以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
また、本発明における配線基板は、半導体パッケージ、インターポーザ、実装基板等に適用することができ、特に、半導体パッケージに適用することが好適である。以下の実施形態では、半導体パッケージとして配線基板を用いた場合について説明する。
(実施形態1)
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。まず、図1に示すように、支持板1上に、支持板1と材質が異なり、導電性を有する給電層7を形成する。支持板1は、例えば、500μm程度の厚さのCu(銅)箔である。給電層7は、例えば、めっき法によって形成した1〜5μm程度の厚さのNi(ニッケル)めっき膜である。なお、支持板1として、Cu箔の他に各種金属箔を使用することができる。
なお、給電層7は、導通性を有していれば、Al(アルミニウム)膜などであっても良く、また、例えばスパッタ法などで形成されても良い。本実施形態では、後工程で、給電層7をめっき導通部として用いて電解めっき法を行うので、給電層7は導電性を有するものとしている。また、支持板1の厚さは、製造工程中の支持板1に反りが発生しない厚さであれば良い。支持板1の厚さが薄すぎて反りが発生してしまうと、例えば位置合わせずれが生じ、製造歩留まりが低下してしまうからである。
続いて、図2に示すように、給電層7を覆うように支持板1上にレジスト層2(めっきレジスト層)を形成した後、給電層7を露出する開口部2aをレジスト層2に形成する。レジスト層2は、例えば、所定の厚さのドライフィルムレジストまたは液状レジストにより形成する。例えば、給電層7上にドライフィルムレジストを形成した後に、そのドライフィルムレジストに対して露光・現像を行うことによって開口部2aを有するレジスト層2が給電層7上に形成される。
続いて、図3に示すように、給電層7をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの給電層7上に給電層7と材質が異なるめっき膜4を形成する。このめっき膜4は、電極パッドを構成するものに含まれる。なお、支持板1に導電性を有する各種金属箔を用いた場合、給電層7の他に支持板1もめっき導通部として機能する。
めっき膜4は、例えば、10〜20μm程度の厚さのCuめっき膜である。本実施形態では、給電層7としてNiめっき膜を形成しているので、めっき膜4はそれとは異なる材質のCuめっき膜を形成している。後工程で、Niめっき膜からなる給電層7はエッチングによって除去されるが、その時にはめっき膜4は残存させておくので、めっき膜4には、Niめっき膜とエッチングレートの異なる材質であるCuめっき膜を形成している。
続いて、図4に示すように、レジスト層2を除去する。
続いて、図5に示すように、給電層7を覆うように支持板1上にレジスト層5(めっきレジスト層)を形成した後、給電層7を露出する開口部5aをレジスト層5に形成する。ここでのレジスト層5は、支持板1上に形成されているめっき膜4を覆うようにして、レジスト層2と同様にして形成される。
続いて、図6に示すように、給電層7をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの給電層7上に給電層7およびめっき膜4と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、電極パッドを構成するものに含まれる。なお、支持板1に導電性を有する各種金属箔を用いた場合、給電層7の他に支持板1もめっき導通部として機能する。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、支持板1側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。給電層7としてNiめっき膜およびめっき膜4としてCuめっき膜を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれらとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。
後工程で、Niめっき膜からなる給電層7はエッチングによって除去されるが、その時にはめっき膜6は残存させておくので、エッチングストッパとして、めっき膜6の支持板1側にはエッチングレートの異なる材質であるAuめっき膜を形成している。なお、前述したように、給電層7のエッチング除去時にはめっき膜4も残存させておくので、めっき膜4として、給電層7のNiめっき膜とエッチングレートの異なる材質であるCuめっき膜を形成している。
本実施形態では、めっき膜6を形成する際に、めっき膜4とも材質が異なるめっき膜6を形成している。めっき膜4としてCuめっき膜を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれとは異なるAuめっき膜を形成している。後工程ではこれらめっき膜4、6は配線基板の電極パッドとして用いられる。これにより、例えば、配線基板上に搭載される種々の部品の外部接続端子に対応した材質の異なる表面処理が施された電極パッドを形成することができることとなる。
なお、給電層7とはエッチングレートの異なる材質のめっき膜が形成されていれば、それ以降に形成されるめっき膜の材質は電極パッドとして構成できるものであれば、給電層7と同一の材質であっても良い。本実施形態のめっき膜6は、給電層7の材質をNiめっき膜としているので、給電層7とはエッチングレートの異なる材質のAuめっき膜を支持板1側に形成し、それ以降はNiめっき膜、Cuめっき膜を形成することによってなる積層膜としている。
続いて、図7に示すように、レジスト層5を除去する。
続いて、図8に示すように、めっき膜4およびめっき膜6と電気的に接続された配線層を形成する。この配線層は、例えば、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含んで構成されるビルドアップ配線層である。すなわち、めっき膜4、6と電気的に接続された配線層と絶縁層とを積層し、配線基板本体を形成する。
まず、支持板1上に形成されているめっき膜4およびめっき膜6を覆うように層間絶縁層14を形成した後、めっき膜4およびめっき膜6に到達するビア(VIA)穴を形成し、そのビア穴を介してめっき膜4およびめっき膜6と電気的に接続される配線11を形成する。
層間絶縁層14は、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの樹脂フィルムで形成する。また、前記ビア穴は、例えば、めっき膜4およびめっき膜6をストッパとして用いたレーザやドライエッチングによって、めっき膜4およびめっき膜6に到達して層間絶縁層14に形成される開口部である。
また、配線11は、例えば、セミアディティブ法によって形成される。まず、前記ビア穴内および層間絶縁層14上に無電解めっきなどによりシード層(図示しない)を形成した後に、配線11が形成される領域に開口部が設けられたレジスト層(図示しない)を形成する。次いで、前記シード層をめっき導通部に用いた電解めっき法によって、前記レジスト層の開口部内に、例えばCuめっき膜を形成する。次いで、前記レジスト層を剥離した後、前記Cuめっき膜をマスクにして前記シード層をエッチングする。これにより、ビア穴内に形成されたビアと層間絶縁層14上に形成された配線パターンとからなり、前記Cuめっき膜から構成される配線11が形成される。
次いで、層間絶縁層14および配線11の形成工程と同様の工程を繰り返すことによって、層間絶縁層14上に形成されている配線11を覆うように層間絶縁層15を形成した後、配線11に到達するビア穴を形成し、そのビア穴を介して配線11と電気的に接続される配線12を形成する。
次いで、層間絶縁層14および配線11の形成工程と同様の工程を繰り返すことによって、層間絶縁層15上に形成されている配線12を覆うように層間絶縁層16を形成した後、配線12に到達するビア穴を形成し、そのビア穴を介して配線12と電気的に接続される配線13を形成する。これにより、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含んで構成される配線層(ビルドアップ配線層)が形成される。
次いで、層間絶縁層16上に、配線13の表面を露出する開口部を有するソルダレジスト17を形成する。ソルダレジスト17は、例えば、層間絶縁層16上にフィルム状のレジストを形成した後、該レジストに対して露光・現像を行うことによって形成される。なお、ソルダレジスト17から露出している部分の配線13は、電極パッドとして用いられ、ソルダレジスト17によって、外部接続端子との接続時のショート(短絡)が防止され、また保護される。
次いで、露出している配線13に対して保護などを行うための表面処理を行う。図示しないが、露出している配線13上には、OSP(Organic Solder Preservative)膜、無電解Ni/Pd/Auめっき膜、または無電解Ni/Auめっき膜が形成される。
続いて、図9に示すように、支持板1を除去する。支持板1にCu箔を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板1を除去する。給電層7に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングの際、Niめっき膜からなる給電層7は除去されない。
続いて、図10に示すように、給電層7を除去する。給電層7にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって給電層7を除去する。めっき膜4に、給電層7のNiめっき膜とエッチングレートの異なるCuめっき膜が形成されているので、給電層7の除去の際にはめっき膜4は除去されずに残存する。また、めっき膜6の露出側に、給電層7のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、給電層7の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。これらめっき膜4、6の露出面が層間絶縁層14の表面と同一面(フラット)となっている。
なお、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。また、電極パッドの露出面を保護するなどの必要がある場合、めっき膜4上に、例えばOSP膜を形成しても良い。これにより、配線基板本体の支持板除去面にめっき膜4、6を露出させることとなる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Jが形成される。配線基板20Jの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド4aが形成されている。また、配線基板20Jの外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド6aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。配線基板20Jでは、層間絶縁層14から露出している電極パッド4aと電極パッド6aの材質が異なるように表面処理が施されており、電極パッド4aの材質はCu(Cuめっき膜)であり、電極パッド6aの材質はAu(Auめっき膜)である。
この配線基板20Jは、一般的な配線基板が有するコア基板の代わりに、支持板1を用いて形成されたコアレス基板である。本実施形態では、支持板1への表面処理を利用すること、すなわち複数回のパターニングと複数のめっきを行うことにより、支持板1の除去後の配線基板20J(コアレス基板)表面のめっき膜4、6露出面を異なる材質で形成することができる。
また、本実施形態では給電層7をめっき導通部としているので、一般的な配線基板のように別にめっき導通部(バスライン)を形成する必要がなく(バスレス化)、後でバスを除去あるいは切断する工程を削減することができ、コストも低減することができる。また、電極パッド6aのめっき膜6形成時に電極パッド4a(めっき膜4)部にめっきが付かないようにマスクする必要が無いので、めっきマスク材によるめっき液汚染の防止を図ることもできる。また、バス形成のための配線を確保する必要もないので、電極パッド4a、6aのファインピッチ化を図ることができる。
続いて、図11に示すように、配線基板20J上に半導体チップ21を搭載する。半導体チップ21の主面(素子形成面)には内部素子と電気的に接続されている金バンプやはんだバンプ等の外部接続端子22が形成されている。この外部接続端子22と、配線基板20Jの電極パッド4aとが電気的に接続されて、配線基板20J上に半導体チップ21はフリップチップ実装される。
次いで、配線基板20J上に放熱作用を有する導電性のリッド23(例えば、銅やアルミニウム等の金属からなる)を搭載する。このリッド23は、放熱板として用いるが、放熱作用の他に、基準電位(GND)と接続して回路動作の安定化や、外部ノイズの遮断として用いても良い。半導体チップ21の裏面(主面とは反対の面)と、蓋部23aとがグリス24を介して接触され、また、蓋部23aの外周で枠状に突起している接続部23bと、配線基板20Jの電極パッド6aとが、例えばはんだ25を介して電気的に接続されて、配線基板20J上にリッド23は接合されている。これにより、半導体チップ21とリッド23は半導体チップ21の裏面にグリス24を介してリッド23が接着して搭載され、リッド23で半導体チップ21がカバーされている。
このように、配線基板20Jには、半導体チップ21やリッド23が搭載されている。半導体チップ21は、半導体チップ21の主面に形成されている外部接続端子22と電極パッド4aとが電気的に接続されて配線基板20Jに搭載されている。また、リッド23は、半導体チップ21を覆うように、リッド23に形成されている接続部23bと電極パッド6aとが電気的に接続されて配線基板20Jに搭載されている。
以上により、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Jを有する半導体パッケージ30Jが形成される。半導体装置の高機能化、小型化に伴い、半導体チップを搭載する半導体パッケージも小型化、薄型化が要求されている。この配線基板20Jは、ある程度の厚みを有するコア基板の代わりに、後工程で除去される支持板1を用いて形成されたコアレス基板であるので、薄型化(例えば、170〜200μm程度)とすることができる。よって、半導体パッケージ30Jを小型化、薄型化することができる。
また、本実施形態における配線基板20Jでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質で表面処理が施された電極パッド4a、6aに用いることができる。本実施形態では、半導体チップ21との接続には、電気信号の伝達性を良好とするために、電極パッド4aの露出面の材質に例えばCuを用いている。また、リッド23との接続に用いる電極パッド6aの露出面の材質に酸化を防止し、はんだ付け性を向上するために例えばAuを用いている。このように、電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Jの電気的特性、信頼性を向上することができる。
なお、本実施形態では、Cu箔の支持板1上にNiめっき膜の給電層7を形成し、その給電層7をめっき導通部として用いたが、導電性の支持板1としてNi箔を用いた場合には、給電層7を形成せずに配線基板20Jを形成することができる。前述した製造工程と同様にして、Ni箔の支持板1上に開口部2aを有するレジスト層2を直接形成し、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの支持板1上に支持体1と材質が異なるめっき膜4を形成した後、レジスト層2を除去する。
次いで、Ni箔の支持板1上に開口部5aを有するレジスト層5を形成し、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの支持板1上に支持板1およびめっき膜4と材質が異なるめっき膜6を形成した後、レジスト層5を除去する。次いで、図12に示すように、めっき膜4およびめっき膜6と電気的に接続され、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含んで構成される配線層(ビルドアップ配線層)が形成される。次いで、Ni箔の支持体1を例えばエッチングによって除去した後、図10、図11に示した製造工程を経ることによって、前述した配線基板20Jを有する半導体パッケージ30Jを形成することができる。
(実施形態2)
前記実施形態1では、電極パッド毎に露出面の材質を異ならせるために、図10に示したように、領域Aにおいて半導体チップ21と接続される電極パッド4aの表面にCuめっき膜を露出し、領域Bにおいてリッド23と接続される電極パッド6aの表面にAuめっき膜を露出する場合について説明した。本実施形態では、図17に示すように、領域Aにおいて半導体チップ21と接続される電極パッド6aの表面にAuめっき膜を露出し、領域Bにおいてリッド23と接続される電極パッド4aの表面にCuめっき膜を露出する場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。前記実施形態1で図1、図2を参照して説明した製造工程後に、図13に示すように、給電層7をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの給電層7上に給電層7と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、支持板1側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。給電層7としてNiめっき膜を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層2を除去した後、図14に示すように、支持板1上に開口部5aを有するレジスト層5を形成する。次いで、給電層7をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの給電層7上に給電層7と材質が異なるめっき膜4(Cuめっき膜)を形成する。このめっき膜4は、電極パッドを構成するものに含まれる。
次いで、レジスト層5を除去した後、図15に示すように、めっき膜4およびめっき膜6を覆うように、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含む配線層(ビルドアップ配線層)を形成する。すなわち、めっき膜4、6と電気的に接続された配線層と絶縁層とを積層し、配線基板本体を形成する。
続いて、図16に示すように、支持板1を除去する。支持板1にCu箔を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板1を除去する。給電層7に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングの際、Niめっき膜からなる給電層7は除去されない。
続いて、図17に示すように、給電層7を除去する。給電層7にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって給電層7を除去する。めっき膜4に、給電層7のNiめっき膜とエッチングレートの異なるCuめっき膜が形成されているので、給電層7の除去の際にはめっき膜4は除去されずに残存する。また、めっき膜6の露出側に、給電層7のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、給電層7の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。これにより、配線基板本体の支持板除去面にめっき膜4、6を露出させることとなる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Kが形成される。配線基板20Kの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド6aが形成されている。また、配線基板20Kの外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド4aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。配線基板20Kでは、層間絶縁層14から露出している電極パッド4aと電極パッド6aの材質が異なるものとなっており、電極パッド4aの材質はCu(Cuめっき膜)であり、電極パッド6aの材質はAu(Auめっき膜)である。
続いて、前記実施形態1で図11を参照して説明した製造工程を行うことによって、図18に示すように、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Kを有する半導体パッケージ30Kが形成される。
本実施形態における配線基板20Kでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。本実施形態では、半導体チップ21との接続に用いる電極パッド6aの露出面の材質に酸化を防止し、はんだ付け性を向上するための例えばAuを用いている。また、リッド23との接続には、熱伝達性を良好とするために、電極パッド4aの露出面の材質に例えばCuを用いている。このように、電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Kの信頼性などを向上することができる。
なお、前記実施形態1の変形例(図12参照)と同様に、支持板1と電極パッド4a、6aのめっき膜の材質を異ならせることは、本実施形態にも適用することができる。すなわち、導電性の支持板1としてNi箔を用いた場合には、給電層7を形成せずに配線基板20Kを形成することができる。
(実施形態3)
前記実施形態1では、電極パッド毎に露出面の材質を異ならせた配線基板20Jとして、図10に示したように、領域Aにおいて半導体チップ21と接続される電極パッド4aとしてCuめっき膜を露出し、領域Bにおいてリッド23と接続される電極パッド6aとしてAuめっき膜を露出する場合について説明した。本実施形態では、図27に示すように、配線基板20Aの中央部の領域Aでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面とし、配線基板20Aの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面としている場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。まず、図19に示すように、導電性の支持板1上に開口部2aを有するレジスト層2を形成する。導電性の支持板1は、例えば、500μm程度の厚さのCu(銅)箔である。レジスト層2は、例えば、所定の厚さのドライフィルムレジストまたは液状レジストにより形成する。例えば、支持板1上にドライフィルムレジストを形成した後に、そのドライフィルムレジストに対して露光・現像を行うことによって開口部2aを有するレジスト層2が支持板1上に形成される。
なお、支持板1は導電性を有していれば、Al(アルミニウム)箔などであっても良い。本実施形態では、後工程で、支持板1をめっき導通部として用いて電解めっき法を行うからである。また、支持板1の厚さは、製造工程中の支持板1に反りが発生しない厚さであれば良い。支持板1の厚さが薄すぎて反りが発生してしまうと、例えば位置合わせずれが生じ、製造歩留まりが低下してしまうからである。本実施形態では、後工程で、支持板1をCu箔とし、それをエッチングによって除去するので、支持板1の厚さは、反りが発生せず、エッチング時間が短時間で済む厚さが好ましい。
続いて、図20に示すように、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの支持板1上に支持板1と材質が異なる深さ調整膜3を形成する。深さ調整膜3は、例えば、10〜20μm程度の厚さのNi(ニッケル)めっき膜である。本実施形態では、支持板1としてCu箔を用いているので、深さ調整膜3はそれとは異なる材質のNiめっき膜を用いている。後工程で、Cu箔からなる支持板1はエッチングによって除去されるが、その時には深さ調整膜3は残存させておくので、深さ調整膜3には、Cu箔とエッチングレートの異なる材質であるNiめっき膜を用いている。
次いで、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの深さ調整膜3上に深さ調整膜3と材質が異なるめっき膜4を形成する。このめっき膜4は、深さ調整膜3とは異なり、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜4は、例えば、10〜20μm程度の厚さのCuめっき膜である。本実施形態では、深さ調整膜3としてNiめっき膜を形成しているので、めっき膜4はそれとは異なる材質のCuめっき膜を形成している。後工程で、Niめっき膜からなる深さ調整膜3はエッチングによって除去されるが、その時にはめっき膜4は残存させておくので、めっき膜4には、Niめっき膜とエッチングレートの異なる材質であるCuめっき膜を形成している。
なお、めっき膜4は、例えばNiめっき膜からなる深さ調整膜3と異なる材質であれば、Au(金)めっき膜、Pd(パラジウム)めっき膜などであっても良く、Cuめっき膜、Auめっき膜、Pdめっき膜を含む積層膜であっても良い。また、深さ調整膜3のエッチング時にめっき膜4が残存すれば良いので、例えばNiめっき膜からなる深さ調整膜3上に、深さ調整膜3と異なる材質のCuめっき膜(この場合、エッチングストッパとなる)を形成した後、その上に深さ調整膜3と同じ材質のNiめっき膜を形成した積層膜としても良い。
続いて、図21に示すように、レジスト層2を除去する。
続いて、図22に示すように、支持板1上に開口部5aを有するレジスト層5を形成する。ここでのレジスト層5は、支持板1上に形成されている深さ調整膜3およびめっき膜4を覆うようにして、レジスト層2と同様にして形成される。
続いて、図23に示すように、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの支持板1上に支持板1と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、支持板1側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。支持板1としてCu箔を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。後工程で、Cu箔からなる支持板1はエッチングによって除去されるが、その時にはめっき膜6は残存させておくので、エッチングストッパとして、めっき膜6の支持板1側にはエッチングレートの異なる材質であるAuめっき膜を形成している。
ここで、本実施形態では、めっき膜6を形成する際に、めっき膜4とも材質が異なるめっき膜6を形成している。めっき膜4としてCuめっき膜を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれとは異なるAuめっき膜を形成している。後工程ではこれらめっき膜4、6は配線基板の電極パッドとして用いられる。これにより、例えば、配線基板上に搭載される種々の部品の外部接続端子に対応した材質の異なる電極パッドを形成することができることとなる。
続いて、図24に示すように、レジスト層5を除去する。
続いて、図25に示すように、めっき膜4およびめっき膜6と電気的に接続された配線層を形成する。この配線層は、例えば、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含んで構成されるビルドアップ配線層である。すなわち、めっき膜4、6と電気的に接続された配線層と絶縁層とを積層し、配線基板本体を形成する。
まず、支持板1上に形成されている深さ調整膜3/めっき膜4、およびめっき膜6を覆うように層間絶縁層14を形成した後、深さ調整膜3/めっき膜4、およびめっき膜6に到達するビア(VIA)穴を形成し、そのビア穴を介してめっき膜4およびめっき膜6と電気的に接続される配線11を形成する。
層間絶縁層14は、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの樹脂フィルムで形成する。また、前記ビア穴は、例えば、めっき膜4およびめっき膜6をストッパとして用いたレーザやドライエッチングによって、めっき膜4およびめっき膜6に到達して層間絶縁層14に形成される開口部である。
また、配線11は、例えば、セミアディティブ法によって形成される。まず、前記ビア穴内および層間絶縁層14上に無電解めっきなどによりシード層(図示しない)を形成した後に、配線11が形成される領域に開口部が設けられたレジスト層(図示しない)を形成する。次いで、前記シード層をめっき導通部に用いた電解めっき法によって、前記レジスト層の開口部内に、例えばCuめっき膜を形成する。次いで、前記レジスト層を剥離した後、前記Cuめっき膜をマスクにして前記シード層をエッチングする。これにより、前記Cuめっき膜から構成される配線11が形成される。
次いで、層間絶縁層14および配線11が形成された同様の工程を繰り返すことによって、層間絶縁層14上に形成されている配線11を覆うように層間絶縁層15を形成した後、配線11に到達するビア穴を形成し、そのビア穴を介して配線11と電気的に接続される配線12を形成する。
次いで、層間絶縁層14および配線11が形成された同様の工程を繰り返すことによって、層間絶縁層15上に形成されている配線12を覆うように層間絶縁層16を形成した後、配線12に到達するビア穴を形成し、そのビア穴を介して配線12と電気的に接続される配線13を形成する。これにより、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含んで構成される配線層(ビルドアップ配線層)が形成される。
次いで、層間絶縁層16上に、配線13の表面を露出する開口部を有するソルダレジスト17を形成する。ソルダレジスト17は、例えば、層間絶縁層16上にフィルム状のレジストを形成した後、該レジストに対して露光・現像を行うことによって形成される。なお、ソルダレジスト17から露出している部分の配線13は、電極パッドとして用いられ、ソルダレジスト17によって、外部接続端子との接続時のショート(短絡)が防止され、また保護される。
次いで、露出している配線13に対して保護などを行うための表面処理を行う。図示しないが、露出している配線13上には、OSP(Organic Solder Preservative)膜、無電解Ni/Pd/Auめっき膜、または無電解Ni/Auめっき膜が形成される。
続いて、図26に示すように、支持板1を除去する。支持板1にCu箔を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板1を除去する。なお、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。なお、配線基板本体の支持板除去面にめっき膜4、6を露出させることとなる。
深さ調整膜3に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、支持板1の除去の際には深さ調整膜3およびめっき膜4は除去されずに残存する。これにより、深さ調整膜3の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
また、めっき膜6の支持板1側に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、支持板1の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。これにより、めっき膜6の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
続いて、図27に示すように、深さ調整膜3を除去することによって、めっき膜4上に凹部18を形成する。なお、電極パッドの露出面を保護するなどの必要がある場合、めっき膜4上に、例えばOSP膜を形成しても良い。
深さ調整膜3にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって深さ調整膜3を除去する。めっき膜6の露出側に、深さ調整膜3のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、深さ調整膜3の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。なお、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。
層間絶縁層14に形成された凹部18の底面では、めっき膜4が露出している。凹部18の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜3の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜3の厚さを10〜20μm程度とした場合、凹部18の深さも10〜20μm程度となる。なお、深さ調整膜3の厚さを極めて薄くした場合、凹部18が形成されず、めっき膜4の露出面が層間絶縁層14の表面と実質的に同一面(フラット)とすることもできる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Aが形成される。図30は配線基板20Aを模式的に示す平面図である。なお、この図30のX−X線に対応して、これまで説明した図19〜図27、後に説明する図28〜図29に製造工程中の半導体パッケージの断面が示されている。
本実施形態では、図30において、符号Aが示す領域をチップ搭載領域とし、符号Bが示す領域をリッド搭載領域としている。配線基板20Aの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド4aが形成されている。また、配線基板20Aの中央部に隣接した外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド6aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。
この配線基板20Aは、一般的な配線基板が有するコア基板の代わりに、支持板1を用いて形成されたコアレス基板である。本実施形態では、支持板1への表面処理を利用すること、すなわち複数回のパターニングと複数のめっきを行うことにより、支持板1の除去後の配線基板20A(コアレス基板)表面のめっき膜4、6露出面に、異なる任意の段差を形成することができる。
異なる任意の段差について説明する。本実施形態では、層間絶縁層14からのめっき膜6の露出面までの深さがなく、めっき膜6の露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合を示すが、このような場合を含めて層間絶縁層14からのめっき膜6の露出面の深さを段差(深さがある)として説明している。
配線基板20Aは、めっき膜4で構成される電極パッド4a、およびめっき膜6で構成される電極パッド6aを有しており、電極パッド4aおよび電極パッド6aは層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。配線基板20Aの領域Aは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。また、配線基板20Aの領域Bは、電極パッド6aの露出面が、層間絶縁層14の表面と同一面であり、フラット状に形成されている。これら深さの相違によって、電極パッド4aと電極パッド6a形成部分の配線基板20Aに異なる段差を形成することができる。
また、本実施形態では支持板1をめっき導通部としているので、別にめっき導通部(バスライン)を形成する必要がなく(バスレス化)、後でバスを除去あるいは切断する工程を削減することができ、コストも低減することができる。また、電極パッド6aのめっき膜6形成時に電極パッド4a(めっき膜4)部にめっきが付かないようにマスクする必要が無いので、めっきマスク材によるめっき液汚染の防止を図ることもできる。また、バス形成のための配線を確保する必要もないので、電極パッド4a、6aのファインピッチ化を図ることができる。
続いて、図28に示すように、配線基板20A上に半導体チップ21を搭載する。半導体チップ21の主面(素子形成面)には内部素子と電気的に接続されている金バンプやはんだバンプ等の外部接続端子22が形成されている。この外部接続端子22と、配線基板20Aの電極パッド4aとが電気的に接続されて、配線基板20A上に半導体チップ21はフリップチップ実装される。
続いて、図29に示すように、配線基板20A上に放熱作用を有する導電性のリッド23を搭載する。このリッド23は、放熱板として用いるが、放熱作用の他に、基準電位(GND)と接続して回路動作の安定化や、外部ノイズの遮断として用いても良い。
図29に示すリッド23は、平面矩形状の蓋部23aと、蓋部23aの外周で枠状に突起している接続部23bとを含んだ枡形をしている。半導体チップ21の裏面(主面とは反対の面)と、蓋部23aとがグリス24を介して接触され、また、接続部23bと、配線基板20Aの電極パッド6aとが、例えばはんだ25を介して電気的に接続されて、配線基板20A上にリッド23は接合されている。これにより、半導体チップ21とリッド23は半導体チップ21の裏面にグリス24を介してリッド23が接着して搭載され、枡形をしているリッド23の内部で半導体チップ21がカバーされている。
このように、配線基板20Aには、半導体チップ21やリッド23が搭載されている。半導体チップ21は、半導体チップ21の主面に形成されている外部接続端子22と電極パッド4aとが電気的に接続されて配線基板20Aに搭載されている。また、枡形のリッド23は、半導体チップ21を覆うように、リッド23に形成されている接続部23bと電極パッド6aとが電気的に接続されて配線基板20Aに搭載されている。
以上により、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Aを有する半導体パッケージ30Aが形成される。半導体装置の高機能化、小型化に伴い、半導体チップを搭載する半導体パッケージも小型化、薄型化が要求されている。この配線基板20Aは、ある程度の厚みを有するコア基板の代わりに、後工程で除去される支持板1を用いて形成されたコアレス基板であるので、薄型化(例えば、170〜200μm程度)とすることができる。よって、半導体パッケージ30Aを小型化、薄型化することができる。
半導体パッケージの薄型化の観点において、配線基板に種々の部品を搭載する場合、図63を参照して説明したように、配線基板101の電極パッド102すべての搭載面(露出面)が最表面から同一の深さにある場合、搭載用のはんだ(接続材)の量によって部品の接続高さを調整しなければならない。
しかしながら、本実施形態では、はんだ量の調整の他に、電極パッドの搭載面(露出面)の深さ制御を加えることによって、配線基板に部品を搭載することに関しての自由度を高めている。具体的には、例えば、図29に示したように、電極パッド4a、6aが層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出しているので、配線基板20A上に種々の部品(半導体チップ21およびリッド23)を搭載できる自由度を高めることができる。
これにより、半導体パッケージ30Aの薄型化においては、配線基板20Aに搭載する種々の部品の高さ調整を電極パッド4a、6aの搭載面(露出面)の深さ制御に重点をおき、配線基板20Aと種々の部品との接続においては、はんだ(接続材)の量制御に重点をおくこともできる。したがって、配線基板20Aと種々の部品との接続強度を高めることができるので、半導体パッケージ30Aの信頼性を向上することができる。
さらに、本実施形態では、種々の部品(半導体チップ21およびリッド23)によって、電極パッド4aの深さが、電極パッド6aの深さより深く、電極パッド4aの露出面の面積が、電極パッド6aの露出面の面積より小さいものとしている。このように、配線基板20Aに搭載する種々の部品によって、電極パッド4a、6aの深さ、面積を調整することで、電極パッド4a、6a、外部接続端子22、接続部23bへの応力やひずみが緩和され、半導体パッケージ30Aの信頼性を向上することができる。
また、半導体チップ21の外部接続端子22の高さと、電極パッド4aの深さとを調整することによって、電極パッド4a上の凹部18に外部接続端子22を嵌め込むように固定して、配線基板20Aと半導体チップ21を接続できるので、半導体パッケージ30Aの信頼性を向上することができる。
また、本実施形態における配線基板20Aでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いても良い。本実施形態では、半導体チップ21との接続には、電気信号の伝達性を良好とするために、電極パッド4aの露出面の材質に例えばCuを用いている。また、リッド23との接続に用いる電極パッド6aの露出面の材質に酸化を防止し、はんだ付け性を向上するための例えばAuを用いている。このように、電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Aの電気的特性、信頼性を向上することができる。
(実施形態4)
前記実施形態3では、図27に示したように、配線基板20Aの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合を示した。本実施形態では、図34に示すように、配線基板20Bの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部42の底面と同一面となっている場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。前記実施形態3で図19〜図22を参照して説明した製造工程後に、図31に示すように、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの支持板1上に支持板1と材質が同一の深さ調整膜41を形成する。深さ調整膜41は、例えば、5μm程度の厚さのCuめっき膜である。本実施形態では、支持板1としてCu箔を用いるので、深さ調整膜41はそれとは同一材質のCuめっき膜を用いている。後工程で、Cu箔からなる支持板1はエッチングによって除去されるが、そのエッチング時に深さ調整膜41も除去するので、深さ調整膜41には、Cu箔と同一材質であるCuめっき膜を用いている。
次いで、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの深さ調整膜41上に深さ調整膜41と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、深さ調整膜41とは異なり、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、支持板1側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。深さ調整膜41としてCuめっき膜を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。後工程で、Cu箔からなる支持板1およびCuめっき膜からなる深さ調整膜41はエッチングによって除去されるが、そのエッチング時にはめっき膜6は残存させておくので、エッチングストッパとして、めっき膜6の支持板1側にはエッチングレートの異なる材質であるAuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層5を除去した後、図32に示すように、めっき膜4およびめっき膜6を覆うように、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含む配線層(ビルドアップ配線層)を形成する。すなわち、めっき膜4、6と電気的に接続された配線層と絶縁層とを積層し、配線基板本体を形成する。
続いて、図33に示すように、支持板1および深さ調整膜41を除去する。支持板1にCu箔、深さ調整膜41にCuめっき膜を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板1および深さ調整膜41を除去する。なお、エッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。なお、配線基板本体の支持板除去面にめっき膜4、6を露出させることとなる。
深さ調整膜3に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、支持板1の除去の際には深さ調整膜3およびめっき膜4は除去されずに残存する。これにより、深さ調整膜3の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
また、めっき膜6の支持板1側に、支持板1のCu箔および深さ調整膜41のCuめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、支持板1および深さ調整膜41の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。深さ調整膜41を除去することによって、めっき膜6上に凹部42が形成され、めっき膜6の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
このように、層間絶縁層14に形成された凹部42の底面では、めっき膜6が露出している。凹部42の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜41の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜41の厚さを5μm程度とした場合、凹部42の深さも5μm程度となる。
続いて、図34に示すように、深さ調整膜3を除去することによって、めっき膜4上に凹部18を形成する。深さ調整膜3にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって深さ調整膜3を除去する。めっき膜6の露出側に、深さ調整膜3のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、深さ調整膜3の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。なお、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。
このように、層間絶縁層14に形成された凹部18の底面では、めっき膜4が露出している。凹部18の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜3の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜3の厚さを10〜20μm程度とした場合、凹部18の深さも10〜20μm程度となる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Bが形成される。配線基板20Bの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド4aが形成されている。また、配線基板20Bの外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド6aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。
配線基板20Bは、めっき膜4で構成される電極パッド4a、およびめっき膜6で構成される電極パッド6aを有しており、電極パッド4aおよび電極パッド6aは層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。配線基板20Bの領域Aは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。また、配線基板20Bの領域Bは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部42の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。これら電極パッド4a、6aの露出面の深さの相違によって、電極パッド4aと電極パッド6a形成部分の配線基板20Bに異なる段差を形成することができる。
続いて、前記実施形態3で図28、図29を参照して説明した製造工程を行うことによって、図35に示すように、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Bを有する半導体パッケージ30Bが形成される。
本実施形態における半導体パッケージ30Bは、層間絶縁層14から露出する電極パッド4a、6aを有する配線基板20Bを備え、電極パッド4a、6aはそれぞれ層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。これにより、配線基板20Bに種々の部品を搭載することに関しての自由度が、接続材の量制御の他、電極パッド4a、6aの搭載面(露出面)の深さ制御が加わることによって高まる。したがって、配線基板20Bと種々の部品との接続強度を高めることができるので、半導体パッケージ30Bの信頼性を向上することができる。
また、配線基板20Bでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Bの電気的特性、信頼性を向上することができる。
(実施形態5)
前記実施形態3では、図27に示したように、配線基板20Aの中央部の領域Aでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面となっており、配線基板20Aの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合を示した。本実施形態では、図40に示すように、配線基板20Cの外周部の領域Bでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面となっており、配線基板20Cの中央部の領域Aでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。前記実施形態3で図19を参照して説明した製造工程後に、図36に示すように、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの支持板1上に支持板1と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、支持板1側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。支持板1としてCu箔を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。後工程で、Cu箔からなる支持板1はエッチングによって除去されるが、その時にはめっき膜6は残存させておくので、エッチングストッパとして、めっき膜6の支持板1側にはエッチングレートの異なる材質であるAuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層2を除去した後、図37に示すように、支持板1上に開口部5aを有するレジスト層5を形成する。次いで、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの支持板1上に支持板1と材質が異なる深さ調整膜3(Niめっき膜)を形成する。次いで、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの深さ調整膜3上に深さ調整膜3と材質が異なるめっき膜4(Cuめっき膜)を形成する。このめっき膜4は、深さ調整膜3とは異なり、電極パッドを構成するものに含まれる。
次いで、レジスト層5を除去した後、図38に示すように、めっき膜4およびめっき膜6を覆うように、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含む配線層(ビルドアップ配線層)を形成する。すなわち、めっき膜4、6と電気的に接続された配線層と絶縁層とを積層し、配線基板本体を形成する。
続いて、図39に示すように、支持板1を除去する。支持板1にCu箔を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板1を除去する。なお、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。なお、配線基板本体の支持板除去面にめっき膜4、6を露出させることとなる。
深さ調整膜3に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、支持板1の除去の際には深さ調整膜3およびめっき膜4は除去されずに残存する。これにより、深さ調整膜3の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
また、めっき膜6の支持板1側に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、支持板1の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。これにより、めっき膜6の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
続いて、図40に示すように、深さ調整膜3を除去することによって、めっき膜4上に凹部18を形成する。深さ調整膜3にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって深さ調整膜3を除去する。めっき膜6の露出側に、深さ調整膜3のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、深さ調整膜3の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。なお、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。
層間絶縁層14に形成された凹部18の底面では、めっき膜4が露出している。凹部18の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜3の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜3の厚さを10〜20μm程度とした場合、凹部18の深さも10〜20μm程度となる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Cが形成される。配線基板20Cの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド6aが形成されている。また、配線基板20Cの外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド4aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。
配線基板20Cは、めっき膜4で構成される電極パッド4a、およびめっき膜6で構成される電極パッド6aを有しており、電極パッド4aおよび電極パッド6aは層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。配線基板20Cの領域Bは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。また、配線基板20Cの領域Aは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面であり、フラット状に形成されている。これら電極パッド4a、6aの露出面の深さの相違によって、電極パッド4aと電極パッド6a形成部分の配線基板20Cに異なる段差を形成することができる。
続いて、前記実施形態3で図28、図29を参照して説明した製造工程を行うことによって、図41に示すように、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Cを有する半導体パッケージ30Cが形成される。
本実施形態における半導体パッケージ30Cは、層間絶縁層14から露出する電極パッド4a、6aを有する配線基板20Cを備え、電極パッド4a、6aはそれぞれ層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。これにより、配線基板20Cに種々の部品を搭載することに関しての自由度が、接続材の量制御の他、電極パッド4a、6aの搭載面(露出面)の深さ制御が加わることによって高まる。したがって、配線基板20Cと種々の部品との接続強度を高めることができるので、半導体パッケージ30Cの信頼性を向上することができる。
また、配線基板20Cでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Cの電気的特性、信頼性を向上することができる。
(実施形態6)
前記実施形態3では、図27に示したように、配線基板20Aの中央部の領域Aでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面となっており、配線基板20Aの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合を示した。本実施形態では、図46に示すように、配線基板20Dの外周部の領域Bでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面となっており、配線基板20Dの中央部の領域Aでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部42の底面と同一面となっている場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。前記実施形態3で図19を参照して説明した製造工程後に、図42に示すように、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの支持板1上に支持板1と材質が同一の深さ調整膜41を形成する。深さ調整膜41は、例えば、5μm程度の厚さのCuめっき膜である。本実施形態では、支持板1としてCu箔を用いるので、深さ調整膜41はそれとは同一材質のCuめっき膜を用いている。後工程で、Cu箔からなる支持板1はエッチングによって除去されるが、そのエッチング時に深さ調整膜41も除去するので、深さ調整膜41には、Cu箔と同一材質であるCuめっき膜を用いている。
次いで、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの深さ調整膜41上に深さ調整膜41と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、深さ調整膜41とは異なり、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、支持板1側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。深さ調整膜41としてCuめっき膜を形成しているので、めっき膜6の支持板1側にはそれとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層2を除去した後、図43に示すように、支持板1上に開口部5aを有するレジスト層5を形成する。次いで、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの支持板1上に支持板1と材質が異なる深さ調整膜3(Niめっき膜)を形成する。次いで、支持板1をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの深さ調整膜3上に深さ調整膜3と材質が異なるめっき膜4(Cuめっき膜)を形成する。このめっき膜4は、深さ調整膜3とは異なり、電極パッドを構成するものに含まれる。
次いで、レジスト層5を除去した後、図44に示すように、めっき膜4およびめっき膜6を覆うように、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含む配線層(ビルドアップ配線層)を形成する。すなわち、めっき膜4、6と電気的に接続された配線層と絶縁層とを積層し、配線基板本体を形成する。
続いて、図45に示すように、支持板1および深さ調整膜41を除去する。支持板1にCu箔、深さ調整膜41にCuめっき膜を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板1および深さ調整膜41を除去する。なお、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。なお、配線基板本体の支持板除去面にめっき膜4、6を露出させることとなる。
深さ調整膜3に、支持板1のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、支持板1の除去の際には深さ調整膜3およびめっき膜4は除去されずに残存する。これにより、深さ調整膜3の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
また、めっき膜6の支持板1側に、支持板1のCu箔および深さ調整膜41のCuめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、支持板1および深さ調整膜41の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。深さ調整膜41を除去することによって、めっき膜6上に凹部42が形成され、めっき膜6の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
このように、層間絶縁層14に形成された凹部42の底面では、めっき膜6が露出している。凹部42の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜41の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜41の厚さを5μm程度とした場合、凹部42の深さも5μm程度となる。
続いて、図46に示すように、深さ調整膜3を除去することによって、めっき膜4上に凹部18を形成する。深さ調整膜3にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって深さ調整膜3を除去する。めっき膜6の露出側に、深さ調整膜3のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、深さ調整膜3の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。
このように、層間絶縁層14に形成された凹部18の底面では、めっき膜4が露出している。凹部18の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜3の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜3の厚さを10〜20μm程度とした場合、凹部18の深さも10〜20μm程度となる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Dが形成される。配線基板20Dの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド6aが形成されている。また、配線基板20Dの外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド4aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。
配線基板20Dは、めっき膜4で構成される電極パッド4a、およびめっき膜6で構成される電極パッド6aを有しており、電極パッド4aおよび電極パッド6aは層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。配線基板20Dの領域Aは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部42の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。また、配線基板20Dの領域Bは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。これら電極パッド4a、6aの露出面の深さの相違によって、電極パッド4aと電極パッド6a形成部分の配線基板20Dに異なる段差を形成することができる。
続いて、前記実施形態3で図28、図29を参照して説明した製造工程を行うことによって、図47に示すように、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Dを有する半導体パッケージ30Dが形成される。
本実施形態における半導体パッケージ30Dは、層間絶縁層14から露出する電極パッド4a、6aを有する配線基板20Dを備え、電極パッド4a、6aはそれぞれ層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。これにより、配線基板20Dに種々の部品を搭載することに関しての自由度が、接続材の量制御の他、電極パッド4a、6aの搭載面(露出面)の深さ制御が加わることによって高まる。したがって、配線基板20Dと種々の部品との接続強度を高めることができるので、半導体パッケージ30Dの信頼性を向上することができる。
また、配線基板20Dでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Dの電気的特性、信頼性を向上することができる。
(実施形態7)
前記実施形態3では、図27に示したように、配線基板20Aの中央部の領域Aでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面となっており、配線基板20Aの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合を示した。本実施形態では、図52に示すように、配線基板20Eの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部54の底面と同一面となっており、配線基板20Eの中央部の領域Aでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。まず、図48に示すように、導電性の支持板51を準備した後、支持板51をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、支持板51の片面上に給電層52を形成する。支持板51は、例えば、500μm程度の厚さのCu箔である。また、給電層52は、例えば、1〜5μm程度の厚さのNiめっき膜である。
次いで、給電層52上に開口部2aを有するレジスト層2を形成する。レジスト層2は、例えば、所定の厚さのドライフィルムレジストまたは液状レジストにより形成する。例えば、給電層52上にドライフィルムレジストを形成した後に、そのドライフィルムレジストに対して露光・現像を行うことによって開口部2aを有するレジスト層2が給電層52上に形成される。
次いで、支持板51及び給電層52をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの給電層52上に給電層52と材質が異なるめっき膜4を形成する。このめっき膜4は、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜4は、例えば、10〜20μm程度の厚さのCuめっき膜である。本実施形態では、給電層52としてNiめっき膜を形成しているので、めっき膜4はそれとは異なる材質のCuめっき膜を形成している。後工程で、Niめっき膜からなる給電層52はエッチングによって除去されるが、その時にはめっき膜4は残存させておくので、めっき膜4には、Niめっき膜とエッチングレートの異なる材質であるCuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層2を除去した後、図49に示すように、給電層52上に開口部5aを有するレジスト層5を形成する。次いで、支持板51及び給電層52をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの給電層52上に給電層52と材質が同一の深さ調整膜53(Niめっき膜)を形成する。次いで、支持板51及び給電層52をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの深さ調整膜53上に深さ調整膜53と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、深さ調整膜53側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。なお、深さ調整膜53としてNiめっき膜を形成しているので、めっき膜6の給電層52側にはそれとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層5を除去した後、図50に示すように、めっき膜4およびめっき膜6を覆うように、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含む配線層(ビルドアップ配線層)を形成する。すなわち、めっき膜4、6と電気的に接続された配線層と絶縁層とを積層し、配線基板本体を形成する。
続いて、図51に示すように、支持板51を除去する。支持板51にCu箔を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板51を除去する。給電層52に、支持板51のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、支持板51の除去の際には給電層52は除去されずに残存する。
続いて、図52に示すように、給電層52および深さ調整膜53を除去する。給電層52および深さ調整膜53にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって給電層52および深さ調整膜53を除去する。なお、エッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。なお、配線基板本体の支持板除去面にめっき膜4、6を露出させることとなる。
めっき膜4に、給電層52のNiめっき膜とエッチングレートの異なるCuめっき膜が形成されているので、給電層52の除去の際にはめっき膜4は除去されずに残存する。これにより、めっき膜4の表面(露出面)は、層間絶縁層14の表面(最表面)と同一平面となるように露出することとなる。
また、めっき膜6の給電層52側に、給電層52および深さ調整膜53のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、給電層52および深さ調整膜53の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。深さ調整膜53を除去することによって、めっき膜6上に凹部54が形成され、めっき膜6の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
層間絶縁層14に形成された凹部54の底面では、めっき膜6が露出している。凹部54の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜53の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜53の厚さを10μm程度とした場合、凹部54の深さも10μm程度となる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Eが形成される。配線基板20Eの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド4aが形成されている。また、配線基板20Eの外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド6aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。
配線基板20Eは、めっき膜4で構成される電極パッド4a、およびめっき膜6で構成される電極パッド6aを有しており、電極パッド4aおよび電極パッド6aは層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。配線基板20Eの領域Bは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部54の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。また、配線基板20Eの領域Aは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面であり、フラット状に形成されている。これら電極パッド4a、6aの露出面の深さの相違によって、電極パッド4aと電極パッド6a形成部分の配線基板20Eに異なる段差を形成することができる。
続いて、前記実施形態3で図28、図29を参照して説明した製造工程を行うことによって、図53に示すように、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Eを有する半導体パッケージ30Eが形成される。
本実施形態における半導体パッケージ30Eは、層間絶縁層14から露出する電極パッド4a、6aを有する配線基板20Eを備え、電極パッド4a、6aはそれぞれ層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。これにより、配線基板20Eに種々の部品を搭載することに関しての自由度が、接続材の量制御の他、電極パッド4a、6aの搭載面(露出面)の深さ制御が加わることによって高まる。したがって、配線基板20Eと種々の部品との接続強度を高めることができるので、半導体パッケージ30Eの信頼性を向上することができる。
また、配線基板20Eでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Eの電気的特性、信頼性を向上することができる。
なお、本実施形態では、支持板51としてCu箔、給電層52としてNiめっき膜を用いた場合について説明したが、支持板51としてNi箔を用いた場合であっても良い。この場合、Ni箔の支持板51、Niめっき膜の給電層52、Niめっき膜の深さ調整膜53を、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって除去すると、図52で示した状態となる。なお、支持板51としてNi箔を用いた場合、Niめっき膜の給電層52は形成しなくても良い。
(実施形態8)
前記実施形態3では、図27に示したように、配線基板20Aの中央部の領域Aでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部18の底面と同一面となっており、配線基板20Aの外周部の領域Bでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合を示した。本実施形態では、図58に示すように、配線基板20Fの中央部の領域Aでは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部54の底面と同一面となっており、配線基板20Fの外周部の領域Bでは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面となっている場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における半導体パッケージの製造方法について図面を参照して説明する。まず、図54に示すように、導電性の支持板51を準備した後、支持板51をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、支持板51の片面上に給電層52を形成する。支持板51は、例えば、500μm程度の厚さのCu箔である。また、給電層52は、例えば、1〜5μm程度の厚さのNiめっき膜である。
次いで、給電層52上に開口部2aを有するレジスト層2を形成する。レジスト層2は、例えば、所定の厚さのドライフィルムレジストまたは液状レジストにより形成する。例えば、給電層52上にドライフィルムレジストを形成した後に、そのドライフィルムレジストに対して露光・現像を行うことによって開口部2aを有するレジスト層2が給電層52上に形成される。
次いで、支持板51及び給電層52をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの給電層52上に給電層52と材質が同一の深さ調整膜53を形成する。次いで、給電層52をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層2の開口部2aの深さ調整膜53上に深さ調整膜53と材質が異なるめっき膜6を形成する。このめっき膜6は、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜6は、単層膜であっても良いが、本実施形態では、深さ調整膜53側から順に形成されたAuめっき膜6e/Niめっき膜6f/Cuめっき膜6g(Auめっき膜6eとNiめっき膜6fとの間にPdめっき膜を形成しても良い)の積層膜としている。なお、深さ調整膜53としてNiめっき膜を形成しているので、めっき膜6の給電層52側にはそれとは異なる材質のAuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層2を除去した後、図55に示すように、給電層52上に開口部5aを有するレジスト層5を形成する。次いで、支持板51及び給電層52をめっき導通部として用いた電解めっき法によって、レジスト層5の開口部5aの給電層52上に給電層52と材質が異なるめっき膜4を形成する。このめっき膜4は、電極パッドを構成するものに含まれる。
めっき膜4は、例えば、10〜20μm程度の厚さのCuめっき膜である。本実施形態では、給電層52としてNiめっき膜を形成しているので、めっき膜4はそれとは異なる材質のCuめっき膜を形成している。後工程で、Niめっき膜からなる給電層52はエッチングによって除去されるが、その時にはめっき膜4は残存させておくので、めっき膜4には、Niめっき膜とエッチングレートの異なる材質であるCuめっき膜を形成している。
次いで、レジスト層5を除去した後、図56に示すように、めっき膜4およびめっき膜6を覆うように、配線11、12、13および層間絶縁層14、15、16を含む配線層(ビルドアップ配線層)を形成する。これにより配線層と絶縁層を積層した配線基板本体を形成する。
続いて、図57に示すように、支持板51を除去する。支持板51にCu箔を用いた場合、例えば、塩化アンモニウム銅を含むエッチング液を用いたエッチングによって支持板51を除去する。給電層52に、支持板51のCu箔とエッチングレートの異なるNiめっき膜が形成されているので、支持板51の除去の際には給電層52は除去されずに残存する。
続いて、図58に示すように、給電層52および深さ調整膜53を除去する。給電層52および深さ調整膜53にNiめっき膜を用いた場合、例えば、硝酸と過酸化水素水を含むエッチング液を用いたエッチングによって給電層52および深さ調整膜53を除去する。なお、エッチングの際、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの層間絶縁層14は除去されない。
めっき膜4に、給電層52のNiめっき膜とエッチングレートの異なるCuめっき膜が形成されているので、給電層52の除去の際にはめっき膜4は除去されずに残存する。これにより、めっき膜4の表面(露出面)は、層間絶縁層14の表面(最表面)と同一平面となるように露出することとなる。
また、めっき膜6の給電層52側に、給電層52および深さ調整膜53のNiめっき膜とエッチングレートの異なるAuめっき膜が形成されているので、給電層52および深さ調整膜53の除去の際にはめっき膜6は除去されずに残存する。深さ調整膜53を除去することによって、めっき膜6上に凹部54が形成され、めっき膜6の表面(露出面)は、層間絶縁層14から露出することとなる。
層間絶縁層14に形成された凹部54の底面では、めっき膜6が露出している。凹部54の深さ(層間絶縁層14の表面からの深さ)は、深さ調整膜53の厚さと同程度である。例えば、深さ調整膜53の厚さを10μm程度とした場合、凹部54の深さも10μm程度となる。
このようにして、半導体パッケージの配線基板20Fが形成される。配線基板20Fの中央部の領域Aには、搭載される半導体チップの外部接続端子と接続されるための電極パッド6aが形成されている。また、配線基板20Fの外周部の領域Bには、搭載されるリッド(放熱板)の接続部と接続されるための電極パッド4aが領域Aを囲むように枠状に形成されている(例えば、図30の電極パッド6a参照)。
配線基板20Fは、めっき膜4で構成される電極パッド4a、およびめっき膜6で構成される電極パッド6aを有しており、電極パッド4aおよび電極パッド6aは層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。配線基板20Fの領域Aは、電極パッド6aの露出面が層間絶縁層14に形成された凹部54の底面と同一面であり、ポケット状に形成されている。また、配線基板20Fの領域Bは、電極パッド4aの露出面が層間絶縁層14の表面と同一面であり、フラット状に形成されている。これら電極パッド4a、6aの露出面の深さの相違によって、電極パッド4aと電極パッド6a形成部分の配線基板20Fに異なる段差を形成することができる。
続いて、前記実施形態3で図28、図29を参照して説明した製造工程を行うことによって、図59に示すように、半導体チップ21およびリッド23が搭載された配線基板20Fを有する半導体パッケージ30Fが形成される。
本実施形態における半導体パッケージ30Fは、層間絶縁層14から露出する電極パッド4a、6aを有する配線基板20Fを備え、電極パッド4a、6aはそれぞれ層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出している。これにより、配線基板20Fに種々の部品を搭載することに関しての自由度が、接続材の量制御の他、電極パッド4a、6aの搭載面(露出面)の深さ制御が加わることによって高まる。したがって、配線基板20Fと種々の部品との接続強度を高めることができるので、半導体パッケージ30Fの信頼性を向上することができる。
また、配線基板20Fでは、種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Fの電気的特性、信頼性を向上することができる。
(実施形態9)
前記実施形態3では、図29に示したように、電極パッド4a、6aが形成されている面側の配線基板20A上に種々の部品(半導体チップ21、リッド23)を搭載した場合について説明した。本実施形態では、図60に示すように、電極4a、6aが形成されている面側の配線基板20G上に種々の部品(チップキャパシタ61、はんだボール62)を搭載し、その反対面の配線基板20G上に半導体チップ64を搭載する場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
本実施形態における配線基板20Gは、前記実施形態3で図19〜図27を参照して説明した製造工程を用いて形成することができる。これらの製造工程を経て配線基板20Gの電極パッド4aおよび電極パッド6aは、表面絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出することになる。また、電極パッド4a、6aが形成されている面(以下、第1面という)側とは反対面(以下、第2面という)では、ソルダレジスト17の表面から露出した配線13が電極パッドとして構成している。
図60に示すように、配線基板20Gの第1面上には、チップキャパシタ61が搭載されている。このチップキャパシタ61には外部接続端子63が形成されている。この外部接続端子63と、配線基板20Gの電極パッド4aとがはんだ66を介して電気的に接続されて、配線基板20G上にチップキャパシタ61は実装される。
また、配線基板20Gの第1面上には、配線基板20Gの外部接続端子としてはんだボール62が搭載されている。このはんだボール62と、配線基板20Gの電極パッド6aとが電気的に接続されて、配線基板20G上にはんだボール62は実装される。
また、配線基板20Gの第2面上には、半導体チップ64が搭載されている。半導体チップ64の主面(素子形成面)には内部素子と電気的に接続されている金バンプやはんだバンプ等の外部接続端子65が形成されている。この外部接続端子65と、配線基板20Gの電極パッド(配線13)とが電気的に接続されて、配線基板20G上に半導体チップ64はフリップチップ実装される。
以上により、半導体チップ64、チップキャパシタ61およびはんだボール62が搭載された配線基板20Gを有する半導体パッケージ30Gが形成される。前記実施形態3では、電極パッド4a、6aが形成されている面上に半導体チップ21を搭載したが(図29参照)、本実施形態では、電極パッド4a、6aが形成されている面(第1面)上に半導体チップ64を搭載せずに、他の部品(チップキャパシタ61、はんだボール62)を搭載している。
本実施形態の配線基板20Gでは、電極パッド4a、6aが層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出しているので、配線基板20G上に種々の部品(チップキャパシタ61、はんだボール62)を搭載できる自由度を高めることができる。なお、チップキャパシタ61にかえて、チップ抵抗等の他の電気部品を搭載しても良い。また、配線基板20Gの代わりに、前記実施形態1〜8で示したいずれかの構造の配線基板を適用することもできる。
また、配線基板20Gでは、種々の部品(チップキャパシタ61、はんだボール62)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Gの電気的特性、信頼性を向上することができる。
(実施形態10)
前記実施形態3では、図29に示したように、電極パッド4a、6aが形成されている面側の配線基板20A上に半導体チップ21、リッド23を搭載した場合について説明した。本実施形態では、別の部品(チップキャパシタ)を搭載する場合について説明する。なお、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
図61に示す配線基板20Hは、前記実施形態3で図19〜図27を参照して説明した製造工程を用いて形成することができる。これらの製造工程を経て配線基板20Hの電極パッド4aおよび電極パッド6aは、表面絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出することになる。この配線基板20Hの電極パッド4aと、半導体チップ21の外部接続端子22とが電気的に接続されて配線基板20H上に半導体チップ21が搭載される。また、配線基板20Hの電極パッド6aと、チップキャパシタ61の外部接続端子63とがはんだ66により電気的に接続されて配線基板20H上にチップキャパシタ61が搭載される。
このように、半導体チップ21およびチップキャパシタ61が搭載された配線基板20Hを有する半導体パッケージ30Hが形成される。本実施形態の配線基板20Hでは、電極パッド4a、6aが層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出しているので、配線基板20H上に種々の部品を搭載できる自由度を高めることができる。なお、チップキャパシタ61にかえて、チップ抵抗等の他の電気部品を搭載しても良い。また、配線基板20Hの代わりに、前記実施形態1〜8で示したいずれかの構造の配線基板を適用することもできる。
また、配線基板20Hでは、種々の部品(半導体チップ21、チップキャパシタ61)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Hの電気的特性、信頼性を向上することができる。
(実施形態11)
図62に示す配線基板20Iは、前記実施形態5で図36〜図40を参照して説明した製造工程を用いて形成することができる。これらの製造工程を経て配線基板20Iの電極パッド4aおよび電極パッド6aは、表面絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出することになる。この配線基板20Iの電極パッド6aと、半導体チップ21の外部接続端子22とが電気的に接続されて配線基板20I上に半導体チップ21が搭載される。また、配線基板20Iの電極パッド4aと、POP(Package On Package)基板71の外部接続端子80とが電気的に接続されて配線基板20I上にPOP基板71が搭載される。
なお、POP基板71は、例えば、コア基板72の両面に形成された配線73、74と、コア基板72を貫通し、配線73と配線74とを電気的に接続するスルーホール75と、配線73、74を覆うようにコア基板72上に形成されたソルダレジスト76、77とを有する配線基板である。このPOP基板71には半導体チップ78が搭載されており、半導体チップ78の金バンプやはんだバンプ等の外部接続端子79と、ソルダレジスト76から露出した配線73とが電気的に接続されている。また、POP基板71の外部接続端子80が、半導体チップ78が搭載された面とは反対面の配線74に形成されている。
このように、半導体チップ21およびPOP基板71が搭載された配線基板20Iを有する半導体パッケージ30Iが形成される。本実施形態の配線基板20Iでは、電極パッド4a、6aが層間絶縁層14の表面からの深さが互いに異なって露出しているので、配線基板20I上に種々の部品を搭載できる自由度を高めることができる。なお、配線基板20Iの代わりに、前記実施形態1〜8で示したいずれかの構造の配線基板を適用することもできる。
また、配線基板20Iでは、種々の部品(半導体チップ21、POP基板71)を搭載できるが、種々の部品に対応させた材質を電極パッド4a、6aに用いることができる。電極パッド4a、6aの露出面の材質を搭載する部品に対応させて異ならせることによって、半導体パッケージ30Iの電気的特性、信頼性を向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態1では、電極パッド4a(めっき膜4)を形成した後、電極パッド6a(めっき膜6)を形成した場合について説明したが、電極パッド4a、6aはどちらを先に形成しても良い。他の前記実施形態においても、同様に、電極パッド4a、6aはどちらを先に形成しても良い。
また、例えば、前記実施形態3では、図30に示したように、電極パッド4aの平面形状は円形状、電極パッド6aの平面形状は枠状とした場合について説明したが、搭載される種々の部品によって、円形状や矩形状(半導体チップやチップキャパシタ搭載用)、枠状(蓋体搭載用)など各種形状のものが含まれる。他の前記実施形態においても、同様である。
また、電極パッド4a、6aの最表層に露出するめっき膜としては、Cuめっき膜やAuめっき膜にかえ、Sn(錫)めっき膜や、Sn−Pb(鉛)などのはんだめっき膜など、各種金属を用いることができる。