JP5599415B2 - エレベータのかご枠 - Google Patents
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Description
そこで、防振部材設置領域の真下位置における上側の前後梁用フランジ部の曲げに対する剛性が実質的に高められるので、板厚を厚くすることなく、かご室の荷重に起因する上側の前後梁用フランジ部の変形を抑えることができ、製造コストを低減できるとともに、軽量化を図ることができる。また、防振部材の設置領域が変わっても、横梁の端部の前後梁の開口内への挿入位置を防振部材の設置領域に合わせて変えることで対処でき、防振部材の設計変更に容易に対応できる。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの乗りかごの構成を模式的に示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのかご枠におけるかご室支持構造を説明する要部斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのかご枠における横梁の構成を示す要部斜視図である。
横梁13は、ウェブ部14と、ウェブ部14の幅方向の両端から同じ側に直角に折り曲げて形成されている一対のフランジ部15と、ウェブ部14の長さ方向両端から同じ側に直角に折り曲げて形成され、一対のフランジ部15を長さ方向に挟むように配置される補強部としての一対の第1折り返し部16と、一対の第1折り返し部16の先端から同じ側に直角に折り曲げて形成され、一対のフランジ部15の先端に対して所定距離離間してウェブ部14と対向するように配置される補強部としての一対の第2折り返し部17と、を有する。なお、横梁13は、鋼板を曲げ成形して断面コ字状に作製された溝形鋼の端部側を折り曲げ加工して構成される。
防振ゴム3は、前後梁10のフランジ部12の幅D1に略一致する幅、長さW1、および所定の厚みを有する直方体に作製されている。前後梁10は、かご室2の奥行き方向長さと略等しい長さを有し、横梁13は、かご室2の幅方向長さより僅かに短い長さを有している。また、一対のフランジ部15の外面間の距離(横梁13の高さ)、すなわち第1折り返し部16および第2折り返し部17の高さH2は、一対のフランジ部12の内面間の距離H1と略一致している。ウェブ部14の外面と第2折り返し部17の外面との間の長さW2は、防振ゴム3の長さW1と略一致している。第2折り返し部17の幅D2は、フランジ部12の幅D1より僅かに短い。
ここで、第1および第2折り返し部16,17がない場合には、上側のフランジ部12の変形は、一対のフランジ部12間に挿入されているウェブ部14と一対のフランジ部15とで受けられる。そして、ウェブ部14は、一対のフランジ部12の長さ方向の端部間にフランジ部12の内面と直交するように挿入されているので、上側のフランジ部12の先端側が下方に沈む変位はウェブ部14で受けられ、上側のフランジ部12の図2中Aにおける変形は阻止される。しかし、フランジ部15は片持ち支持であることから、上側のフランジ部12の図2中Bにおける変形は避けられない。
上側のフランジ部12の変形を抑制する第2折り返し部17が横梁13に一体に形成され、しかも簡易に作製できるので、防振ゴム3の設計変更に容易に対応できる。
また、かご室2の重量が非常に重い場合には、板厚を厚くする必要がある。しかし、特許文献1のように凸部形成治具をウェジ部の上面から開口方向に押し込んで張り出し凸部を形成する方法では、板厚が厚くなった場合には、対応できない。この実施の形態1では、横梁13を平面上に展開した形状に打ち抜かれた鋼板を曲げ加工して作製できるので、板厚が厚くなった場合にも、十分対応できる。
図4はこの発明の実施の形態2に係るエレベータのかご枠におけるかご室支持構造を説明する要部斜視図、図5はこの発明の実施の形態2に係るエレベータのかご枠における横梁の構成を示す要部斜視図である。
このように構成された一対の横梁13Aが、両端部を、前後梁10の長さ方向の端部側に挿入され、断面コ字状の開口側を向き合わせて、互いに平行に配置される。このとき、第2折り返し部17の先端面が一対のフランジ部12の先端面とほぼ面一となっている。そして、フランジ部12とフランジ部15とを溶接、ボルトなどにより接合し、下枠5Aが組み立てられている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態2によれば、横梁13Aの両端部が閉断面で構成されているので、横梁13Aの両端部における横荷重、ねじり、あるいは曲げに対する抵抗力が高くなり、前後梁10および横梁13Aの材料である鋼板の板厚を厚くすることなく、防振ゴム3の設置領域における前後梁10の上側のフランジ部12の変形を抑制することができる。
図6はこの発明の実施の形態3に係るエレベータのかご枠におけるかご室支持構造を説明する要部斜視図、図7はこの発明の実施の形態3に係るエレベータのかご枠における横梁の構成を示す要部斜視図である。
このように構成された一対の横梁13Bは、両端部を、前後梁10の長さ方向の端部側に挿入され、断面コ字状の開口側を向き合わせて、互いに平行に配置される。このとき、第1折り返し部16の先端が、防振ゴム3の設置領域の前後梁10の長さ方向の内側縁部と一対のフランジ部12の先端面との交差部の近傍に位置している。そして、フランジ部12とフランジ部15とを溶接、ボルトなどにより接合し、下枠5Bが組み立てられている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態3によれば、第2折り曲げ部17が不要となるので、折り曲げ加工の回数が減り、加工コストを削減することができる。
図8はこの発明の実施の形態4に係るエレベータのかご枠におけるかご室支持構造を説明する要部斜視図、図9はこの発明の実施の形態4に係るエレベータのかご枠における横梁の構成を示す要部斜視図である。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
図10はこの発明の実施の形態5に係るエレベータのかご枠におけるかご室支持構造を説明する要部斜視図、図11はこの発明の実施の形態5に係るエレベータのかご枠における横梁の構成を示す要部斜視図である。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
図12はこの発明の実施の形態6に係るエレベータのかご枠におけるかご室支持構造を説明する要部斜視図、図13はこの発明の実施の形態6に係るエレベータのかご枠における横梁の構成を示す要部斜視図である。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
また、上記実施の形態6では、拡張部を横梁の一対のフランジ部の端部に形成するものとしているが、拡張部はより大きな変形を受ける横梁の上側のフランジ部の端部のみに形成してもよい。
図14はこの発明の実施の形態7に係るエレベータのかご枠における横梁の構成を示す要部斜視図である。
なお、他の構成は上記実施の形態6と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態7においても、上記実施の形態6と同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、防振ゴムが前後梁の長さ方向の両端部に設置されるものとしているが、防振ゴムはさらに前後梁の長さ方向の中央に設置してもよい。この場合、横梁で一対の前後梁の長さ方向の中央部間を連結することになる。
Claims (3)
- かご室の荷重を防振部材を介して支持する下枠と、上記かご室の天井の上部に配設される上枠と、上記かご室の両側に直立して配設され、上記下枠と上記上枠とを連結する縦枠と、を備えるエレベータのかご枠において、
上記下枠は、
それぞれ、前後梁用ウェブ部、および該前後梁用ウェブ部の幅方向の両端から同じ側に直角に折り曲げて形成されている一対の前後梁用フランジ部を有する溝形鋼により構成され、上記かご室の幅方向に離間して、開口側を向き合うように互いに平行に配列され、上記防振部材が上側の前後梁用フランジ部の外面に設置される一対の前後梁と、
それぞれ、横梁用ウェブ部、および該横梁用ウェブ部の幅方向の両端から同じ側に直角に折り曲げて形成されている一対の横梁用フランジ部を有する溝形鋼により構成され、両端部が上記一対の前後梁の開口内の防振部材設置領域の真下位置に挿入されて、該一対の前後梁間を連結する横梁と、を有し、
上記前後梁の開口内に挿入された上記横梁の両端部は、上記一対の前後梁用フランジ部の内面間の距離に一致する高さを有し、上記前後梁の長さ方向に関し、上記防振部材設置領域の全領域に略重なるように構成され、
補強部が、上記横梁用ウェブ部の長さ方向の両端部から、または上記横梁用フランジ部の長さ方向の両端部の先端から折り曲げて構成され、上記前後梁の開口内の防振部材設置領域の真下位置に、上記前後梁用フランジ部の内面と直交するように配置されていることを特徴とするエレベータのかご枠。 - かご室の荷重を防振部材を介して支持する下枠と、上記かご室の天井の上部に配設される上枠と、上記かご室の両側に直立して配設され、上記下枠と上記上枠とを連結する縦枠と、を備えるエレベータのかご枠において、
上記下枠は、
それぞれ、前後梁用ウェブ部、および該前後梁用ウェブ部の幅方向の両端から同じ側に直角に折り曲げて形成されている一対の前後梁用フランジ部を有する溝形鋼により構成され、上記かご室の幅方向に離間して、開口側を向き合うように互いに平行に配列され、上記防振部材が上側の前後梁用フランジ部の外面に設置される一対の前後梁と、
それぞれ、横梁用ウェブ部、および該横梁用ウェブ部の幅方向の両端から同じ側に直角に折り曲げて形成されている一対の横梁用フランジ部を有する溝形鋼により構成され、両端部が上記一対の前後梁の開口内の防振部材設置領域の真下位置に挿入されて、該一対の前後梁間を連結する横梁と、を有し、
上記前後梁の開口内に挿入された上記横梁の両端部は、上記一対の前後梁用フランジ部の内面間の距離に一致する高さを有し、上記前後梁の長さ方向に関し、上記防振部材設置領域の全領域に略重なるように構成され、
補強部が、上側の上記横梁用フランジ部の長さ方向の両端部を幅方向に拡張して構成され、上記前後梁の開口内の防振部材設置領域の真下位置に、該前後梁の長さ方向に上側の上記前後梁用フランジ部と接するように配置されていることを特徴とするエレベータのかご枠。 - 上記前後梁の開口内に挿入されている上記横梁の両端部およびその近傍の高さが、上記一対の前後梁用フランジ部の内面間の距離に一致し、かつ上記横梁の両端部近傍の間の部位の高さが、上記横梁の両端部およびその近傍の高さより低くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのかご枠。
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