JP5627328B2 - 光音響診断装置 - Google Patents
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Description
)がある。PATを用いた装置は、特に皮膚がんや乳がんの診断での有用性が示されており、同診断で従来使用されてきた超音波診断装置やX線装置あるいはMRI装置などに代わる医療機器としての期待が高まっている。
載に限定する趣旨のものではない。
本発明を実現する第1の実施の形態を図に従って説明する。
図1は、第1の実施の形態におけるPATを用いた光音響診断装置の装置構成の全体図である。
本実施の形態における光音響診断装置は、PAT101、PATコントローラ102、画像処理装置103から構成されている。なお、PATとは光音響断層画像撮影(Photo Acoustic Tomography)のことを指すが、以下の記載ではPATの技術を用いた装置のこ
ともPATと呼ぶ場合がある。
PAT101は、腹臥位で診断するベッド型の構成をしており、被検体である乳房を装置の保持部に挿入して保持することにより診断を行う光音響マンモグラフィである。本発明の適用は、腹臥位での診断に限るものではなく、この他にも立位や座位で診断する構成でもよい。
また、図中で各々の装置は有線で接続されているが、これらの一部またはそのすべてを無線で接続する形態としても構わない。
照射部202は、被検体に対して計測光である可視光や近赤外光などのパルス状(幅10nsec程度)のレーザ光を照射する。照射部202は、パルス光を発するレーザ光源、被検体に計測光を導光する照射光学系から構成される(詳細は図3を用いて後述する)。2台の光源を使用して被検体の両側から計測光を照射する構成の場合、両光源の同期した発光制御を行う。計測光の光源は、一般的に近赤外領域に中心波長を有してパルス発光が可能な固体レーザ(例えば、Yttrium-Aluminium-GarnetレーザやTitan-Sapphireレーザ)が使用される。なお、計測光の波長は計測対象とする生体内の光吸収物質(例えばヘモグロビンやグルコース、コレステロールなど)に応じて530nmから1300nmの間で選択される。
保持部207は、被検体を保持する機構である。計測光の浸達深度に合わせて、被検体の厚さを光音響診断画像の撮影に適した厚さに調整することができる。保持部207は、被検体を両側から挟持する保持部材と、保持部材により被検体を挟持する間隔と圧力を変更するための機構と、で構成される。
段である。I/F206は、画像処理装置103のI/F211と共に、PAT201と画像処理装置103との間のデータ通信を行うインターフェースとして機能する。リアルタイム性を確保できて、かつ大容量の伝送が可能な通信規格を採用することが望ましい。データの通信方式は、有線方式(例えばUSB、IEEE1394、HDMI(登録商標)、光伝送など)であっても無線方式(例えばUWB(Ultra Wide Band)、無線LAN
、ミリ波通信など)であってもよい。
画像処理装置のI/F211は、画像処理装置側におけるインターフェースである。I/F211は、PAT201内のI/F206と同様の機能を有し、I/F206と連携してデータの送受信を行う。
表示部213は、画像構成部212で構成された光音響診断画像を表示する。
本実施の形態におけるPAT201では、被検体の両側から計測光を照射することで計測深度を向上するとともに、コントラストが高く高画質な光音響診断画像を得ることができる。
光学系308は、光源301から光学系(303と304)を介して導光された非探触子側の計測光に対して、拡大などの調整を行う。光学系309と310は、光源302から光学系(305、306、307)を介して導光された探触子側の計測光に対して、拡大などの調整を行うとともに、被検体312に対して計測光を斜入射する。光学系309と310は探触子311を挟んで配置され、それぞれ探触子方向に計測光を屈折させる。
被検体312は、本実施の形態における測定の対象である。乳腺科での診断の場合、被検体は乳房である。
光音響波を伝播するのに適した部材であることが好ましい。保持部材としては一般的に、超音波診断装置で使用されているポリメチルペンテンなどの部材が使用される。
なお、本実施形態では信号記録制御部406に入力される信号を信号増幅部403の出力信号としたが、A/D変換部404の出力であるデジタル信号や探触子311の出力信号を用いても構わない。また、信号記録制御部406の前に包絡線検波部を設けて、得られる光音響信号の包絡線信号を信号制御部406入力することで、偶発的なノイズに対して左右されない安定した制御を行うことも可能である。
て光音響信号の記録を制御することができる。
界面502と503は、被検体312と保持部材313との界面を示している。被検体の表層は光吸収率が比較的小さい正常組織で形成されるものの、高い光エネルギーを保った状態で計測光が入射するため、被検体表層が発する光音響波は大きくなる。そのため、被検体312と保持部材313の界面により大きな光音響波信号が検出される。
以上のように、計測対象である被検体内の光吸収物質の他に、大きな信号特性を示す界面が存在する。これらの部分からも、光音響波が発生する。
第1の実施の形態における光音響波信号の記録制御では、探触子311の中心に配置されている1個の変換素子505が受信した光音響波信号を使用する。
なお、本発明の適用は特定の変換素子505の光音響波信号に限るものではなく、探触子端の変換素子の信号を使用してもよいし、計測位置の走査方向に応じて、走査の進行方向の変換素子や反対側の変換素子など任意の変換素子を選択してもよい。
信号512は、界面503による光音響波信号を示している。本実施の形態における計測方法では、2つ目に検出される信号である。
最後に計測される信号514は、界面502による光音響信号である。
信号511と512、514の検出時刻は装置構成(保持部材313の厚さ)で、信号強度は探触子表面および被検体312の光吸収率で決定されるため、計測ごとに変動せず同じ信号特性で検出される。
515は、変換素子505で計測される光音響信号に対して、信号記録を制御するためにあらかじめ決定される閾値である。本実施形態における閾値515は、界面504による光音響信号511のピーク値を基準に設定する。なお、閾値レベル515を決定するためには、信号511のピーク値を経験的に知る必要があるが、上述したように装置構成による要因で決まる光音響波信号であるため、診断前にあらかじめ計測しておけばよい。光音響波計測位置の2次元走査が可能な本実施の形態におけるPAT201では、全走査位置または幾つかの代表位置で所定の閾値レベル515を決定してもよい。
本実施形態における光音響波信号の記録制御によれば、記録される光音響信号は図5(c)のようになる。
本実施形態では、探触子表面による光音響波信号に基づいて記録の制御を行ったが、代わりに、検出時刻や信号強度で同等の特性をもつ被検体312と保持部材313の界面による光音響波信号512をトリガに用いた場合にも同じ制御が可能である。
ステップS602では、照射部202が、光源301と302の発光制御を行って、計測光である近赤外光のパルスレーザ光を被検体に向けて発光する。
ステップS603では、信号記録制御部406が、第1の実施の形態における光音響波信号の記録制御を行う。計測される光音響波そのものを利用して光音響波信号の記録を制御する。この処理の詳細に関しては後述する。
ステップS606では、表示部213が、ステップS605で構成された光音響診断画像をユーザ(例えば医師)に提示して、一連の光音響診断画像の撮影処理を終了する。
ステップS702では、信号記録制御部406は、変換素子505の信号レベルがトリガ条件を満たすかどうかを確認する。
ステップS704では、信号記録制御部406は、光音響波信号の受信サンプル数が、あらかじめ設定される記録開始を待つ制限数に達したかどうかを判断する。達している場合には、光音響波信号を記録することなく一連の光音響信号の記録制御処理を終了する。そうでない場合はステップS701へ処理を移行して、次の信号を待つ。
めに計測光を検知するための光学構成の部分を省くことができるため、コストダウンにつながる。すなわち、簡易な構成で照射タイミングの検知を実現できる。
本発明を実現する第2の実施の形態を図に従って説明する。
一方、計測光の浸達深さが被検体の厚さに対して十分な場合には、被検体を挟んで計測光を両側から照射する必要がないため、装置構成がより単純な非探触子側からの1方向の計測光での光音響計測が可能となる。
上記特徴を中心に、本実施の形態を説明する。
また、本実施形態における光音響診断画像撮影処理の全体の流れは、第1の実施の形態における図6のフローチャートと同様であり説明を省略する。
本実施の形態における光音響診断では、探触子側の計測光の照射がないため保持部材313と探触子311の界面、および被検体312と保持部材313の界面による信号が存在しない。そのため、第1の実施の形態における光音響波信号と比べると、計測開始直後の大きな信号が計測されなくなる。信号508は、非探触子側の被検体表面502による光音響信号である。
計測光のみで計測される光音響波信号の特性に基づいて、光音響波信号の記録制御のポストトリガを抽出して同制御を実施することを目的としている。
なお、受信サンプル全てにおいてトリガ条件を満たさなかった場合には、それまでに記録したデータを無効化しても良い。
本発明を実現する第3の実施の形態を図に従って説明する。
第1および第2の実施の形態では、探触子を構成する複数の変換素子の中で、代表素子が生成する光音響波信号に基づいて、光音響波信号の記録制御を実施した。
第3の実施の形態における特徴は、探触子を構成する複数の変換素子の信号を加算する演算を加えることで、個々の変換素子が生成する信号に偶発的に混入するノイズに対して安定した光音響波信号の記録制御を行うことである。
また、本実施形態における光音響診断画像撮影処理の全体の流れは、第1の実施の形態における図6のフローチャートと同様であり説明を省略する。
第3の実施の形態における光音響波計測部1001は、第1の実施の形態における図2の光音響波計測部203と比べて、加算演算部1003が新たに設けられる。
信号増幅部1002は、探触子311を構成する複数の変換素子が生成する微小な光音響波信号を増幅する。そして、全変換素子の信号をA/D変換部504へ出力すると共に、一部または全ての変換素子(つまり2つ以上の変換素子)の信号を加算演算部1003へ出力する。
加算演算部1003は、信号増幅部1002から入力される、探触子311を構成する複数の変換素子の、一部または全ての変換素子の光音響波信号を加算する。加算演算によ
り計測対象である光吸収物質以外の、界面の信号を抽出する。そして加算演算された信号を信号記録制御部1004に対して出力する。詳細については後述する。
信号記録制御部1004は、加算演算部1003から入力される加算信号に基づいて、記録部405に対して記録動作の開始、停止を命令する。
変換素子1101と1102は、探触子311を構成する変換素子である。変換素子1101(素子A)と1102(素子B)は位置が異なるため、その光音響波信号には位置関係に応じた差違を生じる。
これに対して、探触子311と保持部材313の界面と、被検体312と保持部材313との界面で生じる光音響波信号の時間は、2つの変換素子1101と1102とで一致する。探触子311と保持部材313、そして被検体312と保持部材313の界面までの距離が一定で、平面波状の光音響波が同じ距離で検出されるためである。
また、個々の変換素子が生成した光音響波信号に偶発的にノイズが混入していた場合でも、加算演算によりノイズの影響を低減することができる。
ここでは、簡単のために2つの変換素子1101と1102の光音響波信号を用いる場合について説明したが、実際にはより多くの素子の信号を用いることで、界面の光音響信号を精度高く抽出することができる。
1121は、加算演算部1003で加算演算された信号に対して、信号記録を制御するためにあらかじめ決定される閾値である。本実施形態における閾値1121は、1つ目の光音響信号のピーク値を基準に設定する。また、信号記録制御部406は、入力される加算信号レベルが、閾値レベル1121を一度超えて次に下回ることをトリガにして、記録部405に対して記録動作の開始を命令する。そして記録部405はそのトリガ1122から光音響診断に必要なサンプリング数に達するまで光音響波信号の記録を行う。
また、本発明の目的は、以下によって達成されることはいうまでもない。即ち、前述した各実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成することになる。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
上記各実施形態における様々な技術を適宜組み合わせて新たなシステムを構成した場合、このような様々な組み合わせによるシステムもまた、本発明の範疇に属するものである。
Claims (7)
- 光源と、
前記光源から、被検体に光を照射した時に発する音響波を受信して、電気信号に変換する探触子と、
前記電気信号を記録する記録部と、
前記記録部に前記電気信号の記録を行わせるかどうかを制御する記録制御部と、
を有し、
前記記録制御部は、被検体内部の光吸収物質以外の部分から発する音響波を前記探触子が受信したタイミングに基づいて、前記記録部の制御を行う
ことを特徴とする光音響診断装置。 - 前記記録制御部は、前記探触子が受信した音響波から変換された電気信号の強度を、所定の閾値と比較することにより、前記探触子が受信した音響波が前記光吸収物質以外の部分から発する音響波であるかどうかを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の光音響診断装置。 - 前記記録制御部は、前記電気信号の強度が前記所定の閾値を超えた後、当該所定の閾値を下回った時に、前記探触子が受信した音響波が前記光吸収物質以外の部分から発する音響波であると決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の光音響診断装置。 - 前記電気信号の強度が前記所定の閾値を超えた時に、前記探触子が受信した音響波が前記光吸収物質以外の部分から発する音響波であると決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の光音響診断装置。 - 前記光源からの光は、少なくとも前記探触子と同じ側から被検体に照射され、
前記光吸収物質以外の部分から発する音響波とは、前記光源から照射された光が前記探触子の表面に到達した時に、当該探触子の表面から発する音響波であり、
前記記録制御部は、前記探触子の表面から発した音響波を前記探触子が受信した時に前記記録部に前記電気信号の記録を開始させる制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光音響診断装置。 - 前記光源からの光は、前記探触子と反対の側から被検体に照射され、
前記光吸収物質以外の部分から発する音響波とは、前記光源から照射された光が被検体の表面に到達した時に、被検体の表面から発する音響波であり、
前記記録制御部は、前記光源から光が被検体に光が照射された時に前記記録部に前記電気信号の記録を開始させる制御を行い、前記被検体の表面から発した音響波を前記探触子が受信した時に前記電気信号の記録を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光音響診断装置。 - 前記探触子は複数の素子から構成され、前記複数の素子のうち2つ以上の素子が変換した電気信号を加算して加算信号を生成する加算演算部を備え、
前記記録制御部は、前記加算演算部により得られた加算信号の強度を、所定の閾値と比較することにより、前記受信した音響波が前記光吸収物質以外の部分から発する音響波であるかどうかを決定する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光音響診断装置。
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