、それぞれ対応する制御基板を搭載した基板ボックスが正しく組み付けられている必要があるが、外装体である基板ボックスの構成が同一であるために、当該基板ボックスがいずれの機種あるいは仕様に対応するものであるかが外見からは判別し難く、このため組付作業時に、機種あるいは仕様に対応しない制御基板を収容した基板ボックスが誤って組み付けられてしまう不良(誤組付)が生じやすい。
そこで、例えば、基板ボックスと、該基板ボックスが組み付けられる遊技機側の組付位置(例えば取付ベース等)とに、互いに嵌合し得る凸部および凹部をそれぞれ形成しておき、機種あるいは仕様ごとにこの凸部および凹部の形成位置や数などを異なるようにして、所定の機種あるいは仕様にはそれぞれ対応する制御基板を搭載した基板ボックスしか組み付けられ得ないように構成することにより、誤組付を防止することもなされている(例えば先行技術文献として特開2000−210427号公報参照)。
しかしながら、基板ボックスは、内部が視認し得るようにしておく必要から、透明樹脂を成形して構成されるのが一般的であり、したがって凸部ないし凹部もこれにともない通常は透明樹脂よりなるものとなっている。この場合、凸部と凹部との対応によって最終的には誤組付を防止することが可能ではあっても、組付に至るまでには、凸部ないし凹部自体があまり目立たないため、当該基板ボックスがいずれの機種あるいは仕様に対応するものであるかがやはり紛らわしくて判別し難く、したがって組付の作業性に劣るという問題がある。また、このように機種あるいは仕様ごとに形成位置や数などが異なる凸部ないし凹部を形成するのにともない、基板ボックスの作製に使用する金型も機種あるいは仕様ごとに変更することが必要となり、そのぶん作製コストが増大するという問題もある。
手段E1〜手段E8の遊技機は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、遊技機
に組み付けるべき基板ボックスを明確に見分けることができて組付作業が行いやすく、基板ボックスの作製に要するコストの増大も抑えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、手段E1として、
制御基板を収容した基板ボックスが組み付けられた遊技機であって、
前記基板ボックスの本体部とは別に成形されたボックス構成部材が、外部から該基板ボックスを正対するようにして視た場合に前記制御基板に重なることなく視認し得る位置に配置され、
前記ボックス構成部材が、前記基板ボックスの本体部の色とは異なるとともに組み付けられる遊技機に対応する特定の色に着色されていることを特徴とする。
本発明において、「基板ボックス」とは、「基板ケース」とほぼ同一の内容を含意し、制御基板を収容し得るものであれば、その形状は任意であって、また6面が完全には閉塞され得ないものも含む。
また、「基板ボックスの本体部」とは、実質的に制御基板を覆う部分(即ち、制御基板の全体、あるいは少なくとも大部分を覆う部分)のことであり、例えばボックスベースとボックスカバーとに分割構成されて該ボックスベースとボックスカバーとの間に制御基板が収容される構成とした基板ボックスの場合、当該ボックスベースとボックスカバーとが本体部に相当する。
また、「ボックス構成部材」とは、基板ボックスの一部を構成し、外装、閉塞、連結、封止、制御基板の固定等のような基板ボックスの構造に関わる諸機能のうちの少なくとも一部を担う部材ないし部品を意味し、したがって単に識別機能や装飾機能等を専ら奏するシール、プレート等の部材は含意しない。
また、「外部から基板ボックスを正対するようにして視た場合に制御基板に重なることなく視認し得る位置」とは、例えば遊技盤の裏面に配置された基板ボックスであれば、該基板ボックスを後方から視た場合に、制御基板の側方、上方、下方等のように、制御基板から周囲に逸れていて、かつ視認することが可能となっている位置を含意し、一方、例えば制御基板の手前の位置であれば、該制御基板に重なって視認されることとなるため該当しない。
上記手段E1の構成によれば、ボックス構成部材の色により、基板ボックスが遊技機に正しく対応したものであるか否かが外部から一目瞭然に識別できることとなり、したがって組付作業を容易に行うことができる。また、基板ボックスの一部を構成するボックス構成部材が遊技機に対応する特定の色に着色されていることにより、基板ボックスにおけるこれ以外の部分(本体部等)は共用として金型の変更も不要とすることができ、したがってそのぶん作製コストの増大も抑えることができる。
またこのとき、ボックス構成部材が制御基板に重なることなく視認し得る位置に配置されているので、制御基板の視認性を妨げることなく、ボックス構成部材の色による良好な識別効果を得ることができる。さらにこのとき、例えば専ら識別機能を備える部材を別に用意して基板ボックスに配設するのではなく、ボックス構成部材に特定の色に着色することにより識別機能が付与されていることから、識別機能の付加にともなって部品点数が増大することもない。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E2として、手段E1の遊技機において、
上記ボックス構成部材の近傍にあって外側からみて該ボックス構成部材の前景となり得る位置に、上記基板ボックスを外部の部材に封止状態で連結するための封止部が形成され、該封止部が、透明性を有する切取部を備え、上記ボックス構成部材が該切取部よりも透明度の低いものとなっていることを特徴とする。
上記手段E2の構成によれば、封止部の切取部を破断ないし切断した後に、その痕が背後のボックス構成部材との対照により際立って明瞭に視認されるようになる。したがって、切取部が不正に切断された場合でも、この不正な切断の痕跡が見落とされ難いようにすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E3として、手段E2の遊技機において、
上記基板ボックスおよび外部の部材に第1誤組付防止構造が設けられ、該第1誤組付防止構造は、上記外部の部材の側において、上記ボックス構成部材に対して前景となり得る位置に、凸部/凹部が配設され、上記基板ボックスの側に、上記凸部/凹部に対応する凹部/凸部が配設され、機種ごとに上記凸部/凹部および凹部/凸部の配置構成が異なるものとされることによって構成されていることを特徴とする。
上記手段E3の構成によれば、凸部/凹部が背後のボックス構成部材との対照により際立って上記凹部/凸部と紛れることもなく明瞭に視認されるようになり、これにより組付作業時の視認性をより良好とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E4として、手段E3の遊技機において、
上記凹部/凸部が上記ボックス構成部材に形成されていることを特徴とする。
上記手段E4の構成によれば、上記凸部/凹部との対照がより直接的となってより明瞭に視認されるようになる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E5として、手段E1から手段E4のいずれかの遊技機において、
上記ボックス構成部材が、上記基板ボックス内の局限されたスペースを占有する一部材となっていることを特徴とする。
上記手段E5の構成によれば、機種ごとに変更する部品を最小限に抑えてそのぶん作製コストを低減することができる。
また、上記ボックス構成部材が配置された基板ボックスが透明樹脂により成形されて内部が視認し得るように構成されている場合であっても、上述のようにボックス構成部材が基板ボックス内の局限されたスペースを占有する一部材となっていれば、基板ボックスの内部の視認性が実質的には損なわれ難い。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E6として、手段E1から手段E5のいずれかの遊技機において、
上記基板ボックスと該基板ボックスが組み付けられる組付対象部材とに、異なる仕様の間での誤組付を防止するための第2誤組付防止構造が設けられ、該第2誤組付防止構造は、上記基板ボックスに、別に成形された閉塞部材により選択的に閉塞され得る複数の凹入部が形成され、上記組付対象部材において上記各凹入部に対応する位置に、上記閉塞部材の進入を阻止し得るとともに切除可能に構成された障壁片がそれぞれ形成されることによって構成されていることを特徴とする。
上記手段E6の構成によれば、閉塞部材により閉塞する凹入部の位置と切除する障壁片の位置とを一致させることによって、基板ボックスと組付対象部材との誤組付を効果的に防止することができ、このとき、閉塞部材により閉塞する凹入部の位置および切除する障壁片の位置の選択を変更することによって、異なる仕様にも容易に対応することができ、したがって、異なる仕様間であっても、基板ボックスないし組付対象部材自体は同一のものを共用として金型の変更も不要とすることができ、そのぶん作製コストを低減すること
ができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E7として、手段E1から手段E6のいずれかの遊技機において、
上記ボックス構成部材が、遊技機の裏側の発光手段からの光が照射され得る位置に配置されていることを特徴とする。
上記手段E7の構成によれば、ボックス構成部材およびその周辺がさらに視認されやすくなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E8として、手段E7の遊技機において、
上記発光手段が、基板ボックスとは別の部位に配置され、
上記基板ボックスが回動可能に支持されていることを特徴とする。
上記手段E8の構成によれば、基板ボックスを回動させた場合でもこの動作とは無関係に一定の位置からボックス構成部材およびその周辺に光が照射され、したがってボックス構成部材およびその周辺に対する光の入射角度が変化してボックス構成部材およびその周辺がさらに視認しやすいようになる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段F1として、手段A1から手段A16、手段B1から手段B6、手段C1から手段C4、手段D1から手段D11ならびに手段E1から手段E8のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、係合機構における基板ボックス側に設けられる第2機構部または第1機構部を、上記基板ボックスの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けるようにしたことにより、基板ボックスの視認性を係合機構により阻害されることなく良好に維持することができるとともに、遊技機の裏面側における前後方向のスペースを係合機構により占有されることなく効率よく確保することが可能なパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段F2として、手段A1から手段A16、手段B1から手段B6、手段C1から手段C4、手段D1から手段D11ならびに手段E1から手段E8のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技
者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、係合機構における基板ボックス側に設けられる第2機構部または第1機構部を、上記基板ボックスの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けるようにしたことにより、基板ボックスの視認性を係合機構により阻害されることなく良好に維持することができるとともに、遊技機の裏面側における前後方向のスペースを係合機構により占有されることなく効率よく確保することが可能なスロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段F3として、手段A1から手段A16、手段B1から手段B6、手段C1から手段C4、手段D1から手段D11ならびに手段E1から手段E8のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、係合機構における基板ボックス側に設けられる第2機構部または第1機構部を、上記基板ボックスの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けるようにしたことにより、基板ボックスの視認性を係合機構により阻害されることなく良好に維持することができるとともに、遊技機の裏面側における前後方向のスペースを係合機構により占有されることなく効率よく確保することが可能な、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。