JP5689674B2 - 歯磨剤用顆粒の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、水不溶性の結合剤として種々の有機結合剤を用いて調整された顆粒剤は、比較的容易に粒子強度を高めることができるが、一方で顆粒の弾性が増すため、顆粒の崩壊する際の感触が変化し、口腔内で違和感が生じる等の問題があった。
また、本出願人は、歯磨剤用顆粒の強度を簡便に調整することを目的として、水不溶性粉末材料及び水不溶性無機結合剤を含有する顆粒を28〜100℃で10時間以上保持する歯磨剤用顆粒の製造方法を提案した(特許文献2参照)。
すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕下記の工程(1)及び(2)を有する歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程(1):水不溶性粉末、珪酸ナトリウム、及び水を含有する水スラリーを乾燥して顆粒を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を110〜300℃で10分間以上保持する工程
〔2〕前記〔1〕の製造方法により得られた顆粒を含有する歯磨剤。
工程(1):水不溶性粉末、珪酸ナトリウム、及び水を含有する水スラリーを乾燥して顆粒を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を110〜300℃で10分間以上保持する工程
以下、本発明方法に用いられる成分及び工程について順次説明する。
本発明に用いられる水不溶性粉末に特に制限はなく、歯の研磨剤として一般に用いられるものを使用することができる。例えば、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、複合アルミノケイ酸塩、炭酸マグネシウム等が挙げられる。これらの中では、清掃効果、取り扱い性、及び汎用性の観点から、ゼオライト、炭酸カルシウム、及びシリカから選ばれる1種以上が好ましく、ゼオライトがより好ましい。
これら水不溶性粉末は単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
ゼオライトの粒子の大きさは0.1〜20μm程度のものが通常用いられるが、10μm以下の低研摩性の粒子を造粒しても歯の表面に強く吸着した着色ペリクルを除くに十分な研摩力を生じさせて、歯を白くし、顆粒の崩壊後は、研摩力が減少し、長時間の歯磨き操作でも歯を傷つけない(低為害性)という特長を付与することができる。
ゼオライトの平均粒径が小さければイオン交換能が高まり、歯垢除去効果、歯石予防効果が更に高まるという利点があるが、研摩効果との兼ね合いから、平均粒径は0.5〜10μmが好ましい。なお、この平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定することができる。
また、炭酸カルシウムの比表面積は、汚れ除去力の観点から、1〜10m2/gが好ましく、2〜8m2/gがより好ましい。なお、この比表面積はN2ガス吸着によるBET法により求めることができる。
本発明において、水溶性無機結合剤である珪酸ナトリウムは、粒子を適度に崩壊させるために用いられる。この珪酸ナトリウムは、後述する工程(1)の水スラリー乾燥時に、好ましくは水スラリーを噴霧乾燥する時に、水分の蒸発に伴って顆粒の強度を高める機能を有する。珪酸ナトリウムの種類と、その量を調整することにより、顆粒の崩壊強度を適宜調整することができる。
珪酸ナトリウムとしては、メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3)、オルト珪酸ナトリウム(Na4SiO4)、二珪酸ナトリウム(Na2Si2O5)、四珪酸ナトリウム(Na2Si4O9)及びそれらの水和物が挙げられるが、一般にNa2O・nSiO2・mH2Oの分子式で表される。係数n(SiO2・Na2Oの分子比)はモル比と呼ばれ、下記式(1)で表すことができる。
モル比=質量比(SiO2質量%/Na2O質量%)×Na2Oの分子量/SiO2の分子量 (1)
珪酸ナトリウムの物性は前記モル比によって異なるが、pHの観点から、前記モル比は好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.4〜3.5、更に好ましくは2.8〜3.5、特に好ましくは3.0〜3.3である。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内で、水不溶性粉末及び珪酸ナトリウム以外の他の研磨性粉体や結合剤、水不溶性繊維、薬用成分、着色剤を配合することができる。
他の研磨性粉体としては、歯の研磨剤として一般に用いられるもの、例えば、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
水不溶性無機結合剤としては、水酸基を有するケイ素系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、マグネシウム系化合物等を用いることができる。その具体例としては、コロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、水酸化アルミニウムゲル、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
ム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる油脂としては、ワックス、パラフィン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる高分子や樹脂としては、(i)キサンタンガム、デキストリン、ゼラチン等の多糖類、及びそれらの誘導体、(ii)ゴム系ラテックス等、(iii)アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、マレイン酸エステル、メチルビニルエーテル、α−オレフィン等の単独重合体、及びそれらの共重合体等が挙げられる。
薬用成分としては、虫歯予防剤、抗微生物剤、酵素、抗炎症剤等が挙げられ、具体的には、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化錫、モノフルオロリン酸ナトリウム、ビタミンE、ビタミンC、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、塩化ナトリウム等の抗炎症剤;乳酸アルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、β−グリチルレチン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、酢酸dl−トコフェロール、硝酸カリウム等の知覚過敏予防剤;トリポリリン酸ナトリウム、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;亜鉛化合物等の歯垢形成抑制剤、ジヒドコレステロール、クロルヘキシジン、エピジヒドコレステロール、イソプロピルメチルフェノール、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、ヒノキチオール、アラントイン、トラネキサム酸、プロポリス、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、トリクロサン等の殺菌剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、群青等が挙げられ、これらの着色剤を添加することにより審美的効果を付加することができる。
上記の他の配合成分は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
本発明の歯磨剤用顆粒中の水不溶性粉末の含有量は、崩壊性、顆粒崩壊後の研磨力及び歯への損傷防止という観点から、60〜99質量%が好ましく、65〜99質量%がより好ましく、67〜98質量%がより好ましく、68〜97質量%がより好ましく、70〜96質量%が更に好ましい。
歯磨剤用顆粒中の珪酸ナトリウムの含有量は1質量%以上が好ましい。1質量%以上であれば、顆粒内部での結合力が強くなり、所望の崩壊強度を有する顆粒を得ることができる。珪酸ナトリウムの含有量は、より好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。
一方、珪酸ナトリウムの含有量が40質量%以下であれば、顆粒内部での結合力が強くなり過ぎることなく、所望の崩壊強度を有する顆粒が得られるものと推察される。よって、珪酸ナトリウムの含有量の上限は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、より好ましくは33質量%以下、より好ましくは32質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
また、任意成分である結合剤、水不溶性繊維、薬用成分、及び着色剤の含有量は、崩壊感触の観点から、水不溶性粉末及び珪酸ナトリウムの合計量100質量部に対して3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましく、配合しないことが最も好ましい。
本発明の歯磨剤用顆粒は、下記工程(1)及び(2)を有する方法により製造される。
工程(1):水不溶性粉末、珪酸ナトリウム、及び水を含有する水スラリーを乾燥して顆粒を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を110〜300℃で10分間以上保持する工程
工程(1)は、生産性の観点から、以下の工程(1−I)及び(1−II)を有する方法によることが好ましい。
工程(1−I):水不溶性粉末、珪酸ナトリウム、及び水を混合し、固形分が30〜60質量%の水スラリーを調製する工程
工程(1−II):工程(1−I)で得られた水スラリーを乾燥して、珪酸ナトリウムを1〜40質量%(固形分含量換算)含有する顆粒を得る工程
工程(1−I)は、水不溶性粉末、珪酸ナトリウム及び水を混合し、固形分が30〜60質量%の水スラリーを調製する工程である。
珪酸ナトリウム水溶液を用いる場合、水が含まれているため、更に水を添加する必要がないことがあるが、通常は、水スラリーの見掛け粘度を調整する観点から、別途に水を添加することが好ましい。
水の配合量は、生産性と所望の顆粒の湿式崩壊強度を得る観点から、珪酸ナトリウム水溶液の水も含めて、水スラリー中における固形分濃度が30〜60質量%になるように調整することが好ましく、40〜60質量%になるように調整することがより好ましい。
工程(1−I)における各成分の混合は、公知の方法で行うことができるが、例えば、バッチ式、連続式、セミバッチ式のいずれであってもよい。その際、混合温度は、通常の室温程度であればよく、5〜40℃が好ましい。混合時間は固形分濃度がある程度均一になる時間であれば特に制限はないが、通常10〜300分間、好ましくは20〜180分間、より好ましくは30〜120分間である。
工程(1−II)は、工程(1−I)で得られた水スラリーを乾燥して、珪酸ナトリウムを固形分含量換算で1〜40質量%含有する顆粒を得る工程である。
乾燥法は、水スラリーの水分を除去できる方法であれば特に制限はないが、生産性の観点から、噴霧乾燥機、流動層乾燥機を用いる方法が好ましく、得られる顆粒の崩壊強度や顆粒の真球度及び熱効率の観点から、噴霧乾燥法がより好ましい。
噴霧乾燥法としては、並流式噴霧乾燥塔や向流式噴霧乾燥塔を用いる方法が挙げられるが、並流式噴霧乾燥塔を用いる方法がより好ましい。
工程(1)で得られる顆粒は、前記のとおり、珪酸ナトリウムを固形分含量換算で2〜35質量%含有することが好ましく、3〜33質量%含有することがより好ましく、4〜32質量%含有することがより好ましく、4〜30質量%含有することが更に好ましい。い。
上記工程(1−I)及び(1−II)を含む方法により、工程(1)の顆粒が得られるが、工程(2)では、この工程(1)で得られた顆粒を、110〜300℃で10分間以上保持して熱処理する。
本発明では、珪酸ナトリウムを用い、特定の条件で熱処理を加えることで水中においても顆粒形態を保持できることを見出した。この熱処理により強度が高まる理由は定かではないが、温度が高いほど湿式崩壊強度の増加率が高く、かつ、125℃以上で増加率が高くなる傾向にあり、140℃以上で増加率が顕著に高くなる傾向にあることから、珪酸ナトリウムによる結合力が反応等により強固になっているものと考えられる。
工程(2)の熱処理は、保持時間を短縮する観点から、好ましくは125℃以上、より好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは170℃以上であり、熱源コストを削減する観点から、好ましくは270℃以下、より好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下、更に好ましくは210℃以下である。
また、保持時間は、保持時間の選択や、所望する湿式崩壊強度の増加率等により適宜決定しうるが、湿式崩壊強度の増加、処理の均一性向上の観点から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上であり、生産性や保管コスト等の観点から、好ましくは24時間以下、より好ましくは12時間以下、より好ましくは6時間以下、熱処理好ましくは3時間以下、更に好ましくは2時間以下である。
工程(2)の熱処理により、顆粒の湿式崩壊強度を150〜1600%程度、好ましくは190〜1600%程度、より好ましくは300〜1600%増大させることができる。このため、本発明によれば、目的・用途に応じて、顆粒の湿式崩壊強度を目的とする範囲に簡便に調整することができる。
本発明方法により得られる歯磨剤用顆粒の崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯垢除去効果を認識できるにもかかわらず、異物感をほとんど感ずることなく、また歯のエナメル質を傷つけることなく研磨力を発揮させる観点から、好ましくは2〜10g/個(顆粒1個あたり2〜10gの荷重で崩壊)、より好ましくは2〜8g/個、更に好ましくは3〜7g/個である。
歯磨剤用顆粒の湿式崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯垢除去効果を認識できるにもかかわらず、異物感をほとんど感ずることなく、また歯のエナメル質を傷つけることなく研磨力を発揮させる観点から、好ましくは30〜98%、より好ましくは35〜95%である。
なお、崩壊強度、湿式崩壊強度は、実施例に記載の方法により測定される。
上記したような平均粒径及び崩壊強度を有する顆粒は、珪酸ナトリウムの種類、配合量、及び製造条件を適宜変化させることによって製造することができる。
本発明方法により得られた顆粒は、歯磨剤中に好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜30質量%配合される。前記組成の顆粒を配合した歯磨剤を使用すると、口腔内で顆粒の触知ができて、みぞれ状の感触(シャリシャリ感)を与えるが、徐々に崩壊していき、清掃効果感を認知できるという特徴を有する。
歯磨剤の調製は常法により行うことができる。この際、歯磨剤に通常使用される他の成分、例えば、粘結剤、湿潤剤、甘味剤、界面活性剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、その他一般に使用されている、炭酸カルシウム等の歯磨用研磨剤、賦形剤等を配合することができる。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、増粘性シリカ、モンモリロナイト、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、グアガム、ペクチン等が挙げられる。
湿潤剤としては、ソルビット、プロピレングリコール1,3ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールキシキリット、マルチット、ラクチット、エリスリトール等が挙げられ、甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステピオサイド、タイマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。
防腐剤としては、パラベン、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル、p−オキシ安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸ブチル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
香料としては、メントール及びメントールを含む天然物;バジル、カンファー、キャラウェイ、カルダモン、コリアンダー、ゼラニウム、ジンジャー、ローレル、ラベンダー、メース、ナツメグ、ペッパー、ローズ、ローズマリー、タイム、イランイラン、ジャスミン、バニラ、ヒソップ、ラバンジン、オリス、キャロットシード、ダバナ、エレミ、オスマンタスの精油及び抽出物;ボルネオール及びその誘導体;ヘリオトロピン;α−、β−、γ−、δ−イオノン及びこれらの誘導体;チモール、バニリン、エチルバニリン、マルトール並びにエチルマルトール等が挙げられる。
薬用成分及び着色剤としては、前記のものが挙げられる。
上記成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(1)水不溶性粉末及び珪酸ナトリウム水溶液の固形分
赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、105℃、Autoの条件で測定した揮発自由水分を除くことで算出した。
(2)顆粒の平均粒径
JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、篩分け法による篩下重量分布について50%平均径を算出し、これを平均粒径とする。
(3)顆粒の崩壊強度
微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、商品名:MCTM−500)を用いて平均粒径付近の顆粒を10個測定し、平均値で表した。
まず、JISZ8801−1規定の500、355、250、180、150、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、150〜180μm粒度の顆粒をサンプルとした。次に、スクリュー管(株式会社マルエム製、No.6)に、ステンレス球(直径4mm)を15g、顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、1度逆さにした。その後、30分間静置し、錠剤摩損試験機(萱垣医理科工業株式会社製)にて、75r/minで2分30秒間回転させた。
得られた顆粒サンプルを150μmの篩で濾過し、105℃、30分間乾燥した後、デシケーターで常温に冷まし、150μmの篩をミクロ型電磁振動機(筒井理化学器械株式会社製、ミクロ型電磁振動ふるい器、M−2)にて振動強度5.5、1分間振盪させ、その後秤量した。以下の計算式にて算出した値を湿式崩壊強度とした。
湿式崩壊強度(%)=150μm篩に残留する顆粒質量÷初期サンプル質量×100
(1)顆粒の製造(工程(1))
表1に示す配合割合で、ゼオライト(ゼオビルダー株式会社製、商品名:ゼオライト(パウダー)、固形分91.9%、平均粒径約3μm)と、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ(前記式(1)で表されるモル比:3.0〜3.3、ボーメ度:40〜53)、固形分:54.3%)と、水とを、ディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー株式会社製、型式:HS−P3)で混合し、固形分が48.1%の水スラリーを得た(工程(1−I))。なお、水スラリー調製は、先ず混合槽に水を投入し、次いで珪酸ナトリウム水溶液を投入し、次にゼオライトを添加し、混合することによって行った。
得られた水スラリーを、送風温度190℃で噴霧乾燥した後、室温条件下に置き、珪酸ナトリウムを固形分含量換算で11%含有する、平均粒径201μm、崩壊強度7g/個、湿式崩壊強度8%の顆粒を得た(工程(1−II))。結果を表1に示す。
(1)顆粒の製造(工程(1))
比較例1に記載の方法により顆粒を製造した。
(2)熱処理(工程(2))
比較例1で得られた顆粒をSUS製のバットに入れ、30℃、3000時間の条件で熱処理を行った。結果を表1に示す。
(1)顆粒の製造(工程(1))
比較例1に記載の方法により顆粒を製造した。
(2)熱処理(工程(2))
比較例1で得られた顆粒をSUS製のバットに入れ、表1に示す条件(保持温度と保持時間)で熱処理を行った。結果を表1に示す。
(1)顆粒の製造(工程(1))
比較例1の工程(1)において、表1に示すスラリー組成割合とした以外は、比較例1と同様にして、顆粒を得た。結果を表1に示す。
(1)顆粒の製造(工程(1))
比較例3〜5に記載の方法により顆粒を製造した。
(2)熱処理(工程(2))
比較例3〜5で得られた顆粒をSUS製のバットに入れ、表1に示す条件(保持温度と保持時間)で熱処理を行った。結果を表1に示す。
比較例1及び実施例5で得られた顆粒の水中における形態観察を以下の手順で行った。
まず、SUS製の容器(φ133)にイオン交換水90g、顆粒10gを添加した10%水スラリーを、プロペラ翼(翼径:60mm、攪拌機:アズワン株式会社製SM−102)で、300r/min(0.94m/s)の条件で10分間混合した。その後、100メッシュでろ過を行い、メッシュ残渣を105℃、30分間の条件で乾燥した。乾燥後のサンプルの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影した。
比較例1で得られた顆粒のSEM写真を図1に、実施例5で得られた顆粒のSEM写真を図2に示す。図1から、工程(2)の熱処理を行わない顆粒は水中で顆粒の形態が維持できず崩壊してしまうことが分かり、図2から、工程(2)の熱処理を行うことで顆粒構造を維持できることが分かる。
また、表1の実施例1〜3に示すように、工程(2)の熱処理温度を130℃から200℃に上げることで、湿式崩壊強度が増加することが分かる。
実施例、及び比較例で得られた顆粒を評価するために、顆粒を下記の組成の歯磨剤に配合し、顆粒感の評価を行った。
(歯磨剤組成)
(質量%)
顆粒 15.0
炭酸カルシウム 5.0
ポリエチレングリコール 5.0
ソルビット液 30.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.1
香料 1.0
水 残 量
計 100.0
Claims (7)
- 下記の工程(1)及び(2)を有する歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程(1):水不溶性粉末、珪酸ナトリウム、及び水を含有する水スラリーを乾燥して顆粒を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた顆粒を110〜300℃で10分間以上保持する工程 - 水不溶性粉末が、ゼオライト、炭酸カルシウム及びシリカから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 工程(1)における乾燥が噴霧乾燥である、請求項1又は2に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 水スラリーの固形分濃度が30〜60質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 工程(1)で得られる顆粒が珪酸ナトリウムを1〜40質量%(固形分含量換算)含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 顆粒の平均粒径が500μm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られた顆粒を含有する歯磨剤。
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