以下、本発明の吸収体の製造方法をその好ましい一実施態様に基づいて図面を参照しながら説明する。先ず、本発明の製造方法の一実施態様の実施により製造される本発明の吸収体について説明する。図1及び図2に示す吸収体1は、本発明の一実施態様の実施により製造される吸収体の一例であり、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品の吸収体として用いられるもので、上下2枚の透水性のコアラップシート3,4間に、吸収性材料の疎密構造を有する液保持性の吸収性コア2が介在配置されて構成されている。
更に説明すると、吸収体1は、図1及び図2に示すように、吸収性材料(繊維材料、吸水性ポリマーの粒子等)からなる平面視して矩形形状の吸収性コア2と、吸収性コア2の両面を被覆する平面視して矩形形状の第1コアラップシート3及び第2コアラップシート4とからなる。両シート3,4は、それぞれ、吸収性コア2の一方の面の全域を被覆し、更に吸収性コア2の長手方向Xに沿う両側縁2s,2sから幅方向Yの外方に延出し、それらの延出部において互いに重ね合わされている。両シート3,4どうしは、この延出部においてホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により、他の部材を介在させずに直接接合されていても良い。また、吸収性コア2と両シート3,4との間は、それぞれ、公知の接合手段により接合されていても良い。尚、図中、符号Xで示す方向は、吸収体又はその構成部材(吸収性コア等)の長手方向であり、符号Yで示す方向は、該長手方向と直交する吸収体又はその構成部材の幅方向である。
本実施態様に係る吸収体1の主たる特長の1つとして、吸収性コア2が吸収性材料の疎密構造を有している点が挙げられる。即ち、吸収性コア2は、図2に示すように、吸収性材料の密度が相対的に低い低密度部21と、該密度が相対的に高い高密度部22とを有し、密度が部分的に異なっている。低密度部21及び高密度部22は、それぞれ、吸収性コア2の長手方向Xの全長に亘って長手方向Xに延びて形成されていて平面視帯状をなし、吸収性コア2の幅方向Yに交互に配置されている。低密度部21は、吸収性コア2の幅方向Yの中央部に位置し、低密度部21よりも密度の高い高密度部22は、吸収性コア2の幅方向Yの左右両側部それぞれに位置し、低密度部21の数は1本、高密度部22の数は2本である。このように、吸収性コア2は、低密度部21及び高密度部22からなる疎密構造を有しており、それによって面方向に吸収性材料の疎密勾配を有している。各部の密度は次のようにして測定される。
<吸収性コアの密度の測定方法>
吸収性コア2より各々の部位について、定圧式厚み計を用い厚みを測定する。定圧式厚み計の測定時圧力は0.5g/cm2とする。次に各々の部位について、長さ50mm、幅5mmの大きさに切り出しサンプルを調製し、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用い、サンプル重量を測定する。測定したサンプル重量を、サンプルの体積(厚み×長さ×幅)で除して各々の部位の密度を算出する。なお、各々の部位より、前述のサンプルの大きさ(長さ及び幅)を切り出せない場合には、適宜大きさを変更する。
吸収性コア2がこのような吸収性材料の疎密構造を有していることにより、尿、経血等の排泄液の幅方向Yへの拡散が抑制されると共に、排泄液の長手方向Xへの拡散が促進され、それによって吸収性コア2全体に排泄液を行き渡らせて吸収性コア2の吸収性能を効率良く利用することが可能となり、結果として良好な液吸収性、防漏性、表面ドライ感等が得られる。また、このような、排泄液を吸収性コア2の長手方向Xに優先的に拡散し得る構成の採用により、吸収性コア(吸収体)の設計において、従来に比して、吸収性コアの長手方向の長さを長くし、幅方向の長さを短くすることが可能となる。
より具体的には、吸収性コア2(吸収体1)の中央部及びその近傍は、吸収体1を使い捨ておむつ等の吸収性物品における表面シートと裏面シートとの間に組み込んで使用した場合に、その吸収性物品の着用者の排泄部に対向する部位(排泄部対向部)であるところ、液拡散性に優れる低密度部21が、排泄部対向部を通ってその前後に延びて形成されていることにより、排泄部対向部における表面シート上に排泄された尿や経血等の排泄液は、吸収性コア2の幅方向Yの中央部に位置する低密度部21において、その作用により素早く低密度部21内に透過移行し、低密度部21内で吸収される。そして、低密度部21内を拡散し且つ低密度部21と幅方向Yに隣接する高密度部22内に到達した、排泄液は、毛管力が強く液の引き込み性に優れる高密度部22の作用により、高密度部22内に引き抜かれ、長手方向Xに延びる高密度部22内で吸収性コア2の長手方向Xに拡散される。低密度部21は、こうして高密度部22に排泄液を受け渡したことにより、次に排泄があった際にも素早くその排泄液を透過吸収することが可能となる。このように、疎密構造を有する吸収性コア2を具備する吸収体11は、液吸収性に優れ、高い防漏性を有する。
前述した疎密構造を有する吸収性コア2による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、吸収性コア2における各部の寸法等は下記のように設定することが好ましい。
低密度部21の幅方向Yの長さ(幅)W1(図2参照)と高密度部22の幅W2(図2参照)との比(W1/W2)は、吸収体1を使い捨ておむつ又は生理用ナプキンに組み込んで使用する場合には、好ましくは0.1〜2、更に好ましくは0.5〜1である。
また、低密度部21の幅W1は、吸収体1を生理用ナプキンに組み込んで使用する場合には、好ましくは3〜40mm、更に好ましくは20〜30mmであり、吸収体1を使い捨ておむつ(特にベビー用の使い捨ておむつ)に組み込んで使用する場合には、好ましくは6.5〜67.5mm、更に好ましくは27〜45mmである。
尚、低密度部21の幅W1は、後述するコアラップシート3,4の低通気部31,41の幅と同じである。
低密度部21と高密度部22との密度比(低密度部/高密度部)は、吸収体1を使い捨ておむつ又は生理用ナプキンに組み込んで使用する場合には、好ましくは0.1〜0.9、更に好ましくは0.3〜0.6である。
また、低密度部21の密度は、吸収体1を生理用ナプキンに組み込んで使用する場合には、好ましくは0.005〜0.045g/cm3、更に好ましくは0.015〜0.03g/cm3であり、吸収体1を使い捨ておむつ(特にベビー用の使い捨ておむつ)に組み込んで使用する場合には、好ましくは0.002〜0.018g/cm3、更に好ましくは0.006〜0.012g/cm3である。
低密度部21の坪量は、吸収体1を生理用ナプキンに組み込んで使用する場合には、好ましくは40〜360g/m2、更に好ましくは120〜240g/m2であり、吸収体1を使い捨ておむつ(特にベビー用の使い捨ておむつ)に組み込んで使用する場合には、好ましくは16.5〜148.5g/m2、更に好ましくは49.5〜99g/m2である。
高密度部22の坪量は、吸収体1を生理用ナプキンに組み込んで使用する場合には、好ましくは200〜600g/m2、更に好ましくは300〜500g/m2であり、吸収体1を使い捨ておむつ(特にベビー用の使い捨ておむつ)に組み込んで使用する場合には、好ましくは50〜300g/m2、更に好ましくは100〜200g/m2である。
低密度部21及び高密度部22からなる吸収性コア2の疎密構造は、後述するように、吸収性材料を堆積させて部分的に厚みの異なる堆積体を形成し、該堆積体を厚み方向に圧縮して厚みを均一にすることによって形成されており、従って、低密度部21と高密度部22とは、吸収性材料の堆積量は異なるものの、厚みは均一であり、吸収性コア2の両面(肌対向面及び非肌対向面)は、実質的に段差の無い平坦面となっている。吸収性コア2(低密度部21、高密度部22)の厚みは、吸収体1を生理用ナプキンに組み込んで使用する場合には、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは3〜10mmであり、吸収体1を使い捨ておむつ(特にベビー用の使い捨ておむつ)に組み込んで使用する場合には、好ましくは1〜15mm、更に好ましくは5〜10mmである。吸収性コア2あるいはその各部の厚みは、吸収性コア2より各々の部位を長さ50mm、幅5mmの大きさに切り出し、定圧式厚み計を用いて測定する。定圧式厚み計の測定時圧力は0.5g/cm2とする。
第1コアラップシート3及び第2コアラップシート4は、それぞれ、相対的に通気性の低い低通気部と相対的に通気性の高い高通気部とを有しており、通気性が部分的に異なっている。つまり、低通気部は高通気部に比べて通気性が低く、高通気部は低通気部に比べて通気性が高い。より具体的には、第1コアラップシート3においては、吸収性コア2の低密度部21と対向する部位、即ち、吸収性コア2の幅方向Yの中央部の全域が、低通気部31となっており、吸収性コア2の高密度部22と対向する部位を含むその他の部位が、低通気部31よりも通気性の高い高通気部32となっている。また、第2コアラップシート4においても同様であり、低密度部21と対向する部位の全域が低通気部41、その他の部位が高通気部42となっている。両低通気部31,41は、何れも吸収性コア2の長手方向Xの全長に亘って長手方向Xに延びて形成されていて平面視帯状であり、吸収性コア2の低密度部21を挟んで上下に対向配置されている。
このように、コアラップシート3,4の通気性を部分的に異ならせている理由の一つは、前述した吸収性コア2の疎密構造を得ることと密接に関係しており、斯かる製造上の工夫の結果として、吸収体1の平面視において、コアラップシート3,4の低通気部31,41と吸収性コア2の低密度部21とが重なっている。吸収性コア2の疎密構造とコアラップシートの通気性との関係の詳細については後述する。コアラップシートの通気性は、下記測定方法によって測定される通気度Qの値によって評価でき、通気度Qの値が大きいほど、通気性が高く空気を通し易い。
<コアラップシートの通気性の測定方法>
シートの通気性の測定は、JIS L1096のフラジール法に準拠した方法で、通気度試験機(カトーテック株式会社製「KES−F8−AP1」)を用いて実施する。KES−F8−AP1の所定位置に測定対象のシートをセットし、該シートに一定流量V(単位:m3/m2・s)の空気を通過させたときの圧力差ΔP(単位:kPa)を測定し、その測定値ΔPを流量Vで除して(即ちΔP/Vにより)、通気抵抗R(単位:kPa・s/m)を算出する。そして次式により、目的とする通気度Q(単位:cm3/cm2・s)を算出する。 通気度Q=K/R
前記式中、Kは定数(単位:kPa)であり、本発明ではK=12.5である。つまり、コアラップシートの通気度Qは、12.5を、前記手順で算出した通気抵抗Rで除することにより求められる。JIS L1096のフラジール法では、圧力差ΔPが125Paになったときに、測定対象物を通過する空気の流量V’(単位:cm3/cm2・s)を、該測定対象物の通気度としており、定数Kは、フラジール法における通気度(空気の流量)V’を考慮した補正項である。K=12.5は、次のようにして算出される。即ち、本発明で用いる通気度試験機(カトーテック株式会社製「KES−F8−AP1」)は、シリンダーの断面積4π(cm2)、ピストン運動スピード2cm/sであるので、単位時間当たりに押し出される空気の体積は、4π×2=8π(cm3/s)である。また、KES−F8−AP1における、空気を注入する通気穴の直径は2.828cmであり、該通気穴の断面積を2πcm2とすると、KES−F8−AP1における、単位面積当たり及び単位時間当たりの空気の流量V’(フラジール法における通気度)は、8π/2π=4cm3/cm2・s[=4×10-2(m3/m2・s)]となる。そして、通気抵抗Rを算出する式[R=ΔP/V’]を用い、ΔP=125Pa=0.125kPa、V’=4×10-2(m3/m2・s)であるから、KES−F8−AP1における通気抵抗R(単位:kPa・s/m)は、0.125/(4×10-2)と算出される。ここで、空気の流量V’と通気抵抗Rとは互いに反比例の関係にあることから、両者の関係はV’=K/Rと表すことができ、Kを定数とすると、K=RV’となり、R=0.125/(4×10-2)、V’=4×10-2であるから、K=12.5が算出される。
また、コアラップシート3,4の通気性を部分的に異ならせている他の理由は、コアラップシート3,4自体の液拡散性の向上を図るためである。即ち、コアラップシート3,4の通気性を部分的に異ならせることにより、1)吸収性コア2の特定の疎密構造が得られると共に、2)コアラップシート3,4自体の液拡散性が向上し、それによって吸収体1の液吸収性、防漏性、表面ドライ感等の向上が図られる。前記2)に関して更に説明すると、コアラップシート3,4において、低通気部31,41は、通常、a)コアラップシート3,4の形成材料(例えばコアラップシート3,4の構成繊維)の密度が高通気部32,42よりも高い、高密度部であるか、又はb)コアラップシート3,4の形成材料の坪量が高通気部32,42よりも高い、高坪量部である。前記a)の場合、コアラップシート3,4は、低通気部31,41及び高通気部32,42からなる疎密構造を有しており、それによって吸収性コア2と同様に、面方向に該形成材料の密度勾配を有しており、また前記b)の場合、コアラップシート3,4は、面方向に該形成材料の坪量勾配を有している。そして、コアラップシート3,4の低通気部31,41(高密度部又は高坪量部)が、排泄部対向部を通って吸収性コア2の長手方向Xに延びるように形成されていることにより、排泄部対向部に存する尿や経血等の排泄液は、高密度又は高坪量の低通気部31,41を通って長手方向Xに拡散される。特に、高坪量の低通気部31,41は、後述するように、コアラップシートを折り重ねたり、あるいはコアラップシートとは別体のシート材を該コアラップシートに貼り付けたりする等して形成されることによって、多層構造となっている場合があり、その場合にも、高坪量の低通気部31,41は、高密度の低通気部31,41と同様に、高通気部32,42(多層構造ではない低坪量の部位)と比較して液保持性及び拡散性に優れ、その結果、コアラップシート形成材料の坪量勾配を有するコアラップシート3,4全体として、該形成材料の密度勾配を有している場合と同様の効果が得られる。また、吸収性コア2を被覆するコアラップシート3,4に、このような特定の密度又は坪量の勾配を付与して長手方向Xへの液拡散性を向上させることにより、液の吸収・拡散に関する吸収性コア2の利用効率が高まり、吸収性コア2の液吸収能等を過剰に高める必要がなくなるため、吸収性コア2の形成材料(繊維材料、吸水性ポリマー等)を低減することが可能となり、製造コスト等の点でメリットが得られる。
特に、吸収体1を、肌対向面を形成する表面シート及び非肌対向面を形成する裏面シートを具備する吸収性物品の両シート間に、コアラップシート3が表面シートと吸収性コア2との間に位置するように(コアラップシート4が裏面シートと吸収性コア2との間に位置するように)介在配置させた場合において、排泄部対向部における表面シート上に排泄され且つ該表面シートを透過してきた尿や経血等の排泄液(特に尿)は、低通気部31を通って速やかにその下方の吸収性コア2へ移行しつつ、高密度又は高坪量の低通気部31では吸収体1の長手方向Xに拡散するため、吸収体1の液吸収速度が向上する。図2に示す吸収体1においては、前述したように、吸収性コア2の幅方向Yの中央部が低密度部21となっており、その特定の疎密構造により、表面シートからの排泄液が速やかに透過・吸収され、排泄液の拡散等が適切に制御されるため、高い吸収性能が得られる。また、吸収性コア2の低密度部21が素早く排泄液を裏面シート側であるコアラップシート4に透過移行させることができる。そして、図2に示す吸収体1においては、裏面シート側に位置するコアラップシート4に高密度又は高坪量の低通気部41が存していることにより、排泄液は低通気部41を通って吸収性コア2の長手方向Xに拡散されるため、いわゆる液戻り(表面シートを透過して吸収性コアに一旦は吸収された液が該表面シート側に戻る現象)が低減され、表面ドライ感等が向上する。尚、肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体1)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。
前述した、吸収性コア2の疎密構造をより確実に得る観点及びコアラップシート3,4自体の密度又は坪量の勾配による液拡散性等の向上効果の観点から、第1コアラップシート3における低通気部31と高通気部32との通気度の比(低通気部/高通気部)は、好ましくは0.1〜0.9、更に好ましくは0.3〜0.6である。また、低通気部31の通気度(前記通気度Q)は、好ましくは10〜500cm3/cm2・s、更に好ましくは100〜300cm3/cm2・sである。第2コアラップシート4における低通気部41と高通気部42についても、第1コアラップシートと同様にすることができる。
コアラップシートの通気性を部分的に異ならせる方法としては、通気性が均一なコアラップシートの一部に種々の後加工を施して、該一部を相対的に通気性の低い低通気部とする方法が挙げられる。この方法では、シートにおける後加工が施されない部分は、シート本来の通気性が維持されている高通気部となる。図3には、このような後加工によって低通気部が形成されたコアラップシートを具備する吸収体の具体例として、吸収体1Aが示されている。吸収体1Aにおいては、図3に示すように、第1コアラップシート3の低通気部31が、1枚の第1コアラップシート3を折り重ねて形成されており、幅方向Yに沿う断面視においてZ字状の多層構造となっている。Z字状の多層構造の低通気部31は、第1コアラップシート3を、吸収性コア2の長手方向X(後述する供給方向MDと同方向)に延びる互いに平行な2本の折曲線L1,L2で折り曲げることによって形成されている。吸収体1Aにおける第2コアラップシート4の低通気部41も、同様にシート4が長手方向Xに延びる折曲線L3,L4で折り曲げられてZ字状の多層構造となっている。多層構造の低通気部31,41における互いに重ね合わされたシートどうしは、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段によって接合されていても良い。図3に示すように、コアラップシートを折り重ねて低通気部を形成する方法は、低通気部を形成するためだけの余計な材料や工程を必要とせず、コアラップシートの通気性を部分的に異ならせることを比較的安価で実現することができる。
コアラップシートの通気性を部分的に異ならせる他の方法としては、第1コアラップシート3を例にとると、A)第1コアラップシート3とは別体のシート材を、該コアラップシート3の所定部位に貼り合わせる方法、B)第1コアラップシート3の所定部位にエンボス加工を施す方法、等が挙げられる。前記A)の方法によって得られる低通気部31,41は、コアラップシート3,4とシート材との多層構造からなり、前記B)の方法によって得られる低通気部31,41は、コアラップシート3,4の被エンボス加工部からなる。被エンボス加工部は、シートの構成成分どうしの間隙(例えば繊維間空隙)がエンボス加工によって狭められているため、エンボス加工が施されていない部分に比して、通気性が低下している。前記A)の方法における別体のシート材としては、紙、不織布、開孔フィルム等の透水性シートを用いることができ、コアラップシートと同じシートでも良く、また、コアラップシートとの貼り合わせには、ホットメルト型接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段を用いることができる。前記B)の方法におけるエンボス加工としては、ヒートエンボス加工、超音波等の公知のエンボス加工を用いることができる。前記A)及びB)の方法は、「低通気部を任意の箇所に任意の大きさ及び形状で形成することができる」という点で、前述した、コアラップシートを折り重ねて低通気部を形成する方法(図3参照)に比べて有利である。
吸収体1における各部の形成材料について説明すると、吸収性コア2の形成材料である吸収性材料としては、繊維材料や吸水性ポリマーを用いることができる。繊維材料としては、例えば、パルプ繊維やレーヨン等のセルロース系繊維が好ましく用いられ、吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム、アルリル酸−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、でんぷん−アルリル酸グラフト共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等を挙げることができる。
第1コアラップシート3及び第2コアラップシート4としては、それぞれ、この種の吸収体において吸収性コアを包む透水性シートとして用いられているものを特に制限なく用いることができ、例えば、ティッシュペーパー等の紙;不織布等の繊維材料からなるシート、開孔フィルム等を用いることができる。コアラップシートとして用いる不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、SMS(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド)不織布、エアレイド不織布、ヒートシール不織布、エアースルー不織布等が挙げられる。コアラップシートとして開孔フィルムを用いる場合、コアラップシート(開孔フィルム)における低通気部と高通気部とは、開孔の大きさや開孔の間隔等を変更して通気度を互いに異ならせることができる。
本発明の吸収体の製造方法の実施によって製造される吸収体1は、前述したように、吸収性コア2が吸収性材料の疎密構造を有し且つ吸収性コア2を被覆するコアラップシート3,4がシート形成材料の密度又は坪量の勾配を有しているため、吸収性コア2とコアラップシート3,4との相乗効果により、良好な液吸収性、防漏性、表面ドライ感等を提供することができ、吸収性物品の構成部材として好適である。吸収性物品は、主として尿や経血等の身体から排泄される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、吸収体1の適用例は、これらの吸収性物品に限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
次に、本発明の吸収体の製造方法を、前述した吸収体1の製造方法を例にとり、図面を参照しながら説明する。図4には、本実施態様の吸収体1の製造方法及びそれに用いる製造装置が示されている。吸収体1の製造装置は、積繊ドラム50とダクト60とを備えており、ダクト60は、積繊ドラム50の外周面の一部を覆う一端部を有し、空気流に乗せて飛散状態とされた吸収性材料を、積繊ドラム50の外周面に供給する。
積繊ドラム50は、円筒状をなし、図4中の矢印R1方向に回転駆動されるようになされている。積繊ドラム50の外周面には、製造する吸収性コア2(堆積体55、吸収体前駆体56)の形状に対応する形状の集積用凹部51が複数形成されている。積繊ドラム50には、吸気ファン(図示せず)が接続されており、該吸気ファンの駆動により、積繊ドラム50内の仕切られた空間A及びBが負圧に維持されるようになっている。個々の凹部51の底面部には、多数の細孔(図示せず)が形成されており、凹部51が、負圧に維持された空間A及びB上を通過している間、凹部51の底面部の細孔が吸引孔として機能する。凹部51が形成されていない、積繊ドラム50の外周面の左右両側部は、金属製の剛体からなる積繊ドラム50のフレーム体からなり、非通気性である。
ダクト60における、積繊ドラム50側とは反対側の端部付近には、解繊パルプ等の繊維材料(吸収性材料)をダクト60内に飛散状態として供給する繊維材料供給装置(図示せず)が設けられている。また、ダクト60における、積繊ドラム50と前記繊維材料の導入部位との間には、ダクト60内に吸水性ポリマーの粒子(吸収性材料)を導入するポリマー導入口61が設けられている。
本実施態様の製造方法においては、図4に示すように、積繊ドラム50の外周面上に第1コアラップシート3を供給し、凹部51の底面部からの吸引力により、図5(a)に示すように、凹部51の底面に沿うように配置させる。第1コアラップシート3は、帯状の長尺シートであり、その供給方向(MD;Machine Direction)と直交する方向(CD;Cross machine Direction)の中央部が低通気部31、左右両側部それぞれが高通気部32となっており、凹部51のMDの中央部に低通気部31、凹部51のMDの左右両側部それぞれに高通気部32が位置するように供給・配置される。
こうして、積繊ドラム50の外周面上に供給した第1コアラップシート3上に、該外周面に向けて飛散状態にて供給した吸収性材料(繊維材料及び吸水性ポリマーの粒子)を吸引堆積させて、図5(b)に示すように堆積体55を形成する(堆積工程)。この堆積工程では、凹部51の底面上に配置された第1コアラップシート3を、積繊ドラム50の回転によってダクト60に覆われた部分に移動させ、該部分において、第1コアラップシート3上に、空気流に乗せて供給した吸収性材料を吸引させて堆積させる。より具体的には、第1コアラップシート3における、凹部51の内面形状に沿うように変形して凹状となった部分に吸収性材料を堆積させて堆積体55を得る。
前記堆積工程において、吸収性材料の堆積量は、凹部51内において均一ではなく、凹部51の通気性の底面を被覆する、前述した第1コアラップシート3の通気性の不均一によって、不均一となる。即ち、第1コアラップシート3の幅方向(CD)の中央部に存する低通気部31は、幅方向の左右両側部に存する高通気部32に比して、凹部51の底面からの吸引力が弱く、従って吸収性材料の堆積量が少ない。そのため、前記堆積工程においては、凹部51のCDの中央部に位置する低通気部31上に、吸収性材料の堆積量が相対的に少ない肉薄部55Aが形成され、凹部51のCDの左右両側部に位置する高通気部32上に、吸収性材料の堆積量が相対的に多い肉厚部55Bが形成される。つまり、肉薄部55Aは肉厚部55Bに比べて吸収性材料の堆積量が少なく、肉厚部55Bは肉薄部55Aに比べて吸収性材料の堆積量が多い。また、肉薄部55Aは、肉厚部55Bよりも厚みが小さく、堆積体55は厚みが部分的に異なっている。
次いで、図5(c)に示すように、凹部51内の堆積体55の第1コアラップシート3側とは反対側の面を第2コアラップシート4で被覆して吸収体前駆体56を得る(吸収体前駆体形成工程)。この吸収体前駆体形成工程では、ダクト60に覆われた部分からダクト60外へと移動した直後の堆積体55上に、第2コアラップシート4を積層している。第3コアラップシート4を堆積体55上に積層する前に、第2コアラップシート4における堆積体55との対向面の所定箇所に、接着剤塗布手段65によりホットメルト型接着剤等の接着剤を塗布する。
前記吸収体前駆体形成工程で用いる第2コアラップシート4は、前述したように、低通気部41と該低通気部41よりも通気性の高い高通気部42とを有している(図2参照)。第2コアラップシート4は、本工程(吸収体前駆体形成工程)を経て得られる吸収体前駆体56において、図5(c)に示すように、第1コアラップシート3及び第2コアラップシート4それぞれにおける低通気部31,41どうしが堆積体55を挟んで相対向するように、本工程にて堆積体55上に配置される。
前記吸収体前駆体形成工程を経て得られた、第1コアラップシート3と第2コアラップシート4との間に厚みが部分的に異なる堆積体55(肉薄部55A及び肉厚部55Bを有する堆積体55)が介在した構成の吸収体前駆体56は、積繊ドラム50内の陽圧とされた空間C上に移動され、空間C上においてベルトコンベア66上へと受け渡され、次工程の圧縮工程へと搬送される。
前記圧縮工程では、一対の加圧ロール71,72を含んで構成される圧縮手段により、吸収体前駆体56全体をその厚み方向に圧縮して、長尺帯状の吸収体1の連続体を得る。斯かる圧縮工程において、吸収体前駆体56における厚みが不均一であった堆積体55は、全体的に厚み方向に圧縮されて厚みの均一な吸収性コア2(吸収性コア2の連続体)とされ、特に、相対的に吸収性材料の堆積量が少なく厚みが小さい肉薄部55Aは、相対的に弱く圧縮されるか又は実質的に圧縮されずに低密度部21となり、相対的に吸収性材料の堆積量が多く厚みが大きい肉厚部55Bは、相対的に強く圧縮されて高密度部22となる。
前記圧縮工程後、得られた吸収体1の連続体は、一対のカッターロール75,76を含んで構成される切断手段により、吸収体1個分の長さとされ、個々の吸収体1とされる。本実施態様の吸収体1の製造方法によれば、このようにして、上下2枚のコアラップシート3,4間に吸収性材料の疎密構造(低密度部21、高密度部22)を有する吸収性コア2が介在配置された、吸収体1を、従来のこの種の吸収体の製造装置(積繊装置)の大掛かりな改変を要さずに、簡便に効率良く製造することができる。吸収性コア2は、吸収体1の平面視において低通気部31,41と重なる低密度部21(低通気部対応部)が、吸収性材料の堆積量が相対的に少なく、該平面視において高通気部32,42と重なる高密度部22(高通気部対応部)が、吸収性材料の堆積量が相対的に多い。
図6及び図7には、本発明の吸収体の製造方法の実施によって製造される本発明の吸収体の他の例が示されている。後述する吸収体の他の例については、前述した吸収体1(図1及び図2参照)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、吸収体1についての説明が適宜適用される。
図6(a)に示す吸収体1B及び図6(b)に示す吸収体1Cは、何れも、上下2枚のコアラップシート3,4のうちの一方のみが、低通気部及び高通気部を有し面方向にシート形成材料の密度又は坪量の勾配を有しているものである。図6(a)に示す吸収体1Bは、「肌対向面を形成する表面シート及び非肌対向面を形成する裏面シートを具備する吸収性物品」に組み込まれて使用される場合に、コアラップシート3が表面シートと吸収性コア2との間に位置するように(コアラップシート4が裏面シートと吸収性コア2との間に位置するように)介在配置され、また、図6(b)に示す吸収体1Cは、前記吸収性物品に組み込まれて使用される場合に、コアラップシート4が表面シートと吸収性コア2との間に位置するように(コアラップシート3が裏面シートと吸収性コア2との間に位置するように)介在配置される。
吸収体1Bにおいては、図6(a)に示すように、図示しない表面シートに近い側に位置するコアラップシート3が、低通気部31及び高通気部32からなる密度又は坪量の勾配を有し、図示しない裏面シートに近い側に位置するコアラップシート4は、そのような密度又は坪量の勾配を有しておらず、通気性及び密度又は坪量が均一となっている。一方、吸収体1Cにおいては、図6(b)に示すように吸収体1Bとは逆に、図示しない裏面シートに近い側に位置するコアラップシート3のみが低通気部31及び高通気部32からなる密度又は坪量の勾配を有し、図示しない表面シートに近い側に位置するコアラップシート4は、そのような密度又は坪量の勾配を有しておらず、通気性及び密度又は坪量が均一となっている。
吸収体1Bによれば、表面シートを透過してきた尿や経血等の排泄液(特に尿)は、低通気部31を通って速やかにその下方の吸収性コア2へ移行しつつ、低通気部31では吸収体1の長手方向Xに拡散するため、液吸収速度の向上が期待できる。また、吸収体1Cによれば、裏面シート側に位置するコアラップシート3に高密度又は高坪量の低通気部41が存していることにより、排泄液は低通気部41を通って吸収性コア2の長手方向Xに拡散されるため、液戻りが低減され、表面ドライ感等が向上する。これらに対し、コアラップシート3,4の両方が密度又は坪量の勾配を有している吸収体1(図1及び図2参照)によれば、両吸収体1B,1Cによるこれらの効果(液吸収速度の向上、液戻りの低減)が全て奏される。
図6(c)に示す吸収体1Dは、部分的に厚みの異なる吸収性コア2Aを具備している。吸収性コア2Aは、前述した吸収体1の製造方法における堆積工程で得られる堆積体55であり、前記圧縮工程を実施せずに得られるものである。吸収性コア2Aの幅方向Yの中央部は肉薄部55A、肉薄部55Aの左右両側は肉厚部55Bとなっており、吸収性コア2Aの一面側(肌対向面側)における肉薄部55Aに対応する部位には、肉薄部55Aと肉厚部55Bとの厚み差に起因する、凹部58が形成されている。肉薄部55A及び肉厚部55B並びに凹部58は、何れも平面視帯状で吸収性コア2Aの長手方向Xの全長に亘って形成されている。吸収性コア2Aは、前記圧縮工程を経ていないため、前述した疎密構造を有しておらず、密度は略均一である。
吸収体1Dは、「肌対向面を形成する表面シート及び非肌対向面を形成する裏面シートを具備する吸収性物品」に組み込まれて使用される場合に、コアラップシート4が表面シートと吸収性コア2Aとの間に位置するように(コアラップシート3が裏面シートと吸収性コア2Aとの間に位置するように)介在配置される。吸収体1Dにおいては、図示しない裏面シートに近い側に位置するコアラップシート3が、低通気部31及び高通気部32からなる密度又は坪量の勾配を有し、図示しない表面シートに近い側に位置するコアラップシート4は、そのような密度又は坪量の勾配を有しておらず、通気性及び密度又は坪量が均一となっている。
吸収体1Dによれば、主として、吸収性コア2Aの肌対向面側に形成された凹部58の作用により、大量の尿、経血、軟便等の排泄液を素早く取り込むことができる。また、吸収性コア2Aは、幅方向Yの中央部が、凹部58を有していて肉薄部55Aとなっており、その左右両側の肉厚部55Bよりも厚みが薄いため、排泄液をコアラップシート3側に素早く引き込むことができ、更に、コアラップシート3においては、凹部58の下方に位置する高密度又は高坪量の低通気部31によって、吸収性コア2Aから引き込んだ排泄液を、吸収体1Dの長手方向に拡散させることができる。このような作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、凹部58の深さDは、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは5〜10mmである。
図7に示す吸収体1Eにおいては、吸収体1Eを構成する吸収性コア2Bが低密度部21(低通気部対応部)及び高密度部22(高通気部対応部)を有し、吸収性コア2Bにおける低密度部21及び高密度部22は、吸収性コア2Bの幅方向Yに交互に配置され、吸収性コア2Bの長手方向Xに沿う左右両側部がそれぞれ低密度部21となっている。吸収性コア2Bと前述した吸収性コア2との最大の違いは、吸収性コアの幅方向Yの最外方に位置する部位(左右両側部)の密度が相対的に高いか低いかであり、吸収性コア2Bにおいては、斯かる部位の密度が相対的に低くなっている。吸収性コア2Bにおいては、低密度部21の数は3本、高密度部22の数は2本である。吸収体1Eは、「肌対向面を形成する表面シート及び非肌対向面を形成する裏面シートを具備する吸収性物品」に組み込まれて使用される場合に、コアラップシート3が表面シートと吸収性コア2Bとの間に位置するように(コアラップシート4が裏面シートと吸収性コア2Bとの間に位置するように)介在配置される。吸収体1Eにおいては、図7(a)に示すように、図示しない表面シートに近い側に位置するコアラップシート3のみが低通気部31及び高通気部32からなる密度又は坪量の勾配を有し、図示しない裏面シートに近い側に位置するコアラップシート4は、そのような密度又は坪量の勾配を有しておらず、通気性及び密度又は坪量が均一となっている。
図7に示す吸収体1Eは、主として吸収性コア2Bの作用により、拡散方向制御能が効率良く発現する。即ち、粗密が幅方向Yに交互に配置された吸収性コア2Bにおいて、疎部(幅方向Yの中央部の低密度部21)では、素早く裏面シート側(コアラップシート4側)に排泄液を透過させることができ、また、斯かる排泄液の透過と同時に幅方向Yに排泄液が拡散し、該疎部に隣接する密部(高密度部22)に排泄液が移行する。該密部では、その強い毛細管力により、排泄液が素早く長手方向X及び幅方向Yの両方向に伝わって該密部全体に広がっていき、該密部に隣接する別の疎部(幅方向Yの左右両側部の低密度部21)に移行する。疎部(低密度部21)では、密部(高密度部22)に比べて毛細菅力が低いため、排泄液の拡散が少ない。そのため、吸収性コア2B全体としては、長手方向Xに排泄液を拡散させることができる。このように、疎部及び密部の作用を適宜組み合わせることにより、長手方向Xに排泄液の拡散を促進させ得る吸収性コア2Bが得られ、それによって幅方向Yへの排泄液の拡散を抑制することができ、液吸収性、ドライ感、側部からの漏れ防止性に優れる吸収体1Eが得られる。幅方向Yへの排泄液の拡散を抑制できる吸収性コア2Bは、該吸収性コア2Bを構成する吸収性材料(繊維材料、吸水性ポリマーの粒子等)を効率的に使用することができる。
本発明は、前記実施態様に制限されず適宜変更可能である。例えば、高密度部21及び低密度部22の数や配置形態は、それぞれ適宜設定可能である。また、図3に示す吸収体1Aにおいて、第1コアラップシート3は、吸収体1Aの長手方向X(製造工程におけるMD)に延びる折曲線L1,L2で折り曲げられていたが、幅方向Y(製造工程におけるCD)に延びる折曲線(図示せず)で折り曲げられていても良く、第2コアラップシート4についても同様である。また、第2コアラップシート4(吸収性材料の堆積体上に配置されるコアラップシート)は、低通気部41及び高通気部42を有していない、通気性及び密度又は坪量の均一なシートであっても良い。
また、図4に示す吸収体の製造装置において、積繊ドラム50の外周面に形成される集積用凹部51は、積繊ドラム50の周方向に所定間隔を置いて複数形成しなくても良く、積繊ドラム50の周方向に全長に亘って連続する1つの凹部としても良い。