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JP2009221414A - インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物 Download PDF

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JP2009221414A
JP2009221414A JP2008069545A JP2008069545A JP2009221414A JP 2009221414 A JP2009221414 A JP 2009221414A JP 2008069545 A JP2008069545 A JP 2008069545A JP 2008069545 A JP2008069545 A JP 2008069545A JP 2009221414 A JP2009221414 A JP 2009221414A
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Hirotetsu Onishi
弘哲 大西
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Fujifilm Corp
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】耐ブロッキング性及び柔軟性に優れた画像を形成することができ、かつ、活性放射線の照射に対して硬化性に優れるインク組成物、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法、及び、前記インクジェット記録方法により得られる印刷物を提供すること。
【解決手段】(A)下記式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物、(B)N−ビニルラクタム類、及び、(C)重合開始剤を含有することを特徴とするインク組成物、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに、前記インクジェット記録方法により得られる印刷物。式(I)中、Aは、窒素原子及びカルボニル基とともに4〜8員環を形成する二価の連結基を表す。
Figure 2009221414

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、前記インク組成物を用いるインクジェット記録方法、及び、印刷物に関するものである。
詳しくは、長期間安定したインクジェット記録が可能であり、活性放射線の照射に対して、高感度で硬化し、インク組成物の硬化後にも硬化物が十分な柔軟性及び被記録媒体への密着性を有するインクジェット記録用に好適なインク組成物、前記インク組成物を用いるインクジェット記録方法、及び、印刷物に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、かつ、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
紫外線などの活性放射線の照射により硬化可能なインク組成物、特にインクジェット記録用インク組成物(活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)としては、高感度で硬化し、高画質の画像を形成するインク組成物が求められている。高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生器への負荷軽減による高寿命化などの他、十分な硬化が達成されることにより、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点をも有することになる。また、得られた画像(印刷物)がひび割れや剥離等を起こしにくく、硬化膜の柔軟性に富むインク組成物が求められている。硬化膜が高い柔軟性を有することで、様々な環境下で長期間印刷物を高画質に保ったまま表示、保管でき、また、印刷物の取り扱いが容易になるなどのメリットがある。
一方、特許文献1には、(A)重合開始剤、(B)重合性化合物、(C)着色剤、及び(D)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物を含有することを特徴とするインク組成物が開示されている。
Figure 2009221414
(一般式(I)中、nは1〜5の整数を表す。)
また、特許文献2には、(A)N−ビニルラクタム類、(B)炭素数6〜18のアルキル部分を有する、単官能(メタ)アクリル酸のエステル及び/又は単官能(メタ)アクリル酸のアミド、及び、(C)重合開始剤、を含有するインク組成物であって、前記(A)N−ビニルラクタム類をインク組成物総重量の10重量%以上含有することを特徴とするインク組成物が開示されている。
特開2007−204720号公報 特開2007−262177号公報
本発明の目的は、耐ブロッキング性及び柔軟性に優れた画像を形成することができ、かつ、活性放射線の照射に対して硬化性に優れるインク組成物、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法、及び、前記インクジェット記録方法により得られる印刷物を提供することである。
上記目的は、以下の<1>、<6>及び<7>により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<5>と共に以下に示す。
<1> (A)下記式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物、(B)N−ビニルラクタム類、及び、(C)重合開始剤を含有することを特徴とするインク組成物、
Figure 2009221414
(式(I)中、Aは、窒素原子及びカルボニル基とともに4〜8員環を形成する二価の連結基を表す。)
<2> 着色剤、分散剤、及び、界面活性剤をさらに含有する上記<1>に記載のインク組成物、
<3> 前記(B)N−ビニルラクタム類がN−ビニルカプロラクタムである上記<1>又は<2>に記載のインク組成物、
<4> 前記(B)N−ビニルラクタム類を含む重合性化合物の総重量のうち、単官能モノマーの割合が65重量%以上である上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインク組成物、
<5> インクジェット記録用である上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインク組成物、
<6> (a1)被記録媒体上に、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法、
<7> 上記<6>に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
本発明によれば、耐ブロッキング性及び柔軟性に優れた画像を形成することができ、かつ、活性放射線の照射に対して硬化性に優れるインク組成物、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法、及び、前記インクジェット記録方法により得られる印刷物を提供することができた。
(1)インク組成物
本発明のインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)は、(A)下記式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物、(B)N−ビニルラクタム類、及び、(C)重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明のインク組成物は、(D)他の重合性化合物をさらに含有することが好ましい。また、本発明のインク組成物は、(E)着色剤、(F)分散剤、及び、(G)界面活性剤をさらに含有することが好ましい。
なお、本発明における化学構造式の一部において、炭化水素鎖を炭素:C及び水素:Hの記号を省略した簡略構造式で記載する。
Figure 2009221414
(式(I)中、Aは、窒素原子及びカルボニル基とともに4〜8員環を形成する二価の連結基を表す。)
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、放射線の照射により硬化可能である。
本発明で言う「放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
(A)式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物
本発明のインク組成物は、(A)前記式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物(以下、「特定ポリマー」ともいう。)を含有する。
式(I)におけるAは、二価の連結基を表し、二価の連結基における2つの端部は式(I)のアミド結合の窒素原子とカルボニル基とにそれぞれ結合しており、窒素原子及びカルボニル基とともに4〜8員環のラクタム環を形成している。
また、式(I)において、前記ラクタム環は、前記窒素原子において主鎖と結合している。
式(I)におけるAは、アルキレン基、又は、アルキレン基、アリーレン基、−O−及び−NR−よりなる群から選ばれた基を2以上組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基、又は、アルキレン基及びアリーレン基よりなる群から選ばれた基を2以上組み合わせた基であることがより好ましく、アルキレン基であることがさらに好ましい。前記Rは、水素原子又は一価の置換基を表す。また、前記アルキレン基、前記アリーレン基は置換基を有していてもよい。
前記アルキレン基、前記アリーレン基、前記Rにおける置換基は、具体的には、一価の置換基としてアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、及び、二価の置換基としてオキシ基(=O)が例示できる。
これら置換基においては、可能であれば、置換基をさらに置換基により置換していてもよく、また、2つの置換基が結合して環を形成していてもよい。
また、前記式(I)で表されるモノマー単位は、下記式(II)で表されるモノマー単位であることが好ましい。
Figure 2009221414
式(II)中、nは1〜5の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは2〜4の整数であることが好ましく、nが2又は4である、すなわち、式(II)で表されるモノマー単位がN−ビニルピロリドン又はN−ビニルカプロラクタム由来のモノマー単位であることが特に好ましい。
また、特定ポリマーは、式(I)で表されるモノマー単位以外の他のモノマー単位を含む共重合体であってもよい。
他のモノマー単位としては、特に制限はなく、共重合可能な公知のモノマー由来のモノマー単位であればよいが、エチレン性不飽和結合を有するモノマー由来のモノマー単位であることが好ましい。
他のモノマー単位は、特定ポリマー中に1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
特定ポリマーにおける他のモノマー単位の共重合比としては、特定ポリマー中、75モル%以下であることが好ましく、50モル%以下であることがより好ましい。
特定ポリマーに含まれる他のモノマー単位としては、下記(1)〜(18)に挙げるモノマーに由来のモノマー単位を有するものが好ましく挙げられる。
(1)フェノール性水酸基(−Ar−OH)を有するモノマー
フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、及び、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)を有するモノマー
スルホンアミド基を有するモノマーとしては、上記構造のスルホンアミド基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物が挙げられる。中でも、アクリロイル基、アリル基、又は、ビニロキシ基と、スルホンアミド基とを分子内に有する低分子化合物(分子量1,000以下の化合物)が好ましい。
(3)活性イミド基(−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R)を有するモノマー
活性イミド基を有するモノマーとしては、前記構造式で表される活性イミド基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。中でも、下記構造式で表される活性イミド基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物が好ましい。具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
(4)カルボキシル基(−COOH)を有するモノマー
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、カルボキシル基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。
(5)スルホ基(−SO3H)を有するモノマー
スルホ基を有するモノマーとしては、例えば、スルホ基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。
(6)リン酸基(−OPO32)を有するモノマー
リン酸基を有するモノマーとしては、例えば、リン酸基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。
上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
(7)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類又はメタクリル酸エステル類。
(8)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキレート等のアクリレート類。
(9)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等のメタクリレート類。
(10)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド類又はメタクリルアミド類。
(11)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(12)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(13)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(14)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(15)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(16)N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等のN−ビニル化合物類。
(17)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル類又はメタクリロニトリル類。
(18)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド類。
上記した中でも、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)及び(13)のモノマー類が、インク組成物への特定ポリマーの溶解性及び共重合性の観点から好ましく、(8)、(9)、(11)、(12)及び(13)のモノマー類がより好ましい。
以下に、本発明に係る(A)特定ポリマーの具体例(A−1)〜(A−20)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例中、カッコ右下の数値は、ポリマーを構成する各モノマー単位のモル比を表し、特に数値のないものは、100%の単独重合体であることを表す。
Figure 2009221414
Figure 2009221414
Figure 2009221414
(A)特定ポリマーの重量平均分子量は、1,000〜1,000,000が好ましく、2,000〜200,000がより好ましく、5,000〜100,000が特に好ましい。
(A)特定ポリマーは、公知の重合方法により重合される。好ましい方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等が挙げられ、製造の容易さからはラジカル重合が好ましい。
ラジカル重合をする際に必要に応じて用いることができる反応溶媒としては、上記した重合成分を溶解することができる溶媒であれば限定することなく用いることができる。ラジカル重合反応に対する影響が小さい点や、各モノマーの溶解性の観点からは、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、及び、ジメチルスルホキシド等が好ましい溶媒として挙げられる。
また、必要に応じて用いることができる重合開始剤としては、種々の熱重合開始剤や光重合開始剤を用いることができる。取り扱い性や入手性の観点からは、アゾ系熱重合開始剤が好ましく、具体的には、V−70、V−60、V−65(和光純薬工業(株)製)等のアゾニトリル化合物:VA−545、VA−041(和光純薬工業(株)製)等のアジアミジン化合物:VA−080、VA−082(和光純薬工業(株)製)等のアゾアミド化合物:V−601、V−501、VF−077(和光純薬工業(株)製)等のその他のアゾ化合物が挙げられる。中でも、V−65やV−601が特に好ましい重合開始剤として挙げられる。
さらに、重合に際しては、メルカプト化合物等に代表される公知の連鎖移動剤を併用することにより、ポリマーの末端部の組成や分子量を制御してもよい。また、特定ポリマーを構成する各々の共重合成分は、特定ポリマー中にブロック重合体又はランダム重合体のいずれの状態で導入してもよい。
本発明のインク組成物において、(A)特定ポリマーの含有量は、硬化速度と硬化後の柔軟性のバランス、及び、インク組成物のインクジェット適性の観点から、インク組成物全体の重量に対して、1〜20重量%の範囲であることが好ましく、2〜10重量%の範囲がより好ましく、2〜5重量%の範囲がさらに好ましい。
(A)特定ポリマーの含有量が20重量%以下であると、インク組成物中での相溶性が十分得られや硬化膜のベトツキを抑制でき、柔軟性に優れる。また、(A)特定ポリマーの含有量が1重量%以上であると、硬化速度に優れる。
また、(A)特定ポリマーは、本発明のインク組成物に、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)N−ビニルラクタム類
本発明のインク組成物は、(B)N−ビニルラクタム類を含有する。
(B)N−ビニルラクタム類としては、ラクタム環の窒素原子にビニル基が結合した化合物であれば特に制限はなく、(B)N−ビニルラクタム類は、ラクタム環の環員の一部が炭素原子以外に窒素原子や酸素原子、硫黄原子であってもよく、また、ラクタム環内に不飽和結合を有していてもよく、さらに、ラクタム環上に任意の数の置換基を有していてもよい。
(B)N−ビニルラクタム類の好ましい例としては、下記式(B−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009221414
(式(B−1)中、Aは、窒素原子及びカルボニル基とともに4〜8員環を形成する二価の連結基を表す。)
式(B−1)におけるAは、前記式(I)におけるAと同義であり、好ましい範囲も同様である。
N−ビニルラクタム類のより好ましい例として、下記式(B−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009221414
式(B−2)中、nは1〜5の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは2〜4の整数であることが好ましく、nが2又は4であることがより好ましく、nが4である、すなわち、N−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク組成物の硬化性及び硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
また、前記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。
本発明のインク組成物は、(B)N−ビニルラクタム類を、インク組成物全体の総重量に対し、10重量%以上40重量%以下含有することが好ましく、12重量%以上40重量%以下含有することがより好ましく、15重量%以上35重量%以下含有することがさらに好ましい。
N−ビニルラクタム類をインク組成物全体の10重量%以上含有することで、硬化性、硬化膜柔軟性、硬化膜の基材密着性に優れるインク組成物が提供できる。また、40重量%以下の含有率であると、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、インク組成物の取り扱い可能温度範囲が広くなる。
前記N−ビニルラクタム類は、インク組成物中に1種のみ含有していてもよく、複数種含有していてもよい。
また、本発明のインク組成物における、(B)N−ビニルラクタム類と(A)式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物との重量比率((B)/(A))は、((B)/(A))=0.2〜20が好ましく、0.5〜15であることがより好ましく、1〜13であることがさらに好ましい。
(C)重合開始剤
本発明のインク組成物は、(C)重合開始剤を含有する。
本発明で用いることができる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができ、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明に用いることができる重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。
本発明のインク組成物に用いることのできる重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び活性放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
<ラジカル重合開始剤>
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。本発明におけるラジカル重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
(a)芳香族ケトン類、及び、(e)チオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J. P. FOUASSIER J.F.RABEK(1993)、pp.77〜117記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、及び、(e)チオ化合物より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。
ベンゾフェノン化合物としては、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルフェニルスルフィド等が例示できる。また、チオキサントン化合物としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等が例示できる。
また、(a)芳香族ケトン類としては、α−ヒドロキシケトンが好ましく、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
これらの中でも、(a)芳香族ケトン類としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が特に好ましい。なお、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物とは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物を意味するものである。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮しうる範囲で任意に選択することができ、具体的にはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)が例示できる。
また、(b)アシルホスフィン化合物としては、アシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、化合物の構造中に式(7)又は式(8)の構造式を有するものが例示できる。
Figure 2009221414
Figure 2009221414
特に、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、式(9)又は式(10)の化学構造を有するものが特に好ましい。
Figure 2009221414
(式中、R6、R7、R8はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族
炭化水素基を表す。)
Figure 2009221414
(式中、R9、R10、R11はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香
族炭化水素基を表す。)
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のモノアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することができる。例えば特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、イソブチリルメチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、p−t−ブチルベンゾイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−t−ブチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニルジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−(t−ブチル)ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、テレフタロイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、バーサトイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば、特開平3−101686号公報、特開平5−345790号公報、特開平6−298818号公報に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819:チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:チバスペシャルティーケミカルズ社製、Lucirin TPO:BASF社製)などが好ましい。
(c)芳香族オニウム塩化合物としては、周期律表の15、16及び17族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、又はIの芳香族オニウム塩が含まれる。例えば、欧州特許104143号明細書、米国特許4837124号明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−96514号公報に記載されるヨードニウム塩類、欧州特許370693号、同233567号、同297443号、同297442号、同279210号、及び同422570号の各明細書、米国特許3902144号、同4933377号、同4760013号、同4734444号、及び同2833827号の各明細書に記載されるジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等(例えば、米国特許4,743,528号明細書、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、及び特公昭46−42363号の各公報等に記載されるもので、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)、さらには特公昭52−1
47277号、同52−14278号、及び同52−14279号の各公報記載の化合物が好適に使用される。活性種としてラジカルや酸を生成する。
(d)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系の化合物が好ましい。
(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(g)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(h)ボレート化合物の例としては、米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号の各明細書に記載されている化合物が挙げられる。
(i)アジニウム化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号、及び特公昭46−42363号の各公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(j)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号の各公報記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
上記チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイルアミノ)フェニル]チタン等を挙げることができる。
(k)活性エステル化合物の例としては、欧州特許0290750号、同046083号、同156153号、同271851号、及び同0388343号の各明細書、米国特許3901710号、及び同4181531号の各明細書、特開昭60−198538号、及び特開昭53−133022号の各公報に記載されるニトロベンズルエステル化合物、欧州特許0199672号、同84515号、同199672号、同044115号、及び同0101122号の各明細書、米国特許4618564号、同4371605号、及び同4431774号の各明細書、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、及び特開平4−365048号の各公報記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号、特公昭63−14340号、及び特開昭59−174831号の各公報に記載される化合物等が挙げられる。
(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、例えば、若林ら著、Bull. Chem. Soc. Japan、42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物等を挙げることができる。
また、F. C. Schaefer等によるJ. Org. Chem.、29、1527(1964)記載の化
合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物等を挙げることができる。ドイツ特許第2641100号に記載されているような化合物、ドイツ特許第3333450号に記載されている化合物、ドイツ特許第3021590号に記載の化合物群、及び、ドイツ特許第3021599号に記載の化合物群、等を挙げることができる。
<カチオン重合開始剤>
本発明のインク組成物において、カチオン重合性化合物を用いる場合には、カチオン重合開始剤を用いることが好ましい。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレーン錯体を挙げることができる。
本発明に好適に用いられるカチオン重合開始剤例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009221414
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本発明のインク組成物において、(C)重合開始剤の総使用量は、(B)N−ビニルラクタム類及び(D)他の重合性化合物の総使用量(重合性化合物の総使用量)に対して、0.01〜35重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好ましく、1.0〜15重量%がさらに好ましい。0.01重量%以上にてインク組成物を硬化させることができ、35重量%以下にて硬化度が均一な硬化膜を得ることができるので好ましい。
また、本発明のインク組成物に後述する増感剤を用いる場合、(C)重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは50:1〜1:50、さらに好ましくは20:1〜1:5の範囲である。
(D)他の重合性化合物
本発明のインク組成物は、重合性化合物として(B)N−ビニルラクタム類に加え、(D)他の重合性化合物を併用することが好ましい。
併用可能な(D)他の重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物が例示でき、これらの中でもラジカル重合性化合物を併用することが好ましい。ラジカル重合性化合物を併用することにより、さらに硬化性に優れるインク組成物が提供できる。
なお、本発明において「ラジカル重合性化合物」とは、(B)N−ビニルラクタム類を除くラジカル重合性化合物を意味することはいうまでもない。
〔ラジカル重合性化合物〕
ラジカル重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する化合物(エチレン性不飽和化合物)であることが好ましく、また、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は目的とする特性を向上するために任意の比率で1種が含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−80675号等の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料が知られている。
エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、それらのエステル及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン(メタ)アクリル系モノマー又はプレポリマー、エポキシ系モノマー又はプレポリマー、ウレタン系モノマー又はプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用いられる。
具体的には、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキシド)付加物ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキシド)付加物ジ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート、PO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、イソアミルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリレート、n−セチルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−エチルヘキシルジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等の(メタ)アクリル酸誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。
さらに具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、(株)大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、(株)高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、(株)日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
これらの(メタ)アクリレート化合物は、従来UV硬化型インク組成物に用いられてきた重合性化合物より、比較的粘度を下げることができ、安定した吐出性が得られ、重合感度、被記録媒体との密着性も良好であるので好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」と「メタクリレート」の両方が含まれることを表し、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」と「メタクリル」の両方が含まれることを表す。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
<単官能ラジカル重合性モノマー>
本発明のインク組成物は、柔軟性の観点から、単官能アクリレート類(単官能アクリル酸エステル類)、単官能メタクリレート類(単官能メタクリル酸エステル類)、単官能ビニルオキシ化合物、単官能N−ビニル化合物、単官能アクリルアミド類及び単官能メタアクリルアミド類よりなる群から選択される単官能重合性モノマー(単官能ラジカル重合性モノマーともいう。)を、前記(B)N−ビニルラクタム類、及び、前記(D)他の重合性化合物の総重量のうち、80重量%以上含有することが好ましい。
単官能ラジカル重合性モノマーの含有量が80重量%以上であると、優れた耐ブロッキング性が得られると推定される。
単官能ラジカル重合性モノマーの含有量は、前記(B)N−ビニルラクタム類、及び、前記(D)他の重合性化合物の総重量のうち、80〜99重量%であることがより好ましく、85〜98重量%であることがさらに好ましい。
単官能アクリレート類(単官能アクリル酸エステル類)は、分子内にアクリロイルオキシ基を1つ有し、他のラジカル重合性の官能基(メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニルオキシ基及びN−ビニル基)を有していない。単官能メタクリレート類、単官能ビニルオキシ化合物、単官能N−ビニル化合物、単官能アクリルアミド化合物及び単官能メタクリルアミド化合物についても同様である。
すなわち、本発明のインク組成物は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニルオキシ基及びN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合を有する基を1つのみ有する単官能ラジカル重合性モノマーを、前記(B)N−ビニルラクタム類、及び、前記(D)他の重合性化合物の総重量のうち、80重量%以上含有することが好ましい。
これらの中でも、単官能アクリレート類、単官能メタクリレート類、単官能N−ビニル化合物、単官能アクリルアミド類及び単官能メタクリルアミド類が好ましく、より好ましくは単官能アクリレート類、単官能メタクリレート類及び単官能N−ビニル化合物である。本発明において、単官能ラジカル重合性モノマーとして、単官能アクリレート類と単官能N−ビニル化合物、又は、単官能メタクリレート類と単官能N−ビニル化合物を併用することが好ましく、単官能アクリレート類と単官能N−ビニル化合物とを併用することが特に好ましい。
上記単官能ラジカル重合性モノマーとしては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和二重結合基を1つのみ有し、かつ環状構造を有するモノマーを使用することがより好ましい。
本発明に好適に用いることができるラジカル重合性モノマーとして下記式(1)で表されるエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
Figure 2009221414
上記式(1)において、R1は水素原子、又は、メチル基を表す。
1は、式(1)に示すエチレン性不飽和二重結合に(−C(O)O−)又は(−C(O)NH−)が結合した第1の二価の連結基を示し、この第1の二価の連結基に単結合、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(O)O−又は−OC(O)−)、アミド結合(−C(O)NH−、又は、−NHC(O)−)、カルボニル結合(−C(O)−)、分岐を有していてもよい炭素数20以下のアルキレン基、又はこれらを組み合わせた第2の二価の連結基が結合してもよく、第1の二価の連結基のみ又は第2の二価の連結基を有する場合はエーテル結合、エステル結合及び炭素数20以下のアルキレン基を有するものが好ましい。
2は少なくとも1つ以上の環状構造を有する基であり、単環芳香族基及び多環芳香族基を含む芳香族基、並びに、シクロアルカン骨格、アダマンタン骨格及びノルボルナン骨格を含む脂環式炭化水素基を表す。上記の芳香族基及び脂環炭化水素基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
式(1)中、R2で表される芳香族基として好ましいものは、単環芳香族であるフェニル基のほか、2〜4つの環を有する多環芳香族基であり限定されるものではないが、具体的には、ナフチル基、アントリル基、1H−インデニル基、9H−フルオレニル基、1H−フェナレニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、ナフタセニル基、テトラフェニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、アセナフチレニル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、クリセニル基、プレイアデニル基等が好ましく挙げられる。
これらの芳香族基は、O、N、S等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基であってもよい。具体的には、フリル基、チエニル基、1H−ピロリル基、2H−ピロリル基、1H−ピラゾリル基、1H−イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、2H−ピラニル基、2H−チオピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基等の単環芳香族複素環基が挙げられる。
また、チアントレニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、イソクロメニル基、4H−クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、ピロリジニル基(pyrrolizinyl基)、等の多環芳香族複素環基が挙げられる。
上記の芳香族基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、炭素数30以下の置換基を1又は2以上有していてもよい。例えば無水フタル酸や無水フタルイミドのように芳香族基が有する2以上の置換基でO、N、S等のヘテロ原子を含む環状構造を形成してもよい。
また、式(1)のR2は脂環式炭化水素基でもよい。また、O、N、Sなどのヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基でもよい。
脂環式炭化水素基は、炭素数3〜12のシクロアルカン類を有する基でもよい。
上記O、N、Sなどのヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基としては、具体的には、ピロリジニル(pyrrolidinyl)基、ピラゾリジニル基、イミダゾリジニル基、イソオキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルフォリニル基、チオモルフォリニル基などが例示できる。
これらの脂環式炭化水素基及びヘテロ単環を有する脂環式炭化水素基は、1つ以上の置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基が例示できる。また、二価の置換基としてオキシ基(=O)を有していてもよく、脂環式炭化水素基の2以上の置換基で、O、N、S等のヘテロ原子を含む複素環構造を形成していてもよい。
また、式(1)のR2は、下記式(I)に示すアダマンタン骨格を有する基又は式(II)に示すノルボルナン骨格を有する脂環式炭化水素基でもよい。
Figure 2009221414
式(I)又は式(II)におけるR3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。また、q個存在するR3、及び、r個存在するR4はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
q個存在するR3、及び、r個存在するR4は、それぞれ独立に一価又は多価の置換基であってもよく、一価の置換基として、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、シロキサン基、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくは複素環基、又は、二価の置換基としてオキシ基(=O)であることが好ましい。
3の置換数qは0〜5の整数を表し、また、R4の置換数rは0〜5の整数を表す。
また、式(I)におけるアダマンタン骨格中の一炭素原子をカルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよく、式(II)におけるノルボルナン骨格中の一炭素原子をエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよい。
式(II)に示すノルボルナン骨格は式(III)に示すような環状炭化水素構造を有していてもよい。式(III)におけるnは、環状炭化水素構造を表し、その両端はノルボルナン骨格の任意の位置で置換していてもよく、単環構造であっても、多環構造であってもよく、また、前記環状炭化水素構造として炭化水素結合以外に、カルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)を含んでいてもよい。
Figure 2009221414
前記式(III)で表される環状構造としては、式(IV)、式(V)又は式(VI)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2009221414
式(IV)、式(V)及び式(VI)中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、s、t及びuはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR5、t個存在するR6、及び、u個存在するR7はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
式(1)のX1は、式(IV)、式(V)又は式(VI)における下記に示す各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。
式(IV)、式(V)又は式(VI)におけるR5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、式(IV)、式(V)又は式(VI)における下記各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。R5、R6及びR7における置換基は、式(I)〜式(III)のR3及びR4における置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Figure 2009221414
本発明において、単官能アクリレート類、単官能メタクリレート類、単官能ビニルオキシ化合物、単官能アクリルアミド類及び単官能メタクリルアミド類としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジニル基、テトラヒドロフルフリル基、ピペリジニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基等の環状構造を有する基を有する単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく挙げられる。
本発明に用いることができる単官能ラジカル重合性モノマーとして、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変成クレゾール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラヒドロフルフリルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−フェニル)エチルアクリルアミド、N−ジフェニルメチルアクリルアミド、N−フタルイミドメチルアクリルアミド、N−(1,1’−ジメチル−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル))プロピルアクリルアミド、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン等を好ましく例示できる。
さらに、本発明に用いることができる単官能ラジカル重合性モノマーの好ましい具体例を以下のM−1〜M−56に示す。
Figure 2009221414
Figure 2009221414
Figure 2009221414
Figure 2009221414
Figure 2009221414
Figure 2009221414
これらの中でも、その他のラジカル重合性化合物としては、フェノキシエチルアクリレート等を含む芳香環含有単官能(メタ)アクリレートが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートであることがより好ましく、フェノキシエチルアクリレートであることが特に好ましい。
〔カチオン重合性化合物〕
本発明のインク組成物には、必要に応じ、(D)他の重合性化合物として、カチオン重合性化合物を用いることもできる。カチオン重合性化合物を用いる場合には、重合開始剤としてカチオン重合開始剤を用いることが好ましい。
本発明に用いることができるカチオン重合性化合物は、光酸発生剤から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
また、カチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物が知られており、最近では400nm以上の可視光波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂に適用される重合性化合物として、具体的には、特開平6−43633号、特開平8−324137号の各公報等に公開されている。これらも本発明のインク組成物に適用することができる。
本発明のインク組成物中における(D)他の重合性化合物の含有量は、インク組成物総重量に対し、10重量%以上80重量%以下であることが好ましく、20重量%以上75重量%以下であることがより好ましく、30重量%以上70重量%以下であることがさらに好ましい。上記範囲であると、硬化性が十分であるため好ましい。
また、本発明のインク組成物中における(D)他の重合性化合物としては、単官能アクリレートが硬化性、硬化膜の柔軟性等の優れた膜物性を与える点において好ましい。
本発明においては、オリゴマーや、ポリマーを併せて使用することができる。ここでオリゴマーとは分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が2,000以上の化合物を意味し、ポリマーとは、分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が10,000以上の化合物を意味する。該オリゴマー、ポリマーはラジカル重合性基を有していてもよく、有していなくてもよい。該オリゴマー、ポリマー1分子中に有するラジカル重合性基が4以下(分子量分布を有する化合物に関しては、含まれる分子全体の平均で4以下)であると、柔軟性に優れたインク組成物が得られるので好ましい。オリゴマーやポリマーは、インク組成物をジェッティング(吐出)に最適な粘度に調整するという意味でも好適に使用できる。
本発明のインク組成物においては、前記(B)N−ビニルラクタム類、及び、前記(D)他の重合性化合物の総重量のうち、単官能モノマーの割合が、65重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。上記範囲であると、柔軟性が良好であり、印刷物の加工成型にも好適に使用できる。
(E)着色剤
本発明のインク組成物は、形成された画像部の視認性を向上するため、及び/又は、本発明のインク組成物を用いて着色画像を形成しようとするため、(E)着色剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。本発明のインク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
<顔料>
本発明に用いることができる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、
緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、
黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26、
白色顔料としては、Pigment White 6、18、21
などが目的に応じて使用できる。
<油溶性染料>
以下に、本発明で用いることのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。したがって、油溶性染料とは、いわゆる水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な前記油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料又はカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
また、着色剤として油溶性染料を使用する際、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に用いることができる着色剤は、本発明のインク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に添加された後、適度に当該インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、本発明のインク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又は本発明に使用するラジカル重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散又は溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、ラジカル重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
これらの着色剤は、インク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、本発明のインク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明のインク組成物中における着色剤の含有量は、色及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.01〜30重量%であることが好ましい。
(F)分散剤
本発明のインク組成物は、(F)分散剤を含有することが好ましい。特に、(E)着色剤の分散を行う際に(F)分散剤を添加することが好ましい。
分散剤としては、その種類に特に制限はないが、分子量が1,000以上である高分子分散剤を用いることが好ましい。
高分子分散剤としては、DisperBYK−101、DisperBYK−102、DisperBYK−103、DisperBYK−106、DisperBYK−111、DisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−164、DisperBYK−166、DisperBYK−167、DisperBYK−168、DisperBYK−170、DisperBYK−171、DisperBYK−174、DisperBYK−182(BYKケミー社製)、EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤、(ゼネカ社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イソネットS−20(三洋化成工業(株)製)、及び、楠本化成(株)製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
また、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000、12000、ソルスパース22000(ゼネカ社製)等の顔料誘導体もあわせて使用することができる。
本発明のインク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.01〜5重量%であることが好ましい。
(G)界面活性剤
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、(G)界面活性剤を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
本発明のインク組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.0001〜1重量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物には、必要に応じて、(H)その他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、増感剤、共増感剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、他の高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
(H)その他の成分
<増感剤>
本発明のインク組成物には、特にインクジェット記録用に用いる場合、特定の活性放射線を吸収して上記重合開始剤の分解を促進させるために増感剤を添加してもよい。
増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸又は塩基を生成する。
本発明に用いることができる増感剤としては、増感色素を用いることが好ましい。
好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
より好ましい増感色素の例としては、下記式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009221414
式(IX)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA2及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2009221414
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に示したものと同義である。
Figure 2009221414
式(XI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2009221414
式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−、−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
Figure 2009221414
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す(E−1)〜(E−20)が挙げられる。
Figure 2009221414
Figure 2009221414
本発明のインク組成物中における増感剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜4重量%であることが好ましい。
<共増感剤>
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。
本発明において共増感剤は、増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、又は、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報記載のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例えば、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例えば、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例えば、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(例えば、ジエチルホスファイト等)、特開平8−54735号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物中における共増感剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜4重量%であることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は、目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.5〜15重量%であることが好ましい。
<重合禁止剤>
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加することが好ましい。また、本発明のインク組成物をインクジェト記録用インク組成物として使用する場合には、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。
重合禁止剤としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができ、例えば、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
<酸化防止剤>
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<褪色防止剤>
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
<導電性塩類>
本発明のインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
<溶剤>
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。
<他の高分子化合物>
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、(A)前記式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物以外に、他の高分子化合物を添加することができる。
他の高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子化合物の共重合組成として、カルボキシル基含有モノマー、メタクリル酸アルキルエステル、又は、アクリル酸アルキルエステルを構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
<塩基性化合物>
塩基性化合物は、インク組成物の保存安定性を向上させる観点から添加することが好ましい。
本発明に用いることができる塩基性化合物としては、公知の塩基性化合物を用いることができ、例えば、無機塩等の塩基性無機化合物や、アミン類等の塩基性有機化合物を好ましく用いることができる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート(PET)等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
(2)インク組成物の性質
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、さらに好ましくは、7〜30mPa・sであることがさらに好ましい。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク組成物の液滴着弾時におけるインク組成物の滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20〜35mN/mであることが好ましく、23〜33mN/mであることがより好ましい。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では、35mN/m以下が好ましい。
(3)インクジェット記録方法
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用として使用されることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インク組成物を硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a1)及び(b1)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
本発明のインクジェット記録方法における(a1)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置が用いることができる。
〔インクジェット記録装置〕
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク組成物の供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物のように活性放射線硬化型インク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インク組成物供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク組成物供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、又は、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、本発明のインク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク組成物の粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行うことができる。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような活性放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、設定温度の±5℃であることが好ましく、設定温度の±2℃であることがより好ましく、設定温度±1℃であることがさらに好ましい。
次に、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、カチオン、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種により重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明のインク組成物における重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有することが好ましい。したがって、露光面照度は、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学工業(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられる。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際出願第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
<被記録媒体>
本発明の前記インク組成物が吐出されて画像が記録される被記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料、又は、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムなどが挙げられる。なお、前記樹脂フィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ABSフィルム、ポリアセタールフィルム、PVAフィルム、ゴム類フィルムなどが挙げられる。また、前記被記録媒体として、金属類、ガラス類なども使用することができる。
(印刷物)
本発明の印刷物は、本発明のインク組成物を硬化させて得られたものであり、前記被記録媒体上に本発明のインク組成物が吐出され、硬化されたものが好ましい。このとき、前記吐出が、インクジェットプリンターを用いたインクジェット記録により行われる、すなわち、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物であることがより好ましい。
本発明の印刷物は、画像記録に用いられるインク組成物が本発明のインク組成物であり、画像の柔軟性に優れ、広汎な分野に好適に使用可能である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
本実施例で使用したインク組成物(ラジカル重合性組成物)の素材は下記に示す通りである。
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−335 D(マゼンタ顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製)
・N−ビニルカプロラクタム(NVC、BASF社製)
・Solsperse36000(Noveon社製分散剤)
・DisperBYK−168(BYK168、BYK Chemie社製高分子分散剤、固形分30%)
・NKエステルAMP−10G(NK AMP−10G、PEA(フェノキシエチルアクリレート)、新中村化学社製)
・Rapi−Cure DVE−3(DVE−3、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ISP)
Europe社製)
・FIRSTCURE ST−1(ニトロソ系重合禁止剤、Chem First社製)
・IRGACURE819(重合開始剤(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・IRGACURE184(重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・DAROCUR TPO(重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニ
ル−フォスフィンオキサイド)、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・ベンゾフェノン(光開始剤、和光純薬工業(株)製)
・R−1620(フッ素モノマー(ヘキサフルオロプロピルエチルオキシメタクリレート)、ダイキン工業(株)製)
Figure 2009221414
・前記A−1(ポリビニルピロリドン、ルビスコールK−30、BASF社製)
・前記A−4(合成ポリマー、重量平均分子量50,000)
(シアンミルベースAの調製)
IRGALITE BLUE GLVOを300重量部と、NK AMP−10Gを500重量部と、BYK168を200重量部とを撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
(マゼンタミルベースBの調製)
CINQUASIA MAGENTA RT−335 Dを300重量部と、NK AMP−10Gを400重量部と、BYK168を300重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースBを得た。なお、マゼンタミルベースBの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(イエローミルベースCの調製)
NOVOPERM YELLOW H2Gを300重量部と、NK AMP−10Gを400重量部と、BYK168を300重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースCを得た。なお、イエローミルベースCの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(ブラックミルベースDの調製)
SPECIAL BLACK 250を300重量部と、NK AMP−10Gを400重量部と、BYK168を300重量部とを撹拌混合し、ブラックミルベースDを得た。なお、ブラックミルベースDの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで6時間分散を行った。
(ホワイトミルベースEの調製)
タイペークCR60−2を500重量部と、NK AMP−10Gを450重量部と、Solsperse36000を50重量部とを撹拌混合し、ホワイトミルベースEを得た。なお、ホワイトミルベースEの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで3時間分散を行った。
《インクジェット画像記録方法》
インクジェット記録方法としては、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク組成物供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク組成物供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク組成物供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度1,630mW/cm2に集光し、被記録媒体上にインク組成物が着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、画像に照射される積算光量を1,000mJ/cm2、750mJ/cm2となるようにした。紫外線ランプには、HAN250NL ハイキュア水銀ランプ(ジーエス・ユアサコーポレーション社製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、エステルフィルムE5000(膜厚125μm、東洋紡績(株)製)を用いた。
(硬化感度の測定方法)
上記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、触診により、画像のべとつきの程度を評価した。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
4: 1,000mJ/cm2、750mJ/cm2の光量でそれぞれ照射した画像が共にべとつきなし。
3: 1,000mJ/cm2の光量で照射した画像にはべとつきがないが、750mJ/cm2の光量で照射した画像ではべとついている。
2: 1,000mJ/cm2、750mJ/cm2の光量でそれぞれ照射した画像が共にややべとついている。
1: 未硬化のインク組成物が手に転写するほど固まっていない。
(耐ブロッキング性の測定方法)
上記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行った後、印刷物の硬化膜全体が覆われるよう、未印刷のエステルフィルムE5000を硬化膜上部に重ね、さらに上部から0.200g/cm2の加重を加え、30℃雰囲気下で1日放置した。
また、耐ブロッキング性は以下の基準で評価した。
5: 上部フィルムへの転写、張り付きなし。
4: 上部フィルムへの転写はみられないが、若干張り付きがあり、剥がすときに音がする。
3: 上部フィルムへの転写が全フィルム面積の1%未満。
2: 上部フィルムへの転写が全フィルム面積の1%以上5%以下。
1: 上部フィルムへの転写が全フィルム面積の5%以上。
(柔軟性評価方法:折り曲げテスト)
本実施例では、硬化膜の柔軟性を評価する方法として、折り曲げテストを実施した。
上記インクジェットインクジェット画像記録方法に従い、被記録媒体として、エステルフィルムE5000(膜厚125μm、東洋紡績(株)製)を用い、画像部の平均膜厚が12μm、24μm、36μm、48μmの4つのベタ画像を描画した。折り曲げテストは画像を形成した被記録材を25℃条件下で1回折り曲げ、画像部の割れの有無によって評価した。一般に平均膜厚が厚くなると、画像部を折り曲げた際に画像部にかかる歪が大きくなり、割れを生じやすくなる。すなわち、より厚い膜厚で画像部に割れが生じないかをテストすることで、柔軟性の尺度とすることができる。
評価基準は以下の通りである。
5: 平均膜厚12μm、24μm、36μm、48μmすべてのサンプルで、画像部の折り曲げた部分に全く割れが生じない。
4: 平均膜厚12μm、24μm、36μmのサンプルで、画像部の折り曲げた部分に全く割れが生じないが、平均膜厚48μmのサンプルで、画像部の折り曲げた部分に割れが入る。
3: 平均膜厚12μm、24μmのサンプルでは割れが発生しないが、平均膜厚36μm以上のサンプルで、画像部の折り曲げた部分に割れが入る。
2: 平均膜厚12μmのサンプルでは割れが発生しないが、平均膜厚24μm以上のサンプルで、画像部の折り曲げた部分に割れが入る。
1: すべてのサンプルで、画像部の折り曲げた部分に割れが入る。
(粘度測定方法)
本実施例における粘度測定は、B型粘度計:Brookfield LVDV−I(Brookfield社製)を用い、25℃条件下で、ローターの回転数20rpmで粘度測定を行った。
(インク組成物の作製)
表1及び表2に記載の各素材を撹拌機で混合することで、インク組成物をそれぞれ得た。インク組成物の処方及び評価結果は、表1及び表2に示す。
Figure 2009221414
Figure 2009221414

Claims (7)

  1. (A)下記式(I)で表されるモノマー単位を有する高分子化合物、
    (B)N−ビニルラクタム類、及び、
    (C)重合開始剤を含有することを特徴とする
    インク組成物。
    Figure 2009221414
    (式(I)中、Aは、窒素原子及びカルボニル基とともに4〜8員環を形成する二価の連結基を表す。)
  2. 着色剤、分散剤、及び、界面活性剤をさらに含有する請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記(B)N−ビニルラクタム類がN−ビニルカプロラクタムである請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記(B)N−ビニルラクタム類を含む重合性化合物の総重量のうち、単官能モノマーの割合が65重量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. インクジェット記録用である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. (a1)被記録媒体上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
  7. 請求項6に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
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