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JP5628257B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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JP5628257B2
JP5628257B2 JP2012195318A JP2012195318A JP5628257B2 JP 5628257 B2 JP5628257 B2 JP 5628257B2 JP 2012195318 A JP2012195318 A JP 2012195318A JP 2012195318 A JP2012195318 A JP 2012195318A JP 5628257 B2 JP5628257 B2 JP 5628257B2
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Description

本発明は、ウインドシールドロアパネルによってウインドシールドの下端部を支持する、支持構造を改良した車体前部構造に関する。
車体の前部は、車室と該車室の前とを区画するダッシュボードロアパネルと、該ダッシュボードロアパネルの上に設けられてウインドシールドの下端部を支持するウインドシールドロアパネルと、を有している。このような車体前部構造の技術は、特許文献1〜2から知られている。
特許文献1で知られている車体前部構造は、縦板状のダッシュボードロアパネルと、該ダッシュボードロアパネルの上から後方へ延びた略水平な底面部と、該底面部の後端から起立した略く字状断面の後面部と、該後面部の上端から前下方へ延びてウインドシールドの下端部を支持する上面部と、を有する。車外からウインドシールドの下端部に衝突力が加わった場合には、該後面部が、く字状断面の屈曲点を支点として下方へ変形することにより、衝突エネルギーを緩和する。
特許文献2で知られている車体前部構造は、縦板状のダッシュボードロアパネルと、該ダッシュボードロアパネルの上端から起立したカウルトップインナと、該カウルトップインナの上端から前下方へ延びてウインドシールドの下端部を支持するカウルトップアウタと、を有する。該カウルトップインナには、車幅方向に細長い円弧状断面の溝(湾曲部)が形成されている。車外からウインドシールドの下端部に衝突力が加わった場合には、該カウルトップインナが、湾曲部の下端を支点として下方へ変形することにより、衝突エネルギーを緩和する。
近年、車室の居住性を高めるという要請を受けて、車室の居住空間を大きくすることが求められている。一方、車両のデザイン上の要請を受けて、ウインドシールドの曲率を小さくすることが求められてきた。このため、車室の居住空間を拡大するとともに、車両のデザインの自由度を高める、という相反した課題を達成する技術の開発が要請されている。該課題を達成するには、例えば、ウインドシールドロアパネルを、複雑な三次元の形状にする必要がある。
特開2008−100533号公報 特開2010−023536号公報
本発明は、複雑な三次元の形状のウインドシールドロアパネルであっても、容易に形成することができ、しかも、該ウインドシールドロアパネル全体の剛性を、十分に高めることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明によれば、車室と該車室の前とを区画するダッシュボードロアパネルと、該ダッシュボードロアパネルの上に設けられて、ウインドシールドの下端部を支持するウインドシールドロアパネルと、を有した車体前部構造において、前記ウインドシールドロアパネルは、前記ダッシュボードロアパネルの上縁に重ねられ且つ溶接されるロアパネル本体と、該ロアパネル本体の上縁に重ねられ且つ溶接されるロアパネル上面部と、から成り、前記ロアパネル上面部は、前記ウインドシールドの下端部を支持するように前下方に傾斜した概ね平板状の部材であり、前記ロアパネル本体の上縁に対して、前記ロアパネル上面部を車幅方向に溶接する溶接線を、第1溶接線とし、前記ダッシュボードロアパネルの上縁に対して、前記ロアパネル本体の下縁を車幅方向に溶接する溶接線を、第2溶接線とし、前記ロアパネル上面部の車幅中央部においては、前記第1溶接線は前記第2溶接線よりも車体前方に位置し、前記ロアパネル上面部の車幅方向両端部においては、前記第1溶接線は前記第2溶接線よりも車体後方に位置し、車体を上から見たときに、前記第1溶接線と前記第2溶接線とが互いに交差している、ことを特徴とする車体前部構造が提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記ロアパネル本体には、前記第1溶接線の近傍において車幅方向に延びるビードが形成されている。
請求項3に記載のごとく、さらに好ましくは、前記ビードは、車幅中央部に位置している。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記ロアパネル上面部において、車幅方向に沿って前記ウインドシールドを支持する車体前後方向の幅は、略同一であり、前記ロアパネル上面部の車幅方向両端部は、左右のフロントピラーに接合されている。
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記ロアパネル本体の縦壁には、空調装置用吸気ダクトが貫通するための開口部が形成され、該開口部には、貫通した前記空調装置用吸気ダクトが結合され、該空調装置用吸気ダクトの開口端は、前記縦壁及び前記ロアパネル上面部の前端よりも車体前方に位置している。
請求項1に係る発明では、ウインドシールドロアパネルは、下側のロアパネル本体と上側のロアパネル上面部との、2つの部材によって構成されている。該ロアパネル本体は、ダッシュボードロアパネルの上縁に重ねられ且つ溶接される。該ロアパネル上面部は、ロアパネル本体の上縁に重ねられ且つ溶接される。このため、ロアパネル本体の形状や大きさに対して、ロアパネル上面部の形状や大きさを、異ならせることが可能である。複雑な三次元の形状のウインドシールドロアパネルであっても、容易に形成することができる。
例えば、車室の居住空間を大きくするために、ロアパネル本体の曲率を大きくすることができる。この場合であっても、車両のデザイン上の要請を受けて小さい曲率に形成された、ウインドシールドの下端部を、ロアパネル上面部によって十分に支持することが可能である。従って、車室の居住空間を拡大するとともに、車両のデザインの自由度を高める、という互いに相反する課題を、容易に達成することができる。
しかも、請求項1に係る発明では、車体を上から見たときに、第1溶接線と第2溶接線とが互いに交差している。該第1溶接線は、ロアパネル本体の上縁に対して、ロアパネル上面部を車幅方向に溶接する溶接線である。該第2溶接線は、ダッシュボードロアパネルの上縁に対して、ロアパネル本体の下縁を車幅方向に溶接する溶接線である。つまり、ロアパネル上面部の車幅中央部においては、第1溶接線は第2溶接線よりも車体前方に位置している。ロアパネル上面部の車幅方向両端部においては、第1溶接線は第2溶接線よりも車体後方に位置している。このため、ウインドシールドロアパネルの全体形状が、複雑な三次元の形状であったとしても、該上下の溶接線が平面視で交差することによって、該ウインドシールドロアパネル全体の剛性(特に曲げ剛性)を、十分に高めることができる。
請求項2に係る発明では、ロアパネル本体には、第1溶接線の近傍において車幅方向に延びるビードが形成されている。このため、ウインドシールドロアパネル全体が高剛性であるにもかかわらず、ロアパネル本体はビードを基点として上下方向に変形することが可能である。例えば、衝突物が車外からウインドシールドやロアパネル上面部に衝突したときに、ロアパネル本体はビードを基点として効果的に塑性変形をすることにより、衝突エネルギーを緩和する特性を得ることができる。
請求項3に係る発明では、ビードは、ロアパネル本体のなかの、車幅中央部に位置している。走行振動によるウインドシールドの振幅の節は、概ね車幅中央部にある。ロアパネル本体は、車幅中央部に位置しているビードの部分によって、振動を抑制しつつ、衝突エネルギーを容易に吸収することができる。
請求項4に係る発明では、ロアパネル上面部によって、ウインドシールドを支持するための車体前後方向の幅は、車幅方向の全域にわたって略同一である。つまり、ロアパネル上面部は、車幅方向の端から端まで、どこの部位であっても、ウインドシールドを十分に支持するように、車体前後方向に幅広である。幅広とすることにより、ロアパネル上面部によってウインドシールドを支持する面積を十分に確保することができる。この結果、ロアパネル上面部によってウインドシールドを安定して支持するとともに、ロアパネル上面部にウインドシールドを取り付ける取付強度を高めることができる。しかも、ウインドシールドの形状の自由度を高めることができる。
さらには、上述のように、ロアパネル上面部の両端部において、車体前後方向の幅が幅広なので、該両端部を左右のフロントピラーに溶接等によって接合する接合長さを、十分に確保することができる。該両端部を左右のフロントピラーに接合する接合強度が、高まる。この結果、ウインドシールドロアパネル全体の剛性を、効率よく確保することができる。
請求項5に係る発明では、空調装置用吸気ダクトは、ロアパネル本体の縦壁に形成されている開口部に貫通して結合されている。このため、縦壁の開口部の縁周りは、吸気ダクトによって補強されることになる。縁周りの剛性を確保することができるので、縦壁の開口部の形状を十分に保持することができる。
さらには、ロアパネル本体の縦壁に対して、車体前方に吸気ダクトの開口端が位置している分、該吸気ダクトの吸気部分を車体前方にずらすことができる。該吸気部分が車体前方にずれることによって、車室の居住空間を確保しつつ吸気ダクトを配置することができる。
さらには、ロアパネル上面部の前端に対して、車体前方に吸気ダクトの開口端が位置している。つまり、ロアパネル上面部の前端の位置は、必要以上に車体前方へ延ばすことなく、ウインドシールドの下端部を支持することが可能な位置であればよい。ロアパネル上面部の車体前後方向の幅を、ウインドシールドの下端部を支持することが可能な最小限の大きさに容易に設定することができる。
本発明に係る車体前部の斜視図である。 図1に示されるダッシュボードロアパネル及びウインドシールドロアパネル周りの斜視図である。 図2の3−3線に沿った断面のダッシュボードロアパネル及びウインドシールドロアパネルに更にウインドシールド及びフードを有した構成の断面図である。 図2に示されるダッシュボードロアパネルとダッシュボードアッパパネルとウインドシールドロアパネルとを分解した斜視図である。 図2に示されるダッシュボードロアパネルとダッシュボードアッパパネルとウインドシールドロアパネルとの溶接線を示す斜視図である。 図5に示されるダッシュボードロアパネルとダッシュボードアッパパネルとウインドシールドロアパネルの平面図である。 図1に示されるピラーとウインドシールドロアパネルとの関係を説明する分解図である。 図7に示される左のピラーにウインドシールドロアパネルの端部が接合された構成の斜視図である。 図2に示されるウインドシールドロアパネルの左右を対比して説明する説明図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Leは左側、Riは右側、CLは車幅中心を示す。
実施例に係る車体前部構造について説明する。図1〜図3に示されるように、車両10は例えば乗用車であり、車体11の内側に前室12と、該前室12の真後ろに位置する車室13とが、形成されている。該車体11は、モノコックボディから成る。該前室12は、例えば図示せぬエンジン等のパワーユニットを収容するためのパワーユニット収容室に構成され、上部の開口が開閉可能なフード14によって覆われている。なお、該前室12は、パワーユニット収容室以外であってもよい。
該車体11の前半部は、左右のフロントピラー21L,21Rとダッシュボードロアパネル22とウインドシールドロアパネル23とダッシュボードアッパパネル24とを含む。
図2及び図3に示されるように、該ダッシュボードロアパネル22は、車室13の前壁を構成する部材である。つまり、該ダッシュボードロアパネル22は、前室12と車室13との間を区画する縦板状の部材であり、上端から後上方に折り曲げられた上縁22a(上側フランジ22a)を有する。
該ウインドシールドロアパネル23は、ダッシュボードロアパネル22の上に設けられて、ウインドシールド25の下端部25aを支持する部材である。
該ダッシュボードアッパパネル24は、ダッシュボードロアパネル22の上端とウインドシールドロアパネル23の下端との間から、車体前方へ延びた略L字状断面の部材である。つまり、該ダッシュボードアッパパネル24は、ウインドシールドロアパネル23の前に位置している。
ウインドシールドロアパネル23とダッシュボードアッパパネル24とによって、略U字状断面のカウルボックス26が形成されている。該カウルボックス26は、車幅方向に細長い雨樋状に形成され、ウインドシールド25から流れてきた雨水の流路であって、図示せぬワイパユニットが収納される。該カウルボックス26の上部の開放端は、カウルトップグリル27によって覆われている。
次に、該ウインドシールドロアパネル23について詳しく説明する。図2〜図4に示されるように、該ウインドシールドロアパネル23は、ロアパネル本体30とロアパネル上面部40とから成る。
車体11を上から見たときに、ダッシュボードロアパネル22とウインドシールド25とロアパネル本体30とは、車体前方へ凸となるように緩やかに湾曲している。さらには、車室13の居住空間を大きくするために、ダッシュボードロアパネル22の曲率とロアパネル本体30の曲率は、比較的大きく設定されている。一方、ウインドシールド25の曲率は、車両10のデザイン上の要請を受けて、ロアパネル本体30よりも小さく設定されている。ロアパネル本体30に対して、異なる曲率のウインドシールド25の下端部25aを、ロアパネル上面部40により支持することが可能である。
該ロアパネル本体30は、ダッシュボードロアパネル22の上に設けられた縦板状の部材であって、ダッシュボードロアパネル22の上から上方へ概ね一直線状に延びている。該ロアパネル本体30の車幅方向の幅寸法は、ダッシュボードロアパネル22の車幅方向の幅寸法に概ね合致している。該ロアパネル本体30は、縦板状の縦壁31と、下端から後方に折り曲げられた下縁32(下側フランジ32)と、上端から後上方に折り曲げられた上縁33(上側フランジ33)と、から成る。
ダッシュボードロアパネル22の上縁22aの上面には、ダッシュボードアッパパネル24の後端部と該ロアパネル本体30の下縁32とが、この順に重ねられ、且つ共に溶接されている。つまり、該ロアパネル本体30の下縁32は、ダッシュボードロアパネル22の上縁22aに重ねられ、且つ溶接されることになる。
該ロアパネル上面部40は、ウインドシールド25の下端部25aを支持するように、前下方に傾斜した概ね平板状の部材である。該ロアパネル上面部40の上面には、ウインドシールド25の下端部25aがシール剤(接着剤)によって接合される。該ロアパネル上面部40は、該ロアパネル本体30の上縁33に重ねられ且つ溶接されている。ウインドシールド25の幅は、ダッシュボードロアパネル22の幅よりも小さい。このため、ウインドシールド25を支持するための、該ロアパネル上面部40の幅(車幅方向両端部41L,41R間の大きさ)は、ダッシュボードロアパネル22の幅よりも小さい。ロアパネル上面部40は、前端42から前方へ延びるフランジ43を有している。該フランジ43には、カウルトップグリル27(図3参照)の後端部がクリップ止めされている。
該ロアパネル上面部40において、車幅方向に沿ってウインドシールド25を支持するための車体前後方向の幅Wi(図2参照)は、車幅方向の全域にわたって略同一である。ロアパネル上面部40は、車幅方向の左端41Lから右端41Rまで、どこの部位であっても、ウインドシールド25を十分に支持するように、車体前後方向に幅広である。幅広とすることにより、ロアパネル上面部40によってウインドシールド25を支持する面積を十分に確保することができる。この結果、ロアパネル上面部40によるウインドシールド25の支持性を高めるとともに、ロアパネル上面部40にウインドシールド25を取り付ける取付強度を高めることができる。しかも、ウインドシールド25の形状の自由度を高めることができる。
以上の説明から明らかなように、ウインドシールドロアパネル23は、下側のロアパネル本体30と上側のロアパネル上面部40との、2つの部材によって構成されている。該ロアパネル本体30は、ダッシュボードロアパネル22の上縁22aに重ねられ且つ溶接される。該ロアパネル上面部40は、ロアパネル本体30の上縁33に重ねられ且つ溶接される。このため、ロアパネル本体30の形状や大きさに対して、ロアパネル上面部40の形状や大きさを、異ならせることが可能である。複雑な三次元の形状のウインドシールドロアパネル23であっても、容易に形成することができる。
例えば、車室13の居住空間を大きくするために、ロアパネル本体30の曲率を大きくすることができる。この場合であっても、車両10のデザイン上の要請を受けて小さい曲率に形成された、ウインドシールド25の下端部25aを、ロアパネル上面部40によって十分に支持することが可能である。従って、車室13の居住空間を拡大するとともに、車両10のデザインの自由度を高める、という互いに相反する課題を、容易に達成することができる。
図3〜図6に示されるように、ダッシュボードロアパネル22の上縁22aに対するロアパネル本体30の下縁32の溶接部と、ロアパネル本体30の上縁33に対するロアパネル上面部40の溶接部は、例えば車幅方向に所定ピッチで1列に、スポット溶接や隅肉溶接による、接合構造である。このように、車幅方向に概ね整列している複数の溶接部を、一つの線として表すときの仮定線のことを、「溶接線(weld line)」という。
ロアパネル本体30の上縁33に対して、ロアパネル上面部40を車幅方向に溶接する溶接線51を、「第1溶接線51」とする。小さい曲率のウインドシールド25の下端部25aを、ロアパネル上面部40によって支持するので、該ロアパネル上面部40の支持剛性を高めるために、第1溶接線51は小さい曲率の曲線状である。
ダッシュボードロアパネル22の上縁22aに対して、ロアパネル本体30の下縁32を車幅方向に溶接する溶接線52を、「第2溶接線52」とする。ダッシュボードロアパネル22及びロアパネル本体30の各々の曲率が大きいので、これらの部材22,30同士を溶接する第2溶接線52は、大きい曲率の曲線状である。なお、第2溶接線52は、ダッシュボードロアパネル22の上縁22aと、ダッシュボードアッパパネル24の後端部と、ロアパネル本体30の下縁32との、3つの部材全ての溶接を含む。
さらに、図6に示されるように、ロアパネル上面部40の車幅中央部においては、第1溶接線51は第2溶接線52よりも車体前方に位置している。また、ロアパネル上面部40の車幅方向両端部41L,41Rにおいては、第1溶接線51は第2溶接線52よりも車体後方に位置している。つまり、車体11を上から見たときに、第1溶接線51と第2溶接線52とは、左右の交点PL,PRで互いに交差している。
左右の交点PL,PRに対して車幅方向内側のエリアAN(内側エリアAN)では、第1溶接線51は第2溶接線52よりも車体前方に位置する。左右の交点PL,PRに対して車幅方向外側の左右のエリアAL,AR(外側エリアAL,AR)では、第1溶接線51は第2溶接線52よりも車体後方に位置する。該外側エリアAL,ARは、ロアパネル上面部40のなかの車幅方向両端部41L,41R寄りの部分である。
このように、第1溶接線51と第2溶接線52とが互いに交差している。このため、ウインドシールドロアパネル23の全体形状が、複雑な三次元の形状であったとしても、該上下の溶接線51,52が平面視で交差することによって、該ウインドシールドロアパネル23全体の剛性(特に曲げ剛性)を、十分に高めることができる。
図2〜図4に示されるように、ロアパネル本体30の縦壁31には、第1溶接線51の近傍において車幅方向に延びるビード34が形成されている。このため、ウインドシールドロアパネル23全体が高剛性であるにもかかわらず、ロアパネル本体30はビード34を基点として上下方向に変形することが可能である。例えば、図3に白抜き矢印fcによって示されるように、衝突物が車外からウインドシールド25やロアパネル上面部40に衝突したときに、ロアパネル本体30はビード34を基点として効果的に塑性変形をすることにより、衝突エネルギーを緩和する特性を得ることができる。
さらには、該ビード34は、ロアパネル本体30のなかの、車幅中央部に位置している。走行振動によるウインドシールド25の振幅の節は、概ね車幅中央部にある。ロアパネル本体30は、車幅中央部に位置しているビード34の部分によって、振動を抑制しつつ、衝突エネルギーを容易に吸収することができる。
図1、図7及び図8に示されるように、ロアパネル本体30の車幅方向両端部35L,35Rと、ロアパネル上面部40の車幅方向両端部41L,41Rとは、左右のフロントピラー21L,21Rに直接に又は間接的に、溶接等によって接合されている。詳しく述べると、ロアパネル本体30の車幅方向両端部35L,35Rは、左右のステー61L,61Rの内面に接合されている。該左右のステー61L,61Rの上部フランジ62L,62Rには、ロアパネル上面部40の車幅方向両端部41L,41Rが上下に重ねられ且つ接合されている。該左右のステー61L,61Rの車幅方向外面は、左右のピラースチフナ63(左のみを示す)とともに、左右のフロントピラー21L,21Rに接合されている。
ロアパネル上面部40の両端部41L,41Rにおいて、車体前後方向の幅Wiは幅広である。該両端部41L,41Rを左右のフロントピラー21L,21Rに溶接等によって接合する接合長さを、十分に確保することができる。該両端部41L,41Rを左右のフロントピラー21L,21Rに接合する接合強度が、高まる。この結果、ウインドシールドロアパネル23全体の剛性を、効率よく確保することができる。
図9(a)は、図2の9a−9a線に沿ったウインドシールドロアパネル23周りの左側断面構成を示している。図9(b)は、図2の9b−9b線に沿ったウインドシールドロアパネル23周りの右側断面構成を示している。図2において、車幅中心線CLに対し、9a−9a線の位置と9b−9b線の位置とは、左右対称位置にある。
図2、図5及び図9(a)に示されるように、ロアパネル本体30の縦壁31には、空調装置用吸気ダクト71が貫通するための開口部36が形成されている。該空調装置用吸気ダクト71は、外気をカウルボックス26を通じて図示せぬ空調装置に導入する吸気ラインの一部である。該開口部36には、貫通した該吸気ダクト71が結合されている。このため、縦壁31の開口部36の縁周りは、吸気ダクト71によって補強されることになる。縁周りの剛性を確保することができるので、縦壁31の開口部36の形状を十分に保持することができる。
該吸気ダクト71の開口端72は、縦壁31及びロアパネル上面部40の前端42よりも車体前方に位置している。ロアパネル本体30の縦壁31に対して、車体前方に吸気ダクト71の開口端72が位置している分、該吸気ダクト71の吸気部分73を車体前方にずらすことができる。該吸気部分73が車体前方にずれることによって、車室13の居住空間を確保しつつ吸気ダクト71を配置することができる。
上述のように、ロアパネル上面部40の前端42に対して、車体前方に吸気ダクト71の開口端72が位置している。つまり、ロアパネル上面部40の前端42の位置は、必要以上に車体前方へ延ばすことなく、ウインドシールド25の下端部25aを支持することが可能な位置であればよい。ロアパネル上面部40の車体前後方向の幅Wiを、ウインドシールド25の下端部25aを支持することが可能な最小限の大きさに容易に設定することができる。
ロアパネル本体30の縦壁31は、車幅中心線CLに対して概ね左右対称形に形成されている。但し、該縦壁31のなかの、図9(a)に示されるように開口部36が形成されている部位は、他の部位(図9(b)参照)に対して車体前方へ突出量Diだけ突出している。このように構成されているものの、ロアパネル本体30に対してロアパネル上面部40が別部材によって構成されているので、ウインドシールドロアパネル23によって左右対称形のウインドシールド25を確実に支持することができる。
本発明の車体前部構造は、乗用車に採用するのに好適である。
10…車両、11…車体、13…車室、21L,21R…フロントピラー、22…ダッシュボードロアパネル、22a…上縁、23…ウインドシールドロアパネル、25…ウインドシールド、25a…下端部、30…ロアパネル本体、31…縦壁、32…下縁、33…上縁、34…ビード、36…開口部、40…ロアパネル上面部、41L,41R…車幅方向両端部、42…前端、51…第1溶接線、52…第2溶接線、71…空調装置用吸気ダクト、72…開口端、73…吸気部分、Wi…ウインドシールドを支持する車体前後方向の幅。

Claims (5)

  1. 車室の前壁を構成するダッシュボードロアパネルと、
    該ダッシュボードロアパネルの上に設けられて、ウインドシールドの下端部を支持するウインドシールドロアパネルと、を有した車体前部構造において、
    前記ウインドシールドロアパネルは、
    前記ダッシュボードロアパネルの上縁に重ねられ且つ溶接されるロアパネル本体と、
    該ロアパネル本体の上縁に重ねられ且つ溶接されるロアパネル上面部と、から成り、
    前記ロアパネル上面部は、前記ウインドシールドの下端部を支持するように前下方に傾斜した概ね平板状の部材であり、
    前記ロアパネル本体の上縁に対して、前記ロアパネル上面部を車幅方向に溶接する溶接線を、第1溶接線とし、
    前記ダッシュボードロアパネルの上縁に対して、前記ロアパネル本体の下縁を車幅方向に溶接する溶接線を、第2溶接線とし、
    前記ロアパネル上面部の車幅中央部においては、前記第1溶接線は前記第2溶接線よりも車体前方に位置し、
    前記ロアパネル上面部の車幅方向両端部においては、前記第1溶接線は前記第2溶接線よりも車体後方に位置し、
    車体を上から見たときに、前記第1溶接線と前記第2溶接線とが互いに交差している、ことを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記ロアパネル本体には、前記第1溶接線の近傍において車幅方向に延びるビードが形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記ビードは、車幅中央部に位置していることを特徴とする請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記ロアパネル上面部において、車幅方向に沿って前記ウインドシールドを支持する車体前後方向の幅は、略同一であり、
    前記ロアパネル上面部の車幅方向両端部は、左右のフロントピラーに接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車体前部構造。
  5. 前記ロアパネル本体の縦壁には、空調装置用吸気ダクトが貫通するための開口部が形成され、
    該開口部には、貫通した前記空調装置用吸気ダクトが結合され、
    該空調装置用吸気ダクトの開口端は、前記縦壁及び前記ロアパネル上面部の前端よりも車体前方に位置している、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体前部構造。
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