JP5677669B2 - 樹脂、フォトレジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、下記モノマーに由来する構造単位を有する樹脂が記載されている。
〔1〕式(I)で表される化合物に由来する構造単位及び式(II)で表される化合物に由来する構造単位を有する樹脂。
[式(I)中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
X1は、C2〜C36複素環基を表し、該複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C24炭化水素基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該複素環基に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。]
[式(II)中、
R31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
Z1は、2価のC1〜C17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R35)−で置き換わっていてもよい。
R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又は水酸基を表す。ただし、R32及びR33の少なくともいずれか一方は、水酸基を表す。
R34及びR35は、C1〜C6アルキル基を表す。
s1は、0〜10の整数を表す。]
[式(III)中、
R2は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子又はC1〜C24炭化水素基を表すか、R3〜R8の中から選ばれる少なくとも2つが互いに結合してC3〜C30の環を形成し、該炭化水素基及び該環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該炭化水素基及び該環に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
t1は、0〜3の整数を表す。]
[式(IV)中、
R9は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R10〜R19は、それぞれ独立に、水素原子又はC1〜C12炭化水素基を表すか、R10〜R19の中から選ばれる少なくとも2つが互いに結合してC3〜C24の環を形成し、該炭化水素基及び該環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該炭化水素基及び該環に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
t2及びt3は、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
[式(V)中、
R20は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R21は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基を表す。
t4は、0〜8の整数を表す。]
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれか記載の樹脂及び酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
[式(B1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1〜C6ペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は2価のC1〜C17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基の−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいC1〜C18脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいC3〜C18飽和環状炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。]
〔9〕Z+が、アリールスルホニウムカチオンである〔7〕又は〔8〕記載のフォトレジスト組成物。
〔10〕塩基性化合物を含む〔6〕〜〔9〕のいずれか記載のフォトレジスト組成物。
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
また、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本発明の樹脂は、式(I)で表される化合物に由来する構造単位及び式(II)で表される化合物に由来する構造単位を有する。
[式(I)中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
X1は、C2〜C36複素環基を表し、該複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C24炭化水素基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該複素環基に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。]
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。
炭化水素基としては、C1〜C12アルキル基が好ましい。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等が挙げられる。
X1は、窒素原子を含む4〜6員の複素環基又はこのような4〜6員環を含む複素環(例えば、好ましくは4〜20員、より好ましくは、4〜16員の多環又は多環橋かけ環)が好ましい。−CO−は、窒素原子に隣接する位置に配置しているものが好ましい。
[式(III)中、
R2は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子又はC1〜C24炭化水素基を表すか、R3〜R8の中から選ばれる少なくとも2つが互いに結合してC3〜C30の環を形成し、該炭化水素基及び該環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該炭化水素基及び該環に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
t1は、0〜3の整数を表す。]
[式(IV)中、
R9は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R10〜R19は、それぞれ独立に、水素原子又はC1〜C12炭化水素基を表すか、R10〜R19の中から選ばれる少なくとも2つが互いに結合してC3〜C24の環を形成し、該炭化水素基及び該環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該炭化水素基及び該環に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
t2及びt3は、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
また、t1は0又は1が好ましく、0がより好ましい。t2は0又は1が好ましく、0がより好ましい。t3は1又2が好ましく、1がより好ましい。
[式(V)中、
R20は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R21は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基を表す。
t4は、0〜8の整数を表す。]
式(I)で表される化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
式(I−a)で表される化合物と式(I−b)で表される化合物とを、触媒下、溶剤中で反応させることにより、式(I)で表される化合物を得ることができる。ここで、触媒としては、N−メチルピロリジンが好ましい。溶剤としては、ジメチルホルムアミドが好ましい。
Xは、ハロゲン原子又は(メタ)クリロイルオキシ基を表す。]
式(I−a)で表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられる。これらの化合物は市販されているものを用いることができる。
[式(II)中、
R31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
Z1は、2価のC1〜C17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R35)−で置き換わっていてもよい。
R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又は水酸基を表す。ただし、R32及びR33の少なくともいずれか一方は、水酸基を表す。
R34及びR35は、C1〜C6アルキル基を表す。
s1は、0〜10の整数を表す。]
2価の飽和炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、2価の飽和環状炭化水素基を含む2価の基が挙げられる。
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の直鎖状アルキレン基;
直鎖状アルキレン基に、アルキル基(特に、C1〜C4アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基等の分岐状アルキレン基などが挙げられる。
2価の飽和環状炭化水素基を含む2価の基としては、式(Z1)〜式(Z3)で表される基が挙げられる。
[式(Z1)〜式(Z3)中、
ZA及びZBは、それぞれ独立に、単結合又はC1〜C6アルキレン基を表す。ただし、式(Z1)〜式(Z3)で表される基の炭素数は1〜17である。]
式(II)で表される化合物は公知の方法で製造することができる。
樹脂における式(I)で表される化合物に由来する構造単位及び式(II)で表される化合物に由来する構造単位の含有量の合計は、樹脂の全単位において、通常5〜100モル%であり、好ましくは10〜70モル%であり、より好ましくは15〜50モル%である。
本発明の樹脂は、式(I)で表される化合物に由来する構造単位及び式(II)で表される化合物に由来する構造単位に加えて、さらに、酸に不安定な基を有することが好ましい。これによって、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後、つまり、酸の作用によって、アルカリ水溶液に可溶となる樹脂とすることができる。
酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂は、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸に不安定な基を有するモノマー(a1)」という場合がある)を重合することによって製造することができる。酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えばヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、−O−が3級炭素原子(但し橋かけ環状炭化水素基の橋頭炭素原子を除く)と結合した式(1)で表されるアルコキシカルボニル基(即ち3級アルコール残基を有するエステル結合)が挙げられる。なお以下では、式(1)で表される基を「酸に不安定な基(1)」という場合がある。
1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(基(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基であるもの、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、
2−アルキル−2−アダマンチルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基であるもの)、及び
1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基であるもの)などが挙げられる。
飽和環状炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の飽和環状炭化水素基としては、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基)などが挙げられる。多環式の飽和環状炭化水素基としては、縮合芳香族炭化水素基を水素化して得られる基(例えばヒドロナフチル基)、橋かけ環状炭化水素基(例えばアダマンチル基、ノルボルニル基)などが挙げられる。さらに下記のような、橋かけ環(例えばノルボルナン環)と単環(例えばシクロヘプタン環やシクロヘキサン環)又は多環(例えばデカヒドロナフタレン環)とが縮合した形状の基、或いは橋かけ環同士が縮合した形状の基も、飽和環状炭化水素基に含まれる。
La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2)k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表す。但しLa1及びLa2で列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(a1−1)及び式(a1−2)の−CO−と結合し、右側でアダマンチル基又はシクロへキシル基と結合することを意味する。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、C1〜C8脂肪族炭化水素基、又はC3〜C10飽和環状炭化水素基を表し、m1は0〜14の整数を表し、n1は0〜10の整数を表す。
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6以下であり、飽和環状炭化水素基の炭素数は、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基などのアルキル基が挙げられる。
飽和環状炭化水素基としては、例えば、シクロヘプチル基、メチルシクロヘプチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基などが挙げられる。
これらの中でも1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチル−1−シクロヘキシルメタクリレートがより好ましい。
Ra9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよいC1〜C3脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は基−COORa13を表し、Ra13は、C1〜C8脂肪族炭化水素基又はC3〜C8飽和環状炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基で置換されていてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の−CH2−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Ra10〜Ra12は、それぞれ独立に、C1〜C12脂肪族炭化水素基又はC3〜C12飽和環状炭化水素基を表すか、或いはRa10及びRa11は互いに結合して環を形成していてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の−CH2−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Ra10、Ra11及びこれらが結合する炭素が形成する飽和環状炭化水素基としては、シクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
式(a1−4)中、
R10’は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R11’は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C4アシル基、C2〜C4アシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上の整数である場合、複数のR11’は同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
R12’及びR13’はそれぞれ独立に、水素原子又はC1〜C12炭化水素基を表す。
Xa2は、単結合又は置換基を有していてもよいC1〜C17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は−CO−、−O−、−S−、−SO2−又は−N(Rc)−で置き換わっていてもよい。Rcは、水素原子又はC1〜C6アルキル基を表す。
Ya3は、C1〜C12脂肪族炭化水素基、C3〜C18飽和環状炭化水素基又はC6〜C18芳香族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
アルコキシ基としては、C1〜C4アルコキシ基が好ましく、C1〜C2アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
C1〜C12炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基、イソボルニル基等が挙げられる。
樹脂(A)が酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と酸安定モノマーとの共重合体である場合、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に由来する構造単位は、全構造単位100モル%に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%である。またアダマンチル基を有するモノマー(特に酸に不安定な基を有するモノマー(a1−1))に由来する構造単位を、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)100モル%に対して15モル%以上とすることが好ましい。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、レジストのドライエッチング耐性が向上する。
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するものが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)」という)又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)」という)に由来する構造単位を有する樹脂を使用すれば、解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性水酸基を有する酸安定モノマー(a2−0)を使用することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用することが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
R8’は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R9’は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C4アシル基、C2〜C4アシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のR9は同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
アルコキシ基としては、C1〜C4アルコキシ基が好ましく、C1〜C2アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
式(a2−1)中、
La3は、−O−又は−O−(CH2)k2−CO−O−を表し、k2は1〜7の整数を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2)k3−CO−O−を表し、k3は1〜7の整数を表す。
Ra18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。Ra21は、C1〜C4脂肪族炭化水素基を表し、p1は0〜5の整数を表す。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立にカルボキシ基、シアノ基又はC1〜C4脂肪族炭化水素基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、p1、q1又はr1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21、Ra22又はRa23は、互いに同一でも異なってもよい。
Ra18〜Ra20は、好ましくはメチル基である。
Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1〜r1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
その他の酸安定モノマー(a4)としては、例えば、式(a4−1)で表される無水マレイン酸、式(a4−2)で表される無水イタコン酸、又は式(a4−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマーなどが挙げられる。
脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜8より好ましくは1〜6であり、飽和環状炭化水素基の炭素数は、好ましくは4〜36、より好ましくは4〜12である。
Ra27としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
Ra28は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
Ra29は、C1〜C30炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1個以上がフッ素原子で置換されている。該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−N(Ra30)−で置き換わっていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基又はC1〜C6脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
Ra30は、水素原子又はC1〜C6脂肪族炭化水素基を表す。
本発明のフォトレジスト組成物(以下「レジスト組成物」という場合がある)は、樹脂(A)を含有することが好ましく、さらに酸発生剤を含むことが好ましい。
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、DNQ 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1〜C6ペルフルオロアルキル基を表す。
Yは、C1〜C18脂肪族炭化水素基又はC3〜C18飽和環状炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基は置換基を有していてもよいし、該脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基に含まれる−CH2−が−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Lb1は、単結合又は2価のC1〜C17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Z+は、有機対イオンを表す。
Yの脂肪族炭化水素基としては、C1〜C6アルキル基が好ましい。
Yの飽和環状炭化水素基としては、例えば式(Y1)〜式(Y11)で表される基が挙げられる。また、Yにおいて−CH2−が−O−又は−CO−で置き換わった飽和環状炭化水素基としては、例えば、環状エーテルの基(−CH2−が−O−で置き換わった基)、オキソ基を有する飽和環状炭化水素基(−CH2−が−CO−で置き換わった基)、スルトン環の基(隣り合う2つの−CH2−が、それぞれ、−O−又は−SO2−で置き換わった基)又はラクトン環の基(隣り合う2つの−CH2−が、それぞれ、−O−又は−CO−で置き換わった基)等が挙げられ、具体的には、式(Y12)〜式(Y26)で表される基が挙げられる。
なかでも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)又は式(Y19)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)又は式(Y14)で表される基である。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。
Yの置換基である脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアラルキル基等は、さらに置換基を有していてもよい。ここでの置換基は、例えば、C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基等が挙げられる。
Lb2は、単結合、或いはC1〜C15飽和炭化水素基を表す。
Lb3は、単結合、或いはC1〜C12飽和炭化水素基を表し、
Lb4は、C1〜C13飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の炭素数上限は13以下である。
Lb5は、C1〜C15飽和炭化水素基を表す。
Lb6及びLb7は、それぞれ独立に、C1〜C15飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の炭素数上限は16以下である。
Lb8は、C1〜C14飽和炭化水素基を表す。
Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、C1〜C11飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の炭素数上限は12以下である。
式(b2−1)中、Rb4〜Rb6は、それぞれ独立に、C1〜C30脂肪族炭化水素基、C3〜C36飽和環状炭化水素基又はC6〜C18芳香族炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、C1〜C12アルコキシ基又はC6〜C18芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記飽和環状炭化水素基は、ハロゲン原子、C2〜C4アシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、前記芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1〜C36脂肪族炭化水素基、C3〜C36飽和環状炭化水素基又はC1〜C12アルコキシ基で置換されていてもよい。
Rb12は、C1〜C12脂肪族炭化水素基、C3〜C18飽和環状炭化水素基或いはC6〜C18芳香族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基は、C1〜C12脂肪族炭化水素基、C1〜C12アルコキシ基、C3〜C18飽和環状炭化水素基又はアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Rb9とRb10と、及びRb11とRb12とは、それぞれ独立に、互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−で置き換わっていてもよい。
Lb11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表し、q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、u2は0又は1を表す。o2〜t2のいずれかが2であるとき、それぞれ、複数のRb13〜Rb18のいずれかは互いに同一でも異なってもよい。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基が挙げられる。
置換基が芳香族炭化水素基である脂肪族炭化水素基(アラルキル基)としては、ベンジル基などが挙げられる。
Rb9及びRb10が形成する環としては、例えばチオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
Rb11及びRb12が形成する環としては、例えばオキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
v2〜x2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。v2〜x2のいずれかが2以上のとき、それぞれ、複数のRb19〜Rb21のいずれかは、互いに同一でも異なってもよい。
本発明のレジスト組成物は、塩基性化合物(C)を含有していてもよい。塩基性化合物(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜1質量%程度であることが好ましい。
Arc1は、芳香族炭化水素基を表す。
Rc5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、
Rc7は、脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、飽和環状炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、
Rc5〜Rc7における脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアルコキシ基の水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又はC1〜C6アルコキシ基で置換されていてもよく、前記アミノ基は、C1〜C4アルキル基で置換されていてもよい。
m3は0〜3の整数を表、m3が2以上のとき、複数のRc7は、互いに同一でも異なってもよい。
飽和環状炭化水素基の炭素数は、好ましくは5〜10程度である。
芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜10程度である。
アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜6程度である。
アニリン(C2−1)としては、例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。これらの中でもジイソプロピルアニリン(特に2,6−ジイソプロピルアニリン)が好ましい。
式(C3)〜式(C11)中、
Rc8は、式(C2)のRc7で説明したいずれかの基を表す。
Rc9〜Rc14、Rc16〜Rc19及びRc22は、それぞれ独立に、式(C2)のRc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。
Rc20、Rc21、Rc23〜Rc28は、それぞれ独立に、式(C2−1)のRc7で説明したいずれかの基を表す。
Rc15は、脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基又はアルカノイル基を表す。
Lc1及びLc2は、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基、−CO−、−C(=NH)−、−C(=NRc3)−、−S−、−S−S−又はこれらの組合せを表し、Rc3は、C1〜C4アルキル基を表す。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のRc15は、互いに同一でも異なってもよい。
o3〜u3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3〜u3のいずれかが2以上であるとき、それぞれ、複数のRc20〜Rc28のいずれかは互いに同一でも異なってもよい。
2価の脂肪族炭化水素基は、好ましくはアルキレン基であり、この脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜6程度である。
化合物(C5)としては、例えばモルホリンなどが挙げられる。
化合物(C6)としては、例えばピペリジン、及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
化合物(C7)としては、例えば2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミンなどが挙げられる。化合物(C11)としては、例えばビピリジンなどが挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、溶剤(E)を含有していてもよい。溶剤(E)を含有する本発明のレジスト組成物は、薄膜レジストを製造するために適している。溶剤(E)の含有量は、組成物中90質量%以上(好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上)、99.9質量%以下(好ましくは99質量%以下)である。溶剤(E)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料などを利用できる。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)上述した本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、特に、化学増幅型フォトレジスト組成物に有用であり、半導体の微細加工、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程等、広範な用途に好適に利用することができる。例えば、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、EB用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物として好適である。また、液浸露光のほか、ドライ露光などにも用いることができる。さらに、ダブルイメージング用にも用いることができ、工業的に有用である。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲル浸透クロマトグラフィーにより求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL−M 3本+ ガードカラム(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
モノマーE、モノマーF、モノマーI、モノマーG、モノマーC、モノマーDをモル比30:15:5:5:15:30で仕込み、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行って精製し、重量平均分子量が7.2×103の共重合体を収率76%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
モノマーE、モノマーF、モノマーI、モノマーG、モノマーDをモル比28:14:8:7:43で仕込み、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行って精製し、重量平均分子量が7.4×103の共重合体を収率72%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
モノマーA、モノマーF、モノマーI、モノマーG、モノマーC、モノマーDをモル比32:12:5:6:15:30で仕込み、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行って精製し、重量平均分子量が7.0×103の共重合体を収率70%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A3とする。
モノマーA、モノマーF、モノマーL、モノマーG、モノマーC、モノマーDをモル比32:12:5:6:15:30で仕込み、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行って精製し、重量平均分子量が7.2×103の共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A4とする。
モノマーA、モノマーF、モノマーM、モノマーG、モノマーC、モノマーDをモル比32:12:5:6:15:30で仕込み、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行って精製し、重量平均分子量が6.9×103の共重合体を収率65%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A5とする。
モノマーA、モノマーF、モノマーI、モノマーN、モノマーC、モノマーDをモル比32:12:5:6:15:30で仕込み、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行って精製し、重量平均分子量が7.3×103の共重合体を収率62%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A6とする。
モノマーA、モノマーB、モノマーDをモル比50:25:25で仕込み、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行って精製し、重量平均分子量が8.1×103の共重合体を収率55%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂X1とする。
モノマーA、モノマーK、モノマーI及びモノマーJを、モル比40:25:8:27の割合で仕込み、全モノマーの合計質量の1.2質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを70℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約10000である共重合体を収率65%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂X2とした。
以下の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
B1a:
B2:トリフェニルスルホニウム・パーフルオロオクタンスルホナート
B3:1−(2−オキソ−2−フェニルエチル)テトラヒドロチオフェニウム・パーフルオロブタンスルホナート
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
C2:トリフェニルイミダゾール
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
次いで、得られた有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
得られたシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベーク(PB)した。
このようにしてレジスト組成物膜を形成したウェハーに、液浸露光用ArFエキシマステッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光]を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを液浸露光した。
露光後、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行った。
さらに、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
これらの結果を表2に示す。
Claims (12)
- 式(I)で表される化合物に由来する構造単位及び式(II)で表される化合物に由来する構造単位を有する樹脂。
[式(I)中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
X1は、C2〜C36複素環基を表し、該複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C24炭化水素基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該複素環基に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。]
[式(II)中、
R31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
Z1は、2価のC1〜C17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−CO−、−O−、−S−又は−N(R35)−で置き換わっていてもよい。
R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又は水酸基を表す。ただし、R32及びR33の少なくともいずれか一方は、水酸基を表す。
R34及びR35は、C1〜C6アルキル基を表す。
s1は、0〜10の整数を表す。] - 式(I)で表される化合物が、式(III)で表される化合物である請求項1記載の樹脂。
[式(III)中、
R2は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子又はC1〜C24炭化水素基を表すか、R3〜R8の中から選ばれる少なくとも2つが互いに結合してC3〜C30の環を形成し、該炭化水素基及び該環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該炭化水素基及び該環に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
t1は、0〜3の整数を表す。] - 式(I)で表される化合物が、式(IV)で表される化合物である請求項1又は2記載の樹脂。
[式(IV)中、
R9は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R10〜R19は、それぞれ独立に、水素原子又はC1〜C12炭化水素基を表すか、R10〜R19の中から選ばれる少なくとも2つが互いに結合してC3〜C24の環を形成し、該炭化水素基及び該環に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基で置換されていてもよく、該炭化水素基及び該環に含まれる−CH2−は、−CO−又は−O−で置き換わっていてもよい。
t2及びt3は、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。] - 式(I)で表される化合物が、式(V)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか記載の樹脂。
[式(V)中、
R20は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
R21は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C4アシル基又はC2〜C4アシルオキシ基を表す。
t4は、0〜8の整数を表す。] - さらに、ラクトン環を含有する酸安定モノマーに由来する構造単位を有する請求項1〜4のいずれか記載の樹脂。
- さらに、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる請求項1〜5のいずれか記載の樹脂。
- 請求項1〜6のいずれか記載の樹脂及び酸発生剤を含むフォトレジスト組成物。
- 酸発生剤が式(B1)で表される酸発生剤である請求項7記載のフォトレジスト組成物。
[式(B1)中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1〜C6ペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は2価のC1〜C17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基の−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいC1〜C18脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいC3〜C18飽和環状炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。] - Lb1が、*−CO−O−(*は、−C(Q1)(Q2)−との結合手を表す)である請求項8記載のフォトレジスト組成物。
- Z+が、アリールスルホニウムカチオンである請求項8又は9記載のフォトレジスト組成物。
- 塩基性化合物を含む請求項7〜10のいずれか記載のフォトレジスト組成物。
- (1)請求項7〜11のいずれか記載のフォトレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
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JP2010271624A JP5677669B2 (ja) | 2009-12-21 | 2010-12-06 | 樹脂、フォトレジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 |
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