JP5741221B2 - 発光装置および電子機器 - Google Patents
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D={(2πm+φL+φU)/4π}λ・・・(1)
しかも、この上下導通部にはアルミニウム等の金属材料が用いられるため、発光層からの光が上下導通部で反射して混色が生じ、その結果、色域が狭くなってしまうという問題があった。
<A:実施例1>
<A−1:発光装置の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係る発光装置E1の概要を示す模式的な断面図である。発光装置E1は、複数の発光素子U1、U2、U3が第1基板10の面上に配列された構成であるが、図1においては、説明の便宜上、赤色、緑色および青色の各色の発光素子U1、U2、U3が一つずつ例示されている。
本実施形態の発光装置E1は、トップエミッション型であり、発光素子U1、U2、U3にて発生した光は第1基板10とは反対側に向かって進行する。従って、ガラスなどの光透過性を有する板材のほか、セラミックスや金属のシートなど不透明な板材を第1基板10として採用することができる。本実施形態では、第1基板10の厚さを0.5mmとした。
第1基板10には、発光素子U1、U2、U3に給電して発光させるための配線が配置されているが、配線の図示は省略する。また、第1基板10には、発光素子U1、U2、U3に給電するための回路素子薄膜11が配置されている。
発光層(EML)は、正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から形成されている。本実施形態では、有機EL物質は低分子材料であって、白色光を発する。赤色のホスト材料および赤色のドーパント材料、ならびに緑色および青色のホスト材料としては図2に示すものが使用される。さらに、青色のドーパント材料としてはDPAVBi(4,4´−ビス[2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル)が使用される。緑色のドーパント材料としてはキナクリドンが使用される。本実施形態では、発光層(EML)の膜厚を50nmとした。
電子輸送層(ETL)は図2に示すように、Alq3(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)で形成される。本実施形態では、電子輸送層の膜厚を40nmとした。
次に、本実施形態の発光装置E1における光学構造について説明する。本実施形態における発光装置E1は、反射層12から光取り出し側半透明反射層としての対向電極22までの光学的距離を所定値に設定することにより、反射層12から対向電極22に定在波を発生させる共振構造を採用している。
D={(2πm+φL+φU)/4π}λ・・・(3)
次に、本実施形態の実施例2の発光装置について説明する。実施例1で説明した図1の例は、反射層をAl、対向電極をMgAgとした場合の計算結果であるが、反射層としてAl以外の材料を用いた場合でも、同様に可視光領域の光が殆ど得られない膜厚がある。従って、上下導通部330にAl以外の材料を用いた場合でも、上下導通部330から対向電極22までの膜厚を、上記(3)式でm=0の場合の光学構造における赤色のピーク波長が得られる膜厚と、上記(3)式でm=1の場合の光学構造における青色のピーク波長が得られる膜厚との間に設定すれば、可視光領域の光が取り出し難くなり、上下導通部330からの反射光の発生を抑えることができる。
その結果、可視光領域の光が取り出し難くなり、かつ、上下導通部330の反射率がAlよりも低いので、上下導通部330からの反射光の発生をより一層確実に抑えることができる。
次に、本実施形態の実施例3の発光装置について説明する。実施例3では、上下導通部330をCu(銅)、または、Cuを主成分とした合金で形成した。
上下導通部330に、CuまたはCuを主成分とした材料を用いることにより、赤色領域では反射率が高いものの、青色領域の反射率は低く、可視光領域の光が出てこないように設計しやすいという利点がある。
また、上下導通部330に、CuまたはCuを主成分とした材料を用いた場合には、上下導通部330をダマシン法で形成しやすく、Si等を用いる半導体製造ラインで製造することができるという利点がある。
実施例3によれば、可視光領域の光が取り出し難くなり、かつ、上下導通部330の反射率がAlよりも低いので、上下導通部330からの反射光の発生をより一層確実に抑えることができる。しかも、上下導通部330の製造も容易になる。
次に、本実施形態の実施例4の発光装置を図4に基づいて説明する。実施例3では、図4に示すように、上下導通部330と対向電極22の間に絶縁層370を設ける。絶縁層370は、SiO2やSiNで形成する。
上下導通部330と対向電極22の間に絶縁層370を設けることより、上下導通部330からの反射光をより一層確実に防止することができる。
実施例4によれば、可視光領域の光が取り出し難くなり、かつ、上下導通部330を絶縁層370で覆うので、上下導通部330からの反射光の発生をより一層確実に抑えることができる。
次に、本発明に係る発光装置を利用した電子機器について説明する。図5は、上述の実施形態に係る発光装置E1を表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての発光装置E1と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この発光装置E1は有機EL素子を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
Claims (6)
- 赤色発光素子、青色発光素子、および緑色発光素子と、回路素子が形成された基板と、を備えた発光装置であって、
前記赤色発光素子、前記青色発光素子、および前記緑色発光素子の各々は、
前記基板上に形成された光反射層と、
前記光反射層上に形成された透明層と、
前記透明層上に形成された画素電極と、
前記透明層および画素電極上に形成された発光層と、
前記発光層上に形成された対向電極と、
前記回路素子と前記画素電極との導通を図る上下導通部とを備え、
前記光反射層から対向電極間の距離をD、前記光反射層での反射における位相シフトをφL、前記対向電極での反射における位相シフトをφU、前記光反射層と対向電極の間に発生する定在波のピーク波長をλ、2以下の整数をmとしたとき、次の式
D={(2πm+φL+φU)/4π}λ
を満たす光学構造を有し、
前記上下導通部と前記画素電極との界面から前記対向電極までの長さの値が、前記式においてm=0の場合の赤色のピーク波長が得られる距離Dと、前記式においてm=1の場合の青色のピーク波長が得られる距離Dとの間になるように設定されている、
ことを特徴とする発光装置。 - 前記発光層は、前記赤色発光素子、前記緑色発光素子、前記青色発光素子において、同一の膜厚で一体に形成されることを特徴する請求項1に記載の発光装置。
- 前記上下導通部は、Al、Cr、Mo、Ti、TiN、W、Cu、もしくはこれらを主成分とした合金で形成することを特徴する請求項1または2に記載の発光装置
- 前記画素電極は透明導電膜で形成されており、前記赤色発光素子、前記緑色発光素子、前記青色発光素子において前記画素電極の膜厚が同一であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一記載の発光装置。
- 前記上下導通部と前記対向電極との間に絶縁層を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一記載の発光装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか一記載の発光装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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