図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の右側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ121が設置されている。このホッパ121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ121の上側のリールユニット203との間には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
また、スロットマシン本体120の内部の上部には、遊技に係る処理を行うメイン基板10が取り付けられている。
また、スロットマシン100には、前扉130の開閉状態を検知するドアセンサが取り付けられている。ドアセンサ206は、マイクロスイッチやリードスイッチなどの機械式スイッチ、フォトダイオードやフォトインタラプタなどの光電式スイッチ、扉が開いたときの距離を測るポテンショメータや扉が開いたときの角度を測るロータリエンコーダなどである。
図3はスロットマシン筐体の前扉130を開けた状態を示す斜視図である。ドアセンサ206は前扉130の左側(ヒンジ側)又は右側のいずれか一方あるいは両方に取り付けられる。スロットマシン筐体が上下にそれぞれ扉を備える分離方式である場合、ドアセンサ206は上扉側又は下扉側のいずれか一方あるいは両方に取り付けられる。両方に取り付けられた場合、2つのドアセンサの出力は並列に接続され、上扉と下扉の両方が開いたときに電源を切断できるようにすることが好ましい。
ドアセンサを前扉300の左側に設けた例を図4に示す。図4(a)は上面図であり、前扉130のヒンジ近傍に機械式スイッチをドアセンサ206として取り付けた状態を示す。前扉130が閉じた状態(点線の状態)では、ドアセンサ206の可動部Aが前扉130で押し込まれていてスイッチの接点がオンになっているが、前扉130が開いた状態(実線の状態)では、ドアセンサ206の可動部Aが突出している。この状態でスイッチの接点はオフになっている。
図4(b)は光電装置をドアセンサ206として取り付けた状態を示す。ドアセンサ206の筒状のケースの内部にフォトダイオード等の受光素子206aが設けられている。前扉130が閉じた状態(点線の状態)では、ドアセンサ206のケース前面が前扉130に設けられた蓋(遮蔽部)207で覆われているので受光素子206aは光を検出しない(オン状態)。前扉300が開いた状態(実線の状態)では受光素子206aの前面は開放され光を検出する(オフ状態)。
図5はメダルセレクタ1の斜視図である。図5において、11はメダルセレクタ1に設けられたメダル通路、12はメダルセレクタ1のメダル出口、S1及びS2はメダル通路11に設けられたフォトインタラプタ(メダル検出のためのセンサ)である。なお、Mは投入されたメダルを示す。メダルセレクタ1の上部から投入されたメダルMは、メダル通路11に沿って落下し、途中で進行方向を斜め横に変えられ、メダル出口(メダル排出口)12から排出される。なお、大きさが異なる非正規のメダルはメダル通路の途中で落下し、メダル返却口に戻る。BLは投入されたメダルをブロックして計数しないようにするためのブロッカである。
メダル出口12の近傍には2つのメダルセンサS1,S2がメダルの進行方向に沿って設けられている。これらはメダルの枚数を計数するためのものである。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路11内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。断面はコの字状でなくてもよいし、受光部だけを設けてもよい。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。また、メダルセンサS1,S2をメダル入り口から遠い側に設けることにより、不正行為をやりにくくしている。
メダルセンサS1,S2の下流側、メダルセレクタ1のメダル出口12よりも外側に出口センサS10が設けられている。出口センサS10は、図5に示したようにメダルセンサS1及びメダルセンサS2の下流であって、メダルセレクタ1の外部に設けられている。より具体的には、図5には示していないRシュート(メダルセレクタ1のメダル出口12に設けられ、上面から見た形状が略四分の一の円弧をなし、メダル出口12からメダルが出たときの進行方向を略90°変えてホッパタンクへ誘導するメダル通路を備えるもの)の後端部に設けられている。出口センサS10は非接触式のセンサであり、例えば光学式のフォトインタラプタ(メダルの遮光割合により出力が変化するフォトダイオードもしくはフォトトランジスタなどの受光素子を含むもの)である。出口センサS10の検出領域(フォトインタラプタであれば受光素子の開口)は大きく、その出力信号レベルでメダルの通過状態を十分に区別できるものである。なお、メダルセンサS1,S2の下流側であれば出口センサS10を図5で示した以外の個所に設けるようにしてもよい。
図6はホッパの正面図(図6(a))、右側面図(図6(b))、上面図(図6(c))である。図7はホッパのホッパタンク側の分解斜視図、図8はホッパのホッパシャーシ側の分解斜視図である。図9は、回転ディスクH3の上面詳細図であり、メダルの払い出し動作を説明するためのものである。図9においてMはメダルの排出経路を示す。
図示されたホッパは、大別すると、メダルMを貯留するホッパタンク122と、このホッパタンク122内に貯留されたメダルMを1枚ずつ排出する本体(ホッパ121)とからなる。
ホッパ121は、大別すると、ホッパシャーシH2aと、このホッパシャーシH2aに回転可能に支持され、ホッパタンク122から落下したメダルMが上方より1枚ずつはまり込む複数個、ここでは5個のメダル落とし穴H3aを有する回転ディスクH3と、この回転ディスクH3を回転するホッパモータH34とを備えている。このホッパモータH34の駆動力により回転ディスクH3の回転時に、そのメダル落とし穴H3aに落ち込んだメダルMは、メダル排出口Xから外部に排出される。
上記ホッパシャーシH2aの上部には、ベースプレートH5が斜めに取り付けられる。ベースプレートH5にはホッパモータH34が固定されている。ホッパモータH34の出力軸H34aは、ベースプレートH5を貫通して、その上面のほぼ中央に突出している。ベースプレートH5が斜めになっているので、ホッパモータの出力軸は垂直方向に対して交差している。このため、回転ディスクH3は、そのメダル排出口側が高く、その反対側が低くなっている。
ベースプレートH5の上にはハウジングサポートH4が位置する。ハウジングサポートH4の周囲には隆起した突縁部が形成されている。この突縁部のメダル排出口Xの部分は切り欠かれており、メダルはこの部分を通って排出される。
回転ディスクH3のメダル落とし穴3aに落ち込んだメダルMが、回転ディスクH3の回転に伴いメダル排出口Xに位置すると、当該メダルMはガイドピンH36により移動が妨げられ、メダル落とし穴H3aからメダル排出口Xへ押し出されて外部に排出される。このように、回転ディスクH3の回転に伴い、メダルMが順番に排出される。
ホッパタンク122及びホッパシャーシH2aはいずれも樹脂製である。
払い出されたメダルをカウントするためのカウンタローラH7(カウンタアームH8に設けられている)はセパレータH6を中心に回動する。回転ディスクH3に設けられた穴に嵌まり込んだメダルは、回転ディスクH3の回転に伴い移動し、メダル排出口XのところでガイドピンH36により押し出されてメダル通路の方に誘導される。このときメダルはカウンタアームH8に設けられているカウンタローラH7に接触してこれを図9中の矢印Aの方向へ回動させる。これにより、カウンタアームH8に設けられている突起が払出メダル検出部43の検出溝の間に入り、光源の光を遮断し、受光素子がこれを検出する。払出メダル検出部43は、例えば、検出溝を備えるケースの中に発光素子と受光素子を対向配置し、検出溝間の通過物体を非接触で検知するフォトインタラプタである。このように、1つのメダルが払い出されるとき当該メダルはカウンタローラH7と接触してこれを1回押すので、払出メダル検出部43の検出回数に基づいてメダルの払い出し数をカウントできる。
2つのガイドピンH36は、ハウジングサポートH4のメダル排出口X付近に設けられている。2つのガイドピンH36はガイドピン押さえH10にそれぞれガイドピン用ばねH37を介して取り付けられる。ガイドピンH36はガイドピン用ばねH37により上方に押圧され、ハウジングサポートH4の表面から約1mm程度突出している。ガイドピン用ばねH37の弾性により、ガイドピンH36が上方から押されると、ガイドピンH36はハウジングサポートH4内部に後退し、ガイドピンH36の頭部がハウジングサポートH4の表面と一致するようになる。
図9を参照してメダルの払い出し動作について説明する。回転ディスクH3のメダル落とし穴H3aに落ち込んだメダルMが、回転ディスクH3の回転に伴いメダル排出口Xに位置すると、メダルMはガイドピンH36に当たり、回転ディスクH3の回転に伴いメダルMは外側に押し出される。その際に押し出されたメダルMによってカウンタアームH8に設けられているカウンタローラH7を矢印Aの方向に押し広げ、遊技メダルガイドH12とセパレータH6及びカウンタローラH7の間を通過し、メダルMはメダル通路部H23,H24を通って外部に排出される。メダルMが排出され接触が解除されると、カウンタローラH7はカウンタ引きばねH9(図8参照)の弾性により元の位置に戻る。遊技メダルガイドH12は、メダルの動きを規制して、メダルをメダル通路に沿って滑らかに移動させる。メダルをメダル通路部H23,H24に誘導する際に2つのガイドピンH36はそれぞれ異なる役割を果たす。回転ディスクH3が時計方向に回転する場合にガイドピンH36aはメダルに最初に接触し、メダルを外側に押し出す。ガイドピンH36bは外縁に移動しつつあるメダルを、回転ディスクH3の回転方向に移動しないように規制しつつ、さらにメダル通路部H23,H24の方向へと移動させる。
ホッパ121に隣接してサブタンク170が配置される。サブタンク70は上面開放の略直方体状の容器であり、ホッパタンク122から溢れたメダルを受けるタンクである。
図10はサブタンク170の構造を示す断面図(奥行方向に切断した図)である。
170aは、サブタンク170を出し入れする際に使用される取手である。173a、173bは側壁である。174は底板である。175は電極180を挿入するための開口である。
サブタンク170は、筐体内に設けられた収納部(図示しない)に収納されており、図10に示すように、その側壁からメダルセンサ例えば電極180が突出している。開口175は、電極180を挿入するためのものである。
図10の矢印に示すように、ホッパタンク122から外部に排出されたメダルは、隣接して配置されたサブタンク170内に導かれる。サブタンク170内に導入されたメダルは、順次蓄積される。側壁73a側には電極180が配置されており、この電極180がメダルで短絡されることにより、メダルの蓄積を検知する。
図11は、メイン基板10の正面図を示す。同図に示すように、メイン基板10には、設定変更を行うためのスイッチである設定キースイッチ2054と、設定値を変更する際に使用される設定変更スイッチ2055が設けられている。これら2つのスイッチをまとめて設定変更参照スイッチSW1と表記することがある。
設定キースイッチ2054は、鍵を挿入して操作することによりオンオフするキースイッチである。設定変更スイッチ2055は押ボタンスイッチである。
図12は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
メイン基板10は、後述の集中端子板30を介して図示しないホールコンピュータ(外部装置)へ投入信号(IN信号)、払い出し信号(OUT信号)、ビッグボーナス信号(BB信号)などを送信する。この処理については後にさらに説明を加える。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10にはスタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部HM、ホッパ121及びホッパ121から払い出されたメダルの枚数を数えるための払出メダル検出部43が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
また、メイン基板10には、集中端子板30を介して図示しないホールコンピュータへ送信する後述のセキュリティ信号を発生するための出口センサS10、ドア開放信号を発生するためのドアセンサ206が接続されている。また、メイン基板10上には設定変更参照スイッチSW1が設けられている。設定変更参照スイッチSW1は後述の設定変更及び設定参照を行うためのスイッチであり、図11に示すように、設定キースイッチ2054と設定変更スイッチ(押しボタンスイッチ)2055とからなるものである。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2(投入メダル検出部)が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部HMは、ホッパ121を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出部43を備えており、メイン基板10は、払出メダル検出部43からの入力信号に基づいてホッパ121から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
メイン基板10は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う(投入受付機能)。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段を内蔵する(図示せず)。乱数発生手段は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
メイン基板10は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う(内部抽選機能)。すなわち、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
上述の抽選テーブルのいずれを用いて内部抽選を行うかは、設定値により決定される。設定値を変更することは設定変更と呼ばれる。抽選テーブルは、例えば設定値1〜6にそれぞれ対応する複数の抽選テーブルが格納されており、設定された設定値に対応した抽選テーブルを用いて抽選処理が行われる。設定値とは、予め用意された複数の抽選テーブルのそれぞれに対応付けられたものであり、これら複数の抽選テーブルのいずれかを選択するためのものである。
設定値を変更するための処理(設定変更手順)は例えば次のようなものである。
電源オンの前に設定変更参照スイッチSW1の設定キースイッチ2054をオンにしておく(このとき遊技機の電源はオフ)。電源オンの際にメイン基板10は設定キースイッチ2054がオンであるかどうか判断し、オンであれば設定変更状態となる。この状態で設定変更スイッチ2055が操作されると設定値が変更される。具体的には、設定変更スイッチ2055が1回押下されるごとに、設定値に+1が加算される。設定値は1〜6の整数であり、設定値=6の状態で設定変更スイッチ2055が押下されると、設定値=1に戻る。スタートスイッチ134が押下されると、そのときの設定値に確定される。設定キースイッチ2054がオフにされると設定変更状態から抜けて通常遊技状態になる。
現在の設定値が何であるか参照するための処理(設定参照手順)も用意されている。電源オンの状態で設定変更参照スイッチSW1の設定キースイッチ2054をオンにする。そして設定変更スイッチ2055を押すことで設定参照な可能な状態になる。この設定参照状態においては、メイン基板10は、記憶されている設定値を液晶表示装置又は7セグ表示器などに表示する。設定キースイッチ2054がオフにされると設定参照状態から抜けて通常遊技状態になる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
メイン基板10は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある(リプレイ確率変動機能)。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/3に設定されるリプレイ高確率状態(リプレイタイム)という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
メイン基板10は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う(リール制御機能)。
メイン基板10は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、メイン基板10は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、メイン基板10は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
メイン基板10は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
メイン基板10は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する(入賞判定機能)。
メイン基板10は、入賞判定機能による判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ121を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
メイン基板10は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う(払出制御機能)。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部HMでホッパ121を駆動して払い出させる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ121によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
メイン基板10は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う(リプレイ処理機能)。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態(レギュラーボーナス状態及び/又はビッグボーナス状態)では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
次に、遊技機における遊技処理について図13を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図13の処理が開始される。
ステップSS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップSS2に進む。
ステップSS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップSS3に進む。
ステップSS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップSS4に進む。
ステップSS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップSS5に進む。
ステップSS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップSS6に進む。
ステップSS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップSS7に進む。
ステップSS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップSS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップSS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップSS8の実行完了までが、一遊技である。ステップSS8が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図14は集中端子板30のブロック図を示す。図14は標準的な集中端子板30を示すものである。集中端子板30は、遊技機本体側より出力される信号を中継してホールコンピュータへ送るものである(信号の内容については後述の図15及びこれに関する説明を参照)。
31はメイン基板10からの信号を受ける入力コネクタ、32はメイン基板10からの信号で駆動されるリレーコイル、33はリレーコイル32によりオンオフする接点、34はホールコンピュータへオンオフ信号を送るための出力コネクタである。リレーコイル32とその接点33がリレーを構成する。図14の集中端子板30は合計7個のリレーを含む。これらを、その符号に−1乃至−7を付すことで区別する。接点33−1乃至33−7の一方の端子は全部共通の端子(出力コネクタ34の端子6)に接続され、他方の各端子は出力コネクタ34の別々の端子に接続されている。端子6が共通端子(コモン)となり、各接点33のオンオフは、ホールコンピュータから見れば、出力コネクタ34の端子1乃至5、7及び8のいずれかと端子6との導通の有無を意味する。なお、入力コネクタには接地(グランド)端子及び電源端子も含まれるが、図14ではその表示を省略している。
例えば、メイン基板10から入力コネクタ31の端子1にメダル投入信号(Lレベル)を受けると、当該信号によりリレーコイル32−1が磁力を発生し、接点33−1を引き寄せることで当該接点がオンになる。したがって、出力コネクタ34の端子1と端子6が導通する。これをホールコンピュータで検出することで、メダルが投入されたと判定することができる。
なお、図14では、リレーコイル32が駆動されたときにオンになる接点33の出力がホールコンピュータへ送られているが、本発明はこれに限定されず、オフになる接点33の出力が送られるようにしてもよい。ホールコンピュータは、リレーの接点のオン又はオフ信号のどちらも受けることができる。
図15は、発明の実施の形態に係る遊技機の集中端子板30の出力信号の一覧を示す。番号は、図14の端子番号に対応している。
メダル投入信号とは、スタートスイッチ134を受け付けた後に出力され、当該遊技のメダルの規定数に応じた数のパルス信号(オンオフの繰り返し信号)である。
メダル払出信号とは、3つのリール全てが停止した後においてメダルの払い出しがある場合に出力され、メダルの払出枚数に応じた数のパルス信号である。リプレイ時は当該遊技の規定数分のメダルの払い出しがあるものとして当該規定数分のパルスが出力される。
RB信号は、レギュラーボーナス状態の時に出力される信号である。
BB信号は、ビッグボーナス状態の時に出力される信号である。
RT信号は、リプレイタイム時に出力される信号である。
セキュリティ信号は、異常要因が発生している間、継続して出力される信号である。セキュリティ信号については後にさらに説明を加える。
ドア開放信号は、前扉130が開放されている間、継続して出力される信号である。
図15の符号1から8(6を除く)信号は、いずれもメイン基板10が生成している。メダル投入信号〜RT信号は公知であるので、その説明は省略する。
メイン基板10は、メダルセンサS1及びS2、出口センサS10、ドアセンサ206、払出メダル検出部43から信号を受けて所定のエラー信号(図16のE1〜E9)に基づき生成するが、図15のセキュリティ信号(外部信号7)及びドア開放信号(外部信号8)は、それらに基づきメイン基板10が生成するものである。
メイン基板10は、ドアセンサ206の出力に基づき前扉130の開放/閉鎖を判定し、開放されているときにドア開放信号を生成する。
セキュリティ信号は、複数のエラー信号(図16のE1〜E7、E9など)が合成された信号である。いずれかの信号が有効(オン)になるとセキュリティ信号が生成され、ホールコンピュータへ出力される。なお、下記以外の信号を含むことがあってもよい。どの信号の論理和をとるかについては、後に具体的に説明する。
図16のエラーについて説明を加える。
(エラコードE1)逆流エラー
遊技メダル投入受付可能中に、メダルセンサS1又はメダルセンサS2のオンオフ状態が正しい順序どおりに変化しなかった場合に発生される。
逆流エラーE1は、メダルセレクタ1においてメダルが逆流したことを示すエラーである。投入されたメダルはメダルセレクタ1においてメダルセンサS1、S2をこの順番で通過するが、何らかの理由で逆の順番でセンサが検出したときにメイン基板10が逆流エラーE1を出力する。センサを欺瞞してメダル投入したかのようにする不正行為のケースが考えられる。
逆流エラーE1を引き起こす不正行為は、いわゆる糸引きゴトや、クレ満ゴトが該当する。
(エラーコードE2)エンプティーエラー
遊技メダル払い出し中に、払出メダル検出部43のオフ状態が所定時間(2100.384ms)以上継続した場合に発生される。
エンプティーエラーE2は、払出メダル検出部43に基づき生成され、ホッパ121の貯留メダルが不足していることを示すものである。このエラーが発生するとホール店員が前扉130を開けてメダルを補充する。これは不正行為ではないから、セキュリティ信号とドア開放信号が発生しているときは不正行為と判定しない。
(エラーコードE3)払い出し詰まりエラー
遊技メダル払い出し中に、払出メダル検出部43のオン状態が所定時間(172.040ms)以上継続した場合に発生される。
払いだされたメダルが貯まる下皿にメダルが過剰に滞留すると、ホッパ121から下皿へ至るメダル通路にもメダルが充満することがある。この状況下で小役が入賞してメダルの払い出し処理が行われると払出メダル検出部43が検知したままになってしまう。このとき発生されるエラーが払い出し詰まりエラーE3である。
(エラーコードE4)払い出し異常エラー
遊技メダル払い出し中以外に、払出メダル検出部43のオン状態が所定時間(5.984ms)以上継続した場合に発生される。
払い出し異常エラーE4について説明を加える。通常、ホッパ121は小役の入賞に基づいて回転作動し、この回転作動に基づいてメダルが払いだされ、払出メダル検出部43が検知する。しかし、小役が入賞していないにも関わらず(つまり遊技メダル払い出し中以外に)何らかの外力等によりホッパ121が回転させられてメダルが弾き出された場合に払い出し異常エラーE4となる。または、小役が入賞していないにも関わらず外力等により直接払出メダル検出部43を可動させて検知させた場合にも払い出し異常エラーE4となる。このように、払い出し異常エラーE4は、普通に遊技をしている状況下では発生し得ないものである。メダルの払い出しを受けようとする不正行為のケースが考えられる。
(エラーコードE5)オーバーエラー
オーバーフローセンサー(例えば図10の電極180、同様の電極がホッパタンク122に設けられていることもある)のオン状態が所定時間(700.128ms)以上継続した場合に発生される。
オーバーフローセンサに基づき生成されるオーバーエラーE5が発生すると、ホール店員が前扉130を開けてタンクからメダルを取り出す。これは不正行為ではない。オーバーフローセンサはホッパ121のタンクから溢れたメダルを検出するセンサである。オーバーフローセンサは公知であるので、その説明は省略する。
(エラーコードE6)滞留エラー
メダルセンサS1又はメダルセンサS2のオン状態が所定時間(131.648ms)以上継続した場合に発生される。
(エラーコードE7)パックアップエラー
電源投入時において、RWM(書き込み読み出しメモリ)のバックアップ異常を検出した場合に発生される。
(エラーコードE8)ドア開放エラー
ドアセンサ206のオン状態が所定時間(47.872ms)以上継続した場合に発生される。
(エラーコードE9)投入異常エラー
メダルセレクタ1のブロッカBLを閉塞してから所定時間(269.280ms)以上経過後にメダルセンサS2がオン状態の場合又は遊技メダル投入受付可能中にメダルセンサS1又はメダルセンサS2を正しい順序どおりに通過した遊技メダルの数と、出口センサS10を通過した遊技メダルの数とが一致しなかった場合に発生される。
投入異常エラーの判定のためには図示しないカウンタが使用される。メダルがメダルセンサS1及びメダルセンサS2を通過すると前記カウンタのカウント値が+1され、他方、出口センサS10を通過すると−1される。例えば3枚連続投入すると、メダルセンサS1及びメダルセンサS2の通過に基づいて一旦+3となるものの、出口センサS10を通過することで−3とされ、前記カウンタの値は0となる。このように、通常であれば前記カウンタの値は0に収束されるようになっている。
出口センサS10は、メダルセンサS1及びメダルセンサS2を通過したメダルが、その通過から2秒以内に出口センサS10を通過するような位置に設けられているので、カウンタの値が0に収束する時間は2秒程度で足りる。1枚のメダルがメダルセンサS1及びメダルセンサS2を通過してから2秒が経過しても前記カウンタが0に収束されないような場合には、メダルセンサS1及びメダルセンサS2に対して、いわゆる糸引きゴトやクレ満ゴトがされていると推測される。
(エラーコードEE)表示判定異常エラー
表示判定時において、異常を検出した場合に発生される。
(エラーコードEA)RWM異常エラー
コールドスタート時において、値を正常に読み書きすることができないRWMを検出した場合に発生される。
(エラーコードEC)設定値異常エラー
内部抽せん時において、設定値が許容範囲外(1〜6以外)の場合に発生される。
なお、メイン基板10はRTC(リアルタイムクロック)備えており、エラーがいつ発生したかを把握できるとともに、その時系列の履歴を記憶することができる。RTCによりホール営業中のエラーか否かを判別することができる。
上記逆流エラーE1、払い出し異常エラーE4及び投入異常エラーE9は、いずれも不正行為の可能性が高く、ホールコンピュータで監視すべき重要なエラーである。
また、セキュリティ信号は、複数のエラー信号(図16のE1〜E7、E9など)とともに、設定変更・参照に係る信号、すなわち、設定変更参照スイッチSW1の出力に基づきメイン基板10が設定変更を行っていることを示す設定変更信号と、設定変更参照スイッチSW1の出力に基づきメイン基板10が設定参照を行っていることを示す設定参照信号とを含むことがある。設定変更信号は設定変更状態のときに生成され、設定参照信号は設定参照状態のときに生成される。
図15のドア開放信号(第2特定信号)は、図16のドア開放エラーE8に対応している。
これに対し、図15のセキュリティ信号は、図16の複数のエラーの組み合わせ(論理和)である。
以下、本発明の実施の形態に係るセキュリティ信号を生成するエラーの組み合わせについて説明を加える。
(第1の組み合わせ(その1))
セキュリティ信号(第1特定信号)は、遊技機に使用されるメダルに関する異常を検出したときに生成される。
具体的には、逆流エラーE1、払い出し異常エラーE4、投入異常エラーE9のいずれかのエラーのときにセキュリティ信号は出力される。
セキュリティ信号を、複数種類のエラーのうちで不正行為が介入したときに発生する可能性が高い危険なエラー(前述のE1、E4、E9)に限定して発生させることにより、エラーの種別をホールコンピュータが詳細に判別できるようになり、不正行為に対しての判別が容易になる。また、危険性の少ないエラーについては外部装置に信号を出力しなくてよいのでプログラム容量の削減にもつながる。
(第1の組み合わせ(その2))
セキュリティ信号(第1特定信号)は、遊技機に使用されるメダルに関する異常を検出したときに生成される。
具体的には、逆流エラーE1、払い出し異常エラーE4、投入異常エラーE9に加えて、払い出し系のエンプティーエラーE2、払い出し詰まりエラーE3、オーバーエラーE5、滞留エラーE6のいずれかのエラーのときにセキュリティ信号は出力される。
セキュリティ信号を、複数種類のエラーのうちで不正行為が介入したときに発生する可能性が高い危険なエラー(E1、E4、E9)と、これよりも危険性の低いエラー(E2、E3、E5、E6)を併せてホールコンピュータに知らせることにより、より多くのエラーをホールコンピュータが判別できるようになる。
(第2の組み合わせ(その1))
セキュリティ信号(第1特定信号)は、設定変更参照スイッチSW1が操作されて遊技に係る設定が行われる状態又は前記設定が参照される状態になったときに生成される。
セキュリティ信号(設定変更又は設定参照)により駆動されるリレーとドア開放エラー信号により駆動されるリレーとを別々のものとしたので、従来よりもエラーの種別をホールコンピュータが詳細に判別できるようになる。
(第2の組み合わせ(その2))
セキュリティ信号(第1特定信号)は、設定変更参照スイッチSW1が操作されて遊技に係る設定が行われる状態又は前記設定が参照される状態になったときに加えて、遊技機に使用される不正行為の可能性の高い異常を検出したときに生成される。具体的には、逆流エラーE1、払い出し異常エラーE4、投入異常エラーE9のいずれかのエラーのときにもセキュリティ信号は出力される。
設定変更又は設定参照とともに、メダルに関する異常エラーをホールコンピュータに知らせることができる。メダルに関する異常を検出したときのエラーに限定したので、異常エラーの種別をホールコンピュータが詳細に判別できるようになり、不正行為に対しての判別が容易になる。また、危険性の少ないエラーについては外部装置に信号を出力しなくてよいのでプログラム容量の削減にもつながる。
(第3の組み合わせ)
セキュリティ信号(第1特定信号)は、設定変更参照スイッチSW1が操作されて遊技に係る設定が行われる状態又は前記設定が参照される状態になったときに加えて、遊技機に使用されるメダルに関する異常を検出したときに生成される。具体的には、逆流エラーE1、払い出し異常エラーE4、投入異常エラーE9である。又は、これに代えて/これとともに、払い出し系のエンプティーエラーE2、払い出し詰まりエラーE3、オーバーエラーE5、滞留エラーE6のいずれかのエラーのときにセキュリティ信号は出力されるようにしてもよい。
上記組み合わせによるセキュリティ信号と、ドア開放信号の組み合わせにより、ホールコンピュータは不正行為の可能性について、従来よりも具体的に判定することができる。
(第1の組み合わせ(その1))によれば、不正行為又はこれに準じる重大なエラーが発生したと判定することができる。
例えば、ドア開放信号及び前述のRTCからの時刻情報と併せて不正行為の可能性が高いと判定することができる。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間中を示しているときに、ドア開放信号がオフ(ドア閉)で、セキュリティ信号がオンになったときは、不正行為の可能性が高い。
(第2の組み合わせ(その1))によれば、前述のRTCからの時刻情報と併せて不正行為の可能性が高いと判定することができる。
例えば、RTCからの時刻情報がホールの営業時間中を示しているときにセキュリティ信号がオンになったときは、不正行為の可能性が高い。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間終了を示しているときに、ドア開放信号がオン(ドア開)で、セキュリティ信号がオンになったときは、ホール店員の作業の可能性が高く、不正行為ではない可能性が高い。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間終了を示しているときに、ドア開放信号がオフ(ドア閉)で、セキュリティ信号がオンになったときは、ホール店員がドアを開けずに作業することは通常ないから、不正行為の可能性がある。
(第2の組み合わせ(その2))及び(第3の組み合わせ)によれば、上記に加えて重大なエラーが発生したと判定することができる。
例えば、RTCからの時刻情報がホールの営業時間中を示しているときにセキュリティ信号がオンになったときは、不正行為又は重大なエラーの可能性が高い。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間終了を示しているときに、ドア開放信号がオン(ドア開)で、セキュリティ信号がオンになったときは、ホール店員の作業の可能性が高く、不正行為ではない可能性が高い。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間終了を示しているときに、ドア開放信号がオフ(ドア閉)で、セキュリティ信号がオンになったときは、重大なエラーの可能性が高い。
(第1の組み合わせ(その2))によれば、遊技機にエラーが発生したと判定することができる。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間中を示しているときに、ドア開放信号がオン(ドア開)で、セキュリティ信号がオンになったときは、エンプティーエラーE2、払い出し詰まりエラーE3、オーバーエラーE5などのエラーの可能性があり、これに対処すべくホール店員が作業中の可能性がある。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間中を示しているときに、ドア開放信号がオフ(ドア閉)で、セキュリティ信号がオンになったときは、エンプティーエラーE2、払い出し詰まりエラーE3、オーバーエラーE5などのエラーの可能性がある。これにホール店員が未対応の可能性がある。ホール店員がこのエラーを長時間放置することはないと考えれば、エラー状態が長時間継続する場合には、不正行為又はこれに準じる重大なエラーが発生したと判定するようにしてもよい。
RTCからの時刻情報がホールの営業時間終了を示しているときに、ドア開放信号がオン(ドア開)で、セキュリティ信号がオンになったときは、ホール店員の作業の可能性が高く、不正行為ではない可能性が高い。
図20に示した従来のセキュリティ信号はドア開放を含み、ドア開放は営業時間中においてホール店員により正当業務として行われることがあるので直ちに不正行為と判定することができなかった。これに対し、本発明の実施の形態によれば、ドア開放信号をセキュリティ信号から分離したのでより正確な判定が可能になった。
次に、集中端子板30の出力信号をホールコンピュータで確実に受信できるようにするための発明の実施の形態について説明を加える。この目的を達成するには集中端子板30の出力信号を所定時間よりも長く継続させる(この時間を下回らないようにする、オンのままにしておく)必要がある。この所定時間を出力信号持続最小時間と呼ぶことにする。これは例えば2秒とする(1.5秒のときもある。後述)。
一般的な電子機器であれば2秒以上の時間を計時できるタイマを用意すればよく、なんら困難なことではない。しかし、遊技機においてはメイン基板のCPUは8ビットであり、使えるメモリ容量も限られているという特殊事情が存在する。集中端子板の出力信号の持続時間はCPUによるタイマで管理しているが、これに使われるデータ(ビット数)は限られている。
例えば、8ビットCPUであれば扱うデータの単位が8ビット(1バイト)であるので、1バイトのカウンタを用いることが多い。1.5バイト(12ビット)などの半端なデータ長であると処理が複雑になり、しかも残りの4ビットが使用されずに無駄なので採用されない。2バイトなどの1バイトの整数倍であれば無駄なビットは生じないが、処理が複雑になる。例えば、一方のバイトの桁上りを他方のバイトに加算する(+1)するといった処理が必要である。このような事情は16ビットCPU、32ビットCPUでも同じであり、扱うデータの単位ごとにタイマのカウンタを設定する。
遊技機の8ビットCPUにおいては複雑な処理を避けるために1バイトのカウンタを採用するが、このため長時間の計時ではオーバーフローしてしまい計時が困難である。オーバーフローまでの時間(計時可能最大時間)はビット数(1バイト=8ビット)とこれで構成されるカウンタを見に行く時間間隔(一般的には割り込み時間)で規定される。割り込み時間をTINT、ビット数をNとすれば、計時可能最大時間は、TINT*2^Nである。割り込み時間TINTが5.86ms、ビット数Nが8のとき、5.86ms*2^8=1.5秒となる。
先に、出力信号持続最小時間を2秒とした。計時可能最大時間は1.5秒であるから、(計時可能最大時間)<(出力信号持続最小時間)となる。これでは、メイン基板10のタイマでは出力信号持続最小時間を計時できず、集中端子板30の出力信号をホールコンピュータで確実に受信できるという目的を達成できない。このタイマの能力を超えるような時間を扱うためにタイマで使えるデータを増やすことが考えられるが、これではロジックが複雑になりプログラム容量が増加してしまう。これは、8ビットのCPUで様々な処理を実行している遊技機のメイン基板においては非常に大きな問題となる。
そこで、本発明の実施の形態では次のような処理を行うことにより、メインプログラム容量の負担を減らしつつ、集中端子板30の出力信号において出力信号持続を確保し、ホールコンピュータによる確実な受信を担保することができる。
図17は、発明の実施の形態におけるタイミングチャートである。図17(a)は異常要因(逆流エラーE1〜投入異常エラーE9のいずれか)に関するもの、同図(b)は設定変更信号に関するもの、同時(c)は設定参照信号に関するもの、同図(d)はドア開放信号に関するものである。セキュリティ信号は逆流エラーE1〜投入異常エラーE9の論理和(例えば、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E9の論理和、あるいは、E1、E4、E9の論理和)でありこれらをまとめて図17(a)のように示すこと(処理も同じ)ができるが、説明の便宜上、図17では、逆流エラーE1〜投入異常エラーE9と設定変更信号、設定参照信号を区別して表示している。
異常要因の発生時点(セキュリティ信号のオンの時点)から起算して、計時可能最大時間よりも短い時間(この時間を解除不能時間と呼ぶことにする。この時間は例えば約0.5秒)の間はエラー解除、すなわちセキュリティ信号のリセット(オフにすること)を受け付けないようにする。
そして、エラー解除操作が行われた後に計時可能最大時間を計時し、その経過後にセキュリティ信号をオフにする。
ただし、(出力信号持続最小時間)≦(計時可能最大時間)+(解除不能時間)とする。例えば、1.5秒+0.5秒=2秒のようにする。
図17(a)に示すように、TTAを解除不能時間、TXをエラー解除操作の時間、TTBを計時可能最大時間とすると、出力信号の持続時間は、TTA+TX+TTB=(解除不能時間)+TX+(計時可能最大時間)となる。
TX>0であり、かつ、上記関係により、(出力信号持続最小時間)<TTA+TX+TTBとなるので、集中端子板30の出力信号の出力信号持続最小時間よりも長く継続させることができ、集中端子板30の出力信号をホールコンピュータで確実に受信できるようになる。
(計時可能最大時間)>(解除不能時間)であるから、TTAとTTBの両方の計時に共通の1バイトのタイマを使用することができ、その実現は容易である。なお、TXはホール店員が操作に要する時間であり、タイマによる計時は行っていない。
図17(b)は設定変更のタイミングチャートを示す。
電源オンの前に設定変更参照スイッチSW1の設定キースイッチ2054をオンにしておく(このとき遊技機の電源はオフ)。電源オンの際にメイン基板10は設定キースイッチ2054がオンであるかどうか判断し、オンであれば設定変更状態となる。この状態で設定変更スイッチ2055が操作されると設定値が変更される。設定キースイッチ2054がオフにされると設定変更状態から抜けて通常遊技状態になる。設定キースイッチ2054のオンにおける電源オンから始まり、設定キースイッチ2054のオフまでの時間をTYとする。それが終了したときにタイマで計時可能最大時間を計時する。計時可能最大時間がTTBである。計時終了後にセキュリティ信号をオフにする。セキュリティ信号がオンの時間はTY+TTBとなるが、設定変更は、店員又は不正行為者が手作業で設定変更参照スイッチSW1とスタートスイッチ134を操作することにより設定変更を行うところから、TYは所定の時間を要する(少なくとも0.5秒より短いということはありえない)。
したがって、設定変更の際のセキュリティ信号のオン時間であるTY+TTBは集中端子板30の出力信号の出力信号持続最小時間よりも長くなる。集中端子板30の出力信号をホールコンピュータで確実に受信できる。
図17(c)は設定参照のタイミングチャートを示す。
図17(c)も、同図(b)と同様である。
現在の設定値が何であるか参照するための処理(設定参照手順)のときは、電源オンの状態で設定変更参照スイッチSW1の設定キースイッチ2054をオンにする。そして設定変更スイッチ2055を押すことで設定参照な可能な状態になる。設定キースイッチ2054がオフにされると設定参照状態から抜けて通常遊技状態になる。設定キースイッチ2054のオンにおける電源オンから始まり、設定キースイッチ2054のオフまでの時間をTYとする。
ただし、TYの後、その終了時の約2.6秒の所定の音声案内が行われる(TTC)。そこで、エコ機能設定状態の音声案内後にセキュリティ信号をオフとすることで、最低2.6秒の出力を行う。(音声案内の時間TTC)>(計時可能最大時間)であるので、設定参照の際のセキュリティ信号のオン時間であるTY+TTCは集中端子板30の出力信号の出力信号持続最小時間よりも長くなる。集中端子板30の出力信号をホールコンピュータで確実に受信できる。
上記2.6秒の計時は同じタイマによりなされ、1.5秒+1.1秒=2.6秒となる。この2.6秒の計測期間中は遊技の進行は不能とされる。エコ機能設定状態の音声案内と遊技の進行に伴う音声とが重複してしまうのを防止するためである。
図17(d)はドア開放信号のタイミングチャートを示す。この場合も図17(a)と同様にドア開放信号のオン時間であるTTA+TX+TTBは出力信号持続最小時間よりも長くなる。集中端子板30の出力信号をホールコンピュータで確実に受信できる。
発明の実施の形態によれば、1バイトのタイマ(1.5秒タイマ)を用いつつ、集中端子板30の出力に求められる出力信号持続最小時間よりも長く信号を維持することができる。発明の実施の形態によれば、2バイトのタイマを用いるよりもプログラムが小さくてすみ、メインプログラム容量の負担を減らすことができる。
図18は、図17(a)(d)のタイミングチャートのセキュリティ信号/ドア開放信号を実現するための回路ブロック図である。この回路はICなどのハードウエア又はソフトウエアで実現することができる。図17(d)用の場合は「異常要因」が「ドア(ドアセンサ206)」となる。以下、図17(a)の場合を例に取り説明を加える。
異常要因が発生すると、当該信号はORゲート52を通って異常要因フラグ(フリップフロップ)51のセット端子に入り、異常要因フラグ(これはセキュリティ信号に相当する)をオンにする。
異常要因は、同時に0.5秒タイマ(解除不能時間を計時する)53を起動する。0.5秒の計時が終了した時点でスイッチ54をオンにする。計時終了前はスイッチ54がオフであるのでエラー解除信号は伝達されず、異常要因フラグをオフにできない。
エラー解除操作を受け付けたことを契機に発生するエラー解除信号は、1.5秒タイマ(計時可能最大時間を計時する)55を起動する。1.5秒タイマ55が計時中はその出力がORゲート52を異常要因フラグ51のセット端子に入っており、異常要因フラグ51のリセット端子にかかわらず異常要因フラグはオンである。
0.5秒タイマ53の計時が終了した後はエラー解除信号がリセット端子に入力され、そして、1.5秒タイマ55の計時が終了した後はエラー解除信号により異常要因フラグがオフになる。
0.5秒タイマ53の計時時間はTTAに相当し、1.5秒タイマ55の計時時間はTTBに相当する。
図19は、図17(b)(c)のタイミングチャートのセキュリティ信号を実現するための回路ブロック図である。この回路もICなどのハードウエア又はソフトウエアで実現することができる。図17(c)用の場合は1.5秒タイマ55が音声案内の時間TTCとなる。
以下、図17(b)の場合を例に取り説明を加える。
設定変更が発生すると、設定変更開始信号が異常要因フラグ51のセット端子に入り、異常要因フラグをオンにする。
設定キースイッチ2054のオフにより発生する設定変更終了信号は、1.5秒タイマ55を起動する。1.5秒の計時が終了した時点でスイッチ54をオンにする。計時終了前はスイッチ54がオフであるので設定変更終了信号は伝達されず、異常要因フラグ51をオフにできない。
1.5秒タイマ55の計時が終了した後は設定変更終了信号がリセット端子に入力され異常要因フラグがオフになる。
なお、上記例では出力信号持続最小時間の好適な値として2秒を採用しているが、こらが1.5秒であっても概ねホールコンピュータは感知することができる。これを前提にすると、例えば、設定変更が短時間(0.5秒未満)で完了された場合(正式な設定変更の操作を短時間で完了させた場合のみならず、何らかの不正信号が外部から出力され正式な操作無しに設定変更が完了されてしまった場合も含む)であっても、上記作用効果を奏する。
上記を前提とすれば、
(出力信号持続最小時間)≦(計時可能最大時間)+(解除不能時間)
は、
(出力信号持続最小時間)≒(計時可能最大時間)+(解除不能時間)
とすることができる。誤差の範囲は0.5秒未満である。
別の表現をすれば、
(出力信号持続最小時間)≦(計時可能最大時間)+(解除不能時間)+0.5秒
となる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。