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JP5699530B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン及びモータを駆動源とし、走行の状態に応じてエンジン及びモータの少なくとも一方を使用して走行するハイブリッド車両の、車両用走行制御の技術に関する。
ハイブリッド車両の走行制御装置としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1の走行制御装置では、運転者のアクセル操作及びブレーキ操作に応じて、低速走行用のトルクマップを切り替える。
また、特許文献1の走行制御装置では、自動定速走行(クルーズ走行)の制御中において、運転者からの減速要求によるコースト減速中は、車速サーボを停止してトルクを負側に制御する。その後、コースト減速を終了して定速走行を再開する際における、負側のトルクから正側のトルクへの反転時には、減少したトルクを復帰させる値を路面抵抗トルクに設定して、停止していた車速サーボ制御を再開する。
特開2009‐029314号公報
しかしながら、上述した特許文献1を含む従来の技術では、コースト減速を終了して定速走行を再開する際における、負側のトルクから正側のトルクへの反転時において、トルクが負側から正側へ瞬時に反転する。このため、トルクの急激な変化に因るショックが発生して、運転者に対して違和感を与えるおそれがある。
これは、エンジンのみを駆動源として備えた車両では、トルク指令値をエンジントルクのみで実施するため、トルク指令値を急激に変化させても、F/Cの状態からF/Cリカバーを行い、トルクが出力されるまでに物理的な遅れが生じる。このため、瞬間的なトルクの反転が生じることは無く、実際に出力されるトルクに急激な変化は生じない。なお、上記の「F/C」とは、エンジンへの燃料供給を停止する処理であり、上記の「F/Cリカバー」とは、F/Cの状態から、再びエンジンへ燃料を供給する処理である。
しかしながら、エンジン及びモータを駆動源として備えたハイブリッド車両において、エンジン及びモータを駆動源としたHEV走行モードの場合には、モータトルクでエンジントルクの応答性を補う。このため、トルク指令値を急激に変化させると、実際に出力されるトルクに急激な変化が生じてショックが発生し、運転者に対して違和感を与えることとなる。
これに対し、コースト減速終了時における、トルクの急激な変化を抑制する対策として、コースト減速終了時に、トルクを急激に変化させずに緩やかに変化させる、緩変化処理を行う方法がある。
ここで、緩変化処理として、レートリミットとして小さい値を用いることにより、減少したトルクがコースト減速終了時から路面抵抗トルクに復帰するまでに要する経過時間を、瞬時ではなく長めに設定する緩変化処理がある。このように、経過時間を長めに設定した緩変化処理では、コースト減速終了時における、トルクの急激な変化を抑制することが可能となる。
しかしながら、上記のように経過時間を長めに設定すると、運転者によるコーストスイッチ(設定車速低下スイッチ)の操作による減速時には、スイッチ解除時のトルク変化挙動が小さくなる。このため、コースト減速終了時における、スイッチ操作に対するレスポンスが低いという、ドライバビリティ(運転の快適性)上の問題が生じてしまうおそれがある。
一方、緩変化処理として、レートリミットとして大きい値を用いることにより、レートリミットとして小さい値を用いた場合と比較して、経過時間を短めに設定する緩変化処理がある。このように、経過時間を短めに設定した緩変化処理では、運転者によるコーストスイッチの操作による減速時に、スイッチ解除時のトルク変化挙動や、スイッチ操作に対する高いレスポンスが感じられるため、ドライバビリティ上の問題を減少させることが可能となる。また、レートリミットとして大きい値を用いると、運転者自身によるスイッチ操作に連動したトルク変化挙動が発生する。このため、変化度合いの緩やかさが少なく、トルクの立ち上がり勾配が多少大きい場合であっても、運転者が急激なトルクの変化を感じることを抑制可能となる。
ここで、一時加速(一時的な加速)後のコースト減速終了時における、トルクが負側から正側へ反転するタイミングは、運転者によるアクセルOFFの操作と連動しておらず、アクセルOFFの操作と同時ではない。具体的には、運転者によるアクセルOFFの時点から時間が経過した後に、コースト減速終了時において、トルクが負側から正側へ反転することとなる。このため、運転者にとって、一時加速後のコースト減速終了時においてトルク変化挙動から受けるショックは、コーストスイッチ解除時のトルク変化挙動から受けるショックよりも強く感じられる可能性がある。
したがって、上記のように経過時間を短めに設定して、トルクの立ち上がり勾配を多少大きくした場合は、ドライバビリティ上の問題が生じてしまうおそれがある。
以上により、トルク変化挙動から受けるショックが同等であっても、コーストスイッチの操作時と一時加速後では、トルク変動に対する期待値が異なるため、経過時間を共通に設定した緩変化処理では、両方の要求を満足させることは困難である。
具体的には、運転者による操作との連動時、すなわち、コーストスイッチ操作時からコースト減速を解除した場合には、トルク変化挙動から受けるショックの抑制よりも、スイッチ操作に対するレスポンス向上を優先させたい場合が多い。一方、運転者による操作との非連動時、すなわち、一時加速からアクセルOFF後の場合には、トルク変化挙動から受けるショックの抑制を優先させたい場合が多い。しかしながら、上述したそれぞれの要求を、同時に満足させる設定は困難である。
本発明は、上記のような点に着目したもので、クルーズ走行等の自動定速走行において、トルク変化挙動から受けるショックの抑制と、スイッチ操作に対するレスポンス向上とを両立させることを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、運転者による起動操作により作動して、先行車両との車間距離を目標車間距離に自動調整する手段を備えたハイブリッド車の車両用走行制御装置である。また、エンジンを駆動源として走行する走行時には、目標駆動トルクに対するエンジントルクの応答遅れを補うモータトルクを発生させる。これに加え、自動走行手段の作動中に、減少した目標駆動トルクが増加へ反転する反転タイミングから増加した目標駆動トルクが路面抵抗トルクとなるまでの目標駆動トルクの増加度合いを変化させる手段を備える。この増加度合いの変化は、自動走行手段の作動中に、目標駆動力に応じた運転者が設定車速低下スイッチを操作してから停止させるまでの間に路面抵抗トルク未満に減少した後に、減少した目標駆動トルクが自動走行手段により増加へ反転して路面抵抗トルクとなるまでの変化である。さらに、上述した増加度合いの変化は、自動走行手段の作動中に運転者がアクセルペダルを操作して増加した目標駆動トルクがアクセルペダルの操作を停止して路面抵抗トルク未満に減少した後に、減少した目標駆動トルクが自動走行手段により増加へ反転して路面抵抗トルクとなるまでの増加度合いよりも大きくす変化である
本発明によれば、クルーズ走行等の自動定速走行において、トルク変化挙動から受けるショックの抑制と、スイッチ操作に対するレスポンス向上とを両立させることが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係るハイブリッド車両の概要構成図である。 本発明に基づく実施形態に係るハイブリッドシステムの構成例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る統合コントローラにおける基本的な信号の流れを示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る統合コントローラの機能ブロックを示す図である。 目標駆動トルク演算部の機能ブロックである。 車両状態モードの遷移関係を示す図である。 車両状態モード決定部の機能ブロックである。 緩変化要求判定部の処理を示すフローチャートである。 緩変化要求判定部の処理を示すタイムチャートである。 緩変化処理前の目標駆動トルクと、緩変化処理後の目標駆動トルクと、緩変化要求との関係を示す図である。 緩変化値設定部の処理を示すフローチャートである。 トルク緩変化処理部の処理を示すフローチャートである。 コーストスイッチ操作時の動作を示すタイムチャートである。 一時加速時の動作を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における緩変化処理を示す図である。 本発明の変形例における緩変化処理を示す図である。 本発明の変形例における緩変化処理を示す図である。 本発明の変形例における緩変化処理を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は実施形態に係るハイブリッド車両の概要構成図である。図1中に示すハイブリッド車両は、後輪駆動の例であるが、前輪駆動であっても、本発明は適用可能である。なお、以下の説明では、ハイブリッド車両を、「車両」や「自車両」と記載する場合がある。
(駆動系の構成)
まず、駆動系(パワートレーン)の構成について説明する。
本実施形態のパワートレーンは、図1中に示すように、エンジン1から左右後輪(駆動輪)までのトルク伝達経路の途中に、モータ2及び自動変速機3、すなわち、AT(=トランスミッションT/M)を介装する。また、本実施形態のパワートレーンは、エンジン1とモータ2との間に、第1クラッチ4を介装し、モータ2と駆動輪(後輪)との間のトルク伝達経路に、第2クラッチ5を介装する。
この例では、第2クラッチ5は、自動変速機3(=トランスミッションT/M)の一部を構成する。自動変速機3は、プロペラシャフト、ディファレンシャル6(DF:ディファレンシャルギヤ)、及びドライブシャフトを介して、駆動輪7(後輪)に接続する。
上記エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。エンジン1は、後述するエンジンコントローラ22からの制御指令に基づき、スロットルバルブのバルブ開度等が制御可能となっている。なお、エンジン1の出力軸に、フライホイールが設けられていても良い。
上記モータ2は、例えば、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータである。また、モータ2は、後述するモータコントローラ23からの制御指令に基づき、後述のインバータ8で作り出した三相交流を印加することで、制御可能である。このモータ2は、後述のバッテリ9からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することも可能である(この状態を「力行」と呼ぶ)。
また、モータ2は、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ9を充電することも可能である(この動作状態を「回生」と呼ぶ)。このモータ2のロータは、図外のダンパーを介して、自動変速機3の入力軸に連結する。
上記第1クラッチ4は、上記エンジン1とモータ2との間に介装された油圧式単板クラッチである。上記第1クラッチ4は、後述するATコントローラ24からの制御指令に基づいて、入力した目標クラッチ伝達トルクとなるように、第1クラッチ油圧ユニットが作り出した制御油圧により、締結状態、または、開放状態となる。なお、第1クラッチ4の締結・開放には、滑り締結と滑り開放を含む。
上記第2クラッチ5は、油圧式多板クラッチである。上記第2クラッチ5は、ATコントローラ24からの制御指令に基づき、目標クラッチ伝達トルクとなるように、第2クラッチ油圧ユニット(不図示)で作り出した制御油圧により、締結状態、または、開放状態となる。なお、第2クラッチ5の締結・開放には、滑り締結と滑り開放を含む。
上記自動変速機3は、例えば、前進7速後退1速や前進6速後退1速等、有段階の変速比を、車速や後述の統合コントローラ21から入力した変速用アクセル開度等に応じて、自動的に切り換える変速機である。ここで、上記第2クラッチ5は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機3の各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用して構成する。
ここで、本実施形態では、第2クラッチ5を、自動変速機3(=トランスミッションT/M)の一部として構成する場合を例示しているが、これに限定されない。すなわち、第2クラッチ5は、例えば、モータ2と自動変速機3との間、または、自動変速機3とディファレンシャル6との間に配置する構成であっても良い。
また、各輪には、それぞれブレーキユニット(不図示)を備える。各ブレーキユニットは、例えば、ディスクブレーキやドラムブレーキからなる。また、各ブレーキユニットは、油圧ブレーキ装置であっても、電動ブレーキ装置であっても良い。各ブレーキユニットは、ブレーキコントローラ25からの指令に応じて、対応する車輪に制動力を付与する。なお、ブレーキユニットは、全ての車輪に設ける必要はない。
また、図1中において、符号14は、電動サブオイルポンプを示し、符号15は、機械式オイルポンプを示す。これらのオイルポンプ14,15は、各クラッチのための油圧を発生する。また、符号10は、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサを示し、符号11は、モータ2の回転を検出するレゾルバ等のモータ回転センサを示す。
また、図1中において、符号12は、変速機の入力軸の回転を検出するAT入力回転センサを示し、符号13は、変速機の出力軸の回転を検出するAT出力回転センサを示す。また、符号27は、車輪の回転を検出する車輪速センサを示す。なお、車輪速センサ27は、不図示の従動輪(前輪)にも設けてもよい。
図2は、図1に示したパワートレーンの制御システムを説明する構成図である。
符号33は、運転者によって操作されるアクセルペダルを示す。このアクセルペダル33のアクセル開度APOは、アクセルセンサ20によって検出される。そして、アクセルセンサ20は、検出したアクセル開度APO情報を統合コントローラ21に出力する。
また、符号34はペダルアクチュエータを示す。このペダルアクチュエータ34は、ペダル反力をアクセルペダル33に付与するアクチュエータである。ここで、ペダル反力は、車間制御コントローラ31からの指令に応じた大きさとする。
また、符号32は、先行車検出手段を構成するレーダーユニットを示す。レーダーユニット32は、自車両前方の先行車両を検出し、検出した先行車両情報を車間制御コントローラ31に出力する。
また、符号27は、車輪速センサを示す。この車輪速センサ27は、検出した車輪速情報をブレーキコントローラ25に出力する。また、車輪速情報から求める車速情報は、ブレーキコントローラ25から、統合コントローラ21及び車間制御コントローラ31に出力される。
また、符号35は、運転者に走行状態を提示するためのメータを示す。このメータ35は、オートクルーズの情報等を表示する。
また、符号29は、ブレーキスイッチを示す。このブレーキスイッチ29は、ブレーキペダル(不図示)の操作を検出する。
また、符号28は、ステアリングスイッチを示す。このステアリングスイッチ28は、自動定速走行であるクルーズ走行の起動や走行条件(目標車速)の変更指示を運転者が行うための操作子である。ここで、クルーズ走行には、自動定速走行に加え、車間制御クルーズ走行も含む。
また、符号30は、クルーズキャンセルスイッチを示す。このクルーズキャンセルスイッチ30は、クルーズ走行の終了を指示するための操作子であり、ステアリングスイッチ28の近傍と、ブレーキペダルに設けられている。
また、符号18は、バッテリ9の電圧を検出する電圧センサを示し、符号19は、バッテリ9の電流を検出する電流センサを示す。
(制御系の構成)
次に、ハイブリッド車両の制御系の構成について説明する。
上記ハイブリッド車両の制御系は、図2に示すように、エンジンコントローラ22と、モータコントローラ23と、インバータ8を有する。また、ハイブリッド車両の制御系は、バッテリコントローラ26と、ATコントローラ24と、ブレーキコントローラ25と、統合コントローラ21と、車間制御コントローラ31を有する。
なお、エンジンコントローラ22、モータコントローラ23、ATコントローラ24、ブレーキコントローラ25及び車間制御コントローラ31と、統合コントローラ21は、互いに情報の送受信が可能な、CAN通信線(不図示)を介して接続する。
上記エンジンコントローラ22は、エンジン回転数センサ10からのエンジン回転数情報を入力する。そして、上記エンジンコントローラ22は、統合コントローラ21からの目標エンジントルク等に応じ、エンジン動作点(Ne、Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線を介して、統合コントローラ21から取得する。
上記モータコントローラ23は、モータ2のロータ回転位置を検出するモータ回転センサ11からの情報を入力する。そして、上記モータコントローラ23は、統合コントローラ21からの目標モータトルクや回転数指令等に応じて、モータ2のモータ動作点(Nm、Tm)を制御する指令を、インバータ8へ出力する。
バッテリコントローラ26は、バッテリ9の電圧を検出する電圧センサ18からの情報と、バッテリ9の電流を検出する電流センサ19からの情報に基づいて、バッテリ9の充電状態を表すバッテリSOCを監視する。そして、バッテリコントローラ26は、監視しているバッテリSOCの情報を、モータ2の制御情報等として、CAN通信線を介して統合コントローラ21へ供給する。
上記ATコントローラ24は、第1クラッチ油圧センサ(不図示)と第1クラッチストロークセンサ(不図示)からのセンサ情報を入力する。そして、上記ATコントローラ24は、統合コントローラ21からの第1クラッチ制御指令(目標第1クラッチ伝達トルク指令)に応じて、第1クラッチ4の締結・開放を制御する指令を、第1クラッチ油圧ユニット(不図示)に出力する。
また、上記ATコントローラ24は、車輪速センサ27と第2クラッチ油圧センサ(不図示)からのセンサ情報を入力する。そして、上記ATコントローラ24は、統合コントローラ21からの第2クラッチ制御指令(目標第2クラッチトルク指令)に応じて、第2クラッチ5の締結・開放を制御する指令を、AT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニットに出力する。ここで、第2クラッチ5の締結・開放を制御する指令の出力は、変速制御における第2クラッチの制御に優先して行う。
上記ブレーキコントローラ25は、各輪(4輪)の各車輪速を検出する車輪速センサ27からのセンサ情報と、ブレーキストロークセンサ(不図示)からのセンサ情報を入力する。また、上記ブレーキコントローラ25は、予め設定した制御サイクルで、ブレーキペダルのストローク量や、車間制御コントローラ31等からの制動要求量や、車速に基づいて、目標減速度を演算する。
そして、ブレーキコントローラ25は、回生協調ブレーキ制御として、目標減速度を回転制動力とした協調回生ブレーキ要求トルク及び機械制動力(油圧制動力)としての目標油圧制動力に、制動力配分を行う。さらに、ブレーキコントローラ25は、協調回生ブレーキ要求トルクを、統合コントローラ21のモータコントローラ23に出力する。
また、上記ブレーキコントローラ25は、目標油圧制動力を、油圧制動力装置に出力する。例えば、上記ブレーキコントローラ25は、ブレーキペダル踏み込み制動時のブレーキストロークBS等から求められる要求制動力に対し、回生制動力だけでは不足する場合に、回生協調ブレーキ制御を行う。
そして、上記ブレーキコントローラ25は、上記の不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ2が発生する制動力)で補うように、統合コントローラ21からの回生協調制御指令に基づいて、回生協調ブレーキ制御を行う。
また、車間制御コントローラ31は、運転者が設定したステアリングスイッチ28の情報や、クルーズ制御作動許可状態や、その他の必要な情報を、統合コントローラ21から入力する。そして、車間制御コントローラ31は、統合コントローラ21からの情報に基づき、先行車に対する車間制御を実施すると判定すると、先行車に対する目標車間距離や目標車間時間を実現するための目標加速度及び目標減速度を演算する。この演算は、自車速や、レーダーユニット32の検出に基づく先行車両の情報(車間距離や相対速度等)等に基づいて行う。
そして、車間制御コントローラ31は、求めた目標加速度を、車間クルーズ要求トルク(ACC要求トルク)として統合コントローラ21に出力する。また、車間制御コントローラ31は、求めた目標減速度を、制動要求トルクとしてブレーキコントローラ25に出力する。
また、車間制御コントローラ31は、DCA制御(Distance Control Assist)部31Aを有する。DCA制御部31Aは、統合コントローラ21から受信するアクセル開度APO情報と、車輪速センサ27の検出に基づく車速情報、レーダーユニット32からの情報に基づいて、ペダル反力指令を演算する。そして、DCA制御部31Aは、先行車との車間を保つ為の運転者への支援情報として、演算した反力指令をペダルアクチュエータ34に出力する。ペダルアクチュエータ34は、入力したアクセルペダル33に反力を付与する。
上記統合コントローラ21は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。
また、上記統合コントローラ21は、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ10からの情報を入力し、モータ回転数Nmを検出するモータ回転センサ11からの情報を入力する。さらに、統合コントローラ21は、変速機入力回転数を検出するAT入力回転センサ12からの情報を入力し、変速機出力回転数を検出するAT出力回転センサ13からの情報を入力する。
また、統合コントローラ21は、アクセルセンサ20からアクセル開度APO情報を入力し、バッテリコントローラ26からバッテリ9の蓄電状態SOCの情報を入力する。
また、上記統合コントローラ21は、CAN通信線を介して取得した情報を出力する。
また、上記統合コントローラ21は、上記エンジンコントローラ22への制御指令により、エンジン1の動作制御を実行する。上記統合コントローラ21は、上記モータコントローラ23への制御指令により、モータ2の動作制御を実行する。
また、上記統合コントローラ21は、上記ATコントローラ24への制御指令により、第1クラッチ4の締結・開放制御と、第2クラッチ5の締結・開放制御を実行する。
(ハイブリッド車両における基本動作モード)
ここで、本実施形態のハイブリッド車両における基本動作モードについて説明する。
車両の停止中において、バッテリSOCの低下時であれば、エンジン1を始動して発電を行い、バッテリ9を充電する。そして、バッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチ4は締結の状態で、また、第2クラッチ5は開放の状態で、エンジン1を停止する。
エンジン1による発進時には、アクセル開度APOとバッテリSOC状態によって、モータ2を連れ回し、力行/発電に切り替える。
一方、モータ2による発進時では、モータ2による駆動力を、車両が前進するまで上昇させた後、第2クラッチ5を滑り制御から締結に移行させる。ここで、モータ2による発進時において、例えば、ロールバックにより自動変速機3の出力回転が負回転となった場合は、第2クラッチ5の滑り制御を行い、モータ2の回転を正回転に維持する。
モータ走行(EVモード)では、エンジン1の始動に必要なモータトルクとバッテリ出力を確保し、不足する場合はエンジン走行に移行する。また、自車両の車速が、予め設定したマップ等に基づいて予め設定した所定車速(EV禁止車速)以上となると、モータ走行(EVモード)からエンジン走行(HEVモード)に移行する。また、エンジン走行時において、アクセルペダル踏み込み時のレスポンス向上のために、エンジントルクの遅れ分を、モータ2によりアシストする。すなわち、エンジン走行中は、エンジン1の動力のみ、または、エンジン1及びモータ2の動力の両方で走行するモードが存在する。
ブレーキON減速(ブレーキペダルの操作を伴う減速)時には、運転者のブレーキ操作に応じた減速力を、回生協調ブレーキ制御にて得る。
エンジン走行やモータ走行中における変速時には、加減速中の変速に伴う回転数合わせのために、モータ2を回生/力行させて、トルクコンバータ無しでのスムーズな変速を行う。
次に、図1及び図2を参照しつつ、図3及び図4を用いて、統合コントローラ21にて実行する制駆動制御処理における、本発明に関わる部分について説明する。
図3は、本実施形態の統合コントローラ21の制御における基本的な指令値の、基本的な流れを示す概要構成図を例示するものである。また、図4は、本実施形態の統合コントローラ21の制御を機能的に説明する機能ブロック図である。
統合コントローラ21は、図4に示すように、要求発電トルク演算部21A、要求エンジントルク演算部21B、モータ出力可能トルク演算部21C、目標駆動トルク演算部21D、車両状態モード決定部21Eを備える。また、統合コントローラ21は、図4に示すように、エンジン始動制御部21F、エンジン停止制御部21G、目標エンジントルク算出部21H、目標モータトルク算出部21J、目標クラッチトルク算出部21Kを備える。
要求発電トルク演算部21Aは、車速情報やバッテリコントローラ26からのSOC等のバッテリ情報等に基づき、モータ2で発電すべき要求発電トルクを演算する。
要求エンジントルク演算部21Bは、車速等の走行状態や要求発電トルク演算部21Aが演算した要求発電トルク等に基づき、エンジン1で発生すべき要求エンジントルクを演算する。
モータ出力可能トルク演算部21Cは、バッテリコントローラ26からのSOC等のバッテリ情報や、車速等に基づき、モータ2が出力可能なモータ出力可能トルクを演算する。
目標駆動トルク演算部21Dは、目標とする目標駆動トルクを演算する。また、目標駆動トルク演算部21Dは、ドライバ要求トルク演算部と、自動制御要求トルク演算部を備える。
ドライバ要求トルク演算部は、運転者の操作するアクセルペダル33の操作量(アクセル開度APO)に基づき、運転者が要求していると推定するドライバ要求トルクを演算する。
また、自動制御要求トルク演算部は、運転者が予め設定した走行条件(設定車速)の走行状態に自動調整するための自動制御要求トルクを演算する。ここで、自動制御要求トルクの演算は、自動走行制御スイッチであるステアリングスイッチの操作によって開始し、クルーズキャンセルスイッチ30の操作により終了する。
そして、目標駆動トルク演算部21Dは、ドライバ要求トルク演算部が演算したドライバ要求トルクと、自動制御要求トルク演算部が演算した自動制御要求トルクに基づき、目標駆動トルクを演算する。
本実施形態の目標駆動トルク演算部21Dは、図5に示すように、ドライバ要求トルク演算部21Da、自動制御要求トルク演算部21Db、第1目標駆動トルク演算部21Dc、車速リミッタトルク演算部21Dd、最終目標駆動トルク演算部21Deを備える。
ドライバ要求トルク演算部21Daは、少なくともアクセルペダル33のアクセル開度APO情報及び車速に基づき、ドライバ要求トルクを演算する。また、ドライバ要求トルク演算部21Daは、図3中に示す例では、アクセル開度APO及び変速機入力回転数を入力し、ベーストルクマップを参照して、基本ドライバ要求トルクを演算する。
また、ドライバ要求トルク演算部21Daは、車速に基づき、クリープ・コースト駆動力テーブルを参照して、第1の補正トルクを演算する。また、アクセル開度APO情報、変速機入力回転数、SOC等に基づく電力制限情報に基づき、MGアシストトルクMAPを参照して、第2の補正トルクを算出する。
そして、ドライバ要求トルク演算部21Daは、演算した基本ドライバ要求トルク、第1の補正トルク、第2の補正トルクに基づき、最終的等なドライバ要求トルクを求める。
自動制御要求トルク演算部21Dbは、ステアリングスイッチ28及びACC許可信号を車間制御コントローラ31に出力すると共に、車間制御コントローラ31から車間クルーズ要求トルク(ACC要求トルク)を入力する。また、自動制御要求トルク演算部21Dbは、ステアリングリングSWによって設定された設定車速及び現在の車速に基づき、実際の車速を設定車速にフィードバック制御して自動調整するための、定速クルーズ要求トルクを演算する。
そして、自動制御要求トルク演算部21Dbは、ACC作動(車間制御の作動)の有無に応じて、車間クルーズ要求トルク(ACC要求トルク)、または、定速クルーズ要求トルクの一方を、自動制御要求トルクとして選択する。ここでは、ACC作動時には、定速クルーズ要求トルクよりも、車間クルーズ要求トルクを優先して選択するように処理する。
第1目標駆動トルク演算部21Dcは、ドライバ要求トルク演算部21Daが演算したドライバ要求トルクと、自動制御要求トルク演算部21Dbが演算した自動制御要求トルクのセレクトハイを実施する。そして、上記のドライバ要求トルクと自動制御要求トルクのうち、大きい方のトルクを、第1目標駆動トルクとして選択して出力する。
車速リミッタトルク演算部21Ddは、ステアリングスイッチ28によって設定される設定車速及び現在の車速に基づき、上限の車速以下とするための車速リミッタトルクを演算する。
最終目標駆動トルク演算部21Deは、第1目標駆動トルク演算部21Dcが出力する第1目標駆動トルクと、車速リミッタトルク演算部21Ddが演算した車速リミッタトルクとのセレクトローを実施する。すなわち、第1目標駆動トルクを車速リミッタトルクで制限して、目標駆動トルクを求める。
車両状態モード決定部21Eは、目標とする目標車両状態モード(EVモード、HEVモード)を決定する。この決定は、アクセル開度APO、車速情報(又は変速機出力回転数)、モータ出力可能トルク、要求エンジントルク及び目標駆動トルクに基づき、車両状態モード領域マップ(EV−HEV遷移マップ)等を参照して行う。これは、例えば、車両制駆動制御のための目標駆動トルクに、エンジン1の始動に必要なクランキングトルクを加えたトルクが、モータ2が出力可能なトルクを下回ると、HEVモードからEVモードに運転モードが遷移する。
また、車両状態モード決定部21Eは、バッテリ充電等の要求等によって要求エンジントルクがある場合には、目標とする目標車両状態モードをHEVモードとする。そして、現在の車両状態モードがEVモードであり、目標車両状態モードがHEVモードである場合には、エンジン始動シーケンスの処理を行う。また、現在の車両状態モードがHEVモードであり、目標車両状態モードがEVモードである場合には、エンジン停止シーケンスの処理を行う。
ここで、車両状態モードとしては、図6に示すように、HEVモードと、EVモードと、遷移時のモードである、エンジン停止シーケンス及びエンジン始動シーケンスのモードを備える。
HEVモードは、少なくともエンジン1を駆動源として走行する車両状態モードである。
エンジン停止シーケンスのモードは、HEVモードからEVモードに移行する際の遷移時の車両状態モードである。エンジン始動シーケンスのモードは、EVモードからHEVモードに移行する際の遷移時の車両状態モードである。そして、現在の車両状態モードと目標車両状態モードとが同じ場合には、前回の状態モードを保持する。
例えば、現在の車両状態モードがEVモードであり、目標車両状態モードもEVモードの場合には、車両状態モードをEVモードとする。また、現在の車両状態モードがHEVモードであり、目標車両状態モードもHEVモードの場合には、車両状態モードをHEVモードとする。
一方、現在の車両状態モードがEVモードであり、目標車両状態モードがHEVモードの場合、または、現在の車両状態モードがHEVモードであり、目標車両状態モードがEVモードの場合、遷移モードは、次に示すモードとなる。
すなわち、上記の場合、遷移モードは、エンジン1の停止、または、始動の処理が完了するまでは、エンジン停止シーケンスのモード、または、エンジン始動シーケンスのモードとなる。
本実施形態における車両状態モード決定部21Eは、図7に示すように、緩変化要求判定部21Eaと、緩変化値設定部21Ebと、トルク緩変化処理部21Ecを備える。
以下、緩変化要求判定部21Eaの処理について、図8のフローチャート及び図9のタイムチャートを参照して説明する。
まず、ステップS100では、以下の条件[1]が成立しているか否かを判定する。そして、条件[1]が成立している場合には、ステップS110に移行する。一方、条件[1]が成立していない場合には、ステップS120に移行する。
ここで、条件[1]が成立している条件とは、以下に示すIからIIIの全てが成立している条件である。
I.緩変化処理前の目標駆動トルク<0
II.クルーズ制御が作動中である。
III.リジューム操作が行われていない。
ここで、上記のIに示す「緩変化処理」とは、コースト減速終了時に、目標駆動トルクを急激に変化させずに緩やかに変化させる処理である。具体的には、後述する自動走行手段の作動中に、後述する路面抵抗トルク未満に減少した目標駆動トルクが増加へ反転する反転タイミングから、増加した目標駆動トルクが路面抵抗トルクとなるまでの目標駆動トルクの増加度合いを変化させる経過時間を変化させる処理である。ここで、増加した目標駆動トルクが路面抵抗トルクとなるまでの経過時間を変化させるためには、目標駆動トルクの増加度合いを変化させる処理を行う。
また、上記のIに示す「緩変化処理前の目標駆動トルク」とは、緩変化処理を行っていない目標駆動トルク、すなわち、コースト減速を終了して定速走行を再開する際において、急激に増加する目標駆動トルクである。なお「急激に増加」とは、例えば、負側から正側への急激な反転である。
また、上記のIIIに示す「リジューム操作」とは、クルーズ走行の起動中にクルーズキャンセルスイッチ30が操作された後、再び、クルーズ走行を起動させた状態で、クルーズキャンセルスイッチ30の操作前に設定した設定車速を再セットする操作である。
条件[1]に上記のIIIを含む理由は、リジューム操作時に、アクセルOFFやコースト減速からの加速要求が発生する場合に、目標駆動トルクに対して緩変化処理を行うと、実際の車速を目標車速に追従させにくくなる問題が発生するためである。ここで、リジューム操作時には、アクセルOFFやコースト減速からの加速要求が発生する場合がある。
ステップS110では、一時加速判定が「ON」である(運転者の駆動力増加要求により、車両が設定速度から一時的に加速している)か否かを判定する。そして、一時加速判定が「ON」である場合には、ステップS130に移行する。一方、一時加速判定が「OFF」である場合には、ステップS140に移行する。
したがって、ステップS100からS110の処理では、目標駆動トルクが負側、すなわち、車両がコースト減速中であるか否かを判定し、車両がコースト減速中である場合には、一時加速ONエッジが成立しているか否かを判定する。ここで、一時加速ONエッジとは、一時加速判定が「OFF」から「ON」に変化した時点で成立する。
ステップS120では、以下の条件[2]が成立しているか否かを判定する。そして、条件[2]が成立している場合には、ステップS150に移行する。一方、条件[2]が成立していない場合には、ステップS160に移行する。
ここで、条件[2]が成立している条件とは、以下に示すI及びIIが共に成立している条件である。
I.緩変化処理前の目標駆動トルク≧緩変化処理解除判定値
II.緩変化処理後の目標駆動トルク≧緩変化処理前の目標駆動トルク
ここで、上記のIに示す「緩変化処理解除判定値」とは、自車両が走行している走行路の路面抵抗に近似した任意の所定値であり、正側のトルクに対応する値である。また、緩変化処理解除判定値を、路面抵抗に近似した正側のトルクに対応する値とした理由は、緩変化処理の開始初期には、条件[2]における上記のIIが成立してしまうためである。
また、上記のIIに示す「緩変化処理後の目標駆動トルク」とは、緩変化処理を行った後の目標駆動トルク、すなわち、コースト減速を終了して定速走行を再開する際において、緩やかに変化する目標駆動トルクである。なお「緩やかに変化」とは、コースト減速終了時から減少した目標駆動トルクが路面抵抗トルクに復帰するまでに要する経過時間が、目標駆動トルクが負側から正側へ急激に反転する場合よりも長くなる増加度合いの変化である。
したがって、ステップS120の処理では、目標駆動トルクが、正側の所定値である緩変化処理解除判定値以上、かつ、緩変化処理後の目標駆動トルクが緩変化処理前の目標駆動トルクに収束しているか否かを判定する。
ステップS130では、緩変化要求を「ON」に設定するとともに、一時加速時緩変化要求を「ON」に設定する。その後、復帰する。
ステップS140では、緩変化要求を「ON」に設定するとともに、一時加速時緩変化要求を「前回値保持」に設定する。その後、復帰する。ここで、一時加速時緩変化要求を前回値保持に設定とは、一時加速時緩変化要求を、前回の処理で「ON」に設定されていれば「ON」、前回の処理で「OFF」に設定されていれば「OFF」に設定する処理である。
すなわち、ステップS140では、一時加速時緩変化要求の設定を「ON」に継続する処理を行う。これは、図9中に示すように、一時加速判定が「ON」に設定された時点(「t1」の時点)において、一時加速時緩変化要求が「ON」に設定された後は、一時加速判定が「OFF」に設定された時点(「t2」の時点)の後も行う。
ステップS150では、緩変化要求を「OFF」に設定するとともに、一時加速時緩変化要求を「OFF」に設定する。その後、復帰する。
ステップS160では、緩変化要求を「前回値保持」に設定するとともに、一時加速時緩変化要求を「前回値保持」に設定する。その後、復帰する。ここで、緩変化要求を前回値保持に設定する処理は、上述した、一時加速時緩変化要求を前回値保持に設定と同様の処理である。
ここで、緩変化処理前の目標駆動トルクと、緩変化処理後の目標駆動トルクと、緩変化要求との関係は、図10中に示す関係となる。すなわち、緩変化要求が「ON」に設定されている状態では、コースト減速終了後の目標駆動トルクに対する緩変化処理を行い、緩変化要求が「ON」から「OFF」に設定された時点(「t3」)で、目標駆動トルクに対する緩変化処理を停止する。
以上により、緩変化要求判定部21Eaの処理では、後述する緩変化値の切り替え用に、コースト減速中における一時加速判定の履歴を参照して、一時加速時緩変化要求のフラグを生成する。
次に、緩変化値設定部21Ebの処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS200では、緩変化要求判定部21Eaの処理において、一時加速時緩変化要求が「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、一時加速時緩変化要求が「ON」に設定されている場合には、ステップS210に移行する。一方、一時加速時緩変化要求が「ON」に設定されていない場合には、ステップS220に移行する。
ステップS210では、緩変化値を「一時加速時用緩変化設定値」に設定する。その後、復帰する。なお、一時加速時用緩変化設定値に関する説明は、後述する。
ステップS220では、緩変化要求判定部21Eaの処理において、緩変化要求が「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、緩変化要求が「ON」に設定されている場合には、ステップS230に移行する。一方、緩変化要求が「ON」に設定されていない場合には、ステップS240に移行する。
ステップS230では、緩変化値を「通常時用緩変化設定値」に設定する。その後、復帰する。なお、通常時用緩変化設定値に関する説明は、後述する。
ステップS240では、緩変化値を「無効化用緩変化設定値」に設定する。その後、復帰する。なお、無効化用緩変化設定値に関する説明は、後述する。
ここで、上記の緩変化値(一時加速時用緩変化設定値、通常時用緩変化設定値、無効化用緩変化設定値)とは、緩変化処理に用いる値である。本実施形態では、緩変化処理として、一般的なレートリミット処理を用いるため、上述した緩変化値をリミッタ値とする。
また、上述した各緩変化値、すなわち、一時加速時用緩変化設定値と、通常時用緩変化設定値及び無効化用緩変化設定値の大小関係は、以下の関係式(1)を満足する関係とする。
無効化用緩変化設定値>通常時用緩変化設定値>一時加速時用緩変化設定値 … (1)
上述した各緩変化値の設定は、具体的には、以下のように行う。
無効化用緩変化設定値としては、極力大きな値を設定して、コースト減速終了時における目標駆動トルクの緩変化を抑制する。
通常時用緩変化設定値は、コーストスイッチの解除時において、スイッチ操作に対するレスポンス向上を優先した値に設定する。具体的には、レートリミット処理に用いるリミッタ値として、大きい値を用いる。
一時加速時用緩変化設定値は、コースト減速終了時における目標駆動トルクの変化挙動から受けるショックの抑制を優先した値に設定する。具体的には、レートリミット処理に用いるリミッタ値として、通常時用緩変化設定値に用いるリミッタ値よりも小さい値を用いる。
すなわち、各緩変化値は、値が小さいほど、コースト減速終了時における目標駆動トルクの変化挙動から受けるショックの抑制を優先した設定値である。これは、各緩変化値の値が小さいほど、コースト減速終了時、すなわち、減少した目標駆動トルクが増加へ反転する反転タイミングから、増加した目標駆動トルクが路面抵抗トルクとなるまでの経過時間が長くなるためである。
以上により、緩変化値設定部21Ebの処理では、上記の反転タイミングが運転者による目標駆動力減少要求の停止操作と連動している場合には、連動していない場合よりも、経過時間が短くなるように、目標駆動トルクの増加度合いを大きくする処理を行う。
ここで、反転タイミングが運転者による目標駆動力減少要求の停止操作と連動している場合とは、反転タイミングが、運転者によるコーストスイッチの停止操作(コーストスイッチ操作「OFF」)と連動している場合である。
また、反転タイミングが運転者による目標駆動力減少要求の停止操作と連動していない場合とは、反転タイミングが、運転者によるアクセルペダル33の停止操作(アクセル開度APO「OFF」)と連動していない場合である。
次に、トルク緩変化処理部21Ecの処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS300では、緩変化値設定部21Ebの処理において、目標駆動トルクに対する緩変化処理の要求があるか否かを判定する。そして、目標駆動トルクに対する緩変化処理の要求がある場合には、ステップS310に移行する。一方、目標駆動トルクに対する緩変化処理の要求がない場合には、復帰する。
ここで、目標駆動トルクに対する緩変化処理の要求があるとの判定は、緩変化値設定部21Ebの処理において、緩変化値が、「通常時用緩変化設定値」または「一時加速時用緩変化設定値」に設定されている場合に行う。すなわち、ステップS300では、目標駆動トルクに対する増加要求がある場合に、目標駆動トルクに対する緩変化処理の要求があると判定する。
ステップS310では、緩変化処理前の目標駆動トルクに対し、緩変化値設定部21Ebの処理において設定した、「通常時用緩変化設定値」または「一時加速時用緩変化設定値」を用いて、緩変化処理を行う。その後、復帰する。
すなわち、ステップS310では、緩変化処理前の目標駆動トルクに対し、増加側の緩変化処理を行う。
目標エンジントルク算出部21Hは、車両状態モード決定部21Eが決定した目標車両状態モードや、車速等の走行状態情報、目標駆動トルク、発電のために要求される要求エンジントルク等に基づき、目標エンジントルクを算出する。これに加え、目標エンジントルク算出部21Hは、車両状態モード決定部21Eで設定した緩変化値に基づき、目標エンジントルクを算出する。
なお、目標車両状態モードがEVモードである場合には、エンジントルクは不要であるため、目標エンジントルクは、ゼロ、または、負値となっている。また、予め設定したF/C条件を満足している場合、エンジン1は、燃料の供給が停止されて、空回りしている状態となっている。
目標モータトルク算出部21Jは、車両状態モード決定部21Eが決定した目標車両状態モード、車速等の走行状態情報、目標駆動トルク、要求発電トルクに基づき、目標モータトルクを算出する。これに加え、目標モータトルク算出部21Jは、車両状態モード決定部21Eで設定した緩変化値に基づき、目標モータトルクを算出する。これは、例えば、目標駆動トルクから、目標エンジントルクに遅れ補正を施したトルク値を減算した値を目標モータトルクとする。
なお、他の制御部から回生ブレーキ要求トルク(<0)の入力がある場合には、その回生ブレーキ要求トルク分を足した値を、最終的な目標モータトルクとする。
エンジン始動制御部21Fは、エンジン始動フラグがONの場合に作動して、モータ走行中にエンジン1を始動する処理を実施し、HEVモードへの移行処理を行う。
次に、エンジン始動制御部21Fの処理例について説明する。
エンジン始動制御部21Fは、モータ走行中にエンジン始動指令(エンジン始動フラグがON)を取得すると起動する。
まず、第2クラッチ5を目標クラッチ伝達トルクにするための目標第2クラッチトルク指令を、ATコントローラ24に出力する。上記目標第2クラッチ伝達トルク指令TCL2は、エンジン始動処理前の出力トルク相当のトルクを伝達可能な伝達トルク指令であって、モータ2が出力する駆動力を増大したとしても、出力軸トルクに影響を与えない範囲とする。ここで、ATコントローラ24は、指令に応じたクラッチ油圧が発生するように第2クラッチ油圧ユニットを制御する。
次に、モータコントローラ23に対して、モータ2の電圧を増大すると共に、モータ2を回転数制御する指令を出力する。なお、モータ2の実トルクは、モータ2に作用する負荷によって決定される。続いて、ATコントローラ24に対して、第1クラッチ4のトルク伝達トルクがエンジン1のクランキングトルクとなる、トルク指令を出力する。さらに、エンジン回転数とモータ回転数とが同期したことを検知したら、クランキング処理の終了として、第1クラッチ4を完全締結とする指令を出力する。
第1クラッチ4の同期判定は、具体的に、実モータ回転と実エンジン回転の差回転が規定値以下である状態が、規定時間経過したときに、第1クラッチ4が同期したと判定する。ここで、規定値としては、第1クラッチ4のトルク制御中から完全締結移行時の応答無駄時間相当の差回転を設定する。さらに、エンジン回転数が始動可能回転数以上になったことを検知したら、エンジンコントローラ22に対して、エンジン始動指令を出力する。そして、復帰する。
エンジン停止制御部21Gは、エンジン停止指令(エンジン停止フラグがON)を取得すると起動し、エンジン走行から、モータ2を駆動して、モータ走行への移行処理を行う。
また、例えば、エンジン停止制御部21Gは、エンジン停止指令(エンジン停止フラグがON)を取得すると起動して、まず、ATコントローラ24に対して、第1クラッチ4を滑り締結させる、予め設定したトルク指令を出力する。そして、このトルク指令と同期をとって、モータコントローラ23に対して、モータ2の電圧を増大すると共にモータ2を回転数制御する指令を出力する。
これにより、第1クラッチ4によるエンジン1からのトルクを減少しつつ、モータトルクを増大して、目標駆動トルクを得る。そして、目標モータトルクが目標駆動トルクとなったら、第1クラッチ4を目標クラッチ伝達トルク=0にするための目標第1クラッチ4トルク指令を、ATコントローラ24に出力する。その後、エンジンコントローラ22に対して、目標エンジントルク=0にするための指令を出力して、F/Cを行う。
目標クラッチトルク算出部21Kは、車両状態モード決定部21Eが決定した目標車両状態モード、エンジン1及びモータ2の発生トルクに基づき、第1クラッチ4及び第2クラッチ5の目標各クラッチトルクを算出する。なお、EVモード状態の場合には、ATコントローラ24に第1クラッチ4の開放指令を出力すると共に、ATコントローラ24に第2クラッチ5の締結指令を出力することで、第1クラッチ4を開放状態とすると共に、第2クラッチ5を締結状態とする。ここで、第2クラッチ5の締結状態には、滑り締結を含む。
また、HEVモード状態の場合には、ATコントローラ24に第1クラッチ4の締結指令を出力すると共に、ATコントローラ24に第2クラッチ5の締結指令を出力することで、第1クラッチ4を締結状態とすると共に、第2クラッチ5を締結状態とする。また、エンジン始動、または、停止処理の場合には、上述した締結・開放状態となるクラッチトルクを算出する。
なお、図3におけるVAPO演算部21Lは、上述した各種のクルーズ要求トルクから逆算して、対応する推定アクセル開度を演算し、この演算した推定アクセル開度を、変速用アクセル開度としてATコントローラ24に出力する。
(作用)
以下、図13及び図14のタイムチャートを参照して、本実施形態のハイブリッド車両が行う動作と、その動作に伴う作用について説明する。
自動走行である定速走行(クルーズ走行)の制御中ではない場合には、アクセル開度APOに基づくドライバ要求トルクを目標駆動力として、駆動源であるエンジン1及びモータ2の少なくとも一方の出力が制御される。
そして、ステアリングスイッチ28が操作されて、クルーズ走行が起動されると、運転者によって設定された車速(設定車速)とするためのクルーズ目標トルクが、目標駆動力として算出される。さらに、算出された目標駆動トルクとなるように、駆動源であるエンジン1及びモータ2の少なくとも一方の出力が制御される。
このように、自動走行状態であるクルーズ走行では、通常、自車両は設定車速で走行しているが、例えば、制限速度が低い道路へ侵入する場合等には、運転者によるコーストスイッチ(設定車速低下スイッチ)の操作(OFF→ON)により、設定車速を低下させる。
このときのタイムチャート例を、図13に示す。ここで、図13に示されるタイムチャートには、クルーズ走行中において、運転者によるコーストスイッチの操作により、車速及び目標駆動トルクが変化している状態を示している。
図13中に示すように、運転者によりコーストスイッチが操作(OFF→ON)される(「t4」の時点)と、目標駆動トルクの低下に伴い、コースト減速により、車速が低下する。ここで、運転者によるコーストスイッチの操作(OFF→ON)には、タップダウン操作も含む。
t4の時点から低下した車速が、運転者の意図した車速まで低下し、コースト減速が終了する(「t5」の時点)と、クルーズ走行における設定車速が、運転者の意図により低下する。そして、t5の時点以降は、コースト減速を終了し、コーストスイッチの操作により低下させた設定車速に基づく定速走行を再開する。
このとき、一時加速時緩変化要求が「OFF」に設定されているとともに、緩変化要求が「ON」に設定されているため、緩変化値は、「通常時用緩変化設定値」に設定されている(ステップS230参照)。
このため、本実施形態における目標駆動トルク、すなわち、図13中に実線で示す「緩変化処理後の目標駆動トルク」は、図13中に破線で示す「緩変化処理前の目標駆動トルク」と異なり、緩やかに増加する。
これにより、本実施形態では、コースト減速後に路面抵抗トルクへ復帰する目標駆動トルクが、急激に変化することを抑制することが可能となる。
したがって、本実施形態では、運転者によるコーストスイッチの操作による減速時に、スイッチ解除時のトルク変化挙動や、スイッチ操作に対する高いレスポンスが感じられるため、ドライバビリティ上の問題を減少させることが可能となる。
これに加え、コーストスイッチの操作による減速時では、後述する一時加速と比較して、コースト減速終了時から減少したトルクが路面抵抗トルクに復帰する(「t6」の時点)までに要する経過時間(t5からt6までの経過時間)を、短くすることが可能となる。
したがって、運転者自身によるスイッチ操作に連動したトルク変化挙動が発生するため、変化度合いの緩やかさが少なく、トルクの立ち上がり勾配が多少大きい場合であっても、運転者が急激なトルクの変化を感じることを抑制可能となる。
また、上記のように、自動走行状態であるクルーズ走行では、通常、アクセルペダル33はOFFとしておき、一時的に加速したい場合にのみ、運転者がアクセルペダル33を踏み込むこととなる。
このときのタイムチャート例を、図14に示す。ここで、図14に示されるタイムチャートには、クルーズ走行中において、運転者によるアクセル操作(APOが「OFF」→「ON」)により、車速及び目標駆動トルクが変化している状態を示している。
図14中に示すように、運転者によりアクセルペダル33が操作(APOが「OFF」→「ON」)される(「t7」の時点)と、目標駆動トルクの一時的な増加に伴い、自車両の車速が一時的に増加する。
t7の時点から増加した車速が、運転者の意図した車速まで増加して、アクセルペダル33の操作が停止(APOが「ON」→「OFF」)する(「t8」の時点)と、一時的に増加した目標駆動トルクの低下に伴い、コースト減速により、車速が低下する。
コースト減速により低下した車速が設定車速に戻り、コースト減速が終了する(「t9」の時点)と、t9の時点以降は、一時加速前の設定車速に基づく定速走行を再開する。
このとき、一時加速時緩変化要求が「ON」に設定されているため、緩変化値は、「一時加速時用緩変化設定値」に設定されている(ステップS210参照)。
このため、本実施形態における目標駆動トルク、すなわち、図14中に実線で示す「緩変化処理後の目標駆動トルク」は、図14中に破線で示す「緩変化処理前の目標駆動トルク」と異なり、緩やかに増加する。なお、上述したコーストスイッチの操作による減速時と比較して、コースト減速終了時から減少したトルクが路面抵抗トルクに復帰する(「t10」の時点)までに要する経過時間(t9からt10までの経過時間)は、長い時間となっている。
これにより、本実施形態では、一時加速時において、コースト減速後に路面抵抗トルクへ復帰する目標駆動トルクが、急激に変化することを抑制することが可能となるため、トルク変化挙動から受けるショックを抑制することが可能となる。
この結果、本実施形態では、クルーズ走行等の自動定速走行において、トルク変化挙動から受けるショックの抑制と、スイッチ操作に対するレスポンス向上とを両立させることが可能となる。
ここで、自動制御要求トルク演算部21Dbが、自動走行手段を構成する。また、ステアリングスイッチ28が、運転者によって起動操作を行う操作子を構成する。
また、緩変化要求判定部21Eaと、緩変化値設定部21Eb及びトルク緩変化処理部21Ecが、トルク緩変化手段を構成する。
(本実施形態の効果)
(1)自動走行手段が、運転者による起動操作により作動して、運転者が設定した走行状態に応じた目標車速に実際の車速を自動調整するための目標駆動力を算出する。これに加え、トルク緩変化手段が、減少した目標駆動トルクが増加へ反転する反転タイミングから増加した目標駆動トルクが路面抵抗トルクとなるまでの目標駆動トルクの増加度合いを変化させる。
上述した目標駆動トルクの増加度合いの変化は、自動走行手段の作動中に目標駆動力に応じた目標駆動トルクが運転者による目標駆動力の減少要求で路面抵抗トルク未満に減少すると行う。そして、運転者による目標駆動力減少要求の停止操作と反転タイミングが連動している場合には、連動していない場合よりも、目標駆動トルクの増加度合いを大きくする処理を行う。
これにより、運転者による目標駆動力減少要求の停止操作と反転タイミングが連動している場合には、連動していない場合よりも、反転タイミングから増加した目標駆動トルクが路面抵抗トルクとなるまでの経過時間を、短くすることが可能となる。
このため、運転者によるコーストスイッチの操作による減速時に、スイッチ解除時のトルク変化挙動や、スイッチ操作に対する高いレスポンスが感じられるため、ドライバビリティ上の問題を減少させることが可能となる。
これに加え、コーストスイッチの操作による減速時では、一時加速時と比較して、コースト減速終了時から減少したトルクが路面抵抗トルクに復帰するまでに要する経過時間を、短くすることが可能となる。
したがって、コーストスイッチの操作による減速時では、運転者自身によるスイッチ操作に連動したトルク変化挙動が発生することとなる。このため、変化度合いの緩やかさが少なく、トルクの立ち上がり勾配が多少大きい場合であっても、運転者が急激なトルクの変化を感じることを抑制可能となる。
また、一時加速時において、コースト減速後に路面抵抗トルクへ復帰する目標駆動トルクが、急激に変化することを抑制することが可能となるため、トルク変化挙動から受けるショックを抑制することが可能となる。
その結果、クルーズ走行等の自動定速走行において、トルク変化挙動から受けるショックの抑制と、スイッチ操作に対するレスポンス向上とを両立させることが可能となるため、運転者に与える違和感の抑制とドライバビリティの向上との両立が可能となる。
(2)一時加速時用緩変化設定値と通常時用緩変化設定値を、それぞれ、任意の値に調節することにより、トルク変化挙動から受けるショックの抑制度合いと、スイッチ操作に対するレスポンス向上度合いを、独立に設定することが可能となる。
このため、トルク変化挙動から受けるショックの抑制に対する要求と、スイッチ操作に対するレスポンス向上に対する要求を、例えば、ハイブリッド車両の車両特性等に応じて、適切に満足させることが可能となる。
(変形例)
(1)本実施形態では、緩変化処理としてレートリミット処理を用い、さらに、図15中に示すように、リミッタ値を、一点定数の固定値としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図16中に示すように、リミッタ値として、複数の値を切り替えてもよく、また、例えば、図17中に示すように、リミッタ値を、二次曲線的に変化する値としてもよい。また、例えば、図18中に示すように、緩変化処理としてフィルタ処理を用いてもよい。
(2)本実施形態では、緩変化要求判定部21Eaで設定した緩変化要求及び一時加速時緩変化要求、すなわち、二つのフラグにより、緩変化処理を実行するか否かを切り替えたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、緩変化要求判定部21Eaで設定した緩変化要求のみ、すなわち、一つのフラグのみにより、緩変化処理を実行するか否かを切り替えてもよい。
1 エンジン
2 モータ
3 自動変速機
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
7 駆動輪
20 アクセルセンサ
21 統合コントローラ
21A 要求発電トルク演算部
21B 要求エンジントルク演算部
21C モータ出力可能トルク演算部
21D 目標駆動トルク演算部
21Da ドライバ要求トルク演算部
21Db 自動制御要求トルク演算部(自動走行手段)
21Dc 第1目標駆動トルク演算部
21Dd 車速リミッタトルク演算部
21De 最終目標駆動トルク演算部
21E 車両状態モード決定部
21Ea 緩変化要求判定部(トルク緩変化手段)
21Eb 緩変化値設定部(トルク緩変化手段)
21Ec トルク緩変化処理部(トルク緩変化手段)
21F エンジン始動制御部
21G エンジン停止制御部
21H 目標エンジントルク算出部
21J 目標モータトルク算出部
21K 目標クラッチトルク算出部
21L VAPO演算部
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 ATコントローラ
25 ブレーキコントローラ
26 バッテリコントローラ
28 ステアリングスイッチ(起動操作を行う操作子)
30 クルーズキャンセルスイッチ
31 車間制御コントローラ

Claims (1)

  1. 駆動輪に駆動力を伝達する駆動源としてエンジン及びモータを備えるハイブリッド車両の走行を制御し、前記エンジンを駆動源として走行する走行時には、運転者が設定した走行状態に自動調整するための目標駆動力に応じた目標駆動トルクに対して前記エンジンが発生させるエンジントルクの応答遅れを補うように、前記モータでモータトルクを発生させようになっている車両用走行制御装置であって、
    前記運転者による起動操作により作動して、前記目標駆動力を算出する自動走行手段と、
    前記自動走行手段の作動中に前記目標駆動トルクが前記運転者が設定車速低下スイッチを操作してから停止させるまでの間に路面抵抗トルク未満に減少した後に、前記減少した目標駆動トルクが前記自動走行手段により増加へ反転して前記路面抵抗トルクとなるまでの増加度合いを、前記自動走行手段の作動中に前記運転者がアクセルペダルを操作して増加した前記目標駆動トルクが前記アクセルペダルの操作を停止して前記路面抵抗トルク未満に減少した後に、前記減少した目標駆動トルクが前記自動走行手段により増加へ反転して前記路面抵抗トルクとなるまでの増加度合いよりも大きくするトルク緩変化手段と、を備えることを特徴とする車両用走行制御装置。
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