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JP5679016B2 - プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法 - Google Patents

プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法 Download PDF

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JP5679016B2 JP2013161945A JP2013161945A JP5679016B2 JP 5679016 B2 JP5679016 B2 JP 5679016B2 JP 2013161945 A JP2013161945 A JP 2013161945A JP 2013161945 A JP2013161945 A JP 2013161945A JP 5679016 B2 JP5679016 B2 JP 5679016B2
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Description

本発明は、プロジェクタおよびプロジェクタの制御方法に関するものである。
従来から、画像を表す投写光を投写面に投写するプロジェクタが利用されている。プロジェクタと投写面との間の距離は、種々に変化し得る。そこで、投写光の焦点を移動させることが可能なプロジェクタが利用されている。焦点を移動(調整)する技術としては、手動で焦点を調整する技術と、自動的に焦点を調整する技術とが、知られている。
特開平6−303487号公報 特開平6−331881号公報 特開2001−255452号公報 特開2003−241070号公報 特開2005−140943号公報 特開2005−284156号公報
ところが、ユーザが手動で焦点を調整する場合に、精度良く焦点を調整することはユーザにとって容易では無かった。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ユーザが容易に精度良く焦点を調整することを可能にする技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。本発明の一形態によれば、プロジェクターが提供される。このプロジェクターは、ユーザーの操作に従って前記投写光の焦点を移動させる焦点調整部と、前記投写光によって所定のパターンを表す部分を含む調整用画像を投写する調整用画像投写部と、前記調整用画像が投写された状態の前記投写面を撮像して画像データを生成する撮像部と、前記画像データを解析することによって、前記投写面における前記焦点の合焦状態を特定する特定部と、前記特定された前記合焦状態を表示する状態表示部と、を備え、前記調整用画像は、前記特定された前記合焦状態を表す棒グラフと、前記所定のパターンを表す部分とを含み、前記特定部が行う画像データの解析は、前記画像データの輝度を空間周波数で分解し、所定の閾値よりも高い空間周波数成分の強度の積算値である高周波強度を算出することを含み、前記特定部は、前記投写面に焦点があっている場合における前記高周波強度を基準値とし、前記焦点の移動によって変動した前記高周波強度の、前記基準値に対する割合を指標値とし、前記棒グラフは、前記指標値を示す。プロジェクターの手動フォーカス調整は、プロジェクターのフォーカスリングを回転させて行うことが多いが、フォーカスを合わせるために、フォーカスリングをどちら向きに回転させる必要があるか、ユーザーが直感的にわかりにくい場合がある。この形態のプロジェクターによれば、投写面に焦点があっている場合における高周波強度を基準値とし、焦点の移動によって変動した高周波強度の、基準値に対する割合を指標値とし、前記棒グラフは、指標値を示すことができる。すなわち、合焦状態を棒グラフで表せる。その結果、ユーザーが棒グラフの変化を観察することで、フォーカスリングを回している方向が正しいのか、否か、を把握しやすい。さらに、投写面との距離を測定しなくても合焦状態を取得できる。
[適用例1]画像を表す投写光を投写面に投写するプロジェクタであって、ユーザの操作に従って前記投写光の焦点を移動させる焦点調整部と、前記投写光によって所定のパターンを表す部分を含む調整用画像を投写する調整用画像投写部と、前記調整用画像が投写された状態の前記投写面を撮像して画像データを生成する撮像部と、前記画像データを解析することによって、前記投写面における前記焦点の合焦状態を特定する特定部と、前記特定された前記合焦状態を表示する状態表示部と、を備える、プロジェクタ。
この構成によれば、投写面における焦点の合焦状態の特定に、所定のパターンを表すパターン部分を含む調整用画像が投写された投写面を表す画像データが利用されるので、合焦状態の特定の精度を高めることができる。そして、特定された合焦状態が表示されるので、ユーザは、容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例2]適用例1に記載のプロジェクタであって、前記特定部は、前記合焦状態を表すとともに前記焦点の移動によって変動する指標値を、前記画像データを解析することによって算出し、前記状態表示部は、前記指標値を表示し、前記撮像部は、前記撮像を繰り返し、前記特定部は、前記繰り返される撮像のそれぞれに応じて前記指標値を算出し、前記状態表示部は、前記算出された前記指標値に応じて、前記表示される指標値を繰り返し更新する、プロジェクタ。
この構成によれば、ユーザは、表示された指標値の変化を参考にして焦点を調整することによって、容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例3]適用例2に記載のプロジェクタであって、前記指標値は、(A)前記画像データによって表される所定の色成分の、空間周波数の所定範囲から得られる強さと、(B)前記画像データにおけるコントラストの強さと、のいずれかを表す、プロジェクタ。
この構成によれば、焦点の位置と投写面の位置との一致の度合いを適切に表す指標値をユーザが参考にすることができるので、ユーザは容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例4]適用例1に記載のプロジェクタであって、前記特定部は、(A)前記画像データを解析することによって前記投写面の第1位置を特定し、(B)前記焦点調整部の現行の調整設定に対応付けられた前記焦点の第2位置を特定し、前記状態表示部は、前記第1位置と前記第2位置との間の距離を表示し、前記特定部は、前記第2位置の特定を繰り返し、前記状態表示部は、前記特定された前記第2位置に応じて、前記表示される前記距離を繰り返し更新する、プロジェクタ。
この構成によれば、ユーザは、第1位置と第2位置との間の距離が小さくなるように焦点を調整することによって、容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例5]適用例4に記載のプロジェクタであって、前記状態表示部は、さらに、前記第1位置と前記第2位置とのいずれが前記プロジェクタに近いかを表示する、プロジェクタ。
この構成によれば、ユーザは、第1位置と第2位置とのいずれがプロジェクタに近いかに応じて、容易に焦点の調整すべき方向を確認できる。その結果、ユーザは、容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれかに記載のプロジェクタであって、前記調整用画像投写部は、ユーザによって前記焦点調整部が操作されたことに応じて、前記調整用画像を投写する、プロジェクタ。
この構成によれば、ユーザが焦点を調整しようとしたことに応じて調整用画像が投写されるので、ユーザは、容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載のプロジェクタであって、前記所定のパターンは、交互に配置された互いに所定の色成分の強度の異なる第1領域と第2領域とを含む、プロジェクタ。
この構成によれば、所定のパターンが、交互に配置された互いに所定の色成分の強度の異なる第1領域と第2領域とを含むので、焦点の位置の変化に応じて、画像データが大きく変化する。その結果、合焦状態の特定の精度を高めることができる。そして、特定された合焦状態が表示されるので、ユーザは、容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれかに記載のプロジェクタであって、前記状態表示部は、前記特定された前記合焦状態を表す状態表示部分と前記所定のパターンを表す部分とを含む画像に、前記調整用画像を更新することによって、前記合焦状態を表示する、プロジェクタ。
この構成によれば、ユーザは、実際に投写された調整用画像の観察によって合焦状態を確認できるので、容易に精度良く焦点を調整することができる。
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれかに記載のプロジェクタであって、さらに、表示装置を含み、前記状態表示部は、前記表示装置に、前記合焦状態を表示させる、プロジェクタ。
この構成によれば、投写された画像がぼやけている場合であっても、ユーザは、表示装置による表示を観察することによって合焦状態を確認できるので、容易に焦点を調整することができる。
[適用例10]画像を表す投写光を投写面に投写するとともに、ユーザの操作に従って前記投写光の焦点を移動させる焦点調整部を含むプロジェクタの制御方法であって、前記投写光によって所定のパターンを表す部分を含む調整用画像を投写する工程と、前記調整用画像が投写された状態の前記投写面を撮像して画像データを生成する工程と、前記画像データを解析することによって、前記投写面における前記焦点の合焦状態を特定する工程と、前記特定された前記合焦状態を表示する工程と、を備える、方法。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、プロジェクタの制御方法およびプロジェクタ、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としてのプロジェクタを示す説明図である。 アシスト処理の手順を示すフローチャートである。 調整用画像AIを示す説明図である。 撮影された画像を示す説明図である。 調整用画像の別の実施例を示す説明図である。 位置と撮影された画像との関係を示す説明図である。 撮影された画像を示す説明図である。 プロジェクタ100Aを示す説明図である。 プロジェクタ100Bを示す説明図である。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としてのプロジェクタを示す説明図である。このプロジェクタ100は、画像信号に従って画像を表す投写光を投写して、スクリーンSC等の投写面上に画像を表示する画像表示装置である。このプロジェクタ100は、表示制御部200と、光源300と、液晶ライトバルブ310と、投写光学系320と、撮像部400と、を備えている。
光源300は、投写光のための光源である。光源300としては、高圧水銀ランプや、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等の種々の光源ランプを採用可能である。また、光源300としては、このような光源ランプに限らず、発光ダイオードやレーザーダイオード等の種々の光源を採用可能である。
液晶ライトバルブ310は、複数の画素を有し、表示制御部200(出力映像処理部230)から供給される駆動電圧に基づいて各画素を駆動する。液晶ライトバルブ310は、駆動電圧に応じて液晶を動作させることにより、光源300から照射された照明光を、画像を表す投写光に変調する。なお、本実施例では、液晶ライトバルブ310は、赤(R)と緑(G)と青(B)との3つの色成分のための3つのライトバルブをそれぞれ含んでいる(図示省略)。表示制御部200は、RGBのそれぞれのライトバルブを制御する。ただし、1つの液晶ライトバルブを利用してモノクロ画像を投写してもよい。
投写光学系320は、投写光を、投写面(例えば、スクリーンSC)に向けて投写する。投写光学系320は、図示しない複数のレンズと、投写光の焦点(結像点ともよばれる)を移動させるフォーカスリング322と、フォーカスリング322の動きを検出する検出部324と、を含んでいる。フォーカスリング322は、投写光学系320に含まれる1つあるいは複数のレンズと機械的に連結されている。ユーザがフォーカスリング322を回転させることによって、投写光学系320内のレンズの配置が変化し、投写光の焦点が移動する。これにより、投写面(例えば、スクリーンSC)とプロジェクタ100との間の種々の距離において、投写面に焦点を合わせることができる。なお、フォーカスリング322は、特許請求の範囲における「焦点調整部」に相当する。
撮像部400は、投写面(例えば、スクリーンSC)を撮像(撮影)して画像データを生成する撮像装置である。本実施例では、CCD(Charge Coupled Device)カメラが、撮像部400として採用されている。なお、撮像部400としては、CCDカメラに限らず、CMOSカメラ等の種々の撮像装置を採用可能である。また、生成される画像データは、カラー画像データであってもよく、所定の色成分(例えば、輝度)で表されたモノクロ画像データであってもよい。
表示制御部200は、プロジェクタ100の各構成要素を制御する。表示制御部200は、入力映像処理部210と、映像選択部220と、出力映像処理部230と、取得画像処理部240と、フォーカス状態特定部250と、状態表示部255と、調整用画像投写部260と、を有している。表示制御部200の各要素は、専用のデバイスや回路等のハードウェアによって、構成されている。
入力映像処理部210は、表示制御部200に供給される映像信号(画像信号)を、表示制御部200で処理可能なデジタルデータに変換する。入力映像処理部210は、例えば、A/D変換(アナログデジタル変換)や、I/P変換(インタレースプログレッシブ変換)を実行する。入力映像処理部210は、変換後のデータを映像選択部220に供給する。なお、表示制御部200には、図示しない画像供給装置(例えば、DVD再生装置やパーソナルコンピュータ)が接続される。画像供給装置は、映像信号(画像信号)を表示制御部200(入力映像処理部210)に供給する。映像信号(画像信号)としては、コンポジット信号や、コンポーネント信号や、デジタル信号などの種々の信号を採用可能である。
映像選択部220は、投写すべき画像を選択する。本実施例では、入力映像処理部210によって供給された画像と、後述する調整用画像と、のいずれか一方を選択する。映像選択部220は、選択した画像を表す画像データを、出力映像処理部230に供給する。
出力映像処理部230は、映像選択部220から受信した画像データに従って、液晶ライトバルブ310を駆動する(液晶ライトバルブ310に駆動電圧を印加する)。その結果、映像選択部220によって選択された画像が、スクリーンSCに表示される。なお、出力映像処理部230は、ガンマ補正やVT補正等の色を調整する処理を実行してもよい。ガンマ補正は、明るさのガンマ特性を調整する処理である。VT補正は、液晶ライトバルブ310に固有な非線形な入出力特性に応じて画像データ(例えば、RGBの各色成分の階調値)を補正する処理である。
なお、図示しない画像供給装置によって表示制御部200に供給される画像信号は、時系列の順番に並んだ複数の画像(フレーム画像とも呼ばれる)を表している。スクリーンSCに投写されるフレーム画像は、画像信号に従って更新される。その結果、時系列の順番に並んだ複数のフレーム画像は、その順番に投写される。
取得画像処理部240とフォーカス状態特定部250と状態表示部255と調整用画像投写部260とは、撮像部400によって生成された画像データを利用した処理を実行する。この処理は、フォーカスリング322を操作して投写光の焦点を合わせるユーザをアシストするためのものである(以下、「アシスト処理」と呼ぶ)。取得画像処理部240は、撮像部400によって生成された画像データを、フォーカス状態特定部250による処理に適した画像データに変換する。例えば、取得画像処理部240は、ガンマ補正を行う。フォーカス状態特定部250は、取得画像処理部240から受信した画像データを解析して、焦点の合焦状態を特定する。合焦状態は、どこに投写光の焦点が合っているかの状態を意味している。状態表示部255は、調整用画像投写部260に、特定された合焦状態を表す調整用画像を生成させる。調整用画像投写部260は、生成した調整用画像を映像選択部220に供給する。調整用画像は、映像選択部220によって選択され、スクリーンSCに表示される。
図2は、アシスト処理の手順を示すフローチャートである。ステップS100では、調整用画像投写部260(図1)は、アシスト処理を開始するための条件が満たされたか否かを判断する(以下、「開始条件」と呼ぶ)。本実施例では、ユーザがフォーカスリング322を操作したことが、開始条件として採用されている。すなわち、本実施例では、ユーザが焦点を調整しようとしたことに応じてアシスト処理が開始される。調整用画像投写部260は、検出部324の出力信号に従って、開始条件が満たされたか否かを判断する。開始条件が満たされていない場合には、調整用画像投写部260は、ステップS100に戻る。
開始条件が満たされた場合には、次のステップS110で、調整用画像投写部260は、調整用画像を表す画像データを生成する。図3(A)は、調整用画像AIを示す説明図である。本実施例では、調整用画像AIは、調整用パターンAPと、指標値領域IAと、棒グラフBGとを、表している。調整用パターンAPは、明領域(ハッチングを付していない領域)と暗領域(ハッチングを付した領域)とが、横方向Hに沿って交互に配置されたパターンを示している。明領域の色は、最も明るい白色である。暗領域の色は、最も暗い黒色である。明領域と暗領域とのそれぞれの形状は、横方向Hとは垂直な縦方向Vに延びる矩形状である。この調整用パターンAPは、予め決定されている。
指標値領域IAには、投写面(例えば、スクリーンSC)における焦点の合焦状態を表す指標値が数字で表されている。棒グラフBGは、その指標値の大きさを表している。後述するように、指標値は、投写面に表示された調整用画像AIの撮像結果に従って算出される。指標値の算出前には、調整用画像投写部260は、調整用画像AIから、指標値領域IAと棒グラフBGとを省略してもよい。この代わりに、調整用画像投写部260は、指標値が所定の値(例えば、ゼロ)であることとして、指標値領域IAと棒グラフBGとを表す調整用画像AIを生成してもよい。なお、指標値領域IAと棒グラフBGとは、それぞれ、特許請求の範囲における「合焦状態を表す状態表示部分」に相当する。また、後述するように、指標値領域IAと棒グラフBGとは、状態表示部255によって更新される。
図2の次のステップS120では、調整用画像投写部260(図1)は、生成した調整用画像AIを投写する。具体的には、調整用画像投写部260は、調整用画像AIを表す画像データと、調整用画像AIを選択する指示とを、映像選択部220に供給する。映像選択部220は、指示に従って、調整用画像AIを選択し、調整用画像AIを表す画像データを出力映像処理部230に供給する。その結果、投写面(本実施例では、スクリーンSC)には、調整用画像AIが表示される。
次のステップS130では、調整用画像投写部260(図1)は、撮像部400に、撮影の指示を供給する。撮像部400は、指示に従って、投写面を撮影し、投写面を表す画像データを生成する。図4には、撮影された第1画像PIaが示されている。この撮影された第1画像PIaには、調整用画像AIが写っている。生成された画像データは、取得画像処理部240を介してフォーカス状態特定部250に供給される。
図2の次のステップS140では、フォーカス状態特定部250(図1)は、受信した画像データを解析して、投写面における焦点の合焦状態を表す指標値を算出する。この指標値は、焦点の位置と投写面(例えば、スクリーンSC)の位置との一致の度合いを表している。
図3(B)、3(C)は、指標値の概要を示す説明図である。これらの図には、調整用パターンAPにおける横方向Hに沿った輝度Yの変化を示す曲線(グラフ)が示されている。横軸は、撮影された画像(例えば、図4の第1画像PIa)に写った調整用パターンAPにおける横方向Hの位置を示している。縦軸は、撮影された画像における輝度Yを示している。フォーカス状態特定部250(図1)は、画像データを解析することによって輝度Yの曲線を取得する。そして、フォーカス状態特定部250は、この曲線を空間周波数で分解して強度分布を算出し、所定の閾値よりも高い空間周波数成分の強度の積算値を算出する。以下、この積算値を「高周波強度」とも呼ぶ。後述するように、この高周波強度が大きいほど、指標値も大きくなる。なお、空間周波数は、「1サイクルに相当する距離(画素数)」の逆数に相当する。また、撮影された画像によって表される空間周波数の最高値は、2画素で1サイクルを表す周波数である。従って、本実施例では、空間周波数の上限を定めていないが、強度の積算は、その最高値までの範囲内で行われる。
図3(B)は、投写面上に焦点が合っている場合を示している。この場合には、スクリーンSC上に投写された調整用パターンAPにおいて、明領域と暗領域との境界が鮮明に表現される。その結果、明領域内および暗領域内において輝度Yはほぼ一定であり、明領域と暗領域との境界において、輝度Yはほぼ垂直に変化する。その結果、高周波強度は大きくなる。また、コントラストは強くなる。
図3(C)は、投写面から焦点がずれている場合を示している。この場合には、スクリーンSCに投写された調整用パターンAPにおいて、明領域と暗領域との境界に近い領域が、白色と黒色とが混合されたように表現される。その結果、明領域内の境界に近い部分では、投写面に焦点が合っている場合と比べて、輝度Yが小さくなる。そして、暗領域内の境界に近い部分では、投写面に焦点が合っている場合と比べて、輝度Yが大きくなる。また、焦点が投写面から離れるほど、境界から遠い領域においても、白色と黒色との混合が生じる。従って、焦点が投写面から離れるほど、輝度Yの変化量が小さくなり、輝度Yの曲線はなだらかになる。その結果、高周波強度は小さくなる。また、コントラストは弱くなる。
高周波強度は、焦点が投写面と完全に一致した場合に、最大になる。そこで、フォーカス状態特定部250(図1)は、最大を表す基準値に対する、高周波強度の割合を、指標値として算出する(単位はパーセント)。このような基準値は、予め実験的に決定される。また、調整用画像AIにおける調整用パターンAPを解析することよって得られる高周波強度を、基準値として利用してもよい。
フォーカス状態特定部250(図1)は、算出した指標値を、状態表示部255に供給する。
図2の次のステップS150では、調整用画像投写部260(図1)は、アシスト処理を終了するための条件が満たされたか否かを判断する(以下、「終了条件」と呼ぶ)。本実施例では、ユーザがフォーカスリング322の操作をやめてから所定時間(例えば、10秒)が経過したことが、終了条件として採用されている。調整用画像投写部260は、検出部324の出力信号に従って、終了条件が満たされたか否かを判断する。終了条件が満たされている場合には、次のステップS160で、調整用画像投写部260は、調整用画像の投写を終了し、ステップS100に戻る。ステップS160では、調整用画像投写部260は、入力映像処理部210によって供給された画像を選択する指示を、映像選択部220に供給する。
終了条件が満たされていない場合には、調整用画像投写部260(図1)は、ステップS110に戻る。このステップS110では、状態表示部255は、フォーカス状態特定部250から受信した指標値を利用して、調整用画像AI(図3(A))を更新する。具体的には、状態表示部255は、指標値領域IAの数字を、指標値を表す数字に更新し、棒グラフBGを、指標値を表すグラフに更新する。調整用画像投写部260は、更新後の調整用画像AIを表す画像データを生成し、生成した画像データを映像選択部220に供給する。
その後、終了条件が満たされるまで、表示制御部200(図1)は、ステップS110〜S140の処理を繰り返す。その結果、プロジェクタ100は、スクリーンSCに、焦点の現行の合焦状態を表す調整用画像AI(図3(A))を表示する。ユーザは、表示された調整用画像AIを観察することによって、容易に焦点の合焦状態を確認することができる。そして、ユーザは、表示された指標値が大きくなるようにフォーカスリング322(図1)を操作することによって、容易に精度良く焦点を調整することができる。
例えば、図4に示す第1画像PIaは、焦点が投写面からずれている場合を示している。第1画像PIaでは、調整用パターンAPがぼやけて写っている。また、指標値領域IAと棒グラフBGに示された指標値が、最大値(100%)と比べて小さい。このような画像が表示された場合には、ユーザは、指標値が大きくなるようにフォーカスリング322を操作すればよい。図4に示す第2画像PIbは、ユーザによるフォーカスリング322の操作の後に撮影された画像を示している。この第2画像PIbでは、調整用パターンAPが鮮明に写っており、また、指標値も最大値に近い。その結果、ユーザは、焦点が投写面に合ったことを簡単に確認することができる。このように、ユーザは、表示された指標値の変化を参考にして焦点を調整することによって、容易に精度良く焦点を調整することができる。
なお、本実施例では、終了条件として、ユーザがフォーカスリング322(図1)の操作をやめてから所定時間が経過したことが、採用されている。従って、アシスト処理を終了するためには、ユーザは、焦点が投写面に合ったことを確認した後に、フォーカスリング322の操作をやめればよい。これにより、表示制御部200は、自動的に、入力映像処理部210によって供給された画像の投写を開始する。
また、図3(A)に示すように、調整用パターンAPの明領域と暗領域とは、それぞれ、縦方向Vに沿って延びている。そこで、本実施例では、フォーカス状態特定部250(図1)は、横方向Hの或る位置の輝度Yとして、調整用パターンAPにおける横方向Hの位置が同じである複数の画素(すなわち、縦方向Vに沿って並ぶ複数の画素)の輝度値の平均値を、採用する。ただし、平均値に限らず、複数の画素の輝度の関数で表される種々の値(例えば、中央値)を採用してもよい。また、横方向Hに沿って延びる所定の1つの画素ラインの輝度を利用してもよく、また、所定の複数の画素ラインの輝度を利用してもよい。
また、フォーカス状態特定部250(図1)は、撮影された画像内の所定の位置に調整用パターンAPが写っていることとして、指標値を算出する。ただし、フォーカス状態特定部250は、パターンマッチング等の種々の方法によって、画像中の調整用パターンAPを検出してもよい。
B.第2実施例:
図5は、調整用画像の別の実施例を示す説明図である。図3(A)に示す調整用画像AIとの差違は、2点ある。第1の差違は、調整用画像AI2の調整用パターンAP2が、白色の背景領域(ハッチングを付していない領域)と、背景領域の中の所定の位置に配置された複数のマーカMKと、を表している点である。本実施例では、マーカMKは黒色で塗りつぶされた円である。図5の実施例では、9つのマーカMKが3*3のマトリックス状に配置されている。この調整用パターンAP2は、予め決定されている。第2の差違は、調整用画像AI2が、指標値領域IAと棒グラフBGとの代わりに、第1位置表示部DI1と、第2位置表示部DI2とを、表している点である。第1位置表示部DI1は、プロジェクタを基準とする投写面の位置を示している。第2位置表示部DI2は、プロジェクタを基準とする投写光の焦点の位置を示している。なお、第2実施例の調整用パターンAP2を利用するプロジェクタの構成は、図1に示すプロジェクタ100と同じである。また、第2実施例では、表示制御部200は、図2に示す手順に従って、アシスト処理を実行する。ただし、第2実施例では、ステップS110とステップS140とのそれぞれの処理が、第1実施例と異なっている。他のステップの処理は、第1実施例と同じである。
図2のステップS110では、調整用画像投写部260(図1)は、調整用画像AI2を表す画像データを生成する。2つの位置表示部DI1、DI2によって表される2つの位置は、後述するステップS140で特定される。位置の特定前には、調整用画像投写部260は、調整用画像AI2から2つの位置表示部DI1、DI2を省略してもよい。この代わりに、調整用画像投写部260は、各位置がそれぞれ所定の位置であることとして、2つの位置表示部DI1、DI2を表す調整用画像AI2を生成してもよい。なお、第1位置表示部DI1と第2位置表示部DI2との全体は、特許請求の範囲における「合焦状態を表す状態表示部分」に相当する。また、後述するように、第2位置表示部DI2は、状態表示部255によって更新される。
図2のステップS140では、フォーカス状態特定部250(図1)は、取得画像処理部240から受信した画像データを解析して、プロジェクタ100を基準とする投写面(図1の実施例ではスクリーンSC)の位置を特定する(以下、「第1位置」とも呼ぶ)。第1位置は、投写光学系320の光軸と平行な方向の位置に相当する。すなわち、第1位置は、プロジェクタ100と投写面との間の距離に相当する。
図6は、位置と撮影された画像との関係を示す説明図である。図中には、プロジェクタ100とスクリーンSC_A、SC_Bとが示されている。第1スクリーンSC_Aは、第2スクリーンSC_Bよりもプロジェクタ100から遠い位置に配置されている。
図中では、プロジェクタ100の要素の内の、液晶ライトバルブ310と投写光学系320と撮像部400とが示されている。投写光学系320は複数のレンズを有しているが、図6では、詳細な図示が省略されている。また、本実施例では、撮像部400は、投写光学系320の横方向H側に配置されている。撮像部400は、CCDセンサ410と、撮影光学系420と、を有している。撮影光学系420は、1または複数のレンズを有しているが、図6では、詳細な図示が省略されている。撮影光学系420の光軸420Xは、投写光学系320の光軸320Xとほぼ平行である(距離DLは、光軸420X、320Xの間の距離を示している)。すなわち、撮像部400は、投写光学系320と同じ方向を向いている。
図6のスクリーンSC_A、SC_B上には、第1マーカMK1A、MK1Bと、第2マーカMK2A、MK2Bとが、それぞれ示されている。第1マーカMK1A、MK1Bは、それぞれ、図5の第1マーカMK1を表し、第2マーカMK2A、MK2Bは、それぞれ、図5の第2マーカMK2を表している。図5に示すように、第1マーカMK1は、調整用画像AI2の中の横方向Hとは逆の方向の端部に配置されており、第2マーカMK2は、調整用画像AI2の中の横方向Hの端部に配置されている。
表示される画像の大きさは、投写面がプロジェクタ100に近いほど、小さくなる。例えば、第2スクリーンSC_B上の2つのマーカMK1B、MK2Bの間の距離は、第1スクリーンSC_A上の2つのマーカMK1A、MK2Aの間の距離よりも、短い。ただし、同じ調整用画像AI2を投写しているので、プロジェクタ100とスクリーンとの間の距離に拘わらずに、液晶ライトバルブ310上では、各マーカMK1、MK2の位置は、変化しない。
一方、撮影光学系420は、投写光学系320から、ゼロより大きな距離DLだけ横方向Hにシフトしている(すなわち、撮影光学系420は、光軸320Xから離れた位置に配置されている)。ここで、投写面がプロジェクタ100から遠い場合には、投写面に表示された画像は、撮像部400のほぼ正面にあるように、撮像部400から見える。ところが、投写面がプロジェクタ100に近い場合には、投写面に表示された画像は、正面から投写光学系320に向かってずれているように、撮像部400から見える。
例えば、第2スクリーンSC_B上の第1マーカMK1Bは、第1スクリーンSC_A上の第1マーカMK1Aよりも、投写光学系320に向かう方向(横方向Hとは逆の方向)にずれているように、撮像部400から見える。また、第2スクリーンSC_B上の第2マーカMK2Bは、第1スクリーンSC_A上の第2マーカMK2Aよりも、投写光学系320に向かう方向にずれているように、撮像部400から見える。
このように、撮像部400から見ると、投写面に表示される画像は、投写面がプロジェクタ100に近いほど、投写光学系320に向かってシフトする。すなわち、CCDセンサ410上における画像の位置は、プロジェクタ100を基準とする投写面の位置(プロジェクタ100と投写面との間の距離)に応じて変化する。そこで、フォーカス状態特定部250(図1)は、取得画像処理部240から受信した画像データを解析して、撮影された画像内のマーカMKの位置を特定する。特定方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、パターンマッチングによって画像内のマーカMKの位置を特定してもよい。次に、フォーカス状態特定部250は、特定された位置に従って、投写面の位置を特定する。投写面の位置と画像内のマーカMKの位置との対応関係は、予め実験的に決定される。また、フォーカス状態特定部250は、投写面の位置と画像内のマーカMKの位置との関係を表す演算式に従って、投写面の位置を算出してもよい。このような演算式は、幾何学的に導かれ得る。
なお、図5に示すように、調整用パターンAP2は、互いに異なる位置に配置された複数のマーカMKを含んでいる。フォーカス状態特定部250(図1)は、各マーカMK毎に位置を特定し、それらの平均位置を投写面の位置として採用する。その結果、投写面(例えば、スクリーンSC(図1))が、投写光学系320の光軸320Xと垂直では無い場合であっても、投写面内の平均的な位置の特定が可能である。また、マーカ毎に予め決められた重みを付した重み付き平均位置を採用してもよい。
また、フォーカス状態特定部250(図1)は、検出部324の出力信号に従って、プロジェクタ100を基準とする投写光の焦点の位置を特定する(以下、「第2位置」とも呼ぶ)。第2位置は、投写光学系320の光軸と平行な方向の位置に相当する。すなわち、第2位置は、プロジェクタ100と焦点との間の距離に相当する。
本実施例では、検出部324(図1)は、フォーカスリング322の回転位置(角度)を検出し、回転位置を表す信号を出力する。このような検出部324の構成としては、種々の構成を採用可能である。本実施例では、検出部324は、フォーカスリング322の回転に伴って抵抗値が変化する可変抵抗と、可変抵抗の抵抗値をデジタル値に変換するA/D変換部とを有している。そして、検出部324は、A/D変換部からのデジタル値を、出力信号として出力する。
焦点の位置(すなわち、焦点とプロジェクタ100(図1)との間の距離)は、フォーカスリング322の回転によって変化する。すなわち、焦点の位置は、フォーカスリング322の回転位置によって決まる。そこで、フォーカス状態特定部250(図1)は、フォーカスリング322の回転位置(検出部324からの出力信号)に基づいて、焦点の位置を特定する。なお、回転位置と焦点の位置との対応関係は、予め実験的に決定される。
フォーカス状態特定部250(図1)は、第1位置(投写面の位置)と、第2位置(焦点の位置)とを、状態表示部255に供給する。状態表示部255は、図2のステップS110において、受信した2つの位置に応じて調整用画像AI2(図5)を更新する。本実施例では、状態表示部255は、第1位置表示部DI1の位置を変えずに、第2位置表示部DI2の位置を、第1位置と第2位置とに応じて決定する(第1位置表示部DI1は、画像内の所定の位置に配置される)。
図7(A)〜7(C)は、撮像部400によって撮影された画像PI2a〜PI2cを、それぞれ示している。図7(A)に示す第1画像PI2aは、焦点が投写面よりもプロジェクタ100(図1)に近い場合を示している。この場合には、第2位置表示部DI2が第1位置表示部DI1よりも左に表示される。
図7(B)に示す第2画像PI2bは、焦点が投写面に合っている場合を示している。この場合には、第2位置表示部DI2の横方向Hの位置が第1位置表示部DI1と同じである。従って、ユーザは、この第2画像PI2bを観察することによって、容易に焦点が投写面に合っていることを確認できる。
図7(C)に示す第3画像PI2cは、焦点が投写面よりもプロジェクタ100(図1)から遠い場合を示している。この場合には、第2位置表示部DI2が第1位置表示部DI1よりも右に表示される。
いずれの場合も、第1位置表示部DI1と第2位置表示部DI2との間の距離は、第1位置と第2位置との間の距離が大きいほど大きくなるように、設定される。そして、ユーザは、第2位置表示部DI2が第1位置表示部DI1に近づくように、フォーカスリング322を操作すればよい。
以上のように、本実施例では、調整用画像AI2の位置表示部DI1、DI2は、第1位置と第2位置との間の距離を表している。従って、ユーザは、第1位置と第2位置との間の距離が小さくなるように焦点を調整することによって、容易に精度良く焦点を調整することができる。
また、調整用画像AI2の位置表示部DI1、DI2は、第1位置と第2位置とのいずれがプロジェクタ100に近いかを表している。従って、ユーザは、第1位置と第2位置とのいずれがプロジェクタ100に近いかに応じて、容易に焦点の調整すべき方向を確認できる。その結果、ユーザは、容易に精度良く焦点を調整することができる。
なお、ユーザは、しばしば、プロジェクタ100(図1)や投写面(例えば、スクリーンSC)の位置を変えずに、焦点を調整する。従って、1回のアシスト処理においては、撮像部400は、繰り返さずに1回だけ投写面の撮影を実行し、フォーカス状態特定部250は、繰り返さずに1回だけ、撮影された画像の解析による第1位置の特定を実行してもよい。この場合も、フォーカス状態特定部250は、フォーカスリング322の現行の調整設定(すなわち、回転位置)に基づく第2位置の特定を繰り返すことによって、第2位置を状態表示部255に通知すればよい。そして、状態表示部255は、特定された第2位置に応じて、調整用画像を繰り返し更新すればよい。なお、第1位置(投写面の位置)と第2位置(焦点の位置)との全体は、投写光の焦点の現行の合焦状態を表している。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
上述の各実施例では、投写光の焦点の合焦状態の特定に、所定のパターンを表すパターン部分(例えば、図3の調整用パターンAPや図5の調整用パターンAP2)を含む調整用画像が利用されるので、任意の画像が利用される場合と比べて、焦点の合焦状態の特定の精度を高めることができる。そして、画像を投写(表示)するための焦点の調整に、実際に投写された画像が利用されるので、適切な焦点調整が可能である。
また、図4に示す第1実施例において、調整用画像に含まれるパターンとしては、図3に示す調整用パターンAPに限らず、種々のパターンを採用可能である。例えば、明領域の色は、最も明るい白色とは異なる色(例えば、有彩色)であってもよい。同様に、暗領域の色は、最も暗い黒色とは異なる色(例えば、有彩色)であってもよい。また、明領域と暗領域とが縦方向Vに沿って交互に配置されたパターンを採用してもよい。また、明領域と暗領域との少なくとも一方が、幅の広い領域と幅の狭い領域とを含んでもよい。また、明領域と暗領域とのそれぞれが、格子状に配置されたパターンを採用してもよい。一般には、交互に配置された互いに所定の色成分の強度の異なる第1領域と第2領域とを含むパターンを採用することが好ましい。このようなパターンを採用すれば、投写光の焦点の位置の変化に応じて、撮影によって生成された画像データ(特に所定の色成分の階調値)が大きく変化するので、焦点の合焦状態の特定の精度を高めることができる。なお、第1領域と第2領域との間で強度の異なる色成分としては、輝度に限らず、任意の色成分(例えば、赤成分や、緑成分や、青成分)を採用可能である。また、焦点の合焦状態の特定には、撮影された画像におけるその色成分を利用することが好ましい。
また、図5〜図7に示す第2実施例において、調整用画像に含まれるパターンとしては、図5に示す調整用パターンAP2に限らず、種々のパターンを採用可能である。例えば、四角形や三角形のマーカを含むパターンを採用してもよい。このようなマーカの総数としては、1を採用してもよく、N(Nは2以上の整数)を採用してもよい。撮影された画像中のN個のマーカの位置から第1位置(投写面の位置)を特定する方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、N個の位置を総合することによって第1位置を特定してもよい。このような第1位置はN個のマーカの位置の関数で表されている、ということもできる(このような関数としては、平均的な位置を導く関数等の種々の関数を採用可能である)。また、図3に示すような第1実施例と同じパターンを採用してもよい。この場合、撮影された画像内における暗領域あるいは明領域の位置に従って、投写面の位置を特定してもよい。一般には、撮影された画像内における位置を特定可能な任意のパターンを採用できる。
いずれの場合も、アシスト処理で利用される調整用画像として、所定のパターン(調整用パターン)と焦点の合焦状態を表す状態表示部分との少なくとも一方に他の画像を重ね合わせて得られる重畳画像を、採用してもよい。例えば、映像選択部220(図1)は、調整用画像投写部260から受信した画像に、入力映像処理部210から受信した投写用画像を重ね合わせて得られる重畳画像を、出力映像処理部230に供給してもよい。2枚の画像を重ねて重畳画像を得る方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、重畳画像の在る画素の画素値(例えば、RGBのそれぞれの階調値)を、調整用画像投写部260から受信した画像中の同じ画素の画素値と、入力映像処理部210から受信した画像(投写用画像)中の同じ画素の画素値との平均値に設定してもよい。ここで、単純な平均の代わりに、所定の重みを付した重み付き平均を採用してもよい。このような重畳画像を利用する場合には、フォーカス状態特定部250は、撮影によって得られた画像の画素値から、投写用画像の画素値の分を差し引くことによって、所定のパターン(調整用パターン)を表す画素値を取得することができる。投写用画像の画素と、撮影によって得られた画像の画素との対応関係は、予め実験的に決定すればよい。また、フォーカス状態特定部250は、パターンマッチングによって、この対応関係を決定してもよい。なお、重畳画像においても、調整用画像投写部260から供給された画像に含まれる所定のパターンと状態表示部分とを視認可能である。このように、重畳画像も、所定のパターンを表す部分と状態表示部分とを含む、ということができる。
変形例2:
図3に示す実施例において、投写光の焦点の合焦状態を表す指標値としては、高周波強度を表す値に限らず、画像データにおける焦点の合焦状態を表すとともに焦点の移動によって変動する種々の値を採用可能である。ここで、投写光の焦点が投写面に合ったときに、極大、あるいは、極小となる値を採用することが好ましい。
例えば、図3に示す実施例において、空間周波数分布における強度を積算するための空間周波数の範囲としては、所定の閾値よりも高い範囲に限らず、所定の下限と所定の上限とで決まる範囲を採用してもよい。いずれの場合も、空間周波数の範囲は、投写光の焦点の位置の変化に応じて指標値が変化するように、実験的に決定すればよい。また、指標値としては、強度の積算値に限らず、空間周波数の所定範囲から得られる種々の強さを採用可能である。例えば、空間周波数の所定範囲内における平均強度を採用してもよい。また、単純な平均強度の代わりに、空間周波数に応じて予め決められた重みを付した重み付き平均強度を採用してもよい。このように、所定範囲内における強度の種々の総合値を採用可能である。
また、指標値としては、撮影された画像中の調整用パターン(例えば、図3の調整用パターンAP)を表す部分におけるコントラストの強さを表す値を採用してもよい。図3(B)、3(C)に示すように、投写光の焦点が投写面に近いほど、コントラストは強くなる。従って、コントラストの強さは、投写光の焦点の位置と投写面の位置との一致の度合いを表している。なお、コントラストの強さを表す値の算出方法としては、周知の種々の方法を採用可能である。例えば、輝度の最大値から最小値を引いた値を採用してもよい。
いずれの場合も、指標値の算出に利用される色成分としては、輝度に限らず、種々の色成分(例えば、赤成分や緑成分や青成分)を採用可能である。
変形例3:
上述の各実施例において、投写光の焦点の合焦状態を表す指標値の表示形態としては、数字や棒グラフに限らず、視覚的に認識可能な任意の形態を採用可能である。例えば、指標値に応じて形状が変化する記号を採用してもよい。また、図3(A)に示す調整用画像AIにおいて、指標値領域IAと棒グラフBGとのいずれか一方を省略してもよい。
変形例4:
上述の各実施例において、第1位置(投写面の位置)と第2位置(焦点の位置)との間の距離の表示形態としては、図5に示すように2つの位置表示部DI1、DI2の間の距離を利用する形態に限らず、視覚的に認識可能な任意の形態を採用可能である。例えば、距離を表す数字や棒グラフを採用してもよい。
変形例5:
上述の各実施例において、第1位置(投写面の位置)と第2位置(焦点の位置)とのいずれがプロジェクタに近いかを表す形態としては、図5に示すように2つの位置表示部DI1、DI2の間の位置関係を利用する形態に限らず、視覚的に認識可能な任意の形態を採用可能である。例えば、近い方に応じて形状が変化する記号を採用してもよい。
変形例6:
上述の各実施例において、アシスト処理の開始条件としては、ユーザが焦点調整部(例えば、図1のフォーカスリング322)を操作したことに限らず、任意の条件を採用可能である。例えば、プロジェクタ100の電源が投入されたことや、プロジェクタ100に設けられた図示しないアシストボタンが押下されたこと、等を採用してもよい。
また、アシスト処理の終了条件としては、ユーザが焦点調整部(例えば、図1のフォーカスリング322)の操作をやめてから所定時間が経過したこと、に限らず、任意の条件を採用可能である。例えば、プロジェクタ100に設けられた図示しないアシストボタンが押下されたことを採用してもよい。
変形例7:
上述の各実施例において、焦点調整部としては、フォーカスリング322(図1)に限らず、ユーザの操作に従って投写光の焦点を移動させる種々の装置を採用可能である。例えば、焦点調整部が、モータと、ユーザにモータを操作させるための操作部(例えば、ボタン)と、を含んでも良い。そして、モータが、ユーザの操作に従って、投写光学系320(図1)内のレンズの配置を変化させてもよい。
変形例8:
上述の各実施例において、プロジェクタの構成としては、図1に示す構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、光源からの光を、画像を表す投写光に変調する変調部としては、液晶ライトバルブに限らず、種々の装置を採用可能である。例えば、DMD(Digital Micromirror Device,TI(Texas Instruments)社の商標)を採用してもよい。また、撮像部400の光軸が、投写光学系320の光軸と平行でなくてもよい。この場合も、図6に示す実施例と同様に、撮影された画像内における特定のパターン(例えばマーカMK)の位置は、投写面の位置に応じて変化する。従って、フォーカス状態特定部250は、図6に示す実施例と同様に、投写面の位置を特定できる。
変形例9:
上述の各実施例において、プロジェクタが、合焦状態を表示する表示装置を備えてもよい。図8は、そのようなプロジェクタ100Aを示す説明図である。図1に示すプロジェクタ100との差違は、表示装置500が追加されている点だけである。他の構成は、図1のプロジェクタ100と同じである。プロジェクタ100Aは、図2の手順に従って、アシスト処理を実行する。図8には、プロジェクタ100Aが、図5に示す調整用画像AI2を投写する様子が示されている。投写された画像PI2には、調整用パターンAP2と、位置表示部DI1、DI2が表されている。さらに、プロジェクタ100Aの筐体の所定の位置(表示装置500の近傍)には、第1位置表示部DI1xが記され、表示装置500には、第2位置表示部DI2xが表示されている。図2のステップS110では、状態表示部255(図1)は、第2位置表示部DI2xを表示装置500に表示させる。ここで、状態表示部255は、2つの位置表示部DI1x、DI2xの間の位置関係が、2つの位置表示部DI1、DI2の間の位置関係と同じとなるように、表示装置500に表示される第2位置表示部DI2xの位置を更新する。このように、状態表示部255は、表示装置500に、合焦状態を表示させる。ユーザは、表示装置500による表示を観察することによって、現在の合焦状態を確認することができる。その結果、投写された画像がぼやけている場合(投写光の焦点が投写面に合っていない場合)であっても、ユーザは、容易に焦点を調整することができる。
また、プロジェクタが、合焦状態を表す状態表示部分を含まない調整用画像を投写し、そして、表示装置500に合焦状態を表示させてもよい。図9は、このようなプロジェクタ100Bを示す説明図である。図8に示すプロジェクタ100Aとの差違は、投写される調整用画像AI3が、調整用画像AI2(図5)から状態表示部分(位置表示部DI1、DI2)を省略したものである点だけである。すなわち、合焦状態は、投写面(投写画像PI3)には表示されずに、表示装置500に表示される。この場合も、ユーザは、表示装置500を観察することによって、現在の合焦状態を確認することができる。
なお、図8に示す実施例のように、投写面と表示装置500との両方に合焦状態を表示すれば、ユーザは、投写された画像がぼやけている場合には表示装置500の観察によって合焦状態を確認でき、そして、焦点が投写面に近い場合には実際に投写された画像の観察によって合焦状態を確認できる。従って、種々の条件下において、ユーザは、容易に精度良く焦点を調整することができる。
なお、表示装置500としては、任意の表示装置を採用可能である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やOLED(Organic light-emitting diode)を用いたディスプレイやLED(Light Emitting Diode)アレイ等を採用可能である。いずれの場合も、表示すべき内容を投写面とは独立に表示する表示装置を採用すれば、ユーザは、投写面の状態に拘わらずに、合焦状態を確認することができる。また、調整用画像としては、図8、図9に示す画像に限らず、種々の画像を採用可能である。例えば、図3に示す調整用画像AIを採用してもよい。この場合には、表示装置500は、指標値領域IAと棒グラフBGとの少なくとも一方を表示することが好ましい。なお、表示装置500による合焦状態の表示形態としては、上述の各実施例で投写される合焦状態の表示形態と同様に、視覚的に認識可能な任意の形態を採用可能である。
変形例10:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1に示す調整用画像投写部260の機能を、プログラムを実行するコンピュータによって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
100、100A、100B…プロジェクタ
200…表示制御部
210…入力映像処理部
220…映像選択部
230…出力映像処理部
240…取得画像処理部
250…フォーカス状態特定部
260…調整用画像投写部
300…光源
310…液晶ライトバルブ
320…投写光学系
320X…光軸
322…フォーカスリング
324…検出部
400…撮像部
410…CCDセンサ
420…撮影光学系
420X…光軸
SC、SC_A、SC_B…スクリーン
IA…指標値領域
BG…棒グラフ
AI、AI2…調整用画像
MK、MK1、MK2…マーカ
AP、AP2…調整用パターン
DI1…第1位置表示部
DI2…第2位置表示部

Claims (6)

  1. 画像を表す投写光を投写面に投写するプロジェクターであって、
    ユーザーの操作に従って前記投写光の焦点を移動させる焦点調整部と、
    前記投写光によって所定のパターンを表す部分を含む調整用画像を投写する調整用画像投写部と、
    前記調整用画像が投写された状態の前記投写面を撮像して画像データを生成する撮像部と、
    前記画像データを解析することによって、前記投写面における前記焦点の合焦状態を特定する特定部と、
    前記特定された前記合焦状態を表示する状態表示部と、
    を備え、
    前記調整用画像は、前記特定された前記合焦状態を表す棒グラフと、前記所定のパターンを表す部分とを含み、
    前記特定部が行う画像データの解析は、前記画像データの輝度を空間周波数で分解し、所定の閾値よりも高い空間周波数成分の強度の積算値である高周波強度を算出することを含み、
    前記特定部は、前記投写面に焦点があっている場合における前記高周波強度を基準値とし、
    前記焦点の移動によって変動した前記高周波強度の、前記基準値に対する割合を指標値とし、
    前記棒グラフは、前記指標値を示す、
    プロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターであって、
    前記状態表示部は、前記指標値を表示し、
    前記撮像部は、前記撮像を繰り返し、
    前記特定部は、前記繰り返される撮像のそれぞれに応じて前記指標値を算出し、
    前記状態表示部は、前記算出された前記指標値に応じて、前記表示される指標値を繰り返し更新する、
    プロジェクター。
  3. 請求項1または請求項に記載のプロジェクターであって、
    前記調整用画像投写部は、ユーザーによって前記焦点調整部が操作されたことに応じて、前記調整用画像を投写する、
    プロジェクター。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記所定のパターンは、交互に配置された互いに所定の色成分の強度の異なる第1領域と第2領域とを含む、
    プロジェクター。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、さらに、
    表示装置を含み、
    前記状態表示部は、前記表示装置に、前記合焦状態を表示させる、
    プロジェクター。
  6. 画像を表す投写光を投写面に投写するとともに、ユーザーの操作に従って前記投写光の焦点を移動させる焦点調整部を含むプロジェクターの制御方法であって、
    前記投写光によって所定のパターンを表す部分を含む調整用画像を投写する工程と、
    前記調整用画像が投写された状態の前記投写面を撮像して画像データを生成する工程と、
    前記画像データを解析することによって、前記投写面における前記焦点の合焦状態を特定する工程と、
    前記特定された前記合焦状態を表示する工程と、
    を備え、
    前記調整用画像は、前記特定された前記合焦状態を表す棒グラフと、前記所定のパターンを表す部分とを含み、
    前記合焦状態を特定する工程は、
    前記画像データの輝度を空間周波数で分解し、所定の閾値よりも高い空間周波数成分の強度の積算値である高周波強度を算出する工程と、
    前記投写面に焦点があっている場合における前記高周波強度を基準値とする工程と、
    前記焦点の移動によって変動した前記高周波強度の、前記基準値に対する割合を指標値とする工程と、
    を含み、
    前記棒グラフは、前記指標値を示す、
    方法。
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