[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5592080B2 - 細胞培養方法、細胞培養システム - Google Patents

細胞培養方法、細胞培養システム Download PDF

Info

Publication number
JP5592080B2
JP5592080B2 JP2009113249A JP2009113249A JP5592080B2 JP 5592080 B2 JP5592080 B2 JP 5592080B2 JP 2009113249 A JP2009113249 A JP 2009113249A JP 2009113249 A JP2009113249 A JP 2009113249A JP 5592080 B2 JP5592080 B2 JP 5592080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
packaging
contamination
sample
package
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009113249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010259378A (ja
Inventor
理 小澤
洋人 増田
匠 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2009113249A priority Critical patent/JP5592080B2/ja
Publication of JP2010259378A publication Critical patent/JP2010259378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5592080B2 publication Critical patent/JP5592080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M37/00Means for sterilizing, maintaining sterile conditions or avoiding chemical or biological contamination
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/12Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of temperature
    • C12M41/14Incubators; Climatic chambers

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、細胞培養を無菌状態で行うシステム、特に移植医療のためのヒト細胞組織を培養するに好適な細胞培養方法及び細胞培養システムに関する。
複数の細胞培養を順次行う場合における交叉汚染を防止する方法の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の無菌培養装置は、アイソレータ型の作業室と、同じくアイソレータ型の複数の培養器(インキュベータ)と、それらの間で培養容器を橋渡しする密封移送容器とを備える。作業室は遠心機や顕微鏡などの機器を備える。密封移送容器と、作業室や培養器は、互いに無菌状態を保ったまま接離可能な接続ポートを備える。作業室で原料組織試料の前処理を行い、得られた被培養物(細胞)を培養容器に格納し、密封移送容器を用いて培養容器を培養器へ移送し、培養器内で細胞培養を行う。ある細胞に関する培養操作を完了後、作業室と、使用した培養器及び密封移送容器とをガス滅菌したうえで、次の細胞の培養操作を開始することにより、複数種類の細胞試料の相互間の交叉汚染を防止している。
また、培養容器の汚染防止法の一例が特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載のキャニスタは、複数の培養容器を収納可能な箱であり、通気と透湿のためのフィルタを備え、それ以外は密閉可能な構造とすることにより交叉汚染を防止し、また細胞観察のための透明な壁面を有する。
更に、滅菌済みの消耗品等をクリーン度の高いエリアに入庫する方法が特許文献3に記載されている。この特許文献3に記載の入庫方法では、エリアを、そのクリーン度が外部から内部に向かうに従い上昇する様に段階的なクリーン度をもつ複数のエリアに分割し、エリア同士の接続部にパスボックスを設ける。滅菌袋などを用いて滅菌物に多重包装を施し、滅菌物をクリーン度の高いエリアに入庫する際、各パスボックスにおいて滅菌物の包装(滅菌袋)を外側から廃棄する。これにより、滅菌物に施した包装の外面に付着した環境由来の汚染がクリーン度の高いエリアに混入することを防止している。
特開2005−278565号公報 実用新案登録第3134034号公報 特開2008−239168号公報
上述の各特許文献に代表される従来技術には以下の課題が考えられる。まず、特許文献1のごとく、無菌の作業室の内部に遠心機や顕微鏡などの機器類を設置して用いると、この作業室をガス滅菌する際に滅菌ガス(酸化力の高い過酸化水素ガス)がこれら機器類を腐食して性能を劣化させ、誤動作を引き起こし、寿命を縮めるという課題がある。
また、特許文献2のごとく、無菌培養室の外部にインキュベータや顕微鏡などの機器類を設置して用いると、細胞試料の汚染を防止するために、大型で取り扱いが困難なキャニスタが必要となる。また、このキャニスタは遠心分離には対応できないという課題がある。
更に、特許文献2と特許文献3を組合せ、特許文献2におけるキャニスタを、特許文献3に記載の包装類に置き換える方法も考えられる。即ち、遠心分離機用の容器(遠沈管)や細胞培養容器などの容器を滅菌袋で包装した上で外部装置を用いた操作を行うことにより、外部装置からの汚染を包装の外部表面に留め、容器を無菌培養室の内部に入庫する際、包装(滅菌袋)を廃棄することにより、外部からの汚染を包装と共に除去し、無菌培養室の汚染を防止する可能性が期待される。しかしながら、特許文献2と特許文献3を組み合わせただけでは必ずしも汚染を防止できない場合がある。即ち、特に遠心分離を行った容器を無菌培養室の内部に戻すと、例え前述の包装を行っても、例えば容器の外面が容器内の細胞試料によって汚染されて(後述)、無菌培養室が汚染される場合があるという課題がある。
上記課題について更に検討する。例えば、無菌培養室などの無菌領域の外(以下無菌領域外)に遠心機や顕微鏡を設置すると、これら機器類は、その無菌性が必ずしも保証されないため、微生物や他の細胞などで汚染される可能性がある。細胞試料が遠沈管や培養容器などの容器に収納され、この細胞試料を収納した容器を無菌領域外に搬出して遠心操作や顕微鏡観察などを行うと、これら機器類から、微生物や他の細胞などが容器外壁等に付着する可能性がある。この容器を無菌領域内に搬入すると、容器外壁等に付着した汚染が無菌領域内に持ち込まれ、無菌領域内を汚染する危険性がある。そして、無菌領域で容器を解放系で(蓋などを開けて)取り扱う際、汚染が更に容器内部に波及し、結果として細胞試料が汚染されるリスクもある。このリスクは、前述の方法、即ち無菌領域内から無菌領域外に容器を搬出する際に特許文献3に倣って包装を施し、無菌領域外から無菌領域内に容器を搬入する際に包装を破棄することにより、原理的には防止することが可能である。
一方、上述の方法だけでは汚染を防止し切れないケースについて詳細に検討する。つまり、特に遠沈管を用いて遠心分離を行った場合、容器の内容物が容器の外に極微量漏出する現象が確認された。この場合、容器の外に漏出した内容物は包装の内壁ばかりでなく、容器の外壁にも付着しうる。容器を無菌領域外から無菌領域内に持ち込む際、包装を破棄することにより包装の内壁の汚染は除去されるものの、容器の外壁の汚染は除去されない。従って、容器外壁等に付着した汚染が無菌領域内に持ち込まれ、それが無菌領域内を汚染すると考えられる。以降、このような容器内の細胞試料自体に由来する汚染を内因性汚染と呼ぶ。また無菌領域外に由来する汚染を外因性汚染と呼ぶ。
上述のような容器の内容物が極微量容器の外に漏出する原因について検討した結果、以下のメカニズムが想定された。即ち、遠沈管などの容器は蓋を備える。蓋と容器本体との間の密閉性は必ずしも完全ではない場合がある。また、蓋の開閉や細胞試料の蓋への付着が繰り返されると、蓋と容器本体との間の空間を細胞試料が徐々に外周方向に拡散し、容器本体と蓋によって形成される容器内の空間の外に細胞試料が漏れ出す場合がある。遠心機などにより高い加速度が作用すると、細胞試料が蓋のネジ部分などを経由して、容器内部から容器外部へ移動するリスクが想定される。
この結果、内因性汚染が容器外壁等から無菌領域内に波及して無菌領域内を汚染するリスクが確認された(内因性汚染による無菌領域内の汚染)。特に、複数の細胞試料を取り扱う場合には、第1の細胞試料による内因性汚染が第2の細胞試料へ波及すると、交叉汚染の原因になることも考えられる(内因性汚染による交叉汚染)。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、高純度で安全な医薬品や細胞等を迅速かつ低コストに提供できる細胞培養方法、細胞培養システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る細胞培養方法は、細胞試料を収納する容器を、無菌領域内と無菌領域外との間で搬送する細胞培養方法において、前記容器を前記無菌領域外へ搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いた第1包装を前記容器に施して包装し、この容器を前記無菌領域内へ搬送する際に前記第1包装を取り除くとともに、前記容器内の細胞試料による染を防止する汚染防止部材を、前記容器の面に施すことを特徴とする。
そして、上記方法を具現化する、本発明に係る細胞培養システムは、第1には、細胞試料を収納する容器を、無菌領域内と無菌領域外との間で搬送する細胞培養システムにおいて、前記容器を前記無菌領域外へ搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いた第1包装を前記容器に施して包装し、この容器を前記無菌領域内へ搬送する際に前記第1包装を取り除く第1取扱手段が設けられると共に、前記容器内の細胞試料による染を防止する汚染防止部材を、前記容器の面に施す第2取扱手段が設けられたことを特徴とする。
第2には、前記第1取扱手段は、前記容器に第1包装を施す包装機構と、前記第1包装を開梱して取り除く開梱機構とを備えるとともに、前記第2取扱手段は、前記容器に対し汚染防止部材を付加する付加機構と、前記汚染防止部材を除去する除去機構との少なくとも一方を備えたことを特徴とする。
第3には、前記汚染防止部材が、容器を無菌領域内に搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いて前記容器外面に密着して施される第2包装であることを特徴とする。
第4には、前記汚染防止部材が、前記容器を無菌領域外に搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いて前記容器外面に密着して施されるとともに前記第1包装と共に前記容器に包装され、前記容器を無菌領域内に搬送する際に、前記第1包装と共に前記容器から取り除かれる第2包装であることを特徴とする。
第5には、前記汚染防止部材が、容器を無菌領域外に搬送する際に、前記第1包装内に封入され、前記容器から漏出した細胞試料を滅菌可能な殺菌剤であることを特徴とする。
第6には、前記無菌領域外に遠心分離機を備え、前記容器が遠沈管であり、前記第1包装が、菌不透過性の材料を用いて構成されたことを特徴とする。
第7には、前記無菌領域外にインキュベータを備え、前記容器が細胞培養容器であり、前記第1包装が、菌不透過性且つガス透過性のシート状材料を用いて構成されたことを特徴とする。
本発明に係る細胞培養方法及び細胞培養システムによれば、第1には、容器に第1包装を施して無菌領域外で細胞試料を操作することで、容器内の細胞試料に由来する内因性汚染による無菌領域外の汚染を防止でき、また、容器を無菌領域内に搬送する際に第1包装を取り除くことで、容器外からの外因性汚染による無菌領域内の汚染を防止できる。更に、容器の外面に汚染防止部材を施すことで、容器内の細胞試料に由来する内因性汚染による無菌領域内の汚染を防止できる。これらのことから、無菌領域内外の清浄度を高度に維持できるので、細胞培養システムにおける交叉汚染のリスクを排除でき、高純度で安全な医薬品や細胞等を提供できる。
また、細胞試料に操作を付与する装置・機器類が無菌領域外に備えられたので、これらの装置・機器類を高頻度に滅菌する必要がなく、従って、これらの装置・機器類の滅菌ガス等による損傷を防止できる。このため、細胞培養システムの稼働率が上昇し、処理能力が向上して、医薬品や細胞等を迅速且つ低コストに提供できる。
第2には、第1取扱手段が容器に第1包装を施す包装機構と、第1包装を開梱して取り除く開梱機構とを備え、第2取扱手段が、前記容器に対し汚染防止部材を付加する付加機構と、汚染防止部材を除去する除去機構との少なくとも一方を備えることにより、作業者による手作業を無くすことによる作業者由来の汚染の防止及び作業効率を向上させるとともに、内因性汚染及び外因性汚染を抑制することができる。
第3には、細胞試料に由来の内因性汚染が試料容器の外壁に付着していた場合でも、それを第2包装により隠蔽して封じ込めることができ、第2包装を施した試料容器の外表面に対して内因性汚染を防止できる。
第4には、外因性汚染により第1包装の外表面が汚染されたとしても、この第1包装が廃棄されるため、無菌領域内や試料容器に対する外因性汚染を防止することができるとともに、上述同様に内因性汚染も防止できる。
第5には、第1包装内に殺菌剤を封入することにより、試料容器外部に露出した細胞を殺菌して内因性汚染を防止することができる。
第6には、試料容器として遠沈管を用いることにより、内因性汚染、外因性汚染を防止しつつ細菌を移し変えることなく遠心分離を行うことができるので作業効率が向上する。
第7には、容器を細胞培養容器とし、第1包装が菌不透過性且つガス透過性のシート状材料を用いて構成したことにより、第1包装を施したまま細胞培養を行うことができる。
本発明に係る細胞培養システムの第1の実施の形態の全体構成を模式的に示す概略図である。 図1のパスボックスの一つを代表して、その構成を模式的に示す概略図である。 本発明に係る細胞培養システムの第2の実施の形態におけるパスボックスの一つを代表して、その構成を模式的に示す概略図である。 本発明に係る細胞培養システムの第3の実施の形態におけるパスボックスの一つを代表して、その構成を模式的に示す概略図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
本発明は、細胞試料を収納する容器を、無菌領域内と無菌領域外との間で搬送する細胞培養方法において、前記容器を前記無菌領域外へ搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いた第1包装を前記容器に施して包装し、この容器を前記無菌領域内へ搬送する際に前記第1包装を取り除くとともに、前記容器内の細胞試料による当該容器の外面の汚染を防止する汚染防止部材を、前記容器の前記外面に施すものであり、以下の実施の形態により具現化される。
[A]第1実施の形態(図1、図2)
図1は、本発明に係る細胞培養システムの第1の実施の形態の全体構成を模式的に示す概略図である。細胞培養システム11は、クリーンルーム12の内部に無菌操作装置13、遠心分離機(以下、遠心機と称する)14、炭酸ガスインキュベータ(以下、インキュベータと称する)15、及び搬送装置16が設置されて構成される。無菌操作装置13は複数のパスボックス17を備え、パスボックス17のうち幾つかは、搬送装置16を介して遠心機14やインキュベータ15など、細胞試料に操作を付与する装置・機器類(以下外部装置)に接続されている。クリーンルーム12や無菌操作装置13は、HEPAフィルタによる清浄空気供給機構(不図示)を備え、また紫外線殺菌灯やガス滅菌機構など(不図示)を備えてもよい。
後に詳説するが、無菌操作装置13の内部が無菌領域内であり、それ以外のクリーンルーム12、遠心機14、インキュベータ15、搬送装置16が無菌領域外であり、細胞試料を収納する試料容器18(図2)は、無菌領域の内外間で搬送される。
次に、図2を用いて無菌操作装置13が備える一以上のパスボックス17の典型的な構成の一例を説明する。パスボックス17は、資材搬入ポート19、試料搬出ポート20、試料搬入ポート21、試料調整ポート22、資材搬出ポート23を備える。資材搬入ポート19は搬入扉24及び搬出扉25、26を備え、パスボックス17の他の各ポート20、21、22、23も同様に、例えば以下に示すように搬出入扉を備える。パスボックス17の各ポート19〜23は、HEPAフィルタ等に基づく空気清浄機構(不図示)を備え、また紫外線殺菌灯やガス滅菌機構などを備えてもよい。
資材搬入ポート19は、搬入扉24を通してクリーンルーム12と連通し、資材搬出ポート23も、搬出扉27を通してクリーンルーム12と連通する。試料搬出ポート20は搬出扉28、また試料搬入ポート21は搬入扉29を通して搬送装置16と連通し、更に搬送装置16を介して外部装置(遠心機14やインキュベータ15など;図2に不図示)と連通する。試料搬出ポート20は搬入扉30、試料調整ポート22は搬出扉31を通して無菌操作装置13の内部と連通する。試料搬入ポート21は、搬入扉32を介して試料調整ポート22に連通する。
次に、細胞培養システム11の動作の概略を説明する。
クリーンルーム12、無菌操作装置13、パスボックス17は空気清浄機構や滅菌機構、手作業による滅菌などにより所定の清浄度を維持し、それらの内部で取り扱う細胞試料を汚染から守る。クリーンルーム12よりもパスボックス17、パスボックス17よりも無菌操作装置13の方がより高度な清浄度を維持し、特に無菌操作装置13の内部は無菌領域であり、細胞試料を解放系で取り扱うことを可能としている。つまり、クリーンルーム12内は、必要な清浄度と、清浄度維持にかかるコストや労力とのバランスを考慮し、場所によって清浄度レベルの差別化を行っている。本実施形態では、無菌操作装置13の内部を無菌領域内、それ以外は無菌領域外として取り扱う。即ち遠心機14、インキュベータ15、搬送装置16、クリーンルーム12などは無菌領域外である。
細胞培養システム11の使用に先立ち、試料容器18などの消耗品類や、図示しない細胞試料や試薬類などを、資材搬入ポート19の搬入扉24や搬出扉26を通して、必要に応じて滅菌した上で無菌操作装置13の内部に搬入する。無菌操作装置13は、細胞に対して培地交換や継代などの操作を自動的に行う。継代操作において、酵素液などを用いて培養容器から細胞を剥離し、細胞懸濁液を得て、遠心分離により細胞を酵素液から分離する工程がある。この工程を例にとって以下詳述する。
細胞懸濁液を無菌操作装置13の外部に設けた遠心機14へ持ち出すにあたり、まず細胞懸濁液を試料容器18に収納して密栓する。資材搬入ポート19から搬入した第1包装資材33を用いて、試料搬出ポート20において試料容器18を包装し、第1包装34を施した試料容器35の形とする。ここで、包装は、菌類を通さない第1包装資材33を用いて密閉包装することにより、菌不透過性包装とする。その上で試料容器35を、搬送装置16などを経由して遠心機14などの外部装置などへ搬出する。
試料容器35は第1包装34を施してあるため、例え搬送装置16や遠心機14などの清浄度が不十分で、外因性汚染の影響を受ける場合でも、外因性汚染は第1包装34の外部に留まり、内部の試料容器18は汚染されない。逆に、例え遠心分離や搬送など大きな加速度や振動が加わる操作によって、試料容器18に内容物(細胞試料)に由来する内因性汚染が生じたとしても、それは第1包装34の内部に留まるため、外部の搬送装置16や遠心機14などの外部装置、即ち無菌領域外を内因性汚染により汚染しない。従って、異なる種類の細胞試料を引き続き培養する場合においても、第1の細胞試料に由来の細胞や微生物類などが、外部の搬送装置16や遠心機14などの外部装置を介して、第2の細胞試料へ交叉汚染することが無い。このため、無菌領域外を滅菌ガスなどの侵襲性の高い方法で高頻度に滅菌する必要がない。
遠心分離終了後、遠心機14から試料容器35を無菌操作装置13へ持ち込む際は、試料搬入ポート21において試料容器35の第1包装34を解き(開梱)、試料容器18を得る。開梱により生じた第1包装34の廃材36は、資材搬出ポート23を経由して排出する。これにより、外因性汚染によって第1包装34の外表面が汚染されていたとしても、この第1包装34が廃棄されるため、無菌操作装置13の内部、即ち無菌領域内や試料容器18に外因性汚染が混入しない。内因性汚染による第1包装34の内表面の汚染についても同様である。
次に、試料調整ポート22により、第2包装資材37を試料容器18に密着させて包装し、第2包装38を施した試料容器39の形とした上で、無菌操作装置13の内部に持ち込む。ここで第2包装38も菌不透過性包装とした。これにより、例え細胞試料に由来の内因性汚染が試料容器18の外壁に付着していた場合でも、それを第2包装38により遮蔽して封じ込めることができ、換言すると、第2包装38を施した試料容器39の外表面には内因性汚染が存在しない。
従って、無菌操作装置13の内部で試料容器39を搬送等する際、無菌操作装置13の内部、即ち無菌領域内を内因性汚染により汚染することが無い。このため、異なる種類の細胞試料を引き続き培養する場合でも、第1の細胞試料に由来の細胞や微生物類などが、第2の細胞試料へ交叉汚染するリスクを低く維持でき、細胞試料の切り替えに際して無菌領域内を全面的にガス滅菌する必要は必ずしもない。試料容器18の蓋を開けるなどして細胞試料を解放系で取り扱う場所については、局所滅菌などにより対応可能である。
次に、第1取扱手段としての包装機構40及び開梱機構41について説明する。
包装機構40は、試料容器18を無菌領域内である無菌操作装置13内から遠心機14、インキュベータ15などの無菌領域外へ搬出する際に、第1包装34を試料容器18に施し、この試料容器18を包装して試料容器35とするものである。また、開梱機構41は、試料容器35を無菌領域外から無菌領域内へ搬入する際に、試料容器35の第1包装34を開梱して取り除くものである。これらを用いることにより作業効率を向上させるとともに内因性汚染及び外因性汚染を抑制することができる。包装機構40は試料搬出ポート20内に設置され、開梱機構41は試料搬入ポート21内に設置される。
特に、包装機構40としては、製袋包装(Package・form・fill・seal)装置が採用される。この装置は、試料容器18の形状に適合する第1包装34を第1包装資材33を用いて形成し、試料容器18を第1包装34の内部に完全に入れ、ヒートシールにより第1包装34を閉じて密閉することにより、第1包装34を施した試料容器35とする機能を備える。試料搬出ポート20の包装機構40としては、上記製袋包装のほか、ブリスターパック法やブローフィルシール(blow−fill−seal)法などを利用した、容器の形状に応じた各種の密閉包装用装置が採用可能である。
第1包装資材33としては、微生物や細胞に関し透過性を持たない、即ち菌不透過性の材料を用いた。本実施形態で試料容器18として遠沈管を用いた場合には、第1包装資材33として、菌不透過性と、試料容器18に作用する遠心力に耐える機械的強度とを兼備するポリプロピレン製のシートを採用した。第1包装資材33の材質としてポリプロピレンのほか、ポリエチレン、ポリスチレン、PETなど、各種の菌不透過性の合成樹脂材料を滅菌した上で使用できる。このように試料容器18として遠沈管を用いることにより、内因性汚染、外因性汚染を防止しつつ細胞を移し変えることなく遠心分離を行うことができるので作業効率が向上する。
第1包装34の形状としては、試料容器18の形状に合わせて任意に選択可能であるが、コスト効果と廃棄物削減、操作性向上のために、単純な形状でしかも必要最小限の材料を用いた包装が好ましい。例えば、第1包装34の形状として、遠心機のバケットとの形状適合性の高い円筒形状を採用した。また、切り込みやテープなどの構造や部材を設けることにより、後の開梱工程を容易化することもできる。袋を閉じる方法としてはヒートシール以外に、接着テープや接着剤なども使用可能である。
本実施形態では、十分な強度をもつシート状のプラスチック材料からなる材料を第1包装資材33として用いて包装したため、第1包装34を施した試料容器35の外形寸法や重量を小さく抑えることができる。その結果、第1包装34を施した試料容器35は、搬送や遠心分離などに耐える十分な機械的強度と高い操作性とを両立する。
次に、第2取扱手段としての付加機構42について説明する。
この付加機構42は、試料容器18内の細胞試料による当該試料容器18の外面の汚染を防止する汚染防止部材としての第2包装38を、菌不透過性の第2包装資材37を用いて試料容器18の外面に密着して施すものである。この付加機構42は、試料調整ポート22に設置される。
また、第2包装38の様態は、試料容器18の外壁表面に第2包装資材37を密着させている。これにより、例え試料容器18に由来の内因性汚染が試料容器18の外壁に付着していた場合でも、菌不透過性の第2包装38により試料容器18の外面を密着して覆うことで汚染の拡散を防止し、内因性汚染を遮蔽して封じ込めることが可能になる。この結果、無菌操作装置13の内部、即ち無菌領域内への内因性汚染の拡散を防止できる。
試料調整ポート22に設置された付加機構42は包装装置であり、この包装装置としては、密着包装に好適な各種包装方法が採用可能である。例えば、袋状或いは円筒状の熱収縮性包装材料を用いたシュリンクラップ方式や、パラフィルムなどの高伸長性シートを用いたシール法、粘着シートを用いたシール法、ヒートシール法、blow−fill−seal法などを利用した包装装置が採用可能である。
内因性汚染の拡散の可能性をより一層効果的に抑制するために、第1包装34を開梱後で、第2包装38を施す前に、試料容器18の外面を、紫外線殺菌灯や殺菌剤など各種公知の方法で除染することもできる。試料容器18としての遠沈管に対し紫外線殺菌法を適用する場合、例えば細胞試料のペレットが存在する領域(遠沈管下端部)を紫外線不透過性材料で遮蔽し、試料容器18の外面のみ、特に汚染されやすい蓋部分に、例えば遠沈管を中心軸周りに回転させながら重点的に紫外線を照射する。これにより、細胞試料に対する紫外線の悪影響を防止しつつ、試料容器18の外面を除染する。
第2包装38の様態に関連して、本実施形態では、試料容器18として蓋等にセプタムを備えたものを採用する。ここで、セプタムとは、真空採血管などに採用されている、注射針状のノズルなどで穿刺可能(ピアサブル)な弾性材料からなる部材である。このセプタムを備えた試料容器18を採用し、且つこの試料容器18の容器本体及び蓋に第2包装38を施し、この第2包装38の第2包装資材37もノズルなどで穿刺可能な材料を採用する。これにより、第2包装38と試料容器18のセプタムとを介して、蓋を開閉せずに試料容器39の内容物を取り扱うことが可能になる。つまり、第2包装38を施したままで細胞試料を取り扱えるため、内因性汚染の発生と拡散を更に高水準に防止できる。
本実施形態の変形形態として、第2包装38の様態に関して以下の構成を採用することも可能である。即ち、試料容器18の容器本体及び蓋を第2包装資材37の内部に完全に入れる代わりに、例えば半袋状に形成した第2包装資材37に、試料容器18を中途まで(蓋部を除く容器本体のみを)入れてシュリンクラップ法などにより密着して封じる。つまり第2包装38を半密閉方式とする。これにより、第2包装38を施した試料容器39は、内因性汚染のリスクが最も高い蓋部より下方の容器本体の側面を第2包装38により封じ込めつつ、蓋の開閉や容器本体内の内容物の取り出しには支障を来さない効果がある。この場合、蓋にセプタムは不要である。この変形形態に好適な第2包装38の様態としては、前述と同様に、粘着シートの巻き付けやシュリンクラップ法などを採用できる他、試料容器18の容器本体(蓋部を除く)の外面に密着して収納可能な半容器(蓋のない容器)を包装として用い、試料容器18の容器本体をその半容器に収納するという簡易な方式も採用できる。
ところで、外部装置として遠心機14を用いる場合以外に、外部装置としてインキュベータ15を適用する場合には、試料容器18として細胞培養容器が用いられ、この場合には第1包装資材33の特性として、菌不透過性以外にガス透過性が必要となる。両特性を兼備した材料としては、テフロン(登録商標)、セルロース、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリサルファイド、超高分子量ポリエチレン多孔質フィルム、滅菌紙、グラシン紙、不織布、高密度ポリエチレン繊維製シート、タイベック(R)、ファインポーラスフィルム、メンブレンフィルタ等の微多孔性素材がある。この微多孔性素材からなるシートなどを単独で、或いは他の菌不透過性材料と組み合わせ、必要に応じ滅菌した上で第1包装資材33として用いる。また例えば、ガス透過性ポリエチレンフィルムを不織布にコーティングしたウイルスバリア性の高い材料などの各種複合材料も、第1包装資材33として選択可能である。
菌不透過性且つガス透過性を兼備した微多孔性素材を採用することにより、酸素や炭酸ガスなどを透過できるため、第1包装34を施したまま細胞培養を行うことが可能になる。更に透明度の高い素材を選択或いは併用することにより、第1包装34を施したまま試料容器18中の細胞観察も可能になる。
以上のことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)試料容器18に第1包装34を施して無菌領域外で細胞試料を操作(例えば遠心分離など)することで、試料容器18内の細胞試料に由来する内因性汚染による無菌領域外の汚染を防止できる。また、試料容器18を無菌領域内(無菌操作装置13内)に搬入する際に第1包装34を取り除くことで、試料容器18外に由来する外因性汚染による無菌領域内の汚染を防止できる。更に、試料容器18の外面に第2包装38を施すことで、この試料容器18内の細胞試料に由来する内因性汚染による無菌領域内の汚染を防止できる。これらのことから、無菌領域内外の洗浄度を高度に維持できるので、細胞培養システム11における交叉汚染のリスクを排除でき、高純度で安全な医薬品や細胞等を提供できる。
(2)細胞試料に操作を付与する装置・機器類が無菌領域外に外部装置として備えられたので、これらの装置・機器類を高頻度に滅菌する必要がなく、従って、これらの装置・機器類の滅菌ガス等による損傷を防止できる。このため、細胞培養システム11の稼働率が上昇し、処理能力が向上して、医薬品や細胞等を迅速かつ低コストに提供できる。
[B]第2の実施の形態(図3)
図3は、本発明に係る細胞培養システムの第2の実施の形態におけるパスボックスの一つを代表して、その構成を模式的に示す概略図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の細胞培養システム51が前記実施の形態と異なる点は、パスボックス52の試料調整ポート53の構成と試料容器55とである。
具体的には、試料容器18内の細胞試料による当該試料容器18の外面の汚染を防止する第2包装54が、菌不透過性のシート状材料を用いて試料容器18の外面に予め密着して施され、この試料容器18は、第2包装54が施された試料容器55の形となっている。また、試料調整ポート53には、付加機構42が設置されず(従って第2包装資材37が用いられず)、試料容器55の第2包装54を除去する除去機構56が、第2取扱手段として設置されている。付加機構42及び除去機構56を備えることにより、作業効率を向上させるとともに内因性汚染及び外因性汚染を抑制することができる。
第2包装54が施された試料容器55は、パスボックス52の試料搬出ポート20における包装機構40によって、遠心機14などの無菌領域外へ搬出される際に、第1包装34により包装されて試料容器57の形となる。また、この試料容器57が無菌領域外から無菌領域内(無菌操作装置13内)に搬入される際には、まず、パスボックス52の試料搬入ポート21において開梱機構41により第1包装34が開梱されて取り除かれ、次に、試料調整ポート53において除去機構56により第2包装54が開梱されて取り除かれ、試料容器18のみが無菌操作装置13内へ搬入される。
本実施形態の細胞培養システム51の動作は、試料容器18の容器本体を包装する点において第1の実施形態の変形形態と同様であるが、以下の点が異なる。つまり、試料容器18に第2包装54を密着して施した試料容器55の形で、滅菌後、資材搬入ポート19を通して無菌操作装置13の内部に搬入する。そして、この試料容器55に試料を入れて密栓後、試料搬出ポート20において、包装機構40により第1包装34を用いて密閉包装する。具体的には、第2包装54の上に更に第1包装34を施した試料容器57の形とした上で、無菌操作装置13の外部へ搬出する。
遠心機14など外部装置(無菌領域外)での処理終了後、この無菌領域外から試料容器57を無菌操作装置13へ持ち込む際は、まず、試料搬入ポート21において開梱機構41により第1包装34を開梱し、第2包装54を施した試料容器55を得る。次に、試料調整ポート53において除去機構56により第2包装54を開梱し、試料容器18のみとした状態で無菌操作装置13の内部に持ち込む。開梱により生じた第2包装54の廃材58や第1包装34の廃材36は、資材搬出ポート23から排出する。
上述の動作により、遠心機14など外部装置での処理の過程で、試料容器55の内容物(細胞試料)に由来する内因性汚染が生じていたとしても、それは第2包装54のみの汚染であり、試料調整ポート53において第2包装54が廃材58として取り除かれて資材搬出ポート23から排出されれば、試料容器18は汚染されていないので、無菌操作装置13の内部に汚染は混入しない。従って、無菌操作装置13の内部で試料容器18を搬送等しても、無菌操作装置13の内部、即ち無菌領域内は内因性汚染により汚染されない。
この試料容器55における第2包装54として、例えば粘着シートを用い、試料容器18に密着して巻き付ける様態を採用することができる。更に好適には、切り取りのためのパーフォレーションを円周以上の間隔で施した粘着シートを複数回巻き付け、無菌領域に搬入する際に粘着シートをパーフォレーションの間隔の長さ分だけ取り除く構成とすることも可能である。後者の構成により、第2包装54を施した試料容器55を複数回開梱して1つの試料容器55の表面に繰り返し清浄面を露出させることが可能になり、この場合、1つの試料容器55を繰り返し外部に搬出入することができる。また、パーフォレーションの間隔を円周以上とすることにより、次の切り取りのためのパーフォレーションが外周面に露出しないため、第2包装54による包装の完全性を高く維持できる。切り取りを容易にする方法としては、パーフォレーション以外に引きひもやテープを接着する方法、切り取り部分のシートの厚さを薄くする方法、など各種公知の方法が採用可能である。
以上のことから、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(3)を奏する。
(3)第2包装資材(不図示)を用いて試料容器18に対し予め第2包装54を密着して施しておくことにより、試料調整ポート53においては、除去機構56により第2包装54を開梱するだけで足り、包装の作業が不要になるため、操作が簡単で、工程時間を短縮できる。
[C]第3の実施の形態(図4)
図4は、本発明に係る細胞培養システムの第3の実施の形態におけるパスボックスの一つを代表して、その構成を模式的に示す概略図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の細胞培養システム61が前記第1の実施の形態と異なる点は、パスボックス62における試料搬出ポート63に包装機構40と共に、付加機構としての殺菌剤封入機構64が設置され、また、試料搬入ポート65に開梱機構41と共に、除去機構としての殺菌剤除去機構66が設置され、パスボックス62には試料調整ポート22が設けられていない点である。
殺菌剤封入機構64は、試料容器18を遠心機14等の無菌領域外へ搬出する際に、包装機構40により試料容器18に施された第1包装34と試料容器18との間に殺菌剤67を封入するものである。また、殺菌剤除去機構66は、試料容器18を無菌領域内(無菌操作装置13内)へ搬入する際に、第1包装34と試料容器18との間から殺菌剤67を除去するものである。殺菌剤は、試料容器18から外部に漏出した細胞試料を殺菌するものである。
本実施形態の細胞培養システム61の動作は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、以下の点が主に異なる。つまり、試料容器18は第1実施形態と同様に、資材搬入ポート19を通して無菌操作装置13の内部に搬入される。この試料容器18に細胞試料を入れて密栓後、試料搬出ポート63において、包装機構40及び殺菌剤封入機構64を用いて、試料容器18を殺菌剤67と共に第1包装34により密閉包装する。具体的には、まず、試料搬出ポート63において試料容器18を包装機構40により、第1包装資材33を用いて開口部を一部残した状態で包装する。次に、この開口部を通して、殺菌剤封入機構64により殺菌剤67(本実施形態では70%エタノール水溶液のミスト)を第1包装34の中に吹き込んだ後、開口部を封じて密閉包装する。このように、殺菌剤67を封入した第1包装34を試料容器18に施して試料容器68の形とした上で、無菌操作装置13の外部へ搬出する。
遠心機14などの外部装置(無菌領域外)での処理終了後、試料容器68を無菌領域外から無菌操作装置13へ持ち込む際は、試料搬入ポート65において開梱機構41により第1包装34を開梱し、更に殺菌剤67であるエタノールを風乾或いは拭き取り、または殺菌剤除去機構66により抜き取って除去することにより試料容器18を得る。開梱により生じた第1包装34の廃材36や、エタノールを含む空気や布巾は、資材搬出ポート23から排出する。
上述の動作により、遠心機14などの外部装置での処理の過程で試料容器18の内容物である細胞試料が漏出して、試料容器18の外面に内因性汚染が生じていたとしても、それは殺菌剤67であるエタノールの作用により殺菌され除染されるため、無菌操作装置13の内部に汚染は混入しない。従って、無菌操作装置13の内部で試料容器18を搬送等しても、無菌操作装置13の内部、即ち無菌領域内は内因性汚染により汚染されない。
尚、殺菌剤67をミストとして第1包装34の内部に吹き込む例を説明したが、殺菌剤67の導入方法はこれに限らない。例えば、エタノール水溶液を試料容器18と第1包装34との隙間に直接注入して、それから発生するエタノール蒸気の殺菌作用を用いることも可能であるし、或いは、殺菌剤67を不織布に含浸させたものを試料容器18と第1包装34との間に挟むこともできる。
また、殺菌剤67の種類もエタノール水溶液に限定されず、例えば過炭酸ナトリウム液(酸素系消毒液)、ポピドンヨード液、塩素系消毒液など、各種公知の消毒液を用いることもできる。また、オゾンや過酸化水素などの各種滅菌ガスも、好ましくは必要最小限の濃度にて使用可能である。この滅菌ガスを用いる場合には、滅菌ガス分解機構を試料搬入ポート65に備えることが好ましい。一方、殺菌剤67として銅や銀などの殺菌作用のある固体材料を含むフィルムを、試料容器18と第1包装34との間に挟むこともできる。更には、第1包装資材33として殺菌作用を有するフィルムを用いることにより、第1包装34と殺菌剤67とを兼用させてもよい。
以上のことから、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
(4)本実施形態は、第2包装資材37や試料調整ポート22が不要であり、また無菌操作装置13内において試料容器18を無包装の様態で使用可能であるため、細胞培養システム61の構成が簡単で、無菌操作装置13内での操作が簡便である。
以上、本発明を上記各実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各実施形態においては、無菌操作装置13として細胞培養における培地交換や継代などの操作を自動的に行う自動化装置を例にとって説明したが、無菌操作装置13として採用可能な装置の目的は細胞培養に限定されず、例えば移植用細胞組織や動植物組織、抗体、ワクチン、血清等の各種の生物由来製剤などを研究、開発、生産するために無菌操作を自動的に行う自動化装置についても同様に適用可能である。また、一般の化学合成医薬品や食品の研究開発や生産など、無菌操作を必要とする自動化装置にも適用可能である。もちろん、上記各種目的のための自動化装置だけでなく、半自動或いは手動の装置にも同様に適用可能である。
11………細胞培養システム、13………無菌操作装置(無菌領域内)、14………遠心機(無菌領域外)、15………インキュベータ(無菌領域外)、16………搬送装置(無菌領域外)、17………パスボックス(無菌領域外)、18………試料容器、34………第1包装、38………第2包装(汚染防止部材)、40………包装機構(第1取扱手段)、41………開梱機構(第1取扱手段)、42………付加機構(第2取扱手段)、51………細胞培養システム、53………試料調整ポート、55………試料容器、54………第2包装(汚染防止部材)、56………除去機構(第2取扱手段)、61………細胞培養システム、64………殺菌剤封入機構(付加機構、第2取扱手段)、66………殺菌剤除去機構(除去機構、第2取扱手段)。

Claims (8)

  1. 細胞試料を収納する容器を、無菌領域内と無菌領域外との間で搬送する細胞培養方法において、
    前記容器を前記無菌領域外へ搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いた第1包装を前記容器に施して包装し、この容器を前記無菌領域内へ搬送する際に前記第1包装を取り除くとともに、
    前記容器内の細胞試料による染を防止する汚染防止部材を、前記容器の面に施すことを特徴とする細胞培養方法。
  2. 細胞試料を収納する容器を、無菌領域内と無菌領域外との間で搬送する細胞培養システムにおいて、
    前記容器を前記無菌領域外へ搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いた第1包装を前記容器に施して包装し、この容器を前記無菌領域内へ搬送する際に前記第1包装を取り除く第1取扱手段が設けられると共に、
    前記容器内の細胞試料による染を防止する汚染防止部材を、前記容器の面に施す第2取扱手段が設けられたことを特徴とする細胞培養システム。
  3. 前記第1取扱手段は、前記容器に第1包装を施す包装機構と、前記第1包装を開梱して取り除く開梱機構とを備えるとともに、
    前記第2取扱手段は、前記容器に対し汚染防止部材を付加する付加機構と、前記汚染防止部材を除去する除去機構との少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項2に記載の細胞培養システム。
  4. 前記汚染防止部材が、容器を無菌領域内に搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いて前記容器外面に密着して施される第2包装であることを特徴とする請求項2または3に記載の細胞培養システム。
  5. 前記汚染防止部材が、前記容器を無菌領域外に搬送する際に、菌不透過性のシート状材料を用いて前記容器外面に密着して施されるとともに前記第1包装と共に前記容器に包装され、前記容器を無菌領域内に搬送する際に、前記第1包装と共に前記容器から取り除かれる第2包装であることを特徴とする請求項2または3に記載の細胞培養システム。
  6. 前記汚染防止部材が、容器を無菌領域外に搬送する際に、前記第1包装内に封入され、前記容器から漏出した細胞試料を滅菌可能な殺菌剤であることを特徴とする請求項2に記載の細胞培養システム。
  7. 前記無菌領域外に遠心分離機を備え、前記容器が遠沈管であり、前記第1包装が、菌不透過性の材料を用いて構成されたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の細胞培養システム。
  8. 前記無菌領域外にインキュベータを備え、前記容器が細胞培養容器であり、前記第1包装が、菌不透過性且つガス透過性のシート状材料を用いて構成されたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の細胞培養システム。
JP2009113249A 2009-05-08 2009-05-08 細胞培養方法、細胞培養システム Active JP5592080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009113249A JP5592080B2 (ja) 2009-05-08 2009-05-08 細胞培養方法、細胞培養システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009113249A JP5592080B2 (ja) 2009-05-08 2009-05-08 細胞培養方法、細胞培養システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010259378A JP2010259378A (ja) 2010-11-18
JP5592080B2 true JP5592080B2 (ja) 2014-09-17

Family

ID=43358025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009113249A Active JP5592080B2 (ja) 2009-05-08 2009-05-08 細胞培養方法、細胞培養システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5592080B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111100790B (zh) * 2019-12-31 2022-09-02 黄山市中新生物科技有限公司 一种细胞培养生物反应器
WO2022196444A1 (ja) * 2021-03-16 2022-09-22 住友ベークライト株式会社 細胞培養用滅菌容器

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06169747A (ja) * 1992-09-30 1994-06-21 Hakutsuru Shuzo Kk 酢酸イソアミル低分解性酵母の育種方法とその酵母菌株およびそれを用いた清酒の製造方法。
JPH09252674A (ja) * 1996-03-26 1997-09-30 Saishiyu Jitsuyou Gijutsu Kenkyusho:Kk アグロバクテリウム属の微生物による遺伝子導入方法及び形質転換植物の作出方法
JP4465976B2 (ja) * 2002-04-26 2010-05-26 日立工機株式会社 遠心分離機用培養遠心管
JP2005117944A (ja) * 2003-10-15 2005-05-12 National Institute Of Agrobiological Sciences 葯と花粉で発現するプロモーター配列
JP2006143672A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Kemikurea:Kk 抗菌剤
EP1739179A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-03 Octapharma AG Serum-free stable transfection and production of recombinant human proteins in human cell lines
JP2007104936A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Tosoh Corp 新規微生物及びアルカン類の分解方法
DE102006004157A1 (de) * 2006-01-30 2007-08-02 Eppendorf Ag Vorrichtung und Verfahren zum Inkubieren von Zellen
CN100571786C (zh) * 2007-03-26 2009-12-23 中国农业大学 一种预防和/或治疗自身免疫疾病的疫苗
JP5009661B2 (ja) * 2007-03-27 2012-08-22 川崎重工業株式会社 薬剤噴霧ガンを備えた自動細胞培養装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010259378A (ja) 2010-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4373910B2 (ja) 無菌の物体または消毒されるべき物体の輸送用包装容器
CA2904962C (en) Pre-sterilizable carrier system
ES2869383T3 (es) Método para proteger y desproteger la trayectoria de fluido en un recinto de entorno controlado
KR102435336B1 (ko) 멸균 용기, 멸균 방법 및 멸균 장치
JP5095009B2 (ja) 滅菌パッケージ及びこのパッケージを用いた滅菌方法
JP5610312B2 (ja) 包装容器
JP2005528292A (ja) 無菌の物体または消毒される物体用の包装容器
AU776082B2 (en) Method and apparatus for aseptically packaging and dispensing live material
WO2015076115A1 (ja) 細胞培養容器及び細胞培養物収容済み容器
JP5592080B2 (ja) 細胞培養方法、細胞培養システム
WO2001008630A2 (en) Sterile packaging of live material with improved storage characteristics
JP6210979B2 (ja) 細胞含有物用容器及び細胞含有物収容済み容器
JP2005287425A (ja) 培地バッグ付き培養バッグ
JP4426107B2 (ja) 包装された物体の外部的除染方法
US8231003B2 (en) Protected filter units for safety filtration and method for production thereof
JP5962430B2 (ja) アイソレータ内への物品の搬入方法と物品収容体
JP2005295825A (ja) 袋状湿度供給容器
US9242753B2 (en) Sterilizable biopharmaceutical packaging and method of making a sterilizable biopharmeceutical packaging
CN115140405A (zh) 包装、方法和用途
KR20150101655A (ko) 멸균용 플라스틱 케이스 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120113

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5592080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250