JP5752725B2 - インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents
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Description
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
従来のインク組成物として、特許文献1及び2が挙げられる。
<1>(成分A)重合性化合物、(成分B)重合開始剤、及び、(成分C)植物性油を含有し、成分Bが、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする
インクジェットインク組成物、
<3>上記多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が、インク組成物全体の60質量%以上である、上記<2>に記載のインクジェットインク組成物、
<4>成分Cが、飽和脂肪酸量が10質量%以上の植物性油である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<5>成分Cのヨウ素価が、140以下である、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<6>成分Cの含有量が、インク組成物全量に対して、3〜15質量%である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<7>成分Cが、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カラシ油、杏仁油、ゴマ油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、椿油、コーン油、菜種油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ブドウ種子油、扁桃油、綿実油、ヤシ油、及び、落花生油よりなる群から選ばれた植物性油である、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<8>上記式(1)又は式(2)で表される化合物の含有量が、インク組成物全量に対して、0.01〜10質量%である、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<9>成分Bが、分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物を更に含有する、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<10>成分Bとして、分子量が340未満の重合開始剤を含有しないか、又は、分子量が340未満の重合開始剤の含有量がインク組成物全体の1質量%以下である、上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<11>パッケージ印刷用である、上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物、
<12>(工程a)上記<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物を支持体上に吐出する工程、及び、(工程b)上記インク組成物に酸素分圧0.1atm以下の雰囲気において活性線を照射して上記インク組成物を硬化する工程をこの順で含むインクジェット記録方法、
<13>上記支持体は、膜厚が10μm以上90μm以下であり、かつ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンよりなる群から選択された成分を少なくとも1つ含有する樹脂フィルムである、上記<12>に記載のインクジェット記録方法、
<14>上記活性線が、LEDにより照射される活性線である、上記<12>又は<13>に記載のインクジェット記録方法、
<15>上記<12>〜<14>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
更に、本発明においては、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェットインク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、(成分A)重合性化合物、(成分B)重合開始剤、及び、(成分C)植物性油を含有し、成分Bが、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする。
また、本発明のインク組成物は、活性放射線硬化型のインク組成物であり、水性インク組成物や溶剤インク組成物とは異なる。本発明のインク組成物は、水及び揮発性溶剤をできるだけ含有しないことが好ましく、含有していたとしても、インク組成物の全質量に対し、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
また、本発明のインクジェットインク組成物は、パッケージ印刷用インクジェットインク組成物として好適に用いることができる。
また、従来の紫外線硬化型インク組成物は、インクジェット吐出時にインク組成物の飛び散りは生じないが、得られる画像の柔軟性に問題がある場合が多く、従来の添加剤により柔軟性を改選した場合、インクジェット吐出性が悪化することを、本発明者等は見いだした。
また、従来の活性線硬化型インク組成物のインクジェット印刷により得た印刷物は、硬化膜の臭気が強く、内包物や周囲の食品に臭いが移る場合があるという問題もあった。
本発明者等が詳細な検討を行った結果、本発明のインクジェットインク組成物は、上記の構成を採用することにより、インクジェット吐出性及び得られる画像の柔軟性に優れ、臭気の少ない印刷物を得ることができることを見いだした。
以下、本発明のインク組成物について、詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、(成分A)重合性化合物を含有する。
重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
重合性化合物としては、公知の重合性化合物を用いることができ、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、インク組成物全体の60質量%以上であることが好ましく、60〜97質量%であることがより好ましく、65〜95質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、硬化性に優れ、マイグレーションが抑制されると共に、基材密着性に優れ、また、基材のシュリンクが抑制される。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、多官能(メタ)アクリレートモノマー及び/又は多官能(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましく、少なくとも2官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
また、2官能(メタ)アクリレート化合物は、2官能アクリレート化合物であることが好ましく、少なくともジアクリレートモノマーを含有することが特に好ましい。
なお、本発明において、モノマーとは分子量が1,000未満の化合物であり、オリゴマーとは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体であり、重量平均分子量が1,000以上である。
また、本発明において、(メタ)アクリレートモノマーとは、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上含有し、かつ、分子量が1,000未満の化合物を意味する。
本発明において、(メタ)アクリレートモノマーの分子量は700以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、226〜358であることが更に好ましく、242〜300であることが特に好ましい。分子量が上記範囲内であると、印刷物のマイグレーション及び臭気の抑制と、反応性とを両立できる。
オリゴマーは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する公知のオリゴマーを任意に選択可能であるが、本発明においては、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は1,000以上であり、1,000〜5,000であることが好ましく、1,500〜4,500であることがより好ましく、2,000〜4,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であると、硬化膜のマイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制しつつ、インクの粘度をインクジェットに適した粘度範囲にすることができる。
また、重量平均分子量は1,000以上であるが、オリゴマーが分子量分布を有する場合、分子量が1,000以下の成分が多官能(メタ)アクリレートオリゴマー全体に対して5質量%以下であることが、マイグレーション抑制の観点から好ましい。
上記ジ(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ有し、2〜6官能であることが好ましく、2〜4官能であることがより好ましく、2又は3官能であることが更に好ましく、2官能であることが特に好ましい。また、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、多官能アクリレートオリゴマーであることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、基材の密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
成分A−2について、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
本発明のインク組成物における多官能(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量としては、インク組成物の全質量に対し、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
また、重合性化合物としては、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物等も挙げられる。
本発明のインク組成物における重合性化合物の含有量は、硬化性の観点から、インク組成物の全質量に対し、50〜95質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましく、65〜90質量%が更に好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分B)重合開始剤を含有し、かつ成分Bが、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも含む。式(1)又は式(2)で表される化合物を用いることにより、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物の臭気が抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れるインクジェットインク組成物が得られる。
本発明のインク組成物における分子量が340未満の重合開始剤の含有量は、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、含有しないか、又は、インク組成物全体の0質量%を超え1.0質量%以下であり、含有しないか、又は、0質量%を超え0.5質量%以下であることが好ましく、含有しないか、又は、0質量%を超え0.3質量%以下であることがより好ましく、含有しないことが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、成分Bとして、式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、上記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、また、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。
これらの中でも、R1及びR2はそれぞれ独立にエチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式(1)中、jは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。jが2以上の整数の場合、複数存在するR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、kは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。kが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、xは2〜4の整数を表し、3又は4であることが好ましく、4であることがより好ましい。
なお、式(1)において、連結基であるX1を除いたチオキサントン構造(式(1)中、[ ]内に表された構造)を複数(x個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
R1の置換位置は、特に限定されないが、6位又は7位であることが好ましく、6位であることがより好ましい。
また、R2の置換位置は、特に限定されないが、1位、2位又は3位であることが好ましく、1位であることがより好ましい。
式(1’)中、R11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(1’)中、rはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、rが2以上のとき、複数存在するR11はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
x’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
Y1は少なくともx’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、x’個のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(x’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(1’)中、A1は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、式(1)で表される化合物が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
上記の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、適当な溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
反応終了後、反応混合物から公知の手段によって単離し、必要に応じて洗浄し、乾燥することによって、生成物を分離することができる。
本発明のインク組成物は、成分Bとして、式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
式(2)中、mは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。mが2以上の整数の場合、複数存在するR3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、nは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。nが2以上の整数の場合、複数存在するR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、yは2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
なお、式(2)において、連結基であるX2を除いたベンゾフェノン構造(式(2)中、[ ]内に表された構造)を複数(y個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
R3の置換位置は、特に限定されないが、2’位又は3’位であることが好ましく、3’位であることがより好ましい。
また、R4の置換位置は、特に限定されないが、2位、3位又は4位であることが好ましい。
式(2’)中、R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(2’)中、tはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、tが2以上のとき、複数存在するR21はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
y’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
Y2は少なくともy’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、y’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(y’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(2’)中、A2は下記式(i)〜式(iii)よりなる群から選択される基を表す。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、式(2)で表される化合物が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
また、式(2)で表される化合物としては、式(2−1)で表される化合物がより好ましい。
式(1)又は式(2)で表される化合物以外の他の重合開始剤としては、上記で示した以外に、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。上記重合開始剤の詳細については、例えば、特開2009−185186号公報の段落0090〜0116に記載されているものが例示できる。
本発明における重合開始剤は、1種単独で用いても、2種以上の併用してもよい。
式(1)又は式(2)で表される化合物以外の他の重合開始剤としては、アシルホスフィン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物及び/又はα−アミノケトン化合物が挙げられる。
中でも、アシルホスフィン化合物及び/又はα−アミノケトン化合物が好ましく、アシルホスフィン化合物がより好ましい。
芳香族ケトン類としては、α−ヒドロキシケトン化合物及び/又はα−アミノケトン化合物が好ましい。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、公知のものを用いることができるが、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられ、中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が好ましい。なお、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物も含まれる。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮し得る範囲で任意に選択することができ、具体的には炭素数1〜4のアルキル基が例示できる。
また、α−アミノケトン化合物としては、公知のものを用いることができ、具体的には例えば、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−ヘキシルフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)ブタン−1−オン、及び、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。また、市販品としては、BASFジャパン社製IRGACURE907、IRGACURE369、IRGACURE379等が好ましく例示できる。
また、重合開始剤としては、例えば、LAMBSON社製のSPEEDCURE 7040、BASF社製のLUCIRIN TPOが挙げられる。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン等)、チオクロマノン類(例えば、チオクロマノン等)等が挙げられる。
中でも、増感剤としては、チオキサントン類が好ましく、イソプロピルチオキサントンがより好ましい。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物は、(成分C)植物性油を含有する。植物性油を含有することにより、得られる画像の柔軟性及び支持体への密着性に優れ、臭気を抑制でき、また、インクジェット吐出性に優れる。
植物性油とは、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸がエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリドのことであり、化学構造が上記構造であれば、植物由来の天然油であっても、合成油であっても、変性油であってもよい。
植物性油として、具体的には、アサ実油、亜麻仁油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、杏仁油、桐油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、紅花油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、椿油、コーン油、菜種油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、扁桃油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。
本発明に用いられる植物性油は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
なお、飽和脂肪酸量とは、成分Cに含まれる全脂肪酸に対する飽和脂肪酸の含有量である。飽和脂肪酸量の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法により成分及び構造分析などを行い求めることができる。
本発明のインク組成物における成分Cのヨウ素価は、160以下であることが好ましく、140以下であることがより好ましく、100〜140であることが更に好ましく、100以上130未満であることが特に好ましい。上記範囲であると、支持体への密着性により優れ、臭気をより抑制できる。
なお、ヨウ素価とは、試料100gに反応するヨウ素のg数である。ヨウ素価の測定方法としては、JIS K0070に基づく測定方法が好ましく挙げられる。
また、成分Cは、ヨウ素価が100未満の非乾性油であっても、ヨウ素価が100以上130未満の半乾性油であっても、ヨウ素価が130以上の乾性油であってもよいが、非乾性油又は半乾性油であることが好ましい。
アサ実油(149以上)、亜麻仁油(168〜190)、エノ油(192以上)、オイチシカ油(140以上)、カポック油(85〜102)、カヤ油(130以上)、カラシ油(101以上)、杏仁油(97〜109)、桐油(145以上)、ククイ油(136以上)、クルミ油(143以上)、ケシ油(131以上)、ゴマ油(104以上)、紅花油(130以上)、ダイコン種油(98〜112)、大豆油(114〜138)、大風子油(101)、コーン油(103〜130)、菜種油(97〜107)、ニガー油(126以上)、ヌカ油(92〜115)、ヒマワリ油(125以上)、ブドウ種子油(124以上)、扁桃油(93〜105)、松種子油(146以上)、綿実油(102〜120)、落花生油(84〜102)、脱水ヒマシ油(147以上)。
本発明のインク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、着色剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。また、上記界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(例えば、有機フルオロ化合物等)やシリコーン系界面活性剤(例えば、ポリシロキサン化合物等)を用いてもよい。上記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。上記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の例としては、例えば、SILWET L−7604、SILWET L−7607N、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2161(日本ユニカー(株)製)、BYK306、BYK307、BYK331、BYK333、BYK347、BYK348等(BYK Chemie社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
これらの中でも、界面活性剤としてはシリコーン系界面活性剤が好ましく挙げられる。
本発明のインク組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.0001〜1質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物には、必要に応じて、上記各成分以外に、界面活性剤、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含む。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、本発明のインク組成物の全質量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な記録媒体(支持体)を用いた場合でも、記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
なお、インク組成物の25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。例えば、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定する方法、又は、KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702を用いて測定する方法が好ましく挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェットインク組成物をインクジェット記録用として記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、記録媒体上に吐出されたインクジェットインク組成物に活性線を照射し、インクジェットインク組成物を硬化して画像を形成する方法であり、本発明のインクジェットインク組成物をインクジェット記録用として記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、記録媒体上に吐出されたインクジェットインク組成物に低酸素分圧下で活性線を照射し、インクジェットインク組成物を硬化して画像を形成する方法であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(工程a)及び(工程b)を含むことにより、記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体上の同一部分において、上記(工程a)及び(工程b)を2回以上行うこと、すなわち、同一部分を重ね打ちにより印刷するマルチパスモードで行ってもよい。本発明のインク組成物を用いることにより、マルチパスモードで印刷を行った場合、光沢性により優れた画像が得られる。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
上記支持体は、膜厚が10μm以上90μm以下であることが好ましく、膜厚が20μm以上80μm以下であることがより好ましい。また、上記支持体は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び、ナイロンよりなる群から選択される成分を少なくとも1つ含有する樹脂フィルムであることが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、パッケージ印刷用に好適であり、特に、食品包装用のパッケージ印刷に好適である。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(工程a)における支持体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性線源はUV−LEDであり、特に好ましくは340〜400nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの記録媒体上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
活性エネルギー線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性エネルギー線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
一般的にラジカル重合系のインク組成物は特に空気と接する表面が酸素重合阻害を受けやすく、特に表面の硬化不良が起きやすい。この表面の硬化性劣化により、モノマーが膜中に残留したり、多官能モノマーによる膜の架橋構造形成により、低分子成分を膜中にとどめる性能が不十分となり、マイグレーション、臭気を著しく劣化させる。しかし、酸素濃度の低い環境下で露光することで、上記の酸素重合阻害の程度を低減させ、マイグレーション、臭気が改良されると推定される。
また、選択的に硬化膜表面のみが、酸素重合阻害をうけることで、良好な硬化性が得られる膜内部との硬化性の差が生じ、体積収縮率に分布ができてしまう結果、パッケージ用の薄い支持体がシュリンクを起しやすくなってしまう。これに関しても、酸素濃度の低い環境下で露光することで、膜表面と内部の体積収縮率を均一化させ、シュリンクを改良することができると推定される。
通常、大気(1気圧)下では酸素の分圧は0.21atm(気圧)であるので、酸素の分圧を0.1atm以下に下げるためには、(a)露光時の大気を減圧して0.47気圧以下にするか、(b)空気と酸素以外の気体(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)を空気に対して53vol%以上混合することにより達成できる。
本発明における貧酸素雰囲気については、特に限定されず上記いずれの方法も用いることができる。
酸素分圧の下限には特に制限はない。真空又は雰囲気を空気以外の気体(例えば窒素)で置換することにより酸素分圧を事実上0にすることができるが、これも好ましい方法である。
不活性ガス置換による酸素濃度は、0.01〜10体積%に制御することが好ましく(なお、このとき、酸素分圧は0.0001〜0.10atmに制御される。)、0.1〜5体積%に制御することがより好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、上記被記録媒体上に付与された液体に活性エネルギーを付与するエネルギー付与手段と、上記エネルギー付与手段によるエネルギー付与時の雰囲気を貧酸素雰囲気とする手段と、上記液体付与部から液体を吐出させつつ、上記搬送手段と上記エネルギー付与手段とを制御する制御手段と、を有し、上記被記録媒体の記録可能領域の全幅に対応した長さのライン型の打滴ヘッドが複数配備されており、上記記録液を吐出する打滴ヘッドと、上記エネルギー付与手段とが、被記録媒体の搬送方向上流側から順に配置されていることが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、所謂シングルパス方式のインクジェット記録装置であって、被記録媒体の搬送方向上流側から順に、処理液を吐出する打滴ヘッドと、記録液を吐出する打滴ヘッドと、エネルギー付与手段とが、配置されていることが好ましく、このような配置とすることで、処理液を付与してから記録液を打滴するまでの間において、打滴された処理液の表面を液体状に維持することができる。また、露光硬化の際に、貧酸素雰囲気とすることで、重合性化合物などの重合阻害を抑えて硬化反応を促進することができ、ひいては、細線など微細部の描画性を向上させることができる。
図1に示すように、LED光源ユニット1は、不活性ガスブランケット2に囲まれており、不活性ガス配管3を介して不活性ガス発生装置4に接続している。ブランケット2内の雰囲気を貧酸素雰囲気とする手段である不活性ガス発生装置4は、配管3を介してブランケット2の内部に不活性ガスを供給するもので、初期状態では、ブランケット2内雰囲気は空気であるが不活性ガス発生装置4を稼働させると、ブランケット2内の空気は不活性ガスに置換される。不活性ガスは、既述の通り、N2などを利用することができる。
なお、上記の「成分を少なくとも1つ含有する樹脂フィルム」とは、樹脂フィルムが多層構造を有する積層フィルムである場合に、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びナイロンよりなる群から選択される成分からなる層を少なくとも1つ有することを意味する。なお、ポリプロピレンとポリエチレンとの積層フィルムのように、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びナイロンよりなる群から選択される成分からなる層を2つ以上有していてもよい。
ポリエチレンとしては、LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレンとしては、CPP(無延伸ポリプロピレン)、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、KOP(ポリ塩化ビニリデンコートOPP)、AOP(PVAコートOPP)、PETとしては、2軸延伸ポリエステル、ナイロンとしては、ON(延伸ナイロン)、KON(延伸ナイロン)、CN(無延伸ナイロン)が好ましく用いられる。
その他、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合フィルム)、PVA(ビニロン),EVOH(ポリビニルアルコール)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン、サラン)、セロハン(PT、MST、Kセロ)、ZX(ゼクロン(ポリアクリロニトリル、PAN))、PS(ポリスチレン、スチロール)との組み合わせを用いることも好ましい。
パッケージの用途により、最適な素材が選択され、また、多層構造のフィルムとすることで、各素材の特徴が組み合わされたフィルムを作製することができる。
また、パッケージの強度向上、酸素遮断等の目的で、AL(アルミニウム箔)、VMフィルム(アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム)等を多層構造に組み込むことも可能である。
ラミネート加工により、印刷物からのインク成分の溶出、ブロッキング、臭気を抑制でき、特に食品パッケージ用として、好ましく使用できる。
また、近年、樹脂を、平行した2つ以上のスリットから共に押出し、成膜すると同時にラミネートまで行う、共押出しフィルムも好ましく使用される。フィルム状にできないような数μmという薄いものでも最大5〜7層まで積層可能なので、いろいろな性能・用途のフィルムがつくられている。
本発明の印刷方法は、膜厚10〜90μmの支持体が好ましく用いられ、膜厚20〜80μmの支持体がより好ましく用いられる。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性エネルギー線の照射により高感度で硬化することで、記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の高い着色インク組成物から記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトのインク組成物との計7色が少なくとも含まれる本発明のインクセットを好ましく使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
<着色剤>
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン社製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製)
・SOLSPERSE32000(Noveon社製分散剤)
・SR9003(PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製)
・3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート(SR341、Sartomer社製)
・TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート、SR350、Sartomer社製)
・1,10−デカンジオールジアクリレート(CD595、Sartomer社製)
・IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、BASF社製、分子量419)
・IRGACURE 379(2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルーフェニル)ブタン−1−オン、BASF社製、分子量380)
・Speedcure7010(前述した化合物I−B、Lambson社製、分子量1,899)
・Omnipol BP(前述した化合物I−F、Rahn AG社製、分子量960)
・Speedcure ITX(イソプロピルチオキサントン、LAMBSON社製、分子量254)
・亜麻仁油(飽和脂肪酸量:8.9質量%、ヨウ素価:168〜190、和光純薬工業(株)製)
・大豆油(飽和脂肪酸量:15.65質量%、ヨウ素価:114〜138、和光純薬工業(株)製)
・コーン油(飽和脂肪酸量:12.9質量%、ヨウ素価:103〜130、和光純薬工業(株)製)
・綿実油(飽和脂肪酸量:25.9質量%、ヨウ素価:102〜120、和光純薬工業(株)製)
・落花生油(飽和脂肪酸量:21.7質量%、ヨウ素価:100以下、米山薬品工業(株)製)
・UV−12(FLORSTAB UV12、ニトロソ系重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩、Kromachem社製)
・BYK307(シリコーン系界面活性剤、BYK Chemie社製)
・ドデカノール(和光純薬工業(株)製)
・フタル酸ジエチル(和光純薬工業(株)製)
<シアンミルベースAの調製>
IRGALITE BLUE GLVOを300質量部と、SR9003を620質量部と、SOLSPERSE32000を80質量部とを撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
シアンミルベースAと同様にして、表1に示す組成、分散条件でマゼンタミルベースB、イエローミルベースC、ブラックミルベースD及びホワイトミルベースEを調製した。
<インク組成物の作製方法>
表2に記載の素材を記載した量(質量部)で混合、撹拌することで、各インク組成物を得た。なお、表中「−」は、該当する成分を添加していないことを意味する。
図1に示すインクジェット装置において、インクジェットヘッドとして、東芝テック(株)製CA3ヘッドを各色4つずつ並列に配置し、ヘッドを45℃に加温して、42pLの打滴サイズで、描画できるよう、周波数をコントロールした。光源として、ピーク波長385nmのLED光源ユニット(LEDZero Solidcure、Integration Technology社製)を不活性ガスブランケット内に配置し、不活性ガス源として、コンプレッサー付きN2ガス発生装置Maxi−Flow30(Inhouse Gas社製)を0.2MPa・sの圧力で接続し、ブランケット内のN2濃度を90〜99%の範囲になるよう、2〜10L/分の流量でN2をフローさせ、N2濃度及びO2濃度を表1に記載の濃度に設定した。支持体として、パイレンフィルム−OTP3162(A4サイズ、ポリプロピレンシート、膜厚40μm、東洋紡績(株)製)を30m/minの速度で操作させ、100%ベタ画像の描画を行い、以下に示す諸性能のテストを行った。
上記インクジェット記録方法に従い、画像部の平均膜厚が12μmのベタ画像を描画した。
その後、印刷物を両手の親指を1cm離した状態でつかみ、1秒あたり1回もむことで画像が割れはじめる回数で柔軟性評価を行った。
1:1回で画像が剥がれた。
2:2〜4回で画像が剥がれた。
3:5〜7回で画像が剥がれた。
4:8〜9回で画像が剥がれた。
5:10回もんでも画像は剥がれなかった。
上記インクジェット記録方法によって得られた画像を、30cm×30cmのジップ付きビニール袋に内包し、24時間放置した。
その後、ジップを解放し、臭気の評価を行った。評価は10人の平均を採用した。なお、平均値の小数点以下は四捨五入するものとする。
1:非常に強い臭気がある。
2:強い臭気がある。
3:ある程度の臭気があるが、不快なレベルでない。
4:わずかな臭気があるがほとんど気にならない。
5:ほぼ無臭である。
上記インクジェット記録方法に従い、画像部の平均膜厚が12μmのベタ画像を描画した。
その後、各々の印刷物に対して、セロハンテープ(ニチバン(株)製)を貼り付け、印刷物の剥がれ程度でテープ剥離性評価を行った。
1:画像が完全に剥がれた。
2:画像のほとんどが剥がれた。
3:画像の一部が剥がれた。
4:画像の剥がれは観察されなかった。
得られたインク組成物を、インクジェット記録装置(富士フイルム(株)製、Luxel Jet UV350GTW)に充填後、常温(25℃)で1時間連続印字したときの、ドット抜け及びインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、これを3回実施した結果の平均値を下記基準により評価した。
1:ドット抜け又はインクの飛び散りが平均6箇所以上発生
2:ドット抜け又はインクの飛び散りが平均2箇所以上6箇所未満発生
3:ドット抜け又はインクの飛び散りが平均1箇所以上2箇所未満発生
4:ドット抜け又はインクの飛び散りが発生しないか、発生が平均1箇所未満
一方、(成分C)植物性油を含有しない比較例1のインクジェットインク組成物は、得られる画像の柔軟性及び支持体への密着性に劣るものであった。
上記式(1)又は式(2)で表される化合物を含有しない比較例2のインクジェットインク組成物は、印刷物の臭気に関し、実施例1〜19のものより劣るものであった。
(成分C)植物性油の代わりにフタル酸ジエチルを含有した比較例3のインクジェットインク組成物は、インクジェット吐出性に劣るものであった。
また、(成分C)植物性油の代わりにドデカノールを含有した比較例4のインクジェットインク組成物は、得られる画像の柔軟性及び支持体への密着性に劣り、かつ、印刷物の臭気が強いものであった。
Claims (15)
- (成分A)重合性化合物、
(成分B)重合開始剤、及び、
(成分C)植物性油を含有し、
成分Aが、成分C以外のエチレン性不飽和化合物であり、
成分Bが、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を含み、
成分Cが、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリドであり、
成分Cにおける少なくとも1つの前記脂肪酸が、エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であることを特徴とする
インクジェットインク組成物。
- 成分Aが、多官能(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が、インク組成物全体の60質量%以上である、請求項2に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Cが、飽和脂肪酸量が10質量%以上の植物性油である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Cのヨウ素価が、140以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Cの含有量が、インク組成物全量に対して、3〜15質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Cが、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カラシ油、杏仁油、ゴマ油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、椿油、コーン油、菜種油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ブドウ種子油、扁桃油、綿実油、ヤシ油、及び、落花生油よりなる群から選ばれた植物性油である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記式(1)又は式(2)で表される化合物の含有量が、インク組成物全量に対して、0.01〜10質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Bが、分子量が340以上のビスアシルホスフィン化合物を更に含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- 成分Bとして、分子量が340未満の重合開始剤を含有しないか、又は、分子量が340未満の重合開始剤の含有量がインク組成物全体の1質量%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- パッケージ印刷用である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
- (工程a)請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を支持体上に吐出する工程、及び、
(工程b)前記インク組成物に酸素分圧0.1atm以下の雰囲気において活性線を照射して前記インク組成物を硬化する工程をこの順で含む
インクジェット記録方法。 - 前記支持体は、膜厚が10μm以上90μm以下であり、かつ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンよりなる群から選択された成分を少なくとも1つ含有する樹脂フィルムである、請求項12に記載のインクジェット記録方法。
- 前記活性線が、LEDにより照射される活性線である、請求項12又は13に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項12〜14のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
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