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JP5610531B2 - サイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置 - Google Patents

サイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置 Download PDF

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JP5610531B2
JP5610531B2 JP2010290048A JP2010290048A JP5610531B2 JP 5610531 B2 JP5610531 B2 JP 5610531B2 JP 2010290048 A JP2010290048 A JP 2010290048A JP 2010290048 A JP2010290048 A JP 2010290048A JP 5610531 B2 JP5610531 B2 JP 5610531B2
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Description

本発明は、折り畳まれた状態から車両の座席の側方に展開するサイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置に関する。
従来、自動車の座席に着席した乗員の側方にエアバッグを展開して乗員を保護するサイドエアバッグ装置が知られている。このサイドエアバッグ装置は、座席の側部に収納されたサイドエアバッグ及びこのサイドエアバッグにガスを供給するインフレータを備え、側面衝突時に着席した乗員とドアとの間にサイドエアバッグを膨張展開して、乗員を保護するようになっている。
このようなサイドエアバッグは、着席した乗員の側部に膨張展開し、側方に移動しようとする乗員を拘束して保護するものであり、乗員の側部すなわち腕や肩の部分とドアの内面との間の狭い空間に迅速に展開し、乗員を側方から支える構成が必要となる。
しかしながら、ダミーによる実験の結果、乗員が体を横向きに倒してシートの座部の上で寝るような姿勢をとっており、さらに、頭頂部をドアに近接させて車室の外側に向け、後頭部をシートの背部に沿わせるという特殊な姿勢では、サイドエアバッグの展開の最初期において、サイドエアバッグをダミーの頭部とドアとの間に滑り込ませるように展開させた後に車室の内方に膨張させるよりも、展開するサイドエアバッグによりダミーの頭部を前方に押圧してうなずくように移動させることにより、ダミーに加わる力を制御しつつサイドエアバッグを円滑に膨張展開させ、乗員を効果的に保護できる可能性が示された。
この点、サイドエアバッグの挙動を制御する構成として、帯状の展開ガイド布を用いた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の構成では、展開ガイド布が袋状のエアバッグの乗員側に沿って配置され、基端がエアバッグの基端に重ねて固定されるとともに、先端部からエアバッグとともに外向きに巻回して折り畳まれている。そして、この構成では、エアバッグが膨張を開始して折り畳みが解けたときに、展開途中のエアバッグの乗員側の側面に沿うように展開ガイド布が位置するため、この展開ガイド布からエアバッグに作用する摩擦力により、エアバッグの展開方向が乗員側(反ドア側)に偏向し、エアバッグをドアの内面と強く干渉することなく円滑に展開できるようになっている。
この構成は、展開ガイド布は、エアバッグの乗員側に配置され、かつ、エアバッグの前後方向のほぼ全長にわたって配置されている。また、この構成は、エアバッグとドアの内面との強い干渉を抑制して円滑な展開により乗員の保護を図ったもので、特殊な姿勢のダミーに加わる力を制御しつつサイドエアバッグを円滑に膨張展開させることを図ったものではない。
また、助手席乗員用のエアバッグについて、袋状のエアバッグ本体とともに、当て布を備えた構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2の構成では、エアバッグ本体の正面部分である乗員側壁部の表面を覆うように当て布が配置されている。そして、この当て布は、エアバッグ本体の展開膨張途中において乗員と接触した際に、乗員側壁部に対して移動することにより、エアバッグが乗員に与える負荷を抑制するとされている。
一般に、助手席乗員用のエアバッグは、乗員の前方に離間して配置されている。そこで、この特許文献2の構成では、エアバッグが乗員に当接するまでに、エアバッグの乗員側壁部は平面状に展開し、この乗員側壁部を覆うように配置された当て布も展開した状態となり乗員側壁部に対して移動可能となる。そこで、このエアバッグでは、当て布は、展開過程で捲れ上がらないようにエアバッグ本体に沿って折り畳まれる。
しかしながら、サイドエアバッグについては、助手席乗員用のエアバッグとは異なり、乗員に近接して展開する。そこで、仮にこの助手席乗員用のエアバッグの構成をサイドエアバッグに適用したとすると、乗員に当接した時点で、エアバッグ本体とともに折り畳まれた当て布は、エアバッグ本体に挟まれた状態で移動可能な状態に至らず、所望の効果を奏するものではない。すなわち、エアバッグの展開方向の正面側である乗員対向面に当て布を設けた助手席乗員用のエアバッグを、乗員の側方に展開するサイドエアバッグに適用することは容易ではない。
特開2002−211338号公報 (図6) 特開2003−170795号公報 (図2、図4)
上記従来のように、サイドエアバッグについて、特殊な姿勢のダミーに対しても加わる力を制御しつつ円滑に膨張展開する構成が求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、展開過程のサイドエアバッグに当接する対象物に対して加わる力を制御しつつ円滑に膨張展開するサイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のサイドエアバッグは、車両の車室に設けられ、折り畳んだ状態からガスが導入され座席に着席した乗員と前記車室の側壁部との間に沿って前記乗員の背面側から正面側に向かう展開方向に膨張展開するエアバッグ本体と、基端部が前記エアバッグ本体の前記側壁部側に取り付けられて前記エアバッグ本体とともに折り畳まれ、先端側は遊端とし、展開過程の前記エアバッグ本体の正面側を覆う状態で前記エアバッグ本体とは異なる形状に折り畳まれた案内布とを具備したものである。
請求項2記載のサイドエアバッグは、請求項1記載のサイドエアバッグにおいて、案内布の基端部は、エアバッグ本体の展開方向の中間位置に設定された被取付位置に取り付けられ、前記エアバッグ本体は、正面側の端部から前記被取付位置近傍まで前記案内布を挟まずに折り畳まれた第1の折畳部を備え、前記案内布は、前記エアバッグ本体の前記被取付位置から背面側の基端側の部分とともに折り畳まれたものである。
請求項3記載のサイドエアバッグは、請求項2記載のサイドエアバッグにおいて、第1の折畳部は、正面側の端部が車室側から背面側に向かう内ロールに巻回され、案内布は、エアバッグ本体の被取付位置より背面側の部分とともに内ロールに巻回されたものである。
請求項4記載のサイドエアバッグ装置は、請求項1ないし3いずれか一記載のサイドエアバッグと、このサイドエアバッグのエアバッグ本体内にガスを供給するインフレータとを具備し、前記インフレータは、前記エアバッグ本体の上下方向の中間位置にガスを供給するガス供給部を備え、案内布は、前記エアバッグ本体の上下方向の中間位置に沿って備えられたものである。
請求項1記載のサイドエアバッグによれば、サイドエアバッグは、折り畳んだ状態のエアバッグ本体にガスが導入されると、このエアバッグ本体は座席に着席した乗員と車室の側壁部との間に沿って乗員の背面側から正面側に向かう展開方向に膨張展開し、座席に着席した乗員を保護する。基端部がエアバッグ本体の側壁部側に取り付けられ展開過程のエアバッグ本体の正面側を覆う状態でエアバッグ本体とは異なる形状に折り畳まれた案内布を備えたため、展開初期に案内布の遊端とした先端側はエアバッグ本体とは独立して移動可能となる。そこで、側壁部及び折り畳まれたエアバッグ本体に極めて近接して位置する対象物に対して、エアバッグ本体の折り畳み形状にかかわらず、対象物に案内布が当接してこの対象物に正面側に向かう力を加え、対象物に加わる力を制御しつつサイドエアバッグを円滑に膨張展開させ、対象物を効果的に保護できる。
請求項2記載のサイドエアバッグによれば、請求項1記載の効果に加え、展開過程のエアバッグ本体の正面側を覆う状態でエアバッグ本体とは異なる形状に案内布を折り畳む構成が容易に実現される。案内布の基端部は、エアバッグ本体の展開方向の中間位置に設定された被取付位置に取り付けられるため、エアバッグ本体の基端部に取り付けられる構成に比べ、案内布に要する布の量を削減し、軽量化及び製造コストの削減が容易になる。
請求項3記載のサイドエアバッグによれば、請求項2記載の効果に加え、対象物に加わる力の方向を容易に制御できるとともに、サイドエアバッグを容易に折り畳みでき、製造コストを低減できる。
請求項4記載のサイドエアバッグ装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の効果に加え、ガス供給部に対向してエアバッグ本体の上下方向の中間位置に案内布を配置したため、案内布によりガスを確実に受け止め、上下方向に展開位置がずれることなくサイドエアバッグの挙動を安定させることができる。
本発明のサイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置の一実施の形態を示す展開過程の上方から見た説明図であり、(a)は展開最初期の状態、(b)は(a)に続く状態、(c)は(b)に続く状態である。 同上サイドエアバッグ装置の断面図である。 同上サイドエアバッグの斜視図である。 同上サイドエアバッグの折り畳み工程を示す説明図であり、(a)は初期状態、(b)は(a)に続く状態である。 同上サイドエアバッグ装置の展開状態を示す上方から見た説明図である。
以下、本発明のサイドエアバッグ及びサイドエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1はサイドエアバッグ装置で、このサイドエアバッグ装置1は、自動車である車両2の車室3の座席4に取り付けられ、座席4に着席した乗員Aとドアなどの車室3の側壁部6との間に沿ってサイドエアバッグ10を膨張展開し、乗員Aを拘束するとともに側壁部6との当接を抑制して着席した乗員Aを保護する。なお、各図において、乗員Aはダミーにより示しており、図2及び図5に示す乗員Aは、成人男性を模したダミーである。また、図1に示す乗員Bは、対象物としての子供を模したダミーである。また、前後、両側、上下などの方向は、車両2の直進方向を基準とし、Fが展開方向としての前方、図3におけるUが上方、Wが幅方向に沿った外側方である。また、座席4は、座部4aと、この座部4aの後部から上側に立設された背部(シートバック)4bとを備えている。そして、この背部4bは、角度調整可能に設けられ、通常は傾斜した状態で用いられるものであるが、以下、方向については、背部4bが垂直状に上側に立設された状態として説明する。また、車室3とは、車体の外殻を構成する鋼板の内側の部分をさしている。
そして、このサイドエアバッグ装置1は、ガスが供給されて膨張展開する袋状のエアバッグ本体11を備えたサイドエアバッグ10と、エアバッグ本体11にガスを供給するインフレータ12と、これらサイドエアバッグ10及びインフレータ12を座席4に固定する取付部材である固定具16と、これら部材を収納するカバーである図示しない樹脂製のケース体となどを備え、座席4の背部4bの側部に設けられた収納位置18に収納され、座席4のフレーム(シートフレーム)4cに固定されている。また、このサイドエアバッグ装置1は、車両2に設けられた図示しない制御装置を備え、この制御装置によりインフレータ12が制御される。
そして、インフレータ12は、図2に示すように、略円柱状の本体部21と、この本体部21の一端部である上端部から突設された図示しないガス供給部とを備えている。また、本体部21の他端部である下端部には、制御手段に接続されインフレータ12を起動させるためのコネクタが設けられている。そして、ガス供給部は、ディフューザとも呼ばれるもので、本体部21の一端部から、本体部21より径寸法の小さい円柱状に突設され、周面にはガス吐出口となる複数の円孔が形成されている。そして、このガス供給部は、エアバッグ本体11の上下方向すなわち高さ方向の中間位置にガスを供給するようになっている。なお、インフレータ12は、種々の形式を採り得るものであるが、例えばいわゆるハイブリッドタイプで、コネクタに点火信号が流れることにより、本体部21の内部に充填した推進薬を反応させるとともに、本体部21の内部のボンベに貯留したガスを開放して、ガス供給部から比較的低い温度のガスを噴射する。
また、固定具16は、リテーナとも呼ばれるもので、板金を折曲形成したリテーナ本体部25と、このリテーナ本体部25に固着された取付手段である一対のボルト26とを備えている。そして、リテーナ本体部25は、インフレータ12の本体部21を挿入可能な略円筒状に湾曲され、外側から押圧してかしめるなどして、インフレータ12を固定して保持する。また、ボルト26は、リテーナ本体部25に固着され、裏面側に突設されている。
また、サイドエアバッグ10のエアバッグ本体11は、図2ないし図4などに示すように、乗員Aの背面側から正面側すなわち後側から前側に向かう展開方向に膨張展開するもので、1枚あるいは複数枚のパネルとも呼ばれる基布を縫合し、内側をインフレータ12からガスが導入される気室である膨張部30とする袋状に構成されている。本実施の形態では、展開状態で座席4側すなわち乗員A側に位置する内側基布部31と、この内側基布部31の外側方に位置し側壁部6側に位置する外側基布部32と、これら基布部31,32の外周部を連結する外周基布部33とを縫い合わせて接合することにより、両側面、上下の面及び前面がそれぞれ1枚の基布で構成された扁平な袋体の外殻が構成されている。また、外殻の後端部には、インフレータ12などを挿入する開口37が設けられ、この開口37から挿入されたインフレータ12は膨張部30の後側部に配置される。
さらに、エアバッグ本体11の外殻には、図3に示すように、膨張部30を外部に連通する排気口であるベントホール38が設けられている。このベントホール38は、本実施の形態では、サイドエアバッグ10の前端部で上下方向の中間部に位置する外周基布部33に、前方に向かって開口する1個の円孔として形成されている。 また、このサイドエアバッグ10の外殻の開口37を設けた後端側の部分は、内側方に折り重ねられる基部39となっているとともに、この基部39の部分には、基布部31,32を貫通する取付孔41が形成されている。
また、図2に示すように、外殻の内側あるいは外側には、必要に応じて防炎布などとも呼ばれる補強布42や、サイドエアバッグ10の膨張部30すなわち外殻の両側方向の展開寸法を規制するとともに所定の幅寸法で扁平に展開可能とする図示しない隔壁などが重ねて縫い合わされている。
さらに、サイドエアバッグ10は、エアバッグ本体11に取り付けられた案内布44を備えている。この案内布44は、フラップ布などとも呼び得るもので、エアバッグ本体11を構成する基布と同じあるいは同様の素材の基布により構成され、かつ、エアバッグ本体11とは別体の基布により構成されている。そして、この案内布44は、平面矩形状でエアバッグ本体11よりも上下方向の寸法が小さいいわば帯状をなし、基端部45が、エアバッグ本体11の前後方向の中間位置かつ上下方向の中間位置に設定された被取付位置46に縫製などして取り付けられ、他の部分はエアバッグ本体11に取り付けられておらず、先端部は遊端となっている。そして、案内布44の先端部48は、前方に向かい、内側基布部31及び外側基布部32の先端部であるエアバッグ本体11の正面側すなわち前側の端部49よりも前方に位置している。そして、この案内布44は、エアバッグ本体11の車外側の上下方向の中間位置の先端側の部分のみを覆うように配置されている。また、被取付位置46すなわち案内布44の基端部45は、エアバッグ本体11の基部39及び端部49のいずれからも所定の寸法だけ離間する位置で、エアバッグ本体11に取り付けられている。
次に、このサイドエアバッグ装置1の組み立て工程を説明する。
まず、固定具16にインフレータ12を取り付けて、インフレータユニットを構成する。そして、このインフレータユニットを、縫製したサイドエアバッグ10の後端の開口37から膨張部30内に挿入し、サイドエアバッグ10の基部39を折り重ねるとともに、固定具16のボルト26を取付孔41から外側に引き出し、図示しないナットなどで固定する。この状態で、インフレータ12のガス供給部は、エアバッグ本体11の上下方向の中間位置の中央位置に配置される。
次に、インフレータ12及び固定具16に組み合わされたサイドエアバッグ10を所定の形状に小さく折り畳む。この折畳形状すなわち折畳方法は、図4(a)に示すように、まず、内側基布部31と外側基布部32とが密着するようにエアバッグ本体11を平板状とし、このエアバッグ本体11に案内布44を沿わせる。
次いで、エアバッグ本体11を端部49が車室3側から後方に向かうように、内ロールに巻回し、第1の折畳部51を形成する。この工程は、例えば、サーベルと呼ばれる一対の細長い金属板の治具でエアバッグ本体11の端部49を挟みこみ、このサーベルを回転させて行う。この際、図4(b)に示すように、エアバッグ本体11を被取付位置46まで巻回するまでは、案内布44はエアバッグ本体11に沿わさず、すなわち、案内布44をエアバッグ本体11の第1の折畳部51に巻き込まず、挟持しない。
次いで、案内布44とともにエアバッグ本体11をさらに内ロールで折り畳み、図2に示す状態とする。すなわち、案内布44は、エアバッグ本体11とは異なる状態で折り畳まれ、少なくとも、案内布44の先端側はエアバッグ本体11の先端側の部分に挟持されてはいない。
そして、これらサイドエアバッグ10、インフレータ12及び固定具16を必要に応じてケースに収納し、あるいは破断可能なテープで折畳形状を保持などして、サイドエアバッグ装置1が構成される。そして、このサイドエアバッグ装置1は、座席4の側部の収納位置18に収納され、固定具16の各ボルト26を座席4のフレーム4cなどに固定することにより、自動車の座席4に取り付けられ、すなわち、固定具16を介して、サイドエアバッグ10及びインフレータ12が車体に取り付けられる。さらに、サイドエアバッグ装置1のインフレータ12のコネクタを図示しないハーネスを介して車両2側に備えられた制御装置に接続する。そして、この制御装置は、CPUを備えるとともに、単数あるいは複数のセンサが接続され、これらセンサにより得られる乗員の状態や衝突の状況に応じて、インフレータ12を所定のタイミングで起動させる。
次に、このサイドエアバッグ装置1の展開動作を説明する。
車両2が側面衝突などの衝撃を受けると、制御手段は、乗員の保護に適切な状態でインフレータ12を起動し、ガス供給部からガスを噴射する。すると、このガスは直接に膨張部30に供給され、サイドエアバッグ10は、カバーを開いて座席4から突出し、前方に向かって膨張展開する。より詳細には、インフレータ12から供給されたガスは、内ロールで巻回したエアバッグ本体11の膨張部30を基部39側から側壁部6に沿って転がるように迅速に膨張展開させる。そして、展開初期に、エアバッグ本体11が被取付位置46まで展開すると、図4(b)に示すように、案内布44はエアバッグ本体11から独立して移動可能な状態となる。さらにガスが供給されると、エアバッグ本体11の先端側も側壁部6に沿って転がるように膨張展開し、前側の端部49まで展開したいわばフル展開の状態となる。
そこで、例えば、座席4の正規位置に着席しシートベルトを装着した平均的な成人男性の体格の乗員Aの場合は、図5に示すように、乗員Aの側方に位置し、乗員Aと車両2の側壁部6との間に所定の反力でエアバッグ本体11を展開して、乗員Aを保護する。さらに、サイドエアバッグ10が完全に展開した状態の後、あるいは乗員Aがサイドエアバッグ10に当接した状態で、ベントホール38からガスが排気される。
ここで、非適正乗車位置に乗員Bが存在する場合、例えば、図1にダミーで示すように、子供である乗員Bが座席4の座部4aの上に横になって寝るように位置し、頭部を側壁部6に近接させるとともに後頭部を座席4の背部4bに近接させた状態を仮定する。この状態では、展開の初期において、サイドエアバッグ10が乗員Bの後頭部に当接する。この時、図1(a)に示すように、案内布44が乗員Bに当接するが、この案内布44は、すでにエアバッグ本体11から独立して移動可能な状態となっているため、案内布44はエアバッグ本体11に対して滑りながら移動し、乗員Bに回転する方向の力を伝えることなく、頭部を前方に向けて押圧する。すると、図1(b)から(c)に示すように、頭部は前方にうなずくあるいはお辞儀をするように自然に傾き、乗員Bへの影響を抑制しつつ頭部と側壁部6との間に円滑に空間が形成される。そして、この空間にエアバッグ本体11は円滑に膨張展開し、乗員Bの位置を拘束し、乗員Bと側壁部6との当接を抑制して保護できる。
このように、本実施の形態によれば、折り畳んだ状態のエアバッグ本体11にガスを導入することにより、エアバッグ本体11は座席4に着席した乗員Aと車室3の側壁部6との間に沿って乗員Aの背面側から正面側に向かう展開方向に膨張展開し、座席4に着席した乗員Aを保護できる。
さらに、エアバッグ本体11に案内布44を取り付け、この案内布44は、基端部45がエアバッグ本体11の側壁部6側に取り付けられ展開過程のエアバッグ本体11の正面側を覆う状態でエアバッグ本体11とは異なる形状に折り畳んだため、展開初期に案内布44の先端側はエアバッグ本体11とは独立して異なる展開挙動を示すように移動可能となり、側壁部6及び折り畳まれたエアバッグ本体11に極めて近接して位置する非正規位置の乗員Bに対しても、エアバッグ本体11の折り畳み形状にかかわらず、乗員Bに案内布44が当接してこの乗員Bに前方に向かう力を加え、乗員Bに加わる力の方向を制御しつつサイドエアバッグ1を円滑に膨張展開させ、乗員Bを効果的に保護できる。
さらに、案内布44の基端部45は、エアバッグ本体11の展開方向の中間位置に設定された被取付位置46に取り付けられ、エアバッグ本体11は、正面側の端部49から被取付位置46近傍まで案内布44を挟まずに折り畳まれた第1の折畳部51を形成し、案内布44は、エアバッグ本体11の被取付位置46から背面側の基端側の部分とともに折り畳んだため、展開過程のエアバッグ本体11の正面側を覆う状態でエアバッグ本体11とは異なる形状に案内布44を折り畳む構成を容易に実現できる。
さらに、エアバッグ本体11の第1の折畳部51は、正面側の端部49が車室3側から背面側に向かう内ロールに巻回され、案内布44は、エアバッグ本体11の被取付位置46より後側の部分とともに内ロールに巻回することにより、非正規位置の乗員Bに加わる力の方向を容易に制御できるとともに、サイドエアバッグ10を容易に折り畳みでき、サイドエアバッグ10及びエアバッグ装置1製造コストを低減できる。
また、案内布44の基端部45は、エアバッグ本体11の前側の端部49から所定の寸法だけ離間する位置でエアバッグ本体11に取り付けたため、エアバッグ本体11の端部49の展開挙動と案内布44の先端部48の展開挙動とを確実に異ならせることができる。なお、この案内布44の基端部45すなわち被取付位置46がエアバッグ本体11の端部49から離間する寸法は、例えば30mm以上とすることにより、エアバッグ本体11の端部49の展開挙動と案内布44の先端部48の展開挙動とを異ならせる効果を確実にできるとともに、治具によるサイドエアバッグ10の巻回作業を容易にできる。
また、案内布44の基端部45は、エアバッグ本体11の側壁部6側の外側基布部32に取り付けられたため、エアバッグ本体11の膨張展開時に、最終的に案内布44を側壁部6側に導き、案内布44の乗員A,Bに対する影響を抑制できる。
また、エアバッグ本体11の基部39側の部分は、内ロールで巻回したため、側壁部6に沿って転がるように迅速に膨張展開させ、展開初期に、第1の折畳部51の正面側から車室3側を覆うように案内布44を配置して、案内布44を乗員Bに確実に接触させることができる。
さらに、エアバッグ本体11の前側の端部49側の部分を折り畳んだ第1の折畳部51は、車室3の側壁部6に沿って内ロールで巻回したため、展開初期に第1の折畳部51の正面側から車室3側を覆うように案内布44を配置した状態から、第1の折畳部51の展開に従い案内布44を乗員Bに接触させ、かつ、所望の方向である前方に押圧させながら円滑に展開させる構成を容易に実現できる。
このようにして、特殊な非正規位置の乗員Bを円滑に保護できるため、特殊な非正規位置を検出する座席の姿勢検知センサー(OPDS)などを設けることなく、軽量化やコストの低減を容易に実現できるとともに、サイドエアバッグ10を膨張展開させて乗員Bを保護できる。
また、案内布44の基端部45は、エアバッグ本体11の展開方向の中間位置に設定された被取付位置46に取り付けられるため、エアバッグ本体11の基端部に取り付けて前側の端部49まで延設される構成に比べ、案内布44に要する布の量を削減し、軽量化及び製造コストの削減が容易になる。
また、サイドエアバッグ10のエアバッグ本体11内にガスを供給するインフレータ12は、エアバッグ本体11の上下方向の中間位置にガスを供給するガス供給部を備え、案内布44は、ガス供給部に対向してエアバッグ本体11の上下方向の中間位置に沿って配置したため、案内布44によりガスを確実に受け止め、上下方向に展開位置がずれることなくサイドエアバッグ10の挙動を安定させることができる。さらに、側壁部6を構成するドアの下部に車室3側に突出して設けられるアームレストなどの構造と案内布44との干渉を抑制し、案内布44を円滑に展開できる。
さらに、本実施の形態では、膨張部30の外殻の外周部にまち状の外周基布部33を設け、サイドエアバッグ10の保護領域である膨張部30のほぼ全体でストロークを確保し、乗員Aの側壁部6への当接を抑制して保護できる。
なお、上記の実施の形態では、案内布44は、矩形の帯状とし、縫製によりエアバッグ本体11に取り付けたが、この構成に限られない。例えば、案内布44は、側壁部6を構成するドアなどの形状に応じて、平面略L字状など四角以外の形状とすることができる。また、案内布44は、エアバッグ本体11の上下方向の中間位置のみに沿って配置するほか、中間位置から上側、中間位置から下側、あるいはエアバッグ本体11の上下方向の全体に沿って設けることもできる。また、案内布44は、エアバッグ本体11に接着などにより取り付けることもできる。
また、エアバッグ本体11の第1の折畳部51の折畳形状は、内ロールに限られず、例えば反対方向に巻回する外ロールに巻き回して折り畳み、あるいは、蛇腹状に折り畳むこともできる。
また、エアバッグ本体11は、内側基布部31と外側基布部32とを外周基布部33で連結したが、この構成に限られず、例えば、内側基布部31と外側基布部32とを直接的に連結して形成することもできる。
また、インフレータ12は、ハイブリッドタイプの他、燃焼によりガスを供給するいわゆるパイロ式の構成などを採ることもできる。また、インフレータ12を固定する固定具16についても、インフレータ12を挟持して保持する構成など、種々の構成を採ることができる。
本発明は、自動車の座席の側部に収納され、乗員とドアとの間にエアバッグを展開して乗員を保護するサイドエアバッグ装置として用いられる。
1 サイドエアバッグ装置
2 車両
3 車室
4 座席
6 側壁部
10 サイドエアバッグ
11 エアバッグ本体
12 インフレータ
44 案内布
45 基端部
46 被取付位置
49 端部
51 第1の折畳部
A 乗員
B 対象物である乗員
F 展開方向としての前方

Claims (4)

  1. 車両の車室に設けられ、折り畳んだ状態からガスが導入され座席に着席した乗員と前記車室の側壁部との間に沿って前記乗員の背面側から正面側に向かう展開方向に膨張展開するエアバッグ本体と、
    基端部が前記エアバッグ本体の前記側壁部側に取り付けられて前記エアバッグ本体とともに折り畳まれ、先端側は遊端とし、展開過程の前記エアバッグ本体の正面側を覆う状態で前記エアバッグ本体とは異なる形状に折り畳まれた案内布と
    を具備したことを特徴とするサイドエアバッグ。
  2. 案内布の基端部は、エアバッグ本体の展開方向の中間位置に設定された被取付位置に取り付けられ、
    前記エアバッグ本体は、正面側の端部から前記被取付位置近傍まで前記案内布を挟まずに折り畳まれた第1の折畳部を備え、
    前記案内布は、前記エアバッグ本体の前記被取付位置から背面側の基端側の部分とともに折り畳まれた
    ことを特徴とする請求項1記載のサイドエアバッグ。
  3. 第1の折畳部は、正面側の端部が車室側から背面側に向かう内ロールに巻回され、
    案内布は、エアバッグ本体の被取付位置より背面側の部分とともに内ロールに巻回された
    ことを特徴とする請求項2記載のサイドエアバッグ。
  4. 請求項1ないし3いずれか一記載のサイドエアバッグと、このサイドエアバッグのエアバッグ本体内にガスを供給するインフレータとを具備し、
    前記インフレータは、前記エアバッグ本体の上下方向の中間位置にガスを供給するガス供給部を備え、
    案内布は、前記エアバッグ本体の上下方向の中間位置に沿って備えられた
    ことを特徴とするサイドエアバッグ装置。
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