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JP5766240B2 - 車両用制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の状態に応じて回生制動トルクまたは摩擦制動トルクを車輪に加えることによってアンチロックブレーキ制御を実行する車両用制動装置に関するものである。
滑りやすい路面などで車輪がロックすることで、車両がスピンしたり、制動距離が長くなったりすることを防止するために、いわゆるアンチロックブレーキ制御が有効であることが一般的に知られている。
また、アンチロックブレーキ制御を実行する際に車輪に制動トルクを加えるためのシステムとして、従来からの摩擦制動トルクを加えるブレーキ機構だけではなく、回生制動トルクを加える電動機を用いた回生制動機構を組み合わせたシステムが注目されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平11−205905号公報 特開平10−203351号公報
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1に記載の従来技術では、路面状態を考慮せずに車両の直進時に車輪に最大回生制動トルク(電動機が車輪に加えることのできる最大の回生制動トルク)を加えるので、車両の状態に応じた適切な制動力が得られない。結果として、路面状態に依っては車両の状態が不安定になったり、車両の制動距離が長くなったりするおそれがあるという問題があった。
また、特許文献2に記載の従来技術では、車輪のスリップ率を考慮せずに回生制動トルクを加えているので、車両の状態に応じた適切な制動力が得られない。結果として、路面状態に依っては車両の制動距離が長くなってしまうおそれがあるという問題があった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、車両の状態に応じて、適切な制動力およびコーナーリングフォースを得ることができ、車両の制動距離を可能な限り短くすることができるとともに、運転者が要求する旋回を実現することのできる車両用制動装置を得ることを目的とする。
本発明における車両用制動装置は、電力を充放電するバッテリと、バッテリから電力が供給されて車輪に駆動トルクを加えることで車輪を駆動させ、車輪に回生制動トルクを加えることでバッテリに回生電力を供給する駆動/回生制動部と、車輪に摩擦制動トルクを加える摩擦制動部と、車両のハンドル角の大きさに相当する操舵状態を検出する操舵状態検出部と、運転者によるブレーキ操作があった際に、回生制動トルクおよび摩擦制動トルクを個別に加えることができる第1車輪と、摩擦制動トルクだけを加えることができる第2車輪とで構成される車輪の制動を、(車体速度−車輪速度)/車体速度として規定されるスリップ率に基づいて制御する制御部と、を備える車両用制動装置であって、制御部は、第2車輪に対しては、ブレーキ操作に応じて、スリップ率が第2車輪のロックを防止する摩擦制動目標スリップ率となるように、摩擦制動部を介して摩擦制動トルクを加え、第1車輪に対しては、ブレーキ操作に応じて、スリップ率が第1車輪のロックを防止する回生制動目標スリップ率となるように、駆動/回生制動部を介して回生制動トルクを加えるとともに、操舵状態検出部により検出された操舵状態に応じて、回生制動目標スリップ率を変更するものである。
本発明によれば、アンチロックブレーキ制御が実行される際、各車輪のスリップ率が車両の状態に応じて設定された目標スリップ率になるように、制動トルクとして回生制動トルクまたは摩擦制動トルクを各車輪に対して個別に加える。これにより、車両の状態に応じて適切な制動力およびコーナーリングフォースを得ることができ、車両の制動距離を可能な限り短くすることができるとともに、運転者が要求する旋回を実現することのできる車両用制動装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1における車両用制動装置が搭載される車両の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1において、スリップ率に対する制動力およびコーナーリングフォースの関係の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における車両用制動装置の一連の動作手順を示すフローチャートである。
以下、本発明による車両用制動装置を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における車両用制動装置が搭載される車両の概略構成を示す図である。なお、以降では、本実施の形態1における車両用制動装置を、左右後輪に設けられた電動機によって駆動される四輪駆動車両に適用した場合を例示して説明する。
図1において、車両は、車輪11a〜11d(左後輪11a、右後輪11b、左前輪11c、右前輪11d)を備える。また、左後輪11aは、第1駆動/回生制動部12aによって、右後輪11bは、第2駆動/回生制動部12bによって、それぞれ駆動トルクまたは摩擦制動トルクが加えられる。なお、この駆動/回生制動部12a、12bは、例えば、電動機(モータ)およびインバータ等を含んで構成される。
第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bは、それぞれ対応する左右後輪11a、11bに対して動力の伝達が可能となるように設けられる。また、第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bは、車両に設けられるバッテリ13に電気的に接続されており、バッテリ13と互いに電力を授受することが可能である。
第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bには、車両用制動装置が備える電子制御ユニット(ECU)14が電気的に接続されている。また、第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bは、ECU14からの制御指令に基づいて、電動機または発電機として動作する。すなわち、電動機として動作する場合には、バッテリ13から電力が供給されることで発生する駆動トルクを左右後輪11a、11bに付与し車輪を駆動する。一方、発電機として動作する場合には、左右後輪11a、11bに回生制動トルクを加え車輪を制動するとともに、バッテリ13に回生電力が供給される。
このように、ECU14は、第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bの回転をそれぞれ独立してモータトルクを制御することで、左右後輪11a、11bに加える駆動トルクおよび制動トルクをそれぞれ独立して制御することができる。
また、ECU14には、バッテリ13の端子間電圧、充放電電流またはバッテリ温度等のバッテリ状態を検出するバッテリ充電状態検出部の一例として、バッテリセンサ(図示せず)が電気的に接続されている。ECU14は、バッテリセンサの検出結果に基づいて、バッテリ13の各種状態を測定し、その電池容量(充電率)を測定する。
また、第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bによる回生制動トルクとは別に、車輪11a〜11dのそれぞれに摩擦制動トルクを加える摩擦制動部が設けられている。
なお、図1に示すように、摩擦制動部の一例としては、運転者のブレーキペダル(図示せず)の操作量(ブレーキストローク量)に基づいて調整したブレーキアクチュエータ15の油圧によって、車輪11a〜11dに設けられるブレーキキャリパ16a〜16dが動作することで摩擦制動トルクを加えるように構成すればよい。この場合、ECU14は、運転者のブレーキストローク量に基づいて、ブレーキアクチュエータ15の油圧を調整制御する。
また、ECU14には、車輪11a〜11dのそれぞれに設けられる車輪速センサ17a〜17dが電気的に接続されている。ECU14は、車輪速センサ17a〜17dの出力に基づいて、車輪11a〜11dのそれぞれの速度(車輪速度)を検出するとともに、車体速度も検出する。また、ECU14は、検出した車輪速度および車体速度に基づいて、後述する各車輪11a〜11dのスリップ率を算出する。なお、車体速度の検出方法に関しては、例えば、車輪速センサ17a〜17dが出力した車輪速度の減速勾配から推定するなど公知の技術を適用すればよい。
また、ECU14には、操舵状態を検出する操舵状態検出部の一例として、ハンドル角センサ19が電気的に接続されている。このハンドル角センサ19は、ハンドル18に設けられている。ECU14は、ハンドル角センサ19の出力に基づいて、ハンドル角を検出し、運転者のハンドル操作状態(操舵状態)を検知する。
次に、本実施の形態1における車両用制動装置によるブレーキ制御動作について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態1において、スリップ率に対する制動力およびコーナーリングフォースの関係の一例を示す説明図である。
まず、図2におけるスリップ率に対する制動力およびコーナーリングフォースの関係の一例について説明する。図2に示したスリップ率(車輪のスリップ率)とは、車体速度に対する車体速度から車輪速度を減算した速度の割合(=(車体速度−車輪速度)/車体速度)を意味する。また、制動力とは、車輪(タイヤ)と路面との間に生じる制動力を意味する。
例えば、車輪がロック状態である場合には、車輪速度が0となるため、スリップ率が1となる。また、図2に示すように、制動力は、スリップ率が大きくなるのにしたがって増加するが、あるスリップ率のとき最大値に達した後、それ以上のスリップ率では減少する。これに対して、コーナーリングフォースは、スリップ率が大きくなるのにしたがって単調減少する。そして、このコーナーリングフォースが減少すると、ハンドル操作をしても車輪に横力を加えることができないので、曲がることが困難となる。
なお、滑り路面(例えば、雪道などの滑りやすい路面)においては、通常の路面(例えば、乾燥したアスファルト)と比べて、制動力およびコーナーリングフォースのいずれも大きく減少することが一般的に知られている。
また、車輪のスリップ率について、理想的には、制動力が最大値となるときのスリップ率(図2参照)に制御すれば、制動距離を最も短くすることが可能となる。一方、コーナーリングフォースが最大値となるときのスリップ率は0であり、この場合、制動力が0となる。
ここで、従来のアンチロックブレーキ制御においては、例えば、機械式のブレーキを用いており、ブレーキアクチュエータの油圧でブレーキキャリパを動作させ、ブレーキキャリパがブレーキディスクと接触することで車輪に摩擦制動トルクを加えている。したがって、油圧の遅れ、ブレーキキャリパの機械的な動きの遅れがある点やコーナーリングフォース等を考慮して、制動力が最大値となるときのスリップ率よりも小さいスリップ率になるように、車輪のスリップ率を制御することが一般的である。
一方、各車輪を駆動/回生制動することが可能な電動機を備えた車両においては、制動トルクとして、車輪に回生制動トルクを加えることができる。したがって、従来の摩擦制動トルクのような応答遅れがなく、目標制動トルク指令(目標値)に対して、例えば、10msec以内に到達することが可能となる。本願発明においては、このような電動機の応答性を利用した新たなブレーキ制御(アンチロックブレーキ制御)を行う車両用制動装置を提案する。
続いて、本実施の形態1における車両用制動装置によるブレーキ制御動作において、アンチロックブレーキ制御が行われない場合について説明する。
例えば、通常の路面で車両のブレーキ操作が行われる場合、スリップ率が小さく、運転者による急制動の要求がない限り、アンチロックブレーキ制御が行われない。この場合、ECU14は、例えば、運転者のブレーキストローク量に基づいて、車輪11a〜11dに制動トルクを加える。すなわち、本実施の形態1では、ECU14は、左右後輪11a、11bに回生制動トルクを優先的に加えるとともに不足の場合には、摩擦制動トルクを合わせて加え、左右前輪11c、11dに摩擦制動トルクを加えることとなる。
具体的には、ECU14は、左右後輪11a、11bに回生制動トルクを加えて、運転者の要求する減速度が得られれば、摩擦制動トルクを加える必要がない。このように、制動トルクとして、車輪に回生制動トルクと摩擦制動トルクを個別に加えることが可能であるシステムにおいては、回生制動トルクの方を優先的に加えている。そして、車輪に摩擦制動トルクが加えられることによって熱として消費されていた車両の減速エネルギーを、バッテリ13に蓄えることが可能となるので、燃費の向上や航続距離が伸びるというメリットがある。
一方、ECU14は、車輪に回生制動トルクを加えても運転者の要求する減速度が得られなければ、摩擦制御部を動作させることで、左右後輪11a、11bに対しても、摩擦制動トルクを加えることとなる。なお、本発明とは直接関係がないので詳細な説明を省略するが、このように摩擦制動トルクを加える場合、回生制動トルクを制御することによって、運転者に違和感がないようにすることが好ましい。
続いて、車両用制動装置によるブレーキ制御動作において、アンチロックブレーキ制御が行われる場合について説明する。アンチロックブレーキ制御の役割は、車輪のロック状態を避け、運転者のハンドル操作に対して車両の回頭性能を確保しながら制動距離を短くするというものである。
例えば、滑り路面で車両のブレーキ操作が行われる場合、または運転者による急制動の要求がある場合においては、スリップ率が大きく、アンチロックブレーキ制御が行われる。そして、ECU14は、左右後輪11a、11bに回生制動トルクおよび摩擦制動トルクを加えるとともに、左右前輪11c、11dに摩擦制動トルクを加える。
具体的には、ECU14は、左右前輪11c、11dのスリップ率が摩擦制動目標スリップ率となるように、左右前輪11c、11dに摩擦制動トルクを加える。なお、摩擦制動目標スリップ率は、車輪のロックを防止するスリップ率に相当し、油圧の遅れ、ブレーキキャリパの機械的な動きの遅れがある点やコーナーリングフォース等を考慮して、必要とする制動力に応じてあらかじめ規定すればよい。
一方、ECU14は、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率になるように、左右後輪11a、11bに回生制動トルクだけを加える。すなわち、ECU14は、左右後輪11a、11bに回生制動トルクだけを加えることでスリップ率を制御するために必要なトルクを確保できれば、摩擦制動トルクを加えない。
なお、第1回生制動目標スリップ率は、車輪のロックを防止するスリップ率に相当し、必要とする制動力に応じてあらかじめ規定すればよい。例えば、図2に示すように、制動力が最大値となるときのスリップ率を、第1回生制動目標スリップ率として規定しておけば、アンチロックブレーキ制御による制動力が最大となるので、制動距離をより短くすることができる。
また、ECU14は、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率になるように、左右後輪11a、11bに回生制動トルクだけを加える際に、この回生制動トルクが最大回生制動トルクに達してもスリップ率を制御できない場合がある。なお、最大回生制動トルクとは、第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bの性能上、左右後輪11a、11bに加えることのできる最大の回生制動トルクを意味する。このような場合、ECU14は、左右後輪11a、11bのスリップ率が摩擦制動目標スリップ率となるように、左右後輪11a、11bに回生制動トルクと合わせて摩擦制動トルクを加える。すなわち、左右後輪11a、11bに最大回生制動トルクを加えてもスリップ率を制御するために必要なトルクを確保できないので、不足分を賄うため、摩擦制動トルクを合わせて加える。
このように、ECU14は、左右後輪11a、11bに対して、必要に応じて摩擦制動部による摩擦制動トルクを合わせて加え、左右後輪11a、11bのスリップ率が摩擦制動目標スリップ率となるように制御している。これにより、制動距離とハンドル操作介入時の車両の回頭性に関して、摩擦制動トルクを加える必要がない場合においては、従来と比べてより優れた性能を確保するとともに、摩擦制動トルクを加える必要がある場合であっても従来と同等の性能を確保することができる。
また、バッテリ13の性能上、左右後輪11a、11bに加える回生制動トルクを充電状態に応じて減少させる場合がある。このような場合、ECU14は、バッテリ充電状態検出部が検出したバッテリ13の充電率(充電量)が第1充電率(例えば、95%)以下であれば、左右後輪11a、11bに加える回生制動トルクをバッテリ13の充電率に応じて減少させる。そして、ECU14は、減少後の回生制動トルクだけによって、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率になるように制御する。また、ECU14は、減少後の回生制動トルクだけでは、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率になるように制御できなければ、先と同様の動作を行う。すなわち、ECU14は、左右後輪11a、11bのスリップ率が摩擦制動目標スリップ率となるように、左右後輪11a、11bに減少後の回生制動トルクと合わせて摩擦制動トルクを加える。
なお、第1充電率は、バッテリ13の性能に応じてあらかじめ規定し、左右後輪11a、11bに加える回生制動トルクは、バッテリ13の充電状態に応じてどのように多段階で変更させるかあらかじめ規定してECU14を構成すればよい。
このように、左右後輪11a、11bに加える回生制動トルクをバッテリ13の充電率に応じて減少させることで、過充電となることがない。また、充電途中で回生制動トルクが抜けることがなくなるので、運転者への違和感を与えることがなくなる。
また、車両の回頭性能を確保すべく、コーナーリングフォースを操舵状態に応じて増加させる場合がある。このような場合、ECU14は、操舵状態検出部の検出結果に基づき、第1操舵状態を検出したと判定すれば、第1回生制動目標スリップ率に代わる目標値として、操舵状態に応じて第2回生制動目標スリップ率を変更する。また、ECU14は、後輪11a、11bのスリップ率が変更した第2回生制動目標スリップ率となるように、後輪11a、11bに加える回生制動トルクを変更する。
なお、ECU14による操舵状態の検出判定について、例えば、車両のハンドル角が第1ハンドル角(例えば、30°)以上の場合、第1操舵状態を検出したと判定し、第1ハンドル角未満の場合、第1操舵状態を検出していないと判定するように構成すればよい。また、第2回生制動目標スリップ率は、車輪のロックを防止するスリップ率に相当し、操舵状態に応じてどのように多段階に変更するかあらかじめ規定してECU14を構成すればよい。この場合、操舵状態検出部により検出される車両のハンドル角が大きくなるのにしたがって、変更される第2回生制動目標スリップ率が小さくなるように構成することが好ましい。また、第1ハンドル角に関しては、車速や車両等に応じてあらかじめ規定すればよい。
このように、後輪11a、11bのスリップ率が操舵状態に応じて設定された第2回生制動目標スリップ率となるように制御されることで、制動力およびコーナーリングフォースのバランスを両立させ、車両の制動性能とともに回頭性能も確保することができる。
なお、前述した第1回生制動目標スリップ率、第2回生制動目標スリップ率および摩擦制動目標スリップ率は、車両の種類にも考慮してあらかじめ規定される。また、本発明とは直接関係ないので詳細な説明を省略するが、公知の技術を用いて、制動力が最大となるようなスリップ率を学習して設定してもよい。
次に、本実施の形態1における車両用制動装置の一連の動作について、図3のフローチャートを参照しながら具体的に説明する。図3は、本発明の実施の形態1における車両用制動装置の一連の動作手順を示すフローチャートである。
はじめに、ステップS301において、ECU14は、運転者によるブレーキ操作に基づいて、左右後輪11a、11bに回生制動トルクを加えたことによって、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率以上であるか否かを判定する。
ステップS301において、ECU14は、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率未満である場合には、一連の処理を終了する。すなわち、前述したように、通常の路面で車両のブレーキ操作が行われる場合、運転者による急制動の要求がない限り、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率未満となる。このような場合、アンチロックブレーキ制御を実行する必要がないので、ENDへと進む。
一方、ステップS301において、ECU14は、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率以上である場合には、ステップS302へと進む。すなわち、前述したように、滑り路面で車両のブレーキ操作が行われる場合、または運転者による急制動の要求がある場合、タイヤ力が限られるため制動力が最大トルクとなり、左右後輪11a、11bのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率以上になることがある。このような場合、アンチロックブレーキ制御が行う必要があるので、ステップS302へと進む。
ステップS302において、ECU14は、左右後輪11a、11bに加える回生制動トルクが最大回生制動トルク以下であるか否かを判定する。
ステップS302において、ECU14は、左右後輪11a、11bに加える回生制動トルクが最大回生制動トルク以下である場合には、回生制動トルクだけでスリップ率を制御するのに必要なトルクが充足するので、ステップS303へと進む。一方、ステップS302において、ECU14は、左右後輪11a、11bに加える回生制動トルクが最大回生制動トルクよりも大きい場合には、回生制動トルクだけではスリップ率を制御するのに必要なトルクが不足するので、ステップS305へと進む。
ステップS303において、ECU14は、現在のバッテリ13の充電率が第1充電率以下であるか否かを判定する。
ステップS303において、ECU14は、バッテリ13の充電率が第1充電率以下の場合には、ステップS304へと進む。一方、ステップS303において、ECU14は、バッテリ13の充電率が第1充電率よりも大きい場合には、ステップS305へと進む。
ステップS304において、ECU14は、左右前輪11c、11dに摩擦制動トルクを加えることで、左右前輪11c、11dのスリップ率が摩擦制動目標スリップ率となるように摩擦制動部の動作を制御する。
さらに、ステップS304において、ECU14は、左右後輪11a、11bに回生制動トルクを加えることで、左右後輪11c、11dのスリップ率が第1回生制動目標スリップ率となるように第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bの動作を制御する。なお、この場合、前述したように、ECU14は、左右後輪11a、11bに摩擦制動部による摩擦制動トルクを加えない。そして、ECU14は、ステップS304を実行した後、ステップS306へと進む。
ステップS305において、ECU14は、ステップS304と同様に、左右前輪11c、11dに摩擦制動トルクを加えることで、左右前輪11c、11dのスリップ率が摩擦制動目標スリップ率となるように摩擦制動部の動作を制御する。
さらに、ステップS305において、ECU14は、左右後輪11a、11bに回生制動トルクと摩擦制動トルクを個別に加えることで、左右後輪11a、11bのスリップ率が摩擦制動目標スリップ率となるように第1駆動/回生制動部12a、第2駆動/回生制動部12bおよび摩擦制動部の動作を制御する。そして、ECU14は、ステップS305を実行した後、一連の処理を終了する。
ステップS306において、ECU14は、ハンドル角が第1ハンドル角以上である第1操舵状態を検出したか否かを判定する。ステップS306において、ECU14は、第1操舵状態を検出したと判定した場合には、ステップS307へと進む。
一方、ステップS306において、ECU14は、第1操舵状態を検出していないと判定した場合には、一連の処理を終了する。すなわち、この場合においては、運転者の走行意図が直進と判断されるので、第1回生制動目標スリップ率がそのまま保持され、制動力が最大となるように制御される。
ステップS307において、ECU14は、左右後輪11a、11bのスリップ率が現在の操舵状態に応じて設定した第2回生制動目標スリップ率となるように、第1駆動/回生制動部12aおよび第2駆動/回生制動部12bの動作を制御する。そして、ECU14は、ステップS307を実行した後、一連の処理を終了する。
このように、操舵状態に応じてスリップ率を多段階に変更することで、制動性能および回頭性能の両立が図れる。なお、回生制動トルクが発生する車輪(左右後輪11a、11b)に対してだけ、スリップ率を変更することで、運転者に対して違和感のない制動フィーリングを実現することが可能になる。
以上、本実施の形態1によれば、車輪に加える回生制動トルクおよび摩擦制動トルクをそれぞれ独立して制御し、回生制動トルクが発生する車輪のスリップ率が、制動力が最大値となるスリップ率になるように制御することにより、車両の制動距離を従来と比べて短くすることができる。また、操舵状態を検出し、回生制動トルクが発生する車輪のスリップ率が、検出した操舵状態に対応した回生制動目標スリップ率になるように制御することで、運転者が要求する回頭性能を確保することが可能となり、従来の機械式アンチロックブレーキ制御では困難であった制動性能と回頭性能を両立することができる。
なお、本実施の形態1では、後輪2輪に電動機を配置する車両を例示して説明したが、例えば、4輪とも電動機を配置する車両やタイヤに電動機を埋め込んだインホイールモータに本発明を適用しても同様の効果を得ることが可能となる。
また、例えば、電動機を1つしか持たない車両においても、デフギアの設定により左右独立に制動トルクを加えることができれば、本発明を適用することが可能である。すなわち、本発明は、車輪に電動機による回生トルクを加えることが可能であるあらゆる車両に対して適用が可能である。
また、本実施の形態1では、摩擦制動トルクを加える車輪のスリップ率が摩擦制動目標スリップ率になるように制御すると説明した。ここで、ブレーキキャリパおよびブレーキパッドの接触で摩擦制動力を加えるため、車輪のロックを検出すれば、ブレーキを解放するといったON/OFF動作になる制御動作例が多い。したがって、摩擦制動トルクを加える車輪に関しては、摩擦制動トルクの発生をON/OFFさせることで、スリップ率が摩擦制動目標スリップ率になるように制御しても同様の効果が得られる。このように制御することで、摩擦制動アルゴリズムを簡素化することが可能となり、実現性が容易となる。
また、本実施の形態1では、操舵状態の検出に対してハンドル角を用いた場合を例示したが、例えば、運転者の操舵トルクを用いても同様の効果が得られる。すなわち、運転者の操舵トルクは、操作したい方向にハンドルを操作するため運転者の意図をより忠実に表す信号として利用できる。このように、操舵トルク信号を用いることで、より精度よく操舵状態の検出が可能となる。
11a、11b 左右後輪、11c、11d 左右前輪、12a 第1駆動/回生制動部、12b 第2駆動/回生制動部、13 バッテリ、14 ECU(制御部)、15 ブレーキアクチュエータ、16a〜16d ブレーキキャリパ、17a〜17d 車輪速センサ、18 ハンドル、19 ハンドル角センサ(操舵状態検出部)。

Claims (4)

  1. 電力を充放電するバッテリと、
    前記バッテリから電力が供給されて車輪に駆動トルクを加えることで車輪を駆動させ、前記車輪に回生制動トルクを加えることで前記バッテリに回生電力を供給する駆動/回生制動部と、
    前記車輪に摩擦制動トルクを加える摩擦制動部と、
    車両のハンドル角の大きさに相当する操舵状態を検出する操舵状態検出部と、
    運転者によるブレーキ操作があった際に、前記回生制動トルクおよび前記摩擦制動トルクを個別に加えることができる第1車輪と、前記摩擦制動トルクだけを加えることができる第2車輪とで構成される前記車輪の制動を、(車体速度−車輪速度)/車体速度として規定されるスリップ率に基づいて制御する制御部と、
    を備える車両用制動装置であって、
    前記制御部は、
    前記第2車輪に対しては、前記ブレーキ操作に応じて、前記スリップ率が前記第2車輪のロックを防止する摩擦制動目標スリップ率となるように、前記摩擦制動部を介して前記摩擦制動トルクを加え、
    前記第1車輪に対しては、前記ブレーキ操作に応じて、前記スリップ率が前記第1車輪のロックを防止する回生制動目標スリップ率となるように、前記駆動/回生制動部を介して前記回生制動トルクを加えるとともに、前記操舵状態検出部により検出された前記操舵状態に応じて、前記回生制動目標スリップ率を変更する
    車両用制動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動装置において、
    前記制御部は、前記第1車輪のトルク制御を行う際に、前記駆動/回生制動部を介して加えることのできる最大回生制動トルクを加えた状態でも前記回生制動目標スリップ率に達しない場合には、回生制動トルクだけではトルクが不足であると判断し、前記摩擦制動部を介して不足トルク分を前記摩擦制動トルクとして加えることで、前記スリップ率が前記摩擦制動目標スリップ率に達するように制御する
    車両用制動装置。
  3. 請求項1に記載の車両用制動装置において、
    前記バッテリの充電状態を検出するバッテリ状態検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1車輪のトルク制御を行う際に、前記バッテリ状態検出部により検出された前記充電状態に応じて、前記駆動/回生制動部を介して加える前記回生制動トルクを変更するともに、前記駆動/回生制動部を介して加えることのできる変更後の最大回生制動トルクを加えた状態でも前記回生制動目標スリップ率に達しない場合には、回生制動トルクだけではトルクが不足であると判断し、前記摩擦制動部を介して不足トルク分を前記摩擦制動トルクとして加えることで、前記スリップ率が前記摩擦制動目標スリップ率に達するように制御する
    車両用制動装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用制動装置において、
    前記制御部は、前記操舵状態検出部により検出された前記操舵状態に応じて、検出値が大きいほど前記回生制動目標スリップ率が小さくなるように変更する
    車両用制動装置。
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