JP5684069B2 - 杭構造 - Google Patents
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Description
構造物の基礎を支持する杭には鉛直荷重により常時圧縮力が作用しているが、地震時には、水平荷重により曲げ応力やせん断応力が生じるとともに、転倒モーメントにより引張力が生じ、杭に引抜き方向の力が作用する。
そこで、基礎にかかるコストを削減するために、杭の内部に引張力を負担するアンカー材を埋設することで、杭径や鉄筋量を増さずに大きな引張力に抵抗する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、既製杭の先端部分の外周面にリブのような突起物を設けても、実際に引抜力が作用すると、既製杭が根固め層から抜けてしまうおそれがある。
さらに、支圧板が既製杭の先端に固定されていると、アンカー材が既製杭と一体化されているため、既製杭本体の引き抜き抵抗しか得られず、既製杭先端部の根固め層を十分に活用できず、高い引抜き耐力が得られない可能性もある。
よって、杭に作用する引抜き力を、既製杭の周面摩擦による抵抗と、連結部材およびプレートを介した根固め部による抵抗と、で負担するから、高い引抜き耐力を確実に得ることができる。
よって、杭に作用する引抜き力を、既製杭の周面摩擦による抵抗と、これと並列的に機能する連結部材およびプレートを介した根固め部による抵抗と、で負担するから、高い引抜き耐力を確実に得ることができる。
なお、連結材に大きな緊張力を加えることは、常時で大きな圧縮力を受けている根固め部にさらに圧縮力を導入することになるため、好ましくない。したがって、緊張力の大きさは、根固め部の強度に影響を与えない程度、例えば連結部材にたるみが生じない程度の大きさとするのが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る杭の側面図および断面図である。
杭1は、建物の基礎2を支持するものであり、基礎2の下面から下方に向かって鉛直方向に延びている。
杭1は、地盤3に掘削された杭穴10と、この杭穴10の先端部分に築造された根固め部12と、杭穴10に挿入された中空の鉄筋コンクリート製の既製杭20と、根固め部12に埋め込まれて定着した支圧プレート30と、既製杭20の内部に挿通されて支圧プレート30に連結される連結部材31と、を備える。
根固め部12は、杭穴10の拡底部分11に充填された根固め液としてのセメントミルクが固化して築造されている。このセメントミルクは、ある程度の強度を安定して得られるものである。これにより、この根固め部12の全体が支持層の中に位置しており、根固め部12の外径は、既製杭20の外径よりも大きくなっている。
既製杭20の先端部分は、根固め部12にある程度埋め込まれている。なお、この既製杭20の埋め込み深さは、適宜決定されてよい。
連結部材31の材質および断面積は、伝達する引抜き力の大きさと既製杭20との軸剛性とを考慮して、適宜決定されてよい。
まず、地上にて既製杭20を現場に搬入し、この既製杭20の先端側に支圧プレート30を配置し、さらに、連結部材31を既製杭20に挿通して支圧プレート30に連結しておく。このようにして、既製杭20、支圧プレート30、および連結部材31を一体化させておく。
その後、基礎2を構築し、連結部材31に緊張力を導入して、この緊張力を導入した状態で連結部材31の上端部分を基礎2に定着させる。
(1)既製杭20の先端より下側の根固め部12内に支圧プレート30を配置し、この支圧プレート30に連結部材31を連結した。ここで、支圧プレート30を既製杭20の先端面より下側に離隔して配置したので、根固め部12の一部が既製杭20と支圧プレート30との間に挟まれ、引抜き力に対して根固め部12のせん断抵抗を利用できる。また、従来のように先端にプレートを固定した場合に比べて、プレートがより根固め部12の底に近くなり、連結部材31に作用する引張力が、根固め部12のより深い位置から上方にコーン状に広がって根固め部12の周辺まで確実に伝達されるので、根固め部の引抜き抵抗能力を最大限に活用できる。
よって、杭1に作用する引抜き力を、既製杭20の周面摩擦による抵抗と、これと並列的に機能する連結部材31および支圧プレート30を介した根固め部12による抵抗と、で負担するから、高い引抜き耐力を確実に得ることができる。
例えば、本実施形態では既製杭20を鉄筋コンクリート造としたが、これに限らず、既製杭を鋼管杭としてもよい。
また、本実施形態では、連結部材31の上端側を基礎2に定着したが、これに限らない。例えば鋼管杭など、既製杭が十分な引き抜き耐力を有している場合には、図3に示すように、連結部材31Aの上端側を既製杭20の杭体に連結してもよい。
2…基礎
3…地盤
10…杭穴
11…拡底部分
12…根固め部
20…既製杭
30…支圧プレート
31、31A…連結部材
32…プレート
40…杭打ち機
41…クレーン
Claims (2)
- 構造物を支持する杭構造であって、
地盤に掘削された杭穴と、当該杭穴の先端部分に充填された根固め液が固化して築造された根固め部と、前記杭穴に挿入された中空の既製杭と、前記根固め部に埋め込まれて前記既製杭の先端面より下側に離隔して配置されたプレートと、下端側を前記プレートに連結されるとともに、上端側を前記既製杭の杭体に定着させる緊張力が導入された連結部材と、を備え、
前記根固め部の外径は前記既製杭の外径より大きく、該根固め部は前記杭穴の拡底部分に形成されており、
前記プレートの外径は、前記既製杭の外径より大きいことを特徴とする杭構造。 - 構造物を支持する杭構造であって、
地盤に掘削された杭穴と、当該杭穴の先端部分に充填された根固め液が固化して築造された根固め部と、前記杭穴に挿入された中空の既製杭と、前記根固め部に埋め込まれて前記既製杭の先端面より下側に離隔して配置されたプレートと、下端側を前記プレートに連結されるとともに、上端側は前記既製杭の内部を挿通させて、該既製杭の上端側に設けられた基礎に定着させる緊張力が導入された連結部材と、を備え、
前記根固め部の外径は前記既製杭の外径より大きく、該根固め部は前記杭穴の拡底部分に形成されおり、
前記プレートの外径は、前記既製杭の外径より大きいことを特徴とする杭構造。
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