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JP5670383B2 - 透析用水供給装置、及び、透析用水供給方法 - Google Patents

透析用水供給装置、及び、透析用水供給方法 Download PDF

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Description

本開示の技術は、人工透析を行うための透析用水を透析液調整装置に供給する透析用水供給装置、及び、透析用水供給方法に関する。
透析用水供給装置には、通常、原水に含まれる異物を逆浸透法によりろ過する逆浸透(Reverse Osmosis :RO)モジュールが搭載されている。ROモジュールが有するRO膜の表面には、一般に、全芳香族ポリアミド系からなる機能層が形成され、この機能層による物理的な捕獲によって、溶解イオン、有機物、細菌等が除去される。
一方、ROモジュールに供給される原水とは、通常、活性炭ろ過装置によって塩素成分の除去された水である。そのため、ROモジュールに供給される原水に細菌類が含まれていることが少なくないから、このような原水が通過し続けるRO膜では、一次側から二次側に至るまで、細菌による汚染の生じることが十分に考えられる。
この点、細菌類がROモジュール内で増殖することになれば、RO膜を透過した透過水、ひいては透過水から生成される透析用水で生菌や内毒素(Endotoxin :ET)が増えてしまう。そのため、透析用水供給装置に搭載されるRO膜に対しては、特許文献1に記載のように、RO膜の一次側から消毒用薬液を供給してRO膜を滅菌する処理が定期的に行われる。
特開2005−34433号公報
ところで、特許文献1に開示される技術では、塩素系薬液である次亜塩素酸ナトリウム液、過酢酸、過酸化水素、オゾン水、及び、酸性電解水が消毒用薬液として用いられる。ただし、これら消毒用薬液のうち、次亜塩素酸ナトリウム液、過酸化水素、オゾン水、及び、酸性電解液による滅菌によれば、確かにRO膜が滅菌されるものの、ろ過の機能が低下する程度の変質が機能層に生じてしまう。そのため、RO膜に対する滅菌では、上述した機能層の変質を抑えるために、専ら、過酢酸系薬剤が消毒用薬液として用いられている。
一方、上述した各消毒用薬液は、過酢酸系薬剤に限らず、いずれも透析用水と共に流路内で安定して存在する。そのため、RO膜の滅菌後の流路には、少なからず消毒用薬液が残ることになる。そこで、消毒用薬液が透析用水に混入することを回避するため、滅菌後の流路に対しては、通常、透析用水を生成する前に滅菌後のRO膜の一次側から大量の原水が供給され、RO膜を含む流路から消毒用薬液が洗い流される。しかしながら、こうした流路の洗浄処理には、消毒用薬液が用いられる滅菌と比べて、非常に大きい流量の原水と多くの時間とが必要になるため、透析用水供給装置、ひいては透析用水供給装置を備える透析システムの稼働効率を大きく低下させる要因となる。
本開示の技術は、上述した稼働効率の低下を抑えることの可能な透析用水供給装置、及び、透析用水供給方法を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するための本開示における透析用水供給装置、及び、透析用水供給方法の態様をその作用、及び、効果とともに説明する。
本開示における透析用水供給装置の一態様は、軟水から逆浸透膜を用いて透析用水を生成する透析用水生成部を備え、前記透析用水を透析液調整装置に供給する透析用水供給装置であって、前記透析用水生成部が、前記逆浸透膜の一次側に二酸化塩素を供給する二酸化塩素供給部と、前記逆浸透膜の二次側に二酸化塩素を分解する二酸化塩素分解部とを備える。
ここで、水に溶解した二酸化塩素は、非イオン性のガスであって、塩素や臭素が跳ね返されるような生物膜内にも浸透する。例えば、二酸化塩素は、バイオフィルムのなかで細菌を保護する粘液層に浸透して細菌を発生させる多糖類を不活性化して滅菌する。こうした二酸化塩素の滅菌作用は、塩素イオンの消毒作用を用いた塩素系の消毒用薬液である次亜塩素酸ナトリウム液、非塩素系の消毒用薬液である過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水による滅菌作用と比べて、pHに左右されず、且つ大きな滅菌力と高い滅菌速度とを示すものである。そして、非塩素系の消毒用薬液である二酸化塩素そのものは、逆浸透膜の機能層を変質させるものでもない。他方、二酸化塩素は、溶液中であれ大気中であれ、室温よりも高い温度、紫外光の照射、こうした環境下に曝される時間等、これら全ての要素によって容易に分解が促される。
本開示における透析用水供給装置の一態様によれば、逆浸透膜の一次側から供給される二酸化塩素によって、逆浸透膜に対する滅菌が可能になる。しかも、二酸化塩素の滅菌効果は、次亜塩素酸ナトリウム液、過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水と比べて高いため、これらよりも大幅に低い濃度と短い時間で同じ程度の滅菌が可能にもなる。そして、逆浸透膜を透過した透過水に対する二酸化塩素の分解処理が透析液調整装置の一次側で施されるため、消毒用薬液そのものが残る場合と比べて、滅菌後の逆浸透膜を原水で洗う際に、こうした洗浄処理での原水の流量を抑えること、あるいは洗浄処理そのものを省くことが可能にもなる。それゆえに、逆浸透膜を含む流路の洗浄処理に要する時間を抑えることが可能になるため、透析用水供給装置の稼働効率を高めることが可能ともなる。
本開示における透析用水供給装置の他の態様は、前記二酸化塩素供給部が、亜塩素酸塩とイオン交換物質との接触により亜塩素酸を生成して、前記亜塩素酸と触媒物質との接触により二酸化塩素を生成する二酸化塩素生成部を備える。
二酸化塩素を生成する方法には、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸、又は、硫酸との反応により塩素ガスを生成させて、塩素ガスと次亜塩素酸ナトリウムとの反応により二酸化塩素を生成する薬液混合法が知られている。一方、こうした薬液混合法により二酸化塩素が生成される場合では、塩素ガスと次亜塩素酸ナトリウムとの反応が利用される以上、未反応分の塩素ガスが少なからず含まれてしまう。また、二酸化塩素を生成する他の方法には、電気化学的に二酸化塩素を発生させる方法が知られているが、不純物である塩素ガス、及び、オゾンが陽極側に生成されてしまう。
この点、本開示における透析用水供給装置の他の態様によれば、イオン交換物質に亜塩素酸塩を通して純粋な亜塩素酸が生成され、この亜塩素酸と触媒物質との反応により二酸化塩素が生成されるため、塩素ガスやオゾンが含まれない高い純度の二酸化塩素が生成される。
本開示における透析用水供給装置の他の態様は、前記逆浸透膜の二次側で二酸化塩素の濃度を検出する濃度検出部と、前記二酸化塩素生成部による二酸化塩素の生成を前記濃度検出部の検出結果に基づき制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記二酸化塩素生成部における亜塩素酸塩の供給量を前記濃度の増加によって下げる。
本開示における透析用水供給装置の他の態様によれば、二酸化塩素の出発原料である亜塩素酸塩の供給量が、透析用水を生成するための流路における二酸化塩素の濃度の増加により下げられる。すなわち、透析用水を生成するための流路にて滅菌を抑える必要がある場合には、二酸化塩素生成部にて二酸化塩素の生成が抑えられる。二酸化塩素とは、水に溶解した非イオン性のガスであるから、その貯蔵に際しては、二酸化塩素が溶解した液を加圧された環境に留める必要がある。この点、上述した態様であれば、透析用水供給装置にて二酸化塩素の貯蔵を抑えられるため、二酸化塩素を貯蔵するための負荷を透析用水供給部にて軽減することが可能にもなる。
本開示における透析用水供給装置の他の態様では、前記制御部が、前記二酸化塩素生成部の駆動態様と前記二酸化塩素分解部の駆動態様とを制御し、前記制御部は、前記透析液調整装置が透析液を調整するときに、前記二酸化塩素供給部における二酸化塩素の供給と、前記二酸化塩素分解部における二酸化塩素の分解とを行う。
本開示における透析用水供給装置の他の態様によれば、透析液が調整される際に透析用水供給装置にて滅菌が行われるため、透析液調整装置や透析液供給装置の停止が滅菌ごとに必要になる場合と比べて、透析用水供給装置の稼働効率を高めることが可能にもなる。
本開示における透析用水供給装置の他の態様では、前記二酸化塩素分解部は、前記逆浸透膜を透過した透過水に対し紫外光を照射する光源である。
二酸化塩素を分解する方法には、例えば逆浸透膜を透過した透過水から二酸化塩素を脱気して、脱気された二酸化塩素を分解可能な環境に曝す方法が挙げられる。ただし、このような分解方法では、二酸化塩素の分解に際して、塩素ガスが少なからず発生してしまう。この点、本開示における透析用水供給装置の他の態様によれば、逆浸透膜を透過した透過水のなかで二酸化塩素が分解されるため、脱気による分解とは異なり、塩素ガスの生成される虞がない。それゆえに、脱気により二酸化塩素を分解する態様と比べて、透析用水供給装置の取り扱いが容易なものとなる。
本開示における透析用水供給装置の他の態様では、前記濃度検出部は、前記濃度が所定値以上か否かを検出し、前記制御部は、前記濃度が所定以上であることにより前記二酸化塩素生成部における亜塩素酸塩の供給を停止する。
本開示における透析用水供給装置の他の態様によれば、透析用水を生成するための流路における二酸化塩素の濃度が所定値以上であることにより、二酸化塩素の出発原料である亜塩素酸塩の供給が停止される。すなわち、透析用水を生成するための流路にて滅菌が必要とされない場合には、二酸化塩素生成部にて二酸化塩素の生成が停止される。このような態様であれば、透析用水供給装置にて二酸化塩素を貯蔵する必要が無いため、二酸化塩素を貯蔵するための構成を透析用水供給部から省くことが可能にもなる。
本開示における透析用水供給装置の他の態様では、軟水装置を透過した透過水から残留塩素を取り除く活性炭ろ過部を備え、前記逆浸透膜の一次側に、前記活性炭ろ過部で前記残留塩素を取り除いてから供給する。
本開示における透析用水供給方法の一態様は、軟水から逆浸透膜を用いて生成される透析用水を供給する透析用水供給装置を用い、前記透析用水を透析液調整装置に供給する透析用水供給方法であって、前記逆浸透膜の一次側に二酸化塩素を供給する二酸化塩素供給工程と、前記逆浸透膜の二次側にて二酸化塩素を分解する二酸化塩素分解工程とを備える。
本開示における透析用水供給方法の一態様によれば、逆浸透膜の一次側から供給される二酸化塩素によって、逆浸透膜の一次側から二次側にわたり滅菌が可能になる。しかも、次亜塩素酸ナトリウム液、過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水と比べて二酸化塩素の滅菌効果が高いため、これらよりも大幅に低い濃度で同じ程度の滅菌が可能にもなる。そして、逆浸透膜を透過した透過水に対する二酸化塩素の分解処理が透析液調整装置の一次側で施されるため、滅菌後の逆浸透膜を原水で洗う際、こうした洗浄処理での原水の流量を抑えること、あるいは洗浄処理そのものを省くことが可能にもなる。それゆえに、逆浸透膜を含む流路の洗浄処理に要する時間を抑えることが可能になるため、透析用水供給装置の稼働効率を高めることが可能ともなる。
本開示における透析用水供給方法の他の態様は、前記透析液調整装置が稼働するときに、前記二酸化塩素供給工程、及び、前記二酸化塩素分解工程を行う。
本開示における透析用水供給方法の他の態様によれば、透析液が調整される際に透析用水供給装置にて滅菌が行われるため、透析液調整装置や透析液供給装置の停止が滅菌ごとに必要になる場合と比べて、透析用水供給装置の稼働効率を高めることが可能にもなる。
本開示における透析用水供給方法の他の態様は、活性炭ろ過部で軟水装置を透過した透過水から残留塩素を取り除いて前記逆浸透膜の一次側に供給するろ過工程を行う。
本開示の透析用水供給装置における一実施形態の全体構成を透析液調整装置、患者監視装置、及び、個人用透析装置とともに示す流路系統図。 本開示の透析用水供給装置における一実施形態の電気的構成を示す電気ブロック図。 本開示の透析用水供給装置における試験例の結果を示すグラフであって、二酸化塩素の供給の経過時間とROモジュールにおける除去率との関係を示す図。 本開示の透析用水供給装置における比較例の結果を示すグラフであって、二酸化塩素の供給の経過時間とROモジュールにおける除去率との関係を示す図。 本開示の透析用水供給装置における試験例の結果を示すグラフであって、紫外光の照射の態様と二酸化塩素の濃度との関係を示す図。 本開示の透析用水供給装置における変形例の全体構成を透析液調整装置、患者監視装置、及び、個人用透析装置とともに示す流路系統図。 本開示の透析用水供給装置における変形例の全体構成を透析液調整装置、患者監視装置、及び、個人用透析装置とともに示す流路系統図。
以下、本開示における透析用水供給装置、及び、透析用水供給方法の各々における一実施の形態について図1を参照して説明する。
図1に示されるように、透析用水供給装置における原水ポンプ11の吐出側には、プレフィルター12、軟水装置13、活性炭ろ過装置14、軟水タンク15、及び、一次側RO水ポンプ16がこの順に接続されている。
原水ポンプ11は、原水を所定の流量で吐出するポンプであり、原水ポンプ11に導入される原水は、日本国水道法(昭和32年法律第177号)を満たす水道水や地下水が好ましい。プレフィルター12は、例えば1μm〜25μmのサイズを有するフィルターであり、原水ポンプ11の吐出した原水から鉄さびや砂などの異物を取り除く。軟水装置13は、プレフィルター12を透過した透過水から2荷以上の所定の陽イオンをイオン交換によって取り除く。軟水装置13にて取り除かれる陽イオンは、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン等の硬度成分である。活性炭ろ過装置14は、軟水装置13を透過した透過水から残留塩素、クロラミン、有機物を吸着によって取り除く。軟水タンク15は、活性炭ろ過装置14を透過した透過水である軟水を一旦貯めるタンクであり、貯められている軟水の容量を計測する軟水水量計15Sを有している。
そして、軟水タンク15に貯められた軟水は、一次側RO水ポンプ16に供給されて、一次側RO水ポンプ16から吐出される。この際、軟水タンク15に貯められた軟水の容量が所定の容量を下回ると、原水ポンプ11の駆動によって、活性炭ろ過装置14から軟水タンク15に軟水が供給される。これにより、軟水タンク15の内部には、常に所定の範囲の容量で軟水が貯められる。
一次側RO水ポンプ16の吐出側には、ROモジュール17、RO水流量計18、濃度検出部としての二酸化塩素濃度計19、RO水タンク20、及び、二次側RO水ポンプ21がこの順に接続されている。
ROモジュール17は、RO膜に対する一次側の軟水に浸透圧以上の圧力を加え、溶解イオン、有機物、細菌、内毒素等のろ過された水であるRO水をRO膜の二次側に透過させる。RO水流量計18は、ROモジュール17を透過したRO水の流量を計測し、その計測結果を出力する。二酸化塩素濃度計19は、RO水における二酸化塩素の濃度をROモジュール17の二次側で計測し、その計測結果を出力する。RO水タンク20は、ROモジュール17で生成されたRO水を一旦貯めるタンクであり、貯められているRO水の容量を計測するRO水水量計20Sを有している。
そして、RO水タンク20に貯められたRO水は、二次側RO水ポンプ21に供給されて、二次側RO水ポンプ21から吐出される。この際、RO水タンク20に貯められたRO水の容量が所定の容量を下回ると、一次側RO水ポンプ16の駆動によって、ROモジュール17からRO水タンク20にRO水が供給される。これにより、RO水タンク20の内部には、常に所定の範囲の容量でRO水が貯められる。
軟水タンク15と一次側RO水ポンプ16との間には、ROモジュール17の一次側に二酸化塩素を供給する二酸化塩素供給部30が接続されている。二酸化塩素供給部30は、二酸化塩素生成部31を有し、二酸化塩素生成部31は、二酸化塩素ポンプ32、及び、二酸化塩素供給バルブ33を介して軟水タンク15と一次側RO水ポンプ16との間に接続されている。
二酸化塩素生成部31は、亜塩素酸ナトリウムポンプ31A、イオン交換装置31B、及び、触媒装置31Cから構成されている。亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aは、亜塩素酸塩の一つである亜塩素酸ナトリウムの水溶液を所定の流量でイオン交換装置31Bに吐出するポンプである。イオン交換装置31Bは、水素型の陽イオン交換物質を有し、亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aから吐出される亜塩素酸ナトリウムとイオン交換樹脂との接触により亜塩素酸を生成する。触媒装置31Cは、イオン交換装置31Bで生成される亜塩素酸と触媒物質とを接触させることによって二酸化塩素を生成する。すなわち、二酸化塩素生成部31は、下記式1に示される反応に従って亜塩素酸ナトリウムから亜塩素酸を生成し、下記式2に示される反応に従って亜塩素酸から二酸化塩素を生成する。
Figure 0005670383
なお、二酸化塩素を生成する方法には、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸、又は、硫酸との反応により塩素ガスを生成させて、二酸化塩素を生成する薬液混合法が知られている。一方、こうした薬液混合法により二酸化塩素が生成される場合では、未反応分の塩素ガスや次亜塩素酸等が少なからず二酸化塩素中に含まれてしまう。また、二酸化塩素を生成する他の方法には、電気化学的に二酸化塩素を発生させる方法が知られているが、不純物である塩素ガス、及び、オゾンが陽極側に生成されてしまう。この点、上記式1、及び、式2に従う反応を用いれば、陽イオン交換物質を通過する亜塩素酸ナトリウムから純粋な亜塩素酸が生成され、この亜塩素酸と触媒物質との反応により99%以上の高い純度で二酸化塩素が生成される。そのため、RO膜の機能層を変質させる塩素ガスやオゾンが含まれない高い純度の二酸化塩素が生成される。なお、二酸化塩素の溶液に含まれる不純物がRO膜に捕獲されることを考慮すれば、二酸化塩素生成部31により生成される二酸化塩素の純度は、90%以上99%未満であってもよい。ただし、RO膜におけるろ過の負荷を抑えるうえでは、99%以上であることが好ましい。また、触媒物質としては、白金が被覆されたゼオライトや二酸化マンガンを用いることができる。
そして、二酸化塩素生成部31で生成された二酸化塩素の水溶液は、二酸化塩素ポンプ32に供給されて、二酸化塩素供給バルブ33が開弁することによって、二酸化塩素ポンプ32から吐出される。この際、亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aが亜塩素酸ナトリウム水溶液を吐出することによって、二酸化塩素生成部31で二酸化塩素が生成される。一方、亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aが亜塩素酸ナトリウム水溶液を吐出しない限りは、二酸化塩素生成部31での二酸化塩素の生成が停止される。このような二酸化塩素の生成態様であれば、二酸化塩素を貯蔵する必要が無いため、二酸化塩素を貯蔵するための構成を二酸化塩素供給部30から省くことが可能にもなる。
一方、先に説明された二次側RO水ポンプ21の吐出側には、二酸化塩素分解部41、塩素濃度計42、透析液供給装置43がこの順に接続されている。また、透析液供給装置43の二次側には、複数の患者監視装置45が並列に接続され、塩素濃度計42と透析液供給装置43との間には、複数の個人用透析装置46が並列に接続されている。
二酸化塩素分解部41は、二次側RO水ポンプ21から吐出されたRO水に波長が400nm以下の紫外光を照射する光源を有し、RO水に含まれる二酸化塩素をRO水のなかで分解する。二酸化塩素を分解する方法には、例えば、逆浸透膜を透過した透過水から二酸化塩素を脱気して、脱気された二酸化塩素を分解可能な環境に曝す方法が挙げられる。ただし、このような分解方法では、二酸化塩素が分解されるものの、二酸化塩素の分解に際して、塩素ガスが少なからず発生してしまう。この点、RO水に対して紫外光を照射する分解態様によれば、RO水のなかで二酸化塩素が分解される以上、脱気による分解のように塩素ガスが生成される虞がない。それゆえに、脱気による分解と比べて、透析用水供給装置の取り扱いを容易なものとすることが可能にもなる。
塩素濃度計42は、二酸化塩素分解部41を透過した透過水である透析用水に対し、結合塩素の濃度と遊離塩素の濃度とを各別に計測し、これらの総和を塩素濃度として出力する。
透析液供給装置43には、複数の患者用の透析液を調整する透析液調整装置43aが搭載され、透析液調整装置43aには、A液を生成するA溶解装置と、B液を生成するB溶解装置と、透析液を一旦貯める透析液タンクとが搭載されている。A溶解装置は、二酸化塩素分解部41を透過した透析用水に電解質粉末を溶解して電解質液であるA液を生成する。B溶解装置は、二酸化塩素分解部41を透過した透過水に重炭酸粉末を溶解してB液を生成するB溶解装置を搭載する。透析タンクは、二酸化塩素分解部41を透過した透析用水にA液、及び、B液が添加された水である透析液を貯めるタンクであり、貯められている透析液の容量を計測する透析液水量計43Sを有している。
複数の患者監視装置45の各々には、透析液供給装置43で生成された透析液が供給される透析器(ダイアライザー)が搭載され、透析器における透析液の供給状態の監視と患者の治療とを行う。
複数の個人用透析装置46の各々には、一人の患者用の透析液を調整する個人用透析液調整装置46aとダイアライザーとが搭載されている。複数の個人用透析装置46の各々は、透析用水を用いた透析液の希釈調整、ダイアライザーへの透析液の供給、及び、監視を行う。なお、透析液の流れる流路の末端から排出される液体は、排液タンクあるいは下水に排出される。
そして、二次側RO水ポンプ21から吐出されたRO水は、二酸化塩素分解部41における紫外光の照射によって二酸化塩素を分解され、その一部が、二酸化塩素分解部41から透析液供給装置43へ透析用水として供給される。透析液供給装置43に供給される透析用水は、A液、及び、B液の生成に用いられ、その後、A液、及び、B液が透析用水に添加され、これが透析液として透析液供給装置43から各患者監視装置45へ供給される。また、二酸化塩素分解部41から供給された透析用水の一部は、複数の個人用透析装置46の各々にも供給されて血液透析に用いられる。
なお、二酸化塩素供給部30を含め、原水の主流路を構成する原水ポンプ11から透析液供給装置43の一次側である塩素濃度計42までの各構成要素によって、透析用水生成部が構成されている。また、透析用水生成部と、透析用水生成部における各部の駆動態様を制御する制御部とによって、透析用水供給装置が構成されている。
次に、上記構成からなる透析用水供給装置での透析用水の供給態様を制御する制御部について図2を参照して説明する。透析用水供給装置を構成する第1制御部50、及び、第2制御部51の各々は、各構成要素を予め定められた順序で駆動するためのシーケンスを記憶する記憶部、シーケンスに基づき各構成要素の駆動態様を制御する制御装置、制御装置の指令に基づき各種の演算処理を実行する演算装置等から構成される。第1制御部50は、一次側RO水ポンプ16の一次側を構成する各部に対して駆動態様を制御する。第2制御部51は、軟水タンク15の二次側を構成する各部に対して駆動態様を制御する。
第1制御部50における入力部には、軟水水量計15Sが接続され、第1制御部50における出力部には、原水ポンプ11が接続されている。軟水水量計15Sは、軟水タンク15に貯められる軟水の容量が所定の容量以上であるか否かを示す信号を第1制御部50に出力する。
そして、軟水タンク15に貯められる軟水の容量が所定の容量に満たないことを示す信号が第1制御部50に入力されると、原水ポンプ11を駆動するための制御信号が、第1制御部50から原水ポンプ11に出力される。一方、軟水タンク15に貯められる軟水の容量が所定の容量以上であることを示す信号が第1制御部50に入力されると、原水ポンプ11の駆動を停止するための制御信号が、第1制御部50から原水ポンプ11に出力される。このような原水ポンプ11の駆動態様により、軟水タンク15の内部には、常に所定の範囲の容量で軟水が貯められる。
第2制御部51における入力部には、外部入力装置52、RO水流量計18、二酸化塩素濃度計19、RO水水量計20S、塩素濃度計42、及び、透析液水量計43Sが接続されている。また、第2制御部51における出力部には、原水ポンプ11、一次側RO水ポンプ16、二次側RO水ポンプ21、亜塩素酸ナトリウムポンプ31A、二酸化塩素ポンプ32、及び、二酸化塩素供給バルブ33が接続されている。
外部入力装置52は、透析用水供給装置に通常運転を実行させるための通常運転指令信号、透析用水供給装置に洗浄運転を実行させるための洗浄運転指令信号、及び、透析用水供給装置に各種の運転を停止させるための停止指令信号のいずれかを第2制御部51に出力する。
そして、通常運転指令信号が第2制御部51に入力されると、第2制御部51は、透析液供給装置43に透析用水を供給するべく、二酸化塩素供給部30以外の各部を駆動するための制御信号を各部に出力する。また、洗浄運転指令信号が第2制御部51に入力されると、第2制御部51は、軟水タンク15の二次側を二酸化塩素で洗浄するべく、二酸化塩素供給部30を含む各部を駆動するための制御信号を各部に出力する。また、停止指令信号が第2制御部51に入力されると、第2制御部51は、通常運転あるいは洗浄運転を停止するべく、透析用水供給装置の各部の駆動を停止するための制御信号を各部に出力する。
例えば、通常運転指令信号が第2制御部51に入力されると、第2制御部51は、一次側RO水ポンプ16を駆動するための制御信号を一次側RO水ポンプ16に出力する。また、第2制御部51は、二次側RO水ポンプ21を駆動するための制御信号を二次側RO水ポンプ21に出力する。他方、洗浄運転指令信号が第2制御部51に入力されると、第2制御部51は、上記通常運転の開始時に出力する制御信号に加え、亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aを駆動するための制御信号を亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aに出力する。また、第2制御部51は、二酸化塩素ポンプ32を駆動するための制御信号を二酸化塩素ポンプ32に出力し、二酸化塩素供給バルブ33を開弁するための制御信号を二酸化塩素供給バルブ33に出力する。さらに、第2制御部51は、二酸化塩素分解部41を駆動するための制御信号を二酸化塩素分解部41に出力する。
RO水流量計18は、ROモジュール17を透過したRO水の流量を示す信号を第2制御部51に出力する。二酸化塩素濃度計19は、ROモジュール17を透過したRO水における二酸化塩素の濃度を示す信号を第2制御部51に出力する。RO水水量計20Sは、RO水タンク20に貯められるRO水の容量が所定の容量以上であるか否かを示す信号を第2制御部51に出力する。
そして、RO水タンク20に貯められるRO水の容量が所定の容量に満たないことを示す信号が第2制御部51に入力されると、一次側RO水ポンプ16を駆動するための制御信号が、第2制御部51から一次側RO水ポンプ16に出力される。一方、RO水タンク20に貯められるRO水の容量が所定の容量以上であることを示す信号が第2制御部51に入力されると、一次側RO水ポンプ16の駆動を停止するための制御信号が、第2制御部51から一次側RO水ポンプ16に出力される。このような一次側RO水ポンプ16の駆動態様により、RO水タンク20の内部には、常に所定の範囲の容量でRO水が貯められる。
また、洗浄運転下における第2制御部51は、所定の濃度である洗浄終了濃度とRO水における二酸化塩素の濃度とを比べ、RO水における二酸化塩素の濃度が洗浄終了濃度以上であるか否かを判断する。この際、RO水における二酸化塩素の濃度が洗浄終了濃度未満である場合、第2制御部51は、二酸化塩素による滅菌が継続中であるものと判断し、二酸化塩素供給部30、及び、一次側RO水ポンプ16の駆動を継続する。他方、RO水における二酸化塩素の濃度が洗浄終了濃度以上である場合、第2制御部51は、二酸化塩素供給部30の駆動を停止するための制御信号を二酸化塩素供給部30の各部に出力する。すなわち、第2制御部51は、亜塩素酸ナトリウムポンプ31A、及び、二酸化塩素ポンプ32に駆動を停止するための制御信号を出力するとともに、二酸化塩素供給バルブ33を閉弁するための制御信号を二酸化塩素供給バルブ33に出力する。なお、洗浄終了濃度は、RO水タンク20の一次側が十分に滅菌されている際に、RO水タンク20の一次側にて得られる二酸化塩素の濃度の下限値である。
塩素濃度計42は、二酸化塩素分解部41を透過した透析用水における塩素濃度を示す信号を第2制御部51に出力する。透析液水量計43Sは、透析液タンクに貯められる透析液の容量が所定の容量以上であるか否かを示す信号を第2制御部51に出力する。
そして、透析液タンクに貯められる透析液の容量が所定の容量に満たないことを示す信号が第2制御部51に入力されると、二次側RO水ポンプ21を駆動するための制御信号が、第2制御部51から二次側RO水ポンプ21に出力される。一方、透析液タンクに貯められる透析液の容量が所定の容量以上であることを示す信号が第2制御部51に入力されると、二次側RO水ポンプ21の駆動を停止するための制御信号が、第2制御部51から二次側RO水ポンプ21に出力される。このような二次側RO水ポンプ21の駆動態様により、透析液タンクの内部には、常に所定の範囲の容量で透析液が貯められる。
また、通常運転下における第2制御部51は、所定の濃度である通常運転濃度と透析用水における塩素濃度とを比べ、透析用水における塩素濃度が通常運転濃度以下であるか否かを判断する。この際、透析用水における塩素濃度が通常運転濃度以下である場合、第2制御部51は、二次側RO水ポンプ21の駆動を継続する。他方、透析用水における塩素濃度が通常運転濃度を超える場合、第2制御部51は、二次側RO水ポンプ21の駆動を停止するための制御信号を二次側RO水ポンプ21に出力する。なお、通常運転濃度とは、透析液供給装置43にて透析液を調整できる透析用水のうち、二酸化塩素分解部41の二次側にて得られる塩素濃度の上限値である。
また、洗浄運転下における第2制御部51は、所定の濃度である分解終了濃度と透析用水における塩素濃度とを比べ、透析用水における塩素濃度が分解終了濃度以下であるか否かを判断する。この際、透析用水における塩素濃度が分解終了濃度を超える場合、第2制御部51は、二酸化塩素による滅菌が継続中であるものと判断し、二酸化塩素分解部41の駆動を継続する。他方、透析用水における塩素濃度が分解終了濃度以下である場合、第2制御部51は、二酸化塩素分解部41の駆動を停止するための制御信号を二酸化塩素分解部41に出力する。なお、分解終了濃度とは、軟水タンク15の二次側の二酸化塩素が十分に分解された際に、二酸化塩素分解部41の二次側にて得られる塩素濃度の上限値である。
次に、上述した構成からなる透析用水供給装置を用いて行われる透析用水の供給方法について説明する。なお、以下では、透析用水供給装置における通常運転モードと洗浄運転モードとを説明する都合上、これらに共通する原水ポンプ11は、上述したように第1制御部50によって駆動されているものとする。
まず、外部入力装置52にて通常運転モードが選択されると、外部入力装置52から通常運転指令信号が第2制御部51に入力される。そして、第2制御部51は、透析液供給装置43に透析用水を供給するべく、一次側RO水ポンプ16、及び、二次側RO水ポンプ21を駆動する。
また、第2制御部51は、RO水タンク20に貯められるRO水の容量を所定の周期で監視し、RO水タンク20の内部に常に所定の範囲の容量でRO水が貯められるように、一次側RO水ポンプ16を駆動する。また、第2制御部51は、透析液タンクに貯められる透析液の容量を所定の周期で監視し、透析液タンクの内部に常に所定の範囲の容量で透析液が貯められるように、二次側RO水ポンプ21を駆動する。
この際、第2制御部51は、透析液供給装置43、及び、個人用透析装置46の一次側における塩素濃度を所定の周期で監視する。そして、第2制御部51は、透析用水の塩素濃度が通常運転濃度以下である間、二次側RO水ポンプ21の駆動を継続し、透析用水における塩素濃度が通常運転濃度を超えると、二次側RO水ポンプ21の駆動を停止し、透析用水の塩素濃度が通常運転濃度を超えている旨のメッセージを外部へ出力する。
他方、外部入力装置52にて洗浄運転モードが選択されると、外部入力装置52から洗浄運転指令信号が第2制御部51に入力される。そして、第2制御部51は、透析液供給装置43、及び、個人用透析装置46の一次側を滅菌するべく、一次側RO水ポンプ16、二次側RO水ポンプ21、亜塩素酸ナトリウムポンプ31A、二酸化塩素ポンプ32、及び、二酸化塩素分解部41を駆動し、二酸化塩素供給バルブ33を開弁する。
また、第2制御部51は、RO水タンク20に貯められるRO水の容量を所定の周期で監視し、RO水タンク20の内部に常に所定の範囲の容量でRO水が貯められるように、一次側RO水ポンプ16を駆動する。また、第2制御部51は、透析液タンクに貯められる透析液の容量を所定の周期で監視し、透析液タンクの内部に常に所定の範囲の容量で透析液が貯められるように、二次側RO水ポンプ21を駆動する。
この際、第2制御部51は、ROモジュール17を透過した透過水に対し、二酸化塩素の濃度を所定の周期で監視し、また、透析液供給装置43、及び、個人用透析装置46に供給される透析用水に対し、塩素濃度を所定の周期で監視する。そして、第2制御部51は、二酸化塩素の濃度が洗浄終了濃度未満である間、亜塩素酸ナトリウムポンプ31A、一次側RO水ポンプ16、二次側RO水ポンプ21、二酸化塩素ポンプ32、及び、二酸化塩素分解部41を駆動する。
ここで、水に溶解した二酸化塩素は、非イオン性のガスであって、塩素や臭素が跳ね返されるような生物膜内にも浸透する。例えば、二酸化塩素は、バイオフィルムのなかで細菌を保護する粘液層に浸透して細菌を発生させる多糖類を不活性化して滅菌する。こうした滅菌作用は、次亜塩素酸ナトリウム液、過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水による滅菌作用と比べて、pHに左右されず、且つ大きな滅菌力と高い滅菌速度とを示すものである。そして、二酸化塩素そのものは、RO膜の機能層を変質させるものでもない。そのため、これら次亜塩素酸ナトリウム液、過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水の殺菌作用よりも高い殺菌作用を二酸化塩素が有することから、大幅に低い濃度と短い時間で同じ程度の滅菌が可能になる。
他方、二酸化塩素は、溶液中であれ大気中であれ、室温よりも高い温度、紫外光の照射、こうした環境下に曝される時間等、これら全ての要素によって容易に分解が促される。そして、二次側RO水ポンプ21の二次側では、二酸化塩素分解部41が紫外光を照射し続けるため、二酸化塩素の有する滅菌作用が透析液供給装置43、及び、個人用透析装置46の一次側で失活する。すなわち、ROモジュール17に二酸化塩素が残るとしても、二酸化塩素の濃度がそもそも低濃度であり、さらには透析液供給装置43、及び、個人用透析装置46の一次側で二酸化塩素が分解されるため、残存する二酸化塩素が透析液供給装置43や個人用透析装置46に混入することはない。それゆえに、滅菌後のROモジュール17を軟水で洗う際に、こうした洗浄処理での原水の流量を抑えること、あるいは洗浄処理そのものを省くことが可能にもなる。なお、透析用水のなかで分解された二酸化塩素は、塩素イオンとして透析用水中に残り、透析液調整装置にて添加される電解質液の一部を担うことにもなる。それゆえに、二酸化塩素が透析用水のなかで分解されるものの、こうした分解生成物を透析用水から除去するための構成は別途必要とされない。
そして、二酸化塩素の濃度が洗浄終了濃度以上になると、第2制御部51は、亜塩素酸ナトリウムポンプ31A、及び、二酸化塩素ポンプ32の駆動を停止し、二酸化塩素供給バルブ33を閉弁する。さらに、透析用水の塩素濃度が分解終了濃度以下になると、第2制御部51は、二酸化塩素分解部41の駆動を停止する。そして、滅菌後のROモジュール17を軟水で洗い流す場合には、原水ポンプ11、一次側RO水ポンプ16、及び、二次側RO水ポンプ21の駆動を上述した態様で継続する。
(試験例)
次に、二酸化塩素による滅菌作用について表1を参照して説明する。
大腸菌の生菌数が8.0×10、緑膿菌の生菌数が4.6×10、黄色ブドウ球菌の生菌数が6.2×10である検体1に対し、濃度が1ppmの二酸化塩素を消毒用薬液として用い、平板表面塗抹法により、1分後、5分後の生菌数を計測した。
また、検体1と同数の生菌数からなる検体2に対し、濃度が5ppmの二酸化塩素を消毒用薬液として用い、平板表面塗抹法により、同じく1分後、5分後の生菌数を計測した。また、検体1と同数の生菌数からなる検体3に対し、濃度が10ppmの二酸化塩素を消毒用薬液として用い、平板表面塗抹法により、同じく1分後、5分後の生菌数を計測した。なお、検体1と同数の生菌数からなる比較例に対し、1分後、5分後の生菌数を計測した。
検体1、検体2、検体3、及び、比較例の各々の計測結果を表1に示す。
表1に示されるように、大腸菌及び緑膿菌の生菌数は、検体1、検体2、検体3のいずれにおいても、1分後には検出されなかった。また、黄色ブドウ球菌の生菌数は、検体1においては、5分後に検出されなくなり、検体2及び検体3においては、1分後に検出されなかった。これにより、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌に対する二酸化塩素の滅菌作用は、1ppmという極めて低濃度、且つ、1分という極めて短い時間で発現することが認められた。
Figure 0005670383
(ROモジュールの耐性試験1)
次に、二酸化塩素の水溶液を用いた連続運転によるROモジュールの耐性試験についてその比較例と共に図3、及び、図4を参照して説明する。
ROモジュール17としてESPA1−4021(Hydranautics(登録商標)、日東電工株式会社製)が用いられ、二酸化塩素生成部31にて生成される0.30ppmの二酸化塩素の水溶液が所定の期間だけROモジュール17に供給された。そして、ROモジュール17に供給された二酸化塩素の濃度の積算値とROモジュール17における除去率の推移とが計測された。
同じく、ROモジュール17としてESPA1−4021(Hydranautics(登録商標)、日東電工株式会社製)が用いられ、二酸化塩素の水溶液に代えて、0.55ppmの次亜塩素酸ナトリウムが所定の期間だけROモジュール17に供給された。そして、ROモジュール17に供給された次亜塩素酸ナトリウムの濃度の積算値とROモジュール17における除去率の推移とが計測された。上記二酸化塩素の水溶液による耐性試験にて得られた除去率の推移と次亜塩素酸ナトリウムの水溶液による耐性試験にて得られた除去率の推移とを、それぞれ図3、及び、図4に示す。
なお、この際に、ROモジュール17における通水流量には、ROモジュール17の規格値内の値が用いられた。また、ROモジュール17に供給された消毒用薬液の濃度の積算値は、消毒用薬液の濃度とその消毒用薬液の供給された時間との乗算値として得られた。また、一次側RO水ポンプ16の供給する軟水(原水)の伝導率である軟水値と、ROモジュール17の透過水の伝導率である透過水値と、濃縮水の伝導率である濃縮水値とが測定され、軟水値と濃縮水値との加算値の半分が原水値として設定され、下記式2に従って除去率が得られた。
除去率(%)=(原水値−透過水値)/原水値×100 …(式2)
図3に示されるように、消毒用薬液として二酸化塩素の水溶液が用いられた場合には、消毒用薬液の供給の開始時から経過時間が1057時間に達するまで、また、消毒用薬液の濃度の積算値が300ppmを超えるまで、除去率が略一定であることが認められた。
図4に示されるように、消毒用薬液として次亜塩素酸ナトリウムの水溶液が用いられた場合には、消毒用薬液の供給の経過時間が長くなるに従って、また、消毒用薬液の濃度の積算値が増えるに従って、除去率が低くなることが認められた。
それゆえに、二酸化塩素の水溶液が消毒用薬液として用いられる場合には、一般的に用いられる次亜塩素酸ナトリウムの水溶液に比べて、ROモジュールの劣化が十分に抑えられることが認められた。
(ROモジュールの耐性試験2)
次に、相互に異なる濃度の二酸化塩素の水溶液を用いたROモジュールの耐性試験の結果について表2を参照して説明する。
ROモジュール17としてESPA1−4021(Hydranautics(登録商標)、日東電工株式会社製)が用いられ、二酸化塩素生成部31にて生成される0.05ppm、0.10ppm、0.30ppm、0.50ppm、及び、1.00ppmの二酸化塩素の水溶液がそれぞれ700時間だけROモジュール17に供給された。そして、ROモジュール17における除去率が計測された。なお、この際に、ROモジュール17における通水流量は、ROモジュール17の規格値内の値が用いられた。
上記二酸化塩素の水溶液による耐性試験2にて得られた二酸化塩素の水溶液の濃度と除去率との関係を表2に示す。なお、表2では、除去率が95%以上99.9%以下である水準に対して「○」が対応付けられている。また、二酸化塩素による滅菌の効果は認められたが、除去率が95%未満であって、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液が用いられた場合と同程度の除去率と認められた水準に対して「×」が対応付けられている。
Figure 0005670383
表2に示されるように、二酸化塩素の水溶液の濃度が0.30ppm以下の範囲において、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液よりも高い耐性が認められた。そして、消毒用薬液による滅菌の処理時間の短縮とROモジュールの耐性の向上との両立が図られるうえで、二酸化塩素の水溶液の濃度は0.30ppmが最適であることが認められた。
(通水量試験)
次に、ROモジュールの滅菌に必要とされる二酸化塩素の水溶液の通水量に関する試験結果について表3を参照して説明する。
まず、滅菌処理が施されるべき状態がROモジュール17に生成された。すなわち、ROモジュール17としてESPA1−4021(Hydranautics(登録商標)、日東電工株式会社製)が用いられ、消毒用薬液が用いられない状態でROモジュール17に対して50日間の通水が行われた。その後に、ROモジュール17に軟水が充填された状態で、ROモジュール17が160日間室温で放置された。この際に、一次側RO水ポンプ16の供給する軟水に含まれる細菌数は12200個/10mlであり、ROモジュール17の透過水に含まれる細菌数は6280個/10mlであった。
次いで、二酸化塩素生成部31にて生成される0.28ppmの二酸化塩素の水溶液がROモジュール17に供給された。そして、二酸化塩素の水溶液が加えられた軟水のROモジュール17における通水量に対して、軟水における二酸化塩素の濃度、透過水における二酸化塩素の濃度、ROモジュール17の濃縮水における二酸化塩素の濃度、軟水における細菌数、及び、透過水における細菌数が計測された。上記通水量試験にて得られた二酸化塩素の濃度、及び、細菌数の計測の結果を表3に示す。
Figure 0005670383
表3に示されるように、通水量が増えるに従って、透過水における二酸化塩素の濃度が増えることが認められた。こうした透過水における二酸化塩素は、ROモジュール17を透過した二酸化塩素であって、ROモジュール17の滅菌に寄与しなかった二酸化塩素である。それゆえに、透過水にて二酸化塩素の濃度の増加する傾向は、ROモジュール17における滅菌が進行して、余剰の二酸化塩素が増加していることを示唆する。そして、通水量が230Lに達すると、透過水における二酸化塩素の濃度が一定値に達することが認められた。すなわち、上述した状態のROモジュール17は、230Lの通水量で十分に滅菌されることが認められた。
なお、通水量が100Lに達すると、透過水における細菌数が450個/10mlまで減少し、さらに、通水量が230Lに達すると、透過水における細菌数が30個/10mlまで減少することが認められた。こうした細菌数の計測の結果からも、上述した状態のROモジュール17は、230Lの通水量で十分に滅菌されることが認められた。そして、230Lの通水量は50分程度の通水で足りるため、ROモジュール17の滅菌が十分に短い時間で可能であることが認められた。
(二酸化塩素分解試験)
次に、紫外光による二酸化塩素の分解作用を示す試験結果について図5を参照して説明する。
波長が185nmの光源と波長が254nmの光源とが二酸化塩素分解部41として用いられ、二酸化塩素が含まれるRO水に対して、二次側RO水ポンプ21から順に185nmの紫外光と254nmの紫外光とが照射された。この際に、二酸化塩素分解部41に供給される入口側での二酸化塩素の濃度と、二酸化塩素分解部41から供給される出口側での二酸化塩素の濃度とが計測され、試験例1の結果が得られた。なお、二酸化塩素分解部41を流れるRO水の流量は、0.5L/minに設定された。
また、試験例1と同じ条件にて二酸化塩素の分解試験の再試が2回繰り返して行われ、試験例2と試験例3との結果が得られた。
また、二酸化塩素分解部41を流れるRO水の流量が1.0L/minに設定され、その他の条件が試験例1と同じく設定されて、試験例4の結果が得られた。
また、試験例4と同じ条件にて二酸化塩素の分解試験の再試が繰り返して行われ、試験例5の結果が得られた。
波長が185nmの光源が二酸化塩素分解部41として用いられ、二酸化塩素が含まれるRO水に対して185nmの紫外光が照射された。この際に、二酸化塩素分解部41に供給される入口側での二酸化塩素の濃度と、二酸化塩素分解部41から供給される出口側での二酸化塩素の濃度とが計測され、試験例6の結果が得られた。なお、二酸化塩素分解部41を流れるRO水の流量は、1.0L/minに設定された。
波長が254nmの光源が二酸化塩素分解部41として用いられ、その他の条件が試験例6と同じく設定されて、試験例7の結果が得られた。
二酸化塩素分解部41における光源が消灯され、その他の条件が試験例6と同じく設定されて、比較例の結果が得られた。これら試験例1から試験例7の結果と比較例の結果とを図5に示す。
図5に示されるように、試験例1から試験例5において、入口側で0.20ppm程度であった二酸化塩素の濃度は、出口側にて0.08ppmから0.05ppmまでの範囲に減少することが認められた。それゆえに、二酸化塩素分解部41を流れるRO水の流量が0.5L/minから1.0L/minの範囲において、上記紫外光の照射によって二酸化塩素が分解されることが認められた。また、試験例6における出口側での二酸化塩素の濃度は、試験例1から試験例5における出口側での二酸化塩素の濃度よりも若干高いことが認められた。一方で、試験例7における出口側での二酸化塩素の濃度は、比較例における出口側での二酸化塩素の濃度よりも低いが、試験例1から試験例6における出口側での二酸化塩素の濃度よりも高いことが認められた。それゆえに、二酸化塩素の分解に際しては、波長が254nmの紫外光に加えて、波長が185nmの紫外光を複合照射することが、波長が185nm又は254nmの紫外光のみを照射することより効果的であることが認められた。
以上説明したように、本実施形態の透析用水供給装置及び透析用水供給用法によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)ROモジュール17の一次側から供給される二酸化塩素によって、ROモジュール17の一次側から二次側にわたり滅菌が可能になる。この際、二酸化塩素の滅菌効果は、次亜塩素酸ナトリウム液、過酢酸、過酸化水素、オゾン水、酸性電解水と比べて高いため、これらよりも大幅に低い濃度と短い時間で同じ程度の滅菌が可能にもなる。
(2)透析液調整装置43a及び個人用透析装置46の一次側で二酸化塩素の分解処理が施されるため、滅菌後のROモジュール17を軟水で洗う際に、こうした洗浄処理での原水の流量を抑えること、あるいは洗浄処理そのものを省くことが可能にもなる。
(3)二酸化塩素生成部31では、陽イオン交換物質に亜塩素酸ナトリウムを通して純粋な亜塩素酸が生成され、この亜塩素酸と触媒物質との反応により二酸化塩素が生成されるため、塩素ガスやオゾンが含まれない高い純度(99%以上)の二酸化塩素が生成される。
(4)透析用水を生成するための流路における二酸化塩素の濃度が洗浄終了濃度以上であることにより、二酸化塩素の出発原料である亜塩素酸ナトリウムの供給が停止される。すなわち、透析用水を生成するための流路にて滅菌が必要とされない場合には、二酸化塩素生成部31にて二酸化塩素の生成が停止される。そのため、透析用水供給装置にて二酸化塩素を貯蔵する必要が無いため、二酸化塩素を貯蔵するための構成を二酸化塩素供給部30から省くことが可能にもなる。
(5)ROモジュール17を透過した透過水のなかで二酸化塩素が分解されるため、脱気による分解とは異なり、塩素ガスの生成される虞がない。それゆえに、脱気により二酸化塩素を分解する態様と比べて、透析用水供給装置の取り扱いが容易なものとなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・二酸化塩素の流される流路は、洗浄の対象となる流路に制約されてもよい。
例えば、一次側RO水ポンプ16とROモジュール17とが洗浄の対象となる場合には、図6の破線で示されるように、ROモジュール17とRO水タンク20との間が、環流バルブ33Aを介して、二酸化塩素ポンプ32と二酸化塩素供給バルブ33との間に接続される構成が好ましい。すなわち、洗浄運転モードでは、二酸化塩素供給バルブ33と環流バルブ33Aとが開弁し、一次側RO水ポンプ16とROモジュール17とを透過した余剰の二酸化塩素が、一次側RO水ポンプ16とROモジュール17とに再び供給される構成が好ましい。このような構成であれば、一次側RO水ポンプ16とROモジュール17とにのみ二酸化塩素が繰り返し供給されるため、洗浄処理に要する二酸化塩素を少なくすること、洗浄処理に要する時間を短くすることが可能にもなる。
また、例えば、一次側RO水ポンプ16、ROモジュール17、及びRO水タンク20が洗浄の対象となる場合には、図6の破線で示されるように、RO水タンク20と二次側RO水ポンプ21との間が、環流バルブ33Bを介して、二酸化塩素ポンプ32と二酸化塩素供給バルブ33との間に接続される構成が好ましい。すなわち、洗浄運転モードでは、二酸化塩素供給バルブ33と環流バルブ33Bとが開弁し、一次側RO水ポンプ16、ROモジュール17、及びRO水タンク20を透過した余剰の二酸化塩素が、一次側RO水ポンプ16、ROモジュール17、及びRO水タンク20に再び供給される構成が好ましい。このような構成であれば、一次側RO水ポンプ16、ROモジュール17、及びRO水タンクにのみ二酸化塩素が繰り返し供給されるため、洗浄処理に要する二酸化塩素を少なくすること、洗浄処理に要する時間を短くすることが可能にもなる。
また、例えば、患者監視装置45の一次側が洗浄の対象となる場合には、図6の破線で示されるように、透析液供給装置43と患者監視装置45との間が、RO水タンク20に接続される構成が好ましい。すなわち、洗浄運転モードでは、透析液供給装置43の二次側に供給される透析用水が、RO水タンク20に環流される構成が好ましい。
また、例えば、複数の患者監視装置45の各々を結ぶ流路、又は、複数の個人用透析装置46の各々を結ぶ流路が洗浄の対象となる場合には、図6の破線で示されるように、最後段の患者監視装置45、又は、最後段の個人用透析装置46の一次側が、RO水タンク20に接続される構成が好ましい。すなわち、洗浄運転モードでは、最後段の患者監視装置45の一次側、又は、最後段の個人用透析装置46の一次側に供給される透析用水が、RO水タンク20に環流される構成が好ましい。
なお、ROモジュール17から個人用透析装置46までが洗浄の対象とされた場合、以下の第1工程から第4工程までが毎日繰り返される稼働試験にて、90日以上にわたり滅菌作用の安定性が認められた。この際に、ROモジュール17としてESPA1−4021(Hydranautics(登録商標)、日東電工株式会社製)が用いられ、個人用透析装置46としてDBB−73(日機装株式会社製)が用いられた。
(第1工程)個人用透析装置46に滞留水道水(汚染水)が流され、個人用透析装置46が従属栄養細菌等によって意図的に汚染される。この際に、滞留水道水には、従属栄養細菌が2.00cfu/ml以上含まれ、好気性菌が1×10以上含まれ、ETが1から4EU/L含まれる。
(第2工程)二酸化塩素供給バルブ33が閉弁され、且つ、環流バルブ33Bが開弁されることによって、環流バルブ33Bを含む流路が個人用透析装置46に対する二酸化塩素の供給流路として用いられる。そして、二酸化塩素ポンプ32から供給される10.00ppmの二酸化塩素の水溶液が個人用透析装置46に流される。この際に、10Lの二酸化塩素の水溶液が個人用透析装置46に流され、二酸化塩素の水溶液が翌日まで個人用透析装置46内に封入される。
(第3工程)二酸化塩素供給バルブ33が開弁され、且つ、環流バルブ33Bが開弁されることによって、環流バルブ33Bを含む流路が二酸化塩素の環流流路として用いられる。そして、二酸化塩素ポンプ32から供給される0.30ppmの二酸化塩素の水溶液がROモジュール17に流される。この際に、60Lの二酸化塩素の水溶液がROモジュール17に流され、二酸化塩素の水溶液が翌日までROモジュール17内に封入される。
(第4工程)翌日、一次側RO水ポンプ16からの軟水がROモジュール17から個人用透析装置46まで流され、ROモジュール17から個人用透析装置46までの流路が30分間水洗される。これによって、ROモジュール17から個人用透析装置46までの流路では、二酸化塩素の残留濃度が0.00ppmに低下する。
なお、上記第4工程の後には、個人用透析装置46から得られる液体にて、従属栄養細菌が1.0cfu/ml未満であり、好気性菌が検出下限未満であり、ETが0.01EU/L未満であった。
・洗浄対象となるROモジュール17は、1つに限られず、例えば、図7に示されるように、直列に接続される2つのROモジュール17であってもよい。
・透析用水供給装置の制御部は、透析液供給装置43が透析液を調整するときに、二酸化塩素生成部31における二酸化塩素の生成と、二酸化塩素分解部41における二酸化塩素の分解とを同時に行ってもよい。すなわち、二酸化塩素生成部31から二酸化塩素を供給する二酸化塩素供給工程と、二酸化塩素分解部41にて二酸化塩素を分解する二酸化塩素分解工程とを透析液供給装置43が稼働するときに行ってもよい。
このような構成及び方法であれば、透析用水を供給することと、透析用水の生成に用いられる流路を洗浄することとが同時に行われる。そのため、透析用水供給装置にて滅菌が行われる都度、透析液供給装置の各部の停止が必要とされる場合と比べて、透析用水供給装置の稼働効率を高めることが可能にもなる。
なお、上述のように二酸化塩素の生成及び分解と透析液の生成及び供給とが同時に行われる場合には、透析液の生成及び供給が行われる間に、二酸化塩素による滅菌が行われる。そのため、二酸化塩素の生成及び分解と透析液の生成及び供給とが各別に行われる場合と比べて、二酸化塩素による滅菌の頻度が高くなる傾向にある。それゆえに、透析用水供給装置に必要とされる二酸化塩素の濃度そのものを低くすることが可能であるから、例えば0.01ppm以上0.1ppm以下の二酸化塩素であっても、定期的な滅菌処理が行われる場合と比べて、同程度の効果を得ることが可能である。
・二酸化塩素分解部41が照射する紫外光は、例えば波長が254nmの光であってもよい。これによれば、二酸化塩素の分解と滅菌とを同時に行うことが可能になる。また、二酸化塩素分解部41が照射する紫外光は、例えば波長が254nmの光と波長が185nmの光とから構成されてもよく、あるいは波長が254nmの光と波長が260nm以上400nm以下の光とから構成されてもよい。これによれば、波長が254nmの光のみが照射される場合と比べて、二酸化塩素の分解効率を高めることが可能にもなる。
なお、紫外光による滅菌作用が必要とされない場合には、波長が254nm以外の光が照射される構成、例えば185nmの光のみが照射される構成や260nm以上400nm以下の光のみが照射される構成であってもよい。
・二酸化塩素分解部41は、RO水タンク20の内部に搭載される構成であってもよい。
・二酸化塩素分解部41は、透析用水から二酸化塩素を脱気する構成であってもよい。このような構成であっても、上記(1)〜(4)に準じた効果を得ることは可能である。
・第2制御部51は、二酸化塩素生成部31における亜塩素酸ナトリウムの供給量を二酸化塩素濃度計19における濃度の検出結果の増加によって「0」にしてもよく、あるいは「0」以外の値に下げてもよい。このような構成であっても、透析用水を生成するための流路における二酸化塩素の濃度が下がることにより、二酸化塩素の出発原料である亜塩素酸ナトリウムの供給が抑えられる。すなわち、透析用水を生成するための流路にて滅菌を抑える必要がある場合には、二酸化塩素生成部31にて二酸化塩素の生成が抑えられる。そのため、透析用水供給装置にて二酸化塩素の貯蔵を抑えられるため、上記(1)〜(3)に準じた効果に加え、二酸化塩素を貯蔵するための負荷を透析用水供給装置にて軽減することが可能になる。
・第2制御部51は、二酸化塩素生成部31における亜塩素酸ナトリウムの供給量を二酸化塩素濃度計19における濃度の検出結果が所定の設定値を維持するように変更してもよい。この際、軟水タンク15と一次側RO水ポンプ16との間に軟水流量計が設けられ、ROモジュール17に供給される軟水の流量を示す信号が、軟水水量計から第2制御部51に出力される。そして、二酸化塩素濃度計19における濃度の検出結果と所定の設定値との乖離、及び軟水流量計における検出結果に基づいて、亜塩素酸ナトリウムポンプ31A、及び二酸化塩素ポンプ32の駆動量が第2制御部51で決定される構成が好ましい。
・二酸化塩素濃度計19が割愛され、二酸化塩素生成部31における亜塩素酸ナトリウムの供給量を第2制御部51が所定の時間だけ一定値に維持してもよい。このような構成であれば、上記(1)(2)に準じた効果に加え、二酸化塩素濃度計19が割愛される分、透析用水供給装置の構成を簡単にすることが可能にもなる。
・透析用水供給装置は、ポンプの駆動の態様を制御する制御部をポンプごとに有する構成であってもよい。例えば、第2制御部51は、軟水タンク15における軟水の容量に応じて一次側RO水ポンプ16の駆動態様を制御する制御部と、RO水タンク20におけるRO水の容量に応じて二次側RO水ポンプ21の駆動態様を制御する制御部とを格別に有してもよい。さらに、第2制御部51は、二酸化塩素濃度計19の検出結果に応じて亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aの駆動態様を制御する制御部を別途有する構成であってもよい。
・ROモジュール17の二次側に二酸化塩素を供給する他の二酸化塩素供給部が備えられる構成であってもよい。この際、ROモジュール17の一次側における二酸化塩素の濃度が、ROモジュール17の二次側よりも低いことが好ましい。
すなわち、ROモジュール17の一次側における二酸化塩素の濃度は、RO膜の機能層を保護するうえで低いことが好ましい一方、ROモジュール17の二次側における二酸化塩素の濃度は、各種の配管を滅菌するうえで高いことが好ましい。この点、上述した構成であれば、ROモジュール17の一次側と二次側とにおいて二酸化塩素の濃度を各別に調整することが可能になる。それゆえに、ROモジュール17の滅菌とRO膜における機能層の保護との両立が可能であることに加え、ROモジュール17の二次側における滅菌の効率を高めることが可能にもなる。
・プレフィルター12の配置は、原水ポンプ11と軟水装置13との間に限られず、活性炭ろ過装置14と軟水タンク15との間に配置されてもよい。
・軟水タンク15及びRO水タンク20の少なくとも1つが割愛される構成であってもよく、RO水タンク20が割愛される場合には、これとともに二次側RO水ポンプ21が割愛される構成であってもよい。
・イオン交換装置31Bは、水素型の陽イオン交換物質の他、イオン交換樹脂として陰イオン交換物質を搭載し、亜塩素酸ナトリウムポンプ31Aから吐出される亜塩素酸ナトリウムと陰イオン交換樹脂とを接触させる構成であってもよい。
・透析用水の供給対象は、患者監視装置45の一次側である透析液調整装置43aと、個人用透析装置46に搭載された個人用透析液調整装置46aのいずれか一方であってもよい。すなわち、透析用水供給装置の適用される透析システムは、患者監視装置45と個人用透析装置46のいずれか一方を有する構成であってもよい。
・透析用水は、粉末透析液の溶解や透析液原液の希釈用水として、又は、配管の洗浄や消毒用水、患者監視装置45や個人用透析装置46の洗浄や消毒に用いられるものである。そのため、透析治療の行われない深夜などの時間帯には、二酸化塩素供給部30から供給された二酸化塩素が、透析用水の生成される流路、透析液供給装置43、患者監視装置45及び個人用透析装置46に封入される構成であってもよい。
・透析用水供給装置では、イオン交換樹脂の搭載される電気再生式脱イオン装置(EDI装置)がROモジュール17の二次側に接続されて、EDI装置による脱イオン後のRO水がRO水タンク20に供給されてもよい。EDI装置には、通常、次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄が困難であるイオン交換樹脂が搭載されるため、非塩素系の消毒用薬液である二酸化塩素の滅菌作用がこうしたEDI装置の滅菌に対して効果的でもある。
11…原水ポンプ、12…プレフィルター、13…軟水装置、14…ろ過装置、15…軟水タンク、15S…軟水水量計、16…一次側RO水ポンプ、17…ROモジュール、18…RO水流量計、19…二酸化塩素濃度計、20…RO水タンク、20S…RO水水量計、21…二次側RO水ポンプ、30…二酸化塩素供給部、31…二酸化塩素生成部、31A…亜塩素酸ナトリウムポンプ、31B…イオン交換装置、31C…触媒装置、32…二酸化塩素ポンプ、33…二酸化塩素供給バルブ、33A,33B…環流バルブ、41…二酸化塩素分解部、42…塩素濃度計、43…透析液供給装置、43a…透析液調整装置、43S…透析液水量計、45…患者監視装置、46…個人用透析装置、46a…個人用透析液調整装置、50…第1制御部、51…第2制御部、52…外部入力装置。

Claims (10)

  1. 軟水から逆浸透膜を用いて透析用水を生成する透析用水生成部を備え、
    供給対象である透析液調整装置に前記透析用水を供給する透析用水供給装置であって、
    前記透析用水生成部が、
    前記逆浸透膜の一次側に二酸化塩素を供給する二酸化塩素供給部と、
    前記逆浸透膜の二次側に二酸化塩素を分解する二酸化塩素分解部とを備える
    ことを特徴とする透析用水供給装置。
  2. 前記二酸化塩素供給部が、
    亜塩素酸塩とイオン交換物質との接触により亜塩素酸を生成して、前記亜塩素酸と触媒物質との接触により二酸化塩素を生成する二酸化塩素生成部を備える
    請求項1に記載の透析用水供給装置。
  3. 前記逆浸透膜の二次側で二酸化塩素の濃度を検出する濃度検出部と、
    前記二酸化塩素生成部による二酸化塩素の生成を前記濃度検出部の検出結果に基づき制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、前記二酸化塩素生成部における亜塩素酸塩の供給量を前記濃度の増加によって下げる
    請求項2に記載の透析用水供給装置。
  4. 前記制御部が、
    前記二酸化塩素生成部の駆動態様と前記二酸化塩素分解部の駆動態様とを制御し、
    前記制御部は、
    前記透析液調整装置が透析液を調整するときに、
    前記二酸化塩素供給部における二酸化塩素の供給と、
    前記二酸化塩素分解部における二酸化塩素の分解とを行う
    請求項3に記載の透析用水供給装置。
  5. 前記二酸化塩素分解部は、
    前記逆浸透膜を透過した透過水に対し紫外光を照射する光源である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の透析用水供給装置。
  6. 前記濃度検出部は、前記濃度が所定値以上か否かを検出し、
    前記制御部は、前記濃度が所定以上であることにより前記二酸化塩素生成部における亜塩素酸塩の供給を停止する
    請求項3に記載の透析用水供給装置。
  7. 更に、軟水装置を透過した透過水から残留塩素を取り除く活性炭ろ過部を備え、
    前記逆浸透膜の一次側に、前記活性炭ろ過部で前記残留塩素を取り除いてから供給する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の透析用水供給装置。
  8. 軟水から逆浸透膜を用いて生成される透析用水を供給する透析用水供給装置を用い、
    前記透析用水を透析液調整装置に供給する透析用水供給方法であって、
    前記逆浸透膜の一次側に二酸化塩素を供給する二酸化塩素供給工程と、
    前記逆浸透膜の二次側にて二酸化塩素を分解する二酸化塩素分解工程とを備える
    ことを特徴とする透析用水供給方法。
  9. 前記透析液調整装置が稼働するときに、
    前記二酸化塩素供給工程及び前記二酸化塩素分解工程を行う
    請求項8に記載の透析用水供給方法。
  10. 活性炭ろ過部で軟水装置を透過した透過水から残留塩素を取り除いて前記逆浸透膜の一次側に供給するろ過工程を備える
    請求項8又は請求項9に記載の透析用水供給方法。
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