JP5626648B2 - 紫外線硬化型塗料組成物及び紫外線硬化塗膜の再塗装方法 - Google Patents
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Description
(A)紫外線硬化性オリゴマー 10〜50質量%、
(B)不飽和二重結合含有化合物 1〜20質量%、
(C)アクリル樹脂 1〜30質量%、
(D)光重合開始剤 0.01〜2質量%、
(E)有機溶剤 20〜70質量%、
を含有することを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物が提供される。
(A)紫外線硬化性オリゴマー 10〜50質量%、
(B)不飽和二重結合含有化合物 1〜20質量%、
(C)アクリル樹脂 1〜30質量%、
(D)光重合開始剤 0.01〜2質量%、
(E)有機溶剤 20〜70質量%、
を含有するものであり、その各成分について説明する。
(A)紫外線硬化性オリゴマーは、紫外線照射により硬化する特性を有するオリゴマーのことであり、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するウレタンオリゴマー、エポキシオリゴマー、ポリエステルオリゴマー、ポリエーテルオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂等がある。紫外線硬化性オリゴマーの含有量は10〜50質量%であることが必須であり、好ましくは10質量%〜20質量%である。10質量%未満であると塗膜が十分に硬化せず、50質量%を超えると塗膜の硬度は大きいが素材との密着性が悪くなる。
(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明で使用されるオリゴマーとしてのウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、(1)有機ジイソシアネート化合物と、(2)有機ポリオール化合物と、(3)ヒドロシキアルキル(メタ)アクリレートとを、NCO/OH比が、例えば、0.8〜1.0、好ましくは、0.9〜1.0となるような存在比で混合し、通常の方法により製造することができる。水酸基が過剰に存在する場合や、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを多量に使用することにより、水酸基を多く有するオリゴマーが得られる。
本発明で使用されるオリゴマーとしてのポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば、水酸基を末端に有するポリエステルポリオールと、不飽和カルボン酸との反応によって製造することができる。このようなポリエステルポリオールは、代表的には飽和又は不飽和のジカルボン酸又はその酸無水物と、過剰量のアルキレンジオールとをエステル化反応することによって製造することができる。使用されるジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸や、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、マレイン酸等が代表的なものとして挙げられる。また、使用されるアルキレンジオールとしては、例えば、エチレングリコールや、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール等が代表的なものとして挙げることができる。ここで、不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸や、メタクリル酸等を代表的なものとして挙げることができる。
本発明で使用されるオリゴマーとしてのエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、エポキシ化合物と、上記のような不飽和カルボン酸とを、エポキシ基1当量当たりのカルボキシル基当量を、例えば、0.5〜1.5となるような割合で用い、通常のエポキシ基への酸の開環付加反応によって製造させたものである。ここで使用されるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、フェノール性ノボラック型エポキシ等を好適に挙げることができる。
本発明で使用されるオリゴマーとしてのポリエーテル(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエチレングリコールや、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオールと、前述の不飽和カルボン酸との反応によって製造することができる。
一方、本発明において、(A)成分として使用される不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、有機ポリオール化合物と、不飽和カルボン酸とを、公知の方法により反応させ、更に必要に応じて、飽和ポリカルボン酸を反応させて製造することができる。使用される有機ポリオールとしては、例えば、エチレングリコールや、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ビスフェノールA等が代表的なものとして挙げることができる。また、使用される不飽和ポリカルボン酸としては、例えば、(無水)マレイン酸や、(無水)フマル酸、(無水)イタコン酸等を代表的なものとして挙げることができる。
2官能ウレタンアクリレートオリゴマーは、ポリエーテルポリオールと直鎖脂肪族あるいは脂環式ジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と水酸基を有するアクリレートモノマーとを互いに反応させて得ることができる。
多官能ウレタンアクリレートオリゴマーは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート化合物と水酸基を有するアクリレートモノマーとの反応生成物である。
本発明に使用される(B)不飽和二重結合含有化合物は、1分子中にラジカル重合性炭素二重結合を有する化合物であり、1分子中に二重結合を1個有する単官能不飽和単量体と1分子中に2個以上の二重結合を有する多官能性不飽和単量体がある。不飽和二重結合含有化合物の含有量は1〜20質量%であることが必須であり、好ましくは2質量%〜20質量%である。1質量%未満であると塗膜が十分に硬化せず、20質量%を超えると塗膜の硬度は大きくなるが素材との密着性が悪くなる。
単官能不飽和単量体としては、例えば、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、
アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、
アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、
アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、
アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、
アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、
アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、イソステアリルアクリレート、
フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、イソステアリルメタクリレート等を挙げることができる。
多官能不飽和単量体としては、例えば、
ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、
トリシクロデカンジアルコールジアクリレート、トリシクロデカンジアルコールジメタクリレート、
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジオールジメタクリレート、
エチレンオキサイド変成ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド変成ビスフェノールAジメタクリレート、
プロピレンオキサイド変成ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイド変成ビスフェノールAジメタクリレート、
トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、
グリセリルプロポキシトリアクリレート、グリセリルプロポキシトリメタクリレート、
トリス−2−アクリロキシエチルイソシアヌレート、トリス−2−メタクリロキシエチルイソシアヌレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート
等のジ、トリ又はテトラビニル化合物;多価アルコールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの付加物にアクリル酸又は/及びメタクリル酸を反応せしめた生成物;多価アルコールとε−カプロラクトンとの付加物にアクリル酸又は/及びメタクリル酸を反応せしめた生成物;含リン重合性不飽和モノマー等を挙げることができる。これら不飽和単量体は、一種又は二種以上を混合して使用することができる。
本発明に使用される(C)アクリル樹脂は、通常の溶液重合法や懸濁重合法で製造することができる。(C)アクリル樹脂の製造に用いることのできるアクリル系単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、アリルアクリレート、グリシジルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリル酸、アクリル酸ソーダ、トリメチロールプロパンアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸及びアクリル酸エステルモノマー等が挙げられる。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・・+Wn/Tgn
上記のFOX式は、n種の単量体単位からなる共重合体を構成する各々の単量体についてのホモポリマーのガラス転移温度を、それぞれTg1、Tg2、・・・・、Tgn(K)とし、各々の単量体の質量分率を、それぞれW1、W2、・・・・、Wn(W1+W2+・・・・+Wn=1)とする。
本発明で使用される(D)光重合開始剤は、紫外線の照射により分子内の結合が開裂、又は他の分子の水素原子を引き抜くことによりラジカルを発生する化合物が挙げられる。(D)光重合開始剤の例としては、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤の含有量は0.01〜2質量%であることが必須であり、好ましくは0.1〜2質量%である。0.01質量%未満であると光重合による硬化反応が十分に進まなくなり、2質量%を超えると光重合開始剤が過剰となり、余分な光重合開始剤が黄変の原因になるなど塗膜に悪影響を及ぼす。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤として、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
オキシムエステル系重合開始剤として、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等が挙げられる。
更には、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等の水素引き抜き型開始剤を用いることもできる。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、一般の塗料組成物と同様に通常の(E)有機溶媒を含有する。そのような有機溶媒として、上記バインダー成分や光重合開始剤との相溶性が良好なものが好ましく、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン等のケトン類、エタノール、1−ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類、セロソルブ類、酢酸エステル類、エーテル類、芳香族炭化水素類等を単独で、あるいはそれらを混合して用いることができる。また、その配合量は塗料組成物の塗布方法に適した流動性を塗料組成物に与える量となる20〜70質量%、好ましくは30〜60質量%である。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、刷毛塗り、ローラーブラシ塗り、へら塗り等により塗布した後、活性エネルギー線(UV光等)を照射することにより被塗物上にUV塗膜を形成させることができる。活性エネルギー線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマレーザー、色素レーザー等の紫外線源が使用できる。その照射量は、50〜3000mJ/cm2の範囲内が適当である。従って、硬化乾燥に加熱炉を使わないため、比較的耐熱性の低い樹脂基材にも適用でき、表面硬度が強く、且つ、連続的に大量生産及び大面積化が可能である。活性エネルギー線照射は、場合により窒素やアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物を塗装する被塗物は、主にプラスチック素材であり、その種類としては、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、フェノール樹脂、ポリオレフィン(ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアリルジグリコールカーボネート樹脂、あるいはそれらの複合体等が挙げられる。なかでも、ABS樹脂、PC樹脂、PET、ポリオレフィンの何れか、又はそれらの複合体が好ましく、更にはABS樹脂、PC樹脂、PC/ABS複合体が密着性に優れるため好ましい。
<紫外線硬化塗料組成物の調製>
(A)紫外線硬化性オリゴマーとして
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:BS550、荒川化学社製)、
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:BS575、荒川化学社製)、
2〜3官能エポキシアクリレートオリゴマー(商品名:AQ−9、荒川化学社製)
(B)不飽和二重結合含有化合物として
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、3官能モノマー)、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPEPA、5官能モノマー)、
メタクリル酸オクチル(単官能モノマー)
フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(PPEGA、単官能モノマー)、
(C)アクリル樹脂として
アクリル樹脂A(スチレン/メタクリル酸メチル系、自家製、Tg=90℃)、
アクリル樹脂B(スチレン/メタクリル酸ブチル系、自家製、Tg=55℃)、
アクリル樹脂C(アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ブチル系、自家製、Tg=30℃)
(D)光重合開始剤として
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:IC184、チバ・ジャパン社製)、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:DC1173、チバ・ジャパン社製)、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:DCTPO、チバ・ジャパン社製)
(E)有機溶剤として
シンナー組成(イソブチルアルコール25%、酢酸ブチル25%、酢酸エチル20%、プロピレングリコールモノメチルエーテル20%、エチレングリコールモノブチルエーテル10%)、
を用い、更に
ポリエステル樹脂(商品名:バイロンGK810、東洋紡社製、Tg=46℃)
HALS(ヒンダードアミン系光安定剤、商品名:チヌビン292、チバ・ジャパン社製)、
を用いて表1に示す配合で、(A)〜(E)の各成分を混合し、よく攪拌しながら分散し、実施例1〜5、参考例6〜7及び比較例1〜6の各UV塗料の調製を行った。なお、液状のものは、固形分として記載した。
ABS板、ポリカーボネート(PC)板に各紫外線硬化塗料組成物を膜厚20μmになるように塗布し、紫外線照射は約400mJ/cm2(650〜700mW/cm2)で行い、紫外線硬化し試験板を得た。各試験及び評価方法は、以下のように行った。
上記で作製した塗板の塗膜外観を、目視で観察し、シワやチヂミ等の塗膜欠陥の有無、ツヤびけやツヤぼけの有無等を基準にし、以下のように評価した。
○…異常なし
△…ツヤびけやツヤぼけが見られる
×…シワやチヂミが見られる
上記で作製した塗板を用いて、JIS K5600−5−4に従い、三菱ハイユニ鉛筆を用いて塗膜表面を引っかき、塗膜に傷が生じなかった最も堅い鉛筆硬度で、以下のように評価した。
〇…HB以上
△…B
×…2B以下
上記で作製した塗板を用いて、室温において塗膜表面をスチールウール(#000)で往復20回ラビングテストを繰り返した後の塗膜表面状態を、以下のように目視評価した。
〇…異常なし
△…キズが生じた
×…キズが多く、一部剥がれた
上記で作製した塗板を用いて、80℃×120時間加熱後、塗膜の密着性を確認した。試験板の塗膜表面にJIS K5600−5−6に従い、2mm巾ゴバン目付着試験を行い、その塗膜表面をセロテープ(登録商標)ではがした際に、はがれなかったゴバン目の数に応じて、以下のように評価した。
〇…100/100
△…10〜99/100
×…9/100以下
試験片を、50℃で98%RH以上の恒温恒湿槽に120時間放置後、上記耐熱試験と同様に塗膜のゴバン目付着試験を行い、下記の基準により評価した。
〇…100/100
△…10〜99/100
×…9/100以下
上記で作製した塗板を、作製後1週間室温・暗室内で放置し、塗膜上から再度各紫外線塗料を膜厚20μmになるように再塗布し、上記と同様な条件で紫外線照射を行い、紫外線硬化を行った。その後、塗膜のゴバン目付着試験を行い、下記の基準により評価した。
〇…100/100
△…10〜99/100
×…9/100以下
ABS板を用いたものについて、3回目まで再塗装と紫外線硬化を繰り返し4層塗装を行ったものについて、試験板の反り(たわみ)を確認し、下記の基準により評価を行った。
◎…異常なし
○…軽微なたわみが生じた
△…少したわみが生じたが実使用上問題なし
×…たわみが生じ実使用上問題あり
××…大きなたわみが生じた
Claims (6)
- (A)紫外線硬化性オリゴマーであって、多官能ウレタンアクリレートオリゴマーである紫外線硬化性オリゴマー 10〜50質量%、
(B)不飽和二重結合含有化合物 1〜20質量%、
(C)アクリル樹脂 1〜30質量%、
(D)光重合開始剤 0.01〜2質量%、
(E)有機溶剤 20〜70質量%、
を含有し、上記(C)アクリル樹脂のガラス転移温度Tgが50〜100℃であることを特徴とする紫外線硬化型塗料組成物。 - 上記(B)不飽和二重結合含有化合物が、2官能以上の不飽和単量体である請求項1に記載の紫外線硬化型塗料組成物。
- 上記(D)光重合開始剤が、アルキルフェノン系光重合開始剤である請求項1又は2に記載の紫外線硬化型塗料組成物。
- 請求項1〜3の何れかに記載の紫外線硬化型塗料組成物を塗装し、紫外線硬化した塗膜表面に、更に該紫外線硬化型塗料組成物を再塗装し、紫外線硬化することを特徴とする紫外線硬化塗膜の再塗装方法。
- 上記紫外線硬化型塗料組成物を3回まで再塗装できる請求項4に記載の紫外線硬化塗膜の再塗装方法。
- 上記紫外線硬化型塗料組成物を塗装する被塗物がプラスチックであり、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びこれらの複合体の群から選択される請求項4又は5に記載の紫外線硬化塗膜の再塗装方法。
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