JP5789523B2 - 研磨パッド、及び研磨パッドを用いた化学的機械的研磨方法 - Google Patents
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Description
(熱可塑性ポリウレタンの重合)
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール(PTMG2000)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(MPD)、1,4−ブタンジオール(BD)、及び4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)をPTMG2000:MPD:BD:MDIの質量比が32.0:4.3:13.2:50.5になるように混合した。このときBDとMPDのモル比は80/20である。そしてこのように調製された混合液を同軸で回転する2軸押出機に定量ポンプで連続的に供給して、連続溶融重合を行い、熱可塑性ポリウレタンを製造した。2軸押出機から連続的に吐出されたストランド状の熱可塑性ポリウレタンは水中で冷却された後、ペレタイザーでペレット化された。そして、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、固有粘度0.85dl/gの熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの80℃および110℃における貯蔵弾性率を表1に示す。
得られた熱可塑性ポリウレタンを原料とし、1列に配列された直径0.3mmのノズルの両側に加熱空気の噴射用スリットを有する溶融ブロー紡糸装置を用い、ダイ温度260℃で溶融した熱可塑性ポリウレタンをノズル当たり毎分0.5gの割合で吐出させ、270℃に加熱した空気をスリットから1m幅当たり15Nm3/分噴射することにより熱可塑性ポリウレタンを細化した。細化された熱可塑性ポリウレタンをノズル下方15cmに設置した50メッシュの金網からなるコンベア上で捕集することにより、繊維の平均繊維直径16μm、空隙率37%、厚さ2.5mmの熱可塑性ポリウレタンシートAを得た。
得られた研磨パッドの研磨レート及び研磨の不均一性を次のような方法により評価した。得られた研磨パッドをCMP研磨装置((株)エム・エー・ティ製の「MAT−BC15」)に設置した。そして、ダイヤモンドドレッサー((株)アライドマテリアル製の#100−被覆率80%、直径19cm、質量1kg))を用い、蒸留水を150mL/分の割合で流しながら、ドレッサー回転数140rpm、プラテン回転数100rpmで研磨パッドのコンディショニングを1時間行った。
不均一性(%)=(σ/R)×100 ・・・(1)
(式(1)中、σは49点の研磨速度の標準偏差、Rは49点の研磨速度の平均値を表す。)
さらに、10枚目に研磨したシリコンウェハについて、(株)キーエンス製のカラーレーザー顕微鏡「VK−X200」を使用し、倍率500倍で観察してスクラッチの有無を確認した。結果を表1に示す。
実施例1で得られた熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートAを温度235℃、圧力300kN/cm2の条件で加熱プレスして得られた、平均繊維直径16μm、空隙率5.4%の熱可塑性ポリウレタンシートBを用いた以外は実施例1と同様にして研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
「メルトブローン法による熱可塑性ポリウレタンシートの作製」において、ダイ温度245℃で溶融した熱可塑性ポリウレタンをノズル当たり毎分0.5gの割合で吐出させ、255℃に加熱した空気をスリットから1m幅当たり10Nm3/分噴射することにより熱可塑性ポリウレタンを細化した以外は実施例1と同様にして、平均繊維直径42μm、空隙率44%、厚さ1.9mmの熱可塑性ポリウレタンシートCを得た。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートCを用いた以外は実施例1と同様にして研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
実施例3で得られた熱可塑性ポリウレタンシートCの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートCを温度235℃、圧力300kN/cm2の条件で加熱プレスして得られた、平均繊維直径42μm、空隙率3.6%の熱可塑性ポリウレタンシートDを用いた以外は実施例3と同様にして研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
「メルトブローン法による熱可塑性ポリウレタンシートの作製」において、ダイ温度275℃で溶融した熱可塑性ポリウレタンをノズル当たり毎分0.5gの割合で吐出させ、280℃に加熱した空気をスリットから1m幅当たり19Nm3/分噴射することにより熱可塑性ポリウレタンを細化した以外は実施例1と同様にして、平均繊維直径10μm、空隙率39%、厚さ1.8mmの熱可塑性ポリウレタンシートEを得た。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートEを用いた以外は実施例1と同様にして研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
実施例5で得られた熱可塑性ポリウレタンシートEの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートEを温度235℃、圧力300kN/cm2の条件で加熱プレスして得られた、平均繊維直径10μm、空隙率5.0%の熱可塑性ポリウレタンシートFを用いた以外は実施例5と同様にして研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1で重合された熱可塑性ポリウレタンのペレットをシリンダー径65mmの単軸押出成形機に仕込み、シリンダー温度225〜235℃、ダイス温度235℃の条件でT−ダイから押出し、冷却することにより、厚さ2mmの熱可塑性ポリウレタンシートGを成形した。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートGを用いた以外は、実施例1と同様にして直径38cmの円形状の研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
「メルトブローン法による熱可塑性ポリウレタンシートの作製」において、ダイ温度280℃で溶融した熱可塑性ポリウレタンをノズル当たり毎分0.5gの割合で吐出させ、290℃に加熱した空気をスリットから1m幅当たり22Nm3/分噴射することにより熱可塑性ポリウレタンを細化した以外は実施例1と同様にして、平均繊維直径4.9μm、空隙率61%、厚さ1.9mmの熱可塑性ポリウレタンシートHを得た。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートHを用いた以外は実施例1と同様にして研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
「メルトブローン法による熱可塑性ポリウレタンシートの作製」において、ダイ温度230℃で溶融した熱可塑性ポリウレタンをノズル当たり毎分0.5gの割合で吐出させ、235℃に加熱した空気をスリットから1m幅当たり8.0Nm3/分噴射することにより熱可塑性ポリウレタンを細化した以外は実施例1と同様にして、平均繊維直径66μm、空隙率55%、厚さ1.9mmの熱可塑性ポリウレタンシートIを得た。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートIを用いた以外は実施例1と同様にして研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1で重合された熱可塑性ポリウレタンのペレットをシリンダー径65mmの単軸押出成形機に仕込み、シリンダー温度225〜235℃、ダイス温度235℃の条件でT−ダイから押出し、60℃に調温したギャップ間隔1.8mmのロールを通過させて、厚さ2.0mmのシートを成形した。次に、得られたシートを耐圧容器に入れ、温度130℃、圧力8.0MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を2重量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを160℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却してポリウレタン発泡体シートJを得た。ポリウレタン発泡体シートJの密度は0.80g/cm3、気泡サイズは40〜80μm、空隙率は28%であった。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、ポリウレタン発泡体シートJを用いた以外は、実施例1と同様にして直径38cmの円形状の研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
ポリエーテル系ウレタンポリマーと4、4’−メチレン−ビス2−クロロアニリンと中空高分子微小球体(エクスパセル551DE)とを質量比で78:20:2.0の割合で混合し、RIM成形機で金型に吐出して加圧成型を行うことにより、熱硬化性ポリウレタンからなる厚み2mmのポリウレタン発泡体シートKを得た。ポリウレタン発泡体シートKは密度 0.71g/cm3であり、独立気泡の平均径は30μm、空隙率は30%であった。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、ポリウレタン発泡体シートKを用いた以外は、実施例1と同様にして直径38cmの円形状の研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
(熱可塑性ポリウレタンの重合)
数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール[略号:PTMG1000]、3−メチル−1,5−ペンタンジオール[略号:MPD]、1,4−ブタンジオール[略号:BD]、及び4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG1000:MPD:BD:MDIの質量比が19.2:4.5:9.3:67.0となるように混合した。このときBDとMPDのモル比は80/20である。そしてこのように調整された混合液を同軸で回転する2軸押出機に定量ポンプで連続的に供給して、連続溶融重合を行い、熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、固有粘度0.0.71dl/gの熱可塑性ポリウレタンを得た。80℃および110℃における貯蔵弾性率を表1に示した。
上記熱可塑性ポリウレタンを用いた以外は実施例1と同様の条件で熱可塑性ポリウレタンシートの作製を行い、平均繊維直径48μm、空隙率35%、厚さ2.0mmの熱可塑性ポリウレタンシートLを得た。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートLを用いた以外は、実施例1と同様にして直径38cmの円形状の研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
(熱可塑性ポリウレタンの重合)
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール[略号:PTMG2000]、3−メチル−1,5−ペンタンジオール[略号:MPD]、1,4−ブタンジオール[略号:BD]、および4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG2000:MPD:BD:MDIの質量比が42.0:7.2:19.5:31.3となるように混合した。このときBDとMPDのモル比は80/20である。そしてこのように調整された混合液を同軸で回転する2軸押出機に定量ポンプで連続的に供給して、連続溶融重合を行い、熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより、固有粘度0.94dl/gの熱可塑性ポリウレタンを得た。80℃および110℃における貯蔵弾性率を表1に示した。
上記熱可塑性ポリウレタンを用いた以外は実施例1と同様の条件で熱可塑性ポリウレタンシートの作製を行い、平均繊維直径3.5μm、空隙率43%、厚さ2.0mmの熱可塑性ポリウレタンシートMを得た。そして、熱可塑性ポリウレタンシートAの代わりに、熱可塑性ポリウレタンシートMを用いた以外は、実施例1と同様にして直径38cmの円形状の研磨パッドを得、評価した。結果を表1に示す。
11 回転定盤
12 スラリー供給ノズル
13 キャリア
14 パッドコンディショナー
15 被研磨基材
16 研磨スラリー
20 CMP装置
Claims (7)
- 80℃における貯蔵弾性率が150〜900MPaである熱可塑性ポリウレタンからなる平均直径10〜50μmの繊維の不織布(含浸された高分子弾性体を含むものを除く)からなることを特徴とする研磨パッド。
- 空隙率が1〜50%である請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記熱可塑性ポリウレタンの110℃における貯蔵弾性率が40MPa以下である請求項1または2に記載の研磨パッド。
- 前記熱可塑性ポリウレタンが、高分子ジオール,有機ジイソシアネート及び鎖伸長剤を溶融重合させて得られたものである請求項1〜3の何れか1項に記載の研磨パッド。
- 前記高分子ジオールがポリテトラメチレングリコールを30〜100質量%含有する請求項4に記載の研磨パッド。
- 前記ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量が1200〜4000である請求項5に記載の研磨パッド。
- 基材の化学的機械的研磨方法であって、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨パッドまたは基材の表面に研磨スラリーを滴下しながら、前記研磨パッドの表面と前記基材の表面とを圧接した状態で前記基材と前記研磨パッドとを相対的に動かすことにより前記基材の表面を研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
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