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JP5515427B2 - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置 Download PDF

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JP5515427B2
JP5515427B2 JP2009129490A JP2009129490A JP5515427B2 JP 5515427 B2 JP5515427 B2 JP 5515427B2 JP 2009129490 A JP2009129490 A JP 2009129490A JP 2009129490 A JP2009129490 A JP 2009129490A JP 5515427 B2 JP5515427 B2 JP 5515427B2
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Description

本発明は、高い画像濃度が得られ、画像のシャープ性、吐出安定性及び保存安定性にも優れたインクジェット記録用インク、該インクを用いたインクカートリッジ、該インクを用いて記録可能なインクジェット記録装置に関するものである。
インクジェット記録に用いる顔料系インクについては、画質向上、吐出安定性、分散安定性、保存安定性向上等の目的で多くの発明が提案されてきたが、従来のインクの場合、カラー顔料インクに関しては高い画像濃度は得られるものの、黒色顔料インクに関しては十分ではなかった。また、吐出安定性、保存安定性等についても問題が残っていた。
例えば、特許文献1には、分散剤としてジイソブチレン・マレイン酸共重合体を含むインクが開示されており、特許文献2には、保湿剤としてトリメチルグリシンを含むインクが開示されているが、いずれも高い画像濃度と分散安定性の両立は十分ではない。更に、ジイソブチレン・マレイン酸共重合体とトリメチルグリシンの両方を含むインクは知られていない。
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、黒色顔料を用いた場合でも画像濃度が高く、画像のシャープ性に優れ、吐出安定性や保存安定性にも優れたインクジェット記録用インク、該インクを容器中に収容したインクカートリッジ、該インクを画像支持体上に吐出させ記録を行う機構を備えたインクジェット記録装置の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜)の発明によって解決される。
1) カーボンブラック、分散剤、水、水溶性有機溶媒及びトリメチルグリシンを含有し、分散剤がジイソブチレン・マレイン酸共重合体を含み、該共重合体を合成する際のジイソブチレンとマレイン酸のモノマー比(重量比)が、モノマー全体を10として、マレイン酸が5よりも多く8以下の範囲にあることを特徴とするインクジェット記録用インク。
) 1)に記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
)に記載のインクカートリッジを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明によれば、黒色顔料を用いた場合でも画像濃度が高く、画像のシャープ性に優れ、吐出安定性や保存安定性にも優れたインクジェット記録用インク、該インクを容器中に収容したインクカートリッジ、該インクを画像支持体上に吐出させて記録を行う機構を備えたインクジェット記録装置を提供できる。
インクジェット記録装置の一例を示す図。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明で用いるカーボンブラックは特に限定されないが、平均一次粒子径が10.0〜30.0nm、BET表面積が100〜400m/gのものが好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が15.0〜20.0nm、BET表面積が150〜300m/gのものである。
このようなカーボンブラックは、平均一次粒子径が小さくハイストラクチャーであるため分散時の衝撃に弱く、後述するビーズミルのビーズ径が0.05mmを超えると、ビーズ同士の衝突エネルギーが強くなってストラクチャーの破壊が発生し、その結果、得られたカーボンブラック分散液の安定性が損なわれる。
カーボンブラック顔料分散液中の顔料濃度は、顔料分散液全量に対して5〜50重量%が好ましい。5重量%以上であれば生産性に影響を与えることはなく、50重量%以下であれば、顔料分散液の粘度が高くなりすぎてカーボンブラックの分散が困難になることはない。
カーボンブラックの具体例としては、三菱化学社製の#10B、#20B、#30、#33、#40、#44、#45、#45L、#50、#55、#95、#260、#900、#1000、#2200B、#2300、#2350、#2400B、#2650、#2700、#4000B、CF9、MA8、MA11、MA77、MA100、MA220、MA230、MA600及びMCF88等;キャボット社製のモナーク120、モナーク700、モナーク800、モナーク880、モナーク1000、モナーク1100、モナーク1300、モナーク1400、リーガルL、リーガル99R、リーガル250R、リーガル300R、リーガル330R、リーガル400R、リーガル500R及びリーガル660R等;デグサ社製のプリンテックスA、プリンテックスG、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス55、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック5、スペシャルブラック6、スペシャルブラック100、スペシャルブラック250、カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160及びカラーブラックS170等が挙げられる。
本発明のインクに用いるカーボンブラック顔料分散液は、カーボンブラック、分散剤、水、及び必要に応じて各種添加剤を、ビーズミル等の分散機で分散し、更にビーズレスミル等により分散することにより得られる。ビーズとしては通常セラミックビーズ(例えばジルコニアボール)を用いる。ビーズ径は前述したように0.05mmφ以下が好ましく、更に好ましくは0.03mmφ以下である。ビーズミルの例としては、ダイノーミルKDL型:シンマルエンタープライゼス社製、アジテーターミルLMZ:アシザワ・ファインテック社製、SCミル:三井鉱山社製等が挙げられ、ビーズレスミルの例としては、高速せん断力タイプのCLEARSS5:エム・テクニック社製、キャビトロンCD1010:ユーロテック社製、モジュールDR2000:シンマルエンタープライゼス社製、薄膜旋回タイプのT.K.フィルミックス:特殊機化工業社製、超高圧衝突タイプのアルテマイザー:スギノマシン社製、ナノマイザー:吉田機械興業社製等が挙げられる。
また、前記分散機処理の前工程において、ホモジナイザー等で粗大粒子を前処理して細粒化すれば、粒度分布を一層シャープにすることが出来、画像濃度、吐出安定性等の改善に繋がる。
本発明で用いるカーボンブラック顔料分散液は、分散剤が重量基準でカーボンブラック1に対し0.1〜2の割合で含まれるのが好ましく、更に好ましくは、カーボンブラック1に対し0.25〜1である。この範囲であれば、顔料分散液のカーボンブラックの平均粒子径(D50)が70〜180nmで、該カーボンブラックの粒度分布に於ける粒子径標準偏差が平均粒子径の1/2以下となるようにすることが出来、これにより画像濃度が高く、吐出安定性、液安定性の良い顔料分散液を得ることができる。また、前記分散剤の割合が0.1以上であれば、顔料分散液及びインクの保存安定性も確保でき、その結果、ノズルの目詰まりが発生するようなこともなく、2以下であれば、顔料分散液及びインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になるようなこともない。
分散剤にはジイソブチレン・マレイン酸共重合体を含む必要がある。ジイソブチレン・マレイン酸共重合体と、トリメチルグリシンとの併用により、前記本発明の課題を解決することができる。
ジイソブチレン・マレイン酸共重合体は公知の方法で得られる。後述する実施例において具体例を示すが、これに限られるわけではない。
ジイソブチレン・マレイン酸共重合体は、親水性のマレイン酸モノマーからなる部と、疎水性のジイソブチレンモノマーからなる部で構成され、インク中では疎水性部がカーボンブラックに吸着され、親水性部の溶解性によって、カーボンブラックをインク中に安定に分散させていると考えられる。
従って、疎水性部と親水性部の重量比は、共重合体全体を10として、親水性部が5よりも多く、8以下とす。好ましくは5.5から7.5である。親水性部の比が5よりも多ければ、分散安定性が低下したり、顔料の沈降等が発生するようなことはない。また、8以下であれば、疎水性部が少なくなりすぎて、顔料吸着力が低下したり、インクの保存安定性が悪くなったり、経時での吐出安定性に影響を及ぼすようなこともない。
上記のような比率の共重合体を得るには、該共重合体を合成する際のジイソブチレンとマレイン酸のモノマー比(重量比)を、モノマー全体を10として、マレイン酸が5よりも多く、8以下の範囲にすればよい。
本発明のインクは、公知の方法、例えばカーボンブラック顔料分散液、水、水溶性有機溶媒、界面活性剤等を攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することによって得られる。
インク中のカーボンブラック濃度は、インク全量に対して1〜20重量%が好ましい。1重量%以上であれば、画像濃度が低くなって印字の鮮明さに欠けるようなことはなく、20重量%以下であれば、インクの粘度が高くなりすぎたり、ノズルの目詰まりが発生するようなこともない。
本発明で用いる水溶性有機溶媒は沸点が180℃以上のものが好ましい。そして保湿剤としてトリメチルグリシンを含むことにより、前述したジイソブチレン・マレイン酸共重合体との組み合わせで、本発明の課題を解決することができる。
トリメチルグリシンを用いると、インクの保水性と湿潤性を確保することができ、その結果、インクを長期間保存しても顔料の凝集や粘度上昇がなく、優れた保存安定性を実現できる。また、インクジェット記録装置のノズル先端等で開放状態に放置されても、乾燥物の流動性を長時間維持可能なインクを実現できる。更に、印字中又は印字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが発生することもなく、高い吐出安定性が得られるし、画像ムラによる画像濃度低下も防止できる。
トリメチルグリシンの含有量は、インク中の全固形分に対し、15〜50重量%程度とすることが好ましく、より好ましくは20〜40重量%程度とする。15重量%以上であれば、上記機能を発揮させることができ、50重量%以下であれば、画像の滲み等が発生したり、紙への浸透性が増して画像濃度が低下するようなことはない。
本発明で用いられる水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチルグリコール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノべンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、1,3−ブチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び/又はグリセリンを含むと、インクの乾燥による目詰まり、すなわち水分蒸発による噴射特性不良の防止、及び形成画像の彩度向上の上で優れた効果が得られる。
また、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(EHD)を含むと、インクの浸透性を上げるとともに、顔料を表面に留めることで滲みをなくし、画像濃度が高くかつ裏抜けが少ない印字画像を得ることが可能となるので好ましい。
EHDの含有量は0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0重量%である。0.1〜10.0重量%の範囲であれば十分な効果が得られる。
水溶性有機溶剤の含有量は、インク全量に対して50重量%以下、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜35重量%である。
また、本発明のインクには、上記材料の他に各種添加剤を配合することができる。
例えば、水溶性有機溶媒として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
また、ノニオン、アニオン、カチオン、両性の各種の界面活性剤、樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、pH調整剤等が挙げられる。
本発明のインクは、容器中に収容してインクカートリッジとして用いることが出来る。また、本発明のインクを用いて、紙などの画像支持体上にインクを吐出させて記録(印字)を行う機構を備えたインクジェット記録装置により、画像形成することができる。
印字する方法としては連続噴射型又はオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置の一例について図1を参照しつつ説明する。このインクジェット記録装置はインクジェットプリンタであって、印刷用紙等の記録媒体に対し、例えば4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクを吐出して画像形成するものである。
インクジェットプリンタ1は、各色のインクを吐出する4個のインクジェットヘッド11と、4個のインクジェットヘッド11を搭載したキャリッジ12と、図示しない駆動系によりキャリッジ12が主走査方向(図の左右方向)に移動するのをガイドするガイドロッド13と、印刷用紙Pを副走査方向(図の上下方向)に搬送する用紙搬送機構14とを備えている。用紙搬送機構14は、図示しない駆動系により回転する搬送ローラ15、テンションローラ16、及びこれらの間に掛け渡された搬送ベルト17を有している。
各インクジェットヘッド11は、圧電素子からなる圧電アクチュエータを備えている。もちろん、インクを吐出するための他のアクチュエータ、例えば、サーマルアクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータ又は静電アクチュエータを備えたものでもよい。
更に、インクジェットプリンタ1は、各色のインクを収容した4個のインクカートリッジ18と、キャリッジ12に搭載され、各インクジェットヘッド11に連なる4個のサブタンク19と、各インクカートリッジ18と各サブタンク19とを連通するインク供給チューブ(図示省略)とを備えており、各インクカートリッジ18に収容された各色のインクが、各サブタンク19を介して各インクジェットヘッド11に供給されるようになっている。つまり、インク供給チューブ、サブタンク19及びインクジェットヘッド11のヘッド内流路により、インクジェットプリンタ1の液体流路が構成されている。なお、インク供給チューブには、インクカートリッジ18内のインクをサブタンク19へ供給するための供給ポンプ(図示省略)が付設されている。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例により限定されるものではない。なお、例中の部は重量基準である。
<無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体の合成及びその塩水溶液の作成>
実施例及び比較例で用いる無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体を次のようにして合成し、その塩水溶液を得た。
窒素雰囲気中で、モノマーとして無水マレイン酸50重量部とジイソブチレン50重量部、溶剤としてブチルグリコールアセテート100重量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンモノオレエート(非イオン系)0.5重量部を加えた混合物に、t−ブチルペルオキシベンゾエート10重量部をブチルグリコールアセテート10重量部に溶解したラジカル重合開始剤溶液を、撹拌しながら3時間かけて反応器に導入し、反応混合物の温度を145℃に保った。
次いで、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌し、同量のラジカル重合開始剤溶液を約30分かけて熱反応混合物中に導入し、更に145℃で2時間撹拌しながら反応を続けた。
得られた無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体溶液を100℃まで冷却し、水150重量部を添加した後、重合反応液を90〜100℃に昇温させ、0.5時間リフラックス下に加水分解を行った。
次いで、反応液を40〜50℃に冷却した後、静置分離し、無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体の加水分解物を水溶液として回収した。
次いで、回収した水溶液に水を加え、脱溶媒するため、大気圧下、温度100℃で水蒸気蒸留を行い、無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体の加水分解物を50重量%含有する淡黄色の水溶液を得た。
次いで、得られた共重合体105重量部に、25重量%水酸化ナトリウム水溶液68重量部及び水329重量部を加えた後、80℃で1時間反応させて、ジイソブチレン・マレイン酸共重合体のナトリウム塩の25重量%水溶液Xを得た。
また、上記水酸化ナトリウム水溶液に代えてアンモニア水を加えた点以外は、同様にしてジイソブチレン−マレイン酸共重合体のアンモニウム塩25重量%水溶液Yを得た。
<顔料分散液(A)の作成>
下記処方の混合物をプレミックスした後、ビーズミル分散機(寿工業社製:UAM−015)により、0.03mmジルコニアビーズ(密度6.03×10−6g/m)を用いて、周速10m/s、液温30℃で15分間分散した後、遠心分離機(久保田商事社製:Model−3600)で粗大粒子を遠心分離し、平均粒子径124.4nm、標準偏差45.3nmの顔料分散液(A)を得た。

〔処方〕
・カーボンブラック:NIPEX150−IQ 200部
(degussa社製:ガスブラック)
・前記ジイソブチレン・マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液X 50部
(分子量2000、モノマー比:ジイソブチレン/マレイン酸=5/5、
固形分25重量%)
・蒸留水 750部
<顔料分散液(B)(C)の作成>
顔料分散液(A)のカーボンブラックを、順次、NIPEX160−IQ(degussa社製:ガスブラック)、Printex95(degussa社製:ファーネスブラック)に変えた点以外は同様にして顔料分散液(B)(C)を得た。
<顔料分散液(D)(E)の作成>
顔料分散液(A)で用いたジイソブチレン・マレイン酸共重合体のナトリウム塩のモノマー比を、順次、2/8、4/6に変えた分散剤を用いた点以外は同様にして顔料分散液(D)(E)を得た。
<顔料分散液(F)(G)の作成>
顔料分散液(A)で用いたジイソブチレン・マレイン酸共重合体のナトリウム塩のモノマー比を、順次、1/9、6/4に変えた分散剤を用いた点以外は同様にして顔料分散液(F)(G)を得た。
<顔料分散液(H)(I)の作成>
顔料分散液(D)(E)で用いたジイソブチレン・マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液Xを、前記ジイソブチレン・マレイン酸共重合体のアンモニウム塩水溶液Yに変えた点以外は同様にして顔料分散液(H)(I)を得た。
<顔料分散液(J)〜(N)の作成>
顔料分散液(A)で用いたジイソブチレン・マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液Xを順次、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(旭化成ケミカルズ社製:ペリセアL−30)、アニオン系界面活性剤(竹本油脂社製:パイオニンA−45−PN)、ポリビニルピロリドン(重量平均分子量25000)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬社製:プライサーフA219B)、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製:ハイテノール18E)に変えた点以外は同様にして顔料分散液(J)〜(N)を得た。
実施例1〜9
上記顔料分散液(A)〜(I)を用いて、下記インク処方によりインク(a)〜(i)を調製し、30分間攪拌した後、孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、次いで真空脱気して、表1に示す実施例1〜9のインクを得た。

<インク処方>
・顔料分散液(A)〜(I)のいずれか(顔料濃度20重量%) 30.0部
・トリメチルグリシン 15.0部
・ジエチレングリコール 15.0部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 3.0部
・2−ピロリドン 3.0部
・ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 0.45部
・蒸留水 33.55部
比較例1〜5
また、上記インク(a)のトリメチルグリシンをグリセリンに変え、顔料分散液(J)〜(N)を用いた点以外は、実施例1と同様にして表1に示す比較例1〜5のインク(j)〜(n)を得た。
比較例6〜7
比較例1の顔料分散液(J)を順次、顔料分散液(A)(G)に変えた点以外は同様にして、表1に示す比較例6、7のインク(p)(q)を得た。
上記インク(a)〜(q)を用い、リコージェルジェットプリンタ:IPSiO GX5000により、ゼロックス社製PPC用紙4024に印字し、下記のようにして、画像濃度、画像シャープ性、吐出安定性及び保存安定性を評価した。
<画像濃度>
画像サンプルのベタ画像についてXrite濃度計938で測定した。評価基準は次のとおりである。
◎:極めて良好(1.3を超える)
○:良好(1.2を超え、1.3以下)
△:普通(1.1を超え、1.2以下)
×:不良(1.1以下)
<画像シャープ性>
印字した文字部のシャープ性を目視で判定した。評価基準は次のとおりである。
◎:極めて良好
○:良好
△:普通
×:不良
<吐出安定性>
印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後に、プリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かをクリーニング動作回数によって、下記の評価基準で評価した。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
<保存安定性>
各インクをポリエチレン容器に入れて密封し、70℃で3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し、初期物性との変化率により、下記の基準で評価した。
◎:粒径、表面張力、粘度の全ての項目で変化率が5%未満
○:粒径、表面張力、粘度の全ての項目で変化率が5%以上10%未満
△:粒径、表面張力、粘度の全ての項目で変化率が10%以上30%未満
×:粒径、表面張力、粘度の少なくとも一つの項目で変化率が30%以上
Figure 0005515427
上記表1から判るように、実施例4〜5、8〜9及び参考例1〜3、6〜7では全ての評価項目が良好であった。特にジイソブチレン・マレイン酸共重合体を合成する際のジイソブチレンとマレイン酸のモノマー比が、5:5から2:8の範囲にある分散剤を用いた実施例4〜5、8〜9、参考例1〜3では、前記範囲を外れる分散剤を用いた参考例6〜7よりも一層優れていることが分かった。
これに対し、ジイソブチレン・マレイン酸共重合体以外の分散剤を用いた比較例1〜5では全ての評価項目が不合格となり、トリメチルグリシン以外の水溶性有機溶媒を用いた比較例6、7では幾つかの項目で明らかに実施例よりも劣る結果となった。
1 インクジェットプリンタ
11 インクジェットヘッド
12 インクジェットヘッド11を搭載したキャリッジ
13 ガイドロッド
14 用紙搬送機構
15 搬送ローラ
16 テンションローラ
17 搬送ベルト
18 インクカートリッジ
19 サブタンク
P 印刷用紙
特公平1−15542号公報 特開2006−277362号公報

Claims (3)

  1. カーボンブラック、分散剤、水、水溶性有機溶媒、及びトリメチルグリシンを含有し、分散剤がジイソブチレン・マレイン酸共重合体を含み、該共重合体を合成する際のジイソブチレンとマレイン酸のモノマー比(重量比)が、モノマー全体を10として、マレイン酸が5よりも多く、8以下の範囲にあることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  3. 請求項に記載のインクカートリッジを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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