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JP5632963B2 - 冷凍圧縮機の吸入機構 - Google Patents

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Description

本開示は、密閉冷凍圧縮機全般の吸入管に適用される構造的な機構に関する。この機構は、特に、例えば製氷機などの商用の冷凍システムにおいて使用される密閉圧縮機の吸入管に関する。
家庭用の冷蔵庫に一般的に使用される密閉冷凍圧縮機などの(小型または中型の)密閉冷凍圧縮機は、例えば製氷機などの他の冷凍システムにおいても使用される。そのようなシステムにおいては、冷凍システムのエバポレータの定期的な除霜が、圧縮機の吐出部から出る加熱された気体の形態の冷媒流体そのものによって実行される。
(小型または中型の)冷凍システムにおいては、液体冷媒の不完全な気化ゆえに、吸入システムにおける液体冷媒の戻りが一般的である。この場合、冷凍回路に液体分離装置が設けられない場合、圧縮機が損傷する可能性がある。液体の戻りの最も一般的な原因は、冷凍システムにおける過剰な冷媒負荷、エバポレータの不適切な冷却、および膨張装置の誤った調節である。液体の戻りの現象は、大容量かつ低い蒸発温度の商用の圧縮機においてより顕著である。
一部の圧縮機(図1および図1Aを参照)は、開放吸入を呈しており、すなわちシェル2の壁を貫いて配置された吸入管1が、シェル2の内部へと開いている。この構造においては、吸入管1に達する気体の形態の冷媒流体が、圧縮機の密閉シェル2の内部に進入し、シェル2の内部環境から吸入マフラ3の内部へと引き込まれ、そこから圧縮機の圧縮室の内部へと引き込まれる。
これらの公知の圧縮機においては、吸入音響マフラ3が、吸入管1から上方へと離して密閉シェル2の内部に設けられている。この吸入の機構によれば、気体の形態の冷媒流体を、吸入マフラ3の内部へと引き込まれ、次いで圧縮室の内部へと引き込まれる前に、圧縮機の高温の構成要素との接触ゆえに、シェル2の内部に存在しているときに加熱することができる。シェル2の内部における冷媒流体の加熱は、容積ポンプ能力が低下し、したがって圧縮機のエネルギ効率が低下するという不都合を呈する。この構造の例が、特開2008−267365号公報に示されており、吸入管1の出口ノズル1aを通ってシェル2の内部に進入した流れが、吸入管1の出口ノズル1aから離して配置された吸入マフラ3の入口管5の入口ノズル4に達する前に、ヘッドによってそらされる。
吸入管1によって圧縮機へと戻る気体の形態の冷媒流体が、密閉シェル2の内部に進入することなく吸入マフラ3の内部へと完全に案内される直接吸入圧縮機(図1Bを参照)も知られている。この形式の吸入の構成においては、冷媒流体が、開放吸入の構成の圧縮機の高温の構成部品に曝されることなく、吸入管1および吸入マフラ3を通って圧縮室へと引き込まれ、したがってより高い圧縮機のエネルギ効率がもたらされる。
しかしながら、直接吸入の構成(図1B)は、液体の状態の冷媒流体が圧縮機の圧縮室に進入する恐れがない用途にしか使用することができない。
それでもなお、製氷機に使用される冷凍システムなどの特定の冷凍システムにおいては、エバポレータの領域に蓄積する氷を除去するための除霜作業を、圧縮機の動作によって定期的に実行しなければならない。この種の除霜作業においては、圧縮機によって圧縮および加熱された気体の冷媒が、従来からの冷凍サイクルの通常の動作の最中のように凝縮器の入口へと案内されるのではなく、エバポレータの入口へと案内されるように、冷凍システムの冷媒流体の回路において反転が行なわれる。
冷凍システムのサイクルの反転が行なわれる除霜作業において、冷媒流体がエバポレータにおいて少なくとも部分的に凝縮して液相へと変化し、圧縮機へと戻される。冷凍システムは、所望の程度の除霜が達成されるまで、特定の時間期間にわたって反転したサイクルでの動作を続ける。ひとたび除霜が達成されると、冷凍システムは、圧縮機によって圧縮された気相の冷媒流体が凝縮器の入口へと案内される従来からの方法で動作する。
除霜動作の際にエバポレータを出て圧縮機へと戻る液相の冷媒流体を、圧縮機のシリンダによって圧縮されて高い内圧を引き起こし、結果としてバルブ、ガスケット、および圧縮機の他の部品を傷めることがないように、通常の吸入経路からそらさなければならない。したがって、これらの用途においては、直接吸入を使用することが不可能である。
液体の冷媒流体の吸入チャンバへの進入を防止するために、いくつかの圧縮機の構成(特に商用であり、動作の最中に液体の戻りを免れない圧縮機の構成)においては、冷媒流体の入口ノズル4を備える吸入マフラ3が、圧縮機のシェル2の内部へと開いた吸入管1の出口ノズル1aから離されている。
特開2005−133707号公報に提示の技術的解決策においては、吸入音響マフラが、吸入管の内側端から離して設けられた冷媒流体導入管を備えている。導入管は、吸入管の内側端に実質的に位置合わせされた冷媒流体入口ノズルを備えており、この冷媒流体入口ノズルが、吸入管を通じて受け取られる気体の冷媒流体をより良好に導入するように定められたデフレクタを取り入れるように構成されている。それでもなお、吸入の際に、吸入管の内側端と吸入音響マフラの導入管の入口ノズルとの間の間隔が、油または液相の冷媒流体が圧縮機の内部へとさらに引き込まれて圧縮機を傷めることを防止するためには、充分でない。
製氷機または液体の冷媒流体が圧縮室へと戻る恐れが存在する他の用途に使用される多くの密閉圧縮機の構成(図1を参照)においては、吸入管1が、開放吸入の構成に従って、吸入マフラ3の気体の冷媒の入口ノズル4から離して、通常はシェル2の内部において互いに反対に設けられる。この形式の取り付けの構成においては、液体の冷媒流体が圧縮室の内部へと戻る恐れがなくなるが、冷媒流体が吸入マフラ3の内部へと引き込まれ、そこから圧縮室の内部へと引き込まれる前に、密閉シェル2の内部に導入されるため、冷媒流体が加熱されるがゆえの圧縮機のエネルギ効率の低下が避けられない。
液体の冷媒流体(あるいは、油も)が吸入マフラへと戻る恐れを、冷媒流体を密閉シェルの内部における望ましくない加熱に曝すことなく最小化または抑制することを目的とするいくつかの吸入の構成も、技術的に公知である。そのような構成の例が、特開2007−255245号公報に見て取ることができる。
特開2007−255245号公報に提示の技術的解決策においては、吸入管が、圧縮機のシェルの内部に位置する延長部を備えており、この延長部が、吸入管と同じ高さに位置し、液体の冷媒流体を一時的に溜め、偶然にて吸入の流れへと流出させる下部と、吸入管よりも高い位置にあり、気体の冷媒流体だけを導き、吸入マフラの入口ノズルに対して軸方向に離れて位置する出口ノズルを有している上部とによって形成されている。ノズルが、吸入管を通って受け取られる気体の冷媒流体をより良好に導入するように定められたデフレクタを備えている。吸入マフラの入口ノズルの軸が、吸入管の内部延長部の上部の出口ノズルの軸と同一平面にあるが、吸入マフラの入口ノズルが、スペースの理由および内部延長部の上部に液体の冷媒が到達しても吸入マフラへと供給されることがないようにするという理由で、吸入管の内部延長部の上部の出口ノズルの軸とほぼ直角の二面角を形成しているということゆえ、デフレクタを設けることが望ましいことに留意されたい。
この上述の技術的解決策においては、半直接の吸入が存在し、それによれば、液体溜めに偶然にも到達する液体の流体が、液体を圧縮室へと導くことなくシェルの内部へと排出することができる弁要素(溜まった液体の圧力のもとで開く関節式カバーなど)を作動させることができる所定の量に達するまで、流体溜めに貯留される。
特開2005−133707号公報 特開2007−255245号公報
上述したこれまでの技術的解決策は、圧縮機の圧縮室への液体の冷媒流体の進入を最小化または軽減するが、実行するには複雑かつ面倒であり、通常は2つの別個の出口を有する追加の部品の形態にて、吸入管の構造に変更を加えることを必要とする。
上述の不便および公知の構造的な解決策の他の不都合に応じて、本開示の目的の1つは、吸入マフラを密閉シェルの内部に取り付けて有する形式の冷凍圧縮機に、通常の冷凍動作において圧縮機によって引き込まれる気相の冷媒流体を密閉シェルの内部において圧縮機のエネルギ効率を損ないかねない望ましくない加熱に曝すことなく、圧縮機の圧縮室への液相の冷媒流体の進入を最小化または阻止する吸入機構をもたらすことにある。
本開示の他の目的は、コストの削減をもたらし、圧縮機の内部に追加の部品を設ける必要がない吸入機構を提供することにある。
本開示の吸入機構は、吸入管を保持しており、該吸入管の出口ノズルが内部へと開いており、該出口ノズルを通って気相および液相の少なくとも一方を含む冷媒流体の流れが内部へと吐き出される密閉シェルと、シェルの内部に取り付けられ、バルブプレートによって閉じられた端部を有する圧縮室を定めているシリンダブロックと、シリンダブロックへと取り付けられ、吸入管へと向けられた入口ノズルを備える導入管と、バルブプレートを介して圧縮室に連通した状態に保たれる端部ノズルを有する冷媒流体の出口管とを外部に備えている吸入マフラとを備える形式の冷凍圧縮機に適用可能である。
本開示の機構においては、導入管の入口ノズルを、吸入管の出口ノズルの輪郭の軸方向の投影に近接して該軸方向の投影の外側に設け、出口ノズルと入口ノズルとの間に位置するシェルの領域へと向けることができる。入口ノズルが、入口ノズルの内部の負圧またはシェルの内部における流れの偏向の少なくとも一方の状態のもとで、冷媒流体の流れに存在しうる気相を受け入れることができる一方で、冷媒流体の流れに存在しうる液相は、入口ノズルの外部のシェルの領域へと導かれる。
本開示の特定の態様においては、導入管の入口ノズルが、吸入管の出口ノズルの輪郭の軸方向の投影の外側に配置され、この軸方向の投影の軸に直交する方向に従って、入口ノズルの前方に位置するこの軸方向の投影の領域へと向けられる。
本開示の別の態様においては、導入管の入口ノズルが、吸入管の出口ノズルの輪郭の軸方向の投影の軸に対して傾けられた方向に、出口ノズルと入口ノズルとの間に定められる冷媒流体の流れが進入するシェルの内部領域へと向けられる。
さらに本開示の別の態様においては、導入管の入口ノズルが、吸入管の出口ノズルの輪郭の軸方向の投影の軸に平行な方向に従って向けられる。
さらに本開示の別の態様によれば、この吸入機構が、シェルの内部に導入管の入口ノズルに隣接して設けられ、吸入管の出口ノズルに面していて、冷媒流体の流れを妨げるように構成された偏向手段を備える。偏向手段が、冷媒流体の流れに存在しうる液相をシェルの内部へとそらし、存在しうる冷媒流体の気相を導入管の入口ノズルへとそらす。特定の態様においては、偏向手段が、シェル、シリンダブロック、および吸入マフラの部品のうちの1つによって保持される。本開示の別の特定の態様によれば、偏向手段を、シリンダブロックの部品ならびにシリンダブロックおよびシェルのいずれかの部品によって保持された偏向フランジの少なくとも1つによって定めることができる。特定の構成上の変種においては、偏向手段を、導入管の入口ノズルの領域において導入管から外方向にアーチ形に突き出し、吸入管の出口ノズルに隣接してこの出口ノズルに面し、この出口ノズルから冷媒流体の流れを受け取り、存在しうる気相を非降下の湾曲した経路にて導入管の入口ノズルへと導き、存在しうる液相を重力によって導入管の外へとシェルの内部に案内するように構成された偏向フランジによって定めることができる。
本明細書において説明される図面は、考えられるすべての実施例ではなく、いくつかの選択された実施の形態だけを説明する目的のためのものであり、本開示の技術的範囲を限定しようとするものではない。
先行技術の吸入マフラを備える圧縮機の概略図である。 先行技術の吸入マフラを備える圧縮機の概略図である。 先行技術の吸入マフラを備える圧縮機の概略図である。 本開示の原理による吸入音響マフラを備える圧縮機の概略図である。 本開示の原理による吸入マフラを備える圧縮機の部分断面図である。 図2の圧縮機の吸入口に対して第1の位置にある図2の吸入マフラの入口ノズルの概略図である。 図2の圧縮機の吸入口に対して第2の位置にある図2の吸入マフラの入口ノズルの概略図である。 図2の圧縮機の吸入口に対して第3の位置にある図2の吸入マフラの入口ノズルの概略図である。 本開示の原理による吸入マフラの斜視図である。 圧縮機に組み込まれた図3の吸入マフラの一部分の斜視図であり、圧縮機の吸入口に対する吸入マフラの入口の位置を示している。 本開示の原理による吸入マフラの斜視図である。 圧縮機に組み込まれた図4の吸入マフラの一部分の斜視図であり、圧縮機の吸入口に対する吸入マフラの入口の位置を示している。
添付の図1C〜図4Aに示されるとおり、本開示は、密閉シェル10と、シェル10の内部に取り付けられ、往復ピストン12を収容する圧縮室CCを定めており、圧縮室CCの端部がバルブプレート13およびヘッド14によって閉じられているシリンダブロック11と、シリンダブロック11に取り付けられた吸入マフラ20とを備えており、吸入マフラ20が、入口ノズル22が設けられた導入管21と、端部ノズル24をバルブプレート13を介して圧縮室CCに連通させて有している冷媒流体用の出口管23とを外部に備えている形式の冷凍システム用圧縮機のための吸入機構を提供する。図示の構成においては、出口管23が、バルブプレート13を介してシリンダブロック2へと取り付けられたヘッド14に取り付けられ、ヘッド14には、少なくとも1つの排出チャンバ(図示せず)が定められている。
シェル10が、シェル10の内部へと開いた出口ノズル15aを備える吸入管15を保持しており、冷凍システムの動作状況に応じて気相だけ、液相だけ、あるいは液相および気相の両方を含むことができる冷媒流体の流れが、吸入管15を通ってシェル10の内部に進入する。
図示の構成においては、出口ノズル15aが、圧縮機のシェル10の開口として定められているが、シェル1の内部を通って延びる吸入管15を設けてもよい。吸入管15は、通常は、圧縮機を備える冷凍システム(図示せず)の回路へと取り付けられる。
吸入マフラ20が、導入管21および出口管23が設けられたおおむね2部品からなる中空体を備えることができる。
いくつかの圧縮機の構成においては、吸入マフラ20の本体を、吸入管15の出口ノズル15aよりも下方に配置することができる。この場合、吸入マフラ20に進入した冷媒流体は、最初に吸入マフラ20の中空体の内部へと下方に案内され、その後に出口管23へと導かれ、そこから圧縮室CCへと導かれる。
本開示が、本明細書に示される形式の吸入マフラ20の構成に限られないことを、理解すべきである。本開示は、冷媒流体を吸入管15の出口ノズル15aの軸に平行に進入させ、あるいは吸入管15の出口ノズル15aの軸よりも上方において進入させる吸入マフラにも適用可能である。
本開示の吸入の機構によれば、導入管21の入口ノズル22が、吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影に近接して、しかしながらそのような投影の外側に設けられ、出口ノズル15aと入口ノズル22との間に位置するシェル10の領域に向けられている。入口ノズル22は、入口ノズル22の内部が負圧である状況またはシェル10の内部で流れがそらされる状況の少なくとも一方において、流れのうちの気相を進入させることができる。
本開示によれば、冷媒流体の流れがシェル10の内部スペースのうちの特定の広がりを移動するようにし、導入管21の入口ノズル22の負圧の状態によって定められる手段およびシェル10の内部に配置されたデフレクタ25(例えば、シリンダブロック11によって保持できる)によって定められる手段の一方または両方によって、流れのうちの気相を導入管21の入口ノズル22の内部へとそらすことができるよう、導入管21の入口ノズル22を、吸入管15の出口ノズル15aからいくらか離して配置することができる。入口ノズル22の内部への気相の案内が、入口ノズル22の内部に存在する負圧によってのみ達成される場合、吸入管15の出口ノズル15aを通ってシェル10の内部に進入した気相の流れは、導入管21の入口ノズル22によって気相の流れへと加えられる吸引によって、出口ノズル15aを離れると自身の経路からそらされる。
図2Aに示した本開示の吸入機構の第1の構成によれば、導入管21の入口ノズル22が、シェル10の内部に取り付けられ、実質的に水平かつ吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影の軸Xに直交する方向Aに従って向けられ、すなわち導入管21の入口ノズル22の前方にもたらされた吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影の領域へと向けられている。
本開示の吸入機構のこの構成の特定の態様においては、導入管21の入口ノズル22が、冷媒流体の流れの輪郭に実質的に接する輪郭を有している。
本開示の機構の第1の構成の利点は、図2Aに示されるように導入管21を出口ノズル15aから特定の距離に配置することによって、導入管21の入口ノズル22の内部への冷媒流体の流れうちの液相の吸入について、約80%という大きな減少を最初に得ることができる点にある。この配置は、冷媒流体の流れのうちの気相を、半直接吸入によって導入管21の入口ノズル22へと進入させることができる。この取り付けの状況において、冷媒流体のうちの気相は、導入管21の入口ノズル22の内部に存在する負圧および/または前述されるデフレクタの助けによって、導入管21の入口ノズル22の内部へとそらされる。
高効率の商用の圧縮機において、冷媒流体の流れのうちの気相を導入管21の入口ノズル22へと案内することで、液相の吸入マフラ20への進入の恐れなく圧縮機の能力を高めるために、デフレクタ25(図3)を使用することができる。デフレクタ25を、冷媒流体の流れのうちの気相を入口ノズル22の内部へとそらすが、液相は吸入マフラ20へと進入させないように、シェル10の内部の圧縮機の構成部品または入口ノズル22の領域に取り付けられる追加の構成部品によって定めることができる。デフレクタ25は、冷媒流体の流れを導入管21の入口ノズル22の外部のシェル10の内部領域へと案内することが可能であってもよい。
図2Bに示した本開示の吸入機構の第2の構成によれば、導入管21の入口ノズル22が、吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影の軸Xに対して傾けられた方向Bに従って、冷媒流体の流れを進入させるための出口ノズル15aと入口ノズル22との間に定められるシェル10の内部領域へと向けられている。
本開示のこの第2の吸入機構の第1の特定の構成においては、導入管21の入口ノズル22が、図2Bに示されるとおり、吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影に実質的に接する輪郭を有している。
図には具体的には示されていないが、冷媒流体の流れの輪郭が吸入管15の出口ノズル15aの軸方向の投影の輪郭の限界を半径方向に外挿する状況において、導入管21の入口ノズル22が、冷媒流体の流れの輪郭に実質的に接する輪郭を有してもよいことを、理解すべきである。
上述の第2の構成は、導入管21の入口ノズル22によって引き込まれる気相の冷媒流体の量を増やし、結果として圧縮機の効率が向上するという利点を有する。
他方で、入口ノズル22をシェル10に進入した冷媒流体の流れに対して配置することは、液相が導入管21の入口ノズル22の内部に進入する恐れを減らすために、冷媒流体の流れの輪郭に対して入口ノズル22をより大きく離すことを必要とする。しかしながら、この恐れの軽減は、吸入管15を通ってシェル10の内部へと放出される気相の冷媒流体の流れの導入の効率の低下につながる。
気相の導入の効率を低下させることなく吸入マフラ20への液相の進入の恐れを最小化するために、取り付けの機構の第1の構成(図2A)に関してすでに説明したように、デフレクタ25を使用することが可能である。
図2Cに示される本開示の吸入機構の第3の構成によれば、導入管21の入口ノズル22が、吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影の軸Xに実質的に平行な方向Cに従って向けられている。
本開示の第3の構成(図2C)を実行する第1の特定の方法においては、導入管21の入口ノズル22が、吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影に実質的に接する輪郭を有する。
図には具体的には示されていないが、本開示の吸入機構の第3の構成において、冷媒流体の流れの輪郭が吸入管15の出口ノズル15aの軸方向の投影の輪郭の限界を半径方向に外挿する状況において、導入管21の入口ノズル22が、冷媒流体の流れの輪郭に実質的に接する輪郭を有してもよいことを、理解すべきである。
第3の構造的配置を、図2Aおよび図2Bに示した構成と比べてシェル10の内部に充分なスペースが存在しない場合、ならびに/あるいは他の構成部品をデフレクタとして使用する可能性が存在しない場合に、使用することができる。
低容量の圧縮機にとっては、この第3の技術的解決策が適切であり、導入管21の入口ノズル22による液相の冷媒流体の流れの吸入を避けるために充分である。しかしながら、大容量の圧縮機においては、効率が損なわれる可能性がある。
冷媒流体の流れが、出口ノズル15aを通過した後に、導入管21の入口ノズル22に達するまでに特定の分散を呈する可能性があるため、軸方向の投影の輪郭に対して入口ノズル22が接するという条件が、冷媒流体の流れの輪郭に対する入口ノズル22のセカント(secant)条件において、導入管21の入口ノズル22と吸入管15の出口ノズル15aとの間の所定の距離をもたらすことができることを、理解すべきである。
上述および図2A、図2B、および図2Cに典型的に示した構成上の選択肢において、導入管21の入口ノズル22を、吸入管15の出口ノズル15aの輪郭の軸方向の投影の周囲の種々の位置に配置できることを、理解すべきである。
吸入管15の出口ノズル15aに対する導入管21の入口ノズル22の位置(距離、横ずれ)を、吸入マフラ20の取り付けに利用することができる圧縮機のシェル10の内部スペース、圧縮機の設計の特徴、および組み合わせられる冷凍システムに応じて定めることができる。
さらに、本開示の技術的解決策は、液相の冷媒流体の流れの少なくとも大部分が、圧縮機の動作に有害となりうる量を導入管21の入口ノズル22に進入させることなく、導入管21の入口ノズル22の領域を通過するよう、導入管21の入口ノズル22と吸入管15の出口ノズル15aとの間のミスアライメントを提供することができる。
本開示を実行する方法のうちの1つにおいては、圧縮機の動作の最中の吸入サイクルに起因して吸入マフラ20の内圧がシェル10の内部の圧力よりも低くなるため、気相の冷媒流体の流れを、圧縮機の吸入サイクルの際のシェル10の内部と吸入マフラ20の内部との間の圧力の相違によって引き起こされる低下に起因して、吸入マフラ20の内部へと案内することができる。圧力の低下により、吸入マフラが、気相の冷媒流体の流れの吸入を促進する。冷媒流体の流れから気体を引き込む低い圧力は、導入管21の入口ノズル22の配置と相俟って、吸入管15の出口ノズル15aからシェル10の内部へと進入するときに高い速度の冷媒流体の流れの液相を引き込むためには不充分である。吸入マフラ20の内部の負圧は、気相の冷媒流体の流れのための非物理的な偏向手段として機能する。この場合に、冷媒流体の流れの液相は、例えば重力および/または慣性によって、その速度が低下するにつれてシェル10の内部へと案内される。液相が圧縮機にとって有害となりうる量にて導入管21の入口ノズル22へと進入することを防止するために、デフレクタを流れに対して作用して液相の経路を変更するように設ける必要は必ずしもない。
本開示のこの態様を実行する方法において、導入管21の入口ノズル22を、冷媒流体の流れのうちの液相がこの冷媒流体の流れの速度の喪失によって変化する経路を有するように、吸入管15の出口ノズル15aから所定の距離に配置することができる。
本開示の他の特定の態様によれば、冷媒流体の流れのうちの液相が、シェル10の内部環境においてシェル1の内部に設けられたデフレクタ25によって中断される経路を有する。デフレクタ25を、導入管21の入口ノズル22の付近に、吸入管15の出口ノズル15aに面するように配置でき、吸入管15の出口ノズル15aから冷媒流体の流れを受け取り、冷媒流体の液相の経路を妨げて、存在しうる液相をシェル10の内部へと重力によって案内するように構成することができる。デフレクタ25を、冷媒流体の流れの気相および液相の間の分離手段として負圧および導入管21の入口ノズル22と吸入管15の出口ノズル15aとの間の相対配置だけを用いることが不可能である場合に、使用することができる。
デフレクタ25を、シェル10、シリンダブロック11、および吸入マフラ20の部品のうちの1つによって保持することができ、例えば吸入マフラ20または圧縮機の構成要素によって定めることができる。特に、デフレクタ25を、シェル10の隣接および直面の内壁部分として定めることができる。
本開示を実行する方法において、デフレクタ25を、おおむねバルブプレート13に対して据えられ、シリンダブロック11内の圧縮室CCに流体連通した圧縮機の吸入チャンバおよび排出チャンバ(図示せず)の少なくとも一方を定めるヘッド14など、圧縮機のシリンダブロック11によって定めることができる。
デフレクタ25を、冷媒流体の流れの液相がデフレクタ25によって受けられ、慣性および/または重力によってシェル10の内部へと向けられるように、吸入マフラ20の入口の近くに、吸入マフラ20に隣接して、導入管21の入口ノズル22に対して配置することができる。
デフレクタ25を、シリンダブロック11の部品のうちの少なくとも1つと、シリンダブロック11およびシェル10のいずれかの部品によって保持される偏向フランジとによって定めることができ、あるいは吸入管15の出口ノズル15aに隣接および対面するように入口ノズル22の領域において導入管22から外へとアーチ形に突き出した偏向フランジ25a(図3および図3A)によって定めることもできる。デフレクタ25は、吸入管15の出口ノズル15aから冷媒流体の流れを受け取り、その気相を非下降の湾曲した経路にて導入管21の入口ノズル22へと導き、液相が存在するのであれば重力および/または慣性によって導入管21から外へとシェル10の内部に導くように構成される。
図3および図3Aが、冷媒流体の流れのうちの気相(普通の矢印)を入口ノズル22へと吸い込ませることができる一方で、存在しうる液相(点線の矢印)の経路を遮ってそらし、重力および/または慣性によってシェル10の中へと案内できるように配置された偏向フランジ25aに衝突する冷媒流体の流れを概略的に示している。
本開示の偏向フランジ25aは、吸入管15の出口ノズル15aを通ってシェル10の内部に進入した冷媒流体の流れを直接受け取り、液相の冷媒流体について邪魔板として機能し、偏向フランジ25aに到達した後の液相の冷媒流体は、偏向フランジ25aから重力および/または慣性によって流れ、シェル10の底部に向かってシェル10の内部へと凝結して降下する。
本開示の実行する1つの方法によれば、添付の図面に示されているように、導入管21の入口ノズル22が、吸入管15の出口ノズル15aの断面積に少なくとも等しい面積を有する断面を入口ノズル22にもたらすために、導入管11の軸に実質的に平行かつ導入管の輪郭を割る平面に含まれる1対の側縁26および上縁27を呈する。
導入管21の図示の入口ノズル22は、吸入管15の出口ノズル15aの軸Xに実質的に平行な平面に含まれる1対の側縁26および上縁27を呈する。この平面は、導入管21の軸と、吸入管15の出口ノズル15aの断面積に少なくとも等しい面積を有する断面を導入管21の入口ノズル22へともたらすように定められる一定の距離を維持する。
偏向フランジ25aは、導入管21の入口ノズル22の1対の側縁26のうちの一方に一体に取り入れられてもよく、例えばこの側縁の全長を占めることができる。偏向フランジ25aは、直線的かつ導入管21の入口ノズル22の両側縁26を含む平面と同一平面にあってもよく、吸入管15へと向けられ、吸入管15によって導入される冷媒流体の流れを受け取る偏向フランジ25aの面に到達する液体の下方への流れを促進するために、この平面に対してわずかに傾いていてもよい。
本開示の好ましい形態によれば、導入管21の入口ノズル22を通って進入する際の冷媒流体の流れの気相に付与される湾曲した経路が、ただ1つの方向を呈する。図示の構成においては、気相の冷媒流体が、吸入管15の出口ノズル15aと導入管21の入口ノズル22との間の実質的に水平方向に湾曲した経路に従い、次いで気相の冷媒流体は、導入管21の入口ノズル22への進入の方向に対して直角になり、図示の構成においては鉛直下方に傾けられるような経路の方向の変化を、吸入によって強いられる。
しかしながら、吸入管15の出口ノズル15aに対する入口ノズル22または導入管21の配置によって、吸入管15によって導入される冷媒流体の流れの導入の平面と同じ平面内で気相の冷媒流体の経路に2回以上の方向変化を生じさせることができ、あるいはこの冷媒流体の流れにらせん状の経路を定めることができる他の技術的解決策も、本明細書に提示の考え方の範囲内において可能であることを、理解すべきである。
本開示によれば、偏向フランジ25aが、導入管21の軸方向において、同じ方向における導入管21の入口ノズル22および吸入管15の出口ノズル15aの断面の寸法に少なくとも等しい寸法を呈する。
本開示の特定の態様によれば、偏向フランジ25aが、導入管21の輪郭から半径方向外側へと突き出し、渦巻き部分を定める。
図3の図によれば、導入管21が、本開示を実行する1つの方法において、入口ノズル22に隣接しており、出口管23に実質的に平行である第1の部位と、第1の部位よりも下方に位置し、第1の部位に対して斜めに配置されて吸入マフラ20の中空体へと延びている第2の部位とを呈することができる。1つの構成においては、位置が、導入管21の入口ノズル22と吸入管15の出口ノズル15aとの間に所望の間隔を定めるように計算される。
図示はされていないが、偏向フランジ25aを、渦巻きが冷媒流体の液相を遮ってそらすという機能を維持しつつ、導入される気体についてより大きな経路の広がりまたはより小さな経路の広がりを定めるように、寸法付けることができる。
上述の構成において、圧縮機に高い効率をもたらす半直接の吸入をもたらす所定の距離を、吸入管15の出口ノズル15aと導入管21の入口ノズル22との間に維持することができる。デフレクタの使用が、冷媒流体の液相を吸入マフラ20の導入管21の入口ノズル22の領域を過ぎて良好に導くため、機構の効率を最適化する。デフレクタは、ヘッド11であってもよく、あるいは吸入管15の出口ノズル15aに隣接する圧縮機の他の部品に位置することができる。

Claims (3)

  1. 吸入管(15)を保持しており、該吸入管の出口ノズル(15a)が内部へと開いており、該出口ノズル(15a)を通って気相および液相の少なくとも一方を含む冷媒流体の流れが内部へと吐き出される密閉シェル(10)と、
    シェル(10)の内部に取り付けられ、バルブプレート(13)とヘッド(14)とによって閉じられた端部を有する圧縮室(CC)を定めているシリンダブロック(11)と、
    シリンダブロック(11)へと取り付けられ、吸入管(15)へと向けられた入口ノズル(22)を備える導入管(21)と、圧縮室(CC)に連通した出口管(23)とを外部に備えている吸入マフラ(20)とを備える形式の冷凍圧縮機の吸入機構であって、
    導入管(21)の入口ノズル(22)が、吸入管(15)の出口ノズル(15a)の輪郭の軸方向の投影に近接して該軸方向の投影の外側に設けられているとともに出口ノズル(15a)の輪郭の軸方向の投影の軸に直交し、入口ノズル(22)の前方に位置する該軸方向の投影の領域に向かう方向(A)と、吸入管(15)の出口ノズル(15a)の輪郭の軸方向の投影の軸(X)に対して傾斜し、出口ノズル(15a)と入口ノズル(22)との間に画定される冷媒流体の流れが入るシェル(10)の内部領域に向かう方向(B)とのいずれか一方に向けられており、
    入口ノズル(22)が、冷媒流体の流れに存在しうる気相を、入口ノズル(22)の内部の負圧の状態のもとで受け入れる一方で、冷媒流体の流れに存在しうる液相は、入口ノズル(22)の外部のシェル(10)の領域へと導かれることを特徴とする、前記吸入機構。
  2. 導入管(21)の入口ノズル(22)が、冷媒流体の流れの輪郭に接する輪郭を有することを特徴とする、請求項に記載の吸入機構。
  3. 導入管(21)の入口ノズル(22)が、吸入管(15)の出口ノズル(15a)の輪郭の軸方向の投影に接する輪郭を有することを特徴とする、請求項に記載の吸入機構。
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