JP5788839B2 - 硬化性樹脂組成物、その硬化物及びそれを用いた光半導体デバイス - Google Patents
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Description
(A)下記(A−1)の化合物及び/又は(A−2)のオルガノポリシロキサン
(A−1)下記一般式(1)で表される構造を有し、1分子あたり少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有する化合物:
(A−2)下記平均組成式(2)で表される構造を有する、分岐状または三次元構造のオルガノポリシロキサン:
R′n’(C6H5)m’SiO(4−n’−m’)/2 (2)
[式中、R′は、同一又は異なり、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基及び水酸基のいずれかであり、全R′のうち0.1〜80mol%がアルケニル基であり、n’,m’は1≦n’+m’≦2、0.20≦m’/(n’+m’)≦0.95を満たす正数である。]
(B)脂肪族不飽和基を有さず、1分子あたり少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有する有機ケイ素化合物、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、
を含む硬化性シリコーン樹脂組成物であることが好ましい。
R″aHbSiO(4−a−b)/2 (3)
(式中、R″は、互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の、ケイ素原子に結合した一価炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基を除く)であり、a及びbは、0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0、かつ0.8≦a+b≦3.0を満足する正数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましい。
前述のように、優れた耐熱衝撃性、耐変色性、ガスバリア性を有し、さらに、低粘度の硬化性樹脂組成物を用いて蛍光体粒子を分散した封止剤をパッケージ基板に充填する際にも、製造初期と製造後期で同量の蛍光体粒子を含有することによって、演色性を維持出来る光半導体デバイス用硬化性樹脂組成物が求められていた。
例えば、種々形式のミキサーによる混合、自公転式攪拌機による混合、ロールを用いた混練り等が挙げられる。攪拌の際に、脱泡を目的として、攪拌系内を真空としてもよい。好ましくは、簡便な、真空引き機能を備えた自公転式攪拌機による混合である。予め目的の粒径に二次凝集させたナノ粒子を分散してもよい。
目的とする製品における、種々形状・比重を有する蛍光体粒子の沈降防止効果が得られるように、硬化性樹脂組成物中で適度に凝集した二次粒子(Q3で平均粒径が100nm以上20μm以下)が得られるように選択すればよく、更に、目的に応じた屈折率のナノ粒子を用いればよい。例えば、シリカであれば、ヒュームドシリカ、溶融シリカ等の乾式法で製造されたシリカや、コロイダルシリカ、ゾルゲルシリカ、沈殿シリカ等の湿式法で製造されたシリカが挙げられる。その他、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムが挙げられる。なかでも、揮発成分が少なく、高い透明性が得られるヒュームドシリカやアルミナが好適に用いられる。
ナノ粒子の添加量は、蛍光体粒子の沈降防止作用の効果が得られれば特に制約はないが、好ましくはベース樹脂100質量部に対して、前記ナノ粒子50質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以下である。前記の添加量であればディスペンス工程中のノズル詰りの原因となる恐れがなくなる。
更に、一般のゴム材料の「特有のタック(粘着性)を有し、ゴム材料であるためLED素子を強固に保護することが難しい」という性質を改質することができる。即ち、タックを抑え、硬化皮膜を強固にすることができる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物及び硬化性変性シリコーン樹脂組成物は、発光ダイオード、LED素子封止材料等の光学用コーティング材料として有用であって、硬化性シリコーン樹脂組成物であれば次に例示するような組成物が好ましいが、これに限定されるわけではない。
以下、本発明に有効な硬化性シリコーン樹脂組成物は以下(A)〜(C)成分を含むものであることが好ましい。この各成分につき、詳細に説明する。
(A)成分
本発明で用いられる(A)成分としては下記(A−1)の化合物及び/又は(A−2)のオルガノポリシロキサンが挙げられる。(A−1)成分は、主鎖がジアリールシロキサン単位の繰り返しを有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。(A−1)成分のオルガノポリシロキサンは、一種単独で用いてもよく、分子量、ケイ素原子に結合した有機基の種類等が相違する二種以上を併用してもよい。
(A−1)下記一般式(1)で表され、1分子あたり少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有する化合物:
本発明に有効に使用される硬化性シリコーン樹脂組成物は、硬化後の硬度を得る目的として、(A−2)成分を添加しても良い。
使用される(A−2)成分は(A−1)成分と組み合わせて添加することが好ましい。(A−2)成分は、下記平均組成式(2)で示される分岐状または三次元構造のオルガノポリシロキサンである。
R′n’(C6H5)m’SiO(4−n’−m’)/2 (2)
[式中、R′は、同一又は異なり、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基及び水酸基のいずれかであり、全R′のうち0.1〜80mol%がアルケニル基であり、n’,m’は1≦n’+m’≦2、0.20≦m’/(n’+m’)≦0.95を満たす正数である。]
≦2、好ましくは1.2≦n’+m’<1.9、0.2≦m’/(n’+m’)≦0.95、好ましくは0.25≦m’/(n’+m’)≦0.90を満たす正数であるが、n’+m’が1より大きく、2以下であれば、必要な硬度・強度を得ることができる。またフェニル基の含有量がこれより多ければ、シリコーン樹脂として必要な硬度・強度を得ることができる。アルケニル基としては、ビニル基が好ましい。
(B)成分は、1分子あたり少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有し、そして脂肪族不飽和基を有さない有機ケイ素化合物(SiH基含有有機ケイ素化合物)であり、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。(B)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(B)成分としては、1分子あたり少なくとも2個のSiH基を有するケイ素化合物である限り、公知のいかなる化合物でも使用することができる。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜200個、好ましくは4〜100個程度)のSiH基を有する。前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンが直鎖状構造又は分岐鎖状構造を有する場合、これらのSiH基は、分子鎖末端及び分子鎖非末端部分のどちらか一方にのみ位置していても、その両方に位置していてもよい。
R″aHbSiO(4−a−b)/2 (3)
(式中、R″は、互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の、ケイ素原子に結合した一価炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基を除く)であり、a及びbは、0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0、かつ0.8≦a+b≦3.0、好ましくは1.0≦a≦2.0、0.01≦b≦1.0、かつ1.5≦a+b≦2.5を満足する正数である。)
(C)成分の白金属金属を含む(白金族金属系)ヒドロシリル化触媒としては、(A)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基と(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。(C)成分としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属や、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金化合物である。
本発明の組成物には、前記(A)乃至(C)成分及び、蛍光体粒子、ナノ粒子、シリコーンパウダー以外にも、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、(A)成分以外にも、(B)成分と付加反応する脂肪族不飽和基含有化合物を配合してもよい。このような脂肪族不飽和基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。
本発明の組成物には、ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を配合することができる。付加反応制御剤は、上記(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。
また、本組成物は、その接着性を向上させるための接着付与剤を含有してもよい。この接着付与剤としては、シランカップリング剤やその加水分解縮合物等が挙げられる。シランカップリング剤としては、エポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤、イソシアヌレート基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤等公知のものが用いられ、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.3〜10質量部用いることができる。
硬化物の着色、酸化劣化等の発生を抑えるために、従来から公知の酸化防止剤を本発明の組成物に配合することができ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
なお、この酸化防止剤を使用する場合、その配合量は、酸化防止剤としての有効量であれば、特に制限されず、本発明の組成物の合計質量に対して、通常、10〜10,000ppm、特に100〜1,000ppm程度配合することが好ましい。前記範囲内の配合量であれば、酸化防止能力が十分発揮され、着色、白濁、酸化劣化等の発生がなく光学的特性に優れた硬化物を得ることができる。
更に、太陽光線、蛍光灯等の光エネルギーによる光劣化に抵抗性を付与するため光安定剤を用いることも可能である。この光安定剤としては、光酸化劣化で生成するラジカルを捕捉するヒンダードアミン系安定剤が適しており、酸化防止剤と併用することで、酸化防止効果がより向上する。光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、公知の硬化条件下、公知の硬化方法により硬化させることができる。具体的には、通常、80〜200℃、好ましくは100〜160℃で加熱することにより、該組成物を硬化させることができる。加熱時間は、0.5分〜5時間程度で、1分〜3時間程度でよい。LED封止用等精度が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。得られる硬化物の形態に制限はなく、例えば、ゲル硬化物、エラストマー硬化物及び樹脂組成物の硬化物のいずれであってもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物は、通常の付加硬化性シリコーン組成物の硬化物と同様に耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れる。このような本発明の組成物の硬化物を使用した光半導体デバイスの例を図1に示す。光半導体素子3は、ワイヤー2によりワイヤーボンディングされており、該光半導体素子3に本発明の組成物からなる封止材1を塗布し、塗布された封止剤1を公知の硬化条件下で公知の硬化方法により、具体的には上記した通りに硬化させることによって封止することができる。
MH:(CH3)2HSiO1/2
M:(CH3)3SiO1/2
MVi:(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2
MVi3:(CH2=CH)3SiO1/2
DH:(CH3)HSiO2/2
Dφ:(C6H6)2SiO2/2
D:(CH3)2SiO2/2
DVi:(CH2=CH)(CH3)SiO2/2
Tφ:(C6H6)SiO3/2
Q:SiO4/2
((A−1)成分)平均組成式:MVi 2Dφ 2.8のシリコーンオイル:100質量部、
((B)成分)平均組成式:MHDH 2Dφ 2MHで表されるメチルハイドロジェンシロキサン:51.3質量部、
((C)成分)塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するトルエン溶液:0.06質量部、
エチニルシクロヘキサノール:0.05質量部、及び
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:3質量部
をよく撹拌してシリコーン組成物1を調製した。
組成物1の室温での粘度を測定したところ、700mPa・sであった。
組成物1の硬化後の酸素透過率を測定したところ、210cm3/m2/24h/atmであった。
((A−1)成分)平均組成式:MD3.4DVi 6.5Dφ 8.6Mのシリコーンオイル:23質量部、平均組成式:MVi 2Dφ 2.8のシリコーンオイル:80質量部、
((B)成分)平均組成式:MHDH 2Dφ 2MHで表されるメチルハイドロジェンシロキサン:30質量部、
((C)成分)塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するトルエン溶液:0.06質量部、
エチニルシクロヘキサノール:0.05質量部、及び
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:3質量部
をよく撹拌してシリコーン組成物2を調製した。
組成物2の室温での粘度を測定したところ、3000mPa・sであった。
組成物2の硬化後の酸素透過率を測定したところ、400cm3/m2/24h/atmであった。
((A−1)成分)平均組成式:MVi 2Dφ 2.8のシリコーンオイル:31質量部、
((A−2)成分)Tφ 0.75DVi 0.25で表される分岐鎖状オルガノポリシロキサン(25℃で固体状、ケイ素原子結合ビニル基の含有率=20モル%、ケイ素原子結合全有機基中のケイ素原子結合フェニル基の含有率=50モル%、標準スチレン換算の重量平均分子量=1600):59質量部
((B)成分)平均組成式:MHDH 2Dφ 2MHで表されるメチルハイドロジェンシロキサン:6.4質量部、
((C)成分)塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するトルエン溶液:0.06質量部、
エチニルシクロヘキサノール:0.05質量部、及び
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:3質量部
をよく撹拌してシリコーン組成物3を調製した。
組成物3の室温での粘度を測定したところ、3200mPa・sであった。
組成物3の硬化後の酸素透過率を測定したところ、250cm3/m2/24h/atmであった。
配合例1の組成物1を100質量部に、ナノ粒子として、ナノアルミナ(日本アエロジル(株)製、製品名:AEROXIDE AluC805、平均一次粒径13nm)2質量部を、真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機((株)シンキー製 製品名:ARV−310)を用いて均一に分散し、このときの二次凝集したナノ粒子の粒径を測定した。次いで、シリコーンレジンパウダー(信越化学工業(株)製、品名X−52−1621、平均粒径5μm)5質量部を同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一混合した。更に、比重5g/cm3のYAG系の蛍光体粒子8質量部を、同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一に分散し、硬化性樹脂組成物(a)を調製した。
配合例2の組成物2を100質量部に、ナノ粒子として、ナノシリカ((株)トクヤマ製、製品名:レオシロールDM30S、平均一次粒径7nm)2質量部を、真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機((株)シンキー製 製品名:ARV−310)を用いて均一に分散し、このときの二次凝集したナノ粒子の粒径を測定した。次いで、シリコーン複合パウダー(信越化学工業(株)製、品名KMP−600、平均粒径5μm)5質量部を同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一混合した。更に、比重5g/cm3のYAG系の蛍光体粒子8質量部を、同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一に分散し、硬化性樹脂組成物(b)を調製した。
配合例3の組成物3を100質量部に、ナノ粒子として、ナノアルミナ(日本アエロジル(株)製、製品名:AEROXIDE AluC805、平均一次粒径13nm)2質量部を、真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機((株)シンキー製 製品名:ARV−310)を用いて均一に分散、このときの二次凝集したナノ粒子の粒径を測定した。次いで、シリコーンレジンパウダー(信越化学工業(株)製、品名X−52−1621、平均粒径5μm)5質量部を同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一混合した。更に、比重5g/cm3のYAG系の蛍光体粒子8質量部を、同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一に分散し、硬化性樹脂組成物(c)を調製した。
配合例1の組成物1を100質量部に、ナノ粒子として、二次凝集を和らげる目的として、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤で、わずかに表面処理を行ったナノアルミナ(日本アエロジル(株)製、製品名:AEROXIDE AluC805、平均一次粒径13nm)2質量部を、真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機((株)シンキー製 製品名:ARV−310)を用いて均一に分散し、このときの二次凝集したナノ粒子の粒径を測定した。次いで、シリコーンレジンパウダー(信越化学工業(株)製、品名X−52−1621、平均粒径5μm)5質量部を同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一混合した。更に、比重5g/cm3のYAG系の蛍光体粒子8質量部を、同様に真空脱気機構を備えた自公転式攪拌機を用いて均一に分散し、硬化性樹脂組成物(d)を調製した。
ナノ粒子及びシリコーンパウダーを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作で組成物(e)を調製した。
ナノ粒子及びシリコーンパウダーを添加しなかった以外は、実施例2と同様の操作で組成物(f)を調製した。
ナノ粒子及びシリコーンパウダーを添加しなかった以外は、実施例3と同様の操作で組成物(g)を調製した。
ナノ粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作で組成物(h)を調製した。
シリコーンパウダーを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作で組成物(i)を調製した。
ナノ粒子として、二次凝集防止を目的として、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤で十分に表面処理を行ったナノアルミナ(日本アエロジル(株)製、製品名:AEROXIDE AluC805、平均一次粒径13nm)2質量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作で組成物(j)を調製した。
シリコーンレジンパウダーとして、信越化学工業(株)製、品名X−52−854の粗粒をカットし、平均粒径0.4μmとしたもの5質量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作で組成物(k)を調製した。
蛍光体攪拌混合6時間後の分散状態を目視にて確認した。
島津製作所製 SALD−7100を用いてナノ粒子径分布測定を行った。測定溶液は特に希釈せず、ナノ粒子を分散した原液を用いた。測定溶液の一部を50μmくぼみセルに採取し、その上にスライドガラスをのせ試料セルとし、これを測定部にセットし測定した。測定は同一手順で3度測定を行った。10nmから300μmまでの粒径分布を体積換算Q3で測定し、その平均粒子径(d50)の値の平均値を求めた。
酸素透過率はJIS−K7126−2に準じて測定した(測定温度23℃、サンプル厚み1mm)。
光半導体素子として、InGaNからなる発光層を有し、主発光ピークが450nmのLEDチップ3を、SMD5050パッケージ(I−CHIUN PRECISION INDUSTRY CO.,社製、樹脂部PPA)にそれぞれ搭載しワイヤー2によりワイヤーボンディングし、図1に示すような発光半導体装置を使用した。
封止樹脂は、各実施例、比較例において、作製した硬化性樹脂組成物10gに対し、蛍光体粒子を1g計量し、均一混合を行った後、蛍光体粒子の沈降の影響がないように直ちにディスペンス用の10ccシリンジに5cc量を移し、待機時間を置かずに前記SMD5050パッケージに規定量塗布を行い、5ccの封止剤1を1ccとなるまで継続して塗布を行い、一連の工程とした。一連の工程で封止剤が充填されたパッケージを150℃、4時間加熱硬化して光半導体パッケージとし、この塗布工程初期と塗布工程後期で得られた各々の光半導体装置10個を任意にサンプリングした。この発光半導体装置10個を全光束測定システム HM−9100(大塚電子(株)製)を用い、色度座標(x)を測定し、平均値を求めた(印加電流IF=20mA)。塗布工程初期と塗布工程後期の色度座標(x)の値を比較した。
光半導体素子として、InGaNからなる発光層を有し、主発光ピークが450nmのLEDチップを、SMD5050パッケージ(I−CHIUN PRECISION INDUSTRY CO.,社製、樹脂部PPA)にそれぞれ搭載しワイヤーボンディングし、図1に示すような発光半導体装置を使用した。
蛍光体沈降の影響を発生させない目的として、蛍光体を添加せず、各実施例、比較例において作成した硬化性樹脂組成物を上記パッケージに充填し、前記と同様に150度、4時間加熱硬化して光半導体パッケージとし、この工程で得られた各々の光半導体装置10個を任意にサンプリングし、全光束測定システム HM−9100(大塚電子(株)製)を用い、全光束(Lm)を測定し、平均値を求め(印加電流IF=20mA)、各シリコーンパウダー添加による光取り出し効率の良否を求めるため、全光束の値を比較した(下式)。
(光取り出し効率)={(パウダー添加後の全光束値)/(パウダー添加前の全光束値)}×100−100(%)
(耐熱試験後の全光束残存率)={(180℃,24時間加熱後の全光束値)/(初期の全光束値)}×100(%)
ここで求めた耐熱試験後の全光束残存率を比較し、各シリコーンパウダー添加による耐熱性向上の良否を求めた。
(耐熱試験後の全光束残存率比)={(パウダー添加サンプルの耐熱試験後の全光束残存率)/(パウダー添加前サンプルの耐熱試験後の全光束残存率)}×100−100(%)
上式から、光取り出し効率、全光束残存率比共に、正の値を取るものが基準と比較して明るいことを意味し、負の値を取るものは基準と比較して暗いことを意味する。
温度:−40℃〜125℃
サイクル数:1,000
作製した発光半導体装置10個を、温度サイクル試験機に投入し、1,000サイクル後の不点灯LEDパッケージの数をNGとしてカウントした。即ち、表1中の数値が0であるとき、パッケージは点灯可能で信頼性に優れ、10であるとき、パッケージは全て不点灯となり信頼性に劣ることを意味する。
100mL透明ガラス瓶に硫黄粉末を0.2gと、各組成物で封止したLEDパッケージを入れて密封した。密閉後70℃の乾燥機に入れ、24時間後に取り出し、パッケージの銀メッキ部分の変色を顕微鏡にて確認した。黒く変色したものを変色有り(NG)とした。
10…光半導体デバイス
Claims (8)
- 少なくとも、蛍光体粒子と1次粒子径1nm以上〜100nm未満のナノ粒子が添加された硬化性樹脂組成物であって、前記ナノ粒子は、体積換算Q3で平均粒径が100nm以上20μm以下の2次凝集粒子の形態で分散されているものであり、更に平均粒径0.5〜100μmのシリコーンパウダーが分散されているものであり、
前記硬化性樹脂組成物は、
(A)下記(A−1)の化合物及び/又は(A−2)のオルガノポリシロキサン
(A−1)下記一般式(1)で表される構造を有し、1分子あたり少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有する化合物:
(A−2)下記平均組成式(2)で表される構造を有する、分岐状または三次元構造のオルガノポリシロキサン:
R′ n’ (C 6 H 5 ) m’ SiO (4−n’−m’)/2 (2)
[式中、R′は、同一又は異なり、置換もしくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基及び水酸基のいずれかであり、全R′のうち0.1〜80mol%がアルケニル基であり、n’,m’は1≦n’+m’≦2、0.20≦m’/(n’+m’)≦0.95を満たす正数である。]
(B)脂肪族不飽和基を有さず、1分子あたり少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有する有機ケイ素化合物、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒、
を含む硬化性シリコーン樹脂組成物であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 前記硬化性樹脂組成物が、更に、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及び変性エポキシ樹脂の少なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂組成物の室温における粘度が100mPa・s以上10000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記一般式(1)で示される(A−1)成分において、Arがフェニル基であり、nが1〜100の整数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、下記平均組成式(3):
R″aHbSiO(4−a−b)/2 (3)
(式中、R″は、互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の、ケイ素原子に結合した一価炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基を除く)であり、a及びbは、0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0、かつ0.8≦a+b≦3.0を満足する正数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。 - 前記硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の酸素透過率が1,000cm3/m2/24h/atm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項7に記載の硬化物を使用したものであることを特徴とする光半導体デバイス。
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