JP5669669B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
その後打栓終了時には、上蓋が元の形状・位置に復元される過程で、突出部と内筒下端の突出環との係合が解除されて前記微小間隙が速やかに閉鎖され、注出筒と内筒との密封が復活するので、キャップ内の空気圧が負圧になった状態が保たれる。
そのため、加熱によりキャップ内の空気が圧力上昇しても、上蓋が開蓋するまでの高い圧力とはならず、上蓋が開蓋することを確実に防止することができる。
また、内筒が、ヒンジ側に突出環よりも下方に垂設された受け部を有しているから、閉蓋する時に、上蓋に付着した内容物を受け部を介して容器内に回収することができる。
容器本体Dの口部1外周には、係合突条2が設けられている。
上壁5は注出筒4の中程の高さの外周に連設し、上壁5の下部は係合筒部6の内周および注出筒4の下部外周とともに、容器本体Dの口部1を嵌合する嵌合溝を形成する。
該嵌合溝に容器の口部1が嵌合するとともに、係合突条2が係合筒部6に係合するようになっている。
係合筒部6の下端外周と外周筒部7の下端内周は、ヒンジCの反対側に設けられた連結片16と、間隔をおいて複数配設された破断可能な弱化片17とを介して連設されている。
該一対の突出部18は、それぞれ周方向に並列して上下方向に延びる2本の縦リブ19a,19bからなり、縦リブ19a,19bは、互いにわずかな間隔をおいて、隔壁3に連設する注出筒4の下部から所定の高さまで突出して設けられている。
本実施例では、ヒンジC側の対向する一対の縦リブ19b間の円周角αは、ヒンジCの反対側の中心線X−X線を中心とした170°に設定されているが、150°〜210°程度の範囲にあることが好ましい。
側壁21には、内周下端に、キャップ本体Aの蓋係合部13と係合する係合凹部23が設けられており、外周下端の所定の位置にヒンジCが連設されている。
打栓時に蓋係合部13の上端面と当接する係合凹部23の上面には、キャップの内外を連通する空気通路24が所定箇所に配設されている。
内筒22は、ヒンジCの反対側が突出環25を下端部とする短筒部26となっており、ヒンジC側が突出環25よりもさらに下方に垂設された受け部27が設けられている。
受け部27は、注出筒4の突出部18(縦リブ19a,19b)と打栓時でも係合しない範囲に設けられ、ヒンジCに最も近い側で最も低い下端部28を形成している。
本実施例では、受け部27はヒンジ側の略半円周にわたって形成されている。
図3、図4に示すように、短筒部26と突出部18は、打栓時に短筒部26の突出環25が突出部18と係合して、縦リブ19a,19bに乗り上げるように内方に変形し、注出筒4と内筒22との間に微小間隙29c、29dを形成し、打栓が終了すると、係合が解除されて注出筒と内筒との密封が復活するように、互いの高さが形成されている
ヒンジキャップは、上蓋Bを閉じると、図1に示すように、キャップ本体Aの注出筒4と蓋係合部13は、それぞれ上蓋Bの内筒22と係合凹部23に互いに密接してシールし、キャップ内に注出筒4より内側に空気室P、外側に空気室Qが形成される。
閉蓋したヒンジキャップは、容器本体Dに加熱された内容液を充填した後、容器本体Dの口部1にキャップ本体Aをあてがい、上蓋Bの上方から押圧することによって打栓され、口部1に装着される。
上蓋Bが下降すると、図3(b)に示すように、上蓋Bの内筒22の突出環25がキャップ本体Aの注出筒6内周を摺動しながら下降し、短筒部26が突出部18に乗り上げるように内方に変形し、注出筒4と内筒22との間に微小間隙29cが形成される。
また、打栓により変形した内筒22の突出環25と注出筒4の突出部18とは接しているが、平面視では図4に示すように、縦リブ19aと19bとの間に、微小間隙29dが生じる。
また、打栓時には、上蓋Bが下降して、上蓋Bの係合凹部23の上面がキャップ本体Aの蓋係合部13の上端面に当接するが、係合凹部23の上面には、所定箇所に空気通路24が設けられているので、空気室Qもキャップの外気と連通する。
さらに、空気室Q内の押圧された空気は、空気通路24を通ってキャップ外に排出される。
同時に、突出環25と注出筒4の内周、および係合凹部23の内周面と膨出部14とがそれぞれ係合してシール面を形成するようになり、空気室PおよびQは再び密閉される。
その後は、キャップ本体Aと上蓋Bとの密閉が保たれ、キャップ内の空気圧は負圧に維持されるので、容器内の加熱された内容液、或いは、温水シャワーにより、ヒンジキャップ内の空気が加熱されても、ヒンジキャップ内の内圧上昇を低く抑えることができる。
このため、ヒンジキャップの内圧が上昇したとしても低く抑えられ、加熱のために上蓋Bが開いてしまうことを防止することができる。
そのため、キャップの内圧をより負圧に保つことができる。
そのため、容器を使用した後に閉蓋する過程で、上蓋Bに付着していた内容物は受け部27を伝って容器内に回収されるから、キャップ周辺を汚すことがない。
なお、本実施例では、上蓋Bの側壁21とキャップ本体Aとが密封され、空気室Qを形成しているが、本発明のヒンジキャップはこのようにキャップを密封する側壁21を有するものに限定されない。
試験は、本発明の実施例と同一の型のキャップから選んだ16個のキャップについて計2回行い、比較例として注出筒内周に突出部(縦リブ)がないもの、および突出部(並列する2本の縦リブ)はあるがヒンジ側に一つだけ設けたものについて、それぞれ16個のキャップを選んで行った。
測定方法は、内容物を充填していない空のボトルにキャップを打栓した後、キャップの注出筒と内筒によって密閉される内部空間(空気室P)の空気圧を測定し、それぞれの測定値の平均値および負圧方向の最小、最大値を求めた。
また、本実施例と同様、並列する2本の縦リブからなる突出部を有するが、その配置がヒンジ側に一つだけ設けた比較例では、キャップの内圧は負圧になったが、本実施例と比較すると負圧の程度は小さく、その平均値および最小、最大値の全てにおいて本実施例より下まわっている。
なお、打栓時にキャップ内が負圧となるといっても、消費者が使用時に開蓋する際に障害になるほど大きな負圧になるわけではなく、容器を使用する上で問題にはならない。
B 上蓋
C ヒンジ
D 容器本体
P,Q 空気室
1 口部
2 係合突条
3 隔壁
4 注出筒
5 上壁
6 係合筒部
7 外周筒部
8 薄肉弱化部
9 封止板
10 プルリング
11 支柱
13 蓋係合部
14 膨出部
15 縮径部
16 連結片
17 弱化片
18 突出部
19a 縦リブ(ヒンジの反対側)
19b 縦リブ(ヒンジ側)
20 頂壁
21 側壁
22 内筒
23 係合凹部
24 空気通路
25 突出環
26 短筒部
27 受け部
28 下端部
29c,29d 微小間隙
30 ヒンジ片
31 保持爪
32 保持突条
Claims (3)
- 容器の口部に装着され、キャップ本体とキャップ本体にヒンジを介して開閉可能に連結された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、
キャップ本体には、内容物を案内する注出筒と、注出筒の下部に連設し容器内を密閉する隔壁とが設けられ、
上蓋には、頂壁から垂設され注出筒内周に挿入される内筒が設けられており、
内筒の外周面には、ヒンジと反対側の内筒下端部位に一致して突出環が全周にわたって形成され、
注出筒内周には、キャップ本体の中心を通りヒンジ側とヒンジの反対側とを結ぶ中心線をはさんで対向する一対の縦方向に所定高さを有する突出部が内方に設けられ、
該一対の突出部は、それぞれ並列する2本の縦リブからなり、打栓時に内筒下端の突出環と係合して注出筒と内筒との間に微小間隙を形成し、打栓が終了すると、内筒下端との係合が解除されて注出筒と内筒との密封が復活する高さに形成されており、
内筒は、ヒンジ側に突出環よりも下方に垂設された受け部を有していることを特徴とするヒンジキャップ。 - 一対の突出部は、ヒンジ側とヒンジの反対側との間の略中央付近に設けられていることを特徴とする請求項1記載のヒンジキャップ。
- 受け部は、注出筒内周の突出部と係合しないヒンジ側を中心とする所定円弧範囲にわたって設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジキャップ。
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