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JP5602783B2 - ファスナー受け側部材用不織布 - Google Patents

ファスナー受け側部材用不織布 Download PDF

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JP5602783B2
JP5602783B2 JP2012089222A JP2012089222A JP5602783B2 JP 5602783 B2 JP5602783 B2 JP 5602783B2 JP 2012089222 A JP2012089222 A JP 2012089222A JP 2012089222 A JP2012089222 A JP 2012089222A JP 5602783 B2 JP5602783 B2 JP 5602783B2
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Description

本発明は、概して、ファスナーの受け側部材などファスナーに関連して用いる不織布に関する。
着脱可能なファスナーは幅広い用途に用いることができる。例えば、そのような着脱可能なファスナーは、使い捨て吸収性物品の一部を使い捨て吸収性物品の他の部分に貼付するのに用いることができる。
一般に、機械式ファスナーは、受け側部材(例えば雌材)および係止部材(例えば雄材)を含む。ある機械式ファスナーは、係止部材は複数のフック要素を含み、受け側部材は複数のループ要素を含む。
貼付した状態では、通常フック要素はループ要素に係止し、係止部材と受け側部材の間に結合を形成する。不織布は受け側部材として使用することができる。
通常、受け側部材となる不織布は、複数のポリマー繊維を含む。十分な非結合繊維または結合繊維の非結合部位および整合性を有する布を形成するために、そのような繊維の部分が繊維間結合により結合される。通常、繊維間結合は、例えば、熱、圧力、または音(例えば超音波)エネルギーで、繊維の部分を共に融解することにより形成される。
そのような繊維同士の結合を形成するのに、熱した一対のカレンダー式ロールを用いることもできる。通常、カレンダー式ロールの一方は外表面から外向きに伸展した複数の突起部を含む。通常、不織布がカレンダー式ロールの間を通過するよう、一定の力が一方のカレンダー式ロールに加えられ、突起部が不織布に圧力を加える。通常、圧力が加えられる部位に少なくとも一つの繊維間結合が形成される。
[概要]
本発明のある側面への基本的な理解を提供するため簡略化した本発明の概要を以下に提示する。
本概要は本発明の広範囲におよぶ概観ではない。本発明の重要または決定的な要素を認定するものでも本発明の範囲を描写するものでもない。後に提示するさらに詳細な説明の前置きとして本発明のある概念を簡略化した形態で提示するのが唯一の目的である。
本発明の一形態は結合部(例えば、エンボス部)を含む不織布を提供する。
不織布はファスナーの受け側部材/構成材に用いることができる。不織布は、捲縮を有し、第一および第二のプロピレン重合体を含む複合繊維を含む。
結合部位は、所定の間隔で機械方向に配列されたジグザグ単位パターンを含み、前記ジグザグ単位パターンは機械方向に交差する方向と略並行に連続している。前記単位パターンにおける第1の斜線部と第2の斜線部との隣接する3つの接点で構成される三角形の内部に、機械方向に隣接する単位パターンの一部が入り込んでいる。
上記のおよび関連の目的を達成するため、本発明は以下に十分に記述され、請求項に特に指摘された特性を備えるものである。以下の記述および付属の図は、詳細に、本発明のある実例となる実施態様を説明する。
これらの実施例は指標にはなるが、本発明が用いられるあらゆる態様の一部にすぎない。本発明の他の目的、利点および新規の特性は、以下の発明の詳細な説明に図を併用することで明らかになるであろう。
[発明の詳細な説明]
用語「吸収性物品」および「物品」は、本明細書では、液体を吸収および/または含有する着用可能な装具を指し、より詳細には、身体からの多様な排泄物を吸収または含有するよう着用者の体に対してまたは体の近くに配置される装具を示す。
適当な例としては、おむつ、トイレトレーニング用パンツ、繰り返し取り付け可能なパンツ、パンツ型衣類、成人用失禁用品およびサニタリーナプキンなどの生理用品を含む。さらに、用語「吸収性物品」および「物品」は、使い捨て吸収性物品を含み、約10回を超えない使用の後、好ましくは約5回を超えない使用の後、および、最も好ましくは1回の使用の後に(ある部材はリサイクル、再使用、または、コンポスト化されるかもしれないが)、洗濯されないで捨てられるか、あるいは復元されるように意図されている。
「体側表面」および「衣類側表面」は部材と部材または部材の集合体の表面との相対位置関係を指す。「体側表面」は、その部材または表面がその他の部材または表面より着用者に近いことを意味する。「衣類側表面」は、着用時にその部材または表面がその他の部材または表面より着用者から遠いことを意味する(例えば、その部材または表面が、着用者が使い捨て吸収性物品の上に着用しているであろう服に近い)。
用語「結合線」は、本明細書では、基質の繊維が融着する、基質上の複数の部位を指す。前記複数の部位は融着し、「線」を形成してもよい。しかし、用語「線」は、ここで用いられるように、連続する離散点または効果的に近接するよう密集した短い線をも表す。
したがって、実線の結合パターンが記載されていても、効果的に近接した密集した点または短い線断片でも、本発明の利点が同様に実現することが可能であることは当業者には明らかなことである。用語「結合線パターン」は、本明細書では、少なくとも2つの結合線の間で多少なりとも重なりを有する、少なくとも2つの結合線を示す。
用語「連続」は、本明細書では、次々に続くことを意味する。例えば、本発明の隣接する掃引領域は、境界を共有することができる。用語「おむつ」は、本明細書では、通常幼児および失禁者の下部に、着用者の腰および脚を包囲し、特に尿および糞便を受容および含有するよう着用される吸収素材を指す。また用語「おむつ」は、以下に定義される「パンツ」を含むものである。
「弾性的に伸張可能な」は、本明細書では、伸張可能な素材に加えられた力が除かれた後、ほぼ元の寸法に戻る性能を備えた伸張可能な素材の性質を指す。ここで「伸張可能な」と記述される任意の素材または部材も、他に特に規定のない限り「弾性的に伸張可能な」であってもよい。
用語「結合された」は、本明細書では、部材が他の部材に直接貼付されることにより、前記部材が前記他の部材に直接固定される構造、および、部材が他の部材に貼付された中間部材に貼付されることにより、前記部材が間接的に前記他の部材に固定された構造を含む。
用語「縦(長手)」は、異なる注記のある場合を除き、ここでは通常、部材のもっとも長い縁に平行した方向を指す。使い捨て吸収性物品において、「縦(長手)」方向は、物品の腰の端から反対の腰の端に対し略垂直にのび、通常前記素材の最大寸法の向きと略平行である。縦(長手)方向の±約45度以内の方向は縦(長手)とみなされる。
用語「横」は通常「長手」方向と同じ平面に垂直に走る方向を指す。使い捨て吸収性物品において、「横」方向は、前記素材の長手端部から反対の長手端部にのびる。横方向の±約45度以内の方向は横とみなされる。
用語「機械方向」または「MD」は、通常、材料、構成材、要素、アイテム、部材などの順方向を指す。例えば、不織布は、典型的に、長さ方向または製造時の巻き取り方向と一致する機械方向に形成される。前記機械方向は、不織布の繊維方向の第一方向であってもよい。
用語「機械方向に交差する方向」または「CD」は、通常、機械方向に垂直で機械方向と同一な面にある方向を指す。用語「パンツ」、「トイレトレーニング用パンツ」、「脇の閉じたおむつ」、「あらかじめ脇が貼付されたおむつ」および「プルオン式(パンツ型)おむつ」は、本明細書では、腰開口部および脚開閉口を有し、幼児または成人の着用者用に設計された使い捨て衣類を指す。
パンツは、着用者が装着する前に、閉じた腰部および脚開口部を有するように構成されてもよいし、または装着中に腰部が閉じ、脚開口部が形成されるように構成されてもよい。パンツは、限定されないが、着脱可能なファスナーを用いて、前記物品の部分を共に結合することを含む、任意の適宜な技術により処理されてもよい。パンツは、物品の外周に沿ったどの部分が処理されてもよい(例えば、脇貼付、腰前貼付、腰背面貼付)。
適宜なパンツの例は米国特許番号5,246,433、米国特許番号5,569,234、米国特許番号6,120,487、米国特許番号6,120,489、米国特許番号4,940,464、米国特許番号5,092,861、米国特許番号5,897,545、米国特許番号5,957,908および米国特許公開番号2003/0233082A1に開示されており、これに関して、これらの公開を参照することにより本書に組み込まれる。
[説明]
通常、受け側部材として用いられる不織布は完全には結合していない。例えば、100%の繊維間結合ではない。繊維間結合は、通常、係止部材による結合領域の係止を不可能にするから、不織布を完全に結合することは、低機能の受け側部材を生産することになってしまう。したがって、カレンダー式ロールの外表面から外向きに伸展した突起部は、通常、特定の結合パターンが前記不織布に形成されるように分離している。
係止部材のフックがどこに配置されようとも、非結合繊維または結合繊維の非結合部分がフックに結合できることを確実にするため、広く開いた非結合領域を備えるのが好ましいと思われる。
しかし、非結合領域では繊維間結合の数が減少しているから、広く開いた非結合領域を形成する結合パターンは、機械方向に垂直な方向に強度が弱められるかもしれない。それを補うため、例えば、非結合繊維を取り囲む、完全に結合された繊維のように、結合パターンのいくらかは完全に閉鎖された領域に形成されてもよい。
しかし、非結合繊維を取り囲む、完全に結合された繊維を形成する結合パターンは、係止部材のフックが、それが係止できる非結合繊維を係止する可能性を低減するであろう。加えて、そのような結合パターンは繊維間接合の品質に悪い影響を与えることもある。
例えば、従来の結合パターンは不織布を完全に結合しないので、不織布がカレンダー式ロールを通過する際に、不織布に加えられる圧力が変動することがある。ある場合には、圧力変動は、ある繊維間接合部位では高い圧力の原因となり、他の繊維間接合部位では低い圧力の原因となる。
高い圧力は過度の結合となり、または、繊維を切断してしまう結果となる(これは、結果として布を弱める)。弱い圧力は、結合領域の望ましい割合に比べ、形成される結合領域が少なくなり、結合強度が低くなり、かつ/または、結合品質が低くなる。さらに、低い圧力は機械方向に交差する方向の強度を低下させることがある。
その結果、十分な非結合繊維領域および/または結合繊維の非結合部位を維持しつつ、加工の間に受け側部材が受ける圧力変動を低減する結合パターンを有する受け側部材を含むファスナーを提供する必要がある。
本発明による不織布は、ファスナーの受け側部材(例えば、雌材)に使用することができる。不織布は、機械方向(MD)および機械方向に直行する方向(CD)の両方で、十分な接着強さ(例えば、はがし強度、繰り返しはがし強度、および引張せん断強度)および高い機械強度を有することができる。
不織布は、所定の間隔で機械方向に配列されるジグザグ単位パターンからなる接合部位からなる。ジグザグ単位パターンは、機械方向に直行する方向に略並行に連続している。単位パターンにおける第1の斜線部と第2の斜線部の隣接する3つの接点で構成される三角形の中に、MD方向に隣接する別の単位パターンの一部を入り込ませることにより、隣接する単位パターンがMD方向に互いに重なるので、不織布はCD方向の十分な繰り返しはがし強度および機械強度を有するものと考えられる。
ある態様では、不織布からなる受け側部材は、第1の結合線、第2の結合線、結合帯、および複数の連続する掃引領域からなる。第1の結合線および第2の結合線は第1方向にのび、第2の結合線は、第2の結合線の一部が第1の結合線の一部と重なり合うように、第1の結合線に隣接して配列される。重なりは、一般的に、第1方向に略垂直な第2方向に略並行である。
結合帯は、第1の結合線および第2の結合線を取り囲む。複数の連続する掃引領域は、結合帯の中に配置される。それぞれの掃引領域は、縦軸に略並行に広がり、それぞれの掃引領域はある長さおよび幅を有する。掃引領域の長さは相等しく、掃引領域の幅は相等しい。少なくとも一つの掃引領域は、第1の結合線および第2の結合線の両部分からなり、複数の掃引領域の残りの掃引領域は、第1の結合線の一部または第2の結合線の一部からなる。それぞれの掃引領域は結合領域を有し、受け側部材は、約1より大きいか等しく、かつ、約20より少ないか等しい、二つの掃引領域間の結合比を有している。
不織布からなる受け側部材は、ファスナーに用いることができる。機械式ファスナーは、通常は係止部材および受け側部材からなる。係止部材は、複数の係止要素からなる。受け側部材は縦軸および横軸を有し、複数の係止要素は受け側部材を係止することができる。
本発明による不織布からなるファスナーは、受け側部材を作成する際に生じ得る圧力変動を低減できる受け側部材からなる。特に、本発明による不織布からなる受け側部材は、加工中に受け側部材に加えられる圧力変動を低減できる結合パターンからなる。
さらに、本発明による不織布からなる受け側部材は、受け側部材がファスナーの適当な係止部材と共に使用され得るように、十分な非結合繊維領域、および/または、結合繊維の非結合部位を保つことができる。
図1Aは、本発明による不織布を含むファスナーを示す正面図である。 図1Bは、図1Aのファスナーの受け側部材を示す平面図であり、前記受け側部材は、本発明による不織布を含む。 図2Aは、本発明による結合パターンを製造するプロセスの概念図である。 図2Bは、図2Aのプロセスの、一対のカレンダー式ロールの側面を示す正面図である。 図2Cは、本発明による不織布を含む、受け側部材を示す平面図である。 図3Aは、結合パターンの追加特性を強調して表す、図1の不織布を示す平面図である。 図3Bは、結合パターンの追加特性を強調して表す、図1の不織布を示す平面図である。 図3Cは、結合パターンの追加特性を強調して表す、図1の不織布を示す平面図である。 図4Aは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Bは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Cは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Dは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Eは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Fは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Gは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Hは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Iは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Kは、本発明による結合パターンを有する不織布の他の態様を示す平面図である。 図4Kは、図4Aの不織布の断面を示す詳細図である。 図4Lは、図1の不織布の断面を示す詳細図である。 図5Aは、本発明により構成される結合パターンに含まれ得る反復単位の多様な態様、反復単位を示す平面図である。 図5Bは、本発明により構成される結合パターンに含まれ得る反復単位の多様な態様、反復単位を示す平面図である。 図5Cは、本発明により構成される結合パターンに含まれ得る反復単位の多様な態様、反復単位を示す平面図である。 図5Dは、本発明により構成される結合パターンに含まれ得る反復単位の多様な態様、反復単位を示す平面図である。 図5Eは、本発明により構成される結合パターンに含まれ得る反復単位の多様な態様、反復単位を示す平面図である。 図6は、本発明により構成された不織布の別の態様を示す平面図である。 図7Aは、本発明による不織布を含む、使い捨て吸収性物品の斜視図である。 図7Bは、図7Aの使い捨て吸収性物品を平面状に広げた状態の図である。 図7Cは、図7Aの使い捨て吸収性物品の側面パネルの別の態様を示す正面図である。 図8Aは、ファスナーを貼付した状態の図6の使い捨て吸収性物品の一部を示す正面図である。 図8Bは、ファスナーを貼付した状態で、前記ファスナーの受け側部材が前記使い捨て吸収性物品に視覚位置合わせを提供するよう配置された図7の使い捨て吸収性物品の一部を示す正面図である。 図9Aは、本発明による典型的な複合繊維の断面図を示す。 図9Bは、本発明による典型的な複合繊維の断面図を示す。 図9Cは、本発明による典型的な複合繊維の断面図を示す。 図10は、本発明による第一および第二のプロピレン重合体の典型的な溶出曲線を示す。 図11は、比較例2に用いられた、エンボスロール表面のエンボスパターンを示す。 図12は、比較例3に用いられた、エンボスロール表面のエンボスパターンを示す。 図13は、比較例4に用いられた、エンボスロール表面のエンボスパターンを示す。 図14は、本発明によるファスナーの受け側部材として用いられる典型的な不織布の垂直断面図である。
図面を参照して本発明を説明する。各図面全体を通して、同様の要素を指すのに同様の参照番号を使用する。以下の説明では、説明上、本発明を完全に理解できるようにするために多数の特定の詳細を記載している。
しかし、こうした特定の詳細なしに本発明を実施できることは明らかである。他の例では、本発明を説明しやすくするために、周知の構造および装置をブロック図形式で示す。
図1Aに示すように、本発明による不織布からなるファスナー10は、係止部材12および受け側部材100を含むことができる。係止部材12は、係止面16から外へのびる複数のフック14を含むことができる。受け側部材100は、係止部材12の複数のフック14に引っかかることができる複数のループ状の繊維(図示せず)を含むことができる。適している受け側部材100の例を以下に説明する。
ファスナー10は、種々の消費材および商品に利用することができ、それらは本発明のファスナーから利益をうけることができるであろう。本発明のファスナーを使用できる物品のいくつかの例は、使い捨て吸収性物品、体を包む物、包装、および研磨パッドの工業用接続、医療用製品などを含む。
図1Bに示すように、受け側部材100に使用することができる不織布は、複数の結合線、結合帯130、および、複数の連続する掃引領域を含むことができる。ある態様では、受け側部材100は、第1の結合線110、第2の結合線112および第3の結合線114を含むことができる。3本以上の結合線および3本以下の結合線を有する実施例も考えられる。
ある態様では、第1の結合線110は、第1末端縁151に隣接して配置することができ、第2の結合線112は、第1の結合線110に隣接して配置することができる。
第3の結合線114は、ある態様では、第2末端縁152および第2の結合線112に隣接して配置することができる。
ある態様では、第1末端縁151および第2末端縁は、横軸162と略並行な方向に、第1縦縁170から第2縦縁172へ伸びている。
図示するように、ある態様では、第1の結合線110、第2の結合線112および第3の結合線114は、第1方向1222に、受け側部材100の第1縦縁170から第2縦縁172へ伸びている。
ある態様では、第1方向1222は、横軸162と略並行である。第1縦縁170および第2縦縁172は、第1末端縁151と第2末端縁152の間に、縦軸160と略並行に伸びることができる。
受け側部材100は、さらに結合帯130からなる。結合帯130は、1より多い結合線を取り囲む。
例えば、図示するように、結合帯130は、第1の結合線110および第2の結合線112を取り囲むことができる。結合帯130は、ある態様では、第1の結合線110の最も外側の点および第2の結合線112の最も外側の点と接触する三角形を含むことができる。
ある態様では、第1の結合線110の最も外側の点は、第1末端縁151に最も近い、第1縦縁170に最も近い、そして第2縦縁172に最も近い、第1の結合線110上の点である。
同様に、ある態様では、第2の結合線112の最も外側の点は、第2末端縁152に最も近く、第1縦縁170に最も近く、そして第2縦縁172に最も近い、第2の結合線112上の点である。
ある態様では、第3の結合線114は、結合帯130の第2境界線134に隣接する結合帯130に重なることができる。ある態様では、追加の結合線が、第1境界線132に隣接するか、または第2境界線134に隣接して、結合帯130にも重なることができる。
複数の連続する掃引領域140、142、144、および146は、結合帯130内部に配置される。掃引領域は、受け側部材100の一部からなり、その掃引領域の内側の、受け側部材100の結合領域およびその部分の全領域を解析するのに使用される。
より短い長さ175を有する掃引領域の利点は、基本的に、結合線上のより多くのデータ点を集めることができることである。より多くのデータ点により、受け側部材100の結合領域の変動性の計算の正確性が向上させることができる。
掃引領域140、142、144、および146のそれぞれは、第1の結合線110および/または第2の結合線112の一部からなる。ある態様では、連続する掃引領域140、142、144、および146のいくつかは、第1末端縁151または第2末端縁152のいずれかに隣接する結合帯130に重なる、追加の結合線の部分を含むことができる。
例えば、第3の結合線114は結合帯130に重なるので、掃引領域146は、第3の結合線114の一部をさらに含むことができる。
少なくとも一つの掃引領域は、第1の結合線110および第2の結合線112の両方の一部を含む。例えば、図示するようにある態様では、二つの掃引領域、例えば142および144は、第1の結合線110および第2の結合線112の一部を含む。
掃引領域の大きさによって、1以上の掃引領域が、1以上の結合線の部分を含むことができる。4より多い掃引領域および4より少ない掃引領域からなる実施例も考えられる。
掃引領域140、142、144、および146は連続しているので、それぞれの掃引領域は、隣接する掃引領域と境界を共有する。例えば、掃引領域140は、掃引領域142と境界を共有する。同様に掃引領域144は、掃引領域142と境界を共有する。
しかし、掃引領域140、142、144、および146は、奇数の(第1および第3)掃引領域、例えば、140および144が境界を共有しないように配置される。さらに、掃引領域140、142、144、および146は、偶数の(第2および第4)掃引領域、例えば、142および146が境界を共有しないように配置される。
連続する掃引領域140、142、144、および146は、四角形で、受け側部材100の第1縦縁170から第2縦縁172へのびる。連続する掃引領域140、142、144、および146は、受け側部材100が含むであろう繊維状物質のウェブ275の幅と相等しい幅177を有する。
幅177は、横軸162と略並行になりえる。ある態様では、掃引領域140、142、144、および146は、カレンダー式ロールの間の接触長さ250(図2Bに示す)と等しい長さ175を有することができる。ある態様では、掃引領域140、142、144、および146は、接触長さ250(図2Bに示す)よりも短い長さ175を有することができる。ある態様では、長さ175は、約0.1〜1.2mmにわたり、またはこの範囲の任意の特定数字であってもよい。長さ175は、縦軸160と略並行であってもよい。
それぞれの掃引領域140、142、144、および146は、隣接する掃引領域の長さ175と相等しい長さ175を有することができる。さらに、図示するようにある態様では、掃引領域140は、結合帯130と第1境界線132を共有することができる。また、ある態様では、掃引領域146は結合帯130と第2境界線134を共有することができる。
それぞれの掃引領域140、142、144、および146は、結合パターンにより定められる結合領域からなる。掃引領域中の結合領域(結合面積)の割合は、掃引領域内の繊維間接合の量である。特に結合領域の割合は、特定の掃引領域内における繊維間接合の面積を計算し、この面積を掃引領域の総面積で割り、100をかけることにより決定される。
掃引領域140、142、144、および146の結合面積は変えることができる。掃引領域140、142、144、および146間の結合面積値の変動は、ある掃引領域の最大結合面積の値と他の掃引領域の最小結合面積の値を比較することにより決定することができる。
任意の二つの掃引領域間の最大結合面積と最小結合面積の比を結合比と呼ぶ。ある態様では、結合比は、約1より大きいかまたは等しくかつ約20より小さい、または、この範囲の任意の数字である。
他の態様では、結合比は、約1より大きいかまたは等しく、約10より小さいかまたは等しい。
他の態様では、結合比は、約1より大きいかまたは等しく、約3より小さいかまたは等しい。
ある態様では、結合比が1の場合、最大結合面積の値または最小結合面積の値はないであろう。この場合、ある結合面積の値が他の結合面積の値で割られることになる。
それぞれの個別の掃引領域の結合面積を加えることにより、累積する結合面積を得ることができる。それぞれの個別の掃引領域の総面積を加えることにより、累積する総面積を得ることができる。累積する結合面積を累積する総面積で割ることにより、ある態様では、結合帯130の全結合面積が得られ、他の態様では、受け側部材100の全結合面積が得られる。
結合領域は、任意の適宜のプロセスにより形成することができる。結合領域を形成するプロセスの例には、カレンダープロセス(例えば、エンボスプロセス)が含まれる。ある態様では、エンボスプロセスは、一般的なエンボスロールを使用して実施することができる。すなわち、一組のロールの内少なくとも一つは、エンボスパターンに合う突起を有する彫刻ロールであり、ロールの間に不織布を通過させることにより熱融着を実施することができる。
熱融着の程度は、製造される不織布に要求される特性にしたがい、ロールの温度、接触圧力などによって調節することができる。カレンダーシステムを使用する結合領域の形成は、以下に詳細に記述される。
図2Aおよび図2Bに示すように、受け側部材100(図1に示す)の結合線、例えば110(図1Bに示す)、112および114は、ある態様ではカレンダーシステム200により形成することができる。カレンダーシステム200は、一組のカレンダー式ロール202および204を含むことができ、ロールの間には間隙が形成される。
カレンダー式ロール202,204の外側表面は、外側表面から外側に伸びる突起部(図示せず)を含むことができる。これらの突起部は、通常、繊維状物質のウェブ275が間隙を通過する際に、繊維状物質のウェブ275中に繊維間接合を形成する。受け側部材100(図1Aおよび1Bに示す)は、繊維状物質のウェブ275の一部を含むことができる。
繊維状物質のウェブ275を、受け側部材100(図1Aおよび1Bに示す)の縦軸160(図1Bに示す)に略並行な方向にカレンダー式ロール202および204に通すことができる。特に、受け側部材100(図1Aおよび1Bに示す)の縦軸160(図1Bに示す)は、カレンダーシステム200の機械方向と略並行になることができる。カレンダー式ロール202および204は、矢印280および281(図2Bに示す)によってそれぞれ示される方向へ回転することができる。
ある態様では、カレンダー式ロール202および/または204は加熱される。カレンダー式ロール202および204は、繊維状物質のウェブ275が間隙を通過する際に、繊維状物質のウェブ275にエネルギーを与えることができる。
さらにある態様では、繊維状物質のウェブ275が間隙を通過する際に、繊維状物質のウェブ275に圧力が加えられるように、力240をカレンダー式ロール202および/または204に加えることができる。カレンダー式ロール202および/または204に加えることができる力240は、この後説明する。
カレンダー式ロール202および204の表面と表面の接触は、接触長さ250を定めることができる。接触長さ250は、繊維状物質のウェブ275(図2Aに示す)が間隙を通過する際の、繊維状物質のウェブ275(図2Aに示す)と接触するカレンダー式ロール202の一部およびカレンダー式ロール204の一部によって定められる。ある態様では、接触長さ250は、ヘルツの式により決定することができる。ヘルツの式は、カレンダー式ロール202および204は、同質で等方性の物質からできていることを前提とし、さらに、フックの法則を仮定している。
他の前提には、カレンダー式ロール202および204は同一の直径を有すること、カレンダー式ロール202および204は同一の弾性係数を有する物質から形成されていること、および、カレンダー式ロール202および204の幅220は少なくとも掃引領域の幅177(図1Bに示す)と同様な幅であることを含む。接触長さ250は、以下の式によりあらわすことができる:
Figure 0005602783
ここで、
Xは、接触長さ250の幅の1/2(半分);
Rは、カレンダー式ロール202または204のミリメートルで表す半径;
Fは、ニュートン/mmで表す力;
Eは、カレンダー式ロール202および204の物質の弾性係数;
Lは、カレンダー式ロール202および204の幅(220で示す);および
νは、ポアソン比である。
カレンダー式ロールが等しい直径を有していない場合、当業者はカレンダー式ロールの等しくない直径を考慮して上記の式を再び導き出すことができるであろう。カレンダー式ロールが等しい弾性係数を有する物質から形成されていない場合、当業者はカレンダー式ロールの等しくない弾性係数を考慮して上記の式を再び導き出すことができるであろう。
ある態様では、カレンダー式ロールがスチールで形成されている場合、弾性係数Eは約210,000N/mm2に等しく、ポアソン比は約0.3であり、加えられる力Fは約30〜150N/mmの間となりえる。上述したように、Xは接触長さ250の約半分に等しい。
したがって、Xに2をかけることにより接触長さ250が得られる。ある態様では、接触長さ250は、約0.1〜1.2mmの範囲にあり、またはこの範囲の中の任意の特定の数字である。ある態様では、接触長さ250は約0.7〜1.0mmの範囲にある。
本発明の利点の一つは、本発明のより大きい結合面積とより小さい結合面積の比により、カレンダー式ロールの間の圧力変動が低減されることである。例えば、結合面積が掃引領域間で2000%以上も変化する従来の受け側部材では、これらの結合領域を作成するカレンダー式ロールの接触面積も2000%以上に変化する。
その結果、カレンダー式ロールに加えられる力が一定であれば、繊維状物質のウェブがカレンダー式ロール間隙を通過する際に繊維状物質のウェブに加えられる圧力も2000%以上に変化する。従来の受け側部材では、ある掃引領域が0%の結合面積を有し、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比が無限大となる場合は、2000%より大きい圧力変動が起こりえる。
例えば、受け側部材の縦軸と略並行の方向に、掃引領域の長さと少なくとも等しい一定の距離で、第1の結合線および第2の結合線が離れている時に、0%の結合面積となりえる。他の例として、結合線重なりが多すぎる場合、または少なすぎる場合にも、2000%よりも大きい圧力変動が生じえる。結合線の重なりは、図3A、3Bおよび3Cについてさらに説明する。
プロセスの観点から、2000%より大きい圧力変動はプロセスを不安定にする可能性がある。例えば、極端な圧力変動はカレンダー式ロールの突起部に早期の故障を起こす可能性がある。
製品/材料の性能の観点からも、2000%より大きい圧力変動は通常は望ましくない。例えば、結合領域が0%の掃引領域は、低いせん断性能および潜在的に低い再着可能性となりえる。特にこの掃引領域内では、固定されていない繊維端が少量しか結合していないので、適当な係止部材の複数の開閉サイクルの間に、毛羽立ちが生じてしまうことがある。
また、結合領域0%の掃引領域は、受け側部材の横軸に平行な方向の強度を低減することもある。受け側部材の横軸は、ある実施態様では、多くの場合、せん断の方向に関係することがある。例えば、とめつけられている状態では、受け側部材の横軸は、せん断の方向と略並行である。
例えば、少しの間図8Aを参照すると、とめつけられている状態では、せん断力は、受け側部材644の横軸と略並行であるせん断775の主方向に作用することがある。隣接する結合線に重なりがない場合は、隣接する結合線の間にある受け側部材は、加えられるせん断力によって、自由に動く状態にある。
一方、結合線の重なりが、2000%より大きい圧力変動を引き起こす場合は、重なりの領域の繊維間接合部位が集中している部分は、概して低い接着性能となってしまう。例えば、前述したとおり係止部材は、一般に結合領域では受け側部材を係止することはできない。
さらに、圧力変動が2000%より大きいと、前述したとおり、結合品質が変化しやすい。圧力変動が2000%より大きい場合、結合領域が少ない掃引領域の繊維間接合は、掃引領域の結合領域が多い領域より高い圧力を受け、高い圧力により穴が開いてしまうことがある。
また、掃引領域の結合領域が多い領域の繊維間結合は、結合領域が少ない掃引領域よりも低い圧力を受け、低い圧力により繊維間接合が低くなってしまう。特に、低い圧力は、ある場合、繊維を実際に結合するのではなく単に押し付けるだけになるかもしれない。
図2Cに示すように、本発明による受け側部材30は構成されており、例えば、32、34、36、38、40、および42のような欠点がある。しかし、受け側部材30の結合比が約20またはそれ以下の場合、例えば、約1.8の場合、欠点の数は許容範囲内である。一方、結合比が20より大きい場合は、受け側部材に許容できない量の欠点が生じることがある。
従来の受け側部材に比べ、本発明による不織布からなる受け側部材は、圧力変動を約2000%より少なく低減する。圧力変動の低下は、一つには、受け側部材の結合領域が、それぞれの掃引領域がある一定の結合領域を有する複数の掃引領域からなることにより、なされる。さらに、本発明による不織布からなる受け側部材の掃引領域は、圧力変動を約2000%よりも低くする結合面積パーセンテージを有する。
より大きい結合面積とより小さい結合面積の比に影響を与える幾つかの要因がある。ある要因には、ある態様では、結合線の重なり、結合線の配向角、結合線の周期、および、加工中の結合線の配向を含む。加工中の結合線の配向は、図6でさらに説明する。
図3Aに示すように、重なり320は、第1参照線302および第2参照線304の間の距離である。ある態様では、重なり320は縦軸160に略並行であり、第2方向1223に略並行である。第1参照線302は、ある態様では、第1の結合線110の最も内側の2点308および310の間に引かれ、横軸162に略並行である。
ある態様では、第2参照線304は、第2の結合線112の最も内側の2点312および314の間にひかれ、横軸162に略並行である。ある態様では、第1の結合線110の最も内側の2点308および310は、第2の結合線112に最も近い点である。
同様に、ある態様では、第2の結合線112の最も内側の2点312および314は、第1の結合線110に最も近い点である。第1の結合線110が第2参照線304と交差しない場合、および、第2の結合線112が第1参照線302と交差しない場合、第1の結合線110および第2の結合線112の間に重なりはない。
さらに、図3Aは、周期330、配向角350、結合線間隔370、および、結合線厚み360を示す。ある態様では、周期330は、周期的な機能が同一の値を取った後の最小の間隔である。図示するように、ある態様では、周期330は、第3の結合線114の第1頂点332から第3の結合線114の第2頂点334までの距離である。ある態様では、第1の結合線110および第2の結合線112が第3の結合線114と同様な場合、周期330は、第1の結合線110および第2の結合線112にとって同様になりえる。配向角350は、第1の結合線110の一部が第1参照線302に交わるところであり、同様に示す。
結合線間隔370は、第1および第2の結合線110および112の間の距離である。例えば、ある態様では、結合線間隔370は、第1の結合線110の最も内側の点308から第2の結合線112の最も外側の点372までが計測される。第2の結合線112の最も外側の点372は、ある態様では、第3の結合線114に最も近い点である。ある態様では、結合線間隔370は、縦軸160に略並行である。任意の適当な間隔を使用できる。
例えば、結合線間隔370は、約1〜20mmの範囲であり、またはこの範囲のある特定の数字であってもよい。他の例では、約3mmおよび約18mmの間でもよい。また他の例では、約6mmおよび約12mmの間でもよい。
同様に、任意の適当な結合線厚み360を使用できる。例えばある態様では、結合線厚み360は約0.2〜5mmの範囲内であり、またはこの範囲内の任意の数字でもよい。ある態様では、約0.5〜2mmの範囲内である。またある態様では、約1〜1.5mmの範囲内である。
本発明に関連して、任意の適宜の周期330を使用することができる。例えばある態様では、周期330は約1〜20mmの範囲内であり、またはこの範囲内の任意の数字でもよい。またある態様では、約1.5〜15mmの範囲内である。さらにある態様では、約5〜12mmの範囲内である。
結合線の重なりが、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比に与える影響を表1に示す。表1は、机上の例を含み、表1に含まれる全ての計算は、図1に示す結合線と同様なジグザグ結合線パターンに基づく。
Figure 0005602783
表1に示すように、および、前述したとおり(実施例3参照)、結合線の重なりが0に等しい場合、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比は、ある場合、無限大となる。
一方、本発明の実施例では、第1の結合線110(図1に示す)および第2の結合線112(図1に示す)は、互いに一定の量で重なる。実施例1および4を参照すると、重なりが増加すると、より大きい面積とより小さい面積の比は減少する。
重なりは、結合線の厚みに影響を受けることがある。例えば、表1で結合線の厚みが減少すると、結合線の重なりも同様に減少する(実施例1および2参照)。さらに、一つのパターンの全ての結合線の厚みは、結合パターンの結合面積の総比率を調節するために、要望により変えることができる。同様に、重なりは、結合線の間隔により影響を受ける。例えば、表1では、結合線の間の間隔が増加すると、結合線の重なりが減少する(実施例1および4;2および5参照)。
配向角350が、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比に与える影響を、表2に示す。表2は、机上の例を含み、表2に含まれる全ての計算は、図1に示す結合線と同様なジグザグ結合線パターンに基づく。
Figure 0005602783
例えば、上に示すように、図1に示す結合パターンと同様に、配向角350(図3Aに示す)は、ジグザグ結合パターンに対し変えることができる。示すように、殆どの場合、重なりを約2.5mmに維持したまま、配向角350(図3Aに示す)を、約75度から約45度まで変化させた。殆どの場合、同一の重なりの量を確保するために、それぞれの配向角350(図3Aに示す)に対して線間隔を変化させた。ある例では、周期および結合線厚みは一定に維持した。
実施例6では、配向角が75度で、表2の他の実施例に比べ、20.7%と最も低い結合面積の総割合となる。いかなる理論に縛られるわけではないが、重なりが約2.5mmで一定の時、結合面積のこの低い割合は、18.7mmの線間隔、1mmの線厚み、および9.3mmの周期の結果であると考えられる。
実施例7に示すように、65度の配向角で、2.5mmの重なりを維持すると、9.8mmの線間隔で結合面積の全体の比率は24.1%に増加させることができる。実施例6から、配向角を約10度低下させると、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比を1.53〜1.07へ低減することができる。
本発明によると、配向角350は、ある態様では、約45〜75度の範囲であり、または、この範囲内の任意の数字である。他の態様では、約55〜65度の範囲である。さらに他の態様では、約60〜65度の範囲である。
実施例11は、ある特定の実施例で、図1に示すものと同様なジグザグ結合線パターンで、どのようにより大きい結合面積とより小さい結合面積の比を1.0と等しくできるかを説明している。ある態様では、結合線が重ならない領域の結合線厚みを調節することにより、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比は約1.0と等しくすることができる。
ここで説明するパラメータおよびこれらのパラメータの関係に基づき、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比が約1.0となるために、少なくとも一つのパラメータおよび/またはこれらのパラメータ間の関係を調節することが考えられる。
周期が、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比に与える影響を表3に示す。表3は、机上の例を含み、表3に含まれる全ての計算は、図1に示す結合線と同様なジグザグ結合線パターンに基づく。
Figure 0005602783
全結合面積の比が等しいとき、周期が約7mmに等しい場合、測定されたより大きい結合面積とより小さい結合面積の比は1.07である。実施例13の重なりは約1.9mmとなりえる。表3に基づき、ある態様では、周期は約5〜11mmの範囲であり、または、この範囲の任意の数字である。他の態様では、約6〜8mmである。さらに他の態様では、周期は約7mmである。
実施例17〜20に示すように、結合線間隔は、結合面積が影響を受けるように調節することができる。本発明のある態様では、結合面積は、約10〜50%までの範囲であり、または、この範囲の任意の数字である。他の態様では、約20〜30%までの範囲である。さらに他の態様では、約20〜25%までの範囲である。
他の態様では、任意の掃引領域中の結合面積は約60%より小さく、結合面積は約40%より小さい。他の態様では、任意の掃引領域中の結合面積は約50%以下で、全結合面積は約30%以下である。さらに他の態様では、任意の掃引領域中の結合面積は約40%より小さく、結合面積は約20〜30%までの範囲である。
前述したとおり、表1〜3は、図1に示す結合線と同様なジグザグ結合線パターンに基づく。しかし、当業者は、どのような結合線またはその変形であっても、表1〜3に挙げられたパラメータの値を計算することができるであろう。
例えば、単純な幾何学、例えば斜めで接続した直線のみからなる幾何学には、ここまで示した結合線パターンに行ったのと同様に、斜めで接続した直線の幾何学上および三角法上の関係を使用することにより、表1〜3に示す値を計算することができる。より複雑なパターンには、例えば図4A〜4Kに示すパターン、または図5B〜5Eのパターンのような形を含む結合線パターンには、コンピュータ画像解析を使用することにより、表1〜3の値は得られる。
コンピュータ画像解析では、結合領域および非結合領域がどこにあるかを決定するために、色の対比が相対的に測定されるように、対象となる結合パターンはデジタル化される。例えば、非結合領域は白い画素で表すことができ、結合領域は黒い画素で表すことができる。結合領域を表す画素数は計測され、結合面積の割合を決定するために、非結合領域を表す画素数と比較される。同様に、周期、重なり、結合線厚み、配向角、および線間隔も、コンピュータ画像解析を使用して測定することができる。
さらに、表1〜3に関して説明したいかなるデータまたは傾向は、解析された結合線パターン、例えば、ジグザグパターンに関するものである。その結果、表1〜3に関して説明したデータおよび/または傾向は、他の結合線パターンには有効ではないかもしれない。
図3Bおよび図3Cはその他の典型的な不織布を示す。図3Bは、本発明のファスナー受け側部材用不織布の一実施例を示す部分平面図、図3Cは、その一部を拡大して示す図である。
図3Bにおいて、斜線部分で示すエンボス部1は、エンボスロールによって捲縮複合繊維が熱圧着および/または融着された領域である。エンボス部1の間の領域である非エンボス部2は、捲縮複合繊維が熱圧着および/または融着されていない領域であり、捲縮複合繊維が係止部材のフックと係合するループを形成している。
図3Bでは、ファスナー受け側部材用不織布の一部のみ示しているが、典型的にはファスナー受け側部材用不織布の全面に渡ってエンボス部1が形成される。また、ファスナー受け側部材用不織布の全体形状は、用途に応じて任意の適宜な形状とされ、任意の適宜なシート状の形態であってよい。
例えば、本発明の不織布を用いたファスナー受け側部材と、フックを有する係止部材とを、結合しようとする2つの面のそれぞれに予め接着、縫製などにより固定させておき、係止部材のフックを受け側部材のループに引掛けることで上記2つの面を着脱可能に結合する形態で使用される。
ファスナー受け側部材用不織布の縦断面は、図14に示すように、非エンボス部2に対してエンボス部1が窪んだ形状になっていることを示す。一実施例では、非エンボス部2とエンボス部1との高低差は、約0.1〜2mmの範囲内である。エンボス部1を形成するためのエンボスロールの彫刻の凸部における断面形状は、例えば台形など、場合に応じて任意の適宜なものでよい。
図3Bに示すように、本実施例のファスナー受け側部材用不織布におけるエンボス部1は、エンボスロールのCD方向(Cross Machine Direction)に対して略平行に連続するジグザグ形状の単位パターン3が、MD方向(Machine Direction)に所定の間隔で配列されたエンボスパターンを含んでもよい。図示しないが、ジグザグ形状の単位パターン3はMD方向と略並行に連続し、所定の間隔でCD方向に配置されてもよい。
図3Cに示すように、単位パターン3は、CD方向と略平行に配列され、MD方向に対して一方側に略同一角度で傾斜した複数の第1の斜線部4と、CD方向と略平行に配列され、MD方向に対して他方側に略同一角度で傾斜した複数の第2の斜線部5と、が交互に配置されたジグザグ形状を有している。第1の斜線部4と第2の斜線部5は、第1の斜線部4の端部4aと、第2の斜線部5の端部5aとを接点として互いに連結され連続している。
なお、本実施例において接点6とは、図示すように、第1の斜線部4と第2の斜線部5が接する部分のうち最も外側の点である。また頂部7は、単位パターン3におけるジグザグの両側の最も外側の点であり、本実施例では、前記頂部とは接点6と同一点、すなわち第1の斜線部4と第2の斜線部5が接する部分の最も外側の点である。
図3Cに示すように、本実施例では、単位パターン3における第1の斜線部4と第2の斜線部5との隣接する3つの接点6で構成される三角形(図3C中の破線で示す三角形8)の内部に、MD方向に隣接する単位パターン3の一部が入り込んでいる。
ある実施例では、単位パターン3のMD方向における一方側の頂部7と他方側の頂部7との幅W1と、第1の斜線部と第2の斜線部とのCD方向において隣接する接点間の幅W2との比W1/W2が、約0.1〜10である。他の実施例では比W1/W2は約0.5〜2.0である。
上記の各条件を満足することによって、十分な剥離強さ、繰り返し剥離強さ、引張せん断強さを有すると共に、MD方向とCD方向のそれぞれについて高い機械強度を有するファスナー受け側部材とすることができる。
特に、ファスナー用受け側部材としては十分な繰り返し剥離強さおよびCD方向の機械強度を有していることが好ましく、前記繰り返し剥離強さおよびCD方向の機械強度については、隣接する3つの接点6で構成される三角形8の内部に隣接する単位パターン3の一部が入り込むことによって、隣接する単位パターン3同士がMD方向に重なり合っていることが有効に作用していると考えられる。
一実施例では、単位パターン3の一方側の頂部7と他方側の頂部7とのMD方向の幅W1の長さは、約3mm以上および約50mm以下である。他の実施例では、単位パターン3の一方側の頂部7と他方側の頂部7とのMD方向の幅W1の長さは約5mm以上および約20mm以下である。
一実施例では、隣接する単位パターン3の間隔W3は、約1mm以上および約20mm以下である。他の実施例では、隣接する単位パターン3の間隔W3は、約2mm以上および約8mm以下である。
一実施例では、単位パターン3の線幅W4は、約0.5mm以上および約1.5mm以下の範囲内である。一実施例では、エンボス面積率、すなわちエンボス部1の面積と非エンボス部2の面積との和に対するエンボス部1の面積の比に100を乗じた値は、約10〜50%の範囲内である。他の実施例ではエンボス面積率は、約20〜30%の範囲内である。
上記の各条件を満足することによって、高い接着強さおよび機械強度が得られると共に、嵩高な不織布とすることが出来る。
図4A〜4Kに示すように、隣接する結合線の重なりは、多くの異なる方法により達成することができる。例えば、図4Aに示すように、本発明により構成される受け側部材400Aは、第1の結合線410Aおよび第2の結合線412Aを含むことができる。第1の結合線410Aおよび第2の結合線412Aは、それぞれ、複数の反復単位510Aを含むことができる。ある態様では、それぞれの反復単位510Aから縦軸160と略平行な方向に伸びる伸長部520により、第1の結合線410Aおよび第2の結合線412Aの反復単位510Aは互いに重なる。
また、図示するように、ある態様では、第1および第2の結合線410Aおよび412Bは、反復単位510Aの間に、縦軸160と略平行な方向に伸びる伸長部520を含むことができる。
ある態様では、伸長部520は、縦軸160に関してある角度で伸びることができる。ある態様では、伸長角1350(図4Kに示す)は、約0度より大きく約180度より小さい範囲であり、または、この範囲の任意の数字である。さらに他の態様では、伸長角1350(図4Kに示す)は、約30度および約150度より小さいか等しい範囲である。
さらに他の態様では、伸長角1350は、約60〜120度の範囲である。ある態様では、全ての結合線の伸長角1350は同様である。ある態様では、伸長角1350は、結合パターンの結合線の間で異なる。さらに、ある態様では、伸長角1350は反復単位510Aの間で異なる。
図4Bに示すように、他の態様では、本発明によって構成される受け側部材400Bは、第1の結合線410Bおよび第2の結合線412Bを含むことができる。同様に、第1の結合線410Bおよび第2の結合線412Bは、伸長部520を有する複数の反復単位510Bを含むことができる。反復単位510Bの伸長部520は、反復単位510Aの伸長部520と同様に構成することができる。
さらに本発明の結合線は、直線の反復単位510Aに限定されるものではない。例えば、図4Bに示すように、ある態様では、結合線は、曲線部分からなる複数の反復単位510Bを含むことができる。図示するように、反復単位510Bは、事実上正弦曲線に見える。他の反復単位の例を図5A〜5Eに示す。
図4Cは、本発明によるファスナー受け側部材用不織布の他の例を示す。図4Dは、前記不織布の一部を拡大して示す図である。なお、図3Bおよび図3Cに対応する部分は、図4Cおよび図4Dにおいても同一の参照番号で示す。
本例のファスナー受け側部材用不織布は、基本的には上記の実施例と同様の構成であり、図4Cに示すように、エンボスロールのCD方向に対して略平行に連続するジグザグ形状の単位パターン3がMD方向に所定の間隔で配列されたエンボス部1を有している。
本例では、図4Dに示すように、単位パターン3が、その頂部7において曲率を有している。このように、本発明の単位パターン3のジグザグの先端部はやや丸みを有していてもよい。
図4Eは、本発明のファスナー受け側部材用不織布における他の実施例の一部を示す平面図、図4Fは、図4Eの不織布の一部を拡大して示す図である。なお、図3Bおよび図3Cに対応する部分は、図4Eおよび図4Fにおいても同一の参照番号で示す。
本例のファスナー受け側部材用不織布は、基本的には上記の実施例と同様の構成であり、図4Eに示すように、エンボスロールのCD方向に対して略平行に連続するジグザグ形状の単位パターン3がMD方向に所定の間隔で配列されたエンボス部1を有している。
ファスナー受け側部材用不織布の具体的な全体形状、使用方法、縦断面形状、および各種の数値範囲については上述の実施例において説明したものと同じ条件でもよい。図4Fに示すように、単位パターン3は、CD方向と略平行に配列され、MD方向に対して一方側に略同一角度で傾斜した複数の第1の斜線部4と、CD方向と略平行に配列され、MD方向に対して他方側に略同一角度で傾斜した複数の第2の斜線部5と、が交互に配置されたジグザグ単位パターンを有している。
本例では、第1の斜線部4と第2の斜線部5は、第1の斜線部4の端部4aと、第2の斜線部5における端部5aの近傍とを接点として互いに連結して連続している。なお、図4Fに示すように、本例において接点6とは、第1の斜線部4と第2の斜線部5が接する部分のうち最も外側の点で、頂部7に近い側をいうものとする。
また、頂部7とは、単位パターン3における両側の最も外側の点のことであり、本例では、前記頂部は第2の斜線部5の端部5aをいうものとする。図4Fに示すように、第2の斜線部5の端部5a近傍部分が、接点6からやや突出した形状になっている。すなわち単位パターン3は伸長部520を含む。
図4Fに示すように、本例では、単位パターン3における第1の斜線部4と第2の斜線部5との隣接する3つの接点6で構成される三角形(図4Fの破線で示す三角形8)の内部に、MD方向に隣接する単位パターン3の一部が入り込んでいてもよい。
一実施例では、単位パターン3のMD方向における一方側の頂部7と他方側の頂部7とのMD方向の幅W1と、第1の斜線部4と第2の斜線部5とのCD方向において隣接する接点間の幅W2との比W1/W2は、上述したように、約0.1以上および約10以下である。他の実施例では、前記比W1/W2は約0.5以上および約2.0以下である。
上記の各条件を満足することによって、全てにおいて充分な剥離強さ、繰り返し剥離強さ、引張せん断強を有すると共に、MD方向とCD方向のそれぞれについて高い機械強度を有するファスナー受け側部材とすることができる。
図4Gは、本発明のファスナー受け側部材用不織布の他の例の一部を示す平面図、図4Hは、図4Gの不織布の一部を拡大して示す図である。なお、図4Eおよび図4Fに対応する部分は、図4Gおよび図4Hにおいても同一の参照番号で示す。
本例のファスナー受け側部材用不織布は、基本的には上記の実施例と同様の構成であり、図4Gに示すように、エンボスロールのCD方向に対して略平行に連続するジグザグ形状の単位パターン3がMD方向に所定の間隔で配列されたエンボス部1を有している。
本例では、図4Hに示すように、第2の斜線部5の端部5aの近傍部分が接点6から突出した形状の単位パターン3と、第1の斜線部4の端部4aの近傍部分が接点6から突出した形状の単位パターン3とが、MD方向に交互に配列されている。前記単位パターンは伸長部520を含む。
すなわち、一方の単位パターン3は、第1の斜線部4と第2の斜線部5が、第1の斜線部4の端部4aと、第2の斜線部5における端部5aの近傍部分とを接点として互いに連結して連続している。
そして、これに隣接する他方の単位パターン3は、第1の斜線部4と第2の斜線部5が、第1の斜線部4における端部4aの近傍部分と、第2の斜線部5の端部5aとを接点として互いに連結して連続している。
単位パターン3における第1の斜線部4と第2の斜線部5との隣接する3つの接点6で構成される三角形の内部には、MD方向に隣接する単位パターン3の一部が入り込んでいる。図4Hでは、一方の単位パターン3における第2の斜線部5の端部5aが、これに隣接する他方の単位パターン3の隣接する3つの接点6で構成される三角形に重なり、他方の単位パターン3における第1の斜線部4の端部4aが、これに隣接する一方の単位パターン3の隣接する3つの接点6で構成される三角形に重なる。
本実施例の不織布を有するファスナー受け側部材は、十分な剥離強さ、繰り返し剥離強さ、引張せん断強さの全てを有すると共に、MD方向とCD方向のそれぞれについて高い機械強度を有する。
図4Iは、本発明のファスナー受け側部材用不織布における他の例の一部を示す平面図、図4Jは、図4Iの不織布の一部を拡大して示す図である。なお、図3Bおよび図3Cに対応する部分は、図4Iおよび図4Jにおいても同一の参照番号で示す。
本例のファスナー受け側部材用不織布は、基本的には上記の実施例と同様の構成であり、図4Cに示すように、エンボスロールのCD方向に対して略平行に連続するジグザグ形状の単位パターン3がMD方向に所定の間隔で配列されたエンボス部1を有している。
ファスナー受け側部材用不織布の具体的な全体形状、使用方法、縦断面形状、および各種の数値範囲は、図3Bおよび図3Cに示す実施例において説明したものと同じ条件でもよい。
図4Jに示すように、単位パターン3は、CD方向と略平行に配列され、MD方向に対して一方側に略同一角度で傾斜した複数の第1の斜線部4と、CD方向と略平行に配列され、MD方向に対して他方側に略同一角度で傾斜した複数の第2の斜線部5と、が交互に配置されたジグザグ単位パターンを有している。第1の斜線部4と第2の斜線部5は、第1の斜線部4の端部4aと、第2の斜線部5の端部5aとを接点として互いに連結して連続している。
図4Jに示すように、単位パターン3における第1の斜線部4と第2の斜線部5との隣接する3つの接点6で構成される三角形(図4Jの破線で示す三角形8)の内部に、MD方向に隣接する単位パターン3の一部が入り込んでいる。
一実施例では、単位パターン3のMD方向における一方側の頂部7と他方側の頂部7とのMD方向の幅W1と、第1の斜線部4と第2の斜線部5とのCD方向において隣接する接点間の幅W2との比W1/W2は、上述したように、約0.1以上および約10以下である。他の実施例では、比W1/W2は、約0.5以上および約2.0以下である。
さらに図4Iおよび図4Jに示すように、前記不織布は、隣接する2つの単位パターン3の間に、エンボスロールによって熱融着された点状パターン9を有している。すなわち、エンボス部1は、単位パターン3および点状パターン9を有する。
点状パターン9が配置される位置は、隣接する2つの単位パターン3の間であれば任意の位置でよい。点状パターン9の形状は、点状またはそれに近い任意の適宜な形状であればよく、その大きさは、接着強さ、嵩高性などを考慮して設定することができる。
本実施例のファスナー受け側部材は、十分な剥離強さ、繰り返し剥離強さ、引張せん断強さの全てを有すると共に、MD方向とCD方向のそれぞれについて高い機械強度を有する。
図4A、4B、4E、4F、4G、および4Hの伸長部520は、ある態様では、図示するように直線であってもよい。しかし、伸長部は、いかなる適宜の形状であってもよい。例えば、ある態様では、伸長部520は、長方形、円形、三角形、偏菱形のような構造、台形のような構造、任意の適宜の多角形、曲線、斜線、くねった線、これらの組み合わせなどを含むことができる。
他の態様では、伸長部520は、例えば、図または子供の図のような審美的なデザインを含むことができる。図は任意の適宜の視像または複数の視像を含むことができる。図は、これらに限定されるわけではないが、写真、線画、エンボス、または、絵のシンボルおよび/または像を構成する他の適当なものなどの、絵のシンボルおよび/または像を含むことができる。
絵のシンボルおよび/または像は、子供の像、動物または物の擬人化した像、よく知られた漫画のキャラクターを含む漫画の像、ブランドロゴなどのよく知られた像、および/または、特に通商の方法に関連して考案されたイメージキャラクター、シンボル、例えば、限定されるわけではないが、矢印、動きまたは移動の表示など、およびこれらの組み合わせを含むことができる。
図または子供の図は、米国特許公開番号2005/0129743A1、米国特許公開番号2005/0125923A1、および米国特許公開番号2005/0125877A1で説明されており、これに関してこれらの公開を参照することにより本書に組み込まれる。
ある態様では、1より多い結合線の部分を含む掃引領域は、一本の結合線の部分を含む掃引領域よりも、より大きい結合面積を有することができる。1より多い結合線の部分を含む掃引領域の結合面積は、任意の適宜の方法によって低減できる。
例えば、図4Lに示すように、第1の結合線110および/または第2の結合線112は、ある態様では、線に近い、複数の結合部位460を含むことができる。複数の結合部位460は、第1の結合線110および第2の結合線112の重なり320に配置することができる。ある態様では、重なり320内部の複数の結合部位460は、重なりの中の連続する結合線よりもより少ない結合領域を定め、重なり320中の結合領域の量を低減することができる。複数の結合部位460は、当該技術分野で知られているいかなる形状を含むことができる。
図5Aに示すように、本発明によって構成される受け側部材は、複数の反復単位510Aを含む結合線を含むことができる。反復単位510Aは、ある態様では、反復単位510Aの第1の足517および第2の足519を形成する直線を含む、開いた幾何学形状を含むことができる。
図5Bに示すように、ある態様では、反復単位510Aは、反復単位510Aの第1の足517および第2の足519をつなぐ丸い端部529を含むことができる。丸い端部529は、隣接する反復単位の間に同様に配置される。
図5Cに示すように、反復単位510は、反復単位510Aの第1の足517および第2の足519をつなぐ平らな端部530を含むことができる。平らな端部530は、隣接する反復単位の間に同様に配置される。
図5Dに示すように、ある態様では、反復単位510は、第1の足517および第2の足519の境界を定める、複数の波状の端部512および514を含むことができる。結合線が波状の端部を有する複数の反復単位を含む実施例では、反復単位510の少なくとも10か所の厚みを測定し、それらの平均厚みを計算することにより、結合線厚みは決定される。
さらに、図5Eに示すように、ある態様では、反復単位510Bは、複数の正弦曲線の端部516および518を含むことができる。本発明の反復単位510Aおよび510Bは、任意の適宜の形状または形状の組み合わせを含むことができる。ある態様では、本発明の結合線は、結合線中に異なる反復単位を含むことができる。他の態様では、第1の結合線の反復単位は似ているが、第2の結合線は、第1の結合線の反復単位と異なる反復単位を含む。
前述したとおり、加工中の結合線の方向も、より大きい結合面積とより小さい結合面積の比に影響を与えることがある。本発明によって構成される受け側部材では、受け側部材の縦軸は、加工中は機械方向と略並行な方向である。ある態様では、結果として生じる結合線は、第1縦縁170(図1Bおよび3Bに示す)から第2縦縁172(図1Bおよび3Bに示す)へ伸びることができる。
一方、図6に示すように、ある態様では、本発明によって構成される受け側部材1000は、第1の結合線1010、第2の結合線1012および第3の結合線1014を含むことができる。ある態様では、第1の結合線1010、第2の結合線1012および第3の結合線1014のそれぞれは、縦軸1060と略平行である第1方向1224に、受け側部材1000の第1末端縁1151から第2末端縁1152へのびることができる。受け側部材1000は、第1縦縁1170に最も近い結合線、第2縦縁1172に最も近い結合線、および、それらの間のいかなる結合線を取り囲む結合帯1030を含むことができる。
例えば、図示するように、結合帯1030は、第1の結合線1010、第2の結合線1012および第3の結合線1014を取り囲むことができる。受け側部材が3より多い結合線または3より少ない結合線を含む実施例も考えられる。
結合帯1030は、複数の掃引領域1040、1042、1044、1046、1048、1050、1052および1054を含む。複数の掃引領域1040、1042、1044、1046、1048、1050、1052および1054は、ここまで説明した掃引領域と似たような長さおよび幅を有することができる。図示するように、ある態様では、複数の掃引領域1040、1042、1044、1046、1048、1050、1052および1054のそれぞれの掃引領域は、第1の結合線1010の一部、第2の結合線1012の一部、および、第3の結合線1014の一部を含むことができる。
図1Bに示す結合線パターンと同様に、図6の結合線パターンでは、それぞれの掃引領域は、ある一定の結合面積を有する。第1の結合線1010は、第2の結合線1012と重なることができ、第2の結合線1012は、第3の結合線1014と重なることができる。しかし、受け側部材100(図1および3に示す)の重なり320(図3に示す)に比べ、受け側部材1000の重なり1020は、横軸1062に略並行である。同様に、第2の結合線1012は、第3の結合線1014に重なることができる。
重なり1020は、第3参照線1565および第4参照線1575の間の距離である。ある態様では、重なり1020は第2方向1225と略並行である。第3参照線1565は、ある態様では、縦軸1060と略並行である。同様に第4参照線1575は、ある態様では縦軸1060と略並行である。
第3参照線1565は、第1末端縁1151から第2末端縁1152へのびることができ、第1の結合線1010の最も内側の点と交差することができる。第1の結合線1010の最も内側の点は、第2の結合線1012に最も近い点である。第4参照線1575は、第1末端縁1151から第2末端縁1152へのびることができ、第2の結合線1012の最も外側の点と交差することができる。
第1の結合線1010および第2の結合線1012の間の重なり1020を参照するとき、第2の結合線1012の最も外側の点は、第1の結合線1010に最も近い第2の結合線1012上の点である。
以下、本発明のファスナー受け側部材用不織布について詳細に説明する。本発明のファスナー受け側部材用不織布は、捲縮複合繊維(以下、単に複合繊維ということがある。)を含む不織布または前記不織布を含む不織布積層体を有する。捲縮複合繊維は、第1のプロピレン系重合体および第2のプロピレン系重合体を含む。前記第1および第2のプロピレン系重合体は、該複合繊維の断面内で実質的に別々の領域を占めるように配列されて長手方向に連続的に伸び、第1および第2のプロピレン系重合体のそれぞれが、該複合繊維の長手方向に連続的に沿う周縁表面の少なくとも一部を形成している。
好ましくは、前記第2のプロピレン系重合体が、前記周縁表面の少なくとも50%以上を形成する。すなわち、前記複合繊維は、第1のプロピレン系重合体および第2のプロピレン系重合体が前記複合繊維の長手方向に並列して伸びる並列型複合繊維である。
ある態様では、図9Aに示すように、複合繊維1500は、第1および第2のプロピレン系重合体1502および1510がそれぞれ複合繊維1500の周縁表面1520の約50%を構成するような、第1のプロピレン系重合体1502および第2のプロピレン系重合体1510が複合繊維の長さ方向に並列してのびる並列型複合繊維であってもよい。
第1のプロピレン系重合体1502および第2のプロピレン系重合体1510は、結果として生じる繊維1500に捲縮が生じさせる、任意の適宜の形状に配列することができる。例えば、ある態様では、図9Bに示すように、第2のプロピレン系重合体1510は、第1のプロピレン系重合体1502の中に非対称に配置される、十字形状のようなパターンを形成することができる。ある態様では、図9Cに示すように、第2のプロピレン系重合体1510は、第1のプロピレン系重合体1502が複合繊維1500の周縁表面1520を約100%含むように、完全に第1のプロピレン系重合体1502に囲まれることができる。第2のプロピレン系重合体1510は、結果として生じる繊維1500に捲縮が生じるように、第1のプロピレン系重合体1502の中に非対称に配置される。
さらに、第2のプロピレン系重合体1510が、複合繊維1500の周縁表面1520の約50%より大きい任意の数字を含む実施例が考えられる。さらに、第2のプロピレン系重合体1510が、複合繊維1500の周縁表面1520の約50%より小さい任意の数字を含む実施例が考えられる。また、第1のプロピレン系重合体1502は、第2のプロピレン系重合体1510と同様に配置することができ、その逆でもよい。繊維がカールする、またはらせん状の構造を形成するように、捲縮する場合も考えられる。
ある実施例では、示差走査熱量計(DSC)で測定される第1のプロピレン系重合体の融点は、第2のプロピレン系重合体の融点よりも約15℃以上高い。他の実施例では、示差走査熱量計(DSC)で測定される第1のプロピレン系重合体の融点は、第2のプロピレン系重合体の融点よりも約15℃以上および約60℃以下程度高い。
一実施例では、第1のプロピレン系重合体の第2のプロピレン系重合体に対する重量比は、約50/50〜5/95である。他の実施例では、第1のプロピレン系重合体の第2のプロピレン系重合体に対する重量比は、約40/60〜10/90である。さらに別の実施例では、第1のプロピレン系重合体の第2のプロピレン系重合体に対する重量比は、約30/70〜10/90である。
ある実施例では、第1および第2のプロピレン系重合体のASTM D1238に準拠して測定される溶融流動速度(MFR:測定温度230℃、荷重2.16kg)(第2のプロピレン系重合体/第1のプロピレン系重合体)は、約0.8〜1.2の範囲内であり、この範囲のいかなる特定の数字でもよい。別の実施例では、約0.9〜1.1の範囲内であってよい。
ある実施例では、複合繊維断面における第1のプロピレン系重合体と第2のプロピレン系重合体の面積比は、重量比とほぼ等しくてもよい。例えば、ある態様では、第1のプロピレン系重合体の断面積の第2のプロピレン系重合体の断面積に対する比は、約50/50〜5/95の範囲であり、または、この範囲の任意の比である。ある態様では、約40/60〜10/90の範囲であり、または、この範囲の任意の比である。ある態様では、約30/70〜10/90の範囲であり、または、この範囲の任意の比である。
上記の条件を満足することにより、複合繊維は捲縮状態となる。好ましい捲縮数は、JIS L1015に従う測定で、約5〜50個/25mmであってよい。
本発明において、第1および第2のプロピレン系重合体のDSCによる融点測定は、パーキンエルマー社製の装置を用いて実施された。試料を測定用のプレートにセットし、一旦30℃から200℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、200℃で10分間保持した後、30℃まで10℃/分の降温速度で降温し、再度30℃から200℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、測定は2度目の昇温時に行われた。
一実施例では、複合繊維は、DSCによる融点ピークを2つ以上有することが好ましく、最低融点ピークの面積が、他の高融点ピークの面積以上であることが好ましい。この複合繊維のDSCによる融点測定は、上記の装置を用いて実施された。試料を測定用のプレートにセットし、30℃から200℃まで、10℃/分の昇温速度で昇温しながらファーストランにより測定したものである。この測定方法では、融点が吸熱カーブ上のピークとして得られ、融点の値とともに、融点ピークの面積を求めることができる。
前記測定方法のファーストランで求められた前記複合繊維の2つの融点ピークが重なり合っているときは、最高強度のピークの形状から、他のピークの影響を排したピークを推定して面積を求め、他のピークの面積と比較することができる。
本発明の複合繊維の構成に用いることができる第1および第2のプロピレン系重合体の例としては、プロピレンの単独重合体、または、プロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2から20、好ましくは2から8のα−オレフィンの1種または2種以上との共重合体であって、プロピレンを主な構造単位成分とするものを含む。
これらの中でも、エチレン単位成分の含有量約0〜10モル%の範囲内、MFRが約20〜200g/10分の範囲内のプロピレン単独重合体またはプロピレン・エチレンランダム共重合体が好ましい。
ある態様では、ファスナー受け側部材として優れた接着強さと機械強度が得られ、さらに嵩高性と良好な柔軟性を有する不織布が得られる点で、第1のプロピレン系重合体がプロピレン単独重合体であり、第2のプロピレン系重合体がプロピレンと少量のエチレンとのランダム共重合体であって、エチレン単位成分の含有量が約10モル%以下の範囲内、より好ましくは約2〜10モル%の範囲内であるものが好ましい。この場合、エチレン単位成分の含量は、13C−NMRスペクトル解析を使用する定法に従って求められる。
一実施例では、第1のプロピレン系重合体の融点は約120℃以上および約175℃以下である。他の実施例では、第2のプロピレン系重合体の融点は約110℃以上および約155℃以下である。前記プロピレン系重合体は、例えば、高立体規則性重合触媒を使用して製造することができる。
複合繊維には、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。他の成分の例としては、耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどが含まれる。
安定剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等のフェノール系酸化防止剤;テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2'−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどが含まれる。これらは、1種単独安定剤でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
滑剤の例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミドなどが含まれる。一実施例では、前記複合繊維は、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデンなどの充填剤を含有していてもよい。
プロピレン系重合体と上記の任意成分とは、あらゆる適当な従来の方法を利用して混合することができる。以上のような複合繊維を用いて、本明細書で説明するパターンのエンボス部を形成した不織布は、ファスナー受け側部材としての非常に高い接着強さと機械強度を得ることが可能となる。また、この不織布は、嵩高性と良好な柔軟性を有すこともできる。
また、上記の複合繊維は、紡糸性に優れるとともに、耐毛羽立ち性が良好となる。そのため、生産性に優れ、特にエンボス加工時に毛羽の発生が押さえられ、高速処理が可能となる。
不織布は、任意の適当な方法で作成することが可能である。形成された不織布の例には、スパンボンド、スパンボンド・メルトブロウン・スパンボンド(SMS)、スパンボンド・メルトブロウン・メルトブロウン・スパンボンド(SMMS)、カード、メルトブロウンなどが含まれる。他の態様では、不織布は、高伸長カード(HEC)不織布、または、深活性化ポリプロピレン(DAPP)不織布でもよい。不織布を作成するのに、当該技術分野で知られているあらゆるプロセスを使用することができる。
ある態様では、不織布は、機械的に結合した繊維を含む。例えば、繊維は、ニードルパンチまたは水流交絡により結合する。不織布を作成する適当な結合プロセスの例には、スパンボンド、熱接着、並びにラテックス接着、粉末接着などの様々な種類の化学結合などを含む。
一実施例では、上記の捲縮複合繊維を有する不織布は、通常の複合溶融紡糸法で得られるが、中でも生産性に優れるスパンボンド法により製造されたスパンボンド不織布であることが好ましい。
一実施例では、スパンボンド不織布は、複合繊維の一方の領域を形成する第1のプロピレン系重合体と、他方の領域を形成する第2のプロピレン系重合体とを、それぞれ別々に押出機等で溶融し、各溶融物を所望の繊維構造を吐出して形成するように構成された複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、複合長繊維を紡出させることにより製造できる。
一実施例では、紡出された長繊維を、冷却用エアにより冷却し、さらに延伸用エアにより張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させた後、結合処理として、エンボス加工などの結合工程により熱融着することで不織布を形成する。
前記不織布の繊維は任意な適宜の繊度、形状でよい。前記繊維は、例えば、円形、楕円形(突出物の様な伸長の有無を問わず)などの適宜の断面形状を有していてよい。一実施例では、不織布の繊度は、約0.5デニール以上および約5.0デニール以下の範囲内である。他の実施例では、不織布の繊度は約1.0デニール以上および約4.0デニール以下の範囲内である。一実施例では、不織布の目付は約20g/m2以上および約80g/m2以下の範囲内である。他の実施例では、不織布の目付けは約30g/m2以上および60g/m2以下の範囲内である。
本発明のファスナー受け側部材用不織布は、前記捲縮複合繊維を有する不織布を最表面の層として、その裏面側に少なくとも1層以上の層が積層された積層体を有してもよい。あらゆる適宜の層を積層体に使用することができる。層の例として、織布、不織布、または、任意のこれらの組み合わせなどの繊維状物質のウェブが含まれる。例えば、不織布に積層される少なくとも一つの層は、第2の不織布である。
ある態様では、図2Aおよび2Bに関して説明したプロセスが、第2の不織布の固定されていない繊維の間で繊維間接合を形成し、これにより不織布を形成するために、使用することができる。他の態様では、既に軽く結合した不織布を追加して結合するために、このプロセスを使用することができる。さらに、ある態様では、追加の結合により、不織布を支持構造につなぐことができる。
例えば、不織布は、約10〜20%の間の初期の結合領域を有しており、その後に、本発明の結合パターンを使用して支持層(例えば、第2の不織布)に結合することができる。結果として生じる受け側部材は、初期の結合領域よりも多くの結合領域を有することができる。
支持層は、当該技術分野で知られている任意の適宜の支持層を含むことができる。例えば、支持層は、フィルムまたは不織布を含むことができる。受け側部材を、本発明の結合パターンを使用して、使い捨て吸収性物品に結合させた実施例が考えられる。例えば、受け側部材を、使い捨ておむつのバックシートに結合することができる。
本発明の結合パターンを使用して、受け側部材を、基礎をなす支持層に結合させることの利点の一つは、ある態様では接着剤を使用しないことである。例えば、ある態様では、図2Aおよび2Bに関して説明したカレンダーシステムを使用する際には、本発明の結合パターンは、受け側部材および支持層を、接着剤を用いることなく結合させることができる。
ある態様では、受け側部材の初期の結合領域は、測定することができないかもしれない。特に、受け側部材が、水流交絡またはニードルパンチにより結合された繊維を含む不織布を含む実施例では、初期の結合領域は、測定することができないかもしれない。しかし、これらの不織布は、受け側部材に使用することができ、本発明の結合パターンを使用して基礎をなす支持層に結合させることができる。
前述したとおり、本発明によって構成される受け側部材は不織布を含むことができる。ある態様では、不織布は繊維の一層を含むことができる。他の態様では、不織布は1より多い層の繊維(例えば、不織布および第2不織布のような第2層)を含むことができる。任意の適宜の第2の不織布を使用することができる。
例えば、適当な第2の不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、ポリアミド、または、これらの物質の組み合わせを含むことができる。一つの物質の繊維または異なる物質または物質の組み合わせの繊維を、不織布および/または第2の不織布に使用することができる。第2の不織布の例には、スパンボンド、スパンボンド・メルトブロウン・スパンボンド(SMS)、スパンボンド・メルトブロウン・メルトブロウン・スパンボンド(SMMS)、カード、メルトブロウンなどが含まれる。特に、許容される第2の不織布には、高伸長カード(HEC)不織布、および、深活性化ポリプロピレン(DAPP)不織布が含まれる。第2の不織布を作成するのに、当該技術分野で知られているあらゆるプロセスを使用することができる。
第2の不織布は、ニードルパンチまたは水流交絡により結合した繊維を含む、機械的に結合した繊維を含む。本発明に使用する適当な第2の不織布を作成するのに適当な他の結合プロセスには、スパンボンド、熱接着、並びに、ラテックス接着、粉末接着などの様々な種類の化学結合などを含む。
ある態様では、第2の不織布の目付は、約10〜100g/m2の範囲であり、または、この範囲の任意の特定の数字である。他の態様では、約25〜80g/m2の範囲である。さらに他の態様では、約30〜50g/m2の範囲である。
ある態様では、第2の不織布の繊維は、約1〜10の範囲のデニールを有し、または、この範囲の任意の数字である。ある態様では、繊維のデニールは、約1〜8の範囲である。他の態様では、約1〜5の範囲である。さらにある態様では、第2の不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、複合繊維、または、任意のこれらの組み合わせからなる繊維を含む。
積層体は、上述の捲縮複合繊維を有する不織布の結合前においてインライン積層法で積層させる方法、あるいは結合後においてオフライン積層法で積層させる方法によって形成することができる。インライン積層法で積層させる場合には、層は、結合処理前に前記捲縮複合繊維を有する不織布に重ねられ、上述の条件で熱融着され積層一体化されることが好ましい。したがって、インライン積層法で積層される不織布の材料としては、前記捲縮複合繊維を有する不織布と熱融着可能なものであれば、任意の適宜な重合体を用いることができる。
インライン積層法で積層させる場合、本発明の不織布を積層させる他の層(例、第2の層)としては不織布層が好ましい。このような不織布層の例としては、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、カーディングなどによる不織布を有する層が含まれる。一実施例では、捲縮度合の異なる上述の不織布層を第2の層として積層に用いてもよい。
前記第2の不織布の重合体の例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンなどが含まれる。ポリオレフィンの例としては、ポリエチレン、およびこれらの混合物が好ましい。紡糸性、耐熱性、上述の捲縮複合繊維を有する不織布との熱融着性の点から、特にポリプロピレンが好ましい。
上述の捲縮複合繊維に含まれる、第1のプロピレン系重合体または第2のプロピレン系重合体と同様のポリプロピレンを第2の層として使用してよい。例えばメルトブロー不織布を使用する場合には、溶融流動速度が約30〜3000g/10分、特に約400〜1500g/10分のものを使用するのが好ましく、また、重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnが約2〜6の範囲のものを使用することが好ましい。
一実施例では、ポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体(製法は低圧法、高圧法のいずれであってもよい)およびエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体を第2層として使用してよい。前記α−オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数が3〜20のα−オレフィン含む。このような他のα−オレフィンは、1種単独で共重合させてもよく、2種以上の異なるタイプのα−オレフィンを組み合わせて共重合させてもよい。
前記ポリエチレンは、密度が約880〜970kg/m3の範囲内、特に約910〜965kg/m3の範囲にあることが好ましく、また、メルトブロー不織布の場合には、溶融流動速度が約10〜400g/10分の範囲、特に約15〜250g/10分の範囲にあることが好ましい。ある実施例では、重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnが約1.5〜4の範囲であることが好ましい。
ポリエステルの例としては、強度、剛性等が優れた芳香族ポリエステルや生分解性の脂肪族ポリエステルが含まれる。芳香族ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレートなどが含まれる。脂肪族ポリエステルの例としては、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、りんご酸、酒石酸、クエン酸などの多価カルボン酸などと、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールとの重縮合物、ラクチドやカプロラクトンなどの開環重合物、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸などのヒドロキシ酸の重縮合物などが含まれる。
不織布積層体をオフラインで製造する場合には、前記捲縮複合繊維を有する不織布に積層する他の層(例、第2の層)は特に限定されず、編布、織布、不織布、フィルムなどを有する層でもよい。積層方法の例としては、エンボス加工、超音波融着などの熱融着法、ニードルパンチ、ウォータージェットなどの機械的交絡法、ホットメルト接着剤などを用いた接着剤による方法、フィルムなどの場合には押出ラミネーション等が含まれる。
本発明のファスナー受け側部材用不織布は、剥離強さ、繰り返し剥離強さ、引張せん断強さの全てにおいて充分な接着強さを有すると共に、MD方向とCD方向のそれぞれについて高い機械強度を有している。さらに、嵩高性と柔軟性が良好であり、しかも、紡糸性、耐毛羽立ち性に優れている。このため、後述の紙おむつ、失禁用具、手術衣などの係止材として好適に用いられる。
本発明による不織布を含むファスナーは、種々の消費材および商品に利用することができ、それらは本発明により構成された結合パターンを含む受け側部材を有することにより、利益をうけることができるであろう。ここで説明した全ての実施例では、受け側部材は商品につけ加えられる、別個の要素であってもよい。
例えば、受け側部材は、吸収性物品または他の商品(例えば、ラップ、医療品など)の任意の部材(例えば、トップシート、吸収性コア、バックシート、ファスナー、サイドパネル、カフなど)に結合される別個の構造であってもよい。あるいは、受け側部材は、商品またはファスナーの要素の一部または全体として構成されていてもよい。例えば、受け側部材は、吸収性物品または他の商品(例えば、ラップ、医療品、など)の任意の部材(例えば、トップシート、吸収性コア、バックシート、ファスナー、サイドパネル、カフなど)の一部または全体として構成されていてもよい。
さらに、受け側部材を、商品またはファスナーの上または中の任意の適宜の場所に配置してもよい。例えば、受け側部材は、商品またはファスナーの外側表面上に、着用者側表面上に配置され、または、商品またはファスナーの内部に含まれる。説明のため、本発明の受け側部材を使い捨ておむつとの関連で説明するが、それ以外の状況にも適用可能である。
図7Aおよび7Bに示すように、使い捨て吸収性物品600は、液体透過性トップシート622、および、トップシート622の少なくとも一部に結合したバックシート624を含むことができる。使い捨て吸収性物品600は、さらに、トップシート622およびバックシート624の間に配置される吸収性コア646を含む。使い捨て吸収性物品600は、さらに、サイドパネル628、外側カフス632、内側カフス652、およびウエスト機能630を含んでもよい。
使い捨て吸収性物品600の外縁の一部は、縦縁675Aおよび675B、第1ウエスト縁650、および、第2ウエスト縁651により定めることができる。縦縁675Aおよび675Bは、使い捨て吸収性物品600の縦中心線690と略並行にのびている。第1ウエスト縁650および第2ウエスト縁651は、使い捨て吸収性物品600の横中心線680と略並行にのびている。使い捨て吸収性物品600は、さらに、縦縁675Aおよび675Bに隣接して配置される伸縮性のある足機能631を含むことができる。
使い捨て吸収性物品600は、さらに、第1ウエスト部材602および第2ウエスト部材604を含むことができる。第1ウエスト部材602および/または第2ウエスト部材604は、弾性的に伸長性があってもよい。図示するように、ある態様では、第1ウエスト部材602は、第1ウエスト縁650に隣接して配置してもよい。ある態様では、第2ウエスト部材604は、第2ウエスト縁651に隣接して配置することができる。一般に、第1ウエスト部材602および/または第2ウエスト部材604は、使い捨て吸収性物品600に結合される前は、張力を受けている。
したがって、第1ウエスト部材602および/または第2ウエスト部材604に加わっている張力の少なくとも一部を解除すると、それに結合された使い捨て吸収性物品600の一部は波状になる。使い捨て吸収性物品600のこの波状のひだにより、第1ウエスト部材602および/または第2ウエスト部材604および使い捨て吸収性物品600を引き伸ばすことができ、着用者の腰に接触させることができ、これにより着用者をより快適にし、着用者にぴったりと装着できることとなる。
適宜のウエスト部材602および/または604の例として、米国特許番号4,515,595、米国特許番号5,151,092、および米国特許番号5,221,274に記載されるものが含まれ、この点に関し、これらを参照することにより本書に組み込まれる。使い捨ておむつは、一般に、第1ウエスト領域に配置される一つおよび第2ウエスト領域に配置される二つの伸縮性のウエスト機能を持つように構成されるが、一つの伸縮性のウエスト機能で構成されてもよい。
使い捨て吸収性物品600は、さらに、液体および他の体浸出物の封じ込めを向上させるために外側カフス632および内側カフス652を含むことができる。それぞれの伸縮性の外側カフス632は、足領域で体浸出物の漏れを低減するために数種の異なる実施例を含むことができる。外側カフス632および内側カフス652は、さらに、米国特許番号3,860,003、米国特許番号4,909,803、および米国特許番号4,695,278に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
前述のとおり、使い捨て吸収性物品は、さらに、一組のサイドパネル628を含むことができる。図7Bに示すように、サイドパネル628は、使い捨て吸収性物品600の第1縦縁675Aおよび第2縦縁675Bから外側にのびている。ある態様では、サイドパネル628は、第2ウエスト領域638で使い捨て吸収性物品600に結合することができ、ある態様では、サイドパネル628は、第1ウエスト領域で使い捨て吸収性物品600に結合することができる。あるいは、ある態様では、使い捨て吸収性物品600は、第2ウエスト領域638に配置される一組のサイドパネルおよび第1ウエスト領域636に配置される一組のサイドパネルを含むことができる。
ある態様では、サイドパネル628は、使い捨て吸収性物品600が取りつけられた時、足開口部の一部を形成することができる。サイドパネル628は、着用者の足の外側表面上に配置される、足開口部の一部を形成することができる。第1ウエスト領域636および第2ウエスト領域638に関連して、使い捨て吸収性物品600の股領域610は、着用者の足の内側表面上に配置される、足開口部の一部を形成することができる。ある態様では、サイドパネル628は、弾性的に伸長性があってもよい。
使い捨て吸収性物品600は、さらに、好ましくは足開口部およびウエスト開口部を形成するために、第1ウエスト領域636の少なくともの一部を第2ウエスト領域638の少なくとも一部に結合させるファスナー640を含むことができる。
ファスナー640は、また、ウエスト部材602および/または604と協同し、着用者のおよそ腰の辺りの場所に使い捨て吸収性物品600を維持するために、側面の張力を維持する。ファスナー640は、ある態様では、サイドパネル628に配置されえる係止部材642を含むことができる。ファスナー640は、さらに、ある態様では、第1ウエスト領域636に配置されえる受け側部材644を含むことができる。
図7Cに示すように、他の態様では、ファスナー640は、サイドパネル628上に複数のとめつけ部材を含むことができる。例えば、図示するように、サイドパネル628は、ある態様では、複数の係止要素を含む係止部材642を含むことができる。さらに、ある態様では、サイドパネル628は、係止部材642の反対側に配置される受け側部材1475を含むことができる。この配置の利点は、第1ウエスト領域636に結合される受け側部材644(図7Aに示す)に、係止部材642が係止できることであり、または、他のサイドパネル628の受け側部材1475に結合できることである。
図7Aに示すように、結合線1375の重なりが、せん断775の主な方向と略垂直となるように、受け側部材644は、使い捨て吸収性物品600上に配置される。図7Aに示すように、せん断775の主な方向は、一旦使い捨て吸収性物品600がとめつけられた状態で、通常発生する使用上の力の中で予期されるものである。ある態様では、受け側部材644は、使い捨て吸収性物品600の外側に対向する表面上の第1ウエスト領域636内の第1ウエスト縁650に隣接して配置されえる。
他の態様では、受け側部材644は、第2ウエスト領域638内の第2ウエスト縁651に隣接して配置されえる。この態様では、係止要素は、第1ウエスト領域636に隣接して配置されえる。ある態様では、受け側部材644は、サイドパネル628上に配置することができ、係止部材は、第1ウエスト領域636に配置することができる。ある態様では、受け側部材644は、複数の分離している要素を含むことができる。
任意の適宜の係止要素を本発明では使用することができる。適宜の係止要素の例には、フック状のとめつけ材が含まれる。フック状のとめつけ材は、しっかり閉めるために、受け側部材644の繊維状の要素に機械的に係止する。本発明によるフック状のとめつけ材は、広範な物質から製造することができる。適当な物質として、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、または、これらの物質の任意の組み合わせ、または、当該技術分野で知られている他の物質が含まれる。
好適なフック状のとめつけ材として、St. Paul, MinnのMinnesota Mining and Manufacturing Companyから入手可能なScotchmateTMブランド番号FJ3402と呼ばれる市販の材料などの、裏材から突出する成形された多くの係止要素を含む。あるいは、係止要素は、フック、T、マッシュルームのようなあらゆる形状であってよく、または、当該技術分野で知られている他の任意の形状でもよい。フック状のとめつけ材の例は、米国特許番号4,846,815に記載されており、この点に関して、これを参照することにより本書に組み込まれる。他の適当なフック状のとめつけ材として、熱可塑性プラスチック材料で形成される突起の配列を含む。
熱溶融性接着剤熱可塑性プラスチック、特にポリエステルおよびポリアミド熱溶融性接着剤は、特にフック状のとめつけ材の突起を形成するのに適している。ある態様では、突起は、溶融状態にある熱可塑性プラスチック材料を不連続な単位で基材上に印刷し、熱可塑性プラスチック材料の一部が切断する前に伸びることができるような方法で熱可塑性プラスチック材料を切断し、そして、突起が結果として生じるように、伸びた溶融材料を「凍らせる」ことにより、修正したグラビア印刷プロセスを使用することにより製造することができる。
このフック状のとめつけ材および方法およびこのようなフック状のとめつけ材を作成する装置は、ヨーロッパ特許出願0381087により詳細に記載されており、この点に関し、これを参照することにより本書に組み込まれる。
ファスナー640は、第1および第2ウエスト領域636および638を結合するための主なファスナーであってもよい。しかし、ファスナー640は、単独で使用してもよく、異なるとめつけ特性を提供する、タブとスロットのファスナー、テープファスナー、スナップ、ボタンなどの他のとめつけ手段と共に使用してもよい。
例えば、ファスナー640は、処分するのに便利な形状に使い捨て吸収性物品600をとめつけるために、使い捨て吸収性物品600に、処分する方法を提供することができる。さらに、第2のとめつけ手段は、使い捨て吸収性物品600に、フィット性を調整するための手段を提供することができ、または、第1ウエスト領域636および第2ウエスト領域638の間の結合の強度を増加させることができる。
ファスナー640は、パッケージから取り出した際に、介護者または着用者が使い捨て吸収性物品600を着けることができるように、パッケージの中で予めとめつけられていてもよい。あるいは、ファスナー640は、介護者または着用者が使い捨て吸収性物品600を着けている間に、ファスナー640をとめつけるように、パッケージの中でとめつけられてなくてもよい。さらに他の態様では、パッケージは、介護者または着用者に便利なように、予めとめつけられている使い捨て吸収性物品600ととめつけられていない使い捨て吸収性物品600の両方を含んでもよい。
図8Aに示すように、ファスナー740を含む使い捨て吸収性物品700を示す。ファスナー740は、第1サイドパネル728A上に配置された第1係止部材760Aおよび第2サイドパネル728B上に配置された第2係止部材760Bを含む。第1係止部材760Aおよび第2係止部材760Bは、とめつけた時、受け側部材644を係止することができる。
受け側部材644は、本発明によって形成される複数の結合線718を含むことができる。複数の結合線718のそれぞれは、山と谷を有してもよい。前述したとおり、結合線の重なりが、せん断775の主な方向と略垂直な方向となるように、受け側部材644を使い捨て吸収性物品700に配置することができる。したがって、受け側部材の横軸162(図1Bおよび3に示す)が、せん断775の主な方向と略平行な方向となるように、受け側部材100(図1Bおよび3に示す)と同様に構成される本発明の受け側部材は、使い捨て吸収性物品700に配置される。あるいは、受け側部材の縦軸1060が、せん断775の主な方向と略平行な方向となるように、受け側部材1000(図6に示す)と同様に構成される本発明の受け側部材は、使い捨て吸収性物品700に配置される。
せん断775の主な方向は、使用中の力により定められる。特に、使い捨て吸収性物品700がとめつけられている状態の時、第1サイドパネル728Aおよび第2サイドパネル728Bは、受け側部材644に力を及ぼす。この力は、もしサイドパネルが弾性的に伸長性を有しているならば、一部、サイドパネルが弾性体によって引き起こされえる。さらに、このせん断力は、使い捨て吸収性物品700を着用する間に使用者または介護者により引き起こされるかもしれない。
図8Bに示すように、ファスナー740を含む使い捨て吸収性物品702を示す。上記の使い捨て吸収性物品と同様に、第1係止部材760Aおよび第2係止部材760Bは、とめつけられた時、受け側部材644に係止することができる。受け側部材644は、第1の複数の結合線722および第2の複数の結合線720を含むことができる。第1の複数の結合線722のそれぞれの一部は、隣接する結合線のそれぞれの一部に重なる。同様に、第2の複数の結合線720のそれぞれの一部は、隣接する結合線のそれぞれの一部に重なる。
第1の複数の結合線722は、どこを第1係止部材760Aにとめつけるかの視覚信号を着用者に提供するように、斜めになっていてもよい。さらに、第2の複数の結合線720は、どこを第1係止部材760Bにとめつけるかの視覚信号を着用者に提供するように、斜めになっていてもよい。
ある態様では、とめつけ角度1250は約0〜45度までの範囲であり、または、この範囲の任意の特定の数字である。他の態様では、約10〜25度の間である。さらに他の態様では、約15〜20度の間である。
第1の複数の結合線722のとめつけ角度1250は、第1の複数の結合線722の結合パターン内の結合線のそれぞれに直線を近似させることにより決定できる。第1の複数の結合線722内で、ある結合線の一部が他の結合線の任意の部分に重なるならば、その結合線は第1の複数の結合線722の一部とみなすことができる。
第1の複数の結合線722の第1方向線1253を決定するために、第1の複数の結合線722内の結合線のそれぞれへの直線の近似は平均される。使い捨て吸収性物品702の第1方向線1253および縦軸770の交差が、とめつけ角度1250を定める。同様な解析は、第2の複数の結合線720にも行うことができる。
使い捨て吸収性物品は、複数の構成、要素、部材などを含むことができ、多様な方法で構成することができる。例えば、トップシート622(図6に示す)およびバックシート624(図6に示す)は、吸収性コア626(図6に示す)の長さおよび幅よりも、一般的に大きい長さおよび幅を有することができる。トップシート622(図6に示す)およびバックシート624(図6に示す)は、吸収性コア626(図6に示す)の縁を越えてのびることができ、使い捨て吸収性物品600(図6に示す)の外縁を形成する。
トップシート622(図6に示す)、バックシート624(図6に示す)、および、吸収性コア626(図6に示す)は、複数の異なる物質を含むことができ、周知の多様な構造に組み立てられることができ、おむつの材料および構造の例は、米国特許番号3,860,003、米国特許番号5,151,092、および米国特許番号5,221,274に一般的に記載されており、この点に関し、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
当該技術分野で知られているあらゆるトップシートを、本発明に使用することができる。トップシートに適した物質は、多孔質発泡体、網状発砲体、開口部を備えたプラスチックフィルム、並びに、天然繊維(例えば、木質または綿繊維)、複合繊維(例えば、ポリエステルまたはポリプロピレン繊維)、または天然および複合繊維の組み合わせの織布または不織布材料などの、広範囲の材料から製造することができる。例として、トップシートに使用するのに適した材料には、Walpole, MAのVeratec, Inc., Division of International Paper CompanyによってP−8の名で製造される、ステープルの長さのポリプロピレン繊維のウェブが含まれる。
トップシートのいくつかの例は、さらに米国特許番号3,929,135、米国特許番号4,324,246、米国特許番号4,342,314、米国特許番号4,463,045、米国特許番号5,006,394、米国特許番号4,609,518、米国特許番号4,629,643に記載されており、この点に関してこれらを参照することにより本書に組み込まれる。トップシートの任意の部分は、当該技術分野で知られているローションでおおわれていてもよい。
適宜のローションの例として、米国特許番号5,607,760、米国特許番号5,609,587、米国特許番号5,635,191、米国特許番号5,643,588、米国特許番号5,968,025、米国特許番号6,716,441、およびPCT公開番号WO95/24173に記載されるものが含まれ、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
さらにトップシートは、全体にまたは部分的に、弾性的に伸長性を有してもよく、または、トップシートおよび吸収性コアの間のすき間を与えるために、短縮されてもよい。弾性的なまたは短縮されたトップシートを含む構造の例は、米国特許番号4,892,536、米国特許番号4,990,147、米国特許番号5,037,416、および米国特許番号5,269,775により詳しく記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
本発明の使い捨て吸収性物品に使用できるバックシートは、積層体構造物を含む。例えば、前述したとおり、バックシートは、第1バックシート層および第2バックシート層(図2C参照)を含むことができる。第2バックシート層は、液体(例えば、尿)を透さなく、例えば、約0.012〜0.051mm(約0.5〜2.0mils)の厚みを有する熱可塑性プラスチックフィルムのような薄いプラスチックフィルムを含むことができる。適したバックシートとして、Richmond, VA拠点を置くTredegar Corporationにより製造され、商標名CPC2フィルムとして販売されるものが挙げられる。
第1バックシート層および/または第2バックシート層のどちらも、浸出液がバックシートを透過するのを防ぐが、プルオン式の装着物から蒸気を逃げさせる、通気性のある材料を含むことができる。適した通気性のある材料としては、織布、不織布のような材料、フィルムをコートした不織布のような複合材料、日本の三井東圧化学株式会社によりESPOIR NOの名で製造される微孔フィルム、および、Richmond, VAのTredegar Corporationにより製造されEXAIREの名で販売される微孔フィルム、およびCincinnati, OHのClopay CorporationによりHYTREL blend P18−3097の名で製造されるモノリシック構造のフィルムを含むことができる。いくつかの通気性複合材料がPCT公開番号WO95/16746、米国特許番号5,938,648、米国特許番号5,865,823、および米国特許番号5,571,096により詳細に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
バックシート、または、それのいかなる部分も、1以上の方向に、弾性的に伸長性を有することができる。ある態様では、バックシートは、構造上弾性を有するようなフィルム(structural elastic-like film)(SELF)ウェブであってもよい。構造上弾性を有するようなフィルムウェブは、弾性材料を使用することなく、伸長方向に弾性的な挙動を示す伸縮性の材料であり、米国特許番号5,518,801に詳細に記載されており、この点に関して、これを参照することにより本書に組み込まれる。
他の態様では、バックシートは、弾性フィルム、発泡体、ストランド、または、これらの組み合わせ、または、不織布または合成フィルムがついた他の適した材料などが含まれる。
本発明に使用できる吸収性コアには、あらゆる吸収性材料が含まれ、それらは一般に圧縮性があり、体型に合いやすく、着用者の皮膚に対して非刺激性であり、また尿および他の特定の身体排泄物のような液体を吸収かつ保持できるものである。さらに、吸収性コアの形状および構造も、様々に変化させてもよい(例えば、吸収性コアまたは他の吸収性構造部材は、異なる厚さのゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、または、低平均密度および低平均目付の獲得区域を有しても良く、または1つ以上の層または構造を含んでも良い)。
吸収性コアとして適した吸収材料の例は、米国特許番号4,610,678、米国特許番号4,673,402、米国特許番号4,834,735、米国特許番号4,888,231、米国特許番号5,137,537、米国特許番号5,147,345、米国特許番号5,342,338、米国特許番号5,260,345、米国特許番号5,387,207、および米国特許番号5,625,222に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
バックシートは、当該技術分野で知られているあらゆる装着手段により、トップシート、吸収性コア、または、使い捨て吸収性物品の他の要素に結合することができる。例えば、装着手段としては、接着剤の均一連続層、接着剤のパターン層、もしくは接着剤の個々の線、渦巻きまたは点の配列が挙げられる。
適したいくつかの装着手段は、米国特許番号4,573,986、米国特許番号3,911,173、米国特許番号4,785,996、および米国特許番号4,842,666に開示されており,この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
適した接着剤の例は、St. Paul, MinnesotaのH. B. Fuller Companyが製造し、HL−1620およびHL 1358−XZPとして販売している接着剤である。あるいは、装着手段は、加熱接着、加圧接着、超音波接着、動的機械的接着、または、当該技術分野で知られている他の適切な接着手段、またはこれらの接着手段の組み合わせを含んでよい。
トップシートとバックシートとの間に配置される副層を含んでいてもよい。副層は、身体排泄物を受け入れる、貯蔵する、または不動化することができるいかなる材料または構造でよい。したがって、副層は単一材料からなっていてもよく、または、相互に機能的に関連する複数の材料を含んでもよい。
さらに、副層は、プルオン式使い捨て吸収性物品の他の要素と一体となっていてもよく、または、使い捨て吸収性物品の1以上の要素と直接的にまたは間接的に接合した1以上の独立した要素であってもよい。さらに、副層は、吸収性コアから分離している構造部材を含むことも、または、吸収性コアの少なくとも一部分を含むかもしくは一部分であってもよい。
副層として使用できる材料には、大形開放気泡発泡体、マクロ孔質耐圧縮性不織布嵩高品、開放および閉塞気泡発泡材の大形の粒状成形物(マクロおよび/またはミクロ孔質)、嵩高不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡体または粒状物、多数の垂直配向のループ状繊維ストランドを含む構造部材、打ち抜き穴または窪みを有する上述の吸収性コアの構造部材、などが含まれる。(本明細書で使用する時、用語「ミクロ孔質」とは、毛管現象により流体を移送できる材料を指す。用語「マクロ孔質」とは、細孔が大きすぎて流体の毛管移送ができない材料を指し、一般に、直径が約0.5mmよりも大きい孔を有し、より厳密には、直径が約1.0mmより大きい孔を有する。)副層の一実施形態は、Minneapolis, Minnesotaの3M CorporationからXPL−7124として入手できる、非圧縮厚さ約1.5mmを有する、機械的に締着するループランディング要素を含む。
他の実施形態は、1平方メートルあたり110グラムの目付および7.9ミリメータの非圧縮厚さを有する、6デニールのけん縮され、樹脂結合された嵩高不織布を含み、これは、Wrens, GeorgiaにあるGlit Companyから入手できる。他の適した吸収性および非吸収性副層は、米国特許番号6,680,422および米国特許番号5,941,864に記載されており、この点で、これら両方を参照することにより本書に組み込まれる。さらに、副層またはそのいずれかの部分は、要素の性能または他の特性を加える、強化する、または変えるために、ローションまたは他の既知の材料を含むことも、またはそれでコーティングされることもあり得る。
本発明の実施形態は、排泄物を受けて収容するポケット、排泄物用の空洞を形成するスペーサ、物品内での排泄物の移動を制限するバリヤ、プルオン式の使い捨て吸収性物品内に置かれた排泄物を受けて収容する隔室若しくは空洞など、または、それらのいずれかの組み合わせを含むこともできる。
吸収性物品で使用するポケットおよびスペーサの例は、米国特許番号5,514,121、米国特許番号5,171,236、米国特許番号5,397,318、米国特許番号5,540,671、米国特許番号6,168,584、米国特許番号5,306,266、および米国特許番号5,997,520に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。吸収性物品の隔室または空洞は、米国特許番号4,968,312、米国特許番号4,990,147、米国特許番号5,062,840、および米国特許番号5,269,755に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
適した横断するバリヤの例は、米国特許番号5,554,142、PCT公開番号WO94/14395、および米国特許番号5,653,703に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。低粘性糞便を取り扱うのに適した他の構造の例は、米国特許番号5,941,864、米国特許番号5,977,430、および米国特許番号6,013,063に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
本発明の実施例は、使い捨て吸収性物品内で、水分のあるものから水分に反応する構成材へ、水分を移送するために設置することができる、獲得/移送層を含むことができる。適した獲得/移送層の例は、米国特許番号5,460,622、米国特許出願公開番号2005/0027267、および、米国特許出願公開番号2005/009173に記載されており、この点に関して、これらを参照することにより本書に組み込まれる。
本発明の実施例は、当該技術分野で知られている散粉層を含むことができる。適した散粉層の例は、米国特許番号4,888,231に説明されており、この点に関して、これを参照することにより本書に組み込まれる。
例:
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例および比較例において、接着強さ(引張せん断強さ、剥離強さ)、機械強度(MD,CDの引張強度)、目付等は以下の方法により測定した。
試験方法:
(1)接着強さ
下記に示す、「引張せん断強さ」および「剥離強さ」の2通りの評価を実施した。双方とも値が大きいほど、より好ましい強度である。
以下の手順で引張せん断強さを測定した。なお、下記に示す手順以外は全てJIS L3416に準拠して測定した。
ファスナー受け側部材用不織布から10枚の試験片(MD50mm×CD70mm)を採取した。採取した各試験片それぞれを、金属プレート(材質:SUS304、大きさ50mm×100mm、厚み1mm)に、試験片のCDが金属プレートの長手方向と一致するようにして両面テープで貼り付けた。
マッシュルームテープ(雄材、MD25mm×CD13mm)を幅25mm×100mmのコピー用紙(短冊)の端に両面テープで貼り付けた。このフック材料は、平均高さ0.4mm、先端の大きさ平均0.2mm×0.3mm、および、フックの個数約220個/cm2のフックを有し、ポリプロピレンでできていた。
試験片の中央にマッシュルームテープの付いた面を下にして短冊を置いた。このとき、試験片のCD方向とマッシュルームテープのCD方向を同一にした。金属ローラー(幅50mm、重さ5kg)を短冊の上に置き、マッシュルームテープが試験片に接着するようにするため、マッシュルームテープの上を完全に通過するように前後動かした。
引張方向が試験片のCDと同じとなり、金属プレートの末端が上、コピー用紙の末端が下となるように、試験片および短冊を引張試験機のつかみに装着し、チャック間距離75mm、速度300mm/minで操作し、前記試験片が、前記短冊から剥離するまでの引張せん断荷重(N/25mm)を測定し、各測定値の最大値(ピーク値)について、10枚の試験片の平均値を引張せん断強度として求めた。
<剥離強さ、繰り返し剥離強さ>
以下の手順で剥離強さおよび繰り返し剥離強さを測定した。なお、下記に示す手順以外は全てJIS L 3416に準拠して測定した。
ファスナー受け側部材用不織布から10枚の試験片(MD50mm×CD100mm)を採取した。一方、せん断強度を測定した際と同様のマッシュルームテープを、せん断強度を測定した際と同様のコピー用紙(短冊)の端に両面テープで貼り付けた。
試験片の中央にマッシュルームテープの付いた面を下にして短冊を置いた。このとき、試験片のCD方向とマッシュルームテープのCD方向を同一にした。また、後で短冊の位置が分かるよう、試験片上に印を付けた。
金属ローラー(幅50mm、重さ5kg)を短冊の上に置き、マッシュルームテープが試験片に接着するようにするため、マッシュルームテープの上を完全に通過するように前後動した。
短冊の接着されていない側の末端を、マッシュルームテープを起点に180°折り返した。試験片および短冊は、引張方向が試験片のCDと同じとなり、試験片の末端が上、折り返した短冊の末端が下となるように、これらを引張試験機のつかみに装着し、チャック間距離75mm、速度300mm/minで操作し、分離に至るまでの剥離荷重(N/25mm)を測定し、各測定値の最大値(ピーク値)について10枚の試験片の平均値を求め、剥離強さとした。
上記測定にて使用済みの試験片のしるしを付けた位置に、同使用済みのマッシュルームテープ付き短冊を置き、上記手順をもう2回繰り返した後、3回目の剥離荷重を繰り返し剥離強さとした。
(2)機械強度
以下の手順で機械強度を測定した。なお、下記に示す手順以外は全てJIS L1906に準拠して測定した。
ファスナー受け側部材用不織布から試験片(幅25mm、長さ200mm)をMD、CD各10枚採取した。採取した各試験片につき、引張試験機(インストロン社製5564型)を用い、チャック間100mm、引張速度100mm/minの条件で引張試験を行った。試験片が破断に到るまでに示す最大荷重値(N/25mm)を測定してそれらの平均値を算出し、引張最大点強度とした。
(3)目付
以下の手順で目付を測定した。なお、下記に示す手順以外は全てJIS L1906に準拠して測定した。
積層品を作成する前に、各層毎に個別に不織布成形し、単層品を作製した。この際、所定の目付となるように、成形条件を調整した。なお、各層毎に100mm×100mmの試験片を10枚切り出し、目付はg/m2に換算した値とした。
各層が形成された条件の下で、積層品は作成され、上述の目付を各層の目付とした。また、各層の目付けの和を積層品の目付とした。
(4)捲縮数
以下の手順で捲縮数を測定した。なお、下記に示す手順以外は全てJIS L1015に準拠して測定した。
表面が滑らかで光沢のある紙片に空間距離25mmの区分線を作った。エンボスロールにより加熱加圧処理される前の不織布から、捲縮性が損なわれないように、慎重に繊維を採取し、採取した繊維を1本ずつ、空間距離に対して25±5%の緩みをもたせて、それぞれの繊維の両端を接着剤で紙片に貼り付け固着させた。
この試料を1本ずつ、捲縮試験機((株)浅野機械製作所製(Asano Kikai SeisakushoKabushiki-kaisha)の装置名:ねじり秤(Torsion balance))のつかみに取り付け、紙片を切断した後、試料に初荷重(0.18mN×表示テックス数)をかけたときの、つかみ間の距離(空間距離)(mm)を読んだ。
その時の捲縮数を数え、25mm間当たりの捲縮数を求め、20回の平均値を得た。捲縮数は、山と谷を全部数え、2で割って求めた。
(5)厚み(嵩高性)
ファスナー受け側部材用不織布から試験片(100mm×100mm)を5枚採取した。採取した各試験片の任意の3箇所の厚みを、定圧厚み測定器((株)尾崎製作所製)を用いて測定した。このとき、測定子直径16mm、荷重3.6g/cm2とし、測定子が試験片に完全に接触してから30秒±5秒後の指示値を読み取り、試験片5枚分の平均値を算出して、その値を厚み(嵩高性)とした。
(6)複合繊維に含まれる第1および第2のプロピレン系重合体の重量比
複合繊維に含まれるプロピレン系重合体の重量は、以下の方法により測定された。不織布から一本の複合繊維を採取した。その繊維を(三菱化学社製)CFC(Cross Fractionation Chromatograph)T−150Aを使用し昇温溶離分別(TREF;Temperature Rising Elution Fractionation)法により解析した。以下の条件を使用した。
検出器: 赤外分光計1ACVF(Miran製)、3.42μm、135℃
TREFカラム: CFCカラム、内部直径4mm、長さ150mm
溶離液: オルソジクロロベンゼン(o-dichlorobenzene;ODCB)
流速: 1.0mL/min
サンプル濃度: 30mg/10mL−ODCB
サンプル体積: 500μL
冷却時間: 135℃から0℃へ135分で冷却し、次いでサンプルを60分間0℃に保つ
溶出分画: 0、20、40、50、60、65、70、75、80、83、86、89、92、95、98、101、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、125、130、および135℃
溶出曲線の一例を図10に示す。この曲線は二つのピークを示し、二つのピークのそれぞれは、第1のプロピレン系重合体および第2のプロピレン系重合体にそれぞれ基づいている。曲線下の面積は、曲線の積分により算出され、面積は、二つのピークの間の谷における垂直線により二つの面積に分けられた。
第2のプロピレン系重合体に対する第1のプロピレン系重合体の重量比は、第2のプロピレン系重合体のピーク下の面積に対する、第1のプロピレン系重合体のピーク下の面積の比を計算することによりえられた。第2のプロピレン系重合体に対する第1のプロピレン系重合体の重量比は、図10に示す溶出曲線では、21/79と算出された。
(7)受け側部材の結合面積
サンプル作成
1.必要な全ての試験を実施するために、十分な量の代表的な吸収性物品を、吸収性物品の小売包装から選択する。それぞれの吸収性物品の受け側部材は、物品から外される。適当な方法は、物品から受け側部材を切り取る方法を含む。
2.それぞれのサンプルは、制御環境内で平衡となるよう置かれる。環境パラメータは、摂氏22度±摂氏2度、相対湿度50%±相対湿度10%である。サンプルは、試験前に少なくとも24時間、これらの条件下に置かれる。
3.サンプルを平面に固定する。サンプルが平面上に完全に配置されるように、サンプルは平面に固定される。サンプルは、3MTM製のScotch Removable Magic TapeTMなどのテープを使用して平面に固定される。
4.本明細書に記載された結合帯の記述にしたがって、結合帯を特定する。
5.本明細書に記載された掃引領域の記述にしたがって、結合帯内の掃引領域を特定する。掃引領域のそれぞれは、カレンダー式ロールの間の接触領域と等しい長さを有している。掃引領域のそれぞれは、その上に受け側部材が製造される、ウェブの幅と等しい幅を有している。
6.それぞれの掃引領域内の結合している面積を測定し、その掃引領域の結合面積をBiとして記録する。ここで、iは1から掃引領域の総数であるnまでである。結合領域は、0.01mm2を最小単位として測定される。
7.それぞれの掃引領域の総面積を測定し、その総掃引領域面積をSiとして記録する。ここでiは1から掃引領域の総数であるnまでである。総面積は、0.01mm2を最小単位として測定される。
8.収集したデータから計算:
a)結合比:
i)最も小さい結合面積を有する掃引領域を特定し、Bi,minとして記録する。
ii)最も大きい結合面積を有する掃引領域を特定し、Bi,maxとして記録する。
iii)結合比=Bi,max/Bi,min を計算する。
b)それぞれの掃引領域内の結合面積の割合(%結合面積):
i)それぞれの掃引領域の結合面積の割合=100*Bi/Si。
c)結合面積比(結合面積%):
i)累積結合面積を計算する、Bt=Biの合計、ここでiは1からn。
ii)累積総面積を計算する、St=Siの合計、ここでiは1からn。
iii)結合面積比=100*Bt/St。前述のとおり、面積は、直線測定および幾何学/三角法関係を使用して測定できる。あるいは、より複雑な結合線パターンには、コンピュータ像解析を使用できる。
[実施例21]
融点162℃、MFR60g/10分(ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した。以下、特に言及しない限り同様)のポリプロピレン単独重合体と、融点142℃、MFR60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体とを用い、スパンボンド法により複合溶融紡糸を行い、重量比20/80の並列型複合繊維(繊度2.5デニール)を有するウェブを作成した。このとき、最終的な不織布の目付け量が45g/m2となるように作成条件を調整した。この繊維の捲縮数は25個/25mmであった。
(ファスナー受け側部材用不織布の調整および評価)得られたウェブを、表面に図3Bのパターンを彫刻したエンボスロールと、表面が平滑なロールとの間に通し、加熱加圧処理して、目付が45g/m2のファスナー受け側部材用不織布を得た。このとき、エンボスロール温度、平滑ロール温度は、ともに125℃、線圧30N/mmであった。
図3Bに示すパターンは、W1=11.5mm、W2=9.3mm(W1/W2=1.2)、W3=3.2mm、W4=1.0mm、および、エンボス面積比は24%であった。また、その単位パターンにおける第1の斜線部と第2の斜線部との隣接する3つの接点で構成される三角形の内部に、MD方向に隣接する単位パターンの一部が入り込んでいた。このファスナー受け側部材用不織布について、接着強さ、機械強度および厚みを測定して評価した。結果を表4に示す。
[比較例1]
融点142℃、MFR60g/10分のプロピレン・エチレンランダム共重合体のみを用い、スパンボンド法により合成溶融紡糸を行って布が形成された以外は、実施例21と同様にしてファスナー受け側部材用不織布を得た。得られたファスナー受け側部材用不織布について接着強さ、機械強度、および厚みを測定して評価した。結果を表4に示す。
[比較例2]
図11に示すパターンを表面に彫刻したエンボスロールを用いた以外は、実施例21と同様にしてファスナー受け側用不織布を得た。
このファスナー受け側部材用不織布のエンボスパターンは、布の全面にわたって、MD方向およびCD方向に配列する菱形パターンを含んでいる。エンボス部101は、MD方向の交点間距離W5=11.1mm、CD方向の交点間距離W6=11.1mm、線幅W7=1mm、および、エンボス面積比は24%であった。得られたファスナー受け側部材について接着強さ、機械強度、および厚みを測定して評価した。結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例21において、図12に示すパターンを表面に彫刻したエンボスロールを用いた以外は、実施例21と同様にしてファスナー受け側部材用不織布を得た。
このファスナー受け側部材用不織布のエンボスパターンは、布の全面にわたってMD方向およびCD方向に配列する菱形パターンを有しており、これらの菱形パターンは、所定間隔で配置された四角形のドットからなる線を有する。エンボス部101は、MD方向の交点間距離W8=8.5mm、CD方向の交点間距離W9=8.0mm、線方向のドット幅W10=0.685mm、線方向のドット幅+ドット間隙幅=1.46mm、および、エンボス面積比は10%であった。ファスナー受け側部材用不織布について接着強さ、機械強度、および厚みを測定して評価した。得られた結果を表4に示す。
[比較例4]
図13に示すパターンを表面に彫刻したエンボスロールを用いた以外は実施例21と同様にして、ファスナー受け側部材用不織布を得た。
このファスナー受け側部材用不織布のエンボスパターンは、比較的平坦なジグザグを有し、CD方向と平行に配置される単位パターンが、MD方向に配列している。エンボス部101は、MD方向の頂部間距離(単位パターンのピッチ)W12=7mm、CD方向の頂部間距離W13=9mm、線幅W14=1mm、および、エンボス面積比は16%であった。また、その単位パターンにおける第1の斜線部と第2の斜線部との隣接する3つの接点で構成される三角形の内部には、MD方向に隣接する単位パターンが全く入り込んでいなかった。
得られたファスナー受け側部材用不織布について接着強さ、機械強度、および厚みを測定して評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005602783
説明の中で引用した全ての文書は、関連する部分について、本明細書に組み込まれる。全ての文書の引用は、本発明に対して先行技術であると認めるものと解釈すべきではない。この文書中の用語の意味または定義が、本明細書に組み込まれた文書中の用語の意味または定義と相反する場合に限り、この文書中で用語に付与された意味または定義が規定するものとする。
上述したことは本発明の例を含む。もちろん、本発明を記述するために、部材または方法のあらゆる考えられる組み合わせを記述することはできないが、当業者には本発明の更に多くの組み合わせと変更が可能であることが明らかであろう。それゆえ本発明は、添付の請求の精神と範囲に含まれるすべての改変、変更、および変形を包含することを意図したものである。
さらに「含む」および「からなる」という用語を、詳細な記述または請求項で使用する場合には、請求項の移行的言葉として使用された時に「含む」が解釈されるように、用語「含む」と類似した方法で、その用語が包含的であることを意図したものである。
さらに、本明細書で記載した寸法および値は、列挙した数値ちょうどであると限定的に理解すべきではない。そのかわり、特に断りがなければ、それぞれのそのような寸法は、列挙した数値、および、その値を包含する機能的に同等な範囲の両方を意味すると意図されている。例えば「40mm」と開示されている寸法は、「約40mm」を意味すると意図されている。

Claims (10)

  1. 捲縮複合繊維を部分的に融着させた不織布からなる受け側部材(100)と、前記受け側部材(100)の融着されていない捲縮複合繊維に係止される複数のフック(14)を有する係止部材(12)と、から成るファスナー(10)に用いられるファスナー受け側部材用不織布であって、
    前記受け側部材(100)を構成するファスナー受け側部材用不織布は、
    a) 前記捲縮複合繊維の融着箇所すなわち結合領域が、機械方向に垂直な方向(CD方向)へ向かって山形が連続したジグザグ線状の結合線からなり、前記結合線は、前記機械方向(MD方向)に複数平行に設けられ、
    前記複数平行に設けられた結合線の前記機械方向(MD方向)に隣合う結合線と結合線との間隔が、前記ジグザグ線状の連続する山形の最上端から最下端までの高さよりも小さくなるように設定されており、
    b) 前記機械方向(MD方向)に平行に隣合う結合線と結合線とを、第1結合線(110)と第2結合線(112)と称した場合、前記第1結合線(110)と前記第2結合線(112)の両方を囲う最小の四角形状の領域を結合帯(130)とし、
    前記結合帯(130)は、前記機械方向に垂直な方向(CD方向)に並行な第1境界線(132)および第2境界線(134)と、前記機械方向(MD方向)に並行な第1縦縁(170)および第2縦縁(172)の、合計4本で囲われた領域であり、
    c) 前記結合帯(130)内を、前記機械方向(MD方向)に均等な幅で3つ以上に分割する複数の領域を、複数の掃引領域と称し、
    前記複数の掃引領域のうちの少なくとも一つの掃引領域が、前記第1結合線(110)および第2結合線(112)の両方の部分を有する掃引領域であり、
    前記複数の掃引領域のうち、前記第1結合線(110)および第2結合線(112)の両方の部分を有する掃引領域以外の掃引領域が、前記第1結合線(110)の部分のみを有する掃引領域、あるいは前記第2結合線(112)の部分のみを有する掃引領域のいずれかであり、
    前記第1結合線(110)および第2結合線(112)の両方の部分を有する掃引領域は、前記第1結合線(110)および第2結合線(112)の両方の部分からなる結合領域を有し、
    前記第1結合線(110)の部分のみを有する掃引領域は、前記第1結合線(110)の部分のみからなる結合領域を有し、
    前記第2結合線(112)の部分のみを有する掃引領域は、前記第2結合線(112)の部分のみからなる結合領域を有し、
    前記複数の掃引領域のうち、いずれか二つの掃引領域間における最大と最小の結合領域の比を結合比と称した場合に、
    1≦結合比≦20 であり、
    前記受け側部材(100)の前記係止部材(12)と対向する側の全ての領域に対する、前記掃引領域の全ての結合領域の割合が、
    40%よりも小さいかまたは等しく、
    さらに前記捲縮複合繊維は、第1のプロピレン系重合体と第2のプロピレン系重合体とからなり、第1および第2のプロピレン系重合体が、該捲縮複合繊維の断面内で実質的に別々の領域を占めるように配列されて長さ方向へ連続的に伸び、第1および第2のプロピレン系重合体のそれぞれが、該捲縮複合繊維の長さ方向に連続的に沿う周縁表面の少なくとも一部を形成する並列型複合繊維であり、
    示差走査熱量計(DSC)で測定される第1のプロピレン系重合体の融点が、第2のプロピレン系重合体の融点よりも15℃以上高く、第1のプロピレン系重合体の第2のプロピレン系重合体に対する重量比が50/50〜5/95であることを特徴とするファスナー受け側部材用不織布。
  2. 前記機械方向(MD方向)に分割された複数の掃引領域のそれぞれの幅が、
    0.1mm≦幅≦1.2mm の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  3. 前記結合比が、
    1.0≦結合比<10 であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  4. 前記結合比が、
    1.0≦結合比<3 であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  5. 前記機械方向に垂直な方向(CD方向)に並行な第1境界線(132)と、前記第1結合線(110)との交差角度が、
    交差角度≧45°であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  6. 前記機械方向に垂直な方向(CD方向)に並行な第1境界線(132)と、前記第1結合線(110)との交差角度が、
    交差角度≧65°であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  7. 前記機械方向に垂直な方向(CD方向)に並行な第1境界線(132)と、前記第1結合線(110)との交差角度が、
    交差角度≧75°であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  8. 前記受け側部材(100)の前記係止部材(12)と対向する側の全ての領域に対する、前記掃引領域の全ての結合領域の割合が、
    60%よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  9. 前記受け側部材(100)の前記係止部材(12)と対向する側の全ての領域に対する、前記掃引領域の全ての結合領域の割合が、30%よりも小さく、
    さらに、前記掃引領域の全ての領域に対する前記掃引領域の全ての結合領域の割合が、50%よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
  10. 前記受け側部材(100)の前記係止部材(12)と対向する側の全ての領域に対する、前記掃引領域の全ての結合領域の割合が、20%〜30%の間であり、
    さらに、前記掃引領域の全ての領域に対する前記掃引領域の全ての結合領域の割合が、40%よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のファスナー受け側部材用不織布。
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