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JP5601609B2 - 眼科観察プログラム及び眼科観察装置 - Google Patents

眼科観察プログラム及び眼科観察装置 Download PDF

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Description

本発明は、眼科撮影装置によって撮影された被検眼の所定部位における画像を観察するために用いられる眼科観察プログラム及び眼科観察装置に関する。
眼科用光干渉断層計(OCT:optical coherence tomography)、眼底カメラ、レーザ走査検眼鏡(SLO:scanning laser ophthalmoscope)、等の眼科撮影装置において、異なる検査日時において被検眼の同一部位における画像を取得し、経過観察を行う場合がある。例えば、眼科用OCTの場合、眼底の断層画像が複数回に亘って取得され、断層画像の変化から病変部の経過が観察される。
このような場合、眼科用画像ファイリングシステムに記憶された被検眼画像から該当する画像のデータが選択され、表示モニタの画面に表示された被検眼画像を元に経過観察が行うことが考えられる。
特開2008−29467号公報
しかしながら、従来の構成の場合、選択された被検眼画像がモニタの画面に表示されるにすぎず、被検眼の同一部位における画像を見比べるには、十分とはいえなかった。
本発明は、上記問題点を鑑み、被検眼の経過観察を効率よく好適に行うことができる眼科観察プログラム及び眼科観察装置に関する。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 眼科撮影装置によって取得された被検眼の所定部位における被検眼画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された被検眼画像を表示するモニタと、検者によって操作入力される操作入力部と、を備える眼科観察装置であって、
前記記憶手段に記憶された二次元画像であって経過観察の対象となる第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像のそれぞれに対し、前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を拡大画像として前記モニタに出力するための表示領域を設定し、
設定された表示領域に応じて抽出される画像データが前記モニタ上における所定の表示範囲に並列して表示された状態において、前記操作入力部からの操作信号に基づいて前記表示領域を前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像上で移動させ、移動された表示領域に対応する第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を前記所定の表示範囲に表示する表示制御手段であって、
前記表示制御手段は、前記操作入力部からの操作信号に基づいて、前記互いの表示領域の移動方向及び移動量が同一となるように前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像に対する表示領域を移動させる表示制御手段を有することを特徴とする。
(2)
(1)の眼科観察装置において、
前記表示制御手段は、前記操作入力部からの操作信号に基づいて前記モニタ上に表示される被検眼画像の表示倍率を変更する場合、第1の被検眼画像に対する表示倍率の変更と第2の被検眼画像に対する表示倍率の変更とを同期させることを特徴とする。
(3)
(1)〜(2)のいずれかの眼科観察装置において、
前記表示制御手段は、前記モニタ上の第1と第2の被検眼画像のどちらか一方に対する前記表示領域又は表示倍率の変更を指示する信号が出力された場合、前記一方の被検眼画像に対する前記表示領域又は表示倍率の変更に同期して、他方の被検眼画像に対する前記表示領域又は表示倍率の変更を行うことを特徴とする
(4)
眼科撮影装置によって取得された被検眼の所定部位における被検眼画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された被検眼画像を表示する表示手段と、検者によって操作入力される操作入力手段と、を有するコンピュータを、
前記記憶手段に記憶された二次元画像であって経過観察の対象となる第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像のそれぞれに対し、前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を拡大画像として前記モニタに出力するための表示領域を設定し、
設定された表示領域に応じて抽出される画像データが前記モニタ上における所定の表示範囲に並列して表示された状態において、前記操作入力部からの操作信号に基づいて前記表示領域を前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像上で移動させ、移動された表示領域に対応する第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を前記所定の表示範囲に表示する表示制御手段であって、
前記表示制御手段は、前記操作入力部からの操作信号に基づいて、前記互いの表示領域の移動方向及び移動量が同一となるように前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像に対する表示領域を移動させる表示制御手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、被検眼の経過観察を効率よく好適に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る眼科観察装置の構成について説明するブロック図である。
眼科撮影装置10によって撮影された眼底画像をモニタ上で観察するための眼科観察装置1は、CPU(演算制御部)70と、マウス(操作入力部)76と、メモリ(記憶部)72と、モニタ75と、から構成され、各部はバス等を介してCPU70と電気的に接続されている。
CPU70は、メモリ72に記憶されている眼科観察プログラム及び各種制御プログラムに基づいて各部の動作を制御する。この眼科観察プログラムをコンピュータ上で実行させることによって眼科観察装置1を使用することが可能となる。ここで、CPU70は、眼科観察プログラムにしたがってモニタ75の表示画面を制御する。
本実施形態におけるマウス76には、検者の手によってマウス76本体が2次元的に移動されたときの移動信号を検出するセンサと、検者の手によって押圧されたことを検知するための左右2つのマウスボタンと、左右2つのマウスボタンの間に前後方向に回転可能なホイール機構と、が設けられている。なお、CPU70、マウス76、メモリ72、モニタ75として、市販のPC(パーソナルコンピュータ)が持つ演算処理部、入力部、記憶部、表示部を用い、市販のPCに眼科観察プログラムをインストールするようにしてもよい。
なお、眼科観察装置1には、被検眼の所定部位における画像を撮影するための眼科撮影装置10が接続されている。図1において、眼科撮影装置10は、被検眼眼底の断層画像を得るための干渉光学系(OCT光学系)200と、被検眼眼底の正面画像を得るための正面観察光学系300と、制御部400と、を有し、被検眼の眼底部位を撮影できる。なお、眼科撮影装置10の詳しい構成については、特開2008−29467号公報を参考にされたい。
干渉光学系200は、第1の光源から発せられた第1の測定光を被検眼眼底上で走査させる第1走査部(光スキャナ)と、第1の光源から発せられた光によって生成される参照光と被検眼眼底に照射された第1測定光の反射光との合成により得られる干渉光を受光する第1の受光素子と、を備え、いわゆる眼科用光断層干渉計(OCT)の装置構成を持つ。なお、干渉光学系200の構成としては、スペクトルメータを用いるSpectral-domain OCT(SD−OCT)、波長可変光源を用いるSwept-source OCT(SS−OCT)、Time-domain OCT(TD−OCT)、等が考えられる。
正面観察光学系300は、第2の光源から発せられた第2の測定光を被検眼眼底上で二次元的に走査させる第2走査部(光スキャナ)と、眼底と略共役位置に配置された共焦点開口を介して眼底反射光を受光する第2の受光素子と、を備え、いわゆる眼科用走査型レーザ検眼鏡(SLO)の装置構成を持つ。なお、観察光学系300の構成としては、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。
制御部400は、眼科撮影装置10の各部材を制御し、干渉光学系200が持つ第1の受光素子から出力される受光信号に基づいて断層画像(OCT画像)を取得すると共に、正面観察光学系300が持つ第2の受光素子から出力される受光信号に基づいて正面画像(SLO画像)を取得する。
眼科観察装置1と眼科撮影装置10とは、LAN等で接続されており、眼科撮影装置10で取得された各種データ(例えば、断層画像データ、正面画像データ、画像取得時における各種撮影条件(例えば、測定光の走査位置、検査日時)、等)は、データベースとしてのメモリ72に転送される。
図2は、モニタ75に表示される表示画面(経過観察画面)の一例である。モニタ75の画面には、マウス76の移動操作によりモニタ75上の画面全体を移動可能なカーソル100と、断層画像表示領域210と、正面画像表示領域310と、断層画像表示領域210に表示された断層画像の表示条件を調整するための表示条件設定領域410と、検査日時の異なる各断層画像に対する表示条件/表示領域の変更を各断層画像同士で同期させるか否かを選択するための同期ボタン510と、が設けられている。
CPU70は、検者によってマウス76が操作されたときにマウス76から出力される操作信号に基づいてモニタ75の画面上でカーソル100を移動させる。また、モニタ75上の所望の位置にカーソル100を合わせた状態で、クリック操作又はドラッグ操作が行われると、各種表示条件/表示領域が設定される。カーソル100は、モニタ75上における任意の位置を指定するために用いられる。
断層画像表示領域210には、異なる検査日時にて各々取得されメモリ72に記憶された第1の断層画像220と第2の断層画像230とがそれぞれ所定の表示範囲に並列して表示された状態となっている。この場合、第1の断層画像220と第2の断層画像230は、メモリ72に記憶された断層画像データの少なくとも一部が表示される。なお、図2においては、同一部位の断層画像として、黄斑部の断層像が表示されている。
なお、CPU70は、図示無き各画像データに付されている検査日時情報を元に、検査日時の古い方の画像をモニタ75の上方に表示し、検査日時の新しい方の画像をモニタ75の下方に表示する。
なお、断層画像220と断層画像230をモニタ75に表示させる場合、検者は、図示無き所定の画像選択画面において、メモリ72に記憶された同一被検者の同一部位(例えば眼底の黄斑部付近等)における画像データから、検査日時の異なる任意の断層画像を予め選択しておき、観察画面を呼び出す操作を行うことによって選択された検査日時の異なる2つの画像を一画面に表示させる。なお、断層画像の撮影部位は、画像取得と同時にメモリ72に記憶された測定光の走査位置情報、固視位置情報、等から特定できる。
正面画像表示領域310には、表示領域210に表示される断層画像と略同時に取得されメモリ72に記憶された正面画像が所定の表示範囲に並列して表示され、第1の正面画像320は第1の断層画像220に対応し、第2の正面画像330は第2の断層画像230に対応する。これら正面画像のモニタ75への出力は、断層画像が選択される際に行われる。
表示条件設定領域410には、断層画像の明るさを調整するための明るさ調整部420と、断層画像のコントラストを調整するためのコントラスト調整部430と、断層画像のズーム倍率(表示倍率)を調整するためのズーム倍率調整部440と、が表示されている。なお、初期設定として、明るさ50%、コントラスト50%、ズーム倍率100%に設定されている。ここで、マウス76の操作を介して,各調整部に設けられたスライダの表示位置が変更されると、CPU70は、各断層画像の各種表示条件を変更する。
また、設定領域410の他、断層画像220又は断層画像230の上にカーソル100が置かれた状態で、マウス76のホイールが回転されると、CPU70は、その操作信号に基づいて断層画像のズーム倍率を変化させる。また、断層画像220又は断層画像230上にカーソル100が置かれた状態で、マウス76によるドラッグ操作がなされると、CPU70は、その操作信号に基づいて断層画像においてモニタ75上に表示される領域(表示領域)を変更する。
図3はモニタ75に表示される断層画像の表示倍率及び表示領域の変更について説明するための模式図である。点線上の矩形領域は、メモリ72に記憶された断層画像データAを表す。そして、画像データAはズーム倍率に応じて拡大・縮小される。太線(実線)の矩形領域は、この大きさの画像データAにおいてモニタ75に実際に表示される領域(表示領域)Bを表す。表示領域Bは、断層画像表示領域210において断層画像毎に設定された所定の表示範囲に対応しており、画像データAの中で表示領域Bに囲まれた領域が断層画像220又は断層画像230としてモニタ75に表示されることとなる。
ここで、ズーム倍率の変更を指示する操作信号が出力されると、CPU70は、表示領域Bに対する画像データAの倍率を変化させる(図3はズーム倍率が200%のときのものである)。これにより、モニタ75に表示される断層画像のズーム倍率が変化される。
また、表示領域の変更を指示する操作信号が出力されると、CPU70は、所定の倍率に設定された画像データAに対して表示領域Bを上下左右方向に移動させる。これにより、モニタ75に表示される断層画像の表示領域が変更される。具体的には、CPU70は、マウス76のドラッグを開始した点を始点とし、ドラッグが終了した点を終点とするベクトル量(ΔX、ΔY)を随時検出し、検出されたベクトル量に応じて表示領域Bを移動させる。そして、CPU70は、移動された表示領域Bに対応する断層画像データをモニタ75の所定範囲に出力する。これにより、モニタ75上の断層画像が上下左右方向にスクロールされる。これにより、検者は、断層画像における任意の眼底部位を容易に観察できる。
なお、ズーム倍率が100%より大きい場合、断層画像の表示領域が変更されると、モニタ75上に表示される眼底部位が深さ方向及び/又は左右方向に関して変更される。また、ズーム倍率が100%以下の場合、断層画像の表示領域が変更されると、モニタ75上に表示される眼底部位が深さ方向及び/又は左右方向に関して移動される。
なお、表示領域を変更する場合、上記ドラッグ操作に限るものはなく、上下左右方向に関連する操作信号に基づいてモニタ75を表示制御するものであれば、これに限るものではない。例えば、モニタ75に表示されるスクロールバーを移動させる構成であってもよい。また、上下左右方向に関連する操作信号を出力するためのポインティングデバイスとしては、マウス76の他、トラックボール、キーボードの十字キー、タッチパネル、等を用いた構成が考えられる。
同期ボタン510は、2つの断層画像のどちらか一方に対する表示条件/表示領域の変更と他方の断層画像の表示条件/表示領域の変更を同期させる同期モードと、これを同期させない非同期モードと、を選択的に切換えるためのモード切換部として用いられる。図2の場合、同期ボタン510がチェックされると同期モードに設定され、同期ボタン510のチェックが外されると非同期モードに設定される。
上記のような経過観察用(フォローアップ用)の表示画面において、検者が経過観察を行う場合について説明する。経過観察の対象となる2枚の断層画像が選択されてモニタ75上に表示されると、検者は断層画像220、230を観察できる。なお、本実施形態では、初期設定として同期モードに設定されている。
同期モードに設定された場合において、2つの断層画像のどちらか一方に対して表示条件/表示領域の変更が行われると、CPU70は、この変更に同期して、他方の断層画像に対して同様の表示条件/表示領域の変更を行う。
より具体的には、同期モードにおいて表示倍率を変更する場合、CPU70は、ズーム倍率調整部440のスライダ操作又はホイールの回転操作によって設定されるズーム倍率に応じて、断層画像220と断層画像230とを同じズーム倍率で表示する(図4参照)。ここで、ズーム倍率が変更されると、断層画像220と断層画像230の両方のズーム倍率が同期して変更される。なお、非同期モードにおいて断層画像220と断層画像230のズーム倍率が異なっていた場合、同期モードに設定されると、いずれか一方の断層画像のズーム倍率に合わせて他方のズーム倍率が調整される。
また、断層画像の輝度及びコントラストの調整においても、CPU70は、ズーム倍率の調整と同様に、明るさ調整部420又はコントラスト調整部430のスライダ操作に応じて、断層画像220と断層画像230を同じ明るさ又は同じコントラスト設定にて表示する。
また、CPU70は、断層画像220又は断層画像230の一方に対するドラッグ操作によって検出されるベクトル量に応じて断層画像220の表示領域及び断層画像230の表示領域を逐次変更する。そして、CPU70は、変更された表示領域に対応する各断層画像をそれぞれモニタ75上の所定範囲に出力する。この場合、マウス76によって検出される所定のベクトル量に対する断層画像220及び断層画像230の表示領域の移動方向及び移動量が同一となるように設定されている。このため、断層画像220及び230がモニタ75上において略平行に移動されるように表示される(図4がドラッグ操作前、図5がドラック後である)。
このようにすれば、一方の断層画像においてモニタ75に表示される表示領域が変更されたときに、他方の断層画像についても追従して同様に表示領域が変更されるため、断層画像を用いた経過観察が容易となる。
なお、以上の説明においては、モニタ75上の第1と第2の断層画像のどちらか一方に対する表示領域を指示する信号が出力された場合、一方の断層画像に対する表示領域の変更に同期して、他方の被検眼画像に対する表示領域の変更を行うものとしたが、これに限るものではない。操作入力部(例えば、マウス76)からの操作信号に基づいて第1の断層画像及び第2の断層画像を同期させて両断層画像の表示領域の変更を行う構成であればよい。例えば、モニタ75上に両断層画像の表示領域を同期して変更させるためのスクロールバーを設ければよい。
一方、同期ボタン510によって非同期モードに設定された場合、2つの断層画像のどちらか一方に対して表示条件/表示領域の変更が行われると、CPU70は、その断層画像に対してのみ表示条件/表示領域の変更を行う。
より具体的には、断層画像220がカーソル100によって指定された状態で、そのズーム倍率が所定のズーム倍率に変更される場合、CPU70は、断層画像220を設定されたズーム倍率に変更する。ここで、断層画像230のズーム倍率は変更されない。なお、画像の明るさ及びコントラストの調整においても、同様である。
また、断層画像220に対してドラッグ操作がなされると、CPU70は、マウス76によって検出されるベクトル量に応じて断層画像220の表示領域を逐次変更する。そして、CPU70は、変更された表示領域に対応する断層画像220をモニタ75上の所定範囲上に出力する(図6参照)。ここで、断層画像230の表示領域は変更されない。
上記のような非同期モードの用途としては、同期モードによる表示領域の変更の前に、各断層画像取得時の撮影位置のずれによる断層画像220と断層画像230との表示部位及び表示位置のずれを修正する場合が考えられる。この場合、検者は、断層画像220と断層画像230上における眼底の同一部位がほぼ同じ表示位置にて表示されるように、前述のドラッグ操作により各断層画像の表示領域を変更すればよい。
このようにすれば、前述の同期モードにて断層画像の表示領域が変更される場合に、各断層画像間で撮影位置のずれがあっても、検者は、同一部位での画像同士を容易に比較可能となる。これは、断層画像のズーム倍率が高いとき(撮影位置のズレによる影響が大きい)に特に有効である。
なお、非同期モードの他の用途としては、検者が一方の画像のみに注目して断層画像を観察したい場合、検者の注目位置が断層画像毎に異なる場合、等が考えられる。
なお、上記において、CPU70は、マウス76から出力される操作信号に基づいて断層画像220と断層画像230の少なくとも一方の表示領域を変更し、断層画像220と断層画像230の位置ずれを補正したが、これに限るものではない。すなわち、眼科撮影装置10によって取得された断層画像220と断層画像230が処理され、断層画像220と断層画像230の位置ずれが補正される手法であればよい。
例えば、CPU70は、断層画像220と断層画像230の位置ずれ情報を画像処理により検出し、検出された位置ずれ情報に基づいて断層画像220と断層画像230の少なくとも一方の表示領域を変更し、断層画像220と断層画像230の位置ずれを補正してもよい。
この場合、例えば、2つの画像間の位置ずれが検出され、このずれが補正されるように処理される。また、各画像に対し基準位置に対するずれが検出され、各画像の同一部位がある基準位置に補正されるように処理されてもよい。また、位置ずれ補正が行われるタイミングとしては、特に限定されず、例えば、各画像が取得された段階で随時処理されてもよいし、両画像が並列表示される段階で処理されてもよい。
なお、断層画像220と断層画像230の位置ずれ情報を検出する手法としては、種々の画像処理手法(各種相関関数を用いる方法、フーリエ変換を利用する方法、特徴点のマッチングに基づく方法、深さ方向における輝度分布のピーク位置のずれを検出する方法)を用いることが可能である。
また、以上の説明においては、検査日時の異なる2つの断層画像をモニタ75に並列して表示する構成としたが、検査日時の異なる3つ以上の断層画像をモニタ75に並列して表示するようにしてもよい。
また、以上の説明においては、所定の撮影位置における断層画像(例えば、黄斑部に対して測定光を左右方向に走査したときの断層画像)に関して、検査日時の異なる断層画像をモニタ75に表示するものとしたが、これに限るものではない。すなわち、撮影位置が異なる2つ以上の断層画像(例えば、黄斑部に対して測定光を左右方向と上下方向に走査したときの各断層画像)に関して、検査日時の異なる断層画像をモニタ75にそれぞれ表示するようにしてもよい。
この場合、例えば、第1の撮影位置に関して検査日時の異なる第1の断層画像の少なくとも一部と第2の断層画像の少なくとも一部と、第2の撮影位置に関して検査日時の異なる第3の断層画像の少なくとも一部と第4の断層画像の少なくとも一部と、がそれぞれモニタ75上の所定の表示範囲に並列して表示される。この場合、第1と第3の断層画像は同じ検査日時で取得された画像であり、第2と第4の断層画像は同じ検査日時で取得された画像である。
そして、同期モードにおいて、4つの断層画像のいずれかに対して表示条件/表示領域の変更が行われる場合、これが第1の撮影位置に関する断層画像であれば、第1の断層画像と第2の断層画像の表示条件/表示領域の変更を同期させる。また、第2の撮影位置に関する断層画像であれば、第3の断層画像と第4の断層画像の表示条件/表示領域の変更を同期させる。
なお、以上の説明においては、眼底の断層画像を例にとって説明したが、これに限るものではなく、同一被検者における検査日時の異なる2つ以上の眼底正面画像(SLO又は眼底カメラによって取得された眼底正面画像)がモニタ上で並列して表示される構成においても、本発明の適用は可能である。
また、眼底画像に限るものではなく、検査日時の異なる2つ以上の被検眼画像(被検眼の所定部位における画像)がモニタ上で並列して表示される構成であればよい。例えば、前眼部の断面画像又は正面画像がモニタ上で表示される構成においても、本発明の適用は可能である。
なお、以上の説明においては、検査日時の異なる少なくとも2つの被検眼画像に対する表示条件/表示領域を変更するものとしたが、同一の撮影位置にて取得された少なくとも2つ以上の被検眼画像の対比が可能なものであれば、これに限るものではない。例えば、眼科撮影装置によって同一日時にて取得された右眼における眼底画像と左眼における眼底画像を予め取得しておき、同一日時にて取得された右眼における眼底画像の少なくとも一部及び左眼における眼底画像の少なくとも一部がモニタ75上における所定の表示範囲に並列して表示される場合においても適用可能である。この場合、CPU70は、マウス76からの操作信号に基づいて眼底画像においてモニタ75上に表示される表示領域を変更する場合、右眼における眼底画像に対する表示領域の変更と左眼における眼底画像に対する表示領域の変更とを同期させる。
なお、前述したように検査日時の異なる同一被検者の眼底画像(断層画像)を同じ観察画面上に並列させ見比べる際に、より効率よく経過観察を行うことができるように2枚の断層画像の各々層厚をグラフ化して表示させることもできる。このような層厚グラフは前述した経過観察画面の呼び出し操作において、予め選択された2つの断層画像とともに同一画面に並列表示される。
以下に、検査日時の異なる2つの断層画像を比較するための層厚グラフを表示したときの表示制御について図7を用いて説明する。なお、図2と同じ番号を付したものについては、特段の説明がない限り、同様の機能・構成を有するものとする。
図7において、グラフ表示領域610には、第1の断層画像と第2の断層画像に関する眼底の所定部位における層の厚さの分布を示す層厚グラフ610aが表示されている。層厚グラフ610aは、各深さ方向における層厚を算出し、横断方向に関して各計測位置における層厚の分布をグラフ化したものである。なお、図7の層厚グラフは、ILM(内境界膜)を始端層、NFL(視神経線維層)とGCL(神経節細胞層)の境界位置を終端層とする層厚分布を各断層画像に関してグラフ化したものであり、点線のグラフ220aは第1の断層画像に対応し、実線のグラフ230aは第2の断層画像に対応する。
なお、各断層画像の層厚分布情報を取得する場合、CPU70は、まず、メモリ72に記憶された断層画像に対して所定の画像処理(例えば、エッジ検出)によって眼底上における各層の境界位置を検出する。そして、CPU70は、前述のように検出された各境界位置情報に基づいて眼底の所定部位の厚さを検出する。この場合、CPU70は、予め設定された始端層に対応する境界位置情報と、予め設定された終端層に対応する境界位置情報と、を取得し、各境界位置間の距離を求めることにより所定部位における層厚分布情報を取得できる。
なお、グラフ化される眼底の層厚情報としては、深さ方向(Z方向)における眼底の層の厚さに関する情報であればよく、例えば、各層の厚みの他、複数の層の厚さを足し合わせたときの層の厚さであってもよい。例えば、神経線維層の厚み、網膜表面から脈絡膜までの厚み、等が考えられる。また、各断層画像に対する層厚情報のほか、第1と第2の断層画像間の層厚分布の差分をとった差分情報をグラフ化したものであってもよい。
また、層厚グラフ610a上には、深さ方向(層の厚さ方向)に伸びるラインLmが合成表示されている。CPU70は、層厚グラフ610a上における所定の計測位置を示す第1の指標(マーカー)としてラインLmを表示する。
そして、CPU70は、マウス76からの操作信号に基づいてラインLmの表示位置を変更する。より具体的には、マウス76の操作を介して層厚グラフ610aの下のスライダ630の表示位置が変更されると、ラインLmは、層厚グラフ610a上における表示位置が横断方向に関して変更されるようになっている。
一方、CPU70は、第1の指標(ラインLm)に対応する計測位置を示す第2の指標(マーカー)としてラインL1及びラインL2を第1の断層画像及び第2の断層画像上に表示する。より具体的には、ラインL1は断層画像220上に合成表示され、ラインL2は断層画像230上に合成表示される。そして、ラインLmの表示位置が変更されると、CPU70は、表示位置が変更されたラインLmに対応する計測位置にラインL1及びラインL2を表示する。
また、正面画像表示領域310の正面画像には、各正面画像上において層厚グラフ610aのラインLm(断層画像のラインL1及びラインL2)に対応する計測位置を示す第3の指標(マーカー)320M、330Mが表示される。
図8は層厚グラフ610aのラインLmと断層画像230のラインL2との対応関係について説明する図である。層厚グラフ610aは、画像データAに対応した層厚グラフであり、メモリ72に記憶された第1の断層画像(第2の断層画像も含む)の全体的な層厚分布を示している。そして、画像データAと層厚グラフ610aは、横断方向の座標位置に関して対応関係を持っている。
第2の断層画像における表示領域Bは、断層画像230としてモニタ75に表示される領域である。ラインLmの表示位置は画像データAにおける横断方向の座標位置X1に対応する。そして、ラインLmによって特定される座標位置X1は、ラインL2の表示位置に対応する。このため、断層画像230上のラインL2は、層厚グラフ610a上のラインLmに対応する表示位置に表示される。
より具体的には、CPU70は、ラインLmによって特定される座標位置X1が表示領域Bに対応する範囲内の場合、CPU70は、表示領域Bにおける座標位置X1に対応する表示位置にラインL2を表示する(図7はズーム倍率が100%の場合、図9はズーム倍率が200%の場合)。また、ラインLmによって特定される座標位置X1が表示領域Bに対応する範囲外の場合、CPU70は、表示領域Bに対する座標位置X1の位置に応じて、断層画像230の右端もしくは左端にラインL2を表示する。
また、ラインL1を表示する場合、CPU70は、メモリ72に記憶された第1の眼底正面画像(第1の断層画像に対応)と第2の眼底正面画像(第2の断層画像に対応)とに基づいて第1と第2の断層画像同士の相対的な撮影位置のずれを検出する。そして、CPU70は、その検出結果に基づいてラインL1の表示位置を補正する。
より具体的には、CPU70は、メモリ72に記憶された第1の正面画像と第2の正面画像とを比較して、第2の正面画像に対する第1の正面画像の位置ずれ方向及び位置ずれ量を画像処理により検出(演算)する。なお、2つの画像間の位置ずれを検出する手法としては、種々の画像処理手法(各種相関関数を用いる方法、フーリエ変換を利用する方法、特徴点のマッチングに基づく方法)を用いることが可能である。
次に、CPU70は、検出された正面画像間の位置ずれ情報に基づいて断層画像の横断方向(測定光の走査方向)に関する位置ずれ方向及び位置ずれ量を算出する。そして、CPU70は、横断方向に関する位置ずれ方向及び位置ずれ量Δdxに基づいて、ラインLmによって特定される座標位置X1を補正し(X1+Δdx)、補正された座標位置に対応する表示位置にラインL1を表示する。
この場合、断層画像220上に表示されるラインL1は、層厚グラフ610a上のラインLmに対応する表示位置に対して断層画像220と断層画像230との撮影位置のずれ量がオフセットされた状態で表示される。したがって、検査日時の異なる2つ以上の断層画像を用いて経過観察を行う場合、各断層画像間で撮影位置のずれがあっても、ラインL1とラインL2は眼底上のほぼ同一部位上に表示される。これは、断層画像のズーム倍率が高いとき(撮影位置のズレによる影響が大きい)に特に有効である。
これにより、検者は、層厚グラフ610aを用いて第1と第2の断層画像の層厚の比較を行う場合、モニタ72に表示された各断層画像との対応関係を容易に把握できる。
また、上記のようにラインL1及びラインL2を表示することにより、各断層画像間の撮影位置のずれを容易に把握することが可能である。例えば、同期モードにおいて、検者は、断層画像230の所定部位(例えば、血管部分)上にラインL2が表示されたときの,ラインL1とラインL2との表示位置のずれを参考に撮影位置のずれを確認できる。
なお、上記説明とは逆に、第1の断層画像220に対応するラインL1を基準として、位置ずれの検出及びラインL2の表示位置のオフセットを行う構成であってもよい。
また、検査日時の異なる断層画像をモニタ75に表示する場合、検査日時の異なる3次元OCT画像を予め取得しておき、3次元データから任意の断層画像を得るようにしてもよい。なお、上記のように撮影位置のずれを検出する場合、断層画像の取得と略同時に正面観察光学系300によって取得される眼底正面画像を用いてもよいし、3次元OCT画像の深さ方向における積算画像を用いることも可能である。
また、各断層画像上にラインLmに対応する計測位置を示す指標を表示する場合、層厚グラフ610aにおいてグラフ化された部位に対応する表示位置に指標を表示するようにしてもよい。例えば、グラフ610a上に神経線維層の厚み分布が表示された場合、モニタ72上の断層画像における神経線維層に対応する表示位置に指標(例えば、ライン表示)を表示してもよい。
また、以上の説明において、層厚グラフ上の計測位置と断層画像上の計測位置とを対応付ける表示パターンとして、層の厚さ方向に伸びるライン状の指標が使用されたが、これに限るものではなく、種々の変容が可能である。例えば、指標の形状、大きさ、色、等は任意に変更可能である。
本実施形態に係る眼科観察装置の構成について説明するブロック図である。 モニタに表示される表示画面(経過観察画面)の一例である。 モニタに表示される断層画像の表示倍率及び表示領域の変更について説明するための模式図である。 異なる検査日時にて取得された2つの断層画像における表示倍率の変更を同期させる場合の一例である。 異なる検査日時にて取得された2つの断層画像における表示領域の変更を同期させる場合の一例である。 非同期モードにおいて断層画像の表示領域を変更する場合の一例である。 検査日時の異なる2つの断層画像を比較するための層厚グラフを表示した場合の一例である。 層厚グラフのラインと断層画像のラインとの対応関係について説明するための模式図である。 ズーム倍率が200%の場合において層厚グラフのラインと断層画像のラインの表示について示す図である。
1 眼科観察装置
70 CPU
72 メモリ
75 モニタ
76 マウス
100 カーソル
220 第1の断層画像
230 第2の断層画像
440 ズーム倍率調整部
510 同期ボタン
610a 層厚グラフ
Lm ライン(第1の指標)
L1、L2 ライン(第2の指標)

Claims (4)

  1. 眼科撮影装置によって取得された被検眼の所定部位における被検眼画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された被検眼画像を表示するモニタと、検者によって操作入力される操作入力部と、を備える眼科観察装置であって、
    前記記憶手段に記憶された二次元画像であって経過観察の対象となる第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像のそれぞれに対し、前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を拡大画像として前記モニタに出力するための表示領域を設定し、
    設定された表示領域に応じて抽出される画像データが前記モニタ上における所定の表示範囲に並列して表示された状態において、前記操作入力部からの操作信号に基づいて前記表示領域を前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像上で移動させ、移動された表示領域に対応する第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を前記所定の表示範囲に表示する表示制御手段であって、
    前記表示制御手段は、前記操作入力部からの操作信号に基づいて、前記互いの表示領域の移動方向及び移動量が同一となるように前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像に対する表示領域を移動させる表示制御手段を有することを特徴とする眼科観察装置。
  2. 請求項1の眼科観察装置において、
    前記表示制御手段は、前記操作入力部からの操作信号に基づいて前記モニタ上に表示される被検眼画像の表示倍率を変更する場合、第1の被検眼画像に対する表示倍率の変更と第2の被検眼画像に対する表示倍率の変更とを同期させることを特徴とする眼科観察装置。
  3. 請求項1〜2のいずれかの眼科観察装置において、
    前記表示制御手段は、前記モニタ上の第1と第2の被検眼画像のどちらか一方に対する前記表示領域又は表示倍率の変更を指示する信号が出力された場合、前記一方の被検眼画像に対する前記表示領域又は表示倍率の変更に同期して、他方の被検眼画像に対する前記表示領域又は表示倍率の変更を行うことを特徴とする眼科観察装置。
  4. 眼科撮影装置によって取得された被検眼の所定部位における被検眼画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された被検眼画像を表示する表示手段と、検者によって操作入力される操作入力手段と、を有するコンピュータを、
    前記記憶手段に記憶された二次元画像であって経過観察の対象となる第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像のそれぞれに対し、前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を拡大画像として前記モニタに出力するための表示領域を設定し、
    設定された表示領域に応じて抽出される画像データが前記モニタ上における所定の表示範囲に並列して表示された状態において、前記操作入力部からの操作信号に基づいて前記表示領域を前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像上で移動させ、移動された表示領域に対応する第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像の一部を前記所定の表示範囲に表示する表示制御手段であって、
    前記表示制御手段は、前記操作入力部からの操作信号に基づいて、前記互いの表示領域の移動方向及び移動量が同一となるように前記第1の被検眼画像及び第2の被検眼画像に対する表示領域を移動させる表示制御手段として機能させることを特徴とする眼科観察プログラム。
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