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JP5744902B2 - フルオロエラストマーの製造方法 - Google Patents

フルオロエラストマーの製造方法 Download PDF

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JP5744902B2
JP5744902B2 JP2012543766A JP2012543766A JP5744902B2 JP 5744902 B2 JP5744902 B2 JP 5744902B2 JP 2012543766 A JP2012543766 A JP 2012543766A JP 2012543766 A JP2012543766 A JP 2012543766A JP 5744902 B2 JP5744902 B2 JP 5744902B2
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ソルヴェイ・スペシャルティ・ポリマーズ・イタリー・エッセ・ピ・ア
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Description

本出願は、2009年12月18日に出願した欧州特許出願第09180009.4号明細書に対する優先権を主張し、この出願の全内容を、すべての目的について参照により本明細書に組み込む。
本発明は、(ペル)フルオロエラストマーを製造する方法、この方法からの(ペル)フルオロエラストマー、および前記方法に有用な重合媒体に関する。
加硫(ペル)フルオロエラストマーは、いくつかの望ましい特性、例えば、耐熱性、耐薬品性、耐候性などのために、様々な用途において、特に、オイルシール、ガスケット、軸封、およびO−リングなどの密封用物品の製造に使用されてきた。
(ペル)フルオロポリマー、特に(ペル)フルオロエラストマーを製造するためにしばしば使用される方法は、一般にフッ素化界面活性剤の存在下で、1種または複数種のフッ素化モノマーを水性乳化重合させる工程を含む。しばしば用いられるフッ素化界面活性剤には、ペルフルオロオクタン酸およびその塩、特にペルフルオロオクタン酸アンモニウムが含まれる。
近年、8個以上の炭素原子を有するペルフルオロアルカン酸が、環境問題を引き起こした。したがって、今やこのような化合物を段階的に廃止するべく努力がされており、より好ましい毒物学的プロファイルを有する代替的な界面活性剤を用いる水性重合操作によって(ペル)フルオロポリマー生成物を製造する方法が開発されてきた。
例えば、(特許文献1)(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)2010年1月14日には、以下の式(I):
Figure 0005744902
(式中:
− X、XおよびXは、互いに同じであるかまたは異なり、H、F、および1個または複数個のカテナリー(catenary)または非カテナリー酸素原子を任意に含んでいてもよいC〜C(ペル)フルオロアルキル基から独立に選択され、
− Rは、二価のフッ素化C〜C架橋基を表し、
− Lは、結合または二価の基を表し、
− Yは、アニオン性官能基、カチオン性官能基および非イオン性官能基から選択される親水性官能基を表す)
を有する少なくとも1種の環状フルオロ化合物の存在下で、1種または複数種のフッ素化モノマーを水性乳化重合することによってフルオロポリマーを製造する方法が開示されている。
国際公開第2010/003929号パンフレット
したがって、フッ素化モノマーを、従来のフッ素化界面活性剤を用いる水性重合の際に一般に使用される装置を用いて、速い反応速度によって簡便かつ費用効率が高い方法で(ペル)フルオロエラストマーを製造する代替的経路を見出すことが望ましい。
したがって、本発明の目的は、ASTM D−3418−08で測定して5J/g未満の融解熱を有する(ペル)フルオロエラストマーを製造する方法であって、
(A)水;
(B)以下の式(I):
Figure 0005744902
[式中:
− X、XおよびXは、互いに同じであるかまたは異なり、H、F、および、1個または複数個のカテナリーまたは非カテナリー酸素原子を任意に含んでいてもよいC〜C(ペル)フルオロアルキル基から独立に選択され、
− Rは、二価の過フッ素化(perfluorinated)C〜C架橋基を表し、
− Lは、結合または二価の基を表し、
− Yは、アニオン性官能基、カチオン性官能基および非イオン性官能基から選択される親水性官能基を表す]
を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤[界面活性剤(FS)];ならびに
(C)界面活性剤(FS)とは異なる少なくとも1種のフッ素化化合物[化合物(F)]
を含む重合媒体中、少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のフッ素化モノマーを重合させる工程を含み、
前記重合媒体が7未満のpH値を有する、方法である。
図1は、TGA等温スキャンを示す図である。
本出願人は、驚くべきことに、本発明の方法によって、高い反応速度でナノサイズの(ペル)フルオロエラストマー分散粒子を首尾よく得ることが有利に可能である一方、従来のペルフルオロカルボキシレート界面活性剤の毒物学的および環境的影響を顕著に低下させることもできることを見出した。
本発明の重合方法は、好ましくは、フッ素化界面活性剤分子[界面活性剤(FS)]の界面膜によって安定化された、反応速度論的に安定かつ光学的に透明な等方性水性分散液中で、均一に分散したナノサイズの小滴を室温で有利に生成させる乳化重合方法である。
本発明の方法のフッ素化モノマーは、典型的にはガス状フッ素化モノマーである。「ガス状フッ素化モノマー」は、重合条件下でガスとして存在するモノマーを意味する。
それにもかかわらず、重合条件下で液体であるフッ素化モノマーを、本発明の重合方法に用いることもできる
好適なフッ素化モノマーの非限定的な例には、特に、以下のものが含まれる:
(a)C〜Cペルフルオロオレフィン(例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、およびヘキサフルオロイソブテンなど);
(b)C〜C水素化フルオロオレフィン(例えば、フッ化ビニリデン(VDF)およびフッ化ビニルなど);
(c)C〜Cクロロ−および/またはブロモ−および/またはヨード−フルオロオレフィン(例えば、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)など);
(d)式:CF=CFOR[式中、Rは、C〜C(ペル)フルオロアルキル基(例えば、−CF、−Cまたは−Cペルフルオロアルキル基など)である]の(ペル)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE);
(e)式:CF=CFOX[式中、Xは、1個または複数個のエーテル基を有するC〜C12(ペル)フルオロオキシアルキル基(例えば、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピル基など)である]の(ペル)フルオロオキシアルキルビニルエーテル;
(f)式:
Figure 0005744902
(式中、Rf3、Rf4、Rf5およびRf6は、互いに同じであるかまたは異なり、フッ素原子、または、1個もしくは複数の酸素原子を任意に含んでいてもよいC〜C(ペル)フルオロアルキル基、好ましくは−CF、−C、−C、−OCFもしくは−OCFCFOCF基から独立に選択される)
の(ペル)フルオロジオキソール;
(g)一般式:CFX=CXOCFOR”を有する(ペル)フルオロメトキシビニルエーテル(MOVE)(式中、R”は、直鎖および分岐のC〜C(ペル)フルオロアルキル基、環状C〜C(ペル)フルオロアルキル基、ならびに1から3個の酸素原子を有する直鎖または分岐のC〜C(ペル)フルオロオキシアルキル基から選択され、Xは、FまたはHであり;好ましくは、XはFであり、R”は、−CFCF基(MOVE1)、−CHCFOCF基(MOVE2)または−CF基(MOVE3)である);
(h)特に米国特許第4281092号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1981年7月28日、米国特許第5447993号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1995年9月5日および米国特許第5789489号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1998年8月4日に開示された、シアニド基を有するペルフルオロビニルエーテル。
重合には、非フッ素化モノマー(例えば、C〜C水素化オレフィンなど)をさらに含ませることができる。
なおさらに、重合には、少なくとも1個の官能基(例えば、過酸化物硬化反応に関与することができる基など)を有するコモノマーを含ませることができる。このような官能基には、特にハロゲン原子(例えば、臭素またはヨウ素原子など)およびニトリル基が含まれる。
本発明の1実施形態によれば、重合媒体は、反応系に、少なくとも1種のフッ素化モノマーおよび少なくとも1種の開始剤を添加する前に、供給する。
フッ素化界面活性剤[界面活性剤(FS)」の親水性官能基Yは、特に式:−(OR−OH(式中、Rは、二価の炭化水素基であり、nは、1から15の整数である)の非イオン性官能基から選択することができる。
あるいは、界面活性剤(FS)の親水性官能基Yは、特に、式:
Figure 0005744902
(式中、Rは、それぞれの出現において同じであるかまたは異なり、水素原子またはC〜C炭化水素基であり、Eは、C〜Cの二価の炭化水素基であり、X は、OH、Cl、Br、Iから選択されるアニオンである)
のカチオン性官能基から選択することができる。
界面活性剤(FS)の親水性官能基Yは、好ましくは、式:
Figure 0005744902
[式中、Xは、水素原子、一価の金属、好ましくはアルカリ金属、または式:−N(R’(式中、R’は、それぞれの出現において同じであるかまたは異なり、水素原子またはC〜C炭化水素基である)のアンモニウム基である]
のアニオン性官能基から選択される。
界面活性剤(FS)の親水性官能基Yは、より好ましくは、上述した式(3’)のカルボキシレートである。
本発明の第1の実施形態によれば、界面活性剤(FS)は、以下の式(II):
Figure 0005744902
(式中、X、X、X、RおよびYは、上で定義したものと同じ意味を有する)
に従う。
この第1の実施形態の界面活性剤(FS)は、好ましくは以下の式(III):
Figure 0005744902
(式中、X、X、X、RおよびXは、上で定義したものと同じ意味を有する)
に従う。
この第1の実施形態の第1の変形によれば、界面活性剤(FS)は、以下の式(IV):
Figure 0005744902
〔式中、X’およびX’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)であり、好ましくは、X’およびX’の少なくとも一方がフッ素と異なることを条件とし、RおよびXは、上で定義したものと同じ意味を有する〕
に従う。
上述した式(IV)の化合物は、特に、同時係属の欧州特許出願第08159936.7号明細書および同第08168221.3号明細書に詳述したとおりに製造することができる。
この第1の実施形態の第1の変形の式:(IV)を有する界面活性剤(FS)は、好ましくは以下の式(V):
Figure 0005744902
〔式中、X’、X’、X’およびX’は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)である〕
に従う。
上述した式(V)を有する界面活性剤(FS)の非限定的な例には、特に以下:
Figure 0005744902
が含まれる。
この第1の実施形態の第2の変形によれば、界面活性剤(FS)は、以下の式(VI):
Figure 0005744902
〔式中、X”およびX”は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)であり、RおよびXは、上で定義したものと同じ意味を有する〕
に従う。
上述した式(VI)の化合物は、特に、同時係属の欧州特許出願第08159936.7号明細書および同第08168221.3号明細書に詳述したとおりに製造することができる。
この実施形態の第2の変形の式(VI)を有する界面活性剤(FS)は、好ましくは以下の式(VII):
Figure 0005744902
〔式中、X”、X”、X”およびX”は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)である〕
に従う。
上述した式(VII)を有する界面活性剤(FS)の非限定的な例には、特に以下:
Figure 0005744902
が含まれる。
本発明の第2の好ましい実施形態によれば、界面活性剤(FS)は、以下の式(VIII):
Figure 0005744902
[式中、RおよびXは、上で定義したものと同じ意味を有し、X およびX は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)であり、R は、二価のフッ素化基であり、kは、1から3の整数である]
に従う。
上述した式(VIII)の化合物は、特に、同時係属の欧州特許出願第08159936.7号明細書および同第08168221.3号明細書に詳述したとおりに製造することができる。
この第2の好ましい実施形態の界面活性剤(FS)は、好ましくは以下の式(IX):
Figure 0005744902
[式中、RおよびXは、上で定義したものと同じ意味を有し、X およびX は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)であり、R は、フッ素原子または−CF基であり、kは、1から3の整数である]
に従う。
上述した式(IX)の化合物は、特に、同時係属の欧州特許出願第08159936.7号明細書および同第08168221.3号明細書に詳述したとおりに製造することができる。
これらの化合物の中で、以下の式(X)および(XI):
Figure 0005744902
(式中、Xは、上で定義したものと同じ意味を有する)
を有する界面活性剤(FS)が、本発明の方法で有用であるとわかった。
特に、上述した式(X)を有する界面活性剤(FS)が、本発明の方法で非常に有用であることがわかった。
上述した式(I)を有する2種以上の界面活性剤(FS)の混合物を、本発明の方法の重合媒体中で用いることもできる。
本発明の方法で使用する上述した式(I)を有する界面活性剤(FS)の合計量は、典型的には、重合方法中の水の合計質量に対して0.001質量%から5質量%、好ましくは0.05質量%から1質量%の範囲である。
フッ素化化合物[化合物(F)]は、典型的にはフッ素化流動体である。すなわち、化合物(F)は、有利には重合条件において液体状態である化合物である。
化合物(F)は、典型的には、重合性エチレン性不飽和を含まない。言い換えれば、化合物(F)は、特に、上で詳述したとおり、フッ素化モノマー(複数可)とは区別することができる。
さらに、化合物(F)は、上述したとおり、界面活性剤(FS)とは異なる。
適切なフッ素化流動体の非限定的な例には、特に、(ペル)フルオロアルカン、(ペル)フルオロエーテル、および、少なくとも1個の(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖(R)]を含む(ペル)フルオロポリエーテルが含まれる。少なくとも1個の(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖(R)]を含む(ペル)フルオロポリエーテルが好ましい。
フッ素化流動体の(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖R]は、典型的には式:−(CF−CFZO−(式中、Zは、フッ素原子およびC〜C(ペル)フルオロ(オキシ)アルキル基から選択され、jは、0〜3を含む整数である)を有する1種または複数種の繰り返し単位R’を含み、この繰り返し単位は、(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖に沿ってほぼ統計的に分布している。
化合物(F)は、好ましくは、少なくとも1種の上で定義したとおりの(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖(R)」と、カルボン酸基、リン酸基およびスルホン酸基から選択される少なくとも1種の官能性末端基とを含む、官能性(ペル)フルオロポリエーテル(官能性PFPE)である。
化合物(F)は、より好ましくは以下の式(XII)に従う:
−(CFWp1−O−R−(CFWp2−T(XII)
(式中:
− Rは、上で定義したとおりの(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖(R)]であり;
− TおよびTは、互いに同じであるかまたは異なり、
i)カルボン酸基、リン酸基およびスルホン酸基から選択される官能性末端基、ならびに
ii)フッ素原子、塩素原子、および、1個または複数個の塩素原子を任意に含んでいてもよいC〜C(ペル)フルオロアルキル基から選択される非官能性末端基
から選択され、
但し、TおよびTの少なくとも一方は、上で定義したとおりの官能性末端基であり;
− WおよびWは、互いに同じであるかまたは異なり、フッ素原子または−CF基を独立に表し;
− pおよびpは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、1〜3を含む整数であり、好ましくは、Wおよび/またはWが−CF基である場合には1に等しい)。
化合物(F)は、最も好ましくは、上述した式(XII)(式中、TおよびTの両方が、上で定義したとおりの官能性末端基である)に従う(二官能性PFPE)。
好適な二官能性PFPEの非限定的な例には、特に、以下の式(XIII):
HOOC−CFW−O−R−CFW−COOH(XIII)
(式中:
− Rは、上で定義したとおりの(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖(R)]であり;
− WおよびWは、互いに同じであるかまたは異なり、上で定義したものと同じ意味を有する)
に従うものが含まれる。
化合物(F)は、さらに最も好ましくは、以下の式(XIV):
HOOC−CF−O−(CFn’(CFCFO)m’−CF−COOH(XIV)
(式中、n’およびm’は、独立に、二官能性PFPEの数平均分子量が、少なくとも1000、好ましくは少なくとも1300、より好ましくは少なくとも1500となる0より大きい整数であり、これらの繰り返し単位は、ペルフルオロポリオキシアルキレン鎖に沿ってほぼ統計的に分布している)
に従う。
上で定義したとおりの化合物(F)の2種以上の混合物を、本発明の方法の重合媒体において用いることもできる。
本発明の方法の重合媒体は、好ましくは5未満、より好ましくは4未満、さらにより好ましく3未満のpH値を有する。
本出願人は、驚くべきことに、7を超えるpH値を有する上で定義したとおりの重合媒体が、高い反応速度でナノサイズの(ペル)フルオロエラストマー分散粒子を得るためには適切でないことを見出した。
本発明の重合方法は、典型的には25℃から200℃、好ましくは40℃から150℃の範囲の温度で行う。
この重合方法は、典型的には2から50バール、好ましくは5から45バールの範囲の圧力で行う。
本発明の重合方法は、少なくとも1種の開始剤によって開始させる。好適な開始剤には、1種または複数種のフッ素化モノマーのフリーラジカル重合を開始させることが知られている任意の開始剤が含まれる。
開始剤は、好ましくは、無機開始剤および過酸化物開始剤から選択される。
好適な無機開始剤の非限定的な例には、特に、過硫酸または(ペル)マンガン酸のアンモニウム塩、アルカリ塩またはアルカリ土類塩が含まれる。過硫酸塩開始剤、例えば、過硫酸アンモニウムは、単独で用いることも、還元剤と併用して用いることもできる。好適な還元剤には、亜硫酸水素塩(例えば、亜硫酸水素アンモニウムまたはメタ亜硫酸水素ナトリウムなど)、チオ硫酸塩(例えば、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸カリウムまたはチオ硫酸ナトリウムなど)、ヒドラジン、アゾジカルボン酸塩およびアゾジカルボキシジアミドが含まれる。用いることができるさらなる還元剤には、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(Rongalite)または米国特許第5285002号明細書(MINNESOTA MINING AND MANUFACTURING CO.)1994年2月8日に開示されたとおりのフルオロアルキルスルフィネートが含まれる。還元剤は典型的には、加硫酸塩開始剤の半減期を短縮する。さらに、例えば、銅塩、鉄塩または銀塩などの金属塩触媒を添加することができる。
好適な過酸化物開始剤の非限定的な例には、特に、過酸化水素、過酸化ナトリウムまたは過酸化バリウム、過酸化ジアシル(例えば、過酸化ジアセチル、過酸化ジスクシニル、過酸化ジプロピオニル、過酸化ジブチリル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ベンゾイルアセチル、過酸化ジグルタル酸および過酸化ジラウリルなど)、ならびにさらなる過酸およびその塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩など)が含まれる。過酸の具体的な例には、特に、過酢酸が含まれる。過酸のエステルは、同様に用いることができ、その例には、ペルオキシ酢酸tert−ブチルおよびペルオキシピバリン酸tert−ブチルが含まれる。
開始剤の量は、典型的には、生成される(ペル)フルオロエラストマー固形物の質量に対して0.01質量%から1質量%、好ましくは0.02質量%から0.5質量%の範囲である。
本発明の重合方法は、典型的には、水中の(ペル)フルオロエラストマーのラテックスをもたらし、前記(ペル)フルオロエラストマーは、ASTM D−3418−08で測定して、5J/g未満の融解熱を有し、前記ラテックスは、上述した式(I)を有する少なくとも1種の界面活性剤(FS)および前記界面活性剤(FS)とは異なる少なくとも1種の化合物(F)をさらに含む。
(ペル)フルオロエラストマーは、ASTM D−3418−08で測定して、好ましくは3J/g未満、より好ましくは2J/g未満の融解熱を有する。
本重合方法から直接得られるラテックス中の、上で定義したとおりの(ペル)フルオロエラストマーの量は、典型的には、5質量%から50質量%、好ましくは10質量%から40質量%の範囲である。
上で定義したとおりの(ペル)フルオロエラストマーは、ISO13321に従って測定して、好ましくは100nm未満、より好ましくは95nm未満、さらにより好ましくは90nm未満の平均サイズを有する粒子の形態でラテックス中に分散している。
上で定義したとおりの(ペル)フルオロエラストマーは、ISO13321に従って測定して、好ましくは1nm超、より好ましくは3nm超、さらにより好ましくは5nm超の平均サイズを有する粒子の形態でラテックス中に分散している。
重合方法から直接得られるラテックス中の、上記の式(I)を有する界面活性剤(複数可)(FS)の合計量は、典型的には、ラテックス中の(ペル)フルオロエラストマーの質量に対して0.001質量%から5質量%、好ましくは0.01質量%から2質量%の範囲である。
上述した式(I)を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤(FS)を含む(ペル)フルオロエラストマー組成物は、固体形態のポリマーが望ましい場合には、凝固によってラテックスから単離することができる。
凝固は、典型的には、適切な電解質または酸を加えることによって行う。
好適な電解質の非限定的な例には、特に、Al(NO、Al(SO、MgSO、MgCl、Ca(NO、Zn(NO、ZnSO、CaCl、(NHSO、NHNO、NaSO、NaHSOが含まれる。好適な酸の非限定的な例には、特に、HNO、HCl、HSO、HPO、クエン酸が含まれる。
凝固は、好ましくは、Al(NO、Al(SO、MgSOおよびMgClから選択される電解質、または、HNO、HClおよびHSOから選択される酸を加えることによって行う。
凝固は、より好ましくはHNOを加えることによって行う。
本発明によって得られる(ペル)フルオロエラストマーは、典型的には、以下のクラス:
(1)VDFベースのコポリマー〔このコポリマーにおいて、VDFは、上述したフッ素化モノマー(a)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、および、以下の非フッ素化モノマー:(i)C〜C水素化オレフィン(例えば、エチレン(E)およびプロピレン(P)など)から選択される少なくとも1種のコモノマーと共重合されている〕;
(2)TFEベースのコポリマー〔このコポリマーにおいて、TFEは、上記のフッ素化モノマー(c)、(d)、(e)、(g)、(h)、および、上記の非フッ素化モノマー(i)から選択される少なくとも1種のコモノマーと共重合されている〕
に属する。
上で定義したクラス内で、(ペル)フルオロエラストマーのモル組成は、好ましくは以下から選択される(100%は、モノマーのモルパーセントの合計である):
(a’)フッ化ビニリデン(VDF)35〜85%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)10〜45%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜30%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜15%、
(b’)フッ化ビニリデン(VDF)50〜80%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)5〜50%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜30%、
(c’)フッ化ビニリデン(VDF)20〜30%、C〜C非フッ素化オレフィン(Ol)10〜30%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)および/またはペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)18〜27%、テトラフルオロエチレン(TFE)10〜30%、
(d’)テトラフルオロエチレン(TFE)45〜65%、C〜C非フッ素化オレフィン(Ol)20〜55%、フッ化ビニリデン0〜30%、
(e’)テトラフルオロエチレン(TFE)32〜60%、C〜C非フッ素化オレフィン(Ol)10〜40%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜40%、(ペル)フルオロメトキシビニルエーテル(MOVE)0〜30%、
(f’)テトラフルオロエチレン(TFE)33〜75%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)15〜45%、フッ化ビニリデン(VDF)5〜30%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)0〜30%、
(g’)フッ化ビニリデン(VDF)35〜85%、(ペル)フルオロメトキシビニルエーテル(MOVE)5〜40%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜30%、テトラフルオロエチレン(TFE)0〜40%、ヘキサフルオロプロペン(HFP)0〜30%、
(h’)テトラフルオロエチレン(TFE)50〜80%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜50%、
(i’)テトラフルオロエチレン(TFE)45〜65%、C〜C非フッ素化オレフィン(Ol)20〜55%、フッ化ビニリデン0〜30%、
(j’)テトラフルオロエチレン(TFE)32〜60%、C2〜C8非フッ素化オレフィン(Ol)10〜40%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)20〜40%、
(k’)テトラフルオロエチレン(TFE)33〜75%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)15〜45%、フッ化ビニリデン(VDF)5〜30%、
(l’)テトラフルオロエチレン(TFE)33〜75%、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)0〜45%、MOVE15〜30%、HFP0〜30%。
任意に、(ペル)フルオロエラストマーは、一般式:
Figure 0005744902
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、互いに同じであるかまたは異なり、HおよびC〜Cアルキル基から独立に選択され、Yは、酸素原子を任意に含んでいてもよく、好ましくは少なくとも部分的にフッ素化された、直鎖もしくは分岐のC〜C18アルキレンもしくはシクロアルキレン基であるか、または(ペル)フルオロポリオキシアルキレン基である)
のビス−オレフィンから誘導される繰り返し単位を含んでいてもよい。
これらのビス−オレフィンから誘導される鎖単位の量は、典型的には、0.01モル%から1.0モル%、好ましくは0.03モル%から0.5モル%、さらにより好ましくは0.05モル%から0.2モル%である(ここで、100%は、その他の繰り返し単位のモルパーセントの合計である)。
本発明の別の目的は、上述した式(I)を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤(FS)を2000ppm未満含む(ペル)フルオロエラストマー組成物であって、(ペル)フルオロエラストマーが、ASTM D−3418−08で測定して、5J/g未満の融解熱を有する組成物である。
本出願人は、有利には2000ppm未満、好ましくは1000ppm未満、より好ましくは800ppm未満の量で上述した式(I)を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤(FS)を含む、上で定義したとおりの(ペル)フルオロエラストマーが、上で定義したとおりのラテックスの凝固から得られる組成物を加熱処理することによって首尾よく得られることを見出した。
加熱処理は、典型的には、適切な加熱装置、一般的には電気オーブンまたは対流式オーブンで行う。
加熱処理は、典型的には最高で300℃まで、好ましくは最高で200℃まで、より好ましくは最高で100℃までの温度で行う。加熱処理は、典型的には1から30時間の時間行う。
また、本発明の別の目的は、上述した式(I)を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤(FS)を2000ppm未満含む硬化(ペル)フルオロエラストマー組成物であって、硬化(ペル)フルオロエラストマーが、ASTM D−3418−08で測定して、5J/g未満の融解熱を有する組成物である。
上で定義したとおりの硬化(ペル)フルオロエラストマー組成物は、イオン加硫、過酸化物加硫、またはイオン/過酸化物の混合加硫によって得ることができる。
過酸化物加硫の場合、(ペル)フルオロエラストマーは、好ましくは、高分子の鎖中および/または末端位にヨウ素原子および/または臭素原子を含む。これらのヨウ素原子および/または臭素原子の導入は、反応混合物に、臭素化および/またはヨウ素化された硬化部位(cure−site)コモノマー、例えば、特に米国特許第4035565号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1977年7月12日、および米国特許第4694045号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1987年9月15日に記載されたとおりの2から10個の炭素原子を有するブロモ−オレフィンおよび/もしくはヨード−オレフィン、または特に米国特許第4745165号明細書(AUSIMONT S.P.A.)1988年5月17日、米国特許第4564662号明細書(MINNESOTA MINING AND MANUFACTRURING CO.)1986年1月14日および欧州特許第199138B号明細書(DAIKIN INDUSTRIES LTD.)1989年2月22日に記載されたとおりのヨード−および/もしくはブロモ−フルオロアルキルビニルエーテルを、最終生成物中の硬化部位コモノマーの含有量が、概して0.05モル%から2モル%(ここで、100%は、その他の繰り返し単位のモルパーセントの合計である)となる量で添加することによって行うことができる。用いることができる他のヨウ素化化合物は、欧州特許第860436B号明細書(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)2004年5月6日に記載されたとおりの三ヨウ素化トリアジン誘導体である。
硬化部位コモノマーの代替としてまたはそれと組み合わせて、反応混合物に、ヨウ素化および/または臭素化連鎖移動剤、例えば、式:R(I)(Br)〔式中、Rは、C〜C(ペル)フルオロ(クロロ)アルキル基であり、xおよびyは、独立に、0から2の整数であり、(x+y)の合計は、1〜2である〕の化合物を添加することによって、ヨウ素および/または臭素の末端原子を導入することができる(特に米国特許第4243770号明細書(DAIKIN KOGYO CO.LTD.)1981年1月6日および米国特許第4943622号明細書(NIPPON MEKTRON LTD.)1990年7月24日に記載されているとおり)。さらに、用いることができる連鎖移動剤には、特に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のヨウ化物および/または臭化物(米国特許第5173553号明細書(AUSIMONT S.R.L.)1992年12月22日に記載されたとおりのもの)、ならびにエステル、例えば、酢酸エチル、マロン酸ジエチルなどが含まれる。
過酸化物介在加硫は、熱分解によってラジカルを生成することができる適切な過酸化物の添加によって、公知の技術にしたがって行う。最も一般的に用いられる試剤として、過酸化ジアルキル、例えば、過酸化ジ−tert−ブチルおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン;過酸化ジクミル;過酸化ジベンゾイル;ジ−tert−ブチル過安息香酸;ビス[1,3−ジメチル−3−(tert−ブチルペルオキシ)ブチル]カーボネートを挙げることができる。他の過酸化物系は、例えば、欧州特許第136596B号明細書(AUSIMONT S.P.A.)1988年5月11日および欧州特許第410351B号明細書(AUSIMONT S.P.A.)1994年12月7日に記載されている。
他の製品、例えば:
(i)加硫助剤(典型的には、(ペル)フルオロエラストマーに対して0.5質量%から10質量%、好ましくは1質量%から7質量%の量で);これらの試剤のうち、一般的に用いられるものには、特に、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、欧州特許第860436B号明細書(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)2004年5月6日に記載されたとおりのトリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスフェート、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、欧州特許第769520B号明細書(AUSIMONT S.P.A.)2002年7月3日に記載されたビス−オレフィンが含まれ、上述したTAICおよびビス−オレフィンが特に好ましい;
(ii)場合により、金属化合物〔(ペル)フルオロエラストマーに対して典型的には1質量%から15質量%、好ましくは2質量%から10質量%の量で〕;この金属化合物は、二価の金属、例えば、Mg、Zn、CaまたはPbの酸化物および水酸化物から選択され、弱酸の塩、例えば、Ba、Na、K、PbまたはCaのステアリン酸塩、安息香酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、または亜リン酸塩と任意に組み合わせたものであってもよい;
(iii)場合により、金属非酸化物タイプの酸アクセプター、例えば、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、オクタデシルアミンなど(特に、欧州特許第708797B号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1998年2月4日に記載されたとおりのもの);
(iv)場合により、他の従来の添加剤、例えば、増粘性充填剤、好ましくはカーボンブラック、TFEホモポリマーからなる半結晶性フルオロポリマー、または、TFEと、典型的には0.01モル%から10モル%、好ましくは0.05モル%から7モル%の量でエチレン性タイプの少なくとも1個の不飽和を有する1種もしくは複数のモノマーとのコポリマーからなる半結晶性フルオロポリマー、顔料、酸化防止剤、安定剤など
を、加硫ブレンドに添加することができる。
(ペル)フルオロエラストマーが、シアニド基を有する場合、上で定義したとおりの(ペル)フルオロエラストマー組成物の加硫は、架橋剤として、米国特許第4394489号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1983年7月19日、米国特許第5767204号明細書(NIPPON MEKTRON LTD.)1998年6月16日、および米国特許第5789509号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1998年8月4日に記載されているように、有機スズ化合物またはジ芳香族アミン化合物を用いて行う。米国特許第5447993号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1995年9月5日の特許に記載されているように、この種の加硫は、(ペル)フルオロエラストマーがヨウ素化および/または臭素化末端基を有する場合には、過酸化物タイプの加硫と組み合わせることができる。
イオン加硫は、有利には、当技術分野で周知である加硫剤および促進剤を添加することによって行う。(ペル)フルオロエラストマー100質量部当たり、促進剤の量は、典型的には0.05〜5質量部であり、加硫剤の量は、典型的には0.5〜15質量部、好ましくは1〜6質量部である。
用いることができる加硫剤には、特に、例えば、欧州特許第335705B号明細書(MINNESOTA MINING AND MANUFACTURING CO.)1994年1月26日および米国特許第4233427号明細書(RHONE−POULENC INDUSTRIES)1980年11月11日に記載されたとおりの芳香族もしくは脂肪族のポリオキシヒドリル化合物、またはこれらの誘導体が含まれる。これらの試剤として、特に、2つの芳香族環が、二価の脂肪族、脂環式もしくは芳香族の基を介して、または酸素原子もしくは硫黄原子(または代替としてカルボニル基)を介して一緒に結合している、ジ−、トリ−およびテトラヒドロキシベンゼン、ナフタレンまたはアントラセン、ビスフェノール(2個の芳香族環が、2価の脂肪族、環式脂肪族、または芳香族基によって、あるいは酸素原子もしくは硫黄原子またはカルボニル基によって共に結合した化合物)を挙げることができる。ビスフェノールの2個の芳香族環は、1個もしくは複数個の塩素、フッ素もしくは臭素原子で、またはカルボニル、アルキルもしくはアシル基で置換されていてもよい。ビスフェノールAFが特に好ましい。
用いることができる促進剤の例には、特に、欧州特許第335705B(MINNESOTA MINING AND MANUFACTURING CO.)1994年1月26日および米国特許第3876654号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1975年4月8日に記載されたとおりの第四級アンモニウムまたはホスホニウム塩、特に米国特許第4259463号明細書(MONTEDISON S.P.A.)1981年3月31日に記載されたとおりのアミノホスホニウム塩、特に米国特許第3752787号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND CO.)1973年8月14日に記載されたとおりのホスホラン、特に欧州特許第182299B号明細書(ASAHI KASEI KOGYO KABUSHIKI KAISHA)1991年4月3日および欧州特許第120462号明細書(MONTEDISON S.P.A.)1987年9月9日に記載されたとおりのイミン化合物が含まれ、第四級ホスホニウム塩およびアミノホスホニウム塩が好ましい。
促進剤および加硫剤を別々に用いる代わりに、促進剤と加硫剤との1:2から1:5、好ましくは1:3から1:5のモル比の付加体1から5質量部(好ましくは2から4.5質量部)を用いることもできる。この場合において、促進剤は、上で定義したとおりの、正電荷を持つ有機オニウム化合物の1種であり、加硫剤は、上記で示された化合物、特に、ジ−もしくはポリヒドロキシ化合物またはジ−もしくはポリチオール化合物から選択され;付加体は、促進剤と加硫剤との示されたモル比での反応の生成物を溶融することによって、あるいは、示された量の加硫剤を補足した1:1付加体の混合物を溶融することによって得られる。場合により、付加体に含まれる促進剤に対して過剰の促進剤が存在していてもよい。
付加体の調製のために、以下のカチオンが特に好ましい:1,1−ジフェニル−1−ベンジル−N−ジエチルホスホランアミンおよびテトラブチルホスホニウム;特に好ましいアニオンとしては、ビスフェノール化合物であって、その2つの芳香族環が、3から7個の炭素原子を含むペルフルオロアルキレンの基から選択される二価の基を介して結合しており、かつOH基がパラ位にあるものがある。
付加体の調製は、欧州特許第684277B号明細書(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)2006年4月26に記載されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。
イオン加硫化合物は、
)フッ化ビニリデンコポリマーのイオン加硫で知られているものから選択される1種または複数種の無機−酸アクセプター〔(ペル)フルオロエラストマーの100部当たり1〜40部の量で〕;
ii)フッ化ビニリデンコポリマーのイオン加硫で知られているものから選択される1種または複数種の塩基性化合物〔(ペル)フルオロエラストマーの100部当たり0.5から10部の量で〕
を含んでいてもよい。
ii)で言及した塩基性化合物は、一般に、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)、および弱酸の金属塩、たとえば、Ca、Sr、Ba、NaおよびKの炭酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩および亜リン酸塩、ならびに、上述した水酸化物と上述した金属塩との混合物からなる群から選択される。タイプi)の化合物として、MgOを挙げることができる。
ブレンドの成分の示された量は、(ペル)フルオロエラストマー100質量部に対する量である。
上述したとおり、次いで、他の従来の添加剤、例えば、増粘剤、顔料、酸化防止剤、安定剤などを、加硫混合物に添加することができる。
上で定義したとおりの(ペル)フルオロエラストマー組成物は、2種のタイプの加硫を組み合せる混合経路によって加硫することもできる。
一般に、本発明の(ペル)フルオロエラストマー組成物は、射出成形もしくは圧縮成形などの技術を用いて、あるいは代替的に押出成形によって、成形され、同時に加硫される。
加硫成形の温度は特に限定されないが、約50℃から約250℃、好ましくは約100℃から約200℃の温度が一般に用いられる。
したがって、当業者であれば、選択された温度で適切な硬化を得るように適切な加硫系を選択するであろう。特に、過酸化物が介在する加硫の場合、この加硫−成形温度の選択によって、選択された条件で合理的な加硫速度を達成するために、用いる過酸化物の選択が有利に決定されるであろう。
加硫−成形工程の後、加硫されて形状付与された予備成形物品を、その後の熱による後処理工程に供する。この処理は、一般に、適切な加熱装置、一般に電気オーブンまたは対流式オーブンで行う。
熱による後処理工程は、一般に、少なくとも2分から24時間、好ましくは30分から8時間、より好ましくは1時間から8時間の間行わせる。後処理時間をより長くしても、前述した時間行わせて得られた機械的特性値は、変わらない。
一般に、この後処理の温度は、160℃より高く、好ましくは190℃より高く、より好ましくは210℃より高い。
参照により本明細書に組み込むいずれかの特許、特許出願、および刊行物の開示と、本出願の説明とが、用語を不明瞭にさせ得るほどに対立したとしても、本説明が優先されるものとする。
本発明を、これから以下の実施例を参照してより詳細に説明するが、その目的は、単に例証するためであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[原料]
GALDEN(登録商標)D02は、式:CFO−(CF(CF)CFO)(CFO)−CF(式中、nおよびmは、数平均分子量が約740となるような整数である)を有するPFPEである。
FLUOROLINK(登録商標)C10は、式:HOOC−CFO(CFCFO)n’(CFO)m’CF−COOH(式中、n’およびm’は、数平均分子量が約1800となるような整数である)を有する二官能性PFPEである。
FLUOROLINK(登録商標)7800は、式:Cl(CO)n(CO)CFCOOH(式中、nおよびmは、数平均分子量が約500となるような数である)を有する一官能性PFPEである。
FLUOROLINK(登録商標)7850は、式:Cl(CO)(CO)CFCOOH(式中、nおよびmは、数平均分子量が約600となるような数である)を有する一官能性PFPEである。
[機械的安定性試験]
(ペル)フルオロエラストマー(300ml)のラテックスを1リットルのコニカルフラスコに導入し、蠕動ポンプ(内径6.4nmを有するシリコーンチューブL/S24)を通して280ml/分の供給速度で再循環させた。再循環の時間は、120分間であった。固形分の減量パーセントを評価した。
[実施例1]:重合媒体(1)の製造
撹拌機を備えたガラス製フラスコ中で、撹拌下、式(X)(式中、XはNHである)を有するフッ素化界面活性剤24.00g、脱塩水24.00gおよびFLUOROLINK(登録商標)C10二官能性PFPE12.00gを混合した。pHを約2.0に調整した。
組成物が室温で自発的に得られ、これは、水40.0質量%、式(X)(式中、XはNHである)を有するフッ素化界面活性剤40.0%、およびFLUOROLINK(登録商標)C10二官能性PFPE20.0%を含有する、透明で、熱力学的に安定な溶液[重合媒体(1)]であった。
均一に分散したその小滴の平均サイズは、ISO13321に従って測定して、11.7nmであることがわかった。
[実施例2]:重合媒体(2)の製造
撹拌機を備えたガラス製フラスコ中で、撹拌下、式(X)(式中、XはNHである)を有するフッ素化界面活性剤18.00g、脱塩水30.00gおよびFLUOROLINK(登録商標)C10二官能性PFPE12.00gを混合した。pHを約2.3に調整した。
組成物が室温で自発的に得られ、これは、水50.0質量%、式(X)(式中、XはNHである)を有するフッ素化界面活性剤30%、およびFLUOROLINK(登録商標)C10二官能性PFPE20.0%を含有する透明で、熱力学的に安定な溶液[重合媒体(2)]であった。
均一に分散したその小滴の平均サイズは、ISO13321に従って測定して、16.8nmであることがわかった。
本発明の実施例1および実施例2の重合媒体(1)および重合媒体(2)を室温で水によって首尾よく希釈して、本発明の方法で適切に使用するための、ナノサイズの小滴の動力学的に安定で、光学的に透明な、ナノサイズの小滴の等方性分散液を生成させることができた。
[実施例3(比較)]
本発明の実施例1および実施例2で詳述した手順と同じ手順に従ったが、そうして得られる組成物のpH値を、約8.5に調整した。
7を超えるpH値を有するこうして得られた組成物は、安定性を欠くことがわかった:希釈すると、小滴が、より大きなサイズに急速に凝集することが観察された。結果として、これらの組成物は、重合媒体として用いる場合には、ナノサイズの(ペル)フルオロエラストマー分散粒子を得るためには適切でないことがわかった。
[実施例4]:TFE、VDFおよびHFPの重合
機械的撹拌機(630rpm)を備えた、5リットルの内容積を有する反応器に、脱塩水3.5リットルおよび実施例1におけるとおりに調製した重合媒体(1)35mlを入れた。反応器を80℃に加熱し、数分間排気した。次いで、反応器をHFPで8.56バールの圧力に加圧し、TFE(11モル%)、VDF(70モル%)およびHFP(19モル%)の供給ガス混合物で最終的に26バールの設定点の圧力に加圧した。
次いで、反応器に、1,4−ジヨードペルフルオロブタン0.66mlおよびHC=CH−(CF−CH=CH 0.23mlを入れた。
加硫酸アンモニウム(0.53g)を添加し、続いて1,4−ジヨードペルフルオロブタン(4.13ml)およびHC=CH−(CF−CH=CH(3.38ml)を添加することによって、重合を開始させた。
167分後に1500gの全モノマー消費量に達するまで、重合を続け、次いで、反応器を減圧し、排気し、冷却した。
VDF/HFP/TFEコポリマー(VDF:HFP:TFE=70.6:17.7:11.7モル%)のラテックスであって、ISO13321に従って測定して57nmの平均サイズを有する粒子を含み、30.3質量%の固形分を有するラテックスが得られた。
[実施例5(比較)]:TFE、VDFおよびHFPの重合
33質量%のアンモニア水溶液51.0質量%、GALDEN(登録商標)D02PFPE 18.0質量%、およびFLUOROLINK(登録商標)7850フッ素化界面活性剤31.0質量%を混合することによって調製した重合媒体35mlを反応器に入れた以外は、実施例4で詳述した手順と同じ手順に従った。ここでは、均一に分散した小滴の平均サイズは、ISO13321に従って測定して10nmであることがわかり、pHは、約8.5に調整した。247分後に1500gの全体のモノマー消費に達するまで、重合を続けた。
VDF/HFP/TFEコポリマー(VDF:HFP:TFE=70.6:17.8:11.6モル%)のラテックスであって、ISO13321に従って測定して76nmの平均サイズを有する粒子を含み、38.6質量%の固形分を有するラテックスが得られた。
[実施例6]:TFEおよびメチルビニルエーテル(MVE)の重合
反応器をMVEで8.33バールの圧力に加圧し、TFE(60.5モル%)およびMVE(39.5モル%)の供給ガス混合物で最終的に21バールの設定点の圧力に加圧した以外は、実施例4で詳述した手順と同じ手順に従った。
次いで、反応器に、1,4−ジヨードペルフルオロブタン3.00mlおよびHC=CH−(CF−CH=CH 0.15mlを入れた。
加硫酸アンモニウム(0.18g)を添加し、続いてHC=CH−(CF−CH=CH(2.85ml)を添加することによって、重合を開始させた。
165分後に1500gの全体のモノマー消費に達するまで、重合を続けた。
TFE/MVEコポリマー(TFE:MVE=66.0:34.0モル%)のラテックスであって、ISO13321に従って測定して57.1nmの平均サイズを有する粒子を含み、30.5質量%の固形分を有するラテックスが得られた。
[実施例7(比較)]:TFEおよびMVEの重合
33質量%のアンモニア水溶液51.0質量%、GALDEN(登録商標)D02PFPE 18.0質量%、およびFLUOROLINK(登録商標)7850フッ素化界面活性剤31.0質量%を混合することによって調製した重合媒体35mlを反応器に入れた以外は、実施例6で詳述した手順と同じ手順に従った。ここでは、均一に分散した小滴の平均サイズは、ISO13321に従って測定して10nmであることがわかり、pHを、約8.5に調整した。267分後に1500gの全体モノマー消費に達するまで、重合を続けた。
TFE/MVEコポリマー(TFE:MVE=66.0:34.0モル%)のラテックスであって、ISO13321に従って測定して76nmの平均サイズを有する粒子を含み、32.9質量%の固形分を有するラテックスが得られた。
均一に分散したより小さいナノサイズの(ペル)フルオロエラストマー粒子が、本発明の実施例4および実施例6において、実施例5および実施例7(実施例5および実施例7において、重合媒体は、従来のFLUOROLINK(登録商標)7850フッ素化界面活性剤によって安定化されている)に対してより高い反応速度で得られることがわかった。
さらに、再循環試験により、本発明の実施例4および6で詳述したとおりに調製したラテックスの機械的安定性の向上が、従来のFLUOROLINK(登録商標)7850フッ素化界面活性剤により安定化された重合媒体の存在下の操作により比較実施例5および7で詳述したとおりに調製したラテックスに対して示された(以下の表1を参照)。
Figure 0005744902
[実施例8]:VDFおよびHFPの重合
機械的撹拌機(60rpm)を備えた、21リットルの内容積を有する反応器に、脱塩水13.3リットルおよび実施例1におけるとおりに調製した重合媒体(1)116mlを入れた。反応器を122℃に加熱し、数分間排気した。次いで、反応器をHFPで13.94バールの圧力に加圧し、VDF(78.5モル%)およびHFP(21.5モル%)の供給ガス混合物で最終的に38バールの設定点の圧力に加圧した。
過酸化ジ−tert−ブチル(38.00ml)を添加し、続いて酢酸エチル(37.00ml)を添加することによって重合を開始させた。
594分後に全体モノマー消費が7400gに達するまで、重合を続けた。
VDF/HFPコポリマー(VDF:HFP=21.6:78.4モル%)のラテックスであって、ISO13321に従って測定して、88.9nmの平均サイズを有する粒子を含み、34.5質量%の固形分を有するラテックスが得られた。
[実施例9]:TFE、VDFおよびHFPの重合
機械的撹拌機(545rpm)を備えた、10リットルの内容積を有する反応器に、脱塩水5.5リットルおよび実施例2におけるとおりに調製した重合媒体(2)57mlを入れた。反応器を85℃に加熱し、数分間排気した。次いで、反応器をHFPで8.91バールの圧力に加圧し、TFE(20モル%)、VDF(60モル%)およびHFP(20モル%)の供給ガス混合物で最終的に20バールの設定点の圧力に加圧した。
過硫酸アンモニウム(2.48)を添加し、続いて酢酸エチル(57.00ml)を添加することによって重合を開始させた。
220分後に全モノマー消費が3500gに達するまで、重合を続けた。
VDF/HFP/TFEコポリマー(VDF:HFP:TFE=60.3:19.6:20.1モル%)のラテックスであって、ISO13321に従って測定して70.4nmの平均サイズを有する粒子を含み、35.4質量%の固形分を有するラテックスが得られた。
TGA分析により、式(X)(X=NH)を有する化合物が、恐らくは脱炭酸現象によって、ペルフルオロアルカン酸に比べてより揮発性であることが十分に実証された。したがって、この化合物は、同じ(ペル)フルオロエラストマーを含むラテックスから得られる(ペル)フルオロエラストマー組成物中により低レベルのフッ素化界面活性剤(FS)残留物を残すと予想される。
TGA等温スキャンを、式(X)(X=NH)を有する化合物に対して真空下150℃および180℃で行った。このスキャンを、図1に示す。ここでは、横座標で時間(分単位)を示し、もう一方の軸で、初期質量に対する質量%を示す。質量分析と結合したGCによって、環状CH(すなわち、相当する脱炭酸化合物)が、検出された大きく優勢である揮発性物質であることを同定することができた。
熱処理試験を、本発明の実施例8および実施例9において詳述したとおりに調製したラテックスの凝固によって取り出したフルオロエラストマー組成物に対して行った。こうして得られたフルオロエラストマー中の残留フッ素化界面活性剤(FS)の量を、GC分析によって測定した(以下の表2を参照)。
[実施例10(比較例)]:VDFおよびHFPの重合
8.5質量%のNaOH水溶液38.0質量%、GALDEN(登録商標)D02PFPE 18.0質量%、およびFLUOROLINK(登録商標)7800フッ素化界面活性剤44.0質量%を混合することによって調製した重合媒体116mlを反応器に入れた以外は、実施例8で詳述した手順と同じ手順に従った。ここでは、均一に分散した小滴の平均サイズが、ISO13321に従って測定して10nmであることがわかり、pHを、約9.0に調整した。
VDF/HFPコポリマー(VDF:HFP 21.3:78.7モル%)のラテックスであって、ISO13321に従って測定して115.0nmの平均サイズを有する粒子を含み、35.0質量%の固形分を有するラテックスが得られた。
Figure 0005744902
従来のFLUOROLINK(登録商標)7800フッ素化界面活性剤により安定化され重合媒体の存在下での操作によって比較実施例10で詳述したとおりに調製したラテックスの凝固から得られるフルオロエラストマー組成物と比較して、本発明の実施例8で詳述したとおりに調製したラテックスの凝固から得られるフルオロエラストマー組成物は、加熱処理後に、GC分析によって、より低いフッ素化界面活性剤残留物が検出された(上の表2を参照)

Claims (12)

  1. ASTM D−3418−08で測定して5J/g未満の融解熱を有する(ペル)フルオロエラストマーを製造する方法であって、
    (A)水;
    (B)以下の式(I):
    Figure 0005744902
    〔式中:
    − X、XおよびXは、互いに同じであるかまたは異なり、H、F、および、1個または複数個のカテナリーまたは非カテナリー酸素原子を含むかまたは含まない〜C(ペル)フルオロアルキル基から独立に選択され、
    − Rは、二価の過フッ素化C〜C架橋基を表し、
    − Lは、結合または二価の基を表し、
    − Yは、アニオン性官能基、カチオン性官能基、および非イオン性官能基から選択される親水性官能基を表す〕
    を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤[界面活性剤(FS)];および
    (C)界面活性剤(FS)とは異なる少なくとも1種のフッ素化化合物[化合物(F)]
    を含む重合媒体中、少なくとも1種の開始剤の存在下で、少なくとも1種のフッ素化モノマーを重合させる工程を含み、
    前記重合媒体が7未満のpH値を有する、方法。
  2. 前記界面活性剤(FS)の親水性官能基Yが、式:
    Figure 0005744902
    [式中、Xは、水素原子、一価の金属、または、式:−N(R’(式中、R’は、それぞれの出現において同じであるかまたは異なり、水素原子またはC〜C炭化水素基である)のアンモニウム基である]
    のアニオン性官能基から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記界面活性剤(FS)が、以下の式(II):
    Figure 0005744902
    (式中、X、X、X、R、およびYは、請求項1におけるものと同じ意味を有する)
    に従う、請求項1に記載の方法。
  4. 前記界面活性剤(FS)が、以下の式(VIII):
    Figure 0005744902
    [式中、Rは、請求項1におけるものと同じ意味を有し、Xは、請求項2におけるものと同じ意味を有し、X およびX は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)であり、R は、二価のフッ素化基であり、kは、1〜3の整数である]
    に従う、請求項1に記載の方法。
  5. 前記界面活性剤(FS)が、以下の式(IX):
    Figure 0005744902
    [式中、Rは、請求項1におけるものと同じ意味を有し、Xは、請求項2におけるものと同じ意味を有し、X およびX は、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、フッ素原子、−R’基または−OR’基(式中、R’は、C〜Cペルフルオロアルキル基である)であり、R は、フッ素原子または−CF基であり、kは、1〜3の整数である]
    に従う、請求項1または4に記載の方法。
  6. 前記化合物(F)が、少なくとも1種の(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖(R)]と、カルボン酸基、リン酸基およびスルホン酸基から選択される少なくとも1種の官能性末端基とを含む官能性(ペル)フルオロポリエーテル(官能性PFPE)である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記化合物(F)が、以下の式(XII):
    −(CFWp1−O−R−(CFWp2−T(XII)
    [式中:
    − Rは、(ペル)フルオロポリオキシアルキレン鎖[鎖(R)]であり;
    − TおよびTは、互いに同じであるかまたは異なり、
    i)カルボン酸基、リン酸基およびスルホン酸基から選択される官能性末端基、および
    ii)フッ素原子、塩素原子、および1個または複数個の塩素原子を含むかまたは含まない〜C(ペル)フルオロアルキル基から選択される非官能性末端基
    から選択され、
    但し、TおよびTの少なくとも一方は、上で定義したとおりの官能性末端基であることを条件とし;
    − WおよびWは、互いに同じであるかまたは異なり、フッ素原子または−CF基を独立に表し;
    − pおよびpは、互いに同じであるかまたは異なり、独立に、1〜3を含む整数であ
    に従う、請求項1または6に記載の方法。
  8. 前記化合物(F)が、以下の式(XIV):
    HOOC−CF−O−(CFn’(CFCFO)m’−CF−COOH(XIV)
    (式中、n’およびm’は、独立に、前記化合物(F)の数平均分子量が、少なくとも1000となる0より大きい整数であり、これらの繰り返し単位は、ペルフルオロポリオキシアルキレン鎖に沿ってほぼ統計的に分布している)
    に従う、請求項1、6、および7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記開始剤が、無機開始剤および過酸化物開始剤から選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記重合媒体が、5未満のpH値を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 以下の式(I):
    Figure 0005744902
    [式中:
    − X、XおよびXは、互いに同じであるかまたは異なり、H、F、および、1個または複数個のカテナリーまたは非カテナリー酸素原子を含むかまたは含まない〜C(ペル)フルオロアルキル基から独立に選択され、
    − Rは、二価の過フッ素化C〜C架橋基を表し、
    − Lは、結合または二価の基を表し、
    − Yは、アニオン性官能基、カチオン性官能基および非イオン性官能基から選択される親水性官能基を表す]
    を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤[界面活性剤(FS)]を0ppmを超えて2000ppm未満含む(ペル)フルオロエラストマー組成物であって、
    前記(ペル)フルオロエラストマーが、ASTM D−3418−08で測定して5J/g未満の融解熱を有する、(ペル)フルオロエラストマー組成物。
  12. 以下の式(I):
    Figure 0005744902
    [式中:
    − X、XおよびXは、互いに同じであるかまたは異なり、H、F、および、1個または複数個のカテナリーまたは非カテナリー酸素原子を含むかまたは含まない〜C(ペル)フルオロアルキル基から独立に選択され、
    − Rは、二価の過フッ素化C〜C架橋基を表し、
    − Lは、結合または二価の基を表し、
    − Yは、アニオン性官能基、カチオン性官能基および非イオン性官能基から選択される親水性官能基を表す]
    を有する少なくとも1種のフッ素化界面活性剤[界面活性剤(FS)]を0ppmを超えて2000ppm未満含む硬化(ペル)フルオロエラストマー組成物であって、
    前記硬化(ペル)フルオロエラストマーが、ASTM D−3418−08で測定して5J/g未満の融解熱を有する、硬化(ペル)フルオロエラストマー組成物。
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