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JP5609589B2 - エンジン始動制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン始動制御システムに関するものである。
電子キーを備えた携帯電話などの携帯機を使用して照合を行い、イグニッションキーを差し込むことなくエンジンの始動を行うスマートキーシステムが知られている。下記特許文献1には、ブレーキペダルが踏み込まれた状態で、電子キーとの室内照合を行い、イグニッションスイッチ装置のロータリースイッチがオート位置にある場合にはエンジンを自動的に始動させ、ロータリースイッチがオート位置にない場合には手動で始動させる車両用エンジン制御システムが記載されている。
特開2003−269305号公報
上記特許文献1に記載の車両用エンジン制御システムでは、運転者はエンジンを自動的に始動させるか、手動で始動させるかをロータリースイッチによって切り替える必要があった。このロータリースイッチによる切り替えは、運転者にとって煩わしい作業であった。
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、運転者が煩わしい作業を行うことなくエンジンの自動始動と手動始動とを切り替えることができるエンジン制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るエンジン始動制御システムは、停止操作を検出する停止操作検出手段と、車両キーを照合する照合手段と、停止操作検出手段により停止操作が検出されている状態において照合手段による照合が成功した場合にエンジンを自動始動させ、停止操作検出手段により停止操作が検出されていない状態において照合手段による照合が成功した場合にエンジンを手動始動可能な状態とすることで、エンジンの自動始動と手動始動とを切り替えるエンジン始動制御手段と、を備えることを特徴とする。なお、エンジンの自動始動とは、運転者がエンジンスイッチを操作することなくエンジンを始動させることを意味する。また、停止操作には、ブレーキ操作、サイドブレーキ操作、ギアをパーキングに設定する操作等が含まれる。
本発明によれば、停止操作検出手段が停止操作を検出している状態において照合手段による照合が成功した場合にエンジンを自動始動させ、停止操作検出手段が停止操作を検出していない状態において照合手段による照合が成功した場合にエンジンを手動始動可能な状態とすることにより、運転者がスイッチ操作などの煩わしい作業を行うことなくエンジンの自動始動と手動始動を切り替えることが可能となる。また、エンジンの自動始動と手動始動とを切り替え可能とすることで、運転者の好みに応じてエンジンの始動方法を選択することができる。
また本発明に係るエンジン始動制御システムにおいて、停止操作は、ブレーキ操作であるのが好ましい。これによれば、停止操作検出手段がブレーキ操作を検出している状態で、照合手段による照合が成功した場合に、エンジンを自動始動させ、停止操作検出手段がブレーキ操作を検出していない状態で、照合手段による照合が成功した場合に、エンジンを手動始動可能な状態とすることにより、運転者がスイッチ操作などの煩わしい作業を行うことなく、ブレーキ操作によってエンジンの自動始動と手動始動を切り替えることが可能となる。また、エンジンの自動始動と手動始動とを切り替え可能とすることで、運転者の好みに応じてエンジンの始動方法を選択することができる。
また本発明に係るエンジン始動制御システムにおいて、エンジン始動制御手段は、エンジンが手動始動可能な状態にあるとき、エンジンスイッチがオン状態にされることによりエンジンを始動させるのが好ましい。これによれば、運転者が通常の操作でエンジンの手動始動を行うことができる。この結果、運転者がスイッチ操作などの煩わしい作業を行うことなくエンジンの自動始動と手動始動とを切り替えることが可能となる。また、エンジンの自動始動と手動始動とを切り替え可能とすることで、運転者の好みに応じてエンジンの始動方法を選択することができる。
本発明のエンジン始動制御システムによれば、運転者が煩わしい作業を行うことなくエンジンの自動始動と手動始動とを切り替えることができる。
本発明の実施形態に係るエンジン始動制御システムの概要構成図である。 本発明の実施形態に係るエンジン始動制御システムのエンジン始動処理を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に、本実施形態のエンジン始動制御システム1の構成概略図を示す。エンジン始動制御システム1は、車両に搭載され、当該車両のエンジンの始動を制御するシステムである。図1に示すようにエンジン始動制御システム1は、エンジン始動制御装置2と、スマートシステム3と、バッテリー4と、ブレーキペダルセンサ5と、エンジンスイッチ6と、エンジンECU7とを含んで構成されている。
エンジン始動制御装置2は、停止操作を検出している状態で、後述する照合ECU(Electronic Control Unit)31による照合が成功した場合、エンジンを自動始動させ、停止操作を検出していない状態で、照合ECU31による照合が成功した場合に、エンジンを手動始動可能な状態とするエンジン始動制御手段として機能するものである。また、図1に示すようにエンジン始動制御装置2は、ECU21と、室内用R/W(Reader/Writer)22とを含んで構成されている。エンジン始動制御装置2は、運転者が携帯する携帯機8との間でデータの送受信を行う。エンジン始動制御装置2は、室外用R/W23を含む構成としてもよい。なお、エンジンの自動始動とは、運転者がエンジンスイッチを押すことなくエンジンを始動させることを意味する。
ECU21は、エンジン始動制御装置2の制御を行う装置である。ECU21は、車両に搭載されており、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び入出力インターフェイス等を含むコンピュータを主体として構成されている。ECU21は、室内用R/W22、バッテリー4、ブレーキペダルセンサ5、エンジンスイッチ6、エンジンECU7に接続されている。また、ECU21は、無線通信によりチューナ32、LF発信機33と通信可能に構成されている。エンジン始動制御装置2が室外用R/W23を含む場合には、ECU21は、室外用R/W23にも接続されている。またECU21は、ブレーキ信号検出部211とR/W送受信部212とスマートシステム通信部213と照合結果判定部214とエンジン信号検出部215とエンジン始動制御部216とを備えて構成されている。
室内用R/W22は、例えば運転席の前方に配設されており、運転者が携帯する携帯機8との間でデータの送受信を行う装置である。室内用R/W22は、例えばNFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信により携帯機8との間で通信を行う。室内用R/W22は、例えば半径十数cm以内の範囲において通信可能である。室内用R/W22は、例えばECU21から受信したリクエスト信号を携帯機8に送信する。室内用R/W22は、例えば携帯機8から携帯機8に固有のIDコードを含む応答信号等を受信する。
室外用R/W23は、例えば運転席側のドアに配設されており、運転者が携帯する携帯機8との間でデータの送受信を行う装置である。室外用R/W23は、例えばNFCなどの近距離無線通信により携帯機8との間で通信を行う。室外用R/W23は、例えば半径十数cm以内の範囲において通信可能である。室外用R/W23は、ECU21から受信したリクエスト信号を携帯機8に送信する。室外用R/W23は、例えば携帯機8から携帯機8に固有のIDコードを含む応答信号等を受信する。
スマートシステム3は、車両に搭載されており、無線通信によりエンジン始動制御装置2と通信を行い、携帯機8の照合を行うものである。図1に示すようにスマートシステム3は、照合ECU31と、チューナ32と、LF発信機33とを含んで構成されている。このスマートシステム3は、従来より車両に搭載されているものであってもよい。本実施形態において、携帯機8に固有のIDコードは、車両キーとして使用される。したがって、携帯機8のIDコードの照合が成功した場合、当該携帯機8を保有する運転者は、ドアの解錠や施錠、エンジンの始動等を行うことが可能となる。
照合ECU31は、携帯機8に固有のIDコードを照合する照合手段として機能するものである。照合ECU31は、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイス等を含むコンピュータを主体として構成されている。照合ECU31は、チューナ32、LF発信機33に接続されている。照合ECU31は、IDコードを送信させるためのリクエストコードがROMに格納されており、定期的にLF発信機33にリクエスト信号として出力する。照合ECU31は、チューナ32からID信号を受信すると、RAM等の記憶媒体に格納された登録済み携帯機8のIDコードを参照して、受信したID信号が示すIDコードが正規のIDコードであるか否かの認証を行う。正規のIDコードであると認証すると、照合結果を示す照合結果信号をLF発信機33に出力する。
また、照合ECU31は、車載ネットワークNWを介して、車両の各部との間で通信を行う。なお、車載ネットワークNWは、例えばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の通信プロトコルに準拠したものが用いられる。
チューナ32及びLF発信機33は、エンジン始動制御装置2との間で無線通信によりデータの送受信を行うものである。チューナ32は、例えばECU21のスマートシステム通信部213から送信された応答信号を受信し、応答信号を復号してこれに含まれる携帯機8に固有のIDコードを示すID信号を照合ECU31に出力する。LF発信機33は、例えば照合ECU31からリクエスト信号や照合結果信号を受信し、各信号を変調及び増幅してECU21のスマートシステム通信部213に送信する。
バッテリー4は、車両に搭載されており、エンジン始動制御装置2に電源を供給する装置である。バッテリー4は、車両内の他の装置にも電源を供給するものである。また、バッテリー4は、エンジン始動制御装置2専用のものを使用してもよい。
ブレーキペダルセンサ5は、例えばブレーキペダルに設けられており、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれたか否かを検出している。ブレーキペダルセンサ5は、ブレーキ信号をECU21に出力する。ブレーキペダルセンサ5は、例えばブレーキペダルが踏み込まれている場合に、ブレーキ信号をオン(例えばハイレベル出力)とし、ブレーキペダルが踏み込まれていない場合に、ブレーキ信号をオフ(例えばローレベル出力)とする。
エンジンスイッチ6は、例えば、押しボタン式センサで構成され、運転席前方のインストルメントパネル部に設けられる。エンジンスイッチ6は、運転者によって押される度にエンジンオン信号とエンジンオフ信号を交互にECU21に出力する。エンジンスイッチ6は、エンジンオン信号とエンジンオフ信号に代えて、エンジン信号をオン(ハイレベル出力)、オフ(ローレベル出力)するようにしてもよい。
エンジンECU7は、図示しないエンジンの制御を行う装置である。エンジンECU7は、車両に搭載されており、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイス等を含むコンピュータを主体として構成されている。エンジンECU7は、例えばECU21からのエンジン始動制御信号に基づいて、エンジンの始動を制御する。
携帯機8は、エンジン始動制御装置2と無線通信する装置であって、例えば携帯電話等の運転者が携帯可能な情報端末である。図1に示すように携帯機8は、通信部81と、操作部82と、制御部83と、記憶部84とを含んで構成されている。携帯機8は、ICカードであってもよい。
通信部81は、エンジン始動制御装置2の室内用R/W22、室外用R/W23と通信を行う通信手段として機能するものである。通信部81は、例えばNFC等の近距離無線通信により室内用R/W22、室外用R/W23との間で通信を行う。通信部81は、後述する制御部83の指示に従って、携帯機8に固有のIDコードを含む応答信号、所定の制御信号等を室内用R/W22、室外用R/W23に送信する。また、通信部81は、例えば室内用R/W22、室外用R/W23からリクエスト信号を受信する。
操作部82は、例えば、タッチパネルで構成されている。タッチパネル上の所定のアイコンを運転者が押下するなどして、所定の操作を行う。操作部82は、複数のボタンで構成されていてもよい。
制御部83は、携帯機8を制御するものであって、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイス等を含むコンピュータを主体として構成されている。制御部83は、通信部81を介してリクエスト信号を受信すると、後述する記憶部84からIDコードを含む携帯機8に固有の情報を読み出し、応答信号として通信部81を介して室内用R/W22、室外用R/W23に送信する。また、制御部83は、運転者により操作部82を使用して所定の操作が行われると、対応する制御信号を通信部81を介して室内用R/W22、室外用R/W23に送信する。例えば、ドアの施錠や解錠を示すアイコンが押下されると、制御部はドア施錠信号、ドア解錠信号を通信部81を介して室外用R/W23に送信する。
記憶部84は、携帯機8に固有のIDコードを格納する記憶手段である。記憶部84は、IDコードの他、携帯機8の属性情報等を格納している。
引き続いて、本実施形態のECU21の各機能について以下に説明を行う。
ブレーキ信号検出部211は、ブレーキ信号を検出するブレーキ信号検出手段として機能するものである。ブレーキ信号検出部211は、ブレーキペダルセンサ5から出力されたブレーキ信号を受信して、ブレーキ信号がオン状態であるかオフ状態であるかを判定する。ブレーキ信号検出部211は、例えば、ブレーキ信号がハイレベルである場合にオン状態であると判定し、ブレーキ信号がローレベルである場合にオフ状態であると判定する。
R/W送受信部212は、室内用R/W22及び室外用R/W23との間でデータの送受信を行うものである。R/W送受信部212は、携帯機8にIDコードを送信させるためのリクエスト信号を室内用R/W22、室外用R/W23に定期的に送信する。このリクエスト信号は、スマートシステム3からスマートシステム通信部213が受信したものを用いてもよいし、ECU21内で新たに生成してもよい。また、R/W送受信部212は、例えば、携帯機8に固有のIDコードを含む応答信号等を室内用R/W22、室外用R/W23から受信する。
スマートシステム通信部213は、スマートシステム3との間で無線通信によりデータの送受信を行うスマートシステム通信手段として機能するものである。スマートシステム通信部213は、例えばR/W送受信部212が受信した応答信号を変調してスマートシステム3に送信する。スマートシステム通信部213は、例えばスマートシステム3のLF発信機33からリクエスト信号を受信し、リクエスト信号を復調してR/W送受信部212に送信する。また、スマートシステム通信部213は、例えばスマートシステム3のLF発信機33から照合結果信号を受信し、照合結果信号を復調して照合結果判定部214に送信する。
照合結果判定部214は、スマートシステム3の照合ECU31によって行われた照合の結果を判定する照合結果判定手段として機能するものである。スマートシステム3からスマートシステム通信部213を介して照合結果信号を受信し、照合結果信号が示す照合結果に基づいて照合が成功したか失敗したかを判定する。
エンジン信号検出部215は、エンジンスイッチ6が操作されることにより送信されるエンジンオン信号とエンジンオフ信号とを検出するエンジン信号検出手段として機能するものである。エンジン信号検出部215は、エンジンオン信号、エンジンオフ信号を検出することで、エンジンスイッチ6がオン状態、オフ状態のいずれであるかを検出する。そして、エンジン信号検出部215は、エンジンスイッチ6がオン状態であるかオフ状態であるかをエンジン始動制御部216に通知する。
エンジン始動制御部216は、エンジンECU7に対してエンジンを始動させる制御を行うエンジン始動制御手段として機能するものである。エンジン始動制御部216は、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオン状態を検出しており、且つ、照合結果判定部214が照合結果を成功と判定した場合に、エンジンECU7に対してエンジン始動制御信号を出力する。また、エンジン始動制御部216は、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオフ状態を検出しており、且つ、照合結果判定部214が照合結果を成功と判定した場合に、エンジンを始動可能状態とする。例えば、エンジンのステータスを示すステータスレジスタをECU21に設けておき、エンジン始動制御部216は、ステータスレジスタの始動可能状態を示すフラグをオンにする等してエンジンを始動可能状態とする。
エンジン始動制御部216は、エンジン始動可能状態において、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオン状態を検出しており、且つ、エンジン信号検出部215がエンジンスイッチ6のオン状態を検出した場合に、エンジンECU7にエンジン始動制御信号を出力する。さらに、エンジン始動制御部216は、エンジン始動可能状態において、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオフ状態を検出しており、且つ、エンジン信号検出部215がエンジンスイッチ6のオン状態を検出した場合に、各種モードの処理を行う。各種モードとは、例えばOFFモード、ACCモード、ONモードであって、これらのモードは、エンジンスイッチ6を押下する度に循環的に切り替えられるようにしてもよい。この場合、エンジンスイッチ6は、ONモードのときにエンジンオン信号を出力する。なお、OFFモードは、非常点滅灯が使用可能に制御されるモードである。ACCモードは、アクセサリーソケットなどの電装品が使用可能に制御されるモードである。ONモードは、全ての電装品が使用可能に制御されるモードである。
続いて、図2のフローチャートを用いて、本実施形態に係るエンジン始動制御システム1におけるエンジン始動処理の手順について説明する。
まず、ブレーキ信号検出部211は、ブレーキ信号がオン状態であるかオフ状態であるかを判定する(S1)。ブレーキ信号がオン状態であると判定された場合、携帯機8のIDコードの室内照合が開始されたか否かを判定する(S2)。例えば、室内用R/W22によって携帯機8から受信した応答信号を、R/W送受信部212が受信することにより、室内照合が開始されたことを認識する。S2の判定において、室内照合が開始されていないと判定された場合、S1の処理に戻る。
一方で、S2の判定において、室内照合が開始されたと判定された場合、スマートシステム通信部213は、R/W送受信部212によって受信された応答信号をスマートシステム3に送信する。スマートシステム3では、チューナ32を介して応答信号を受信すると、照合ECU31が応答信号に含まれるIDコードの照合を行い、LF発信機33を介して照合結果を示す照合結果信号をエンジン始動制御装置2に送信する。そして、スマートシステム通信部213は照合結果を示す照合結果信号を受信する。
続いて、照合結果判定部214は、スマートシステム通信部213が受信した照合結果信号に基づいて、照合結果を判定する(S3)。照合結果がNGであったと判定された場合、S1の処理に戻る。一方で、S3の判定において、照合結果がOKであったと判定された場合、エンジン始動制御部216は、エンジンECU7にエンジン始動制御信号を出力して、エンジンを始動させる(S11)。そして、エンジン始動制御システム1におけるエンジン始動処理を終了する。
一方で、S1の判定においてブレーキ信号がオフ状態であると判定された場合、S2と同様にして、携帯機8のIDコードの室内照合が開始されたか否かを判定する(S4)。この判定において、室内照合が開始されていないと判定された場合、S1の処理に戻る。一方で、S4の判定において、室内照合が開始されたと判定された場合、スマートシステム通信部213は、R/W送受信部212によって受信された応答信号をスマートシステム3に送信する。そして、スマートシステム通信部213はスマートシステム3から照合結果を示す照合結果情報を受信する。
続いて、S3と同様にして、照合結果判定部214は、スマートシステム通信部213が受信した照合結果信号に基づいて、照合結果を判定する(S5)。照合結果がNGであったと判定された場合、S1の処理に戻る。一方で、S5の判定において、照合結果がOKであったと判定された場合、エンジン始動制御部216は、エンジン始動可能状態とする(S6)。例えば、エンジンのステータスを示すステータスレジスタをECU21に設けておき、エンジン始動制御部216は、ステータスレジスタの始動可能状態を示すフラグをオンにする等してエンジン始動可能状態とする。
次に、ブレーキ信号検出部211は、ブレーキ信号がオン状態であるかオフ状態であるかを判定する(S7)。ブレーキ信号がオフ状態であると判定された場合、エンジン信号検出部215は、エンジンスイッチがオンにされたか否かを判定する(S9)。エンジンスイッチがオンにされていないと判定された場合、S7の処理に戻る。S9の判定において、エンジンスイッチがオンにされたと判定された場合、ECU21は各種モードに応じた処理を行って、S7の処理に戻る。
S7の判定において、ブレーキ信号がオン状態であると判定された場合、エンジン信号検出部215は、エンジンスイッチがオンにされたか否かを判定する(S8)。エンジンスイッチがオンにされていないと判定された場合、S7の処理に戻る。S8の判定において、エンジンスイッチがオンにされたと判定された場合、エンジン始動制御部216は、エンジンECU7にエンジン始動制御信号を出力して、エンジンを始動させる(S11)。そして、エンジン始動制御システム1におけるエンジン始動処理を終了する。
図2のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S11の処理手順によりエンジンを始動させる制御を、ジャンプスタートという。すなわち、ジャンプスタートは、運転者がエンジンスイッチを操作することなくエンジンを自動始動させるものである。一方、図2のフローチャートにおいて、S1→S4→S5→S6→S7→S8→S11の処理手順によりエンジンを始動させる制御は、通常のエンジン始動制御である。
このように、本実施形態のエンジン始動制御システム1によれば、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオン状態を検出している状態で、照合結果判定部214が照合結果を成功と判定した場合に、エンジン始動制御部216がエンジンECU7にエンジン始動制御信号を出力すること(ジャンプスタート)により、運転者がエンジンスイッチを操作するといった煩わしい作業を行うことなくエンジンの自動始動を行うことができる。
また、本実施形態のエンジン始動制御システム1によれば、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオフ状態を検出している状態で、照合結果判定部214が照合結果を成功と判定した場合に、エンジン始動制御部216がエンジンを始動可能状態とする。そして、エンジン始動可能状態において、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオン状態を検出している状態で、エンジン信号検出部215がエンジンスイッチのオン状態を検出した場合に、エンジン始動制御部216がエンジンECU7にエンジン始動制御信号を出力することにより、運転者がエンジンの手動始動を行うことができる。このように、運転者は、ブレーキペダルを踏み込んだ状態で室内照合を行うか、ブレーキペダルを踏み込まずに室内照合を行うかにより、エンジンの自動始動(ジャンプスタート)と手動始動とを切り替えることが可能である。
また、本実施形態のエンジン始動制御システム1によれば、ジャンプスタートと通常のエンジン始動方法とを切り替え可能とすることで、運転者の好みに応じてエンジンの始動方法を選択することが可能である。
上述した実施形態は本発明に係るエンジン始動制御システムの最良な実施形態を説明したものであり、本発明に係るエンジン始動制御システムは本実施形態に記載したものに限定されるものではない。本発明に係るエンジン始動制御システムは、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係るエンジン始動制御システムを変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。例えば、携帯機8と室内用R/W22との間、及び、携帯機8と室外用R/W23との間の通信は、近距離無線通信に代えて人体を介した人体通信により行ってもよい。
また、上述した実施形態では、ブレーキ信号検出部211によりブレーキ信号がオン状態かオフ状態かを判断することで、ブレーキ操作が行われているか否かの判定を行っている。ところで、サイドブレーキをオン状態としている場合やギアをパーキングに設定している場合であっても、車両は走行を開始しない。このため、エンジン始動制御システムは、ブレーキ信号検出部211に代えて、ブレーキ操作だけでなくサイドブレーキ操作やギアをパーキングに設定する操作等の停止操作を検出する停止操作検出部(停止操作検出手段)を備え、エンジン始動制御部216は、停止操作検出部が停止操作を検出している状態で、室内照合が成功した場合に、エンジンを自動始動させ、停止操作検出部が停止操作を検出していない状態で、室内照合が成功した場合に、エンジンを手動始動可能な状態とするようにしてもよい。
また、ECU21は、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオフ状態を検出し、且つ、室内用R/W22から応答信号を受信した場合、単にスマートシステム3に応答信号を転送する処理のみを行うようにしてもよい。一方で、ブレーキ信号検出部211がブレーキ信号のオン状態を検出し、且つ、室内用R/W22から応答信号を受信した場合、ECU21は、スマートシステム3に応答信号を転送するとともに、擬似的にエンジンオン信号を生成し、照合ECU31に送信するようにしてもよい。
擬似的にエンジンオン信号を生成して照合ECU31に送信することで、照合ECU31はエンジンスイッチがオン状態であると認識する。このため、照合ECU31は、受信した応答信号に含まれるIDコードの照合が成功した場合、運転者が実際にエンジンスイッチを操作することなくエンジンを始動させる。すなわち、従来のスマートシステム3の機能を使用して、エンジンの自動始動及び手動始動を行うことが可能となる。また、エンジン始動制御装置2は、エンジンスイッチ6やエンジンECU7との接続が不要となり、構成を簡素化することができる。ECU21は、擬似的にエンジンオン信号を生成するエンジンオン信号生成部をさらに備える必要があるが、照合結果判定部214、エンジン信号検出部215、エンジン始動制御部216が不要となる。
1…エンジン始動制御システム、2…エンジン始動制御装置、3…スマートシステム、4…バッテリー、5…ブレーキペダルセンサ、6…エンジンスイッチ、7…エンジンECU、8…携帯機、21…ECU、22…室内用R/W、23…室外用R/W、31…照合ECU、32…チューナ、33…LF発信機、81…通信部、82…操作部、83…制御部、84…記憶部、211…ブレーキ信号検出部、212…R/W送受信部、213…スマートシステム通信部、214…照合結果判定部、215…エンジン信号検出部、216…エンジン始動制御部、NW…車載ネットワーク

Claims (1)

  1. 停止操作を検出する停止操作検出手段と、
    車両キーを照合する照合手段と、
    前記停止操作検出手段により停止操作が検出されている状態において前記照合手段による照合が成功した場合にエンジンを自動始動させ、前記停止操作検出手段により停止操作が検出されていない状態において前記照合手段による照合が成功した場合にエンジンを手動始動可能な状態とすることで、エンジンの自動始動と手動始動とを切り替えるエンジン始動制御手段と、
    を備えるエンジン始動制御システム。
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