JP5577575B2 - 押出成形材料、フィラメント及びポリアミドフィルム - Google Patents
押出成形材料、フィラメント及びポリアミドフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5577575B2 JP5577575B2 JP2008244723A JP2008244723A JP5577575B2 JP 5577575 B2 JP5577575 B2 JP 5577575B2 JP 2008244723 A JP2008244723 A JP 2008244723A JP 2008244723 A JP2008244723 A JP 2008244723A JP 5577575 B2 JP5577575 B2 JP 5577575B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diamine
- temperature
- polyamide
- polyamide resin
- nonanediamine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Polyamides (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Description
フィラメントとしては、例えば釣糸、歯ブラシ、面ファスナーなどのモノフィラメント、及びタイヤコード、衣料などのマルチフィラメントとして利用できる、新規なポリアミド樹脂を含むフィラメントに関する。詳しくは、ジカルボン酸成分が蓚酸であるポリアミド樹脂を含み、良好な物理的強度及び伸度を有し、かつ低吸水性で、耐薬品性、耐加水分解性に優れ、高分子量化が可能で成形可能温度幅が広く成形加工性に優れるフィラメントである。
ポリアミドフィルムとしては、ジカルボン酸成分が蓚酸であるポリアミド樹脂を含み、液体、蒸気及び/又は気体に対するバリア性に優れ、かつ低吸水性で、溶融重合による高分子量化が可能であり、成形可能温度幅が広く溶融成形性に優れ、耐薬品性、耐加水分解性に優れるポリアミドフィルムである。
しかしながら、このポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分として蓚酸を用い、ジアミン成分として1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン及び1,6−ヘキサンジアミンの3種のジアミンを特定の比率で用いたポリオキサミド樹脂ではない。
(1)ポリアミド樹脂の構成成分
本発明において用いるポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物(以下、「C9ジアミン混合物」という。)及び1,6−ヘキサンジアミン(以下、「C6ジアミン」という。)からなり、C9ジアミン混合物とC6ジアミンのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂である。
本発明において用いるポリアミド樹脂を製造する際には、本発明の効果を損なわない範囲で他のジカルボン酸成分を混合する事ができる。蓚酸以外の他のジカルボン酸成分としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸、また、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、更にテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などを単独で、あるいはこれらの任意の混合物を重縮合反応時に添加することもできる。更に、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。他のジカルボン酸成分の使用量は、ジカルボン酸成分全体の5モル%以下であることが好ましい。
本発明において用いるポリアミド樹脂の分子量に特別の制限はないが、ポリアミド樹脂濃度が1.0g/dlの96%濃硫酸溶液を用い、25℃で測定した相対粘度ηrが1.8〜6.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2.0〜5.5であり、2.5〜4.5が特に好ましい。ηrが1.8より低いと成形物が脆くなり物性が低下する傾向がある。一方、ηrが6.0より高いと溶融粘度が高くなり、成形加工性が悪くなる傾向がある。
本発明において用いるポリアミド樹脂は、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。本発明者らの研究によれば、ジアミン及び蓚酸ジエステルをバッチ式又は連続式で重縮合反応させることによりポリアミド樹脂を得ることができる。具体的には、以下の操作で示されるような、(i)前重縮合工程、(ii)後重縮合工程の順で行うのが好ましい。
まず原料の蓚酸ジエステルを容器内に仕込む。容器は、後に行う重縮合反応の温度および圧力に耐え得るものであれば、特に制限されない。その後、容器を原料のジアミンと混合する温度まで昇温させ、次いでジアミンを注入し重縮合反応を開始させる。原料を混合する温度は、原料の蓚酸ジエステルおよびジアミンの融点以上、沸点未満の温度であり、かつ蓚酸ジエステルとジアミンの重縮合反応によって生じるポリオキサミドが熱分解しない温度であれば特に制限されない。例えば、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミンの混合物からなり、かつC9ジアミン混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物)と1,6−ヘキサンジアミンのモル比が1:99〜99:1であるジアミンと蓚酸ジブチルを原料とするポリオキサミド樹脂の場合、上記混合温度は15℃から300℃が好ましい。また、C9ジアミン混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物)と1,6−ヘキサンジアミンのモル比は、5:95〜90:10の場合、常温で液状か又は50℃程度に加温するだけで液化するので取り扱いやすいためより好ましい。混合温度が縮合反応によって生成するアルコールの沸点以上の場合、アルコールを留去、凝縮する装置を備えた容器を用いるのが望ましい。また、縮合反応によって生成するアルコール存在下で加圧重合する場合には、耐圧容器を用いる。蓚酸ジエステルとジアミンの仕込み比は、蓚酸ジエステル/上記ジアミンで、0.8〜1.2(モル比)、好ましくは0.91〜1.09(モル比)、更に好ましくは0.98〜1.02(モル比)である。
本発明においては、上述のポリアミド樹脂に加えて、必要に応じて各種添加剤を組合せることができ、これらはポリアミド重縮合反応時、又はその後に組合せることができる。
本発明の押出成形材料は、成形の方法として、単軸、二軸などの各種の押出機を用いた成形加工が好ましく用いられ、溶融成形加工が特に好ましく用いられる。本発明の押出成形材料は、溶融成形加工法により、各種のフィラメント、フィルムなどを加工するのに好適な材料である。
本発明のフィラメントは、各種のモノフィラメント及びマルチフィラメントとして用いることができ、用途としては、ブラシ用ブリッスル、釣糸、面ファスナー、タイヤコード、人工芝、絨毯、自動車座席用シート、魚網、ロープ、ザイル、フィルター用糸、芝刈り機用フィラメント、歯ブラシ、自動車用フロアマットなどが挙げられる。
本発明のポリアミドフィルムは延伸フィルムでも未延伸フィルムでもよく、ポリアミドフィルムの分野で公知の任意の成形加工法を用いて成形できる。
特性値を、以下の方法により測定した。
ηrは、ポリアミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dl)を用いて、オストワルド型粘度計により25℃で測定した。
Tm及びTcは、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSC用いて窒素雰囲気下で測定した。30℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、300℃で3分保持したのち、−100℃まで10℃/分の速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に300℃まで10℃/分の速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
Tdは島津製作所社製THERMOGRAVIMETRIC ANALYZER TGA−50を用い、熱重量分析(TGA)により測定した。20ml/分の窒素気流下室温から500℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、Tdを測定した。
溶融粘度はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製溶融粘弾性測定装置ARESに25mmのコーン・プレートを装着して、窒素中、290℃、せん断速度0.1s-1の条件で測定した。
東邦マシナリー社製真空プレス機TMB−10を用いて、ペレットからフィルムを成形した。500〜700Paの減圧雰囲気下において290℃(PA6を用いた場合は260℃、PA66を用いた場合は290℃、PA12を用いた場合は230℃)で5分間加熱溶融させた後、5MPaで1分間プレスを行いフィルム成形した。次に減圧雰囲気を常圧まで戻したのち室温5MPaで1分間冷却結晶化させてフィルムを得た。
上記(5)の条件で成形したフィルム(寸法:20mm×10mm、厚さ0.25mm;質量約0.05g)を23℃のイオン交換水に浸漬し、所定時間ごとにフィルムを取り出し、フィルムの質量を測定した。フィルム質量の増加率が0.2%の範囲内で3回続いた場合にポリアミド樹脂フィルムへの水分の吸収が飽和に達したと判断して、水に浸漬する前のフィルムの質量(Xg)と飽和に達した時のフィルムの質量(Yg)から次の式(1)により飽和吸水率(%)を算出した。
本発明によって得られるポリアミドの熱プレスフィルムを以下の薬品中に7日間浸漬した後に、フィルムの質量残存率(%)及び外観の変化を観測した。濃塩酸、64%硫酸、氷酢酸のそれぞれの溶液において23℃下で浸漬した試料について試験を行った。
上記(5)の条件で成形したフィルムをオートクレーブに入れ、水、0.5mol/l硫酸、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液中(すなわち、順に、pH=7、pH=1、pH=14)でそれぞれ121℃、60分間処理した後の質量残存率(%)を調べた。
以下に示す測定は、下記の試験片を樹脂温度290℃(PA6を用いた場合は260℃、PA66を用いた場合は290℃、PA12を用いた場合は230℃)、金型温度80℃の射出成形により成形し、これを用いて行った。
上記(5)の条件で成形したフィルム(寸法:20mm×10mm、厚さ0.25mm;質量約0.05g)を23℃65%RH条件下におき、所定時間ごとにフィルムを取り出し、フィルムの質量を測定した。フィルム質量の増加率が0.2%の範囲内で3回続いた場合にポリアミド樹脂フィルムへの水分の吸収が飽和に達したと判断して、上記23℃65%RH条件下におく前のフィルムの質量(Xg)と飽和に達した時のフィルムの質量(Yg)から次の式(2)により吸水率(%)を算出した。
ポリアミド樹脂をスクリュー径30mmの押出機(シリンダー設定温度260〜290℃)に投入し、直径1.47mm8穴のノズルから溶融押出し、7℃の冷水中で冷却し、第1ローラーで引張り、さらに第2ローラーの引き取り速度を第1ローラーの3.9倍として延伸し(延伸温度290℃)、さらに第3ローラーの引き取り速度を、第1ローラーの5倍とし、さらに延伸し(延伸温度300℃)、最後に第4ローラーを第3ローラーと同一の引き取り速度で引き取り、その間を雰囲気温度230〜260℃とし、熱固定してモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの引張強度、引張伸度、引張弾性率はJIS L1070、L1073に準じて測定した。
上記のモノフィラメントを23℃で相対湿度65%中に質量が一定になるまで静置し、その後、長さ1000mmに切断し、これを100℃水中に15分間浸漬し、その直後の寸法を測定して、
熱水収縮率(%)=[(浸漬前の寸法)−(100℃15分浸漬後の寸法)]/(浸漬前の寸法)×100により、熱水収縮力を百分率にて算出した。
上記のモノフィラメントを以下の薬品中に7日間浸漬した後に、モノフィラメントの質量残存率(%)及び外観の変化を観測した。濃塩酸、64%硫酸、氷酢酸のそれぞれの溶液において23℃下で浸漬した試料について試験を行った。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調節装置及びポリマー抜出し口を備えた内容積が約150リットルの圧力容器に蓚酸ジブチル28.230kg(139.56モル)を仕込み、圧力容器の内部を純度が99.9999%の窒素ガスで0.5MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。約30分間かけて蓚酸ジブチルの温度を100℃にした後、1,9−ノナンジアミン1.241kg(7.84モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン19.639kg(124.04モル)と1,6−ヘキサンジアミン0.893kg(7.68モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が5.62:88.88:5.50)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.75MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.13であった。
蓚酸ジブチル28.462kg(140.71モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン16.448kg(103.88モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン2.903kg(18.34モル)と1,6−ヘキサンジアミン2.150kg(18.50モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が73.83:13.03:13.14)を仕込んだほかは、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーで、ηr=2.97であった。
蓚酸ジブチル30.238kg(149.49モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン4.486kg(28.33モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン4.486kg(28.33モル)と1,6−ヘキサンジアミン10.79kg(92.85モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が18.95:18.95:62.10)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1.5時間かけて温度を270℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を1.00MPaに調節した。重縮合物の温度が270℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を285℃にし、285℃において1.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=2.88であった。
蓚酸ジブチル29.864kg(147.64モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン5.598kg(35.36モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン5.598kg(35.36モル)と1,6−ヘキサンジアミン8.941kg(76.92モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が23.95:23.95:52.10)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を250℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を1.00MPaに調節した。重縮合物の温度が250℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を270℃にし、270℃において2時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=2.83であった。
蓚酸ジブチル29.107kg(143.89モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン5.641kg(35.63モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.028kg(63.34モル)と1,6−ヘキサンジアミン5.223kg(44.93モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が24.76:44.02:31.22)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を250℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.75MPaに調節した。重縮合物の温度が240℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を265℃にし、265℃において3時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.11であった。
蓚酸ジブチル28.40kg(140.4モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン11.11kg(70.2モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン11.11kg(70.2モル)の混合物をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.5MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.35であった。
ジアミン原料として1,9−ノナンジアミン22.25kg(140.4モル)だけを用いて、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られた重合物は黄白色のポリマーであり、ηr=2.78であった。
表2に示すポリアミドを用い、前述した方法でモノフィラメントを作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
上記のポリアミドを用いて、前述した方法でフィルムを作製し、表3中に示す各種評価を行った。
本発明のポリアミドフィルムは、液体、蒸気及び/又は気体に対するバリア性に優れ、かつ低吸水性でありながら、溶融重合による高分子量化が可能で、成形可能温度幅が広く溶融成形性に優れ、耐薬品性及び耐加水分解性に優れるため、産業資材、工業材料、家庭用品などの用途、より具体的には例えば食品包装用などの用途のバリアフィルムとして好適に使用できる。
Claims (5)
- ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、
ジアミン成分が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物(以下、「C9ジアミン混合物」という。)及び1,6−ヘキサンジアミン(以下、「C6ジアミン」という。)からなり、
C9ジアミン混合物とC6ジアミンのモル比が1:99〜99:1であり、
前記ジアミン成分の、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が5:95〜95:5であるポリアミド樹脂を含む、押出成形材料。 - 前記ポリアミド樹脂の、96%硫酸を溶媒とし、濃度1.0g/dlのポリアミド樹脂溶液を用いて25℃で測定した場合の相対粘度(ηr)が1.8〜6.0である、請求項1に記載の押出成形材料。
- 前記ポリアミド樹脂の、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で測定した熱重量分析における1%重量減少温度と窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で測定した示差走査熱量法により測定した融点との温度差が50℃以上である、請求項1又は2に記載の押出成形材料。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形材料を用いたフィラメント。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形材料を用いたポリアミドフィルム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008244723A JP5577575B2 (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | 押出成形材料、フィラメント及びポリアミドフィルム |
PCT/JP2009/060979 WO2009151145A1 (ja) | 2008-06-10 | 2009-06-10 | 新規なポリアミド樹脂組成物及びポリアミド樹脂含有製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008244723A JP5577575B2 (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | 押出成形材料、フィラメント及びポリアミドフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010077211A JP2010077211A (ja) | 2010-04-08 |
JP5577575B2 true JP5577575B2 (ja) | 2014-08-27 |
Family
ID=42208028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008244723A Expired - Fee Related JP5577575B2 (ja) | 2008-06-10 | 2008-09-24 | 押出成形材料、フィラメント及びポリアミドフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5577575B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016107187A (ja) * | 2014-12-04 | 2016-06-20 | 株式会社クラレ | フィルター |
JP2018070828A (ja) * | 2016-11-02 | 2018-05-10 | 宇部興産株式会社 | ポリアミド樹脂及びそれを用いたフィルム |
JP7440273B2 (ja) * | 2020-01-17 | 2024-02-28 | グンゼ株式会社 | 包装用フィルム |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5093466A (en) * | 1990-02-20 | 1992-03-03 | Exxon Chemical Patents Inc. | Polyoxamide oxygen barrier |
JP3242781B2 (ja) * | 1994-02-16 | 2001-12-25 | 株式会社クラレ | ポリアミド樹脂 |
JP2000191771A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Kuraray Co Ltd | ポリアミドおよびその組成物 |
JP2004083817A (ja) * | 2002-08-29 | 2004-03-18 | Kuraray Co Ltd | ポリアミド |
JP4487687B2 (ja) * | 2004-08-23 | 2010-06-23 | 宇部興産株式会社 | 低吸水性部材 |
-
2008
- 2008-09-24 JP JP2008244723A patent/JP5577575B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010077211A (ja) | 2010-04-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5876693B2 (ja) | 半芳香族ポリアミド繊維、半芳香族ポリアミド不織布及びその製造方法 | |
JP5577575B2 (ja) | 押出成形材料、フィラメント及びポリアミドフィルム | |
JP5146124B2 (ja) | 燃料チューブ | |
JP2009299206A (ja) | フィラメント | |
JP5584968B2 (ja) | 可塑剤含有ポリアミド樹脂組成物及び成形物 | |
JP2009298870A (ja) | 自動車エンジンルーム内部品 | |
JP5458846B2 (ja) | 新規なポリアミド樹脂を含む電子写真用部材 | |
JP5347930B2 (ja) | 電子写真用部材 | |
JP2013095804A (ja) | 押出成形用ポリアミド樹脂組成物及びそれを押出成形して得た押出成形体 | |
JP2009298857A (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び該ポリアミド樹脂組成物から形成された成形物 | |
JP5621220B2 (ja) | 導電性ポリアミド樹脂組成物及びケーブルハウジング | |
JP2009298867A (ja) | ポリアミドフィルム | |
JP2009235223A (ja) | 自動車部材用ポリアミド樹脂 | |
JP5584964B2 (ja) | ポリアミド樹脂、層状珪酸塩を含む複合材料及び中空成形部品 | |
JP6162184B2 (ja) | 半芳香族ポリアミド繊維、半芳香族ポリアミド不織布及びその製造方法 | |
JP5577574B2 (ja) | 新規なポリアミド樹脂を含む射出成形材料及びそれらから作製した射出成形体 | |
JP5446795B2 (ja) | Icトレイ用ポリアミド樹脂組成物及びicトレイ | |
JP2011116886A (ja) | 産業用チューブ | |
JP2009298852A (ja) | 可塑剤含有ポリアミド樹脂組成物及び成形物 | |
JP5584966B2 (ja) | 耐熱剤含有樹脂組成物及び該耐熱剤含有樹脂組成物から形成された成形物 | |
JP2009298864A (ja) | 新規なポリアミド樹脂を含む射出成形材料 | |
JP5577577B2 (ja) | 新規なポリアミド樹脂を用いて作製された車両用部品、車両内装部品、車両外装部品、及び車両エンジンルーム内部品 | |
JP5584967B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び該ポリアミド樹脂組成物から形成された成形物 | |
JP2009298854A (ja) | ポリアミド樹脂及び層状珪酸塩を含む複合材料 | |
JP2013095780A (ja) | 射出成形用ポリアミド樹脂組成物及びそれを射出成形して得た射出成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110830 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130828 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140610 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140623 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5577575 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |