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JP5599992B2 - イオン化レーザ装置および極端紫外光光源装置 - Google Patents

イオン化レーザ装置および極端紫外光光源装置 Download PDF

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JP5599992B2 JP2009204129A JP2009204129A JP5599992B2 JP 5599992 B2 JP5599992 B2 JP 5599992B2 JP 2009204129 A JP2009204129 A JP 2009204129A JP 2009204129 A JP2009204129 A JP 2009204129A JP 5599992 B2 JP5599992 B2 JP 5599992B2
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Description

本発明は、イオン化レーザ装置および極端紫外光光源装置に関し、特に複数波長のレーザ光を出力することが可能なイオン化レーザ装置および極端紫外光光源装置に関する。
従来、錫(Sn)やゲルマニウム(Ge)やニッケル(Ni)などの原子または分子をターゲットとしてこれをイオン化する方法には、例えば以下に示す非特許文献1が開示するイオン化方法が存在する。このイオン化方法では、例えばSnをイオン化する場合、286.42nmと811.62nmと823.67nmとの計3種類の波長のレーザ光を合波した合波レーザ光を用いてガス状のSn原子をイオン化していた。3波長のレーザ光は、例えば3台のサファイアレーザから出力されたレーザ光とこれの高調波光とから生成される。
Y. Liu, et. al., "Laser ion source tests at the HRIBF on stable Sn, Ge and Ni isotopes", Nucl. Instr. and Meth. B 243 (2006) 442-452
しかしながら、上記した非特許文献1には、3台のサファイアレーザが出力するレーザ光の波長を安定化させることについての開示がなされていない。通常、レーザ装置から出力されるレーザ光の波長を安定させるには、波長計を用いてレーザ光の波長を測定し、この測定された波長が所望の波長となるようにレーザ装置をフィードバック制御する。
しかしながら、波長計は、レーザ光の相対的な波長を測定する検出器であるため、測定した波長にドップラーシフトやその他の影響が含まれてしまい、レーザ装置が出力するレーザ光の波長そのままを正確に測定することができない。このため、波長計で検出された波長を用いたレーザ装置の波長フィードバック制御では、ターゲットに照射するレーザ光の波長を高精度に目的の波長に調整することができず、結果、レーザ光の波長が所望の波長から外れてしまい、ターゲットのイオン化効率が低下してしまうという問題が存在した。特に、励起状態を経てターゲットをイオン化する場合、ターゲットを励起させるレーザ光の波長や励起したターゲットをイオン化するレーザ光の波長をそれぞれ高精度に調整する必要があるが、波長計を用いたフィードバック制御では、それぞれのレーザ光に対する波長制御に十分な精度を得ることができないため、ターゲットのイオン化効率が大幅に低減してしまうという問題が存在した。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、励起状態を経てターゲットをイオン化する場合でも高いイオン化効率でターゲットをイオン化できるイオン化レーザ装置および極端紫外光光源装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明によるイオン化レーザ装置は、1つ以上の励起状態を経てターゲットをイオン化させるためのレーザ光を出力するイオン化レーザ装置であって、前記ターゲットを励起させる励起用レーザ光を出力する励起用レーザ出力手段と、前記励起用レーザ光の絶対波長を検出する励起用絶対波長検出手段と、前記励起用レーザ光により励起したターゲットをイオン化するイオン化用レーザ光を出力するイオン化用レーザ出力手段と、前記イオン化用レーザ光によってイオン化した原子または分子の量を検出するイオン量検出手段と、前記励起用絶対波長検出手段で検出された前記励起用レーザ光の絶対波長に基づいて前記励起用レーザ出力手段を制御して前記励起化用レーザ光の波長を調節するとともに、前記イオン量検出手段で検出された前記イオン化した原子または分子の量に基づいて前記イオン化用レーザ出力手段を制御して前記イオン化用レーザ光の波長を調節する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明による極端紫外光光源装置は、ターゲットにレーザビームを照射することにより極端紫外光を発生する光源装置であって、極端紫外光の生成が行われるチャンバと、前記チャンバ内に供給されたターゲット物質と、前記ターゲットにEUVプラズマ生成用レーザ光を照射することによりプラズマを発生させるEUVプラズマ生成用レーザ光源と、前記プラズマから放射される極端紫外光を集光する集光光学系と、前記プラズマの領域にイオン化レーザ光を照射して中性粒子をイオン化するイオン化レーザ装置を含み、前記プラズマから放出される粒子に含まれている中性粒子をイオン化して帯電粒子とするイオン化手段と、少なくとも、前記イオン化手段によってイオン化された帯電粒子を捕集するために、前記チャンバ内に磁場を形成する磁場形成手段もしくは前記チャンバ内に電場を形成する電場形成手段と、上記したいずれか一つのイオン化レーザ装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、レーザ光の波長をこれの測定された絶対波長に基づいて所望の波長に調整するため、ドップラー効果やその他の要因によるレーザ光の所望の波長からのずれを十分に低減させることが可能である。これにより、ターゲットの光吸収率を向上させて効果的にターゲットにエネルギーを与えることが可能となり、結果、励起状態を経てターゲットをイオン化する場合でも高いイオン化効率でターゲットをイオン化できるイオン化レーザ装置および極端紫外光光源装置を実現することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1によるターゲット(Sn原子)のイオン化プロセスを説明するための概念図である。 図2は、本発明の実施の形態1によるイオン化レーザ装置の概略構成を示す模式図である。 図3は、本発明の実施の形態1によるイオン化レーザ装置の構成例を示す模式図である。 図4は、図3に示す第1〜第3レーザの具体例を示す模式図である。 図5Aは、本発明の実施の形態1による第1/第2レーザガルバトロンの具体例を示す模式図である。 図5Bは、本発明の実施の形態1において第1/第2レーザガルバトロンから出力されるオプトガルバノ信号の一例を示す波形図である。 図5Cは、本発明の実施の形態1においてオプトガルバノ信号の電流量とレーザ光の波長との関係を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1によるイオン化レーザ装置の立ち上げ動作例を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態1によるイオン化レーザ装置の定常動作例を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態1の変形例1−1によるターゲット(Sn原子)のイオン化プロセスを説明するための概念図である。 図9は、本発明の実施の形態1の変形例1−1によるイオン化レーザ装置の構成例を示す模式図である。 図10は、本発明の実施の形態1の変形例1−1によるイオン化レーザ装置の立ち上げ動作例を示すフローチャートである。 図11は、本発明の実施の形態1の変形例1−1によるイオン化レーザ装置の定常動作例を示すフローチャートである。 図12は、本発明の実施の形態1の変形例1−2による蛍光検出器の具体例を示す模式図である。 図13Aは、本発明の実施の形態1の変形例1−3による光吸収検出器の具体例を示す模式図である。 図13Bは、本発明の実施の形態1の変形例1−3における光吸収検出器から出力される光検出信号の一例を示す波形図である。 図13Cは、本発明の実施の形態1の変形例1−3における光検出信号の最大値とレーザ光の波長との関係を示す。 図14は、本発明の実施の形態1の変形例1−4による第1〜第3レーザの具体例を示す模式図である。 図15は、本発明の実施の形態1の変形例1−5による絶対波長検出器の概略構成を示す模式図である。 図16は、本発明の実施の形態1の変形例1−6による絶対波長検出器の概略構成を示す模式図である。 図17は、本発明の実施の形態2によるイオン化レーザ装置の構成例を示す模式図である。 図18は、図17に示すイオン化レーザ装置の動作原理を説明するための模式図である。 図19は、本発明の実施の形態2によるイオン化レーザ装置の立ち上げ動作例を示すフローチャートである。 図20は、本発明の実施の形態2によるイオン化レーザ装置の定常制動作例を示すフローチャートである。 図21は、本発明の実施の形態3によるEUVレーザ装置の概略構成を示す模式断面図である。 図22Aは、本発明の実施の形態3の変形例3−1によるEUVレーザ装置の概略構成を示す模式断面図である。 図22Bは、図22AにおけるA−A断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。また、各図では、構成の明瞭化のため、断面におけるハッチングの一部が省略されている。さらに、後述において例示する数値は、本発明の好適な例に過ぎず、従って、本発明は例示された数値に限定されるものではない。
<実施の形態1>
まず、本発明の実施の形態1によるイオン化レーザ装置を、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、イオン化のターゲットをSn原子とした場合を例に挙げるが、本発明はこれに限定されず、種々の原子または分子をイオン化ターゲットとすることが可能である。
図1は、本実施の形態1によるターゲット(Sn原子)のイオン化プロセスを説明するための概念図である。図1に示すように、本実施の形態1では、ターゲットであるSn原子を複数のステップ(本実施の形態1では3ステップ)を経てイオン化する。具体的には、まず、ガス化されたSn原子に、波長λ(=286.32nm)のレーザ光(以下、これを第1レーザ光という)LS1を照射する。これにより、Sn原子が第1レーザ光LS1を吸収してこれの基底状態にある電子が軌道E0(=5p2 3)から軌道E1(=5p6s )へ遷移する(ステップS1)。なお、以下の説明において、電子が軌道E1にある状態を第1固有状態という。
続いて、第1固有状態にあるSn原子に、波長λ(=811.62nm)のレーザ光を(以下、これを第2レーザ光という)LS2を照射する。ただし、第1固有状態のライフタイムが約5nsと非常に短いため、第2レーザ光LS2と合せて第1レーザ光LS1もSn原子へ照射する。これにより、第1固有状態にあるSn原子が第2レーザ光LS2を吸収してこれの軌道E1にある電子が軌道E2(=5p6p)へ遷移する(ステップS2)。なお、以下の説明において、電子が軌道E2にある状態を第2固有状態という。
その後、第1レーザ光LS1および第2レーザ光LS2に加えて、第2固有状態にあるSn原子をイオン化するのに必要な残りのエネルギー(eV)に相当する波長λ(=823.67nm)のレーザ光(以下、これを第3レーザ光という)LS3を照射する(ステップS3)。これにより、第2固有状態にあるSn原子がLS3を吸収してこれの軌道E2(=5p6p)にある電子がイオン化ポテンシャル(IP=59233cm−1)以上のエネルギーとなることで、電子が価電子帯から伝導帯(E3)へと飛び出し、この結果、Sn原子がイオン化する。
ここで、ステップS1において、軌道E1に相当するエネルギー準位のバンド幅(線幅ともいう)は非常に狭い。このため、基底状態にある電子の第1レーザ光LS1に対する光吸収率を高めてSn原子を効率よく基底状態から第1固有状態へ励起させるためには、第1レーザ光LS1の波長を基底状態と第1固有状態とのエネルギー準位の差(バンドギャップエネルギー)に相当する波長λ(=286.32nm:以下、第1ターゲット波長という)に精度よく合せ込む必要がある。
そこで本実施の形態1では、第1レーザ光LS1の絶対波長を後述する第1絶対波長検出器110(図2参照)を用いて求め、この絶対波長が第1ターゲット波長λとなるように第1レーザ光LS1の光源(後述する第1レーザ102(図2参照))をフィードバック制御する。これにより、第1レーザ光LS1の実際の波長を第1ターゲット波長λに精度よく合せ込むことができる。
また、ステップS2においても、軌道E2に相当するエネルギー準位のバンド幅は非常に狭い。このため、軌道E1にある電子の第2レーザ光LS2に対する光吸収率を高めてSn原子を効率よく第1固有状態から第2固有状態へ励起させるためには、第2レーザ光LS2の波長を第1固有状態と第2固有状態とのエネルギー準位の差に相当する波長λ(=811.62nm:以下、第2ターゲット波長という)に精度よく合せ込む必要がある。
そこで本実施の形態1では、第2レーザ光LS2の絶対波長を後述する第2絶対波長検出器210(図2参照)を用いて求め、この絶対波長が第2ターゲット波長λとなるように第2レーザ光LS2の光源(後述する第2レーザ202(図2参照))をフィードバック制御する。これにより、第2レーザ光LS2の実際の波長を第2ターゲット波長λに精度よく合せ込むことができる。
なお、ステップS3においては、Sn原子のイオン化時に電子の遷移先となる伝導体(これを軌道E3とする)のバンド幅が、軌道E1およびE2と比較して広い。ただし、第2固有状態にあるSn原子を効率よくイオン化するためには、第3レーザ光LS3の波長を第2固有状態にあるSn原子をイオン化するのに必要なエネルギー(eV)に相当する波長λ(=823.67nm:以下、第3ターゲット波長という)に精度よく合せ込むことが好ましい。
そこで本実施の形態1では、第3レーザ光LS3の絶対波長も後述する第3絶対波長検出器310(図2参照)を用いて求め、この絶対波長が第3ターゲット波長λとなるように第3レーザ光LS3の光源(後述する第3レーザ302(図2参照))をフィードバック制御する。これにより、第3レーザ光LS3の実際の波長を第3ターゲット波長λに精度よく合せ込むことができる。
以上のように、途中複数の励起状態を経てターゲット(Sn原子)をイオン化することで、可視光程度の低エネルギーのレーザ光を用いて効果的にターゲットにエネルギーを与えることが可能となるため、ターゲットの効率的なイオン化が可能となる。
次に、上述のようなイオン化プロセスを実現できるイオン化レーザ装置を、図面を用いて詳細に説明する。図2は、本実施の形態1によるイオン化レーザ装置1の概略構成を示す模式図である。図2に示すように、イオン化レーザ装置1は、1帯域以上の波長成分を含むレーザ光(第1〜第3レーザ光LS1〜LS3)を出力するイオン化レーザ20と、イオン化レーザ20を制御することで所望波長のレーザ光を所望タイミングでイオン化レーザ20に出力させるイオン化レーザコントローラ10と、を備える。
イオン化レーザ20は、それぞれ異なる波長のレーザ光を出力する第1〜第3レーザ装置100〜300と、第1〜第3レーザ装置100〜300それぞれから出力されたレーザ光を合波して合波レーザ光LSを出力する合波光学系30と、を含む。
第1〜第3レーザ装置100〜300は、それぞれ、第1〜第3レーザ光LS1〜LS3を出力する第1〜第3レーザ102〜302と、第1〜第3レーザ102〜302から出力された第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の絶対波長を検出する第1〜第3絶対波長検出器110〜310と、検出された絶対波長に基づいて第1〜第3レーザ102〜302が出力する第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の波長を第1〜第3ターゲット波長λ〜λに合せ込む第1〜第3コントローラ101〜301と、を含む。なお、第1および第2レーザ102および202は、ターゲットTsnを励起させるための励起用レーザ光として第1および第2レーザ光LS1およびLS2を出力する励起用レーザ出力手段として機能する。一方、第3レーザ302は、励起後のターゲットTsnをイオン化するためのイオン化用レーザ光として第3レーザ光LS3を出力するイオン化用レーザ出力手段として機能する。また、第1および第2絶対波長検出器110および210は、励起用レーザ光(LS1,LS2)の絶対波長を検出する励起用絶対波長検出手段として機能し、第3絶対波長検出器310は、イオン化用レーザ光(LS3)の絶対波長を検出するイオン化用絶対波長検出手段として機能する。また、第1および第2ターゲット波長λおよびλは、ターゲットを所定の固有状態へ励起させるためのエネルギーに相当する励起用波長であり、第3ターゲット波長λは、励起したターゲットをイオン化させるためのエネルギーに相当するイオン化用波長である。
また、第1〜第3レーザ装置100〜300は、それぞれ、検出された第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の絶対波長に基づいて第1〜第3レーザ102〜302をフィードバック制御することで、第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の波長を第1〜第3ターゲット波長λ〜λに安定的にロックすることができる。なお、イオン化レーザコントローラ10および第1〜第3コントローラ101〜301は、励起用レーザ光(LS1,LS2)の絶対波長およびイオン化用レーザ光(LS3)の絶対波長に基づいて励起用レーザ出力手段である第1および第2レーザ102および202と、イオン化用レーザ出力手段である第3レーザ302とを制御する制御手段として機能する。
合波光学系30は、例えば回折格子やハーフミラーやダイクロイックミラー、ビームコンバイナなどを適宜用いて構成され、上述したように、第1〜第3レーザ装置100〜300から出力された第1〜第3レーザ光LS1〜LS3を合波して合波レーザ光LSを出力する。
このように、本実施の形態1によるイオン化レーザ装置1は、ターゲット(Sn原子)へ与える励起エネルギーまたはイオン化エネルギーに応じた波長(第1〜第3ターゲット波長λ〜λ)のレーザ光(第1〜第3レーザ光LS1〜LS3)を出力する複数のレーザ装置(第1〜第3レーザ装置100〜300)を用いる。このため、個々のレーザ装置(100〜300)が出力するレーザ光の波長を独立して精度良くターゲット波長に合せ込むことが可能である。また、イオン化レーザ装置1では、各レーザ装置(100〜300)のターゲット波長への合せ込みが絶対波長に基づいて行われる。このため、ターゲットの光吸収率を向上させて効果的にターゲットにエネルギーを与えることが可能となり、この結果、効率的なターゲットのイオン化が可能となる。
次に、図2に示すイオン化レーザ装置1のより具体的な構成例を、図面を用いて詳細に説明する。図3は、本実施の形態1によるイオン化レーザ装置1Aの構成例を示す模式図である。図3に示すように、イオン化レーザ装置1Aでは、第1レーザ装置100が第1絶対波長検出器110としての蛍光検出器110Aを備える。また、第2/第3レーザ装置200/300が、第2/第3絶対波長検出器210/310としての第1/第2レーザガルバトロン210A/310Aを備える。さらに、第1〜第3レーザ装置100〜300は、それぞれ、第1〜第3レーザ102〜302から出力された第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の波長を検出する第1〜第3波長計103〜303を備える。なお、第1〜第3波長計103〜303は、第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の大まかな波長を検出できればよく、また、相対波長であってもよい。この波長計のうち、第1および第2波長計103および203は、励起用レーザ光である第1および第2レーザ光LS1およびLS2の波長を検出する励起用波長検出手段として機能し、第3波長計303は、イオン化用レーザ光である第3レーザ光LS3の波長を検出するイオン化用波長計として機能する。
ここで、図4に、図3に示す第1〜第3レーザ102〜302の具体例を示す。図4に示すように、第1レーザ102は、第1ターゲット波長λに対して4倍の波長λ1a(=1145nm)を持つ狭帯域のレーザ光LS1aを出力する狭帯化半導体レーザ121と、狭帯化半導体レーザ121から出力されたレーザ光LS1aを増幅するYbファイバ増幅器122と、増幅されたレーザ光LS1aからこれの4分の1の波長である第1レーザ光LS1を発生させる4倍波発生器123と、を含む。したがって、狭帯化半導体レーザ121から出力されたレーザ光LS1aは、Ybファイバ増幅器122において増幅され、4倍波発生器123において第1レーザ光LS1に変換された後、出力される。この構成において、第1レーザ光LS1の波長制御は、狭帯化半導体レーザ121の実質的な温度を制御することで行うことができる。
一方、第2および第3レーザ202および302は、それぞれ、狭帯化半導体レーザ221および321とパラメトリック発振器222および322とを含むと共に、共通のYbファイバレーザ223を含む。Ybファイバレーザ223は、レーザ光を増幅する、いわゆる光ポンプとしての機能を果たす。したがって、狭帯化半導体レーザ221から出力された狭帯域のレーザ光LS2aは、Ybファイバレーザ223から出力されたレーザ光と共にパラメトリック発振器222に入力されて増幅された後、第2レーザ光LS2として出力される。同様に、狭帯化半導体レーザ321から出力された狭帯域のレーザ光LS3aは、Ybファイバレーザ223から出力されたレーザ光と共にパラメトリック発振器322に入力されて増幅された後、第3レーザ光LS3として出力される。この構成において、第2/第3レーザ光LS2/LS3の波長制御は、狭帯化半導体レーザ221/321の実質的な温度を制御することで行うことができる。
なお、狭帯化半導体レーザ121〜321は、いわゆる種光源である。この狭帯化半導体レーザ121〜321は、パルス発振して間欠的にレーザ光を出力する半導体レーザであっても、連続波発振して継続的にレーザ光を出力する半導体レーザであってもよい。また、第1〜第3レーザ102〜302は、長時間の安定動作が可能なファイバレーザで構成されることが好ましい。これにより、安定してレーザ光を出力するイオン化レーザ装置1Aを実現することができる。
図3に戻り説明する。図3において、第1絶対波長検出器110としての蛍光検出器110Aは、イオン化用の不図示のチャンバに配置された、いわゆるin−situの蛍光検出器であり、ターゲット(Sn原子)から放出された蛍光の強度を検出する検出器である。この蛍光検出器110Aは、実際のターゲット(Sn原子)から放出された蛍光を観測することができる。
ここで、上述したように、Sn原子が第1固有状態を維持するライフタイムは、約5nsと非常に短い。軌道E1にある電子が脱励起して軌道ES1(=5p2 31)へ遷移する際には、図1に示すように、波長λfluo(=317.5nm)の蛍光CSが放出される(ステップSS1)。そこで、図3に示すイオン化レーザ装置1Aは、この蛍光CSを観測することで、電子の第1レーザ光LS1に対する光吸収率の波長依存性から第1レーザ光LS1の絶対波長を求める。すなわち、第1レーザ光LS1による電子の励起効率の波長依存性を、第1レーザ光LS1の照射に対して生じた蛍光CSの強度から求め、この強度が最大値となる際の波長を絶対波長として特定する。なお、以下の説明において、電子が軌道ES1にある状態を脱励起後固有状態という。
そこで、第1コントローラ101は、蛍光検出器110Aで検出された蛍光CSの強度が最大値を取るように第1レーザ102を制御してこれから出力される第1レーザ光LS1の波長を調整することで、第1レーザ装置100が出力する第1レーザ光LS1の波長を第1ターゲット波長λへ合せ込む。また、第1コントローラ101は、第1レーザ光LS1の波長が第1ターゲット波長λを維持するように、第1レーザ102をフィードバック制御する。なお、第1コントローラ101は、例えば第1レーザ102が半導体レーザである場合、実質的な温度を制御することで、第1レーザ102が出力する第1レーザ光LS1の波長を第1ターゲット波長λに合せ込む。ただし、これに限定されず、第1コントローラ101は、例えば第1レーザ102が他のレーザであれば直接、共振器長を制御してもよいし、光路にエタロン若しくはグレーティングを挿入し、その角度を制御することで、第1レーザ102が出力する第1レーザ光LS1の波長を第1ターゲット波長λに合せ込むように構成されてもよい。
一方、第2/第3絶対波長検出器210/310としての第1/第2レーザガルバトロン210A/310Aは、いわゆるオプトガルバニック分光用放電管であり、放電管(フォロカソードランプ)内に封入されたガスにレーザ光を照射し、これにより発生するガス固有の分光波長に依存した電流量を検出することで、レーザ光の絶対波長を検出する。この第1/第2レーザガルバトロン210A/310Aは、例えば、それぞれ合波光学系30を構成する合波器32/33の前段(または後段)に配置される。
ここで図5Aに、本実施の形態1による第1/第2レーザガルバトロン210A/310Aの具体例を示す。また、図5Bに、第1/第2レーザガルバトロン210A/310Aから出力されるオプトガルバノ信号の一例を示し、図5Cに、オプトガルバノ信号の電流量とレーザ光の波長との関係を示す。
図5Aに示すように、第1/第2レーザガルバトロン210A/310Aは、希ガスが封入された希ガス封入ガラス管212と、希ガス封入ガラス管212内に配置された陽極Anおよび陰極Caと、を含むフォロカソードランプ211からなる。希ガス封入ガラス管212内に封入される希ガスには、例えばヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などを用いることができる。陰極Caには、例えばイオン化ターゲットと同じ材料よりなるSn電極が用いられる。陽極Anには、高圧電源Hvsから数百〜数千ボルトの高電圧が印加される。
この構成において、希ガス封入ガラス管212内に形成された放電プラズマ中の原子の吸収スペクトルに共鳴する波長のレーザ光が入射すると、陰極Caに接続された抵抗Rを流れる放電電流が変化する。したがって、希ガス封入ガラス管212内を陽極An側から陰極Ca側にかけてレーザ光(LS2/LS3)が通過すると、陰極Caに接続された抵抗Rには、図5Bに示すように、レーザ光の波形および波長に応じて変化するオプトガルバノ信号が流れる。このオプトガルバノ信号の電流量は、図5Cに示すように、フォロカソードランプ211に入射したレーザ光の波長に依存する。したがって、第2/第3コントローラ201/301は、この電流量が最大値を取るように第2/第3レーザ202/302を制御してこれから出力される第2/第3レーザ光LS2/LS3の波長を調整することで、第2/第3レーザ装置200/300が出力する第2/第3レーザ光LS2/LS3の波長を第2/第3ターゲット波長λ/λ(イオン化最適波長)へ合せ込む。また、第2/第3コントローラ201/301は、第2/第3レーザ光LS2/LS3の波長が第2/第3ターゲット波長λ/λを維持するように、第2/第3レーザ202/302をフィードバック制御する。なお、第2/第3コントローラ201/301による第2/第3レーザ202/302の波長制御は、上述した第1コントローラ101と同様である。ただし、フォロカソードランプ211に限らず、ターゲットTsnと同じ原子源であればよい。
次に、本実施の形態1によるイオン化レーザ装置1Aの動作について、図面を用いて詳細に説明する。図6は、本実施の形態1によるイオン化レーザ装置1Aの立ち上げ時の動作(以下、立ち上げ動作という)例を示すフローチャートである。図7は、本実施の形態1によるイオン化レーザ装置1Aの定常制御時の動作(以下、定常動作という)例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、イオン化レーザ20を制御するイオン化レーザコントローラ10の動作およびイオン化レーザコントローラ10からの制御の下で第1〜第3レーザ装置100〜300を制御する第1〜第3コントローラ101〜301の動作に着目して説明する。
図6に示すように、イオン化レーザコントローラ10は、立ち上げ動作を開始すると、第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λ(=286.4nm)に粗同調させる(ステップS101)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10からの制御の下、第1コントローラ101が、第1レーザ102に第1レーザ光LS1の出力を開始させ、続いて、第1波長計103で検出される第1レーザ光LS1の波長が第1ターゲット波長λとなるように第1レーザ102をフィードバック制御する。このように、第1レーザ102の粗同調ステップでは、第1波長計103で検出された波長に基づいて、第1レーザ102がフィードバック制御される。第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λへ正確に同調させる前にこれを粗同調させておくことで、正確な同調時の時間短縮や制御の容易化が可能となる。
次に、イオン化レーザコントローラ10は、第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λに正確に同調させる(ステップS102)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10からの制御の下、第1コントローラ101が、第1レーザ102が出力する第1レーザ光LS1の波長を変化させ、この過程で蛍光検出器110Aが検出する蛍光CSの強度が最大値となる波長(第1ターゲット波長λに相当)を特定し、この波長に第1レーザ光LS1の波長を合せ込むように第1レーザ102をフィードバック制御する。このように、第1レーザ102の同調ステップでは、蛍光検出器110Aで検出された蛍光CSの強度から求まる第1レーザ光LS1の絶対波長が第1ターゲット波長λとなるように、第1レーザ102がフィードバック制御される。このため、より正確に第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λに同調させることが可能である。
次に、イオン化レーザコントローラ10は、第1レーザ102の波長が第1ターゲット波長λにロックされているか否かを判定し(ステップS103)、ロックされていない場合(ステップS103のNo)、ステップS102へ帰還して、再度、蛍光検出器110Aによる蛍光強度検出結果を用いた第1レーザ102のフィードバック制御を第1コントローラ101に実行させる。
一方、第1レーザ102の波長が第1ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS103のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、次に、第2レーザ202の波長を第2ターゲット波長λ(=811.6nm)に粗同調させる(ステップS104)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第2コントローラ201が、第2レーザ202に第2レーザ光LS2の出力を開始させ、続いて、第2波長計203で検出される第2レーザ光LS2の波長が第2ターゲット波長λとなるように第2レーザ202をフィードバック制御する。このように、第2レーザ202の粗同調ステップでは、第1レーザ102の粗同調ステップと同様に、第2波長計203で検出された波長に基づいて、第2レーザ202がフィードバック制御される。
次に、イオン化レーザコントローラ10は、第2レーザ202の波長を第2ターゲット波長λに正確に同調させる(ステップS105)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第2コントローラ201が、第2レーザ202が出力する第2レーザLS2の波長を変化させ、この過程で第1レーザガルバトロン210Aが検出するオプトガルバノ信号の値が最大値となる波長(第2ターゲット波長λに相当)を特定し、この波長に第2レーザ光LS2の波長を合せ込むように第2レーザ202をフィードバック制御する。このように、第2レーザ202の同調ステップでは、第1レーザガルバトロン210Aで検出されたオプトガルバノ信号から求まる第2レーザ光LS2の絶対波長が第2ターゲット波長λとなるように、第2レーザ202がフィードバック制御される。このため、第1レーザ102の同調ステップと同様に、より正確に第2レーザ202の波長を第2ターゲット波長λに同調させることが可能である。
次に、イオン化レーザコントローラ10は、第2レーザ202の波長が第2ターゲット波長λにロックされているか否かを判定し(ステップS106)、ロックされていない場合(ステップS106のNo)、ステップS105へ帰還して、再度、第1レーザガルバトロン210Aで検出されたオプトガルバノ信号を用いた第2レーザ202のフィードバック制御を第2コントローラ201に実行させる。
一方、第2レーザ202の波長が第2ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS106のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、次に、第3レーザ302の波長を第3ターゲット波長λ(=823.7nm)に粗同調させる(ステップS107)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第3コントローラ301が、第3レーザ302に第3レーザ光LS3の出力を開始させ、続いて、第3波長計303で検出される第3レーザ光LS3の波長が第3ターゲット波長λとなるように第3レーザ302をフィードバック制御する。このように、第3レーザ302の粗同調ステップでは、第1/第2レーザ102/202の粗同調ステップと同様に、第3波長計303で検出された波長に基づいて、第3レーザ302がフィードバック制御される。
次に、イオン化レーザコントローラ10は、第3レーザ302の波長を第3ターゲット波長λに正確に同調させる(ステップS108)。具体的には、ステップS105と同様に、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第3コントローラ301が、第3レーザ302が出力する第3レーザLS3の波長を変化させ、この過程で第2レーザガルバトロン310Aが検出するオプトガルバノ信号の値が最大値となる波長(第3ターゲット波長λに相当)を特定し、この波長に第3レーザ光LS3の波長を合せ込むように第3レーザ302をフィードバック制御する。これにより、第1/第2レーザ102/202の同調ステップと同様に、より正確に第3レーザ302の波長を第3ターゲット波長λに同調させることが可能である。
その後、イオン化レーザコントローラ10は、第3レーザ302の波長が第3ターゲット波長λにロックされているか否かを判定し(ステップS109)、ロックされていない場合(ステップS109のNo)、ステップS108へ帰還して、再度、第2レーザガルバトロン310Aで検出されたオプトガルバノ信号を用いた第3レーザ302のフィードバック制御を第3コントローラ301に実行させる。一方、第3レーザ302の波長が第3ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS109のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、立ち上げ動作を終了する。
以上のような立ち上げ動作を実行することで、イオン化レーザ装置1Aが出力する複数のレーザ光(第1〜第3レーザ光LS1〜LS3)の波長を、イオン化プロセスの適切な順序に沿って、確実に所望の波長(第1〜第3ターゲット波長λ〜λ)に調整することが可能となる。この結果、全てのレーザ光の波長を目的の波長に容易且つ確実に合せ込むことが可能となる。
上記立ち上げ動作によって第1〜第3レーザ102〜302の波長が第1〜第3ターゲット波長λ〜λにそれぞれロックされると、イオン化レーザ装置1Aは、次に、第1〜第3レーザ光LS1〜LS3を安定した波長で定常的に出力する定常動作を実行する。
定常動作では、イオン化レーザコントローラ10は、図7に示すように、第1レーザ102の出力波長、すなわち第1レーザ光LS1の波長をモニタし(ステップS111)、第1レーザ102の出力波長が第1ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する(ステップS112)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第1コントローラ101が、蛍光検出器110Aで検出された蛍光CSの強度が立ち上げ動作時に検出された最大値と略変わらない値であるか否かを検知し、略変わらない値であれば第1レーザ102の出力波長が第1ターゲット波長λにロックされていると判定し、大きく変化している場合には、特に蛍光CSの強度が大きく減少している場合には、第1レーザ102の出力波長が第1ターゲット波長λからずれていると判定する。ただし、これに限定されず、例えば第1波長計103で検出された波長が、第1ターゲット波長λ、もしくは、立ち上げ動作において第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λへロックした直後に検出された波長と同等であるか否かを検知し、この検知結果に基づいて第1レーザ102の出力波長が第1ターゲット波長λにロックされているか否かを判定するなど、種々変形可能である。
ステップS112の判定の結果、第1レーザ102の出力波長が第1ターゲット波長λにロックされていない場合(ステップS112のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、図6のステップS102と同様の手順を用いて、第1レーザ102の出力波長を第1ターゲット波長λにロックし(ステップS113)、その後、ステップS112へ帰還して、再度、第1レーザ102の出力波長が第1ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する。
一方、ステップS112の判定の結果、第1レーザ102の出力波長が第1ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS112のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、次に、第2レーザ202の出力波長、すなわち第2レーザ光LS2の波長をモニタし(ステップS114)、第2レーザ202の出力波長が第2ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する(ステップS115)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第2コントローラ201が、第1レーザガルバトロン210Aで検出されたオプトガルバノ信号の電流値が立ち上げ動作時に検出された最大値と略変わらない値であるか否かを検知し、略変わらない電流値であれば第2レーザ202の出力波長が第2ターゲット波長λにロックされていると判定し、大きく変化している場合には、特にオプトガルバノ信号の電流値が大きく減少している場合には、第2レーザ202の出力波長が第2ターゲット波長λからずれていると判定する。ただし、これに限定されず、ステップS112と同様に、第2波長計203を用いて、第2レーザ202の出力波長が第2ターゲット波長λにロックされているか否かを判定するなど、種々変形可能である。
ステップS115の判定の結果、第2レーザ202の出力波長が第2ターゲット波長λにロックされていない場合(ステップS115のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、図6のステップS105と同様の手順を用いて、第2レーザ202の出力波長を第2ターゲット波長λにロックし(ステップS116)、その後、ステップS115へ帰還して、再度、第2レーザ202の出力波長が第2ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する。
一方、ステップS115の判定の結果、第2レーザ202の出力波長が第2ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS115のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、次に、第3レーザ302の出力波長、すなわち第3レーザ光LS3の波長をモニタし(ステップS117)、第3レーザ302の出力波長が第3ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する(ステップS118)。なお、その具体的な手順例は、ステップS115と同様である。
ステップS118の判定の結果、第3レーザ302の出力波長が第3ターゲット波長λにロックされていない場合(ステップS118のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、図6のステップS108と同様の手順を用いて、第3レーザ302の波長を第3ターゲット波長λにロックし(ステップS119)、その後、ステップS118へ帰還して、再度、第3レーザ302の出力波長が第3ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する。
一方、ステップS118の判定の結果、第3レーザ302の出力波長が第3ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS118のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、定常動作の終了が指示されているか否かを判定し(ステップS120)、指示されている場合(ステップS120のYes)、定常動作を終了する。一方、定常動作の終了が指示されていない場合(ステップS120のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、ステップS111へ帰還し、再度、同様の動作を繰り返す。
以上のような定常動作を実行することで、イオン化レーザ装置1Aが出力する複数のレーザ光(第1〜第3レーザ光LS1〜LS3)のいずれか1つでも所望の波長(第1〜第3ターゲット波長λ〜λ)からずれた場合には、波長がずれたレーザ光から波長調整をし直すことが可能となる。このため、全レーザ光の波長調整が必要でない場合に最初から全レーザ光の波長調整をし直すなどの手間を省きつつ、容易且つ適切に全てのレーザ光を所望の波長にそれぞれロックすることが可能となる。この結果、複数のレーザ光を用いる場合でも高いイオン化率でターゲットをイオン化できるイオン化レーザ装置を実現することができる。
(変形例1−1)
次に、本実施の形態1によるイオン化レーザ装置の変形例について、図面を用いて詳細に説明する。上述した実施の形態1では、3つのステップS1〜S3を経てターゲット(Sn原子)をイオン化する場合を例に挙げた。これに対し、本実施の形態1の変形例1−1では、2つのステップを経てターゲット(Sn原子)をイオン化する場合を例に挙げる。
図8は、本変形例1−1によるターゲット(Sn原子)のイオン化プロセスを説明するための概念図である。図8に示すように、本変形例1−1では、まず、上述の実施の形態1と同様に、ターゲットであるSn原子に第1レーザ光LS1を照射して、これの基底状態にある電子を軌道E0(=5p2 3)から軌道E1(=5p6s )へ遷移させる(ステップS1)。これにより、Sn原子が第1固有状態となる。
続いて、第1レーザ光LS1に加えて、第1固有状態にあるSn原子を直接イオン化するのに必要な残りのエネルギー(eV)に相当する波長λ(=408.8nm)のレーザ光(以下、第4レーザ光という)LS4を照射する(ステップS4)。これにより、Sn原子が第4レーザ光LS4を吸収してこれの軌道E1(=5p6s )にある電子がイオン化ポテンシャル(IP=59233cm−1)以上のエネルギーとなることで、この電子が価電子帯から伝導体(E3)へと飛び出し、この結果、Sn原子がイオン化する。なお、以下の説明において、波長λを第4ターゲット波長という。
次に、本変形例1−1によるイオン化プロセスを実現できるイオン化レーザ装置を、図面を用いて詳細に説明する。図9は、本変形例1−1によるイオン化レーザ装置1A−1の構成例を示す模式図である。図9に示すように、イオン化レーザ装置1A−1は、第1レーザ光LS1を出力する第1レーザ装置100および第4レーザ光LS4を出力する第4レーザ装置400と、第1および第4レーザ装置100および400からそれぞれ出力されたレーザ光を合波して合波レーザ光LSaとして出力する合波光学系30と、を含む。
ここで、第1レーザ装置100は、図3に示す第1レーザ装置100と同様である。また、第4レーザ装置400は、第4レーザ光LS4を出力する第4レーザ402と、第4レーザ402から出力された第4レーザ光LS4の波長を検出する第4波長計403と、第4レーザ光LS4の絶対波長を検出する絶対波長検出器としての第3レーザガルバトロン410Aと、第4波長計403または第3レーザガルバトロン410Aで検出された波長に基づいて第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λにロックするように第4レーザ402をフィードバック制御する第4コントローラ401と、を備える。なお、第4波長計403は、第4レーザ光LS4の大まかな波長を検出できればよく、また、相対波長であってもよい。
さらに、第4レーザ装置400における第4レーザ402、第4波長計403および第3レーザガルバトロン410Aは、第2/第3レーザ装置200/300におけるそれらと同様である。ただし、第4レーザ402は、第4ターゲット波長λの第4レーザ光LS4を出力するように第4コントローラ401によってフィードバック制御される。
次に、本変形例1−1によるイオン化レーザ装置1A−1の動作について、図面を用いて詳細に説明する。図10は、本変形例1−1によるイオン化レーザ装置1A−1の立ち上げ動作例を示すフローチャートである。図11は、本変形例1−1によるイオン化レーザ装置1A−1の定常動作例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、イオン化レーザ20−1を制御するイオン化レーザコントローラ10の動作およびイオン化レーザコントローラ10からの制御の下で第1/第4レーザ装置100/400を制御する第1/第4コントローラ101/401の動作に着目して説明する。
図10に示すように、イオン化レーザコントローラ10は、立ち上げ動作を開始すると、上記実施の形態1において図6のステップS101〜S103を用いて説明した行程と同様の行程を経ることで、第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λにロックする(ステップS101〜S103)。
ステップS101〜S103の過程を経て、第1レーザ102の波長が第1ターゲット波長λにロックされると(ステップS103のYes)、次に、イオン化レーザコントローラ10は、第4レーザ402の波長を第4ターゲット波長λ(=408.8nm)に粗同調させる(ステップS404)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第4コントローラ401が、第4レーザ402に第4レーザ光LS4の出力を開始させ、続いて、第4波長計403で検出される第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λとなるように第4レーザ402をフィードバック制御する。このように、第4レーザ402の粗同調ステップでは、上述の実施の形態1における図6のステップS101/S104/S107と同様に、第4波長計403で検出された波長に基づいて、第4レーザ402がフィードバック制御される。
次に、イオン化レーザコントローラ10は、第4レーザ402の波長を第4ターゲット波長λに正確に同調させる(ステップS405)。具体的には、上述の実施の形態1における図6のステップS105/S108と同様に、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第4コントローラ401が、第4レーザ402が出力する第4レーザLS3の波長を変化させ、この過程で第3レーザガルバトロン410Aが検出するオプトガルバノ信号の値が最大値となる波長(第4ターゲット波長λに相当)を特定し、この波長に第4レーザ光LS4の波長を合せ込むように第4レーザ402をフィードバック制御する。これにより、第1レーザ102の同調ステップと同様に、より正確に第4レーザ402を第4ターゲット波長λに同調させることが可能である。
その後、イオン化レーザコントローラ10は、第4レーザ402の波長が第4ターゲット波長λにロックされているか否かを判定し(ステップS406)、ロックされていない場合(ステップS406のNo)、ステップS405へ帰還して、再度、第3レーザガルバトロン410Aで検出されたオプトガルバノ信号を用いた第4レーザ402のフィードバック制御を第4コントローラ401に実行させる。一方、第4レーザ402の波長が第4ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS406のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、立ち上げ動作を終了する。
上記立ち上げ動作によって第1、第4レーザ102、402の波長が第1、第4ターゲット波長λ、λにそれぞれロックされると、イオン化レーザ装置1A−1は、次に、第1、第4レーザ光LS1、LS4を安定した波長で定常的に出力する定常動作を実行する。
図11に示すように、イオン化レーザコントローラ10は、定常動作を開始すると、上記実施の形態1において図7のステップS111〜S113を用いて説明した行程と同様の行程を経ることで、第1レーザ102の波長が第1ターゲット波長λにロックされた状態を維持する(ステップS111〜S113)。
ステップS112の判定の結果、第1レーザ102の波長が第1ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS112のYes)、次に、イオン化レーザコントローラ10は、第4レーザ402の出力波長、すなわち第4レーザ光LS4の波長をモニタし(ステップS414)、第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する(ステップS415)。具体的には、イオン化レーザコントローラ10の制御の下、第4コントローラ401が、第3レーザガルバトロン410Aで検出されたオプトガルバノ信号の電流値が立ち上げ動作時に検出された最大値と略変わらない値であるか否かを検知し、略変わらない電流値であれば第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λにロックされていると判定し、大きく変化している場合には、特にオプトガルバノ信号の電流値が大きく減少している場合には、第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λからずれていると判定する。ただし、これに限定されず、例えば、第4波長計403を用いて、第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λにロックされているか否かを判定するなど、種々変形可能である。
ステップS415の判定の結果、第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λにロックされていない場合(ステップS415のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、図10のステップS405と同様の手順を用いて、第4レーザ402の波長を第4ターゲット波長λにロックし(ステップS416)、その後、ステップS415へ帰還して、再度、第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λにロックされているか否かを判定する。
一方、ステップS415の判定の結果、第4レーザ光LS4の波長が第4ターゲット波長λにロックされている場合(ステップS415のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、図7のステップS120と同様に、定常動作の終了が指示されているか否かを判定し(ステップS120)、指示されている場合(ステップS120のYes)、定常動作を終了する。一方、定常動作の終了が指示されていない場合(ステップS120のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、ステップS111へ帰還し、再度、同様の動作を繰り返す。
以上のような定常動作を実行することで、上述の実施の形態1と同様に、複数のレーザ光を用いる場合でも高いイオン化率でターゲットをイオン化できるイオン化レーザ装置を実現することができる。
(変形例1−2)
次に、本実施の形態1における絶対波長検出器110としての蛍光検出器の変形例について、図面を用いて詳細に説明する。上述の実施の形態1では、実際のターゲット(Sn原子)から放出された蛍光を観測できるようにターゲット(Sn原子)をイオン化するための不図示のチャンバに配置された、いわゆるin−situの蛍光検出器110Aを使用していた。これに対し、本変形例1−2では、実際のターゲット(Sn原子)ではなく、合波光学系30を構成する合波器32の前段(または後段)に配置されて独立にターゲット(Sn原子)と同じ原子(Sn原子)が第1レーザ光LS1の照射に対して放出する蛍光CSの強度を検出する、蛍光検出器110A−1を用いる。
図12は、本変形例1−2による蛍光検出器110A−1の具体例を示す模式図である。図12に示すように、蛍光検出器110A−1は、気密性を備えた蒸気封入セル111と、蒸気封入セル111内にターゲットと同じ原子(Sn原子)の蒸気(Sn蒸気113)を流入させる蒸気生成器112と、蒸気封入セル111内で発生した蛍光CSの強度を検出する光検出器119と、を備える。
この構成において、蒸気封入セル111には、第1レーザ光LS1がこの蒸気封入セル111内を通過するための光入射窓114および光出射窓115と、蒸気封入セル111内のSn蒸気113が放出した蛍光CSを取り出すための光取出窓116と、が設けられる。したがって、光入射窓114から入射した第1レーザ光LS1は、蒸気封入セル111内のある点(蛍光発生点CSo)でSn蒸気113に照射される。すると、Sn蒸気113中の原子が第1レーザ光LS1によって励起され、その後、脱励起する。脱励起時には、Sn蒸気113の蛍光発生点CSoから蛍光CSが放出される。この蛍光発生点CSoの光学像は、光取出窓116の外側に配置された転写レンズ117によって、光検出器119の像検出面に転写される。光検出器119は、転写された蛍光発生点CSoの光学像の輝度から、蛍光CSの強度を検出し、この検出結果を第1コントローラ101へ出力する。なお、光検出器119の像検出面に、蛍光CSの波長以外の波長の光、例えば背景光となる第1レーザ光LS1の散乱光を遮光する背景光遮断フィルタ118を設けるとよい。これにより、より正確に蛍光CSの強度を検出することが可能となる。
(変形例1−3)
次に、本実施の形態1における絶対波長検出器210/310の変形例について、図面を用いて詳細に説明する。上述の実施の形態1では、絶対波長検出器210/310として、フォロカソードランプ211内に封入したガス固有の分光波長からレーザ光(LS2/LS3)の絶対波長を特定する、いわゆるオプトガルバニック分光用放電管(第1/第2レーザガルバトロン210A/310A)を用いた。これに対し、本変形例1−3では、所定のガスが封入されたフォロカソードランプ内を通過したレーザ光(LS2/LS3)の減衰からレーザ光の吸収量を検出してこれの絶対波長を特定する光吸収検出器210A−1/310A−1を用いる。
図13Aは、本変形例1−3による光吸収検出器210A−1/310A−1の具体例を示す模式図である。また、図13Bに、光吸収検出器210A−1/310A−1から出力される光検出信号の一例を示し、図13Cに、光検出信号の最大値とレーザ光の波長との関係を示す。
図13Aに示すように、光吸収検出器210A−1/310A−1は、第1/第2レーザガルバトロン210A/310Aと同様に、希ガスが封入された希ガス封入ガラス管212と、希ガス封入ガラス管212内に配置された陽極Anおよび陰極Caと、を含むフォロカソードランプ211からなる。
この構成において、希ガス封入ガラス管212内に形成された放電プラズマ中の原子の吸収スペクトルに共鳴する波長のレーザ光が入射すると、このレーザ光が吸収される。したがって、希ガス封入ガラス管212内に入射したレーザ光(LS2/LS3)は、陽極An側から陰極Ca側にかけて通過する際に減衰する。この結果、フォロカソードランプ211の光出力側に設けられた光センサ214では、図13Bに示すように、レーザ光の波形および波長に応じて変化する光検出信号が検出される。この光検出信号の最大値(センサ光検出強度)は、図13Cに示すように、フォロカソードランプ211に入射したレーザ光の波長に依存して減衰する。したがって、このセンサ光検出強度が最小値を取るように第2/第3レーザ202/302を制御してこれから出力される第2/第3レーザ光LS2/LS3の波長を調整することで、第2/第3レーザ装置200/300が出力する第2/第3レーザ光LS2/LS3の波長を第2/第3ターゲット波長λ/λ(イオン化最適波長)に合せ込むことができる。
(変形例1−4)
次に、本実施の形態1における第1〜第3レーザ102〜302の変形例について、図面を用いて詳細に説明する。上述の実施の形態1では、種光源としての狭帯化半導体レーザ121/221/321から出力されたレーザ光をファイバ増幅器(122/223)にて増幅して出力する第1〜第3レーザ102〜302を用いた。これに対し、本変形例1−4では、種光源としての狭帯化半導体レーザから出力されたレーザ光をシーダ光として発振する狭帯化レーザ発振器を備えた第1〜第3レーザ102−1〜302−1を用いる。
図14は、本変形例1−4による第1〜第3レーザ102−1〜302−1の具体例を示す模式図である。図14に示すように、第1レーザ102−1は、狭帯域のシーダ光を出力する狭帯化半導体レーザ121−1と、シーダ光によって発振する狭帯化レーザ発振器122−1と、狭帯化レーザ発振器122−1から出力されたレーザ光LS1bからこれの3分の1の波長である第1レーザ光LS1を発生させる3倍波発生器123−1と、を含む。また、第2/第3レーザ202−1/302−1は、狭帯域のシーダ光を出力する狭帯化半導体レーザ221−1/321−1と、シーダ光によって発振して第2/第3レーザ光LS2/LS3を出力する狭帯化レーザ発振器222−1/322−1と、を含む。また、第1〜第3レーザ102−1〜302−1は、この他の構成として、所定波長のレーザ光を出力するNd:YVO4レーザ125−1と、Nd:YVO4レーザ125−1が出力したレーザ光からこれの2分の1の波長を持つレーザ光を励起光として出力する2倍波発生器124−1と、2倍波発生器124−1から出力された励起光を狭帯化レーザ発振器122−1/222−1/322−1へそれぞれ導波する反射ミラー126−1およびビームスプリッタであるダイクロイックミラー127−1/227−1/327−1と、を含む。
なお、CWのグリーンレーザのように、2倍波発生器124−1とYVO4レーザ125−1とが一体となっている、例えばYVO4レーザ125−1の共振器中に2倍波発生器124−1が配置されていてもよい。また、波長可変の励起光源であるYVO4レーザ125−1の代わりに、例えばNd:YAGレーザを用いてもよい。
狭帯化半導体レーザ121−1/221−1/321−1は、波長選択および狭帯化のためのシード光源である。この狭帯化半導体レーザ121−1/221−1/321−1は、励起光源であるYVO4レーザ125−1と同じ光軸から励起光を入射させる必要がないため、図14のようにダイクロイックミラー127−1/227−1/327−1の後方から励起光が入射する構成に限らず、共振器を構成する他のミラーから励起光が狭帯化半導体レーザ121−1/221−1/321−1へそれぞれ入射するように構成してもよい。ただし、図14に示す構成はYVO4レーザ125−1と同じ光軸から励起光を入射させる構成であるため、ダイクロイックミラー127−1/227−1/327−1を用いる必要がある。
この構成において、第1レーザ102−1の狭帯化半導体レーザ121−1から出力されたシーダ光は、ダイクロイックミラー127−1を透過してチタンサファイアレーザである狭帯化レーザ発振器122−1に入力される。また、狭帯化レーザ発振器122−1には、2倍波発生器124−1から出力された励起光の一部も入力される。狭帯化レーザ発振器122−1は、これらのシーダ光と励起光によって発振することで、第1ターゲット波長λに対して3倍の波長λ1b(=860nm)を持つ狭帯域のレーザ光LS1bを出力する。狭帯化レーザ発振器122−1から出力されたレーザ光LS1bは、3倍波発生器123−1において1/3の波長(第1ターゲット波長λ=286.3nm)を持つ第1レーザ光LS1に変換された後、出力される。
また、第2/第3レーザ202−1/302−1の狭帯化半導体レーザ221−1/321−1から出力されたシーダ光は、ダイクロイックミラー227−1/327−1を透過して狭帯化レーザ発振器222−1/322−1に入力される。また、狭帯化レーザ発振器222−1/322−1には、2倍波発生器124−1から出力された励起光の一部も入力される。狭帯化レーザ発振器222−1/322−1は、これらのシーダ光と励起光によって発振することで、第2/第3ターゲット波長λ/λの第2/第3レーザ光LS2/LS3を出力する。
なお、Nd:YVO4レーザ125−1はNd:YLFレーザ或いはNd:YAGレーザであってもよく、狭帯化レーザ発振器122−1/222−1/322−1には、例えば狭帯域で発振するTiサファイア発振器を用いることができる。また、狭帯化半導体レーザ121−1〜321−1は、パルス発振して間欠的にレーザ光を出力する半導体レーザであっても、連続波発振して継続的にレーザ光を出力する半導体レーザであってもよい。また、Nd:YVO4レーザ125−1と2倍波発生器124−1と反射ミラー126−1およびハーフミラー127−1/227−1/327−1とを含む第1〜第3レーザ102−1〜302−1は、1つまたは必要に応じて適宜分断された半導体基板に作り込まれてもよい。これにより、第1〜第3レーザ102−1〜302−1を小型化して扱いを容易にすることが可能となる。
(変形例1−5)
また、種光として狭帯域のレーザ光を用いた場合、このレーザ光と基準光とが形成する回折像からレーザ光の絶対波長を求めることも可能である。以下、これを本実施の形態1の変形例1−5として、図面を用いて詳細に説明する。
図15は、本変形例1−5による絶対波長検出器110B/210B/310Bの概略構成を示す模式図である。なお、図15では、波長測定対象のレーザ光(LS1/LS2/LS3)を狭帯域発振線Lとして説明する。図15に示すように、絶対波長検出器110B/210B/310Bは、狭帯域発振線Lと所定波長の基準光Lとを合波するビームスプリッタ111Bと、狭帯域発振線Lと基準光Lとの合波光を絞り込む入射スリットstと、入射スリットstを介して入射した合波光を反射してコリメート光に変換する凹面ミラー112Bと、コリメートされた合波光を回折する回折格子113Bと、回折された合波光の回折像を所定の位置に結像する凹面ミラー114Bと、所定の位置に設けられて合波光の回折像を読み取るラインセンサ115Bと、を含む。
したがって、ラインセンサ115Bで読み取られた狭帯域発振線Lの回折像Kと基準光Lの回折像Kとから、これらの間の距離を求めることで、狭帯域発振線Lの絶対波長、すなわちレーザ光(LS1/LS2/LS3)の絶対波長を特定することが可能である。なお、特定された絶対波長は、第1〜第3コントローラ101〜301へそれぞれ入力される。
(変形例1−6)
また、種光として狭帯域のレーザ光を用いた場合の絶対波長検出器の他の例を、以下に本実施の形態1の変形例1−6として、図面を用いて詳細に説明する。
図16は、本変形例1−6による絶対波長検出器110C/210C/310Cの概略構成を示す模式図である。なお、図16においても、波長測定対象のレーザ光(LS1/LS2/LS3)を狭帯域発振線Lとして説明する。図16に示すように、絶対波長検出器110C/210C/310Cは、狭帯域発振線Lと所定波長の基準光LおよびLとを合波するビームスプリッタ111Cと、狭帯域発振線Lと基準光LおよびLとの合波光を拡散する拡散板112Cと、拡散された合波光のうち特定波長の光を選択的に透過するエタロン113Cと、エタロン113Cを透過した光を拡径するレンズ114Cと、所定の位置に設けられて狭帯域発振線Lと基準光LおよびLとが形成する干渉縞を読み取るラインセンサ115Cと、を含む。
ラインセンサ115Cの受光面には、狭帯域発振線Lと基準光LおよびLとによって環状の干渉縞V〜Vが形成される。したがって、ラインセンサ115Cで読み取られた狭帯域発振線Lの干渉縞Vの半径Rと、基準光Lの干渉縞Vの半径Rおよび基準光Lの干渉縞Vの半径Rとから、狭帯域発振線Lの絶対波長、すなわちレーザ光(LS1/LS2/LS3)の絶対波長を特定することが可能である。なお、特定された絶対波長は、第1〜第3コントローラ101〜301へそれぞれ入力される。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2によるイオン化レーザ装置を、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、上述の実施の形態1と同様に、イオン化のターゲットをSn原子とした場合を例に挙げる。したがって、本実施の形態2においても、ターゲット(Sn原子)のイオン化プロセスは、図1に示すプロセスと同様である。ただし、本発明はこれに限定されず、種々の原子または分子をイオン化ターゲットとすることが可能である。
図17は、本実施の形態2によるイオン化レーザ装置2の構成例を示す模式図である。図17に示すように、イオン化レーザ装置2は、上記実施の形態1によるイオン化レーザ装置1A(図3参照)と比較して、イオン化レーザ20がイオン化レーザ20Aに置き換えられている。イオン化レーザ20Aでは、イオン化レーザ20における第2レーザ装置200および第3レーザ装置300が第2レーザ装置200Aおよび第3レーザ装置300Aにそれぞれ置き換えられている。第2レーザ装置200Aおよび第3レーザ装置300Aは、第2レーザ装置200における第1レーザガルバトロン210Aと第3レーザ装置300における第2レーザガルバトロン310Aとの代わりに、実際にイオン化が行われる不図示のチャンバ内で発生したターゲットのイオン化量を測定するイオン化検出器510を備える。このイオン化検出器510は、いわゆるin−situのイオン化検出器であり、ターゲット(Sn原子)をイオン化するための不図示のチャンバに配置される。ただし、これに限定されず、イオン化された原子によって生じる電流からイオン化量を検出するイオン化検出器510の代わりに、イオン化された原子の質量からイオン化量を検出するイオン検出器を用いてもよい。
次に、図17に示すイオン化レーザ装置2の動作原理を、図面を用いて詳細に説明する図18は、図17に示すイオン化レーザ装置2の動作原理を説明するための模式図である。図18に示すように、イオン化レーザ20Aは、コントローラ10Aからの制御の下、第1レーザ光LS1と第2レーザ光LS2と第3レーザ光LS3とを適宜出力する。なお、コントローラ10Aは、第1〜第3コントローラ101〜301であっても、イオン化レーザコントローラ10であってもよい。
イオン化レーザ20Aから出力されたレーザ光(LS1、LS2、LS3)は、集光レンズCLZによって不図示のチャンバ内における所定の点へ集光される。ただし、この時レーザ光(LS1、LS2、LS3)がターゲット(Sn原子)Tsnをイオン化するのに必要な照射密度を満たしていれば集光レンズCLZは必ずしも必要でなく、また、集光形状は点でなくともよい。例えば線状や円面であってもよく、中性ガス状のターゲット分布にあわせた形状および強度分布を持たせてもよい。また集光レンズCLZは図18に示された単レンズではなくレンズ群としてレーザ光(LS1、LS2、LS3)の各波長による収差を小さくするようにしてもよく、非球面レンズとして同様の効果を得てもよい。特定の点に集光する場合、この所定の点には中性ガス(蒸気)状のターゲット(Sn原子)Tsnが存在する。このため、例えば図1に示すステップS1においてイオン化レーザ20Aに第1レーザ光LS1を出力させた場合、ターゲットTsnからは蛍光CSが放出される。イオン化用のチャンバ近傍に配置された蛍光検出器110Aは、この蛍光CSの強度を検出し、この検出結果をコントローラ10Aへ出力する。コントローラ10Aは、蛍光検出器110Aで検出される蛍光CSの強度が最大値を取るように、イオン化レーザ20Aを制御して第1レーザ光LS1の波長を調整する。
また、例えば図1に示すステップS2においてイオン化レーザ20Aに第1および第2レーザ光LS1およびLS2を出力させた場合、第1レーザ光LS1によって励起されたSn原子が第2レーザ光LS2の光子を2つ吸収することで(2光子吸収)、ターゲットTsnがイオン化する。イオン化検出器510は、このイオン化されたターゲットTsnの量(イオン化量)を検出し、この検出結果をコントローラ10Aへ出力する。コントローラ10Aは、イオン化検出器510で検出されるターゲットTsnのイオン化量が最大値を取るように、イオン化レーザ20Aを制御して第2レーザ光LS2の波長を調整する。
さらに、例えば図1に示すステップS3においてイオン化レーザ20Aに第1〜第3レーザ光LS1〜LS3を出力させた場合、第1レーザ光LS1によって励起されたSn原子が第2レーザ光LS2の光子と第3レーザ光LS3の光子とを1つずつ吸収することで(2光子吸収)、ターゲットが効率よくイオン化される。イオン化検出器510は、このイオン化されたターゲットTsnの量(イオン化量)を検出し、この検出結果をコントローラ10Aへ出力する。コントローラ10Aは、イオン化検出器510で検出されるターゲットTsnのイオン化量が最大値を取るように、イオン化レーザ20Aを制御して第3レーザ光LS2の波長を調整する。
次に、本実施の形態2によるイオン化レーザ装置2の動作について、図面を用いて詳細に説明する。図19は、本実施の形態2によるイオン化レーザ装置2の立ち上げ動作例を示すフローチャートである。図20は、本実施の形態2によるイオン化レーザ装置2の定常制動作例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、イオン化レーザ20Aを制御するイオン化レーザコントローラ10の動作およびイオン化レーザコントローラ10からの制御の下で第1〜第3レーザ装置100、200Aおよび300Aを制御する第1〜第3コントローラ101〜301の動作に着目して説明する。
図19に示すように、イオン化レーザコントローラ10は、立ち上げ動作を開始すると、イオン化レーザ20Aを粗同調させる(ステップS201)。具体的には、第1〜第3波長計103〜303で検出された波長から、第1〜第3レーザ102〜302がそれぞれ出力する第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の波長を第1〜第3ターゲット波長λ〜λへそれぞれ粗同調させる。なお、各ターゲット波長への粗同調は、上述において図6のステップS101、S104およびS107を用いて説明した行程と同様である。また、ステップS201によるイオン化レーザ20Aの粗同調は、これが完了するまで繰り返される(ステップS202のNo)。
イオン化レーザ20Aの粗同調が完了すると(ステップS202のYes)、次に、イオン化レーザコントローラ10は、第1レーザ光LS1をターゲットTsnへ照射させる(ステップS203)。これにより、不図示のチャンバ内において、ターゲットTsnが第1固有状態へ励起し、その後、脱励起する現象が発生する。
次に、イオン化レーザコントローラ10は、第1コントローラ101を制御して、第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λに同調させる(ステップS204)。このステップS204は、蛍光検出器110Aが検出する蛍光CSの強度が最大値となるまで繰り返される(ステップS205のNo)。例えば、第1コントローラ101は、第1レーザ102が出力する第1レーザ光LS1の波長を粗同調させた波長の近辺で変化させ、この過程で蛍光検出器110Aが検出する蛍光CSの強度スペクトルから強度が最大値となる波長を特定し、この波長を出力した際の状態に第1レーザ102を調整する。
蛍光CSの強度が最大値となると(ステップS205のYes)、次に、イオン化レーザコントローラ10は、第2コントローラ201を制御して、第2レーザ202の波長を第2ターゲット波長λに同調させる(ステップS206)。このステップS206は、イオン化検出器510が検出するターゲットTsnのイオン化量が最大値となるまで繰り返される(ステップS207のNo)。例えば、第2コントローラ201は、第2レーザ202が出力する第2レーザ光LS2の波長を粗同調させた波長の近辺で変化させ、この過程でイオン化検出器510が検出する電流値の変化(波長依存性)から電流値が最大値となる波長を特定し、この波長を出力した際の状態に第2レーザ202を調整する。
電流値(イオン化量)が最大値となると(ステップS207のYes)、次に、イオン化レーザコントローラ10は、ステップS206と同様に、第3コントローラ301を制御して、第3レーザ302の波長を第3ターゲット波長λに同調させる(ステップS208)。このステップS208は、イオン化検出器510が検出するターゲットTsnのイオン化量が最大値となるまで繰り返される(ステップS209のNo)。また、電流値(イオン化量)が最大値となると(ステップS209のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、立ち上げ動作を完了する。
以上のような立ち上げ動作を実行することで、上記実施の形態1と同様に、イオン化レーザ装置2が出力する複数のレーザ光(第1〜第3レーザ光LS1〜LS3)の波長を、イオン化プロセスの適切な順序に沿って、確実に所望の波長(第1〜第3ターゲット波長λ〜λ)に調整することが可能となる。この結果、全てのレーザ光の波長を目的の波長に容易且つ確実に合せ込むことが可能となる。
上記立ち上げ動作によって第1〜第3レーザ102〜302の波長が第1〜第3ターゲット波長λ〜λにそれぞれロックされると、イオン化レーザ装置2は、次に、第1〜第3レーザ光LS1〜LS3を安定した波長で定常的に出力する定常動作を実行する。
定常動作では、イオン化レーザコントローラ10は、図20に示すように、イオン化検出器510が検出するイオン化量の電流値から、ターゲットTsnのイオン化量をモニタし(ステップS211)、これによりモニタされたイオン化量が予め設定しておいた閾値もしくは図19のステップS201による粗同調直後の値(以下、これを第1閾値という)よりも大きいか否かを判定する(ステップS212)。ステップS212の判定の結果、イオン化量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS212のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、ステップS221へ移行する。
一方、イオン化量が第1閾値以下である場合(ステップS212のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、例えば図19のステップS206〜S209で説明した同調制御を1回以上繰り返すことで、第2および第3レーザ202および302の波長を第2および第3ターゲット波長λおよびλにそれぞれ同調させる(ステップS213)。
その後、イオン化レーザコントローラ10は、再度、イオン化量が第1閾値よりも大きいか否かを判定し(ステップS214)、第1閾値よりも大きい場合(ステップS214のYes)、ステップS221へ移行する。
一方、ステップS213の同調によってもイオン化量が第1閾値以下である場合(ステップS214のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、例えば図19のステップS204〜S205で説明した同調制御を1回以上繰り返すことで、第1レーザ102の波長を第1ターゲット波長λに同調させ(ステップS215)、この際に蛍光検出器110Aが検出する蛍光CSの強度が予め設定しておいた閾値もしくは図19のステップS201による粗同調直後の値(以下、これを第2閾値という)よりも大きいか否かを判定する(ステップS216)。ステップS216の判定の結果、蛍光CSの強度が第2閾値よりも大きい場合(ステップS216のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、ステップ221へ移行する。
一方、蛍光CSの強度が第2閾値以下である場合(ステップS216のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、第1〜第3レーザが出力する第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の波長をモニタし(ステップS217)、これらの波長がそれぞれ第1〜第3ターゲット波長λ〜λにロックされているか否かを判定する(ステップS218)。
ステップS218の判定の結果、第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の波長がそれぞれ第1〜第3ターゲット波長λ〜λにロックされている場合(ステップS218のYes)、イオン化レーザコントローラ10は、不調の原因がその他の要因によるものであると判断し、所定の制御を実行する(ステップS219)。なお、所定の制御とは、イオン化レーザ装置2の操作者に対する報知(警告等)や電源のシャットダウンなどを含む。
一方、ステップS218の判定の結果、第1〜第3レーザ光LS1〜LS3の波長がそれぞれ第1〜第3ターゲット波長λ〜λにロックされていない場合(ステップS218のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、例えば図19に示す立ち上げ動作を再度実行することで、第1〜第3レーザ101〜301の波長をそれぞれ第1〜第3ターゲット波長λ〜λに同調させる(ステップS220)。その後、イオン化レーザコントローラ10は、定常動作の終了指示が例えば操作者等から入力されているか否かを判定し(ステップS221)、終了指示が入力されている場合(ステップS221のYes)、定常動作を終了する。一方、終了指示が入力されていない場合(ステップS221のNo)、イオン化レーザコントローラ10は、ステップS211へ帰還して、再度同様の動作を実行する。
以上のような定常動作を実行することで、上記実施の形態1と同様に、イオン化レーザ装置2が出力する複数のレーザ光(第1〜第3レーザ光LS1〜LS3)のいずれか1つでも所望の波長(第1〜第3ターゲット波長λ〜λ)からずれた場合には、波長のずれたレーザ光から波長調整をし直すことが可能となる。このため、全レーザ光の波長調整が必要でない場合に最初から全レーザ光の波長調整をし直すなどの手間を省きつつ、容易且つ適切に全てのレーザ光を所望の波長にそれぞれロックすることが可能となる。この結果、複数のレーザ光を用いる場合でも高いイオン化率でターゲットをイオン化できるイオン化レーザ装置を実現することができる。
<実施の形態3>
次に、上述した各実施の形態によるイオン化レーザ装置を用いた極端紫外光光源装置(EUVレーザ装置)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、上述の実施の形態2によるイオン化レーザ装置2を用いた場合を例に挙げるが、本発明はこれに限定されず、上記した実施の形態1またはその変形例によるイオン化レーザ装置を用いることも可能であることは言うまでもない。
図21は、本実施の形態3によるEUVレーザ装置3の概略構成を示す模式断面図である。図21に示すように、EUVレーザ装置3は、ターゲット(Sn原子)をイオン化するためのチャンバであるEUV生成チャンバ40と、イオン化レーザ装置2を構成するイオン化レーザ20A、蛍光検出器110Aおよびイオン化検出器510と、EUV生成チャンバ40内でプラズマ化またはイオン化したターゲットTsnを排出する方向へ導くための磁力線51を形成する電磁コイル50Aおよび50Bと、を備える。なお、説明の都合上、イオン化レーザ装置2におけるイオン化レーザコントローラ10は不図示とするが、このイオン化レーザコントローラ10もEUVレーザ装置3に含まれる。
EUV生成チャンバ40には、光学窓41、42および43と、EUV生成チャンバ40内で発生したEUV光(極端紫外光)を外部の露光機へ導く露光機接続ポート45と、を備える。光学窓41からは、EUV生成チャンバ40内のターゲットTsnをプラズマ化するためのEUVプラズマ生成用レーザ光PLSが入射する。このEUVプラズマ生成用レーザ光PLSは、EUV生成チャンバ40内におけるガス状(蒸気状)のターゲットTsnが集中する点(EUV光発生源F)にフォーカスされる。したがって、このEUV光発生点FにおいてEUVプラズマ生成用レーザ光PLSが照射されたターゲットTsnからEUV光が発生する。
EUV生成チャンバ40内には、EUV光発生点Fで発生したEUV光を露光機接続ポート45へ集光するためのEUV光集光ミラー44が設けられている。したがって、EUV光発生点Fで発生したEUV光は、直接またはEUV光集光ミラー44で反射した後、露光機接続ポート45から不図示の露光機へ導波される。
通常、EUVプラズマ生成用レーザ光PLSによってプラズマ化したターゲットTsnは、電磁コイル50Aおよび50Bが形成する磁力線51によってEUV光発生点Fから遠ざかる方向へ導かれ、イオン化検出器510に捕集される。これにより、EUV光発生点F付近に配置されるEUV集光ミラー44へのSnイオンの衝突によるエロージョンを阻止し、このエロージョンによる反射率低下を防止する。ただし、磁力線51によって排出される原子は、電荷を持った原子だけである。そのため、EUVプラズマ生成用レーザ光PLSによってプラズマ化しなかったターゲットTsnは、磁力線51を用いて効率的に排出することができない。プラズマ化しなかったターゲットTsnはいわゆるデブリとなりEUV生成チャンバ40内に漂う。一部のデブリはEUV集光ミラー44に付着してその反射率を低下させる。これにより、EUV光の効率的な集光および捕集が不可能となる。また、EUV集光ミラー44はデブリの付着量に応じて反射率が低下する。EUV光発生の度に付着量が増加して反射率が低下してゆくので安定的にEUV光を露光機に導波することができなくなる。ついには、EUV集光ミラー44をクリーニングまたは交換する必要が生じ、スループットの低下やランニングコスト増大の原因となる。さらに、デブリは光学窓に付着して窓を通る光の透過率を低下させたり、露光機接続ポート45を介して露光機に流入してコンタミネーションを発生させたりするのでEUVレーザ装置全体に悪影響を及ぼす。
そこで、本実施の形態3によるEUVレーザ装置3は、イオン化レーザ装置2を用いてターゲットTsnの大部分を確実にイオン化する。これにより、ターゲットTsnの大部分を確実に捕集することが可能となるため、デブリの発生を抑制してEUV集光ミラー44へのデブリ付着と装置内拡散とを防止できる。この結果、効率的且つ安定的なEUV光の発生が可能となる。
ターゲットTsnのイオン化に用いるレーザ光(LS1〜LS3)は、イオン化レーザ20Aから光学窓42を介してEUV光発生点Fへ照射される。そこで、まず、イオン化レーザ20Aが第1レーザ光LS1を出力すると、EUV光発生点FではターゲットTsnであるSn原子の第1固有状態への励起が発生する。また、第1固有状態へ励起したSn原子は上述したように直ちに脱励起後固有状態へ脱励起する。この際、Sn原子からは蛍光CSが放射される。EUV光発生点FにおいてSn原子から放出される蛍光CSの強度は、光学窓43を介して蛍光検出器110Aによって検出される。不図示のイオン化レーザコントローラ10は、この際に蛍光検出器110Aが検出した蛍光CSの強度に基づいて、イオン化レーザ20Aが出力する第1レーザ光LS1の波長が第1ターゲット波長λとなるように、イオン化レーザ20Aをフィードバック制御する。なお、このフィードバック制御の具体例は、上述した実施の形態2と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、第1レーザ光LS1の波長を第1ターゲット波長λにロックすると、イオン化レーザコントローラ10は、続いて第1レーザ光LS1に加えて第2レーザ光LS2を出力する。この際、第1固有状態に励起したSn原子による第2レーザ光LS2の2光子吸収が発生して、Sn原子がイオン化する。イオン化したSn原子(デブリとしてのターゲットTsn)は、磁力線51によるイオン化したSn原子の排出軌道上に配置されたイオン化検出器510へ導かれる。イオン化レーザコントローラ10は、イオン化検出器510によって検出された、イオン化されたSn原子によって流れる電流に基づいて、イオン化レーザ20Aが出力する第2レーザ光LS2の波長が第2ターゲット波長λとなるように、イオン化レーザ20Aをフィードバック制御する。なお、このフィードバック制御の具体例は、上述した実施の形態2と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
続いて、第1および第2レーザ光LS1およびLS2を第1および第2ターゲット波長λおよびλにそれぞれロックすると、イオン化レーザコントローラ10は、続いて第1および第2レーザ光LS1およびLS2に加えて第3レーザ光LS3を出力する。この結果、第1固有状態に励起したSn原子が、第2レーザ光LS2の1光子と第3レーザ光LS3の1光子とを吸収することでイオン化する。イオン化したSn原子は、上述したように、磁力線51によってEUV光発生点Fから外れた位置に配置されたイオン化検出器510へ導かれ捕集される。そこで、イオン化レーザコントローラ10は、イオン化検出器510によって検出された、イオン化されたSn原子によって流れる電流に基づいて、イオン化レーザ20Aが出力する第3レーザ光LS3の波長が第3ターゲット波長λとなるように、イオン化レーザ20Aをフィードバック制御する。なお、このフィードバック制御の具体例は、上述した実施の形態2と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のように構成および動作することで、本実施の形態3では、プラズマ化しなかったターゲットTsnがいわゆるデブリとしてEUV集光ミラー44に付着、装置内拡散するのを防止し、ターゲットTsnの大部分をイオン化して捕集するので、効率的且つ安定してEUV光を発生させることが可能なEUVレーザ装置3を実現することができる。なお、本実施の形態3では電磁コイル50Aおよび50Bが形成する磁場を用いてイオン化されたターゲットを排出したが、帯電粒子であるイオン化されたターゲットは電場によっても捕集可能である。この場合、EUV光発生点付近にイオン化検出器の方向にイオン化されたターゲットを排出できるよう高電圧を印加できる電極を配置しても良い。このときの高電圧は一定電圧であっても、イオン化レーザの照射に同期したパルス電圧であっても良い。
(変形例3−1)
次に、本実施の形態3によるEUVレーザ装置3の変形例3−1について、図面を用いて詳細に説明する。上述の実施の形態3では、第1レーザ光LS1によるターゲットTsnの励起効率の検出に、いわゆるin−situの蛍光検出器110Aを用いた。これに対し、本変形例3−1では、いわゆるin−situの蛍光検出器610を用いる。
図22Aおよび図22Bは、本変形例3−1によるEUVレーザ装置3Aの概略構成を示す模式断面図である。なお、図22Bは、図22AにおけるA−A断面図である。図22Aおよび図22Bに示すように、EUVレーザ装置3Aは、図21に示すEUVレーザ装置3と同様の構成において、蛍光検出器110Aが、いわゆるin−situの蛍光検出器610に置き換えられている。また、これに伴い、EUV生成チャンバ40内のEUV光発生点Fで発生した蛍光CSを観察するための光学窓42が、EUVプラズマ生成用レーザ光PLSの光軸と垂直な方向からEUV光発生点Fを観察可能にする光学窓46に置き換えられている。
蛍光検出器610は、上記実施の形態1の変形例1−2において図12を用いて説明した蛍光検出器110A−1と同様の構成として、転写レンズ117と背景光遮断フィルタ118と光検出器119とを備える。ただし、本変形例3−1による蛍光検出器610は、いわゆるin−situの蛍光検出器であるため、蒸気封入セル111がEUV生成チャンバ40に置き換えられる。
この構成において、第1レーザ光LS1によって励起したターゲットTsnの脱励起時にEUV光発生点Fで放出された蛍光CSは、光学窓46の外側に配置された転写レンズ117によって、光検出器119の像検出面に導かれる。このとき転写レンズ117により視野を限定して背景光を低減している。光検出器119は、EUV光発生点Fから導かれた蛍光CSの強度を検出し、この検出結果を第1コントローラ101へ出力する。なお、光検出器119の検出面に、蛍光CSの波長以外の波長の光、例えばプラズマ化したターゲットTsnからの背景光を遮光する背景光遮断フィルタ118を設ける。これにより、より正確に蛍光CSの強度を検出することが可能となる。なお、他の構成および動作は、上記した実施の形態3と同様であるため、ここでは所作否説明を省略する。
以上のように構成および動作することで、本変形例3−1では、上述した実施の形態3と同様に、プラズマ化しなかったターゲットTsnがいわゆるデブリとしてEUV集光ミラー44に付着、装置内拡散するのを防止し、ターゲットTsnの大部分をイオン化して捕集するので、効率的且つ安定してEUV光を発生させることが可能なEUVレーザ装置3Aを実現することができる。
また、上記実施の形態およびその変形例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。例えば各実施の形態に対して適宜例示した変形例は、他の実施の形態に対して適用することも可能であることは言うまでもない。
1、1A、1A−1、2 イオン化レーザ装置
3、3A EUVレーザ装置
10 イオン化レーザコントローラ
10A コントローラ
20、20A、20−1 イオン化レーザ
30 合波光学系
32、33 合波器
40 EUV生成チャンバ
41、42、43、46 光学窓
44 EUV光集光ミラー
45 露光機接続ポート
50A、50B 電磁コイル
51 磁力線
100〜400 第1〜第4レーザ装置
101〜401 第1〜第4コントローラ
102〜402 第1〜第4レーザ
102−1〜302−1 第1〜第3レーザ
103〜403 第1〜第4波長計
110〜310 第1〜第3絶対波長検出器
110A、110A−1、610 蛍光検出器
110B、110C、210B、210C、310B、310C 絶対波長検出器
111 蒸気封入セル
111B、111C ビームスプリッタ
112 蒸気生成器
112B 凹面ミラー
112C 拡散板
113 Sn蒸気
113B 回折格子
113C エタロン
114 光入射窓
114B 凹面ミラー
114C レンズ
115 光出射窓
115B、115C ラインセンサ
116 光取出窓
117 転写レンズ
118 背景光遮断フィルタ
119 光検出器
121〜321、121−1〜321−1 狭帯化半導体レーザ
122 Ybファイバ増幅器
122−1〜322−1 狭帯化レーザ発振器
123 4倍波発生器
123−1 3倍波発生器
125−1 Nd:YVO4レーザ
124−1 2倍波発生器
126−1 反射ミラー
127−1〜327−1 ダイクロイックミラー
200A〜300A 第2〜第3レーザ装置
210A〜410A 第1〜第3レーザガルバトロン
210A−1、310A−1 光吸収検出器
211 フォロカソードランプ
212 希ガス封入ガラス管
214 光センサ
222、322 パラメトリック発振器
223 Ybファイバレーザ
510 イオン化検出器
An 陽極
Ca 陰極
CLZ 集光レンズ
CS 蛍光
CSo 蛍光発生点
E0、E1、E2、E3、ES1 軌道
F EUV光発生点
Hvs 高圧電源
K 基準光Lの回折像
狭帯域発振線Lの回折像
L、L、L 基準光
狭帯域発振線
LS、LSa 合波レーザ光
LS1〜LS4 第1〜第4レーザ光
LS1a、LS1b、LS2a、LS3a レーザ光
PLS EUVプラズマ生成用レーザ光
干渉渦Vの半径
干渉渦Vの半径
干渉渦Vの半径
Tsn ターゲット
狭帯域発振線Lの干渉渦
基準光Lの干渉渦
基準光Lの干渉渦
st 入射スリット

Claims (12)

  1. 1つ以上の励起状態を経てターゲットをイオン化させるためのレーザ光を出力するイオン化レーザ装置であって、
    前記ターゲットを励起させる励起用レーザ光を出力する励起用レーザ出力手段と、
    前記励起用レーザ光の絶対波長を検出する励起用絶対波長検出手段と、
    前記励起用レーザ光により励起したターゲットをイオン化するイオン化用レーザ光を出力するイオン化用レーザ出力手段と、
    前記イオン化用レーザ光によってイオン化した原子または分子の量を検出するイオン量検出手段と、
    前記励起用絶対波長検出手段で検出された前記励起用レーザ光の絶対波長に基づいて前記励起用レーザ出力手段を制御して前記励起化用レーザ光の波長を調節するとともに、前記イオン量検出手段で検出された前記イオン化した原子または分子の量に基づいて前記イオン化用レーザ出力手段を制御して前記イオン化用レーザ光の波長を調節する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするイオン化レーザ装置。
  2. 前記制御手段は、前記イオン量検出手段で検出された前記イオン化した原子または分子の量が最大値となるように前記イオン化用レーザ出力手段を制御して前記イオン化用レーザ光の波長を調節することを特徴とする請求項1に記載のイオン化レーザ装置。
  3. 前記励起用レーザ光の波長を検出する励起用波長検出手段と、
    前記イオン化用レーザ光の波長を検出するイオン化用波長検出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記励起用波長検出手段で検出された前記励起用レーザ光の波長に基づいて該励起用レーザ光の波長を励起用の第1波長に粗同調させた後、前記励起用絶対波長検出手段で検出された前記励起用レーザ光の絶対波長に基づいて該励起用レーザ光の絶対波長を前記第1波長に同調させ、また、前記イオン化用波長検出手段で検出された前記イオン化用レーザ光の波長に基づいて該イオン化用レーザ光の波長をイオン化用の第2波長に粗同調させた後、前記イオン量検出手段で検出された前記イオン化した原子または分子の量が最大値となるように前記イオン化用レーザ出力手段を制御して前記イオン化用レーザ光の波長を前記第2波長に同調させることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン化レーザ装置。
  4. 前記励起用絶対波長検出手段は、前記励起用レーザ光によって励起した前記ターゲットまたは該ターゲットと同種の原子または分子が脱励起する際に放出する蛍光の強度から前記励起用レーザ光の絶対波長を検出する蛍光検出器を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  5. 前記励起用絶対波長検出手段は、入射したレーザ光の波長に応じたオプトガルバノ信号を出力するオプトガルバニック分光放電管を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  6. 前記励起用絶対波長検出手段は、入射したレーザ光の波長に応じて該レーザ光を吸収するターゲット物質の原子源と、該ターゲット物質の原子源を通過した前記レーザ光を検出する光センサと、よりなる光吸収検出器を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  7. 前記励起用絶対波長検出手段は、入射したレーザ光と所定波長の基準光とが所定の面に形成する回折像に基づいて前記レーザ光の絶対波長を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  8. 前記励起用絶対波長検出手段は、入射したレーザ光と所定波長の基準光とが所定の面に形成する干渉縞に基づいて前記レーザ光の絶対波長を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  9. 前記励起用レーザ出力手段および前記イオン化用レーザ出力手段は、種光源に半導体レーザを用いたファイバレーザであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  10. 前記励起用レーザ出力手段および前記イオン化用レーザ出力手段は、半導体基板に作り込まれた半導体レーザであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  11. 前記ターゲットは、ガス状のSn原子であり、
    前記イオン化用レーザ出力手段は、前記励起用レーザ光によって第1の励起状態へ励起したターゲットを第2の励起状態へ励起させる第1イオン化用レーザ光を出力する第1イオン化レーザ出力手段と、前記第2の励起状態にある前記ターゲットをイオン化させる前記第2イオン化用レーザ光を出力する第2イオン化用レーザ出力手段と、を含み、前記制御手段は、前記励起用レーザ出力手段と前記第1イオン化用レーザ出力手段とを駆動した際に前記イオン量検出手段で検出された前記イオン化した原子または分子の量に基づいて前記第1イオン化用レーザ出力手段が出力する前記第1イオン化用レーザ光の波長を調整し、前記励起用レーザ出力手段と前記第1イオン化用レーザ出力手段と前記第2イオン化用レーザ出力手段とを駆動した際に前記イオン量検出手段で検出された前記イオン化した原子または分子の量に基づいて前記第2イオン化用レーザ出力手段が出力する前記第2イオン化用レーザ光の波長を調整することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置。
  12. ターゲットにレーザビームを照射することにより極端紫外光を発生する光源装置であって、
    極端紫外光の生成が行われるチャンバと、
    前記チャンバ内に供給されたターゲット物質と、
    前記ターゲットにEUVプラズマ生成用レーザ光を照射することによりプラズマを発生させるEUVプラズマ生成用レーザ光源と、
    前記プラズマから放射される極端紫外光を集光する集光光学系と、
    前記プラズマの領域にイオン化レーザ光を照射して中性粒子をイオン化するイオン化レーザ装置を含み、前記プラズマから放出される粒子に含まれている中性粒子をイオン化して帯電粒子とするイオン化手段と、
    少なくとも、前記イオン化手段によってイオン化された帯電粒子を捕集するために、前記チャンバ内に磁場を形成する磁場形成手段もしくは前記チャンバ内に電場を形成する電場形成手段と、
    請求項1〜11のいずれか一つに記載のイオン化レーザ装置と、
    を備えたことを特徴とする極端紫外光光源装置。
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