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JP5668183B1 - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、塩化ビニル系樹脂と塩素が導入された反応器内に紫外線を照射することで、塩化ビニル系樹脂を塩素化させる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法において、紫外線照射は、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて行い、光源は反応器中に配置されており、紫外線の少なくとも一つの照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30?以上115?以下の範囲内であり、光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30?以上115?以下の範囲内に照射される紫外線の光量が24%以上である塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。これにより、従来の水銀灯を用いた光塩素化法より塩素化反応の反応効率が高く、従来品と同等の機械的強度および耐熱性を有する塩素化塩化ビニル系樹脂が得られる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。

Description

本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。詳細には、光塩素化法を用いた塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
塩素化塩化ビニル系樹脂の耐熱温度は、塩素化されたことによって、塩化ビニル系樹脂の耐熱温度よりも高くなる。そのため、塩素化塩化ビニル系樹脂は、耐熱パイプ、耐熱工業板、耐熱フィルムおよび耐熱シート等の種々の分野で使用されている。
塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂粒子を水性媒体中に懸濁させて得られた水性懸濁液に、塩素を供給しつつ、塩化ビニル系樹脂を塩素化することによって製造されることが一般的である。通常、塩素化を光塩素化法で行う場合、塩素ラジカルを生成させるために、水銀灯による紫外線照射が行われている(例えば、特許文献1)。
特開平10−279627号公報
塩素化塩化ビニル系樹脂は、優れた機械的強度、耐熱性を有し、様々な分野で利用されており、生産性の向上が望まれている。塩素化塩化ビニル系樹脂の生産性を向上させるには、光塩素化法において、塩化ビニル系樹脂の塩素化反応の反応時間を短縮し、塩素化反応の反応効率を高めることが望ましい。
本発明は、従来の水銀灯を用いた光塩素化法より塩素化反応の反応効率が高く、従来品と同等の機械的強度および耐熱性を有する塩素化塩化ビニル系樹脂が得られる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。
本発明は、塩化ビニル系樹脂と塩素が導入された反応器内に紫外線を照射することで、塩化ビニル系樹脂を塩素化させる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法において、上記紫外線照射は、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて行い、上記光源は、上記反応器中に配置されており、上記紫外線の少なくとも一つの照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内であり、上記光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、上記塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射される紫外線の光量が24%以上であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法において、上記光源が照射する紫外線は、ピーク波長の範囲が290nm以上400nm以下であることが好ましく、ピーク波長の範囲が350nm以上400nm以下であることがより好ましい。また、上記光源は、紫外線LEDであることが好ましい。また、上記塩化ビニル系樹脂への塩素の供給は、塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液に塩素を供給することで行われることが好ましい。
本発明の製造方法は、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源から照射される紫外線の少なくとも一つの照射方向を塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内にするとともに、光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射する紫外線の光量を24%以上にすることにより、塩素化反応の反応時間を短縮し、水銀灯を用いた光塩素化法で製造した場合と同等の機械的強度と耐熱性を有する塩素化塩化ビニル系樹脂を高い反応効率で得ることができる。
図1は、本発明で用いる一例の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置の模式的側断面図である。 図2Aは、本発明で用いる一例の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度を説明する模式的斜視図であり、図2Bは、同模式的平面図である。 図3は、本発明で用いる一例の紫外線LEDの発光スペクトルを示すグラフである。 図4Aは、本発明の実施例1で用いた塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向を示す模式的平面図である。 図4Bは、本発明の実施例2で用いた塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向を示す模式的平面図である。 図4Cは、本発明の比較例1で用いた塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向を示す模式的平面図である。 図4Dは、本発明の比較例2で用いた塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向を示す模式的平面図である。 図4Eは、本発明の比較例3で用いた塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向を示す模式的平面図である。 図4Fは、本発明の比較例4で用いた塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向を示す模式的平面図である。 図5Aは、本発明で用いる一例の光源の模式的斜視図であり、図5Bは、同模式的平面図である。 図6は、本発明で用いる一例の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置の模式的側断面図である。
本発明において、塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂と塩素が導入された反応器に、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて、好ましくは紫外線LEDを用いて紫外線を照射し、光源から照射される紫外線の少なくとも一つの照射方向を塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内にするとともに、光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射する紫外線の光量を24%以上にすることにより、塩素化反応の反応時間を短縮できることを見出し、本発明に至った。また、反応器内の撹拌性や、光源から塩化ビニル系樹脂への照射範囲が同様であれば、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて紫外線照射を行うことで、水銀灯に比べて、塩化ビニル系樹脂を塩素化する工程における総消費電力量が小さくなり、生産コストが低減する。あるいは、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源は、特に紫外線LEDは、水銀灯に比べて、長期使用による光度の低下が抑制されるため、光源の更新回数が少なくなり、塩素化塩化ビニル系樹脂の生産性が向上する。
本発明においては、紫外線LED等の光源の紫外線の少なくとも一つの照射方向を塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内にする。紫外線の照射方向が1方向の場合、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内であれば良く、紫外線の照射方向が2以上の方向の場合、紫外線の少なくとも一つの照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内であれば良い。簡便という観点から、紫外線の照射方向は一方向であることが好ましい。塩素化反応の反応効率がより高いという観点から、上記紫外線LED等の光源の紫外線の少なくとも一つの照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して40°以上であることが好ましく、さらに好ましくは45°以上であり、さらに好ましくは50°以上であり、さらに好ましくは55°以上であり、さらに好ましくは60°以上であり、さらに好ましくは65°以上であり、さらに好ましくは70°以上であり、さらに好ましくは75°以上であり、さらに好ましくは80°以上であり、さらに好ましくは85°以上であり、さらに好ましくは90°以上である。また、塩素化反応の反応効率がより高いという観点から、上記紫外線LED等の光源の紫外線の少なくとも一つの照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して110°以下であることが好ましく、より好ましくは105°以下であり、さらに好ましくは100°以下である。以下において、「特定の照射方向」とは、「紫外線LED等の光源の紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内である」ことを意味する。
本発明において、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度は、以下のように定義するものである。光源の中心点を通る反応器の中心軸に垂直な断面において、該断面の中心点(反応器の中心軸上の点)と光源の中心点を結んだ直線を引き、その直線と光源の中心点で直角に接する線を光源中心線とする。そして、上記光源中心線が光源の外周と接する二つの接点のうち、光源を光源の中心点を中心として塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に沿って回転させると、上記断面の中心点から遠くなる方の接点を基準(0°)とし、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に沿って角度が増すとした場合、上記光源の中心点と光源素子を結んだ直線と上記光源中心線がなす角度を、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度とする。なお、光源の中心点を通る反応器の中心軸に垂直な断面(以下において、光源の中心面とも記す。)に光源素子が存在しない場合は、光源の中心面における光源素子の正射影を光源素子とする。本発明において、中心点は、形状における中心点を意味し、中心軸は、形状における中心軸を意味する。また、光源の外周は、光源の中心点を通る反応器の中心軸に垂直な断面において、光源の形状(光源の断面形状)が円形または楕円形である場合は、円周であり、光源の形状が円形または楕円形以外の形状、例えば、長方形、正方形、三角形等の場合は、これらの形状の外接円の円周をいう。また、光源素子は、紫外線LED素子、有機EL素子、無機EL素子を意味する。本発明において、反応器の形状は特に限定されず、例えば、円筒型(円柱型)、六角柱型等が挙げられる。また、光源の形状は特に限定されず、例えば、円筒型(円柱型)、三角柱型、四角柱型、五角柱型、六角柱型等が挙げられる。本発明において、光源は、光源保護容器に挿入された状態で反応器中に配置されることが好ましい。塩素による腐食を防止することができる。光源保護容器は、光源を挿入でき、光源からの紫外線の照射を妨げないものであればよく、形状は特に限定されない。例えば、円筒型(円柱型)、三角柱型、四角柱型、五角柱型、六角柱型等が挙げられる。
本発明において、上記光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、上記塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射される紫外線の光量が24%以上である。本発明において、「光量」は、以下のように測定・算出するものである。光量測定器(TOPCON社製、品番「UVR−2」)にセンサー(TOPCON社製、品番「UD−36」)を装着し、塩素化反応を行う際に反応器内に存在する塩化ビニル系樹脂と光源の距離が最も近くなる位置で、光源から照射される紫外線の単位面積あたりの単位光量を測定する。また、塩素化反応を行う際に反応器内に存在する塩化ビニル系樹脂と光源の距離が最も近くなる位置で、光源から照射される紫外線が塩素化ビニル系樹脂にあたる照射面積を測定する。上記の測定で得られる照射面積の値に単位面積あたりの単位光量の値を乗じた値を光量とする。例えば、塩素化塩化ビニル系樹脂の製造に図1又は図6に示す製造装置を用いる場合は、紫外線LED光源装置などの光源が挿入されている光源保護容器200の外壁の位置で単位面積あたりの単位光量及び照射面積を測定する。なお、上記において、単位面積あたりの単位光量と照射面積の測定は、空気雰囲気下、かつ反応器内が空の状態で行う。光源からの紫外線の照射方向が1方向の場合、該照射方向の紫外線の光量が、光源から照射される紫外線の総光量となる。光源からの紫外線の照射方向が1方向以上の場合、全ての照射方向の紫外線の光量の合計が、光源から照射される紫外線の総光量となる。塩素化反応の反応効率をより向上させる観点から、上記光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、上記塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射する紫外線の光量が25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、45%以上であることがさらに好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、55%以上であることがさらに好ましい。
以下、図2に基づいて、本発明で用いる一例の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度を具体的に説明する。図2Aは、本発明で用いる一例の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置における紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度を説明する模式的斜視図である。図2Bは、同模式的平面図である。該塩素化塩化ビニル系樹脂の製造装置において、反応器と光源は円筒型(円柱型)であり、光源素子は紫外線LED素子である。図2A及び図2Bに示しているように、光源100の中心点110を通る反応器300の中心軸330に垂直な断面500において、断面500の中心点510(反応器の中心軸330上の点)と光源の中心点110を結んだ直線520を引き、直線520と光源の中心点110で直角に接する線を光源中心線530とする。光源中心線530が光源100の円周と接する二つの接点のうち、光源100を光源の中心点110を中心として塩化ビニル系樹脂の撹拌方向Cに沿って回転させると、断面の中心点510から遠くなる方の接点120を基準(0°)とし、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向Cに沿って角度が増すとした場合、光源の中心点110と紫外線LED素子20を結んだ直線540と光源中心線530がなす角度Wを、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度とする。
本発明において、塩素化反応の反応効率は、同様の組成の塩化ビニル系樹脂を用いて同様の塩素含有量の塩素化塩化ビニル系樹脂を製造する際には、塩素含有量が所定の値になるまでの塩素化反応の反応時間で評価することができる。塩素含有量が所定の値になるまでの塩素化反応の反応時間が短いほど塩素化反応の反応効率が高いことになる。本発明において、塩素化反応は、紫外線照射を開始することで開始され、紫外線照射を終了することで終了する。
本発明において、好ましくは、塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液に塩素を供給するとともに、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて特定の照射方向の紫外線を照射し、水性懸濁液中の塩化ビニル系樹脂を塩素化することで得られる。塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液は、塩化ビニル系樹脂を水性媒体に縣濁させて得ることができる。例えば、水性媒体として水を用い、塩化ビニル系樹脂と水を混合して塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液を得ることができる。
本発明において、塩素化塩化ビニル系樹脂は、上述したように塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液を用いた塩素化によって得られる以外に、気相による塩素化(気相塩素化)等によって得られてもよい。気相塩素化は、塩化ビニル系樹脂の粉体に塩素を直接吹き込みつつ、塩化ビニル系樹脂と塩素に紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて紫外線を照射し、塩化ビニル系樹脂を塩素化させることをいう。
紫外線LEDとしては、紫外線を照射することができるLEDであればよく、特に限定されない。例えば、紫外線LEDには、AlN、AlGaN、AlInGaN等の窒化物半導体材料を発光層に用いた半導体発光素子、または、ダイヤモンド薄膜を発光層に用いた半導体発光素子等が用いられる。好ましくは、ピーク波長が1つの紫外線LEDを用いる。また、紫外線LEDの照射する紫外線のピーク波長は、発光層の各組成の割合により調整することができる。例えば、紫外線LEDの発光層に窒化物半導体材料が用いられる場合、Alの含有量が増えるにしたがって、紫外線のピーク波長が短くなる。紫外線の照射には、紫外線LEDの他に、紫外線を照射できる有機EL、無機EL等の光源を用いることができる。中でも、光源としては、紫外線LEDを用いることが好ましい。有機EL、無機EL等の光源も、紫外線LEDが照射する紫外線と同様のピーク波長および/または波長範囲の紫外線を照射することが好ましい。紫外線LEDが照射する紫外線のピーク波長や波長範囲については、後述のとおりである。
紫外線LEDの照射する紫外線のピーク波長は、塩素化反応の反応効率を向上させる観点から、290nm以上400nm以下であることが好ましく、315nm以上400nm以下であることがより好ましく、340nm以上400nm以下であることがさらに好ましく、350nm以上400nm以下であることが特に好ましい。また、紫外線LEDの照射する紫外線のピーク波長は、反応器の耐久性の観点から340nm以上400nm以下であることが好ましく、より好ましくは350nm以上400nm以下であり、さらに好ましくは355nm以上395nm以下であり、特に好ましくは365nm以上385nm以下である。なお、ピーク波長が315nm以上400nm以下の紫外線は、UVAとも称される。紫外線LEDとしては、具体的には、ピーク波長が365nmの紫外線を照射する紫外線LEDまたはピーク波長が385nmの紫外線を照射する紫外線LEDを用いることができる。
紫外線LEDの照射する紫外線の波長範囲は、260nm以上430nm以下であることが好ましく、300nm以上420nm以下であることがより好ましく、305nm以上400nm以下であることがさらに好ましい。本発明において、「紫外線の波長範囲」は、発光スペクトルにおいて、ピーク波長の相対発光強度に対して2%以上の相対発光強度を有する波長の範囲を意味する。例えば、図3に示す紫外線の発光スペクトルにおいて、波長範囲は350nmから392nmである。
また、塩素化反応の反応効率の観点から、波長範囲が300nm以上430nm以下であり、ピーク波長が350nm以上400nm以下である紫外線を照射する紫外線LEDを用いることが好ましい。より好ましくは、波長範囲が325nm以上430nm以下であり、ピーク波長が355nm以上395nm以下である紫外線を照射する紫外線LEDを用いることが好ましい。さらに好ましくは、波長範囲が330nm以上430nm以下であり、ピーク波長が365nm以上385nm以下である紫外線を照射する紫外線LEDを用いることが好ましい。波長範囲が350nm以上392nm以下であり、ピーク波長が365nmである紫外線を照射する紫外線LEDが特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂の塩素化に用いられる紫外線LEDの個数は、単数でもよいし、複数でもよい。複数の紫外線LEDが用いられる場合、照射する紫外線のピーク波長が同じである紫外線LEDがそれぞれ組み合わされて用いられてもよいし、照射する紫外線のピーク波長が異なる紫外線LEDがそれぞれ組み合わされて用いられてもよい。ここで、「紫外線LED」は、紫外線LED素子、複数の紫外線LED素子を有する紫外線LED光源装置の両方を指す。
塩素化塩化ビニル系樹脂の原料として使用される塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単量体の単独重合体、または、塩化ビニル単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体を用いることができる。他の共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化アリル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸エステル、ビニルエーテル等が挙げられる。
塩化ビニル単量体の単独重合、あるいは、塩化ビニル単量体と他の共重合可能な単量体の共重合の際には、分散剤および油溶性重合開始剤等が用いられる。なお、上記重合には、重合調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、スケ−ル防止剤等がさらに用いられてもよい。
分散剤には、例えば、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が用いられる。油溶性重合開始剤には、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α,α'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等が用いられる。
塩化ビニル系樹脂は、特に限定されないが、平均粒子径が0.1μm以上350μm以下であることが好ましく、より好ましくは80μm以上200μm以下である。本発明において、塩化ビニル系樹脂の平均粒子径は、ハネウェル(Honeywell)社製の粒度分析計(品番「MICROTRAC 9320−X1000」)を用いて測定する。
塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液は、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル系樹脂と水を混合して、塩化ビニル系樹脂を水中に懸濁させることによって得られる。得られた塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液は、反応器に投入され、反応器内に配置された撹拌翼によって撹拌される。撹拌されている塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液には、塩素が供給されつつ、反応器内に配置された紫外線LED等の光源によって紫外線が照射される。紫外線LED等の光源からの紫外線の照射の開始によって、塩化ビニル系樹脂の塩素化反応が開始する。
水性懸濁液中の塩化ビニル系樹脂は所望の塩素含有量になるまで塩素化される。塩素化反応は、紫外線の照射を終了することによって停止する。塩素化反応が停止した後、窒素等によって塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出し、塩素化塩化ビニル系樹脂のTg(ガラス転移温度)以下の温度の温水を用いて、塩素化塩化ビニル系樹脂中の残存塩酸を除去する。その後、脱水、乾燥工程を経て、塩素化塩化ビニル系樹脂が得られる。
生産性、水性懸濁液の粘度安定性および撹拌時の均一混合性の観点から、水性懸濁液中の塩化ビニル系樹脂の濃度は、10重量%以上40重量%以下であることが好ましく、20重量%以上35重量%以下であることがさらに好ましい。
反応器に塩素を供給する場合、塩素は、気体状および液体状のいずれであってもよいが、取扱いの容易さの観点から、気体状であることが好ましい。塩素供給方法は、水性懸濁液中に、塩素を供給できる方法であればよく、特に限定されない。例えば、塩素供給方法には、塩素化反応開始前に初期一括で塩素を仕込む方法、塩素化反応中に断続的に塩素を供給する方法、塩素化反応中に連続で塩素を供給する方法等がある。上述したとおり、本発明において、塩素化反応は、紫外線照射を開始することで開始され、紫外線照射を終了することで終了する。
塩素化反応時の最高反応温度は、特に限定されることはないが、90℃以下であることが好ましく、88℃以下であることがより好ましく、86℃以下であることがさらに好ましい。最高反応温度が90℃以下のとき、塩化ビニル系樹脂の劣化が抑制されるとともに、得られる塩素化塩化ビニル系樹脂の着色が抑制される。塩素化反応時の最低反応温度は、水性懸濁液の撹拌翼による流動を容易にする観点から、0℃を超えることが好ましい。また、最低反応温度は、反応時間を短縮する観点から、30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。
塩素化反応は発熱反応であることから、反応器の内温を制御するために、例えば、反応器に冷却用ジャケットが装備されることが好ましい。この冷却用ジャケットで除熱量と発熱量とのバランスを取ることで、反応器の内温がコントロールされる。反応器内に配置された撹拌翼は、プロペラ翼等の軸流型であってもよいし、パドル翼、タービン翼等の幅流型であってもよい。
上記のように、塩化ビニル系樹脂と塩素が導入された反応器内に紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて特定の照射方向の紫外線を照射するとともに、光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射する紫外線の光量を24%以上にすることで、水銀灯を用いた光塩素化法より高い反応効率で塩化ビニル系樹脂を塩素化させて得られた塩素化塩化ビニル系樹脂は、水銀灯を用いた光塩素化法で製造した従来品と同等の機械的強度および耐熱性を有する。
本発明において、塩素化塩化ビニル系樹脂の耐熱性は、JIS K 7206に従って、B50法にて、ビカット軟化点を測定することで評価する。ビカット軟化点の値が高いほど耐熱性が高いことを意味する。なお、塩素化塩化ビニル系樹脂の耐熱性の評価の詳細については、後述する。
本発明において、塩素化塩化ビニル系樹脂の機械的強度は、引張強度およびアイゾット衝撃強度を測定することで評価する。引張強度は、JIS K 7161に準じて測定し、アイゾット衝撃強度は、JIS K 7110に準じて測定する。引張強度およびアイゾット衝撃強度の値が高いほど、機械的強度に優れることを意味する。なお、塩素化塩化ビニル系樹脂の引張強度およびアイゾット衝撃強度の評価の詳細については、後述する。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。以下の実施例および比較例において、部および%は特に断らない限り重量基準である。
(実施例1)
まず、図1に示しているように、UV−LED光源ユニット10(株式会社センテック製、型番「OW-311)に紫外線LED素子20(日亜化学工業株式会社製、品番「NC4U133A」、ピーク波長365nm、順電流620mA、順電圧14.9V)を3個装着した紫外線LED光源装置100を準備した。3個の紫外線LED素子20は、15mmの等間隔で縦方向に1列に並べられた状態であった。紫外線LED素子20の発光スペクトルは、図3に示すとおりであった。図3に示すように、紫外線LED素子20の照射する紫外線は、波長範囲が350nmから392nmであり、ピークが1つであり、ピーク波長が365nmであった。
次に、図1に示すように、紫外線LED光源装置100を内径74mm、高さ600mm、厚み7mmの透明ガラス製の円筒状の光源保護容器200{PYREX(登録商標)}中に挿入した。
次に、図1に示すように、円筒状の光源保護容器200に入れられた紫外線LED光源装置100をジャケット(図示なし)付きの円筒状の反応器300(容量100L)中に1台配置した。具体的に、紫外線LED光源装置100は、円筒状の反応器300の中心軸330と円筒状の光源保護容器200の外壁までの直線距離Laが170mmとなり、円筒状の反応器300の内壁と円筒状の光源保護容器200の外壁までの直線距離Lbが25mmになるように配置した。また、紫外線LED光源装置100は、縦方向に三つ並んだ紫外線LED素子20の中心部から反応器300の底面までの直線距離Lcが140mmになるように配置した。同時に、図4Aに示しているように、紫外線LED素子20を、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度W1が75°になるように配置した。
次に、反応器300に、純水40kgと、K値が66.7であり、平均粒子径が170μmであり、見かけ密度が0.568g/mlである塩化ビニル系樹脂(株式会社カネカ製)10kgとを投入し、蓋320で反応器300内を密閉した。そして、純水と塩化ビニル系樹脂との混合液である塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400を、反応器300のタービン翼310(直径180mm)を用いて、回転数590rpmで撹拌した。
反応器300内を真空脱気および窒素置換した後、再度真空脱気した。次いで、塩素ガスを塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400中に吹き込んだ。同時に、タービン翼310で塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400を撹拌しつつ、紫外線LED光源装置100(紫外線LED素子20)から紫外線を塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400に照射させて塩素化反応を開始した。反応器300内の温度は、塩素化反応開始前は35℃に調整し、紫外線照射開始から100分で85℃まで昇温させ、その後の塩素化反応中(紫外線照射中)は85℃で維持させた。
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達したとき、紫外線LED光源装置100(紫外線LED素子20)による紫外線の照射を終了して、塩素化反応を停止させた。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表1に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(実施例2)
図4Bに示しているように、紫外線LED素子20を、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度W2が90°になるように配置した以外は、実施例1と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表1に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(比較例1)
図4Cに示しているように、紫外線LED素子20を、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度W3が345°になるように配置した以外は、実施例1と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表1に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(比較例2)
図4Dに示しているように、紫外線LED素子20を、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度W4が255°になるように配置した以外は、実施例1と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表1に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(比較例3)
図4Eに示しているように、紫外線LED素子20を、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度W5が165°になるように配置した以外は、実施例1と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表1に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(比較例4)
図4Fに示しているように、紫外線LED素子20を、紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度W6が120°になるように配置した以外は、実施例1と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表1に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(比較例5)
紫外線LED光源装置100の代わりに、100Wの高圧水銀灯(サンエナジー株式会社製、品番「SEH1002J01」、順電流1.1±0.1A、順電圧110±10V)を1灯用い、紫外線照射を全方向照射にし、水銀灯の発光部の中心部から反応器300の底面までの直線距離Lcが140mmになるように配置した以外は、実施例1と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表1に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
Figure 0005668183
下記表2に、実施例1〜2および比較例1〜5における紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度(下記表2において、単に「照射角度」と記す。)をまとめて示した。また、下記表2に、実施例1〜2および比較例1〜5における塩素含有量が67.1%になるまでの塩素化反応の反応時間をまとめて示した。
また、実施例1〜2および比較例1〜5における光源から照射される紫外線の総光量、及び特定の照射方向における紫外線の光量を、下記のように測定・算出した。光量測定器(TOPCON社製、品番「UVR−2」)にセンサー(TOPCON社製、品番「UD−36」)を装着し、塩素化反応を行う際に反応器内に存在する塩化ビニル系樹脂と光源の距離が最も近くなる光源保護容器の外壁の位置で、光源から照射された各照射方向の紫外線の単位面積あたりの単位光量を測定した。また、塩素化反応を行う際に反応器内に存在する塩化ビニル系樹脂と光源の距離が最も近くなる光源保護容器の外壁の位置で、紫外線LED素子又は水銀灯から照射された紫外線が塩素化ビニル系樹脂にあたる照射面積を測定した。上記の測定で得られる照射面積の値に単位面積あたりの単位光量の値を乗じた値を光量とした。なお、上記において、単位面積あたりの単位光量と照射面積の測定は、空気雰囲気下、かつ反応器内が空の状態で行った。下記表2に、光源から照射される紫外線の総光量(以下において、単に「光源の総光量」とも記す。)、光源から照射される紫外線の総光量100%に対する特定方向に照射される紫外線の光量の比率(以下において、単に「特定方向の光量割合」とも記す。)も示した。なお、光源が水銀灯の場合は、紫外線が全方向(360°)に照射されるため、光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、特定方向(30°〜115°)に照射される紫外線の光量は、23.6%(=[(115°−30°)/360°]×100)となる。
Figure 0005668183
上記表1および表2の結果から分かるように、同様の組成の塩化ビニル系樹脂を用いて同様の塩素含有量の塩素化塩化ビニル系樹脂を製造する際には、実施例の方が全方向に照射する水銀灯を用いた比較例5をはじめとする比較例より塩素化反応の反応時間が短く、塩素化反応の反応効率が高かった。すなわち、光源からの総光量がほぼ同様である場合、光源から照射される紫外線の少なくとも一つの照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内であるとともに、光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射される紫外線の総光量が24%以上であると、塩素化反応の反応効率が高くなることが確認された。
実施例1〜2および比較例1〜5で得られた塩素化塩化ビニル系樹脂を用いて下記のように品質評価用サンプルを作製し、耐熱性(ビカット軟化点)、機械的強度(アイゾット衝撃強度および引張強度)を測定・評価した。その結果を下記表3に示した。
<評価サンプルの作製>
塩素化塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、液状の錫系安定剤(日東化成株式会社製、品番「TV#S8831」)を2部、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン(MBS)樹脂(株式会社カネカ製、品番「カネエース(登録商標)B56)を8部、ステアリン酸(花王株式会社製、品番「ルナック(登録商標)S−90V」)を1部、ポリエチレンワックス(三井化学株式会社製、品番「Hiwax220MP」)を0.3部配合して、8インチロールにて195℃で5分間混練し、厚み6mmのシートを作製した。その後、得られたシートを15枚重ね合わせ、200℃の条件で圧力3〜5Paにて10分間プレスし、厚み5mmの板を作製した。得られた板を評価サンプルとし、下記の評価に用いた。
<ビカット軟化点(Vicat)>
評価サンプルを用い、JIS K 7206に従って、塩素化塩化ビニル系樹脂のビカット軟化点の測定を行った。但し、荷重を5kgとし、昇温速度は50℃/h(B50法)とした。
<アイゾット衝撃強度(Izod)>
評価サンプルを用い、JIS K 7110に従って、塩素化塩化ビニル系樹脂のアイゾット衝撃強度を測定した。ハンマーは2.75J、Vノッチを入れ、23℃にて測定した。
<引張強度>
JIS K 7161に準じた測定装置(SHIMAZU社製、品番「AG−X 20kN」)にて塩素化塩化ビニル系樹脂の引張強度を測定した。評価サンプルの大きさはASTM D638−1号形とした。チャック間距離110mm、標線間距離50mm、テストスピード5mm/minにて測定を行った。最大引張応力を引張強度とした。
Figure 0005668183
上記表3の結果から分かるように、実施例で得られた塩素化塩化ビニル系樹脂は、水銀灯を用いた比較例5をはじめとする比較例で得られた塩素化塩化ビニル系樹脂と、耐熱性および機械的強度等の品質において同等であった。紫外線LED等の光源を用い、紫外線の照射方向を塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内にするとともに、光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射する紫外線の光量を24%以上にすることにより、水銀灯を用いた光塩素化法で製造する場合と同等の機械的強度および耐熱性を有する塩素化塩化ビニル系樹脂を高い反応効率で得られることが確認された。
(実施例3)
縦方向に三つ並んだ紫外線LED素子20の中心部から、反応器300の底面までの直線距離Lcを90mmにした以外は、実施例2と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表4に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(実施例4)
縦方向に三つ並んだ紫外線LED素子20の中心部から、反応器300の底面までの直線距離Lcを190mmにした以外は、実施例2と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表4に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(比較例6)
縦方向に三つ並んだ紫外線LED素子20の中心部から、反応器300の底面までの直線距離Lcを90mmにした以外は、比較例2と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表4に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
(比較例7)
縦方向に三つ並んだ紫外線LED素子20の中心部から、反応器300の底面までの直線距離Lcを190mmにした以外は、比較例2と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化反応中、下記表4に示す塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)ごとの塩素含有量を測定した。
Figure 0005668183
上記表1、表2および表4の結果から分かるように、紫外線LEDから反応器の底面までの垂直距離のみを変更した実施例2〜4において、同様の塩素含有量の塩素化塩化ビニル系樹脂を製造するのに必要な塩素化反応の反応時間はほぼ同等であった。また、紫外線LEDから反応器の底面までの垂直距離のみを変更した比較例2、6、7において、同様の塩素含有量の塩素化塩化ビニル系樹脂を製造するのに必要な塩素化反応の反応時間はほぼ同等であった。
実施例3〜4および比較例6〜7で得られた塩素化塩化ビニル系樹脂を用いて上述したとおり品質評価用サンプルを作製し、耐熱性(ビカット軟化点)、機械的強度(アイゾット衝撃強度および引張強度)を測定・評価した。その結果を下記表5に示した。
Figure 0005668183
上記表3および表5の結果から分かるように、実施例3〜4で得られた塩素化塩化ビニル系樹脂は、水銀灯を用いた比較例5で得られた塩素化塩化ビニル系樹脂と、耐熱性および機械的強度等の品質において同等であった。
(実施例5)
実施例1で用いた紫外線LED光源装置100の代わりに、図5A−Bに示しているように、UV−LED光源ユニット10(株式会社センテック製、型番「OW-311)に紫外線LED素子20(日亜化学工業株式会社製、品番「NC4U133A」、ピーク波長365nm、順電流620mA、順電圧14.9V)を、90°の間隔で4つの方向に装着した紫外線LED光源装置1000を用いた。I、II、III及びIVの各方向において、3個の紫外線LED素子20は、15mmの等間隔で縦方向に1列に並べられた状態であった。紫外線LED素子20の発光スペクトルは、図3に示すとおりであった。図3に示すように、紫外線LED素子20の照射する紫外線は、波長範囲が350nmから392nmであり、ピークが1つであり、ピーク波長が365nmであった。
次に、図6に示すように、紫外線LED光源装置1000を、内径74mm、高さ600mm、厚み7mmの透明ガラス製の円筒状の光源保護容器200{PYREX(登録商標)}中に挿入した。
次に、図6に示すように、円筒状の光源保護容器200に入れられた紫外線LED光源装置1000をジャケット(図示なし)付きの円筒状の反応器300(容量100L)中に1台配置した。具体的に、紫外線LED光源装置1000は、円筒状の反応器300の中心軸330と円筒状の光源保護容器200の外壁までの直線距離Laが170mmとなり、円筒状の反応器300の内壁と円筒状の光源保護容器200の外壁までの直線距離Lbが25mmになるように配置した。また、紫外線LED光源装置1000は、縦方向に三つ並んだ紫外線LED素子20の中心部から反応器300の底面までの直線距離Lcが140mmになるように配置した。同時に、I方向の紫外線LED素子20を、その紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度が75°になるように配置した。
次に、反応器300に、純水40kgと、K値が66.7であり、平均粒子径が170μmであり、見かけ密度が0.568g/mlである塩化ビニル系樹脂(株式会社カネカ製)10kgとを投入し、蓋320で反応器300内を密閉した。そして、純水と塩化ビニル系樹脂との混合液である塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400を、反応器300のタービン翼310(直径180mm)を用いて、回転数590rpmで撹拌した。
反応器300内を真空脱気および窒素置換した後、再度真空脱気した。次いで、塩素ガスを塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400中に吹き込んだ。同時に、タービン翼310で塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400を撹拌しつつ、紫外線LED光源装置1000において、II方向、III方向及びIV方向の下段の紫外線LED素子20と、I方向の下段、中段及び上段の紫外線LED素子20を点灯させ、紫外線を塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400に照射させて塩素化反応を開始した。反応器300内の温度は、塩素化反応開始前は35℃に調整し、紫外線照射開始から100分で85℃まで昇温させ、その後の塩素化反応中(紫外線照射中)は85℃で維持させた。
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達したとき、紫外線LED光源装置1000(紫外線LED素子20)による紫外線の照射を終了して、塩素化反応を停止させた。そして、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまでの塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)を測定した。
(比較例8)
紫外線LED光源装置1000において、I方向、II方向及びIII方向の下段の紫外線LED素子20と、IV方向の下段、中段及び上段の紫外線LED素子20を点灯させ、紫外線を塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400に照射させて塩素化反応を開始した以外は、実施例5と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。塩素化反応終了後、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまでの塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)を測定した。
(比較例9)
紫外線LED光源装置1000において、I方向、II方向及びIV方向の下段の紫外線LED素子20と、III方向の下段、中段及び上段の紫外線LED素子20を点灯させ、紫外線を塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400に照射させて塩素化反応を開始した以外は、実施例5と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。塩素化反応終了後、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまでの塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)を測定した。
(比較例10)
紫外線LED光源装置1000において、I方向、III方向及びIV方向の下段における紫外線LED素子20と、II方向の下段、中段及び上段の紫外線LED素子20を点灯させ、紫外線を塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液400に照射させて塩素化反応を開始した以外は、実施例5と同様にして、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまで、塩素化反応を行った。塩素化反応終了後、窒素にて塩素化塩化ビニル系樹脂中の未反応塩素を追い出した後、残存塩酸を水洗にて除去して塩素化塩化ビニル系樹脂を乾燥させた。これにより、塩素化塩化ビニル系樹脂を得た。塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまでの塩素化反応の反応時間(紫外線照射時間)を測定した。
実施例5、比較例8〜10において、点灯した紫外線LED素子20の数は6個である。すなわち、紫外線照射に用いた紫外線LED素子の数は6個である。下記表6に、実施例5、比較例8〜10における光源における装着方向(以下において、単に「装着方向」とも記す。)ごとの点灯した紫外線LED素子の個数を示した。また、表6に、実施例5、比較例8〜10において、紫外線LED素子が照射する紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度(以下において、単に「照射角度」とも記す。)を示した。
Figure 0005668183
実施例5、比較例8〜10において、各照射方向における紫外線の光量及び光源から照射される紫外線の総光量を、上述したとおりに測定・算出した。下記表7に、各照射方向における紫外線の光量、光源から照射される紫外線の総光量(以下において、単に「光源の総光量」とも記す。)、光源から照射される紫外線の総光量100%に対する特定方向に照射される紫外線の光量の比率(以下において、単に「特定方向の光量割合」とも記す。)も示した。また、下記表7に、実施例5、比較例8〜10における塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有量が67.1%に達するまでの塩素化反応の反応時間を示した。
Figure 0005668183
上記表7から、光源の総光量が同様である実施例5、比較例8〜10において、特定方向の光量割合が24%以上である実施例5は、特定方向の光量割合が24%未満である比較例8〜10に対し、塩素化反応効率が高くなっていることが確認できた。
10 UV−LED光源ユニット
20 紫外線LED素子
100、1000 紫外線LED光源装置(光源)
110 光源の中心点
120 紫外線の照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対する角度の基準
200 光源保護容器
300 反応器
310 タービン翼
320 蓋
330 反応器の中心軸
400 塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液
500 光源の中心点を通る反応器の中心軸に垂直な断面
510 光源の中心点を通る反応器の中心軸に垂直な断面の中心点
520 光源の中心点を通る反応器の中心軸に垂直な断面の中心点と光源の中心点を結んだ直線
530 光源中心線
540 光源の中心点と紫外線LED素子を結んだ直線

Claims (5)

  1. 塩化ビニル系樹脂と塩素が導入された反応器内に紫外線を照射することで、塩化ビニル系樹脂を塩素化させる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法において、
    前記紫外線照射は、紫外線LED、有機ELおよび無機ELからなる群から選ばれる少なくとも1種の光源を用いて行い、
    前記光源は、前記反応器中に配置されており、
    前記紫外線の少なくとも一つの照射方向が塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内であり、
    前記光源から照射される紫外線の総光量を100%とした場合、前記塩化ビニル系樹脂の撹拌方向に対して30°以上115°以下の範囲内に照射される紫外線の光量が24%以上であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 前記光源が照射する紫外線は、ピーク波長の範囲が290nm以上400nm以下である請求項1に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  3. 前記光源が照射する紫外線は、ピーク波長の範囲が350nm以上400nm以下である請求項1または2に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  4. 前記光源は、紫外線LEDである請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  5. 前記塩化ビニル系樹脂への塩素の供給は、塩化ビニル系樹脂の水性懸濁液に塩素を供給することで行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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