JP5582009B2 - 3次元位置計測システム、3次元位置計測装置および3次元位置計測方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、対象物の模様の方向に寄らず、常に安定した距離計測を実現する3次元位置計測装置を提供することである。
θk*=arctan((vk*−v0)/(hk*−h0)) ・・・(2)
これらは集合のインデックスkの各々について定義されるので、これらも集合となり、以下のように定義する。
いま、現時点で着目対象の模様の方向をθmとするとき、過去の撮影位置k∈{1,2,3,・・・,N}の各々について、集合B、集合TからスコアSck(B,T,θm)を算出し、
Sck(B,T,θm)=S1 k(B)×S2 k(T、θm) ・・・(4)
次に基線長に関する評価値S1 k(B)について説明する。ステレオ視による距離計測では、距離計測の基礎式は以下の式(5)で与えられる。
fはカメラの焦点距離[画素]、bは基線長[m]、dは画像上での対応点のずれ量(視差)[画素]、Zは対象物までの距離[m]を表す。このとき、視差が対応誤差によって1だけずれたときの距離をZ2とすると、Z2は以下の式(6)で与えられる。
したがって、視差値で1の誤差による計測距離の誤差ΔZは、式(7)で与えられる。
ΔZ(b)=Z−Z2=(f・b/d)−(f・b/(d+1))
=f・b・((1/d)−(1/(d+1)))
=f・b・(1/d・(d+1))=Z・(1/(d+1))
=Z・(1/((f・b/Z)+1))
=Z2/(f・b+Z) ・・・(7)
ΔZ(b)は、距離Zにある対象を基線長bでステレオ測距した場合の計測誤差を与えるもので、ΔZ(b)が大きいほど計測誤差が大きく、精度が低いことを表す。
・・・(8)
式(8)において、b0は基準となる基線長を表し、ここではb0=1(m)とする。また、対象距離Zは、基準距離を設定し、ここではZ=1(m)とする。s1(b)は、基線長をbとした場合の基準基線長b0に対する精度の改善比(無次元量)を表し、s1(b)が大きいほど測距精度が高くなることを意味する。
S1 k(B)=s1(bk) ・・・(9)
次に基線方向に関する評価値S2 k(T,θm)について説明する。集合Tの各要素{θk}と着目点の模様の方向θmを用いて、模様方向θmと直交する方向となるにつれ大きな値を取る関係式s2(θk,θm)を以下の式(10)のように導入する。
これを用いて、集合Tの要素{θk}に対するS2 k(T,θm)を以下の式(11)で定義する。
次に3次元位置計測装置10の構成および動作について詳しく説明する。図5は3次元位置計測装置の適用例を示す図である。移動体2が車輪2aの移動に伴い回転する部分を持ち、その回転面で少なくとも移動体2の外側を視野内に持つようにカメラ1aを取り付ける。
ただし、γは以下の式(13a)、(13b)に示す範囲とする。
γ=γ+360°(γ<0°) ・・・(13a)
γ=γ−360°(360°≦γ) ・・・(13b)
なお、カメラ1aの基準位置は、車輪2aの回転のどの位置でも良いが、例えば、カメラ1aが車輪2aの最下端に位置するときの位置とする。上記のような演算処理を行うことで、カメラ回転位置を効率よく算出することができる。
〔S1〕測距処理部15は、回転補正映像に微分処理を施す。回転補正後の映像p0に対して、Sobelフィルタ等の微分処理を施し、各画素について微分値が一定値以下の箇所を削除する閾値処理を施す。その後、残った画素について、画像の水平方向の微分値dxと垂直方向の微分値dyとで定義されるエッジ方向Ed(x,y)を以下のように算出する。
〔S2〕測距処理部15は、微分映像を小領域に区分する。図9は小領域の分割を示す図である。微分映像を横nx個、縦ny個の小領域に分割する。この結果、全体でM=nx×ny個の小領域が形成される。得られたi番目の小領域をwiとして、小領域の集合Wを、W={wi|i∈{1,2,・・・,M}}とする。
vk=R・(cos(γk)−cos(γ0)) ・・・(16b)
ただし、ckは現フレームでのカメラ回転位置γ0から過去kフレーム目でのカメラ回転位置γkに至るまでの回転の周期数を表す。これは、カメラ回転位置集合Γから、添え字kを0,1,2,・・・,kまでたどりながら、添え字が隣り合うカメラ回転位置γの値が例えば300度以上に急激に変化する回数で与えられる。また、Lは、カメラ1aを取り付けた車輪の円周長を表し、L=2・π・Rで与えられる。
これらの集合として、基線長の集合B={bk|k∈{1,2,3,・・・,N}}および基線の傾きの集合T={θk|k∈{1,2,3,・・・,N}}を算出する。
ここで、Sck(B,T,θm)は、基線長に関する評価値S1 k(B)および基線方向に関する評価値S2 k(T,θm)によって、上述の式(4)で与えられる。なお、基線長に関する評価値S1 k(B)および基線方向に関する評価値S2 k(T,θm)の定義については、上述したので説明は省略する。
図11は2つの映像間での対応探索箇所を示す図である。エッジ点eu(u∈{小領域wi内のエッジ点})に対して、そのエッジ点を中心に縦横H画素の矩形領域を定め、画像p0での矩形領域内の映像パターンと最も相関の高い映像パターンを有する箇所を、過去映像pk*内でエピ極線L上を探索して定める。
Zu=f・bk*/du ・・・(22)
fは、カメラの焦点距離(画素)、bk*は、最適基準で求めた基線長(m)である。
〔S11〕カメラ回転位置算出部16は、前フレームでの蓄積映像と現フレームの入力映像を比較し、映像間の回転量を算出する。具体的には、前フレームと現フレームの映像をSobelフィルタ等の微分操作を行った後、非極大値抑制による細線化とエッジ追跡による線分検出を行い、直線的な要素を抽出する。
なお、ここでは前フレームと現フレームとを区別するために、添え字last、curで区別した。また、処理の開始時はφ=0とする。
回転基準位置φcは、車輪の回転において基準となる回転位置を表し、例えばカメラが最下端に位置する回転位置とするが、処理開始時は不定のため0に初期化しておくものとする。
〔S15〕カメラ回転位置算出部16は、カメラ回転位置算出部16が管理する回転基準位置φcの算出完了フラグを参照し、回転基準位置が決定されているか否かを調べる。既に回転基準位置が決定されている場合は、ステップS19に移る。まだ回転基準位置が決定されていない場合は、ステップS16に移る。
図15は回転補正を示す図である。カメラ(映像)が常に水平面に対してφc傾いて、車輪2a上の回転している状態を示している。ステップS11において現フレーム映像から取得した直線要素の端点位置を、ステップS13で求めたγを用いて回転補正して暫定的に定めた回転基準位置φcと同じ傾きを持つ座標系に変換する。さらに、この座標列を映像・カメラ回転位置保存DB14bに登録する。
〔S17〕ステップS16によって、回転基準位置φcが定められた否かを判定する。定められなかった場合は、ステップS20に移行し、定められた場合は、ステップS18に移る。
〔S20〕回転基準位置として未定を示すフラグを外部に出力する。
以上説明したように、3次元位置計測システム1によれば、距離の測定対象の模様方向によって、揺動移動するカメラ軌跡の状態から、模様と平行にならない基線を与えるカメラ位置を適切に選択して、対象物との距離を測定する構成とした。これにより、対象物の模様の方向に寄らない2つのカメラ映像間で対象部分の映像パターンによる対応を確実に行うことができ、安定した距離の計測を行うことが可能になる。
1a カメラ
2 移動体
2a 回転体
10 3次元位置計測装置
10a 3次元位置計測部
14 記憶部
Claims (6)
- 移動体の移動に伴い回転する物体に取り付けられたカメラと、
前記カメラで撮影された複数の画像と、該複数の画像を各々撮影した時刻と同時刻のカメラ回転位置とを対応づけて記憶する記憶部と、基線方向と平行な成分を持つ対象物の模様に対して、前記複数の画像から、前記平行な成分の方向とは異なる方向に基線方向を与える前記カメラ回転位置の少なくとも2つの画像を選択して、前記対象物の3次元位置を計測する3次元位置計測部とを備える3次元位置計測装置と、
を有することを特徴とする3次元位置計測システム。 - 前記3次元位置計測部は、現フレーム画像と、前記現フレーム画像の前記カメラ回転位置を起点にして過去フレーム画像の前記カメラ回転位置で与えられる基線の長さが所定回転周期中で最も大きく、かつ基線方向が前記平行な成分の方向に対して直交方向に最も近くなる過去フレーム画像と、を選択することを特徴とする請求項1記載の3次元位置計測システム。
- 前記移動体に回転体位置計測センサが設置し、前記3次元位置計測部は、前記回転体位置計測センサで計測された回転体の回転位置を取得して、前記カメラの基準回転位置と、取得した前記回転位置との差分から前記カメラ回転位置を算出することを特徴とする請求項1記載の3次元位置計測システム。
- 前記3次元位置計測部は、撮影された画像にもとづき、前フレーム画像と現フレーム画像間の差分画像回転量を求め、前記前フレーム画像で定まっている画像回転量に前記差分画像回転量の増分を加えて前記現フレーム画像の画像回転量を求め、前記カメラの基準回転位置と、前記現フレーム画像の画像回転量との差分から前記カメラ回転位置を算出することを特徴とする請求項1記載の3次元位置計測システム。
- 移動体の移動に伴い回転する物体に取り付けられたカメラで撮影された画像と、複数の画像を各々撮影した時刻と同時刻のカメラ回転位置とを対応づけて記憶する記憶部と、
基線方向と平行な成分を持つ対象物の模様に対して、前記複数の画像から、前記平行な成分の方向とは異なる方向に基線方向を与える前記カメラ回転位置の少なくとも2つの画像を選択して、前記対象物の3次元位置を計測する3次元位置計測部と、
を有することを特徴とする3次元位置計測装置。 - 3次元位置計測方法において、
移動体の移動に伴い回転する物体に取り付けられたカメラで撮影された画像と、複数の画像を各々撮影した時刻と同時刻のカメラ回転位置とを対応づけて記憶し、
基線方向と平行な成分を持つ対象物の模様に対して、前記複数の画像から、前記平行な成分の方向とは異なる方向に基線方向を与える前記カメラ回転位置の少なくとも2つの画像を選択して、前記対象物の3次元位置を計測する、
ことを特徴とする3次元位置計測方法。
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JP2010275314A JP5582009B2 (ja) | 2010-12-10 | 2010-12-10 | 3次元位置計測システム、3次元位置計測装置および3次元位置計測方法 |
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