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JP5629389B2 - 中望遠レンズおよび撮像装置 - Google Patents

中望遠レンズおよび撮像装置 Download PDF

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JP5629389B2
JP5629389B2 JP2013544121A JP2013544121A JP5629389B2 JP 5629389 B2 JP5629389 B2 JP 5629389B2 JP 2013544121 A JP2013544121 A JP 2013544121A JP 2013544121 A JP2013544121 A JP 2013544121A JP 5629389 B2 JP5629389 B2 JP 5629389B2
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Description

本発明は、一眼レフカメラ等の撮像装置に適する中望遠レンズに関し、とくに近距離撮影に適した中望遠レンズ、およびこの中望遠レンズを備えた撮像装置に関するものである。
従来より、この種の中望遠レンズとして、特許文献1,2に示すように、物体側から順に第1レンズ群と第2レンズ群とからなり、フォーカス時に第1レンズ群および第2レンズ群の双方を移動させるものが知られている。しかしながら、特許文献1,2に記載された中望遠レンズは、第1レンズ群および第2レンズ群の双方を移動させるフローティング機構を採用しているため、レンズを移動させるための機構が複雑となり、レンズの大型化およびコストの増大を招くこととなる。
一方、特許文献3に示すように、フォーカス時に第1レンズ群のみを移動させるようにした中望遠レンズも知られている。特許文献3に記載の中望遠レンズは、物体側から順に、全体として正の屈折率を有する第1レンズ群と、全体として正の屈折率を有する第2レンズ群とからなり、第1レンズ群は、物体側から順に、より強い正のパワーを物体側の面に有する正の第1−1レンズ、正のパワーを物体側の面に有する正メニスカスレンズからなる第1−2レンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなる第1−3レンズ、絞り、物体側に凹面を向けた負の第1−4レンズと正の第1−5レンズとの接合レンズ、および正の第1−6レンズから構成され、第2レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第2−1レンズ、および正の第2−2レンズから構成され、フォーカシングに際し、第1レンズ群のみが光軸方向に移動するようになっている。
特開平2−81015号公報 特開2004−212692号公報 特開2002−139668号公報
しかしながら、特許文献3に記載された中望遠レンズは、第1−3レンズが単レンズで構成されているため、軸上色収差の補正が困難である。また、第1レンズ群の合成焦点距離が長く、また第1−1レンズから第1−3レンズまでの合成焦点距離が長いため、光学全長が長くなり、小型化が困難である。さらに、第1−4レンズと第1−5レンズとの接合レンズにおいて、アッベ数差が小さいため、軸上色収差と倍率色収差の補正が困難である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、色収差が少なく、小型化、低コスト化および高性能化が実現可能な中望遠レンズ、および該中望遠レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明による中望遠レンズは、物体側から順に正の屈折力の第1レンズ群と、第2レンズ群とからなり、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1−1レンズ、物体側に凸面を向けた正の第1−2レンズ、物体側に凸面を向けた正の第1−3レンズ、像側に凹面を向けた負の第1−4レンズ、絞り、像側に凹面を向けた負の第1−5レンズ、物体側に凸面を向けた正の第1−6レンズ、および物体側に凸面を向けた正の第1−7レンズから構成され、前記第1−3レンズと前記第1−4レンズとが接合され、前記第1−5レンズと前記第1−6レンズとが接合され、
前記第2レンズ群は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負の第2−1レンズ、および物体側に凸面を向けた正の第2−2レンズを含み、
フォーカシングに際し、前記第1レンズ群のみが光軸方向に移動し、
下記条件式(1)を満足することを特徴とするものである。
1.0<fi/f1<1.3 … (1)
ただし、
fi:物体距離無限遠撮影時の全系の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の合成焦点距離
なお、本発明の中望遠レンズは、第1レンズ群と第2レンズ群とからなるものであるが、2つのレンズ群以外に,実質的にパワーを持たないレンズ、絞りやカバーガラス等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手ぶれ補正機構等の機構部分等を持つものも含むものであってもよい。
また、本発明においては、凸面、凹面、平面、両凹、メニスカス、両凸、平凸および平凹等といったレンズの面形状、正および負といったレンズの屈折力の符号は、非球面が含まれているものについてはとくに断りのない限り近軸領域で考えるものとする。また、本発明においては、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負とすることにする。
また、本発明の中望遠レンズにおいては、前記第2レンズ群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた負の第2−1レンズと、物体側に凸面を向けた正の第2−2レンズと、像側に凸面を向けた正の第2−3レンズとから構成されることが好ましい。
また、本発明の中望遠レンズにおいては、前記第1−7レンズが、少なくとも1面が非球面で構成された非球面レンズであることが好ましい。
上記本発明の中望遠レンズにおいては、下記条件式(2)〜(5)を満足することが好ましい。なお、好ましい態様としては、下記条件式(2)〜(5)のいずれか1つの構成を有するものでもよく、あるいは任意の2つ以上を組み合わせた構成を有するものでもよい。
0.80<fi/f1a<1.5 … (2)
−0.4<fi/f1b<0.4 … (3)
20.0<νd6−νd5<70.0 … (4)
10<νd3−νd4<30 … (5)
ただし、
fi:物体距離無限遠撮影時の全系の焦点距離
1a:前記第1−1レンズから前記第1−4レンズまでの合成焦点距離
f1b:前記第1−5レンズから前記第1−7レンズまでの合成焦点距離
νd5:前記第1−5レンズのd線におけるアッベ数
νd6:前記第1−6レンズのd線におけるアッベ数
νd3:前記第1−3レンズのd線におけるアッベ数
νd4:前記第1−4レンズのd線のおけるアッベ数
1.05<fi/f1<1.25 … (1−1)
1.08<fi/f1<1.25 … (1−2)
1.11<fi/f1<1.25 … (1−3)
1.0<fi/f1a<1.3 … (2−1)
−0.3<fi/f1b<0.3 … (3−1)
25.0<νd6−νd5<60.0 … (4−1)
16<νd3−νd4<30 … (5−1)
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の中望遠レンズを備えたことを特徴とするものである。
本発明の中望遠レンズによれば、第1レンズ群を構成する第1−3レンズと第1−4レンズとが接合され、フォーカスに際して第1レンズ群のみが光軸方向に移動するため、無限遠から近距離まで変化の少ない良好な解像性能を達成できるとともに、レンズの小型化およびフォーカス機構の簡略化を達成することができ、これにより、高性能な中望遠レンズを実現することができる。
本発明の撮像装置によれば、本発明の中望遠レンズを備えているため、小型で安価に構成でき、撮像素子を用いて解像度の高い良好な像を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る中望遠レンズの第1の構成例を示すものであり、数値実施例1に対応するレンズ断面図である。 中望遠レンズの第2の構成例を示すものであり、数値実施例2に対応するレンズ断面図である。 中望遠レンズの第3の構成例を示すものであり、数値実施例3に対応するレンズ断面図である。 中望遠レンズの第4の構成例を示すものであり、数値実施例4に対応するレンズ断面図である。 中望遠レンズの第5の構成例を示すものであり、数値実施例5に対応するレンズ断面図である。 中望遠レンズの第6の構成例を示すものであり、数値実施例6に対応するレンズ断面図である。 実施例1に係る中望遠レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例1に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.2倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例1に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.5倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例2に係る中望遠レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例2に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.2倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例2に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.5倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例3に係る中望遠レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例3に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.2倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例3に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.5倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例4に係る中望遠レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例4に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.2倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例4に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.5倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例5に係る中望遠レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例5に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.2倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例5に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.5倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例6に係る中望遠レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例6に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.2倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 実施例6に係る中望遠レンズの撮影倍率−0.5倍の合焦状態における諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は非点収差、(C)はディストーション、(D)は倍率色収差を示す。 本発明の一実施形態に係る撮像装置としてのミラーレス一眼カメラの一構成例を前側から見た外観図である。 本発明の一実施形態に係る撮像装置としてのミラーレス一眼カメラの一構成例を背面側から見た外観図である。
[レンズ構成]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1(A),(B),(C)は、本発明の一実施形態に係る中望遠レンズの第1の構成例を示している。この構成例は、後述の第1の数値実施例のレンズ構成に対応している。なお、図1(A)は無限遠合焦状態での光学系配置、図1(B)は撮影倍率−0.2倍の合焦状態での光学系配置、図1(C)は撮影倍率−0.5倍の合焦状態での光学系配置に対応している。同様にして、後述の第2〜第6の数値実施例のレンズ構成に対応する第2〜第6の構成例の断面構成を、図2(A),(B),(C)〜図6(A),(B),(C)に示す。図1(A),(B),(C)〜図6(A),(B),(C)において、符号Riは、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。なお符号Diについては、撮影倍率の変化に伴って変化する部分の面間隔(D13)のみ符号を付す。
この中望遠レンズは、光軸Zに沿って物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2とから構成されている。光学的な開口絞りStは第1レンズ群G1に配設されている。
この中望遠レンズは、例えばミラーレス一眼カメラ等の撮影機器に装着可能である。この中望遠レンズを搭載したカメラの結像面(撮像面)には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子100が配置される。撮像素子100は、本実施形態の中望遠レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するものである。少なくとも、この中望遠レンズと撮像素子100とで、本実施形態における撮像装置が構成される。最終レンズ群である第2レンズ群G2と撮像素子100との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、種々の光学部材GCが配置されていてもよい。例えば撮像面保護用のカバーガラスや赤外線カットフィルタ等の平板状の光学部材が配置されていてもよい。なお、図1(A),(B),(C)〜図6(A),(B),(C)には、撮像素子100および光学部材GCも併せて示している。
この中望遠レンズは、第1レンズ群G1を光軸Zに沿って移動させて、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との群間隔を変化させることにより合焦(または撮影倍率の変化)を行うように構成されている。また、フォーカス時には、第1レンズ群G1のみが光軸Zに沿って移動するように構成されている。第2レンズ群G2はフォーカスの際に常時固定されている。
より詳しくは、無限遠合焦状態から撮影倍率−0.2倍、撮影倍率−0.5倍と撮影倍率を変化させるに従い、第1レンズ群L1および開口絞りStは、例えば図1(A)の状態から図1(B)の状態へ、さらに図1(C)の状態へと、図に実線で示した軌跡を描くように移動する。
第1レンズ群G1は、全体として正の屈折力を有している。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1−1レンズL11、物体側に凸面を向けた正の第1−2レンズL12、物体側に凸面を向けた正の第1−3レンズL13、像側に凹面を向けた負の第1−4レンズL14、絞りSt、像側に凹面を向けた負の第1−5レンズL15、物体側に凸面を向けた正の第1−6レンズL16、および物体側に凸面を向けた正の第1−7レンズL17から構成されている。また、第1−3レンズL13と第1−4レンズL14とが接合され、第1−5レンズL15と第1−6レンズL16が接合されている。なお、第1−7レンズは、少なくとも1面が非球面で構成された非球面レンズであることが好ましい。
第2群レンズG2は、全体として正の屈折力を有している。第2レンズ群G2は、図1(A),(B),(C)〜図3(A),(B),(C)に示す構成例のように、物体側から順に、像側に凹面を向けた負の第2−1レンズL21、物体側に凸面を向けた正の第2−2レンズL22、および像側に凸面を向けた正の第2−3レンズL23の3枚のレンズから構成されている。なお、図4(A),(B),(C)〜図6(A),(B),(C)に示す構成例のように、第2レンズ群G2は、物体側から順に像側に凹面を向けた負の第2−1レンズL21、および物体側に凸面を向けた正の第2−2レンズL22の2枚のレンズから構成することも可能である。
次に、本発明の上記実施形態に係る中望遠レンズが有することが好ましい構成について説明する。なお、好ましい態様としては、以下のいずれか1つの構成を有するものでもよく、あるいは任意の2つ以上を組み合わせた構成を有するものでもよい。
第1レンズ群G1の合成焦点距離に関し、下記条件式(1)を満足することが好ましい。
1.0<fi/f1<1.3 … (1)
ただし、
fi:物体距離無限遠撮影時の全系の焦点距離
f1:第1レンズ群G1の合成焦点距離
また、第1レンズ群G1を構成するレンズの合成焦点距離に関し、下記条件式(2)および(3)を満足することが好ましい。
0.80<fi/f1a<1.5 … (2)
−0.4<fi/f1b<0.4 … (3)
ただし、
f1a:第1−1レンズL11から第1−4レンズL14までの合成焦点距離
f1b:第1−5レンズL15から第1−7レンズL17までの合成焦点距離
また、第1−5レンズL15と第1−6レンズL16とのアッベ数差に関し、下記条件式(4)を満足することが好ましい。
20.0<νd6−νd5<70.0 … (4)
ただし、
νd5:第1−5レンズL15のd線におけるアッベ数
νd6:第1−6レンズL16のd線におけるアッベ数
また、第1−3レンズL13と第1−4レンズL14とのアッベ数差に関し、下記条件式(5)を満足することが好ましい。
10<νd3−νd4<30 … (5)
ただし、
νd3:第1−3レンズのd線におけるアッベ数
νd4:第1−4レンズのd線のおけるアッベ数
[撮像装置への適用例]
図25A,図25Bは、本実施形態に係る撮像装置の一例として、ミラーレス一眼カメラを示している。特に図25Aは、このカメラを前側から見た外観を示し、図25Bは、このカメラを背面側から見た外観を示している。このカメラは、カメラ本体10を備え、そのカメラ本体10の上面側には、レリーズボタン32と電源ボタン33とが設けられている。カメラ本体10の背面側には、表示部36と操作部34,35とが設けられている。表示部36は、撮像された画像を表示するためのものである。
カメラ本体10の前面側中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント37が設けられ、マウント37により交換レンズ20がカメラ本体10に装着されるようになっている。交換レンズ20は、鏡筒内にレンズ部材を収納したものである。カメラ本体10内には、交換レンズ20によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD等の撮像素子、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。このカメラでは、レリーズボタン32を押圧操作することにより、1フレーム分の静止画の撮影が行われ、この撮影で得られる画像データがカメラ本体10内の記録媒体(図示せず)に記録される。
このようなミラーレス一眼カメラにおける交換レンズ20として、本実施形態による中望遠レンズを用いることで、高解像の撮像信号が得られる。カメラ本体10側では、その撮像信号に基づいて高解像の画像を生成することができる。
[作用・効果]
次に、上記のように構成された中望遠レンズの作用および効果を説明する。
本実施形態の中望遠レンズによれば、フォーカシングに際し、第1レンズ群G1のみを光軸Zの方向に移動させるようにしたため、特許文献1,2に記載された中望遠レンズのように、第1レンズ群および第2レンズ群の双方を移動させるフローティング機構を採用する必要がなくなるため、フォーカシング時にレンズを移動させるための機構を簡易なものとすることができ、その結果、レンズの小型化および低コスト化が可能となる。
また、第1レンズ群G1を構成する第1−3レンズL13と第1−4レンズL14とが接合されているため、軸上色収差を良好に補正することができ、これにより、無限遠から近距離まで変化の少ない良好な解像性能を達成できる。
また、第2レンズ群G2を、物体側から順に、像側に凹面を向けた負の第2−1レンズL21、物体側に凸面を向けた正の第2−2レンズL22、および像側に凸面を向けた正の第2−3レンズL23から構成しているため、フォーカシング時の像面湾曲変化を低減することができ、これにより、無限遠から近距離まで変化の少ない良好な解像性能を達成することができる。
また、第1−7レンズL17を、少なくとも1面に非球面で構成された非球面レンズとしているため、とくにサジタル方向の像面湾曲を低減することができる。
また、条件式(1)を満足することにより、小型化とフォーカシング時の性能変動を抑えることができる。条件式(1)の下限を下回ると、フォーカシング時の性能変動は抑えることができるが、フォーカシング時の第1レンズ群G1の繰り出し量が増大し、小型化が困難となる。条件式(1)の上限を上回ると、フォーカシング時の第1レンズ群G1の繰り出し量が減少するため小型化には有利だが、フォーカシング時の性能変動が大きくなり、無限遠から近距離まで変化の少ない良好な解像性能を達成することができない。
さらなるレンズの小型化およびフォーカシング時の性能変動の低減化を達成するためには、下記条件式(1−1)を満足することが好ましい。また、下記条件式(1−2)を満足することがより好ましく、下記条件式(1−3)を満足することがさらに好ましい。
1.05<fi/f1<1.25 … (1−1)
1.08<fi/f1<1.25 … (1−2)
1.11<fi/f1<1.25 … (1−3)
また、第1レンズ群G1を構成するレンズの合成焦点距離に関し、下記条件式(2)および(3)を満足することにより、レンズから像面への射出角度を小さくすることができ、シェーディングへの影響を低減すると同時に、小型化を達成することができる。
条件式(2)の下限を下回ると、レンズから像面への射出角度を小さくすることができるが、レンズ全長が長くなり、小型化を達成することが困難となる。条件式(2)の上限を上回ると、レンズ全長が短くなり、小型化には有利だが、レンズから像面への射出角度が大きくなり、シェーディングへの影響が増大する。
条件式(3)の下限を下回ると、レンズ全長が短くなり、小型化には有利だが、レンズから像面への射出角度が大きくなり、シェーディングへの影響が増大する。条件(3)の上限を上回ると、レンズから像面への射出角度を小さくすることができるが、レンズ全長が長くなり、小型化を達成することが困難となる。
さらなるレンズの小型化およびシェーディングへの影響の低減化を達成するためには、下記条件式(2−1)および(3−1)を満足することが好ましい。
1.0<fi/f1a<1.3 … (2−1)
−0.3<fi/f1b<0.3 … (3−1)
第1−5レンズL15と第1−6レンズL16とのアッベ数差に関し、条件式(4)を満足することにより、軸上色収差および倍率色収差を同時に低減することができる。条件式(4)の下限を下回ると、近距離撮影時の倍率色収差を低減することができるが、軸上色収差および無限遠撮影時の倍率色収差が増大する。条件式(4)の上限を上回ると、軸上色収差および無限遠撮影時の倍率色収差を低減できるが、近距離撮影時の倍率色収差が増大する。
さらなる軸上色収差および倍率色収差の補正を可能とするためには、下記条件式(4−1)を満足することが好ましい。
25.0<νd6−νd5<60.0 … (4−1)
また、第1−3レンズL13と第1−4レンズL14とのアッベ数差に関し、条件式(5)を満足することにより、軸上色収差および倍率色収差を同時に低減することができる。条件式(5)の上限を上回ると 軸上色収差および近距離撮影時の倍率色収差を低減できるが、無限遠撮影時の倍率色収差が増大する。条件式(5)の下限を下回ると 無限遠撮影時の倍率色収差を低減できるが、軸上色収差および近距離撮影時の倍率色収差が増大する。
さらなる軸上色収差および倍率色収差の補正を可能とするためには、下記条件式(5−1)を満足することが好ましい。
16<νd3−νd4<30 … (5−1)
次に、本実施形態に係る中望遠レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、複数の数値実施例を部分的にまとめて説明する。
[数値実施例1]
表1〜表3は、図1(A),(B),(C)に示した中望遠レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを示している。表1にはその基本的なレンズデータを示し、表2および表3にはその他のデータを示す。表1に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、実施例1に係る中望遠レンズについて、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目(i=1〜21)の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1(C)において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。Ndiの欄には、物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との間のd線(587.6nm)に対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、物体側からj番目の光学要素のd線に対するアッベ数の値を示す。表1にはまた、諸データとして、無限遠合焦状態における全系の近軸焦点距離f(mm)、Fナンバー(FNO.)および画角(2ω)の値についても示す。
実施例1に係る中望遠レンズは、撮影倍率の変化に伴って第1レンズ群G1および第2レンズ群G2の間隔が変化するため、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2の面間隔D13の値は可変となっている。表2には、面間隔D13の撮影倍率の変化時のデータとして、無限遠合焦状態、撮影倍率−0.2倍の合焦状態および撮影倍率−0.5倍の合焦状態における値を示す。
表1のレンズデータにおいて、面番号の左側に付された記号「*」は、そのレンズ面が非球面形状であることを示す。実施例1に係る中望遠レンズは、第1レンズ群G1を構成する第1−7レンズL17の両面R12,R13が非球面形状となっている。表1の基本レンズデータには、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径の数値を示している。
表3には実施例1に係る中望遠レンズにおける非球面データを示す。非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
実施例1に係る中望遠レンズの非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数An,Kの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Zd=C・Y2/{1+(1−K・C2・Y21/2}+ΣAn・Yn … (A)
(n=3以上の整数)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
Y:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
K:離心率
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
An:第n次の非球面係数
実施例1に係る中望遠レンズの非球面は、上記非球面式(A)に基づき、非球面係数AnについてはA3〜A10までの次数を有効に用いて表している。
[数値実施例2〜6]
以上の数値実施例1と同様にして、図2(A),(B),(C)、図3(A),(B),(C)および図4(A),(B),(C)に示した中望遠レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを数値実施例2,3,4として、表4〜表6、表7〜9および表10〜12にそれぞれ示す。同様にして、図5(A),(B),(C)および図6(A),(B),(C)に示した中望遠レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを数値実施例5,6として、表13〜表14および表15〜表16にそれぞれ示す。
なお、数値実施例2〜4の中望遠レンズは、実施例1に係る中望遠レンズと同様に、第1−7レンズL17の両面R12,R13が非球面形状となっている。一方、数値実施例5,6の中望遠レンズでは、非球面レンズを使用していなため、数値実施例5,6の中望遠レンズにおいては、非球面データは省略している。
また、数値実施例4〜6の中望遠レンズは、第2レンズ群G2が、物体側から順に、像側に凹面を向けた負レンズからなる第2−1レンズL21、および物体側に凸面を向けた正レンズからなる第2−2レンズL22から構成されているため、面番号Siは19までとなっている。
Figure 0005629389
Figure 0005629389
Figure 0005629389
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Figure 0005629389
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Figure 0005629389
Figure 0005629389
Figure 0005629389
[各実施例のその他の数値データ]
表17には、上述の各条件式に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。表17から分かるように、条件式(1)〜(5)については、各実施例の値がその数値範囲内となっている。
Figure 0005629389
[収差性能]
図7(A)〜(D)はそれぞれ、数値実施例1に係る中望遠レンズにおける無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)および倍率色収差を示している。図8(A)〜(D)は撮影倍率−0.2倍の合焦状態における同様の各収差を示し、図9(A)〜(D)は、撮影倍率−0.5倍の合焦状態における同様の各収差を示している。各収差図には、d線(587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図および倍率色収差図には、波長460nm、波長615nmについての収差も示す。非点収差図において、実線はサジタル方向、破線はタンジェンシャル方向の収差を示す。FNO.はF値、ωは半画角を示す。
同様に、数値実施例2に係る中望遠レンズについての諸収差を図10(A)〜(D)(無限遠)、図11(A)〜(D)(撮影倍率−0.2倍)および図12(A)〜(D)(撮影倍率−0.5倍)に示す。同様にして、数値実施例3〜6に係る中望遠レンズについての諸収差を図13〜図24の(A)〜(D)に示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、各撮影倍率域で諸収差が良好に補正され、近距離撮影を可能にしながら、全体的に小型化の図られた中望遠レンズが実現できている。
なお、本発明は、上記実施形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値等は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。

Claims (13)

  1. 物体側から順に正の屈折力の第1レンズ群と、第2レンズ群とからなり、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の第1−1レンズ、物体側に凸面を向けた正の第1−2レンズ、物体側に凸面を向けた正の第1−3レンズ、像側に凹面を向けた負の第1−4レンズ、絞り、像側に凹面を向けた負の第1−5レンズ、物体側に凸面を向けた正の第1−6レンズ、および物体側に凸面を向けた正の第1−7レンズから構成され、前記第1−3レンズと前記第1−4レンズとが接合され、前記第1−5レンズと前記第1−6レンズとが接合され、
    前記第2レンズ群は、物体側から順に、像側に凹面を向けた負の第2−1レンズ、および物体側に凸面を向けた正の第2−2レンズを含み、
    フォーカシングに際し、前記第1レンズ群のみが光軸方向に移動し、
    下記条件式(1)を満足することを特徴とする中望遠レンズ。
    1.0<fi/f1<1.3 … (1)
    ただし、
    fi:物体距離無限遠撮影時の全系の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の合成焦点距離
  2. 下記条件式(1−1)を満足することを特徴とする請求項1記載の中望遠レンズ。
    1.05<fi/f1<1.25 … (1−1)
    ただし、
    fi:物体距離無限遠撮影時の全系の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の合成焦点距離
  3. 下記条件式(1−2)を満足することを特徴とする請求項1記載の中望遠レンズ。
    1.08<fi/f1<1.25 … (1−2)
    ただし、
    fi:物体距離無限遠撮影時の全系の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の合成焦点距離
  4. 下記条件式(1−3)を満足することを特徴とする請求項1記載の中望遠レンズ。
    1.11<fi/f1<1.25 … (1−3)
    ただし、
    fi:物体距離無限遠撮影時の全系の焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の合成焦点距離
  5. 下記条件式(2)および(3)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の中望遠レンズ
    0.80<fi/f1a<1.5 … (2)
    −0.4<fi/f1b<0.4 … (3)
    ただし、
    f1a:前記第1−1レンズから前記第1−4レンズまでの合成焦点距離
    f1b:前記第1−5レンズから前記第1−7レンズまでの合成焦点距離
  6. 下記条件式(2−1)および(3−1)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の中望遠レンズ
    1.0<fi/f1a<1.3 … (2−1)
    −0.3<fi/f1b<0.3 … (3−1)
    ただし、
    f1a:前記第1−1レンズから前記第1−4レンズまでの合成焦点距離
    f1b:前記第1−5レンズから前記第1−7レンズまでの合成焦点距離
  7. 下記条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の中望遠レンズ。
    20.0<νd6−νd5<70.0 … (4)
    ただし、
    νd5:前記第1−5レンズのd線におけるアッベ数
    νd6:前記第1−6レンズのd線におけるアッベ数
  8. 下記条件式(4−1)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の中望遠レンズ。
    25.0<νd6−νd5<60.0 … (4−1)
    ただし、
    νd5:前記第1−5レンズのd線におけるアッベ数
    νd6:前記第1−6レンズのd線におけるアッベ数
  9. 下記条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の中望遠レンズ。
    10<νd3−νd4<30 … (5)
    ただし、
    νd3:前記第1−3レンズのd線におけるアッベ数
    νd4:前記第1−4レンズのd線のおけるアッベ数
  10. 下記条件式(5−1)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の中望遠レンズ。
    16<νd3−νd4<30 … (5−1)
    ただし、
    νd3:前記第1−3レンズのd線におけるアッベ数
    νd4:前記第1−4レンズのd線のおけるアッベ数
  11. 前記第2レンズ群が、物体側から順に、像側に凹面を向けた負の第2−1レンズと、物体側に凸面を向けた正の第2−2レンズと、像側に凸面を向けた正の第2−3レンズとから構成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の中望遠レンズ。
  12. 前記第1−7レンズが、少なくとも1面が非球面で構成された非球面レンズであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の中望遠レンズ。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の中望遠レンズと、該中望遠レンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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