JP5526925B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
また、加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路と前記加熱コイルを接続する接続線に沿って配設された導電体を備え、この導電体を直接あるいはコンデンサを介して大地あるいは低周波電源あるいは前記インバータ回路の電源整流器出力電位に接続したものがあった(例えば、特許文献1の請求項2に係る発明)。
また、インバータ回路のスイッチング素子がONとOFFを繰り返すことにより、平滑コンデンサからスイッチング素子を経由して加熱コイルへ高周波電流が流れ、さらに、スイッチング素子をバイパスする逆並列ダイオードを経由する回生電流として、平滑コンデンサに相当の大きさの高周波電流が流れる。そのため、加熱コイルとインバータ回路との接続線以外にも、インバータ回路、共振コンデンサ、部分共振コンデンサ、平滑コンデンサからも、相当の大きさの放射雑音が発生する可能性があるという問題があった。
(加熱調理器本体)
これらの図において、加熱調理器本体(以下、「本体」と称す)1は平面形状が長方形であって、金属板から形成された箱形状の本体ケース2と、本体ケース2の上面開口を塞ぐ金属製板から形成された額縁状の天板3と、から構成されている。本体1の内部には、天板3に載置された被加熱物を加熱するための電磁エネルギー又は熱エネルギーを発生する後記する加熱手段6L、6R、7と、該加熱手段6L、6R、7の調理条件を制御する後記する通電制御回路200(図5参照)と、該通電制御回路200に前記調理条件を入力する後記する入力手段20〜23と、該入力手段20〜23に入力された前記調理条件を表示する表示手段(中央表示・入力部)80とを備えている。以下、それぞれについて詳細に説明する。
天板3の上面は、非磁性ステンレス板又はアルミ板などから形成された額縁形状の枠体4によって縁取られ、その中央に設けられた大きな開口部は、耐熱強化ガラスや結晶化ガラス等の赤外線を透過させる材料からなる長方形状のトッププレート(上板に同じ)5によって密閉状態に覆われている。したがって、トッププレート5の上面から水滴などが枠体4を通じて本体1の内部に侵入しないようにしてある。なお、トッププレート5の上面には、後記する加熱源6L、6R、7の位置を示す案内マーク6LM、6RM、7Mが、それぞれ表示されている。
本体1の内部であって、トッププレート5の右側位置の下面側に、右側電磁加熱コイル(以下、「右加熱源」と称す)6Rが配置されている。右加熱源6Rの上端部がトッププレート5に接触又は微小間隙を置いて近接しており、電磁誘導加熱源となる。例えば、最大消費電力(最大火力)3KWの能力を備えたものが使用される。右加熱源6Rは誘導加熱コイル(以下、「右加熱コイル」と称す)220R(図5参照)を渦巻状に1本又は複数本巻き、外形形状が円形になるように円盤形に成形されている。右加熱コイル220Rの直径(最大外径寸法)は例えば約180mmである。 なお、トッププレート5に右加熱源6Rの上方に対応する位置に表示された円(図1において破線、図2において実線)である案内マーク6RMは、右加熱源6Rの外形位置を示すものではなく、適正な誘導加熱領域を示すものであって、印刷などによって形成されている。
本体1の内部であって、トッププレート5の左側位置の下面側に、左側電磁加熱コイル(以下、「左加熱源」と称す)6Lが配置されている。左加熱源6Lの上端部がトッププレート5に接触又は微小間隙を置いて近接しており、電磁誘導加熱源となる。例えば、最大消費電力(最大火力)2.5KWの能力を備えたものが使用される。左加熱源6Lは誘導加熱コイル(以下、「左加熱コイル」と称す)220Lを渦巻状に1本又は複数本巻き、外形形状が円形になるように円盤形に成形されている。左加熱コイル220Lの直径(最大外径寸法)は例えば約180mmであるが、右加熱コイル220Rの最大火力より小さいため、例えば170mm程度に形成することができる。
なお、トッププレート5に左加熱源6Lの上方に対応する位置に表示された円(図1において破線、図2において実線)である案内マーク6LMは、左加熱源6Lの外形位置を示すものではなく、適正な誘導加熱領域を示すものであって、印刷などによって形成されている。
本体1の内部であって、例えばトッププレート5の左右中心線上で、かつ、トッププレート5の後部寄りの位置に、中央加熱源7が配置されている。中央加熱源7は、輻射によって加熱するタイプの電気ヒータ231(例えばニクロム線やハロゲンヒータ、ラジエントヒータ)が使用され、トッププレート5を通してその上方に置かれた鍋等の被加熱物Nを加熱するものである。そして、例えば、最大消費電力(最大火力)1.2KWの能力を備えたものが使用されている。
図1において、本体ケース2の右側前面に前面操作部10が設けられている。前面操作部10には、左加熱源6L、右加熱源6R、中央加熱源7及びオーブン調理やグリル調理用の電気ヒータ(図示せず。以下「グリルヒータ」と称す)の全ての電源を一斉に投入・遮断する主電源スイッチ201(図3参照)の操作ボタン11と、右加熱源6Rの通電とその通電量(火力)を制御する制御スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する右操作ダイアル12Rと、同じく左加熱源6Lの通電とその通電量(火力)を制御する制御スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する左操作ダイアル12Lと、中央加熱源7の通電とその通電量(火力)を制御する制御スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する中央操作ダイアル13と、が設けられている。そして、前面操作部10には、左操作ダイアル12Lによって左加熱源6Lに通電が行われている状態でのみ点灯する左表示灯15と、右操作ダイアル12Rによって右加熱源6Rに通電が行われている状態でのみ点灯する右表示灯14とが設けられている。
本体1の内部の下半分には、区画形成されたグリル室(以下、「加熱室」と称す)19が設けられている。図1及び図4に示すように、加熱室19は、金属板により左右、上下及び背面側の壁面が形成され、上部天井付近及び底部付近に設置された電気ヒータ(図示せず)を同時又は個別に通電してロースト調理(例えば焼き魚)、グリル調理(例えばピザやグラタン)や加熱室19内の雰囲気温度を設定して調理するオーブン調理(例えば、ケーキや焼き野菜)が行えるようになっている。例えば、上部天井付近には最大消費電力(最大火力)1200Wのグリルヒータ(図示せず)と、底部付近には例えば最大消費電力800Wの電気ヒータ(図示せず)がそれぞれ設けられる。
図1に示すように、天板3の上面、具体的には枠体4の前部に上面操作部20が配置されている。本体1の左右中心線を挟んで、左側には左加熱源6Lの左火力設定用操作部22が、中央部には中央加熱源7及び加熱室に設置された電気ヒータ(図示せず)の中央操作部23が、右側には右加熱源6Rの右火力設定用操作部21が、それぞれ配置されている。
右火力設定用操作部21には、使用者が1度押圧するだけで右加熱源6Rの火力を簡単に設定することができる右ワンタッチキー部(図示せず)が設けられており、その右ワンタッチキー部は、弱火力キー、中火力キー、及び強火力キーの3つのワンタッチキーを備えている。例えば、弱火力キーは右加熱源6Rの火力を300Wに設定し、中火力キー(図示せず)は750Wに設定し、強火力キーは2.5KWに設定する。さらに、右ワンタッチキー部(図示せず)の右端部に強火力キー称するキーが設けられ、右加熱源6Rの火力を強力(例えば、3KW)にしたい場合、これを押圧操作する。
(左火力設定用操作部)
中央操作部23には、ロースト調理、オーブン調理及びグリル調理に用いられるグリルヒータ等の通電を開始する操作スイッチ(図示せず)の操作ボタン(図示せず)と、その通電を停止する操作スイッチ(図示せず)の操作ボタンが並べて設けられている。 また、中央操作部23には、グリルヒータ等によるグリル調理や左加熱源6L、右加熱源6Rによる電磁調理における制御温度を、1度ずつ加算的又は減算的に設定する温度調節スイッチ(図示せず)の操作ボタン(図示せず)が横一列に設けられている。
図1及び図2に示すように、トッププレート5の右前側で、右加熱源6Rと右火力設定用操作部21との間の位置に対応した位置に、右加熱源6Rの火力の大きさを表示する右火力表示ランプ40Rが設けられている。右火力表示ランプ40Rはトッププレート5を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート5の下面近傍に設けられている。同様に、左加熱源6Lの火力の大きさを表示する左火力表示ランプ40Lが、トッププレート5の左前側で、左加熱源6Lと左火力設定用操作部22との間の位置に対応した位置に設けられ、トッププレート5を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート5の下面近傍に設けられている。これら右火力表示ランプ40R及び左火力表示ランプ40Lは、加熱源別運転表示部を構成している。
トッププレート5において、右火力表示ランプ40Rの左側及び左火力表示ランプ40Lの右側には、トッププレート5が高温状態であることを前記本体外部へ報知する高温表示部502R及び502Lが設けられている。この高温表示部502R及び502Lは、後述の高温報知部503R及び503Lからの赤色光及びオレンジ色光を透過する透過部で構成されている。トッププレート5の上面において、高温表示部502R及び502Lの近傍には、高温表示を行う部分であることを文字などで表示し、その部分が赤色で光っている場合は、トッププレート5が高温であり、触れないように注意が必要である旨容易に理解できるようにしている。この高温表示部502R及び502Lは、本体1の枠体4の内側に設けたり、その枠体4の更に外側で本体1の上面に設けたり、更には前面操作部
10に設けても良い。
及び503Lと駆動回路504とによって、トッププレート5が高温状態であることを本体外部へ報知する報知手段505を構成している。なお、報知手段505は、上記のように表示により高温報知を行う手段に限られず、光と音で高温報知するようにしてもよい。
主電源スイッチ201(図3参照)の操作ボタン11と、右加熱源6Rの通電とその通電量(火力)を制御する制御スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する右操作ダイアル12Rと、左加熱源6Lの通電とその通電量(火力)を制御する制御スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する左操作ダイアル12Lとにより、中央操作部23、右加熱源6Rの右火力設定用操作部21、左加熱源6Lの左火力設定用操作部22の電源が遮断される構成になっている。したがって、例えば主電源スイッチ201を開成(OFF)すれば、それ以後、右操作ダイアル12R及び左操作ダイアル12Lの操作は一斉に無効となる。
全ての加熱源に共通した表示手段(以下「中央表示・入力部」と称す)80が、トッププレート5の左右方向の中央部で、前後方向の前側に設けられている。中央表示・入力部80は、液晶パネルを主体に構成され、トッププレート5を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つようにトッププレート5の下面近傍に設けられている。中央表示・入力部80は、左加熱源6L、右加熱源6R、中央加熱源7及び加熱室19の内部に設けたグリルヒータ等の通電状態(火力や時間等)を入力したり、確認したりすることができるものである。すなわち、(i)加熱源6の機能(調理動作中であるかどうか等)と、(ii)中央加熱源7の機能(調理中であるかどうか等)と、(iii)グリル調理の場合には、加熱室19内部でグリル調理を行う場合の操作手順や機能(例えば、現在ロースタ、グリル、オーブンの調理の何れが行われているかどうか)と、が文字やイラスト
、グラフなどによって表示されるものである。
後述する「高温報知」の表示が行なわれる。
中央表示・入力部80において情報を表示する画面区域81は、合計10個のエリアに割り当ててあり、左加熱源6Lの対応エリアと、中央加熱源7の対応エリアと、右加熱源6Rの対応エリアと、グリルやオーブン調理用のグリルヒータ(加熱源に同じ)等の対応エリアと、使用者に各種調理における注意や参考情報、警報情報を表示するガイドエリアと、をそれぞれ備えている。
図3は、この調理器の制御回路の全体を示す図であり、該制御回路は、1つ又は複数のマイクロコンピュータを内蔵して構成されている通電制御回路200によって形成されている。通電制御回路200は、入力部と、出力部と、記憶部と、演算制御部と、の4つの部分から構成され、定電圧回路(図示せず)を介して直流電源が供給されて、全ての加熱源(加熱手段)と中央表示・入力部(表示手段)80を制御する中心的な制御手段の役目を果たすものである。
図3に示すように、本実施の形態の加熱調理器は、ガラス製のトッププレート(上板に同じ)5が割れたことを電気的または機械的に検知して所定の割れ検知信号を通電制御回路200に入力する割れ検知手段450を備えている。電気的に検出する手段としては、例えばトッププレート5の裏面に格子状又は網目状に貼付された導電性皮膜における電気抵抗値の変化を捉える方法があり、また機械的に検知する手段としては、例えば圧力スイッチがある。圧力スイッチを用いる場合には、圧力スイッチをトッププレート5に接触させておき、トッププレート5が割れた場合に圧力スイッチに作用する圧力変化を検出する。すなわち、トッププレート5の下面には、通常左加熱コイル220L及び右加熱コイル220R、その他これらを支える支持部材などの構造物が押し当てられており、トッププ
レート5が割れた場合、その割れによってトッププレート5が局部的に上方に持ち上がる。これをトッププレート5に接触している圧力スイッチが検知し電気信号に変えるというものである。
本発明になる加熱調理器の構成の一部ではなく、本発明の加熱調理器に必須の装置や部品でもない換気装置239が、例えば、設置空間の上方となる台所の壁65(図1参照)上部などに設置されている。換気装置239は、換気用の排気ファンを駆動するファンモータ243と、制御部に内蔵された赤外線受光素子となるフォトダイオード240と、受信回路241と、制御回路242と、を有している。すなわち、フォトダイオード240が赤外線LED234〜236の直列回路から赤外線信号を受けると受信回路241を通じて制御回路242に信号が伝達され、その信号によりファンモータ243が回転駆動される。
右加熱源6Rの右火力表示ランプ40Rを点灯させる駆動回路245には、通電制御回路200から駆動信号が入力される。右火力表示ランプ40Rは、図3に示すように、合計12個の発光ダイオード246〜257が互いに並列に接続されている回路を備えている。この並列回路の一端が駆動回路245に接続され、他端はそれぞれ抵抗258a〜258lを介して接地側接続点259に接続されている。また、左加熱源6L用の左火力表示ランプ40Lも同様に構成されて
いるが、発光ダイオードの数は11個である。
図3に示すように、本実施の形態の加熱調理器は、本体1の内部空間を一定の温度範囲に保つための冷却用ファン駆動回路260と、後述する合計12個の温度検出手段としての温度センサーS1〜S7Lの温度データが入力される温度検出回路311とを備えている。
で、サーミスタ等の熱伝式温度センサーを1対(2個)設けている。
(1)被加熱物Nの温度を検知する目的では、一方の温度センサーS2Bの温度検出情報が他方のセンサーS2Aに優先する。このため被加熱物Nに関しての適正な火力制御や温度過剰上昇を防止する制御(異常高温防止)ではこの温度センサーS2Bの方が優先する。この理由は、主に鍋などの被加熱物Nから放射される赤外線の量を検知して温度を測定できるようにフォトダイオード等から構成された赤外線式の温度センサーS2Bは、被加熱物Nから放射された赤外線を集約させ、かつリアルタイムで(時間差が殆んどなく)受信してその赤外線量から温度を検知できることでは優れているからである。この温度センサーS2Bは、被加熱物Nの手前にある耐熱ガラスやガラスセラミックス製等のトッププレート5の温度と被加熱物Nとの温度が同じでなくても、またトッププレート5の温度に拘わらず、被加熱物Nの温度を的確に検出できるようになっている。すなわち、被加熱物Nから放射される赤外線がトッププレート5に吸収されたり遮断されたりしないように工夫しているためである。例えばトッププレートは2.5μm以下の波長域の赤外線を透過させる素材が選択されており、一方、温度センサーS2Bは2.5μm以下の波長域の赤外線を検出するものが選択されている。
の有無を判定回路601で検知している。そして、通電制御回路200は、判定回路601からの判定結果に基づき高温報知処理を行っているが、この高温報知処理の詳細については、以下の図7で説明する。なお、このように被加熱物Nからその温度に応じて発せられる赤外線を、赤外線センサーによってトッププレート5の下方から迅速に検出することは例えば特開2006−310115号公報や特開2007−18787号公報により知られている。
。
つまり異常検出手段は、この通電制御回路200と、温度検出回路311と、電流検出センサー(図示せず)と、前記したトッププレート割れ検知手段450等と、から構成されている。
場合2:何れの加熱源も通電されていない状態で、かつ上面操作部20における各種入力キーが操作されてから所定時間(例えば5分)経過した場合。
これにより使用者が加熱調理器の前から離れている間に、何らかの原因で加熱調理の入力指令がされ、加熱が不用意に開始されてしまうことを防止している。この機能は、左加熱源6L、右加熱源6R及び中央加熱源7を、通電開始から所望の時間だけ通電し、以後自動的に電源を切るタイマースイッチ(図示せず)のタイマーダイアル16、17、18とは別のものである。
方法1:本体ケース2の右側前面に設けられた前面操作部10にある左操作ダイアル12Lと、右操作ダイアル12Rと、中央操作ダイアル13などのいずれか一つを回動したり、前方に突出させたりする等の操作をする。
方法2:上面操作部20における各種入力キーの中で、通常の調理では使用することが有り得ない特殊な押し方(例えば6つの中の、離れている特定な2つを5秒間だけ押し続けること)をする。
本体1の内部は、図4に示すように垂直に設置している金属製又は断熱性素材の仕切板290R、290Lにより左空間部LRと右空間部RRとが区画形成されている。右空間部RR内の底部に設けられた前記冷却用ファン261がモータFMに支持されている。そしてこのモータFMの駆動時には、本体ケース2の正面右側位置に多数形成した吸気孔(図示せず)から外気が右空間部RRに直接吸引されるようになっている。なお、図4において、74は加熱室19内部の高温空気がダクト76を介して排出される排気口で、本体1の枠体4の後部に形成されている。また371R、371L、372R、372Lはそれぞれ電源回路を構成する半導体素子で、放熱フィン372R、372Lの上面に直接固定されている。
64を経由せずに、左加熱源6Lの後方に吸引し、これをその左加熱コイル220Lへ向けて供給するものである。各加熱コイル220R、220Rを冷却した後の空気流は、上方空間275の後部に対応した枠体4の排気口(図示せず)から本体1外部へ排出されるようになっている。
図3において、右加熱源6Rの右加熱コイル220R外周縁の最前の位置に接する直線を横方向直線RLとし、左加熱源6Lの左加熱コイル220L外周縁の最前の位置に接する直線を横方向直線LLとしている。このとき、横方向直線RLと横方向直線LLとが横方向の一直線上に一致している。右加熱源6Rの最後部と、左加熱源6Lの最後部とを結ぶ直線を横方向直線BLにて示している。
態を見て右加熱コイル220Rが通電中であることを容易に認知できる。なお、発光素子512Rの光線をトッププレート5から透過させるのに代えて、トッププレート5に投影することで、右加熱コイル220Rが通電中であることを通知するようにしてもよい。また左加熱コイル220Lの周囲にも同様の発光素子512Lが設置されている。なお、発光素子512R及び512Lの光の色は、加熱調理をしていない待機中は緑色、加熱調理中は赤色にする等、色を変化させても良い。
ここで、本実施の形態は、インバータ回路等から放出される放射雑音を低減することを特徴とするものであり、以下、該内容について詳細に説明する。
図6に示すように、前記右加熱制御回路206Rは、直流回路アとインバータ回路イと負荷回路ウとより構成される。
加熱電源回路は、直流回路アにおいて、整流ブリッジ回路221により母線202A、202Bに接続された商用電源202を直流に変換し、さらにチョークコイル222と平滑化コンデンサ223により平滑化しインバータ回路イに直流電圧を供給する。次にインバータ回路イにおいて、制御回路200によりスイッチング素子225aと、225bを交互にオン・オフすることによりその接続点に高周波電圧を発生させ負荷回路ウに高周波電圧を供給する。次に負荷回路ウにおいて、インバータ回路イにより生成された高周波電圧により、共振回路ウを構成する加熱コイル220と共振コンデンサ224に高周波電流が流れ、それにより生じる磁束が加熱コイル220上方に載置された鍋Nに渦電流を誘起して鍋自体を加熱する。
図7に示すように、円盤状に巻回した加熱コイル220の周囲には、アルミニウム等の高電気伝導性金属をリング状に形成した環状導電体220a(いわゆるシールドリング)が配設されている。加熱コイル220に高周波電流が流れることにより加熱コイルから放射雑音が発生するが、環状導電体がその放射雑音が外部へ漏洩することを低減している。
図8の断面配置図に示すように、加熱コイル220は高耐熱性樹脂で形成されたコイルベース220b上に載置固定される。そして、前記のように環状導電体220aは加熱コイル220の側面を覆うようにコイルベース220bの外周に配置される。コイルベース220bの下面には加熱コイル220に流れる高周波電流により生じる磁束が漏洩することを低減する磁性体である板状のフェライト220cを加熱コイル220中心部の下方から放射状に配置固定している。さらにそのフェライト220cの下方に、銅箔電流パターンを有するプリント配線板Xを配置する。そのプリント配線板の下側の配線面に、インバータ回路イ、共振コンデンサ224、及び平滑コンデンサ223等をはんだ付けにより電気的に接続されるとともに、プリント配線板X上に固定されている。従って、インバータ回路は、上面方向から見た場合に環状導電体の外周の内側に配置され、側面方向から見た場合に磁性体の下側に配置される
また、インバータ回路イ、共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223が実装されたプリント配線板Xは、加熱コイル220、及びフェライト220cを取り付けたコイルベース220bとモジュール化してもよい。なお、図7においては、インバータ回路イ、平滑コンデンサ223、および共振コンデンサ224は加熱コイル220の下面に位置しているが、表示されていない。
前記のように、加熱電源回路を動作させると、インバータ回路イのスイッチング素子225a、225bが交互にオン・オフすることにより、加熱コイル220とインバータ回路イ、共振コンデンサ224との接続線A、Bから放射雑音が放出される。また、スイッチング素子225a、225b、部分共振コンデンサ225c、平滑コンデンサ223、及び共振コンデンサにも高周波電流が流れるため、これらの部品自体からも放射雑音が発生する可能性がある。また、スイッチング素子225a、225bの銅損により、スイッチング素子225a、225b自体が発熱する。また、加熱コイル220自体も発熱する。
また、SiC等のワイドバンドギャップ半導体をスイッチング素子として使用することにより、発熱を減らし、消費電力を削減でき高効率化することができる。
また、接続線A、B、インバータ回路、共振コンデンサ224、及び平滑コンデンサ223を加熱コイル及びフェライトの下面、かつ、環状導電体220aの内側に配置できるので、インバータ回路及び共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223から放射される雑音が、フェライト、及び環状導電体220aにより遮蔽されるため、この雑音が外部へ漏洩することを低減することが出来る。また、加熱コイルとインバータ回路等を一体化できるので加熱調理器自体の小型化、薄型化等が容易になる。
上記実施の形態1では、インバータ回路イや共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223、加熱コイルとインバータ回路との接続線A、B、等を加熱コイル220及びフェライト220cの下方に配置し、かつ、環状導電体220aの内側に配置することによって、加熱コイル220に流れる高周波大電流により生じる放射雑音を環状導電体により抑制するものであったが、実施の形態2では、環状導電体220a−1の筒状となる側面の縦方向の長さを長くし、加熱コイル220aの側面だけでなく、インバータ回路イや共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223等の側面も覆ったものである。図9は本実施の形態の加熱コイル220および環状導電体220aの斜視図であり、図10は加熱コイル220や環状導電体220a−1、インバータ回路イ等の位置関係を示す断面配置図を示す。
図10に示すように、側面方向から見て、インバータ回路イ、共振コンデンサ224、及び平滑コンデンサ223は、環状導電体220a−1の側面における上端から下端の間に渡るいずれかの位置に配置される。従って、共振コンデンサ224、及び平滑コンデンサ223の側面は、環状導電体220a−1の側面とオーバーラップするので、環状導電体220a−1の側面に覆われることになる。
実施の形態1、2では、インバータ回路イのスイッチング素子225a、225bをワイドギャップ半導体を用いることで、インバータ回路イを加熱コイルの近傍に配置するようにしたが、実施の形態3では、スイッチング素子225a、225bを環状導電体に熱結合させた上で環状導電体を冷却することで、インバータ回路等に対する冷却効果を高め、インバータ等を加熱コイルの下側に配置可能とするものである。
実施の形態3では、インバータ回路のスイッチング素子225a、225bを環状導電体220a−2と熱結合させたが、実施の形態4では、熱結合させずに環状導電体に切欠き220a−アを設けて、切欠き220a−アの開口から冷却風を入れて、インバータ回路等を冷却するものである。
実施の形態4では、環状導電体220aに設けるキリカキは1つであったが、実施の形態5では、切欠きを複数個設ける。図13は環状導電体220a−4に複数の切欠きを設けた場合の加熱コイル220やインバータ回路イ等の断面配置図である。この場合では、環状導電体220a−4において、一方の切欠220a−アと対向する側面に、切欠き220a−イを設ける。そして、冷却ファン267により、一方の切欠き220a−アから冷却風を吹き込んで、環状導電体220a−4内部のインバータ回路イ等を冷却し、他方のキリカキ220a−イから効率よく冷却後の空気を排出することができ、環状導電体220a−4自体がインバータ回路イ等を冷却するための風路を形成している。
実施の形態3乃至5では環状導電体の側面方向に冷却ファン267を配置して冷却風を当てたが、実施の形態6では冷却ファン267をインバータ回路の下側に配置する。
図14は実施の形態6に係る誘導加熱調理器の送風手段267と加熱コイル220、環状導電体220a−5、インバータ回路イ、共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223、プリント配線板Xの位置関係を示す断面配置図である。
図14において、銅箔電流パターンを有するプリント配線板X上に、インバータ回路イのスイッチング素子225a、225bと、共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223がはんだ付けにより電気的に接続されるとともに、プリント配線板X上に固定されている。プリント配線板XにはスリットXaが複数設けてある。冷却ファン267はプリント配線板Xの下側に配置され、冷却風はプリント配線板XのスリットXaを通り、加熱コイル220中心部等の加熱コイル220の隙間から加熱コイル220上面側に吹き出して排気するようにしている。
冷却風はプリント配線板Xのスリットを通過する際に、風路断面積が縮小され、プリント配線板が噴流板の代わりとなるので、加熱コイル220やインバータ回路イ等にあたる冷却風の風速が増加するため、冷却効率が増加する。
実施の形態6ではプリント配線板Xの同じ実装面にインバータ回路イのスイッチング素子225a、225b、共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223を実装していたが、実施の形態7では、プリント配線板Xの加熱コイル220側にインバータ回路イのスイッチング素子225a、225bを配置し、プリント配線板Xの加熱コイル220と逆側に共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223を配置している。
前記のように、加熱コイル220には高周波大電流が流れるので加熱コイル220自体の銅損で発熱し、また、誘導加熱した鍋等からの輻射熱もある。さらに、高周波大電流を通電およびスイッチングするスイッチング素子225a、225bも大きな発熱を有する。そのため、加熱コイル220とプリント配線板Xで囲まれた空間は温度が高くなってしまう。
共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223は、冷却ファン267の送風する冷却風の風上側に配置され、加熱コイル220やスイッチング素子225a、225bの発熱の影響を受けないようにしたため、共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223の温度を低くすることができる。そのため、共振コンデンサ224、平滑コンデンサ223を耐熱性の低い安価な素子を使用する事ができる。
220a 環状導電体、220b コイルベース、220c フェライト、221 整流ブリッジ回路、221a 入力電流検出回路、221b 入力電圧検出回路、222 コイル、223 平滑化コンデンサ、224 共振コンデンサ、225a スイッチング素子、225b スイッチング素子、225c 部分共振コンデンサ、226a ダイオード、226b ダイオード、228 駆動回路、233 赤外線駆動回路、237 抵抗、238 トランジスタ、239 換気装置、240 フォトダイオード、241 受信回路、
242 制御回路、243 ファンモータ、244 駆動回路、245 駆動回路、246〜257 発光ダイオード、258a〜258l 抵抗、259 接地側接続点、260 冷却用ファン駆動回路、261〜267 冷却用ファン、270 断熱板材、275 上方空間、280 液晶基板、284 放熱フィン、290R 仕切板、311 温度検出回路、372R 放熱フィン、400 予備電源、450 検知手段、502R、502L 高温表示部、503R、503L 高温報知部、504 駆動回路、505 報知手段、510 発光手段、511 駆動回路、512R、512L 発光素子、601 判定回路、FM モータ、LR 左空間部、M ファンモータ、N 被加熱物(鍋)、RR 右空間部、S1〜S7L 温度センサー、SS 対向空間、
ア 直流回路、イ インバータ回路、ウ 負荷回路、X プリント配線板。
Claims (9)
- 交流電源の交流電力を直流電力に変換する直流電源回路と、
前記直流電源回路の出力に接続され前記直流電源回路の直流電力を高周波電力に変換するインバータ回路と、
前記インバータ回路の一方の出力に接続された加熱コイル及び前記インバータ回路の他方の出力に接続された共振コンデンサと、
前記加熱コイルの外周側面を取り囲むように配設した環状導電体と、
前記加熱コイルの下面に配設して加熱コイルから放射する雑音の漏洩を低減する磁性体と、
前記環状導電体を冷却する送風装置と、を備え、
前記インバータ回路は、前記環状導電体の外周の内側、かつ、前記磁性体の下側に配置し、前記インバータ回路を構成するスイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体で構成され、
前記スイッチング素子と前記環状導電体は熱結合し、前記送風装置は前記熱結合した箇所に冷却風を当てることを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記ワイドバンドギャップ半導体は、SiC、GaNまたはダイヤモンドからなることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記共振コンデンサを、前記環状導電体の外周の内側、かつ、前記磁性体の下側で、前記加熱コイルとの接続線が短くなるように加熱コイルに近接して配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
- 前記直流電源回路を構成する平滑コンデンサを、前記環状導電体の外周の内側、かつ、前記磁性体の下側で、前記加熱コイルに近接して配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記環状導電体の側面の縦方向の長さを長くし、インバータ回路、または、共振コンデンサ、または、前記平滑コンデンサの側面を覆うことを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱調理器。
- 前記環状導電体の一部に切欠きを設け、前記送風装置により前記切欠きの開口から冷却風を送り込み、前記環状導電体を風路の一部としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記加熱コイルは加熱コイルを固定するためのコイルベースに取付けられ、
前記インバータ回路、または、前記共振コンデンサ、または、前記平滑コンデンサは共通のプリント配線板に実装され、このプリント配線板が前記コイルベースに取付けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の誘導加熱調理器。 - 前記送風装置を前記プリント配線板の下側に配置し、前記プリント配線板に設けたスリットを介して前記インバータ回路に冷却風を送ることを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱調理器。
- 前記プリント配線基板の加熱コイル側に前記インバータ回路が実装され、前記プリント配線基板の加熱コイルと逆側に前記共振コンデンサおよび前記平滑コンデンサが実装されたことを特徴とする請求項7または8に記載の誘導加熱調理器。
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