JP5568153B1 - 乗客探知システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】探知エリアの入口には、搭乗券情報と乗客の初期外観像から得られる初期特徴量データとを取得する情報読込装置10を設置する。探知エリア内には複数の乗客探知装置30を設置する。中央処理装置100は、搭乗券情報に含まれる交通手段に関する情報と、運行データベース130から取得した交通手段に関する運行情報とに基づいて、複数の乗客探知装置のうちの少なくとも1つの乗客探知装置を選定する。乗客探知装置は、撮影した人物から抽出された特徴量データが初期特徴量データと一致したときに、特定の乗客を発見したと判断する。
【選択図】図1
Description
しかし、乗客が保安検査場へ入場した時刻が搭乗便の出発時刻に迫っていたり、制限エリア内で買い物中に出発時間を忘れたりする等、様々な理由によって搭乗開始時刻が過ぎても搭乗口に乗客が現れないことがある。航空会社は乗客を探し出すために場内放送などによって呼び出しを行うが、制限エリアが広い場合には、乗客を探し出すことが困難である。
乗客の探知を容易にするため、特許文献1には、乗客のトレーサビリティチェックを行う搭乗セキュリティチェックシステムが記載されている。この発明では、まず、保安検査場の入口付近に設置された第一のネットワークカメラにより乗客の顔を撮影してデータベースに登録する。そして、空港内の任意の場所に設置された第二のネットワークカメラにより撮影された人物の顔と、データベースに登録された乗客の顔と、を空港サーバーの行動追跡管理部により照合する。2つの顔が照合された場合には、乗客を撮影した第二のネットワークカメラの位置と撮影された時刻とをデータベースに登録して、乗客の行動を追跡管理する。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、システムを構成する装置の負荷、及びデータベース容量を削減しつつ、乗客を効率よく探し出す為の乗客探知システムを提供することを目的とする。
また、中央処理装置は、搭乗券情報に含まれる搭乗便名から交通手段が出発する場所としての搭乗口の情報を取得する。ここで、乗客は、入口から探知エリアに入場し、探知エリア内を移動して搭乗口から出場する。中央処理装置は乗客を探知させる装置として、入口から搭乗口に至るエリアに設置された乗客探知装置を選定し、選定された装置に乗客を
探知させることで、乗客を効率的に探知する。
請求項2の発明は、前記乗客探知装置は、前記マッチング手段により判定された前記特定の乗客の像を追跡する乗客追跡手段を備え、前記乗客追跡手段は、追跡中の人物像にマーカ画像を合成することを特徴とする。
請求項2の発明では、発見された特定の乗客の像にマーカ画像を合成するので、特定の乗客と他の乗客とを視覚的に区別できる。
探知エリアは入口と、出口としての搭乗口とを有する閉鎖的エリアである。探知エリアの入口には情報読込装置が設置され、探知エリア内には複数の乗客探知装置が設置される。乗客が探知エリアに入場するときに、情報読込装置の情報読取手段が搭乗券から交通手段に関する情報を含む搭乗券情報を読み取り、情報読込装置の読込カメラが乗客の外観像を撮影する。情報読込装置が取得した情報は、乗客データベースに登録される。特定の乗客を探知する場合、まず中央処理装置は、特定の乗客が搭乗する交通手段に関する情報を乗客データベースから抽出し、抽出された交通手段についての運行情報を運行データベースから抽出する。続いて中央処理装置は、抽出した交通手段についての運行情報から、探知エリア内に設置された複数の乗客探知装置のうち、乗客を探知させる乗客探知装置を選定する。中央処理装置によって選定された乗客探知装置は、探知カメラが撮影した人物から抽出された特徴量データと特定の乗客の初期特徴量データとが一致したときに、特定の乗客を発見したと判断する。
また、発見された特定の乗客の像にマーカ画像を合成するので、特定の乗客と他の乗客とを視覚的に区別できる。
請求項4の発明は、前記特定の乗客のデータを入力する入力手段と、前記入力手段から入力された前記特定の乗客を示すデータを前記中央処理装置に送信する通信手段と、を備えた端末装置を備え、中央処理装置は、前記端末装置から送信された特定の乗客を示すデータをキーとして、前記乗客データベースに前記初期特徴量データを検索させ、前記乗客データベースから取得した前記初期特徴量データを、前記乗客探知装置選定手段によって選定された乗客探知装置に送信することを特徴とする。
請求項4の発明では、端末装置から任意の乗客を特定して、乗客探知装置に探知させることができる。
請求項5の発明では、各乗客探知装置は夫々スピーカを備えており、特定の乗客から近距離にある乗客探知装置のスピーカからオペレーターの音声を放送することで、特定の乗客に対してピンポイントで呼びかけを行うことができる。
請求項6の発明は、前記入口が保安検査場入口であり、前記所定の探知エリアが制限エリアであることを特徴とする。
請求項6の発明は、保安検査場入口から、搭乗口までの制限エリア内において乗客を探知する。
また、本発明は、乗客の探知に必要な搭乗券情報と乗客の外観像から得られる初期特徴量データとを乗客データベースに記憶するので、乗客の位置を逐次データベースに登録する場合に比べてデータベース容量を削減できる。
さらに、本発明によれば、搭乗券情報に含まれる交通手段の情報と、運行データベースに登録された交通手段の運行情報とに基づいて、複数の乗客探知装置の中から乗客を探知させる装置を選定するので、乗客を効率的に探し出すことができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本発明に係る乗客探知システムは、保安検査場入口等の入口(探知エリアの入口)から、航空機等の交通手段が出発する少なくとも1つの搭乗口(出発ゲート)に至る所定の探知エリアにおいて、特定の乗客を探知するシステムである。特に、本発明に係る乗客探知システムは、乗客の外観像をもとに特定の乗客を探知する乗客探知装置を探知エリア内に複数備え、入口から、特定の乗客が利用する交通手段の搭乗口に至るエリアに設置された乗客探知装置に乗客を探知させる点に特徴がある。
〔乗客の流れ〕
図1は、空港における乗客(搭乗者)のチェックインから搭乗に至る諸手続の流れについて説明するための概要図である。
乗客1000は、空港ターミナルビル1001に到着した後、航空券を提示してチェックインカウンター1002(又は自動チェックイン機)にて搭乗手続を行い、搭乗券1003を受け取る。受託手荷物があれば、チェックインカウンター1002で預け、保安検査場1004に向かう。
保安検査場1004では、搭乗券1003及びパスポートのチェックを行う。また、航空機の安全な運航を保証するため、乗客及び機内持ち込み手荷物の保安検査を行う。保安検査後のエリアは、航空機機内と同様に安全が保証された制限エリアとなり、一般客の立ち入りが制限される。保安検査場1004を通過した乗客は、出国審査場1005にて出国審査を受ける。その後、乗客は複数の搭乗口1006のうち、搭乗する航空機が出発する搭乗口1006aまで移動し、搭乗口1006aから航空機に搭乗することになる。
本発明の実施形態に係る乗客探知システムのシステム構成について説明する。乗客探知システムは、制限エリア等の所定の探知エリア内にいる乗客が、搭乗予定の航空機の出発時刻間際になっても搭乗していない場合に、制限エリア内において乗客を効率よく探し出すためのシステムである。
なお、「所定の探知エリア」は、必ずしも搭乗券保有者のみが入場できる制限エリアに限られない。
なお、制限エリアは図1に示すように、入口としての保安検査場入口と出口としての搭乗口とを有する閉鎖的エリアであり、乗客は保安検査場入口から制限エリアに入場し、制限エリア内を移動して搭乗口から出場する。
情報読込装置について説明する。図3は、情報読込装置の機能ブロック図である。
情報読込装置10は、乗客が所持する搭乗券に記載された情報(搭乗券情報)を読み取るバーコード読取器11(情報読取手段)と、乗客を撮影する読込カメラ15と、を備えている。情報読込装置10は、搭乗券情報と乗客の顔画像とから乗客データを生成し、生成した乗客データを中央処理装置100に送信する。
情報読込装置10は、乗客が制限エリアに入場する際に、確実に通過する位置に設置されている。ここで、制限エリアは、乗客探知システム1によって乗客を探知可能なエリアであり、情報読込装置10は、乗客が制限エリアに入場する際に通過する位置に設置される。
情報読込装置10は、乗客が所持する搭乗券から情報(バーコード)を読み取るバーコード読取器11と、バーコード読取器11を制御するとともに読み取られた情報から数値・記号情報を抽出するバーコード読取器コントローラ13と、乗客の初期外観像(初期顔画像:静止画)を撮影する読込カメラ15と、読込カメラ15により撮影された乗客の初期顔画像から顔の特徴量(初期特徴量データ)を算出する画像処理部17と、バーコード読取器コントローラ13が抽出した数値・記号情報と読込カメラ15が撮影した初期顔画像と画像処理部17が算出した初期特徴量データとから乗客データを生成する乗客データ生成部19と、乗客データ生成部19が生成した乗客データを中央処理装置100に送信する通信部21と、を備えている。
バーコード読取器11は、搭乗券に印字されたバーコードから情報を読み取って、読み取った情報をバーコード読取器コントローラ13に出力する。バーコード読取器コントローラ13は、バーコード読取器11からの読取情報を数値・記号情報に変換することによって搭乗券に記載された情報を抽出し、乗客データ生成部19に出力する。
画像処理部17は、読込カメラ15により撮影された乗客の顔画像から人物の顔領域を抽出し、抽出した顔領域について正規化処理を行って、所定のアルゴリズムに基づいて乗客の顔の特徴量を算出する。即ち、画像処理部17は、顔画像の輝度変化、色調変化等から、顔の輪郭、目、鼻、口等の位置情報を検出する。更に、画像処理部17は、検出された顔の各パーツの位置情報から、顔の特徴量を算出する。
画像処理部17は、顔画像から算出された顔の特徴量データと、特徴量データの算出の元になった顔画像とを、乗客データ生成部19に出力する。
乗客データ生成部19は、バーコード読取器11により読み取られた搭乗券の情報と、読込カメラ15により撮影された乗客の初期顔画像と、画像処理部17により算出された乗客の初期特徴量データとを、チェックインシーケンス番号により関連づけた乗客データを生成し、通信部21を介して中央処理装置100に送信する。この乗客データには、チェックインシーケンス番号、搭乗日、便名、乗客の氏名、乗客の初期顔画像、及び乗客の顔の特徴量データが含まれる。
なお、バーコード読取器コントローラ13と画像処理部17と乗客データ生成部19とは、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のコンピュータ装置から構成することができる。この場合、バーコード読取器コントローラ13と画像処理部17と乗客データ生成部19は、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
中央処理装置に図4に基づいて説明する。図4は、中央処理装置とDB装置の概要を示すブロック図である。図4には、中央処理装置を構成する各機能をブロックにより示している。
中央処理装置100は、通信部101と、制御部103と、フライト情報登録部105と、乗客データ登録部107と、探知対象者データ抽出部109と、乗客探知装置選定部111と、探知対象者データ生成部113と、探知結果登録部115と、転送処理部117と、を備えている。
通信部101は、端末装置50等との通信を可能とし、データの送受信を行う部分であり、NIC(Network Interface Card)や、送受信回路等によって実現される。
制御部103、フライト情報登録部105、乗客データ登録部107、探知対象者データ抽出部109、乗客探知装置選定部111、探知対象者データ生成部113、探知結果登録部115、及び、転送処理部117は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、及びRAM等を備えた周知のコンピュータ装置から構成することができる。上記各部は、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
フライト情報登録部105は、FIS130から受信したフライト情報をDB装置120のフライトDB121に登録する。なお、フライト情報の具体的構成については、DB装置の構成と共に後述する。
乗客データ登録部107は、情報読込装置10から受信した乗客データを、DB装置120の乗客DB123に登録する。
ここで、探知対象者データは、必ずしも乗客を個別に特定可能な情報である必要はない。探知対象者データは、探知対象となる単数又は複数の乗客を特定できるデータを含んでいればよい。例えば探知対象者データは便名のみを含むデータであってもよい。
また探知対象者データ抽出部109は、DB装置120の乗客DB123内に含まれる便名を参照して、DB装置120のフライトDB121から当該便名の付された航空機のフライト情報を抽出する。探知対象者データ抽出部109は、DB装置120から抽出したフライト情報に含まれる搭乗口番号を乗客探知装置選定部111に出力する。さらに、探知対象者データ抽出部109は、DB装置120のフライトDB121から抽出したフライト情報のうち、搭乗口番号以外の情報を探知対象者データ生成部113に出力する。
具体的には、乗客探知装置選定部111は、探知対象者が搭乗する航空機の搭乗口番号と、DB装置に格納されている乗客探知装置設置位置情報(以下単に「設置位置情報」と言う)とから、探知対象者の予測移動範囲内に含まれる乗客探知装置30の設置位置とアドレス番号を抽出する。そして、乗客探知装置30の設置位置を端末装置に送信する。なお、探知対象者の移動範囲の予測方法、乗客探知装置30の選定方法については後述する。
また、乗客探知装置選定部111は、端末装置50から乗客探知装置の変更(追加又は削減)命令があった場合には、乗客を探知させる乗客探知装置を変更し、最終的に乗客を探知させる乗客探知装置のアドレス番号を、探知対象者データ生成部113に出力する。
探知結果登録部115は、乗客探知装置30から受信した検知結果に基づいて、乗客を検知結果を示す「検知フラグ」を、DB装置120内の乗客データファイル内に書き込む。
また、探知結果登録部115は探知結果画面を生成し、生成した探知結果画面を、探知開始リクエストを送信した端末装置に対して送信する。
転送処理部117は、乗客探知装置30から受信した動画像を、探知開始リクエストを送信した端末装置50に対して送信すると共に、端末装置から受信した音声データを乗客探知装置30に送信する、いわば中継装置として動作する。
DB装置について図4に基づいて説明する。図4には、DB装置に格納されるデータ、及びデータの構成を示している。
DB装置120は、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置によって実現される。DB装置120に対しては中央処理装置100からデータの格納(書き込み)、変更(更新)、又は読み出し等が行われる。DB装置120には、フライト情報を登録するフライトDB121(運行データベース)、乗客データを登録する乗客DB123(乗客データベース)、乗客探知装置30の設置位置情報を格納する設置位置DB125(設置位置データベース)と、を有する。DB装置120に登録されるフライト情報と乗客データは、リアルタイムに登録又は更新されるデータである。また、設置位置DB125に登録される設置位置情報は固定的な情報であるが、必要に応じて更新される。
フライトDB121には、空港から出発する航空機のフライトに関する情報が登録される。各フライト情報は、便名、出発時刻(定刻、又は変更)、ターミナル名、搭乗口番号、及びタイムスタンプを含んで構成されており、便名によって関連づけられている。これらの情報は、FISから提供されるデータである。
便名は、空港から出発する航空機の便名であり、便ごとに固有の番号が与えられている。各便のフライト情報は、便名に基づいて他の便のフライト情報と識別される。
出発時刻は、航空機の出発予定時刻であり、出発時刻の変更があった場合には変更後の時刻が更新登録される。なお、「出発時刻」は出発日の情報を含む。ターミナル名、及び搭乗口番号は、当該便の航空機が利用するターミナルビル及び搭乗口の情報である。タイムスタンプは、当該フライト情報がFIS130に新規登録された時刻、又は変更登録された時刻を示す情報である。
チェックインシーケンス番号は、乗客ごとに与えられる固有の(ユニークな)番号であるので、各乗客のデータは、チェックインシーケンス番号に基づいて他の乗客のデータと識別され、管理される。搭乗日及び便名は、乗客が搭乗する航空機の出発日及び便名を示すデータである。顔画像は、乗客の顔を撮影した静止画像である。特徴量データは、乗客の顔画像から得られた、乗客の顔の特徴量に関するデータである。登録時刻は、乗客データがDB装置に登録された時刻の情報である。検知フラグは、乗客探知装置30によって乗客が検知できたことを示すフラグである。
アドレス番号は、乗客探知装置を特定するために各乗客探知装置に割り振られた固有の番号であり、各乗客探知装置30はアドレス番号により他の乗客探知装置30と識別される。アドレス番号には、例えばネットワーク上の位置を示すIPアドレスを用いることができる。乗客探知装置の設置位置は、空港内に設置された乗客探知装置の実体的な位置を示す情報であり、ターミナルのマップと共に、マップの該当する場所に関連づけて登録されている。
FIS130は、フライト情報、具体的には、航空機の出発時刻(定刻、変更)、便名、出発ターミナル名、搭乗口番号等を、航空機の運行に関わる情報(運行情報)を管理するシステムである。フライト情報の新規登録や変更があった場合にFIS130は、新規登録や変更されたフライト情報を中央処理装置100に送信する。FIS130は、サーバー用コンピュータによって実現される。乗客探知システム1とFIS130とはネットワークを介して接続されている。また、両システムは、通信インターフェースによって通信可能となっている。
乗客探知装置について説明する。図5は、乗客探知装置の機能ブロック図である。
乗客探知装置30は、中央処理装置100を介して端末装置50から送信された探知開始リクエストに基づいて、乗客の探知を行う装置である。
乗客探知装置30は、中央処理装置100との間で通信を行う通信部31と、所定の範囲内を撮影する探知カメラ33と、探知カメラ33により撮影した画像を処理して撮影範囲内に映る人物の特徴量データを抽出する特徴量データ抽出部35と、通信部31を介して中央処理装置100から受信した探知対象者の初期特徴量データと、特徴量データ抽出部35により抽出された撮影人物の特徴量データとをマッチング処理するマッチング部37と、マッチング部37によるマッチング結果としての検知情報を生成し、生成した検知情報を通信部31を介して中央処理装置100に送信する検知情報生成部39と、検知された乗客を探知カメラ33により撮影した画像内において追跡する乗客追跡部41と、デジタル音声データからアナログ音声信号を生成する音声生成処理部43と、音声生成処理部43が生成した音声信号を出力するスピーカ45と、を備えている。
特徴量データ抽出部35、マッチング部37、検知情報生成部39、乗客追跡部41、及び音声生成処理部43は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のコンピュータ装置から構成することができ、各部は、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
乗客探知装置30は、中央処理装置100より受信した探知対象者の特徴量データと、探知カメラ33により撮影したリアルタイム画像に含まれる人物の顔画像から得られた特徴量データとのマッチング処理を行い、2つの特徴量データが一致(マッチング)した場合、探知対象者を検知した旨を中央処理装置100に送信する。また、探知カメラ33が撮影する画像に写る探知対象者(検知された乗客)の自動追跡を行う。また、乗客探知装置30は中央処理装置から送信された音声データをスピーカ45から出力する。
探知カメラ33は、所定の撮影範囲内の動画像を撮影する装置である。探知カメラ33により撮影された動画像中のフレーム画像は、後段の特徴量データ抽出部35、及び乗客追跡部41に夫々送信される。
特徴量データ抽出部35は、算出した顔の特徴量(特徴量データ)と、当該顔が検出されたフレーム画像中の位置とを対応付けて、マッチング部37に出力する。また、特徴量データ抽出部35は、人物の顔の特徴量の抽出に用いた画像データ(フレーム画像)を検知情報生成部39に送信する。
探知対象者が見つかった場合、マッチング部37は、マッチング結果として、探知対象者の顔が検出されたフレーム画像中の位置(領域)と、その特徴量データとを、検知情報生成部39に出力する。
また、マッチング部37は、探知対象者の顔が検出されたフレーム画像中の位置と追跡開始命令とを乗客追跡部41に対して送信する。
ここで、検知顔画像は、探知対象者の顔領域を含む所定のサイズの画像をフレーム画像から切り出したものである。検知情報生成部39は、特徴量データ抽出部35から受信した画像データと、マッチング部37から受信した探知対象者の顔が検出されたフレーム画像中の位置(領域)とから、マッチングした顔画像(検知顔画像)を切り出す。
検知情報生成部39は、生成した検知情報を、通信部31を介して中央処理装置100に送信する。
即ち、乗客追跡部41は、マッチング部37から追跡開始指令を受信した場合、マッチング部が乗客を検知した第一のフレーム画像中の乗客の顔の位置から、当該顔を含む乗客の身体領域(全身又は体の一部分を含む領域)を抽出する。また、第一のフレーム画像の輝度画像と、第一のフレーム画像の撮影後に撮影された第二のフレーム画像の輝度画像との差分を取ることにより、乗客の身体領域の時間的な移動を検出する。同様に、第二のフレーム画像と、第二のフレーム画像の撮影後に撮影された第三のフレーム画像との間で差分を取る。このような処理を、フレーム画像間で順次行うことにより、乗客の身体領域の時間的な移動を連続的に検出する。
さらに、乗客追跡部41は、追跡中の人物像にマーカ画像を合成する。即ち、乗客追跡部41は、各フレーム画像中の追跡中の人物像の身体領域の全体を囲む検出枠(マーカ画像)を元のフレーム画像に合成した動画を生成し、中央処理装置100に送信する。マーカ画像は人物像を追跡可能な図形であれば良い。このように、マーカ画像を合成することで、発見された乗客と他の乗客とを動画像中で視覚的に区別することができる。
音声生成処理部43は、中央処理装置100を介して端末装置50から受信したデジタル音声データをD/A変換してアナログ音声信号を生成する。
生成された音声信号は、スピーカ45から出力される。
端末装置について説明する。図6は、端末装置の機能ブロック図である。
端末装置50は、乗客探知装置30に乗客の現在位置を探知させるための装置である。即ち、端末装置50は乗客探知装置30に探知させる乗客を特定する手段である。端末装置50は、周知のコンピュータ装置から構成することができる。端末装置50から中央処理装置100に対して、探知対象とする乗客に関する情報を送信することにより、乗客探知装置30に乗客を探知させることができる。
端末装置50は、例えば搭乗口脇に固定的に設置した端末であってもよいし、自由に運搬が可能なモバイル端末であってもよい。固定的に設置する場合は、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータや、ノート型のパーソナルコンピュータとすることができる。また、モバイル端末とする場合には、タブレット型コンピュータやスマートホン(多機能携帯電話)とすることができる。
表示部51は、液晶ディスプレイやタッチパネル等によって実現される。タッチパネルとした場合は、表示部51を入力部55と兼用することができる。表示部51は、乗客探知装置30に乗客を探知させる前に、初期画面として情報入力画面を表示し、或いは通信部63を介して中央処理装置100から送信されてきた探知結果画面等を含む各種データを表示し、或いは入力部55から入力したデータ等を表示する。
表示部51へ表示する内容は、表示制御部53により制御される。
処理部57は、表示部51に表示させるデータとして中央処理装置から受信したデータを表示制御部53に出力する。また、処理部57は、入力部55から入力されたデータを通信部63を介して中央処理装置100に送信する。処理部57は、CPU(Central Processing Unit)が、所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
通信部63は、中央処理装置100等との通信を可能とし、データの送受信を行う部分であり、NIC(Network Interface Card)や、送受信回路等によって実現される。
音声処理部61は、マイク59から入力されたアナログ音声信号をA/D変換し、生成されたデジタル音声データを通信部63に出力する。
端末装置50の表示部51には、図示する表示画面70が表示される。表示画面70には、乗客探知装置30に探知させる乗客のデータを入力するための情報入力タブ71aと、乗客を探知させる乗客探知装置30位置を決定するための探知確認タブ77aと、乗客が見つかった場合にその結果を表示するための探知結果タブ87aとが表示される。各タブを選択することにより、情報入力画面71、探知確認用画面77、探知結果画面87に夫々遷移することができる。
図7(a)に示す情報入力画面71は、乗客探知装置30による探知を開始する前に表示される初期画面である。情報入力画面71には、乗客探知装置30に探知させる乗客の情報を入力する複数の情報入力欄73と送信ボタン75が配置されている。各情報入力欄73には、夫々便名入力欄73a、氏名入力欄73b、チェックインシーケンス番号を入力する番号入力欄73cが配置されている。また、画面右下に配置された送信ボタン75を選択することによって、入力された情報(探知対象者データ)と探知リクエストが中央処理装置100に送信される。
本図では、3名分の情報入力欄73を有する構成であるが、情報入力欄の数はこれより多くても少なくても構わない。
探知確認用画面77には、ターミナルのマップ79と、探知開始ボタン81とが表示されている。マップ79には、搭乗口の番号(搭乗口番号83)が表示されている。また、乗客探知装置の位置がアイコン85(85a、85b)によって表示されている。
アイコン85のうち、アイコン85aは選択された乗客探知装置を示すアイコン、即ち乗客を探知させる乗客探知装置を示すアイコンである。また、アイコン85bは、選択されなかった乗客探知装置を示すアイコンである。乗客探知装置の設置位置及びマップについては、予め端末装置50において保持していてもよいし、中央処理装置100から探知リクエストに対する応答としてその都度受信してもよい。
探知確認用画面77には、まず中央処理装置100が決定した乗客の探知範囲(乗客を探知させる乗客探知装置の位置)が示される。各アイコン85を選択する度にアイコン85aとアイコン85bが交互に表示され、乗客探知装置30の選択又は非選択を切り換えることができる。即ち、オペレーターが任意で乗客の探知範囲を変更することができる。
探知開始ボタン81を選択すると、中央処理装置100に探知開始リクエストが送信され、選択された乗客探知装置による乗客の探知が開始される。
探知結果画面87には、探知確認用画面77と同様のターミナルのマップ79と、選択された乗客探知装置、言い換えれば乗客探知を行った乗客探知装置の位置がアイコン85aとして表示されている。更に、乗客探知を行った乗客探知装置のうち、乗客を発見した乗客探知装置30は、アイコン85cとして表示されている。
また、探知結果画面87は、発見された乗客のデータを表示する乗客データ表示欄89と、現在の乗客の状況を表示する動画表示欄91と、を有している。
乗客データ表示欄89には、発見された乗客が搭乗する予定の便名89aと乗客の氏名89bとが表示される。また、保安検査場にて撮影された乗客の顔画像である初期顔画像89cと、検知されたときの乗客の顔画像である検知顔画像89dと、が表示される。
動画像送信中の乗客探知装置30は、乗客から近距離にある乗客探知装置30である。従って、動画像送信中の乗客探知装置30のスピーカ45からオペレーターの音声を放送することで、乗客に対してピンポイントで呼びかけを行うことができる。
乗客の移動範囲の予測方法について説明する。中央処理装置100の乗客探知装置選定部111は、乗客の予測移動範囲内に設置された乗客探知装置30に、乗客を探知させる。
乗客(探知対象者)は、保安検査場を通過した後、搭乗する予定の航空機の搭乗口まで必ず移動する。従って、予測移動範囲は、少なくとも保安検査場出口から探知対象者が搭乗する予定の航空機の搭乗口までのルート(エリア)を含むように設定する。即ち、乗客探知装置選定部111は、保安検査場出口から搭乗口までの範囲に設置された乗客探知装置30を、乗客を探知させる装置として選定する。このように、乗客探知装置を選定することで、乗客を効率的に探知することができる。ここで、乗客の予測移動範囲内に設置された乗客探知装置30は、乗客の予測行動範囲内を撮影可能な乗客探知装置である。
なお、このような探知範囲の決定の仕方は一例である。例えば、保安検査場の通過時刻(乗客データの登録時刻)と探知開始時刻との時間差に応じて、乗客探知装置30による探知範囲を変更する処理をしてもよい。
例えば、保安検査場の通過時刻(乗客データの登録時刻)と探知開始時刻との間に大きな時間差がない場合(時間差が所定のしきい値以下の場合)には、保安検査場から搭乗口までの範囲に限定して乗客を探知する。他方、保安検査場の通過時刻と探知開始時刻との間に大きな時間差がある場合(時間差が所定のしきい値を超える場合)には、搭乗口周辺を含め、やや広い範囲を探知対象とするようにしてもよい。
更に、保安検査場から搭乗口までの範囲を超える場所であっても年齢や性別を問わず乗客が利用する可能性のある施設(例えば化粧室)の周辺を必ず探知範囲に含めるようにしてもよい。また、年齢や性別がわかる場合には、当該年齢及び性別の乗客が立ち寄る可能性の高い施設の周辺及び当該施設と搭乗口との間を含めて探知するようにしてもよい。
このように、乗客が必ず通過すると考えられる範囲に設置された(又は、通過すると考えられる範囲を撮影可能な)乗客探知装置により乗客を探知するので、効率よく乗客を探し出すことができる。
航空機の到着ターミナルと出発ターミナルが異なる場合は、通常乗り継ぎ検査場を通過した後、専用のバスゲートから連絡バスに乗り、出発ターミナルの専用バスゲートまで移動する。乗り継ぎ客は出発ターミナルの専用バスゲートから次に搭乗する航空機のゲートまで移動する。従って、乗り継ぎ検査場の出口から到着ターミナルのバスゲートまでの間と、出発ターミナルのバスゲートから次に搭乗する航空機の搭乗口までの間を探知範囲に設定すればよい。
〔情報読込装置の処理フロー〕
図8は、情報読込装置の処理を示すフローチャートである。
ステップS5において、情報読込装置10は、乗客から提示された搭乗券のバーコードを読み取り、搭乗券に記載された情報(搭乗日・便名・乗客の氏名・チェックインシーケンス番号)を抽出する。即ち、バーコード読取器11が、乗客から差し出された搭乗券のバーコードを読み取る。バーコード読取器11は、バーコードから読み取った読取情報をバーコード読取器コントローラ13に出力する。バーコード読取器コントローラ13は、読取情報を数値・記号情報に変換することによって搭乗券に記載された情報を抽出し、乗客データ生成部19に出力する。
ステップS15において情報読込装置10は、バーコード読取器コントローラ13から出力された搭乗券の情報と、画像処理部17から出力された乗客の初期顔画像と顔の特徴量データと、を関連づけた乗客データを生成し、生成した乗客データを中央処理装置100に登録リクエストと共に送信する。
図9は、中央処理装置における乗客データのDB装置への登録処理を示すフローチャートである。
中央処理装置100の制御部103は、ネットワークN経由で情報読込装置10から乗客データの登録リクエストがあったか否かを常時監視している(ステップS20においてNo)。情報読込装置10から乗客データの登録リクエストがあった場合(ステップS20においてYes)、制御部103は、受信した乗客データを乗客データ登録部107に出力する。
ステップS25において乗客データ登録部107は、受信した乗客データが新規な乗客データかを確認する。即ち、乗客データ登録部107は、受信した乗客データに含まれるチェックインシーケンス番号がDB装置120内の乗客DB123に既に登録されているか否かを確認する。チェックインシーケンス番号が既に乗客DB123に登録されている場合には、その乗客データは新規な乗客データではないので(ステップS25にてNo)、当該乗客データを登録せずに処理を終了する。
他方、受信した乗客データに含まれるチェックインシーケンス番号が乗客DB123に登録されていない場合には、その乗客データは新規な乗客データであるので(ステップS25にてYes)、乗客データ登録部107は、乗客データと登録時刻とを乗客DB123に格納する(ステップS30)。
図10は、中央処理装置におけるフライト情報のDB装置への登録処理を示すフローチャートである。
中央処理装置100の制御部103は、ネットワークN経由でFIS130からフライト情報の登録リクエストがあったか否かを常時監視している(ステップS35においてNo)。FIS130からフライト情報の登録リクエストがあった場合(ステップS35においてYes)、制御部103は、受信したフライト情報をフライト情報登録部105に出力する。
ステップS40においてフライト情報登録部105は、受信したフライト情報が新規なフライト情報であるか否かを確認する。即ち、フライト情報登録部105は、受信したフライト情報に含まれる便名がDB装置120内のフライトDB121に既に登録されているか否かを確認する。
フライトDBに登録されているフライト情報のタイムスタンプよりもFIS130から受信したフライト情報のタイムスタンプの方が新しい場合には(ステップS42にてYes)、そのフライト情報を、既存のフライト情報に上書きする処理を行う(ステップS45)。また、フライトDBに登録されているフライト情報のタイムスタンプよりもFIS130から受信したフライト情報のタイムスタンプの方が古い場合には(ステップS42にてNo)、には当該フライト情報を登録せずに処理を終了する。
他方、当該便名がフライトDBに登録されていない場合には、受信したフライト情報が新規なフライト情報であるので(ステップS40にてYes)、フライトDBに受信したフライト情報を新規に登録する(ステップS50)。
図11は、端末装置の処理を示すフローチャートである。
端末装置50の処理部57は、送信ボタンが選択されたか否かを常時監視している(ステップS55においてNo)。端末装置50の情報入力欄に探知する乗客に関する情報が入力され送信ボタンが選択された場合(ステップS55においてYes)、処理部57は、通信部63を介して入力された乗客に関する情報(探知対象者データ)、及び探知リクエストを中央処理装置100に送信する(ステップS60)。
ステップS65において、端末装置50の処理部57は、中央処理装置100から「探知確認用画面」及び乗客を探知させるための「乗客探知装置の位置情報」を受信したか否かを監視する(ステップS65においてNo)。「探知確認用画面」及び乗客「乗客探知装置の位置情報」を受信した場合(ステップS65においてYes)、処理部57は、これらを表示制御部53に出力する。
ステップS75において処理部57は、探知開始ボタンが選択されたか否かを監視している(ステップS75においてNo)。また、このステップでは、乗客を探知させる乗客探知装置の選択/非選択の入力を受け付ける。探知開始ボタンが選択された場合は、ステップS80の処理を行う。
ステップS80において処理部57は、選択された乗客探知装置のアドレス番号とともに、探知開始リクエストを中央処理装置100に送信する。
ステップS90において表示制御部53は、表示部51に「探知結果画面」を表示させるように制御する。即ち、表示制御部53は、表示部51に探知結果画面(図7(c)参照)を表示させるとともに、探知結果画面のマップ上に乗客を探知した乗客探知装置の位置をアイコン85cとして表示し、探知された乗客の情報と、現在の乗客の状況を示す動画を表示する。なお。この動画は、追跡終了リクエストが送信されるまで表示される。
ステップS95において処理部57は、マイクボタンが選択されたか否かを監視している(ステップS95においてNo)。マイクボタンが選択されない場合は、ステップS115の処理を行う。マイクボタンが選択された場合は(ステップS95においてYes)、ステップS100の処理を行う。
ステップS105において処理部57は、マイクボタンが選択されたか否かを監視している(ステップS105においてNo)。即ち、再度マイクボタンが選択されるまで、音声処理部61は、オペレーターの音声を中央処理装置に送信し続ける(ステップS100及びステップS105の処理を行う)。マイクボタンが選択された場合は(ステップS105においてYes)、ステップS110の処理を行う。
ステップS110において音声処理部61は、マイク59によるオペレーターの音声信号の集音を停止し、放送中止リクエストを中央処理装置100に送信する。放送中止リクエストは、乗客探知装置のスピーカからの放送を中止するように中央処理装置に送信されるリクエストである。
ステップS120において処理部57は、追跡終了リクエストを中央処理装置100に送信する。即ち、処理部57は、追跡終了ボタンが選択された場合には、乗客探知装置からの動画配信を中止するように中央処理装置100に追跡終了リクエストを送信する。
図12は、中央処理装置の乗客探知に関わる処理を示すフローチャートである。
中央処理装置100の制御部103は、端末装置50から乗客のデータ(探知対象者データ)を含む探知リクエストが送信されたか否かを常時監視している(ステップS125においてNo)。探知リクエストを受信した場合(ステップS125においてYes)、制御部103は、探知リクエスト等を探知対象者データ抽出部109に出力する。
ステップS130において、探知対象者データ抽出部109は、探知リクエストと共に送信された便名、及び乗客名(又はチェックインシーケンス番号)の情報(探知対象者データ)に基づいて、DB装置から、乗客の探知に必要なデータを抽出する。具体的には、DB装置120のフライトDB121から探知対象者が搭乗する予定の航空機が出発する搭乗口番号を抽出する。また、DB装置120の乗客DB123から、探知対象者の顔画像及び特徴量データを抽出する。
ステップS135において乗客探知装置選定部111は、探知対象者データ抽出部109から受信した搭乗口番号の情報に基づいて、乗客を探知させる乗客探知装置の候補を決定する。即ち、乗客探知装置選定部111は、搭乗口番号の情報に基づいて、DB装置120の設置位置DB125に登録された乗客探知装置30のうち、探知対象者の予測移動範囲内を撮影可能な位置(又は予測移動範囲内)に設置された乗客探知装置30を、乗客を探知させる乗客探知装置の候補として決定する。
まず、乗客探知装置選定部111は、ステップS135において候補とされた乗客探知装置30の設置位置とアドレス番号を設置位置DB125から抽出し、探知確認用画面77においてアイコン85aとして表示する。
更に、乗客探知装置選定部111は、探知確認用画面77のマップ79中に表示する乗客探知装置30のうち、乗客を探知させる候補としない乗客探知装置30についても、その設置位置とアドレス番号を設置位置DB125から抽出し、探知確認用画面77にアイコン85bとして表示する。
そして、生成した探知確認用画面77と、設置位置DB125から抽出した乗客探知装置30に関する情報とを探知リクエストを送信してきた端末装置に送信する。
ステップS145において制御部103は、端末装置50から「探知開始リクエスト」を受信したか否かを常時監視している(ステップS145においてNo)。端末装置50から「探知開始リクエスト」を受信した場合は(ステップS145においてYes)、ステップS150の処理を行う。
ステップS150において、乗客探知装置選定部111は端末装置50から「探知開始リクエスト」と共に送信された「選択された乗客探知装置30」のアドレス番号を探知対象者データ生成部113に出力する。
ステップS155において、制御部103は、乗客探知装置から検知情報を受信する。検知情報は、少なくとも、乗客を発見した乗客探知装置のアドレス番号、検知フラグ、チェックインシーケンス番号又は、乗客名、マッチングした際の顔画像である検知顔画像(静止画)、検知顔画像の特徴量データを含む。また制御部103は、検知情報のうち、探知対象者を検知した乗客探知装置のアドレス番号、探知対象者が発見されたことを示す検知フラグ、探知されたときの乗客の顔画像(静止画)、及びその顔画像から生成された特徴量データを探知結果登録部115に出力する。また、制御部103は、乗客探知装置30から送信された動画を転送処理部117に出力する。
なお、探知結果画面87の動画像表示欄91aに表示される動画像は、転送処理部117が乗客探知装置30から受信して、逐次、探知開始リクエストを送信した端末装置に転送するものである。
ステップS170において転送処理部117は、放送コマンドと共に端末装置50から受信したオペレーターの音声データを、乗客を探知した乗客探知装置30に転送する。
ステップS175において、転送処理部117は、放送中止リクエストを受信したか否かを確認している(ステップS175にてNo)。放送中止リクエストを受信した場合(ステップS175にてYes)、オペレーターの音声を放送中の乗客探知装置30に放送中止リクエストを送信する(ステップS180)。
ステップS185において、転送処理部117は、追跡終了リクエストを受信したか否かを確認している(ステップS185にてNo)。追跡終了リクエストを受信した場合は(ステップS185にてYes)、追跡終了リクエストを、乗客の追跡を行っている乗客探知装置に送信する(ステップS190)。
図13は、乗客探知装置の処理を示すフローチャートである。
ステップS195において乗客探知装置30は、中央処理装置100から探知対象者データを受信したか否かを確認している(ステップS195においてNo)。探知対象者データを受信した場合(ステップS195においてYes)、ステップS200の処理を行う。
ステップS200において、マッチング部37は、探知対象者データに含まれる特徴量データを抽出する。また、検知情報生成部39は、探知対象者データに含まれる特徴量データ以外のデータ(探知対象者の氏名又はチェックインシーケンス番号)を抽出する。
ステップS210においてマッチング部37は、特徴量データ抽出部35から受信した各特徴量データと、中央処理装置から受信した探知対象者の特徴量データとのマッチングを逐次行う。即ち、マッチング部37は、特徴量データ抽出部35から受信した特徴量データと、探知対象者の特徴量データとの相関値(類似度)を算出する。
ステップS220において乗客追跡部41は、マッチング部37から受信した追跡開始命令に基づいて、発見された探知対象者の追跡を開始する。即ち、乗客追跡部41は、探知カメラ33から受信した各フレーム画像中に映る探知対象者を移動体とみなして、探知対象者の身体領域の時間的な移動を連続的に検出する。また、検出された身体領域を囲むような「枠画像」を生成し、「枠画像」を各フレーム画像に合成して中央処理装置に送信する。
ステップS235において音声生成処理部43は、中央処理装置100から受信した音声データを復調して、スピーカ45からオペレーターの音声を放送する。
ステップS240において、音声生成処理部43は、放送中止リクエストを受信したか否かを確認している(ステップS240にてNo)。放送中止リクエストを受信した場合は(ステップS240にてYes)、ステップS245にて放送を中止する。
ステップS250において、乗客追跡部41は、追跡終了リクエストを受信したか否かを確認している(ステップS250にてNo)。追跡終了リクエストを受信した場合は(ステップS250にてYes)、乗客の追跡を終了する(ステップS255)。即ち、ステップS255では、動画の配信を停止する。
また、本実施形態においては、乗客の探知に必要な搭乗券情報と乗客の顔画像から得られる初期特徴量データとを乗客データベースに記憶するので、乗客の位置を逐次データベースに登録する場合に比べてデータベース容量を大幅に削減できる。
さらに、本実施形態によれば、搭乗券情報に含まれる便名と、フライトDBに登録されたフライト情報中の搭乗口の情報とに基づいて、複数の乗客探知装置の中から乗客を探知させる装置を選定する。この選定により、乗客を探知する範囲を乗客の予測移動範囲に限定することができるので乗客を短時間で効率よく探知できる。
乗客DB123に登録される乗客データには、搭乗完了を示す搭乗フラグを記憶してもよい。ここで搭乗フラグは、乗客が搭乗したことを示すフラグである。搭乗済みの乗客のデータには搭乗フラグを立て、未搭乗の乗客データには搭乗フラグを立てないように設定することで、搭乗が完了したか否かを記録する。
例えば、探知対象者データ抽出部109は、探知対象者データに合致する全ての乗客データをDB装置120から抽出する。搭乗フラグが立っている場合には、端末装置にその旨を送信するとともに、当該乗客を乗客探知装置30による探知対象から除外する処理を行う。搭乗フラグが立っていない乗客については、乗客探知装置30による探知対象とする。
乗客DB123に搭乗フラグを登録しておくことで、探知対象者データとして便名のみが指定された場合に、当該便に搭乗する全ての乗客のうち、搭乗が済んでいない全ての乗客を探知対象とすることができる。
Claims (6)
- 入口から少なくとも1つの搭乗口に至る所定の探知エリアにおいて、特定の乗客を探知する乗客探知システムであって、
前記入口に設置されて、乗客が所持する搭乗券から、前記乗客が搭乗する交通手段を特定する搭乗便名を含んだ搭乗券情報を読み取る情報読取手段と、前記乗客を撮影する読込カメラと、を備えた情報読込装置と、
前記情報読込装置が取得した搭乗券情報と、前記読込カメラが撮影した前記乗客の初期外観像から得られる前記乗客の初期特徴量データと、を対応づけて記憶する乗客データベースと、
前記乗客データベースから、前記特定の乗客の初期特徴量データを抽出する中央処理装置と、
前記探知エリア内に設置されて、前記探知エリア内を撮影する探知カメラと、前記探知カメラにより撮影された人物の外観像から得られる特徴量データと前記初期特徴量データとが一致したときに前記探知カメラにより撮影された人物が前記特定の乗客であると判定するマッチング手段と、を夫々備えた複数の乗客探知装置と、
前記搭乗口から出発する少なくとも1つの交通手段に関する運行情報として前記搭乗便名と前記搭乗口とを関連づけて記憶する運行データベースと、を備え、
前記中央処理装置は、前記乗客データベースから取得した搭乗券情報に含まれる交通手段に関する情報と、前記運行データベースから取得した交通手段に関する運行情報とに基づいて、前記複数の乗客探知装置のうちの少なくとも1つの乗客探知装置を選定する乗客探知装置選定手段を備え、前記乗客探知装置選定手段は、前記乗客データベースから取得された搭乗便名に基づいて前記運行データベースから搭乗口の情報を取得し、前記入口から前記搭乗口に至るエリアに設置された乗客探知装置を選定することを特徴とする乗客探知システム。 - 前記乗客探知装置は、前記マッチング手段により判定された前記特定の乗客の像を追跡する乗客追跡手段を備え、
前記乗客追跡手段は、追跡中の人物像にマーカ画像を合成することを特徴とする請求項1に記載の乗客探知システム。 - 入口から少なくとも1つの搭乗口に至る所定の探知エリアにおいて、特定の乗客を探知する乗客探知システムであって、
前記入口に設置されて、乗客が所持する搭乗券の搭乗券情報を読み取る情報読取手段と、前記乗客を撮影する読込カメラと、を備えた情報読込装置と、
前記情報読込装置が取得した搭乗券情報と、前記読込カメラが撮影した前記乗客の初期外観像から得られる前記乗客の初期特徴量データと、を対応づけて記憶する乗客データベースと、
前記乗客データベースから、前記特定の乗客の初期特徴量データを抽出する中央処理装置と、
前記探知エリア内に設置されて、前記探知エリア内を撮影する探知カメラと、前記探知カメラにより撮影された人物の外観像から得られる特徴量データと前記初期特徴量データとが一致したときに前記探知カメラにより撮影された人物が前記特定の乗客であると判定するマッチング手段と、前記マッチング手段により判定された前記特定の乗客の像に対してマーカ画像を合成することにより前記特定の乗客を追跡する乗客追跡手段と、を夫々備えた複数の乗客探知装置と、
前記搭乗口から出発する少なくとも1つの交通手段に関する運行情報を記憶する運行データベースと、を備え、
前記中央処理装置は、前記乗客データベースから取得した搭乗券情報に含まれる交通手段に関する情報と、前記運行データベースから取得した交通手段に関する運行情報とに基づいて、前記複数の乗客探知装置のうちの少なくとも1つの乗客探知装置を選定する乗客探知装置選定手段を備えたことを特徴とする乗客探知システム。 - 前記特定の乗客のデータを入力する入力手段と、前記入力手段から入力された前記特定の乗客を示すデータを前記中央処理装置に送信する通信手段と、を備えた端末装置を備え、
中央処理装置は、前記端末装置から送信された特定の乗客を示すデータをキーとして、前記乗客データベースに前記初期特徴量データを検索させ、前記乗客データベースから取得した前記初期特徴量データを、前記乗客探知装置選定手段によって選定された乗客探知装置に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の乗客探知システム。 - 前記端末装置は、音声信号を集音するマイクと、集音した音声データを前記乗客探知装置に送信する通信手段と、を備え、
前記乗客探知装置は、前記通信手段から受信した音声データを出力するスピーカを備えたことを特徴とする請求項4に記載の乗客探知システム。 - 前記入口が保安検査場入口であり、前記所定の探知エリアが制限エリアであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の乗客探知システム。
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