JP5780897B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
このため、内燃機関の運転中に燃圧センサに異常が生じても、係る異常への対策を行えない。
また、本願発明に係る内燃機関の制御装置は、燃料ポンプと、該燃料ポンプによる燃料の供給圧を検出する燃圧センサとを備えた内燃機関に適用され、前記燃圧センサの検出値に応じて前記燃料ポンプの操作量を出力する制御装置であって、目標空燃比に対する実空燃比のずれが許容範囲を超えていることを条件として前記燃圧センサの診断のために前記供給圧を上昇させる方向に前記燃料ポンプの操作量を変化させ、このときの前記燃圧センサの検出値が前記操作量の変化に対応する正常判定領域内であるか否かに基づいて前記燃圧センサにおける故障の有無を判断し、前記正常判定領域を燃料の性状に応じて拡大或いは縮小するようにした。
図1は、本発明に係る制御装置を含む、車両用エンジンのシステム図である。
図1に示すエンジン(内燃機関)1は、吸気通路2に燃料噴射弁3を備え、燃料噴射弁3は吸気バルブ4に向けて燃料を噴射する。
吸気通路2の燃料噴射弁3が配設される部分よりも上流側には、スロットルモータ9で開閉される電子制御スロットル10が配され、この電子制御スロットル10の開度によってエンジン1の吸入空気量を調整する。
燃料供給装置13は、燃料タンク11、燃料ポンプ12、燃料ギャラリー配管14、燃料供給配管15、燃料フィルタ16を含んで構成される。
燃料ポンプ12は、モータでポンプインペラを回転駆動する電動式流体用ポンプであり、燃料タンク11内に配置される。
尚、チェックバルブ(逆止弁)12a及びリリーフバルブ12bを、燃料ポンプ12から分離して、燃料供給配管15に設けることができる。
燃料供給配管15の途中の燃料タンク11内に位置する部分には、燃料をろ過する燃料フィルタ16を設けてある。
燃料ギャラリー配管14には、各気筒の燃料噴射弁3がそれぞれ接続される。
燃料噴射弁3による燃料噴射、点火プラグ6による点火、電子制御スロットル10の開度などを制御するエンジン制御ユニットとして、コンピュータを備えるECM(エンジン・コントロール・モジュール)31を設けてある。
ECM31とFPCM30とは相互に通信可能に構成され、ECM31からFPCM30に向けては、燃料ポンプ12のPWM制御におけるデューティ比及び周波数を指示する信号などが送信され、FPCM30からECM31に向けては、診断情報などが送信される。
尚、ECM31が、FPCM30としての機能を兼ね備えることができる。
そして、ECM31は、前述の各種センサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁3による燃料噴射量及び噴射タイミング、点火プラグ6による点火時期、電子制御スロットル10の開度などを制御する。
まず、エアフローセンサ35の出力信号に基づき吸入空気流量QAを検出し、また、回転センサ36の出力信号に基づきエンジン回転速度NEを検出し、これら吸入空気流量QA、エンジン回転速度NEに基づき、燃料の供給圧が基準圧であるときに対応する基本噴射パルス幅TP(基本燃料噴射量)を算出する。
そして、基本噴射パルス幅TPを各種補正係数で補正して、最終的な燃料噴射パルス幅TIを算出し、各気筒における噴射タイミングにおいて、燃料噴射パルス幅TIの噴射パルス信号を燃料噴射弁3に出力する。
また、ECM31は、燃圧センサ33の故障診断をエンジン1の運転中に行う機能を、ソフトウエアとして備えている。
ここで、空燃比のずれは、燃圧センサ33の故障以外の要因でも発生するが、燃圧センサ33が故障すれば空燃比のずれが発生するので、ECM31は、空燃比ずれの発生を検知した場合に、その原因が燃圧センサ33の故障に因るものであるか否かを判定するように設定されており、以下では、係る故障診断を詳細に説明する。
まず、ステップS101では、空燃比センサ38の出力を読み込む。
ステップS103では、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAの収束状態において、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAが正常判定領域に含まれる値であるか否かを判断する。
例えば、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAの初期値が1.0で、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAが初期値である場合に、基本噴射パルス幅TPが実質的に補正されないとすると、初期値を挟んでプラス側に一定幅の領域とマイナス側に一定幅の領域とを正常判定領域とする。
一方、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAが正常判定領域から外れていて、空燃比ずれが許容レベルを超えていると判断した場合には、ステップS105へ進み、空燃比フィードバック補正係数LAMBDAが正常判定領域から外れている継続時間TCONの計測を行う。
継続時間TCONが判定時間TSL未満であれば、空燃比のずれが発生している空燃比の異常状態ではあるものの、係る空燃比ずれが一過性のものである可能性があるので、ステップS107へ進み、空燃比異常を判定して、燃圧センサ33の故障診断は実施させない。
診断実施フラグfFSDIAの初期値は0であり、後述するように、診断実施フラグfFSDIAに1が設定されることで、燃圧センサ33の故障診断が実施されるようになっている。
図3のフローチャートは、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)のオン状態であって、かつ、エンジン1の運転中に一定時間周期で割り込み実行される、燃圧センサ33の診断ルーチンを示す。
そして、次のステップS202では、診断実施フラグfFSDIAが1であるか否かを判断することで、燃圧センサ33の故障診断を実施するか否かを判断する。
診断実施フラグfFSDIAに0が設定されている場合には、燃圧センサ33の故障診断を実施する必要はないと判断し、本ルーチンをそのまま終了させる。
ステップS203では、燃料ポンプ12のPWM制御におけるデューティ(操作量)を、検出値FUPRと目標圧TGFUPRとに基づき設定したデューティから、診断時用デューティとして予め記憶してある100%に切り替えて保持させることで、燃料ポンプ12を最大電力(最大電圧)で駆動し、燃圧がそのときの目標値TGFUPRよりも上昇して、リリーフバルブ12bの開弁圧RVPに達するようにする。
尚、目標値TGFUPRは、開弁圧RVP未満の燃圧領域で、エンジン運転条件に応じて可変設定される。
換言すれば、診断用デューティは、実燃圧が開弁圧RVPにまで上昇するデューティとして予め設定してある。
また、デューティを診断時用デューティに切り替える場合には、急激な燃圧変化による空燃比ずれの発生を抑制するために、診断開始前のデューティから診断時用デューティに向けて徐々に増大変化させることが好ましく、更に、規範応答に沿って燃圧を変化させるようにデューティを増大変化させることもできる。
また、診断用デューティに切り替えることで、実燃圧はリリーフバルブ12bの開弁圧RVP付近になるから、燃料噴射パルス幅の燃圧に応じた補正においては、燃圧が開弁圧RVPであるものとして補正を行わせることができる。
そして、次のステップS205では、リリーフバルブ12bの開弁圧RVPを含む、燃圧検出値の正常判定領域に、ステップS204で読み込んだ検出値FUPRが含まれているか否かを判断する。
換言すれば、デューティを診断用デューティとしたときの燃圧は、リリーフバルブ12bの開弁圧RVPを保持することになるが、実際の開弁圧RVPは設計値に対して誤差を有していて、かつ、燃圧センサ33における実燃圧と検出出力との相関もセンサ個々にばらつくため、リリーフバルブ12bの開弁状態での燃圧センサ33の出力は、燃圧センサ33が正常であっても、ある範囲内の値となる。
従って、そのときの検出値FUPRが正常判定領域内であれば、燃圧センサ33は、実際の燃圧である開弁圧RVPに見合う出力を発生している正常状態であると判断でき、また、空燃比異常は、燃圧センサ33以外を原因としていると推定できる。一方、そのときの検出値FUPRが正常判定領域から外れている場合には、燃圧センサ33が異常であるために検出値FUPRが本来の値を示していないと推定できる。
例えば、燃料性状による粘性の違いにより、ポンプ吐出流量や、リリーフバルブ12bからのリリーフ流量が異なるようになるため、リリーフバルブ12bの開弁状態での燃圧にばらつきが生じる。
そこで、予め燃料性状と燃圧ばらつきとの相関を求めておき、燃圧ばらつきが大きくなる燃料性状の場合には前記正常判定領域を拡大させ、逆に、燃圧ばらつきが小さくなる燃料性状の場合には前記正常判定領域を縮小させる。
一方、そのときの検出値FUPRが正常判定領域から外れていれば、ステップS207へ進み、燃圧センサ33が異常であると判定する。即ち、燃圧センサ33の検出値FUPRが実際の燃圧とは異なるために、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づき燃料噴射パルス幅を補正した結果、目標空燃比の形成に要求される燃料量に対して実際の燃料噴射量が過不足を生じ、目標空燃比に対する実空燃比のずれを生じたものと判断する。
また、燃圧センサ33が正常であると判定した場合には、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づく燃料ポンプ12の駆動デューティの演算、及び、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づく燃料噴射パルス幅の補正演算を継続させる。
図4に示すように、燃圧センサ33の異常によって、誤った検出値FUPRに基づき燃料噴射パルス幅が補正されるようになると、空燃比が目標空燃比からずれ、係る空燃比ずれを吸収しようとして空燃比フィードバック補正係数が変更される。そして、空燃比ずれが大きく、空燃比フィードバック補正係数が正常判定領域(許容範囲)を超えて変化すると、燃圧センサ33が故障している可能性があると判断し、燃料ポンプ12の駆動デューティを診断用デューティにまで増大させることで、実際の燃圧をリリーフバルブ12の開弁圧RVPにまで上昇させる。
即ち、供給圧がリリーフバルブ12の開弁圧RVPを超えると、リリーフバルブ12が開弁するので、実際の燃圧の最大値は、開弁圧RVPとなる。従って、開弁圧RVPを超える供給圧に相当する操作量を燃料ポンプ12に与えても、実際の燃圧は開弁圧RVP付近を維持することになり、このときに燃圧センサ33が開弁圧RVP付近の燃圧を検出していれば燃圧センサ33は正常であり、燃圧センサ33の検出値が開弁圧RVP付近の燃圧でない場合には、検出値と実際値とが乖離していることになり、燃圧センサ33に故障が生じているものと判断できる。
エンジン1の運転中に燃圧センサ33の故障診断を行えないと、例えば、燃圧センサの検出値に基づき燃料噴射パルス幅を補正する場合には、補正が不適切に行われて、燃料噴射量、更には、空燃比に誤差を生じ、内燃機関の運転性、排気性状、燃費性能を低下させることになってしまうが、前述した燃圧センサ33の故障診断はエンジン1の運転中に行えるので、フェイルセーフ処理に速やかに移行して、燃料噴射量や空燃比に誤差が生じることを抑制し、内燃機関の運転性、排気性状、燃費性能の低下を抑制できる。
また、燃圧センサ33の故障診断を、空燃比の異常が発生した場合に実施するので、燃圧センサ33に異常が発生している可能性がある条件で診断を行わせることができ、燃圧センサ33に異常がない状態で、無駄に診断処理がなされることを抑制でき、診断に伴う電力消費やポンプ騒音の増大などを抑制できる。
更に、診断時に、実際の燃圧を既知であるリリーフバルブ12bの開弁圧RVPに制御するので、燃料の供給圧に応じた燃料噴射パルス幅の補正において、開弁圧RVPに基づき燃料噴射パルス幅を補正することで、空燃比ずれを縮小できる。
また、診断において、燃圧を最大圧である開弁圧RVPに設定するから、燃圧の不足による燃焼性の悪化などを抑制できる。
尚、以下に示す故障診断は、リリーフバルブ12bを備えない燃料供給装置においても適用できる。
まず、ステップS301では、前述の図2のフローチャートに示すルーチンで設定された診断実施フラグfFSDIAの値を読み込む。
診断実施フラグfFSDIAに0が設定されている場合には、燃圧センサ33の故障診断を実施する必要はないと判断し、本ルーチンをそのまま終了させる。
ステップS303では、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づき燃料ポンプ12の駆動デューティを補正する制御(フィードバック補正)を禁止し、かつ、そのときの目標燃圧TGFUPRよりも高く、リリーフバルブ12bの開弁圧RVPよりも低い診断時用の目標燃圧TGPRABに対応するフィードフォワード制御デューティFFDUTY(診断時用デューティ)で、燃料ポンプ12を駆動させる。
ここで、目標燃圧TGFUPRを、診断時用の目標燃圧TGPRABにまで徐々に増大させるか、デューティの増大変化を規制し、実燃圧が急激に増大して空燃比ずれが発生することを抑制することが好ましい。
ステップS305では、目標燃圧TGPRABを含む、検出結果の正常判定領域に、ステップS304で読み込んだ検出値FUPRが含まれているか否かを判断する。
そこで、燃圧センサ33の正常状態で検出値FUPRがばらつく範囲を、前記正常判定域として、予め設定してある。
尚、前述のように、フィードフォワード制御デューティFFDUTYを燃料ポンプ12に与えたときの実燃圧は、そのときの使用燃料の性状(重軽質やガソリンに対するアルコールの混合割合など)に応じて変化するので、燃料性状に応じて前記正常判定領域の幅を可変とすることができる。
一方、そのときの検出値FUPRが正常判定領域から外れていれば、ステップS307へ進み、燃圧センサ33が異常であると判定する。
燃圧センサ33の正常/異常を判定した場合、更に、ステップS308へ進み、診断実施フラグfFSDIAを0にリセットする。
一方、燃圧センサ33が異常であると判定した場合には、異常の発生を知らせる警報を発したり、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づく燃料ポンプ12の駆動デューティの演算、及び、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づく燃料噴射パルス幅の補正演算を禁止したり、燃料ポンプ12の駆動デューティを予め設定したセンサ異常時用のデューティに固定し、当該デューティに対応する燃圧になっているものと見做して燃料噴射パルス幅を設定したりするなどのフェイルセーフ処理を実施する。
図6に示すように、燃圧センサ33の異常によって、誤った検出値FUPRに基づき燃料噴射パルス幅が補正されるようになると、空燃比が目標空燃比からずれ、係る空燃比ずれを吸収しようとして空燃比フィードバック補正係数が変更される。そして、空燃比ずれが大きく、空燃比フィードバック補正係数が正常判定領域(許容範囲)を超えて変化すると、燃圧センサ33が故障している可能性があると判断し、燃料ポンプ12の駆動デューティのフィードバック制御を停止させ、フィードフォワード制御によって正常時より高い燃圧にまで上昇させる。
また、燃圧センサ33の故障診断を、空燃比の異常が発生した場合に実施するので、燃圧センサ33に異常が発生している可能性がある条件で診断を行わせることができ、燃圧センサ33に異常がない状態で、無駄に診断処理がなされることを抑制でき、診断に伴う電力消費やポンプ騒音の増大などを抑制できる。
ここで、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づく、燃料ポンプ12の駆動デューティのフィードバック制御を行わせながら、燃圧センサ33の故障診断を行うことができ、以下で具体的に説明する。
尚、図7のフローチャートに示す故障診断は、リリーフバルブ12bを備えない燃料供給装置においても適用できる。
そして、次のステップS402では、診断実施フラグfFSDIAが1であるか否かを判断することで、燃圧センサ33の故障診断を実施するか否かを判断する。
一方、診断実施フラグfFSDIAに1が設定されている場合には、燃圧センサ33の故障診断を実施すべくステップS403へ進む。
そして、目標燃圧TGPRABが略得られると見込まれるフィードフォワード制御デューティ(基本デューティ)FFDUTYを演算すると共に、燃圧センサ33の検出値FUPRと目標燃圧TGPRABとの偏差に基づき、検出値FUPRを目標燃圧TGPRABに近づけるためのフィードバック制御デューティ(補正デューティ)FBDUTYを演算し、フィードフォワード制御デューティFFDUTYとフィードバック制御デューティFBDUTYとの加算値を最終的な制御デューティとして、燃料ポンプ12をPWM制御する。
尚、フィードバック制御デューティFBDUTYの変化は、予め設定されて可変範囲内に限定されるものとする。
フィードフォワード制御デューティ(基本デューティ)FFDUTYで燃料ポンプ12を制御することで、実際の燃圧は目標燃圧TGPRAB付近に制御されるから、燃圧センサ33が正常であって実際の燃圧に略対応する出力を発生する場合には、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づき演算されるフィードバック制御デューティFBDUTYによるデューティの補正代は、種々のばらつきを吸収するのに必要な比較的小さいレベルに限定されることになり、フィードバック制御デューティ(補正デューティ)FBDUTYは、初期値を中心とする比較的狭い範囲に収束することになる。
そこで、燃圧センサ33の正常時に、種々のばらつきを吸収するために要求されるフィードバック制御デューティFBDUTYによるデューティの補正代に基づき、正常判定領域を予め設定し、燃圧センサ33が正常であれば、フィードバック制御デューティFBDUTYが正常判定領域内で変化するようにし、フィードバック制御デューティFBDUTYが正常判定領域外となった場合には、燃圧センサ33の異常によって実際の燃圧とは異なる燃圧を検出したため、フィードバック制御デューティFBDUTYによる補正要求が拡大したものと判断できるようにする。
ステップS404で、フィードバック制御デューティFBDUTYが正常判定領域内であると判断した場合には、ステップS405へ進み、燃圧センサ33は正常であると判定する。燃圧センサ33が正常であると判定した場合には、空燃比の異常は、燃料噴射弁3やエアフローセンサ35などの燃圧センサ33以外のデバイスの異常を原因としていることになる。
燃圧センサ33の正常/異常を判定した場合、更に、ステップS407へ進み、診断実施フラグfFSDIAを0にリセットする。
一方、燃圧センサ33が異常であると判定した場合には、異常の発生を知らせる警報を発したり、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づく燃料ポンプ12の駆動デューティの演算、及び、燃圧センサ33の検出値FUPRに基づく燃料噴射パルス幅の補正演算を禁止したり、燃料ポンプ12の駆動デューティを予め設定したセンサ異常時用のデューティに固定し、当該デューティに対応する燃圧になっているものと見做して燃料噴射パルス幅を設定したりするなどのフェイルセーフ処理を実施する。
図8に示すように、燃圧センサ33の異常によって、誤った検出値FUPRに基づき燃料噴射パルス幅が補正されるようになると、空燃比が目標空燃比からずれ、係る空燃比ずれを吸収しようとして空燃比フィードバック補正係数が変更される。そして、空燃比ずれが大きく、空燃比フィードバック補正係数が正常判定領域(許容範囲)を超えて変化すると、燃圧センサ33が故障している可能性があると判断し、燃料ポンプ12の駆動デューティのフィードバック制御における目標燃圧を増大させる。
また、燃圧センサ33の故障診断を、空燃比の異常が発生した場合に実施するので、燃圧センサ33に異常が発生している可能性がある条件で診断を行わせることができ、燃圧センサ33に異常がない状態で、無駄に診断処理がなされることを抑制でき、診断に伴う電力消費やポンプ騒音の増大などを抑制できる。
また、診断中も燃圧のフィードバック制御を継続するので、燃圧センサ33が正常であれば、診断中も燃圧の制御精度を維持でき、空燃比ずれの発生を抑制できる。
また、診断時に目標燃圧を増大させることで、燃圧センサ33の異常によって実際の燃圧がそのときの運転条件で要求される燃圧を下回ることを抑制でき、燃焼性の悪化を抑制できる。
例えば、空燃比ずれが発生したことを条件に、燃圧センサ33の故障診断を行わせる代わりに、エンジン1の運転条件が、予め設定した診断実施条件に該当する場合に、燃圧センサ33の故障診断を行わせることができる。
また、空燃比ずれの発生の有無は、空燃比センサ38の検出結果に基づき燃料噴射パルス幅を補正する空燃比フィードバック制御の停止状態での空燃比センサ38の検出値から、空燃比ずれの有無を診断できる。
また、燃圧センサ33の検出値が継続して正常判定領域から外れている場合に、燃圧センサ33の異常判定を行うことができる。
前記フィードバック操作量に基づき、前記燃圧センサにおける故障の有無を判断する、請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
従って、燃圧センサが正常であれば、フィードフォワード操作量を燃料ポンプに与えた場合に、診断用の目標値付近の燃圧を検出することになり、フィードバック操作量によって吸収すべき燃圧差が比較的小さくなるのに対し、燃圧センサに故障が発生していて検出値が診断用の目標値と異なれば、正常時に比べてフィードバック操作量によって吸収すべき見かけ上の燃圧差が大きくなるから、フィードバック補正量の大きさに基づき、燃圧センサの故障診断を行える。
Claims (2)
- 燃料ポンプと、該燃料ポンプによる燃料噴射弁への燃料の供給圧を検出する燃圧センサとを備えた内燃機関に適用され、前記燃圧センサの検出値に応じて前記燃料ポンプの操作量を出力し、前記燃圧センサの検出値に応じて前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を変更する制御装置であって、
目標空燃比に対する実空燃比のずれが許容範囲を超えていることを条件として前記供給圧を上昇させる方向に前記燃料ポンプの操作量を変化させ、このときの前記燃圧センサの検出値に基づいて前記燃圧センサにおける故障の有無を判断する、内燃機関の制御装置。 - 燃料ポンプと、該燃料ポンプによる燃料の供給圧を検出する燃圧センサとを備えた内燃機関に適用され、前記燃圧センサの検出値に応じて前記燃料ポンプの操作量を出力する制御装置であって、
目標空燃比に対する実空燃比のずれが許容範囲を超えていることを条件として前記燃圧センサの診断のために前記供給圧を上昇させる方向に前記燃料ポンプの操作量を変化させ、このときの前記燃圧センサの検出値が前記操作量の変化に対応する正常判定領域内であるか否かに基づいて前記燃圧センサにおける故障の有無を判断し、前記正常判定領域を燃料の性状に応じて拡大或いは縮小する、内燃機関の制御装置。
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