JP5563923B2 - 電力変換装置及びモータ駆動制御装置 - Google Patents
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Description
しかし、通電する相を切り替える際にトルクリップルが発生し、振動や騒音を発することとなる。この現象は、特に低回転域において、顕著に表れる。
いずれにしても、電力変換装置の波形をとらえると、高電位側電源および低電位側電源間の電圧を直列接続されたスイッチング素子をPWM制御して、矩形波信号を出力している。
導通損失やダイオード導通損失は、主に通電電流と、内部抵抗で決まり、スイッチング損失とダイオード逆回復損失は、通電電流、印加電圧、スイッチング周波数で定まることとなる。
ところで、正弦波波形を一定電圧の矩形波形で擬似的に形成する場合には、正弦波の電圧を超えた領域の電力は無駄に消費されることとなる。
ここで、商用電源のように周波数が固定されたものに対しては、コンバータ回路が出力する全波整流信号の周波数は一定であり、インバータ回路の出力信号の周波数も一定であるので、インバータ回路の振幅を制御すれば、所望の正弦波形を有する出力信号を出力することが可能となる。
しかしながら、単相交流モータのように使用状況によって回転数が変動すると、コンバータの出力する全波整流波形およびインバータの出力波形は、実際のモータに必要とされる駆動波形と同期しないものとなり、所望の回転数あるいはトルクを得ることができなくなる。
そこで、本発明の目的は、駆動状態が変化する単相交流モータを駆動するに際して、スイッチング素子の損失を低減し、スイッチング素子や放熱器の小型化を図ることにある。
インバータ回路は、スイッチング素子を用いて前記コンバータ回路の出力信号に同期して当該出力信号の直流/交流変換を行って前記単相交流モータに供給する。
これにより、単相交流モータが回転すると、周波数制御信号出力部は、前記単相交流モータの回転状態および前記単相交流モータの目標回転状態に基づいて前記コンバータ回路の出力信号の周波数を制御する周波数制御信号を制御部に出力する。
これらの結果、制御部は、前記周波数制御信号に基づいて、前記コンバータ回路および前記インバータ回路を制御する。
したがって、コンバータ回路とインバータ回路とは、単相交流モータの回転状態および設定された目標回転状態に基づいて、同期して動作することとなり、スイッチング素子の損失を低減でき、ひいては、スイッチング素子や放熱器の小型化が図れる。
これにより、周波数制御信号出力部は、前記磁極位置検出器により検出された前記単相交流モータの実際の回転状態に対応する前記インバータ回路の出力信号の周波数と、目標の周波数と、を加算した周波数に相当する前記周波数制御信号を出力する。したがって、周波数制御信号は、徐々に単相交流モータの回転状態と目標回転状態とが近づくように制御される。
また、前記単相交流モータの磁極位置に基づいて前記単相交流モータの回転状態を検出する磁極位置検出器を有し、前記周波数制御信号出力部は、前記磁極位置検出器により検出された前記単相交流モータの実際の回転状態に対応する前記インバータ回路の出力信号の周波数と、目標の周波数と、を加算した周波数に相当する前記周波数制御信号を出力するので、磁極位置検出器は、前記単相交流モータの磁極位置に基づいて前記単相交流モータの実際の回転状態を検出する。
これにより、周波数制御信号出力部は、前記磁極位置検出器により検出された前記単相交流モータの実際の回転状態に対応する前記インバータ回路の出力信号の周波数と、目標の周波数と、を加算した周波数に相当する前記周波数制御信号を出力する。
これらの結果、制御部は、前記周波数制御信号に基づいて、前記コンバータ回路および前記インバータ回路を制御することとなり、コンバータ回路とインバータ回路とは、単相交流モータの回転状態および設定された目標回転状態に基づいて、同期して動作することとなり、スイッチング素子の損失を低減でき、ひいては、スイッチング素子や放熱器の小型化が図れる。
図1は、実施形態のモータ駆動制御装置としてのハイブリッド車両用の電力供給装置の回路構成図である。
電力供給装置10は、直流電源として機能するバッテリ11と、バッテリ11からの供給電力の電圧の昇降圧を行うコンバータ回路12と、コンバータ回路12の動作制御を行うコンバータ制御部13と、コンバータ回路12からの供給電力の直流/交流変換を行って単相交流モータ15に供給するインバータ回路14と、コンバータ制御部を介して入力されるインバータ制御信号に基づいて、インバータ回路14の制御を行うインバータ制御部16と、単相交流モータ15の磁極位置を検出する磁極位置検出センサ17と、磁極位置検出センサ17の出力信号に基づいて、単相交流モータの回転速度を検出して位置速度検出信号を出力する磁極位置速度検出器18と、磁極位置速度検出器18が出力した位置速度検出信号の低周波成分を通過させてインバータ回路14が出力しているモータ駆動信号の周波数に相当する駆動周波数信号Svを出力するロウパスフィルタ(LPF)19と、図示しない車両のECUから入力されるインバータ回路14の出力周波数を制御するための駆動周波数制御信号Svcを駆動周波数信号Svに加算してコンバータ制御信号Vsを出力する加算器20と、を備えている。
ここで、コンバータ回路12、コンバータ制御部13、インバータ回路14、インバータ制御部16及び加算器30は、電力変換装置を構成している。
さらに、高電位側トランジスタ22Hのコレクタ−エミッタ間には、エミッタからコレクタに向けて順方向となるように、フリーホイールダイオードとしてダイオード23Hが接続され、低電位側トランジスタ22Lのコレクタ−エミッタ間には、エミッタからコレクタに向けて順方向となるように、フリーホイールダイオードとしてダイオード23Lが接続されている。
さらに、高電位側トランジスタ25Hのコレクタ−エミッタ間には、エミッタからコレクタに向けて順方向となるように、フリーホイールダイオードとしてダイオード26Hが接続され、低電位側トランジスタ25Lのコレクタ−エミッタ間には、エミッタからコレクタに向けて順方向となるように、フリーホイールダイオードとしてダイオード26Lが接続されている。
また、コンバータ回路12は、その全波整流信号SCを平滑するための2次平滑コンデンサ27を備えている。
磁極位置検出センサ17は、単相交流モータ15の磁極の回転に伴う磁界の変化を検出する第1ホールセンサ17Aと、第1ホールセンサ17Aとは、所定の電気角だけ離間された位置に配置され、単相交流モータ15の磁極の回転に伴う磁界の変化を検出する第2ホールセンサ17Bと、を備えている。
磁極位置速度検出器18は、第1ホールセンサ17Aおよび第2ホールセンサ17Bの出力に基づいて、単相交流モータの回転速度(=インバータ回路14の出力信号の周波数に比例)に対応する回転速度検出信号を出力する。
図2は、出力信号波形の説明図である。
インバータ回路14は、図2(a)に示すコンバータ回路12から出力される全波整流信号SCに基づいて、DC/AC変換を行い、動作安定状態においては、全波整流信号SCの周波数の1/2の周波数を有する、モータ駆動信号SIを出力することとなる。
もっとも理想的な状態におけるモータ駆動信号SIを図2(b)に示す、符号SITで表すとすると、インバータ回路14はモータ駆動信号SIの電圧が理想的なモータ駆動信号SITを表す曲線に沿って変化するようにモータ駆動信号SIとして、矩形波信号を出力することとなる。
そこで、本実施形態においては、磁極位置速度検出器18が磁極位置検出センサ17の出力信号に基づいて出力した位置速度検出信号に基づいて、コンバータ回路12の全波整流信号SCの周波数を理想的な状態に制御して、単相交流モータ15の回転数が遷移しているような状況でも理想的なモータ駆動信号SIを出力するようにしている。
この結果、駆動周波数制御信号Svcに相当するモータ駆動信号SIの周波数をνとし、駆動周波数信号Svに相当するモータ駆動信号SIの周波数をν+Δνとすると、コンバータ制御信号Vsに相当するモータ駆動信号SIの周波数νxは、次式で表される。
νx=(ν+ν+Δν)/2
=ν+Δν/2
となる。すなわち、実際のモータ駆動信号SIの周波数と、駆動周波数制御信号Svcに相当する周波数との中間の値を次回の目標周波数とすることとなるので、徐々に実際のモータ駆動信号SIの周波数と、駆動周波数制御信号Svcに相当する周波数と、の差が少なくなるように制御がなされ、単相交流モータ15は、所望の回転速度あるいは所望のトルクを得ることが可能となる。
初期状態においては、単相交流モータ15が停止状態(すなわち、実際の単相交流モータ15の周波数=0)にあるものとする。
まず、図示しないECUから駆動周波数制御信号Svcが入力されると、加算器20は、駆動周波数制御信号Svcをそのままコンバータ制御信号Vsとしてコンバータ制御部13に出力する。
これによりコンバータ制御部13の絶対値(ABS)回路41は、コンバータ制御信号Vsの絶対値信号である基準信号Vrefを第1演算回路61および第2演算回路62に第1バッファ42を介して出力する。
そして、単相交流モータ15は、インバータ回路14により印加された電圧及び周波数で駆動されることとなる。
続いて、磁極位置検出センサ17の第1ホールセンサ17A及び第2ホールセンサ17Bは、単相交流モータ15の磁極の回転に伴う磁界の変化を検出して、検出信号を磁極位置速度検出器18に出力する。
磁極位置速度検出器18は、第1ホールセンサ17Aおよび第2ホールセンサ17Bの出力に基づいて、単相交流モータ15の回転速度(=インバータ回路14の出力信号の周波数に比例)に対応する回転速度検出信号をLPF19に出力する。
この結果、加算器20は、図示しない車両のECUから入力されるインバータ回路14の出力周波数を制御するための駆動周波数制御信号Svcを駆動周波数信号Svに加算してコンバータ制御信号Vsとして出力する。
このときのコンバータ制御信号Vsは、上述したように、実際のモータ駆動信号SIの周波数と、駆動周波数制御信号Svcに相当する周波数との中間の値を次回の目標周波数とすることとなるので、徐々に実際のモータ駆動信号SIの周波数と、駆動周波数制御信号Svcに相当する周波数と、の差が少なくなるように制御がなされる。
駆動周波数信号Svに相当する周波数=3030/60×4
=202[Hz]
となり、
駆動周波数制御信号Svcに相当する周波数=3000/60×4
=200[Hz]
となる。
このことは、単相交流モータ15の回転数の電気角の周期の倍の周期でコンバータ回路12の全波整流波形を制御することとなる。
この結果、インバータ回路14としては、SIの周波数が、現在の周波数である202[Hz]と目標となる周波数である200[Hz]の中間の201[Hz]となるように制御がなされることとなる。
よって、徐々に実際の単相交流モータ15の回転数に合わせてコンバータ回路12の全波整流波形を得ることができるとともに、これに同期したインバータ回路14の出力信号を得ることができるので、単相交流モータ15を所望の回転数(回転速度)あるいは所望のトルクで駆動することが可能となり、スイッチング素子損失の低減が図れることとなる。
また、図4は、単相交流モータが単相4極対モータであり、回転速度を6000rpmにする場合の波形説明図である。
図3および図4のいずれの場合においても、全波整流信号SCと、この全波整流信号SCの1/2の周波数を有するモータ駆動信号SIは、完全に同期して出力されており、単相交流モータ15を所望の回転数(回転速度)あるいは所望のトルクで駆動できていることがわかる。この結果、スイッチング素子損失の低減が図れ、スイッチング素子の小型化や、放熱器の小型化が可能となる。
11 バッテリ
12 コンバータ回路
13 コンバータ制御部(制御部)
14 インバータ回路
15 単相交流モータ
16 インバータ制御部(制御部)
17 磁極位置検出センサ
17A 第1ホールセンサ
17B 第2ホールセンサ
18 磁極位置速度検出器
19 LPF
20 加算器(周波数制御信号出力部)
21 1次平滑コンデンサ
22H 高電位側トランジスタ(スイッチング素子)
22L 低電位側トランジスタ(スイッチング素子)
25H 高電位側トランジスタ(スイッチング素子)
25L 低電位側トランジスタ(スイッチング素子)
27 2次平滑コンデンサ
30 加算器
31H 高電位側トランジスタ(スイッチング素子)
31L 低電位側トランジスタ(スイッチング素子)
33H 高電位側トランジスタ(スイッチング素子)
33L 低電位側トランジスタ(スイッチング素子)
41 絶対値回路
42 第1バッファ
43 第2バッファ
44 第1加算器
45 第2加算器
46 第1コンパレータ
47 反転回路
48 第2コンパレータ
49 反転回路
50 PI制御回路
51 コンパレータ
52 反転回路
53 反転回路
54 制御量算出部
61 第1演算回路
62 第2演算回路
SC 全波整流信号
SI モータ駆動信号
SIT モータ駆動信号
SIX モータ駆動信号
Sv 駆動周波数信号
Svc 駆動周波数制御信号
Vs コンバータ制御信号
νx 周波数
Claims (3)
- 直流電源から供給された電力を変換し、単相交流モータに駆動電力として供給する電力変換装置において、
スイッチング素子を有し、前記直流電源からの供給電力の電圧を全波整流により中間電圧に変換して出力するコンバータ回路と、
スイッチング素子を有し、前記コンバータ回路の出力信号に同期して当該出力信号の直流/交流変換を行って前記単相交流モータに供給するインバータ回路と、
前記単相交流モータの回転状態および設定された前記単相交流モータの目標回転状態に基づいて前記コンバータ回路の出力信号の周波数を制御する周波数制御信号を出力する周波数制御信号出力部と、
前記周波数制御信号に基づいて、前記コンバータ回路および前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記単相交流モータの磁極位置に基づいて前記単相交流モータの実際の回転状態を検出する磁極位置検出器を有し、
前記周波数制御信号出力部は、前記磁極位置検出器により検出された前記単相交流モータの実際の回転状態に対応する前記インバータ回路の出力信号の周波数と、目標の周波数と、を加算した周波数に相当する前記周波数制御信号を出力する、ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1記載の電力変換装置において、
前記制御部は、前記コンバータの全波整流信号の周期が、前記単相交流モータの回転数の電気角の周期の倍となるように制御することを特徴とする電力変換装置。 - 直流電源と、前記直流電源から供給された電力を変換する電力変換装置と、前記電力変換装置から供給された電力を駆動電力として動作する単相交流モータと、を備えたモータ駆動制御装置において、
前記電力変換装置は、前記直流電源からの供給電力の電圧を全波整流により中間電圧に変換して出力するコンバータ回路と、
前記コンバータ回路の出力信号に同期して当該出力信号の直流/交流変換を行って前記単相交流モータに供給するインバータ回路と、
前記単相交流モータの回転状態および前記単相交流モータの目標回転状態に基づいて前記コンバータ回路の出力信号の周波数を制御する周波数制御信号を出力する周波数制御信号出力部と、
前記周波数制御信号に基づいて、前記コンバータ回路および前記インバータ回路を制御する制御部と、前記周波数制御信号に基づいて、前記コンバータ回路および前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記単相交流モータの磁極位置に基づいて前記単相交流モータの実際の回転状態を検出する磁極位置検出器を有し、
前記周波数制御信号出力部は、前記磁極位置検出器により検出された前記単相交流モータの実際の回転状態に対応する前記インバータ回路の出力信号の周波数と、目標の周波数と、を加算した周波数に相当する前記周波数制御信号を出力する、ことを特徴とするモータ駆動制御装置。
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