JP5559227B2 - アルミニウム製フィン材 - Google Patents
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Description
本発明は、その表面に皮膜層が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金よりなるアルミニウム製フィン材に係り、特に、空調機等の熱交換器に好適に使用される熱交換器用アルミニウム製フィン材に関する。
近年の地球温暖化や資源価格高騰問題等の顕在化により、空調機の高効率化や小型化等の性能向上の要請が高まりつつある。この様な要請を反映して空調機の熱交換器には、熱伝導性、加工性、耐食性などに優れるアルミニウム板(以下、適宜アルミニウム合金板を含む)が広く使用されている。又、空調機の熱交換器は体積を小さくするために、フィンが狭い間隔に並設されている構造となっている。
ところで、空調機の運転時にフィン表面の温度が空気の露点以下となると、フィン表面に結露水が凝縮して付着するため、熱交換器の熱交換機能が低下し、フィンが閉塞しやすくなる。このとき、フィン表面の親水性が低いと水の接触角が大きくなるため、付着した結露水は半球状となり、よりフィンが閉塞しやすくなる。更に、結露水の凝縮が進行して結露水が大きくなると、狭い間隔に併設された隣接するフィン表面の結露水がひとつとなるなどにより、隣接するフィン同士を閉塞させる。このようにしてフィンが閉塞した結果、熱交換器の熱交換機能がより阻害される、送風ファンの風圧で結露水が空調機外に飛散する等の問題が従来から知られている。
ところで、空調機の運転時にフィン表面の温度が空気の露点以下となると、フィン表面に結露水が凝縮して付着するため、熱交換器の熱交換機能が低下し、フィンが閉塞しやすくなる。このとき、フィン表面の親水性が低いと水の接触角が大きくなるため、付着した結露水は半球状となり、よりフィンが閉塞しやすくなる。更に、結露水の凝縮が進行して結露水が大きくなると、狭い間隔に併設された隣接するフィン表面の結露水がひとつとなるなどにより、隣接するフィン同士を閉塞させる。このようにしてフィンが閉塞した結果、熱交換器の熱交換機能がより阻害される、送風ファンの風圧で結露水が空調機外に飛散する等の問題が従来から知られている。
前記結露水の問題を解決するために、特許文献1においては、フィン表面に付着した結露水が長時間滞留し、水和反応や腐食反応を誘起するのを抑制するために、カルボキシメチルセルロースの塩とN−メチロールアクリルアミドを主成分とする表面処理剤を用いる技術が開示されている。特許文献2においては、フィン材に耐食性と親水性を付与するため、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンを主成分とする表面処理剤の使用が有効であることが開示されている。特許文献3においては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等からなる親水性皮膜を備えたフィン材が開示されている。特許文献4及び特許文献5においては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基等を含有する樹脂を被覆したフィン材が開示されている。
しかしながら、前記特許文献に係る発明はいずれも、親水性樹脂皮膜が水と接触すると経時的に親水性が低下し、フィン表面の親水性を長期間にわたって維持することが難しい。すなわち、長期間使用されるに従いフィンに付着した結露水が半球状となりやすく、その結果、フィンを閉塞しやすくなる。これにより、熱交換器の熱交換機能が阻害される等の問題が解決したとは言い難かった。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、フィン材表面の親水性が長期間持続するアルミニウム製フィン材を提供することを課題とする。
すなわち本発明に係るアルミニウム製フィン材は、アルミニウム板又はアルミニウム合金板の表面に耐食性皮膜層と親水性皮膜層とをこの順に備えるアルミニウム製フィン材であって、前記耐食性皮膜層は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、並びに、ウレタン系樹脂よりなる群から選択される1種以上の耐食性樹脂と、水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物、並びに、水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上の第1の架橋剤とを含み、前記耐食性樹脂と前記第1の架橋剤の合計固形分に占める第1の架橋剤の固形分比率が0.2%以上である樹脂組成物からなり、前記親水性皮膜層は、カルボキシル基を有する単量体のみから構成される重合体、並びに、カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体、又は、それらの混合物を含む樹脂組成物からなることを特徴とする。
この様な構成によれば、耐食性樹脂による耐食性を保持しつつ、結露水などの水分で溶出しやすい親水性樹脂を耐食性皮膜層に含有させた架橋剤によって耐食性皮膜層につなぎとめて親水性を持続させることが可能となる。
又、アルミニウム製フィン材は、前記親水性皮膜層上に、潤滑性皮膜層を更に備え、前記潤滑性皮膜層がポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、及び、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩よりなる群から選択される1種以上の潤滑性樹脂を含む樹脂組成物からなるのが好ましい。
この様な構成によれば、親水性皮膜層による親水性を維持しつつ、フィン材に潤滑性を付与することが可能となる。
更に、アルミニウム製フィン材は、前記潤滑性皮膜層が、水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物、及び、水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上の第2の架橋剤を更に含む組成物からなるのが好ましい。
この様な構成によれば、潤滑性皮膜層にも架橋剤を含有させることで、前記耐食性皮膜層につなぎとめられた親水性皮膜層を上層である潤滑性皮膜層によっても固定することが可能となる。これにより、結露水などの水分による親水性樹脂の溶出を防止すると共に、親水性皮膜層の耐食性皮膜層に対する密着性が向上するためフィン材の親水性をより一層持続させることが可能となる。
そして、アルミニウム製フィン材は、前記アルミニウム板又は前記アルミニウム合金板と前記耐食性皮膜層との間に化成処理皮膜層を更に備え、前記化成処理皮膜層は無機酸化物又は有機―無機複合化合物からなるのが好ましい。
このような構成によれば、化成処理皮膜層を備えることによりアルミニウム製フィン材の耐食性が向上すると共に、耐食性皮膜層のアルミニウム板に対する密着性も向上して親水性を維持しつつより長期間の使用に耐え得る。
本発明に係るアルミニウム製フィン材は、フィン材表面の親水性が長期間持続するという効果が得られる。これにより、空調機の使用の際に熱交換器のフィンが結露水により閉塞され難く、フィン表面の結露水が空調機外へ飛散しにくい、という効果が得られる。又、フィン表面の親水性が長期間持続する、という効果も得られる。
次に、本発明に係るアルミニウム製フィン材の実施形態について、図面を適宜参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
<フィン材>
図1に示すように、本発明に係るフィン材10は、アルミニウム板又はアルミニウム合金板(以下、アルミニウム板1と称す)と、アルミニウム板1の表面に形成された耐食性皮膜層2と親水性皮膜層3とをこの順に備えるものである。そして、耐食性皮膜層2は耐食性樹脂、及び、第1の架橋剤6からなり、耐食性樹脂と架橋剤6の合計固形分に占める第1の架橋剤6の固形分比率が0.2%以上であって、親水性皮膜層3はカルボキシル基を有する重合体等からなるものである。
以下、各構成について説明する。
<フィン材>
図1に示すように、本発明に係るフィン材10は、アルミニウム板又はアルミニウム合金板(以下、アルミニウム板1と称す)と、アルミニウム板1の表面に形成された耐食性皮膜層2と親水性皮膜層3とをこの順に備えるものである。そして、耐食性皮膜層2は耐食性樹脂、及び、第1の架橋剤6からなり、耐食性樹脂と架橋剤6の合計固形分に占める第1の架橋剤6の固形分比率が0.2%以上であって、親水性皮膜層3はカルボキシル基を有する重合体等からなるものである。
以下、各構成について説明する。
(アルミニウム板)
本発明に用いられるアルミニウム板1は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる板材である。これらアルミニウム又はアルミニウム合金としては特に限定しないが、例としては、熱伝導性及び加工性が優れることから、JIS H4000に規定する合金種1000系のアルミニウム、特に、合金番号1200のアルミニウムが好適に使用される。
アルミニウム板1の板厚は0.06〜0.3mmのものが好ましい。アルミニウム板1の板厚が0.06mm未満では、フィン材10として必要とされる強度を確保することができない。一方、板厚が0.3mmを超えるとフィン材10としての加工性が低下する。
本発明に用いられるアルミニウム板1は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる板材である。これらアルミニウム又はアルミニウム合金としては特に限定しないが、例としては、熱伝導性及び加工性が優れることから、JIS H4000に規定する合金種1000系のアルミニウム、特に、合金番号1200のアルミニウムが好適に使用される。
アルミニウム板1の板厚は0.06〜0.3mmのものが好ましい。アルミニウム板1の板厚が0.06mm未満では、フィン材10として必要とされる強度を確保することができない。一方、板厚が0.3mmを超えるとフィン材10としての加工性が低下する。
(耐食性皮膜層)
耐食性皮膜層2は、フィン材10の耐食性を高める。又、後記する親水性皮膜層3と架橋する架橋剤6を保持するものでもある。
耐食性皮膜層2は、耐食性樹脂と架橋剤6とを含む樹脂組成物(耐食性樹脂組成物)により構成される。この耐食性樹脂はポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、並びに、ウレタン系樹脂よりなる群から選択される1種以上から構成される。架橋剤6は水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物、並びに、水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上から構成される。
耐食性皮膜層2は、フィン材10の耐食性を高める。又、後記する親水性皮膜層3と架橋する架橋剤6を保持するものでもある。
耐食性皮膜層2は、耐食性樹脂と架橋剤6とを含む樹脂組成物(耐食性樹脂組成物)により構成される。この耐食性樹脂はポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、並びに、ウレタン系樹脂よりなる群から選択される1種以上から構成される。架橋剤6は水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物、並びに、水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上から構成される。
これら樹脂の例として、ポリエステル系樹脂としては東洋紡績製「バイロナール(商標登録)MD−1200」が、ポリオレフィン系樹脂としては三井化学製「ケミパール(商標登録)」、及び、東邦化学工業製「ハイテック(商標登録)S3148」、エポキシ系樹脂としてはDIC製「エピクロン840(商標登録)」が、アクリル系樹脂としては楠本化成製「ネオクリル(商標登録)A−614」が、ウレタン系樹脂としては楠本化成製「ネオレッズ(商標登録)R−9660」が挙げられる。
又、水溶性エポキシ系架橋剤としてはDIC製「CR−5L」が、水分散性カルボジイミド系架橋剤としては日清紡ケミカル製「カルボジライト(登録商標)E−02」が、水溶性オキサゾリン系架橋剤としては日本触媒製「エポクロス(登録商標)WS700」が挙げられる。
耐食性皮膜層2に含有される耐食性樹脂によりアルミニウム板1の腐食(酸化)が抑制され、フィン材10に耐食性が付与される。又、耐食性皮膜層2は疎水性であるため、アルミニウム板1に水が浸透して、皮膜層下腐食によって不快な臭気を発生するのを抑制することができる。更に、耐食性皮膜層2に含有された架橋剤6は、後記する親水性皮膜層3の形成時に、親水性樹脂が含有するカルボキシル基と架橋して、親水性皮膜層3を保持することができる。
耐食性皮膜層2を構成する樹脂組成物中の耐食性樹脂と架橋剤6の合計固形分に占める架橋剤6の固形分比率は0.2%以上とする。架橋剤6の固形分比率が0.2%未満の場合は、架橋剤6が上層の親水性皮膜層3と架橋することによるフィン材10の親水性の持続性を向上させる効果が低下する。又、架橋剤6の固形分比率が70%以上の場合は、耐食性皮膜層2中の耐食性樹脂の比率が相対的に減少し、耐食性樹脂の密度が低下するため、フィン材に付与される耐食性が低下する。
このため、架橋剤の固形分比率は0.2%以上70%未満が好ましい。より好ましい架橋剤の固形分比率は1%以上40%以下である。
このため、架橋剤の固形分比率は0.2%以上70%未満が好ましい。より好ましい架橋剤の固形分比率は1%以上40%以下である。
耐食性皮膜層2の厚さ(皮膜量)は、0.01〜8.0g/m2であることが好ましい。耐食性皮膜層2の厚さが0.01g/m2未満であると、フィン材10の耐食性、及び、親水性皮膜層3との密着性を確保することができない。一方、耐食性皮膜層2の厚さが8.0g/m2を超えると耐食性皮膜層2が断熱層となって、熱交換の効率を悪くする。より好ましい耐食性皮膜層2の厚さは、0.03〜5.0g/m2である。
本発明に係るフィン材10の耐食性皮膜層2の樹脂組成物は、前記耐食性樹脂、第1の架橋剤以外に、塗装性や作業性等や皮膜(塗膜)物性等を改善するために、各種の水系溶媒や塗料添加物を添加してもよい。例えば、水溶性有機溶剤、界面活性剤、表面調整剤、湿潤分散剤、沈降防止剤、酸化防止剤、消泡剤、防錆剤、抗菌剤、防カビ剤等の各種の溶剤や添加剤を、単独で又は複数組み合わせて配合してもよい。
(親水性皮膜層)
親水性皮膜層3は、耐食性皮膜層2の表面に形成されるものであり、フィン材10の親水性を向上させる。
親水性皮膜層3は、カルボキシル基を有する単量体のみから構成される重合体、カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体、又は、それらの混合物を含む樹脂組成物(親水性樹脂組成物)からなり、少なくともカルボキシル基を有する単量体が含まれれば、その種類が限定されるものではない。
親水性皮膜層3は、耐食性皮膜層2の表面に形成されるものであり、フィン材10の親水性を向上させる。
親水性皮膜層3は、カルボキシル基を有する単量体のみから構成される重合体、カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体、又は、それらの混合物を含む樹脂組成物(親水性樹脂組成物)からなり、少なくともカルボキシル基を有する単量体が含まれれば、その種類が限定されるものではない。
カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体と共重合可能な単量体としては、スルホン酸基を有する単量体、スルホン酸基誘導体を有する単量体、カルボキシル基誘導体を有する単量体、水酸基を有する単量体、水酸基誘導体を有する単量体等の親水性官能基を有する単量体が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体のみから構成される重合体の例としては、東亞合成製「ジュリマー(登録商標)AC−10S」(ポリアクリル酸)が挙げられる。カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体の例としては、アクリル酸とスルホン酸基含有単量体との共重合体である日本触媒製「アクアリック(登録商標)GL」が挙げられる。前記親水性樹脂組成物の例としては、前記ジュリマー(登録商標)の単独組成、前記アクアリック(登録商標)の単独組成、前記ジュリマー(登録商標)若しく前記アクアリック(登録商標)と、クラレ製「クラレポバールPVA105」との混合物、並びに、前記アクアリック(登録商標)と日本触媒製「エポクロス(登録商標)WS700」との混合物が挙げられる。
親水性皮膜層3に含有される単量体のカルボキシル基は、親水性皮膜層3の形成時に耐食性皮膜層2に含有された第1の架橋剤6と架橋する。これにより、耐食性皮膜層2と親水性皮膜層3との密着性がより一層向上して、本発明に係るフィン材10の親水性の耐久性を向上させることが可能となる。
親水性皮膜層3の膜厚は0.02〜10g/m2が好ましい。膜厚が0.02g/m2未満の場合は、フィン材の親水性が低下しやすくなる。一方、膜厚が10g/m2を超える場合は、親水性の更なる向上は認められない。又、親水性皮膜層3を10g/m2を超えて形成することは、経済的にも好ましくない。
より好ましい親水性皮膜層3の膜厚は、0.08〜2g/m2である。このような膜厚により、経済性を損なわずに、フィン材10の親水性がより一層向上する。
なお、親水性皮膜層3の膜厚はこれら範囲に特に限定されるものではない。
より好ましい親水性皮膜層3の膜厚は、0.08〜2g/m2である。このような膜厚により、経済性を損なわずに、フィン材10の親水性がより一層向上する。
なお、親水性皮膜層3の膜厚はこれら範囲に特に限定されるものではない。
親水性皮膜層3の樹脂組成物は、前記重合体、共重合体、又は、それらの混合物以外に、塗装性、作業性、若しくは、塗膜物性等を改善するために、各種の水系溶媒や塗料添加物を添加することが可能である。例えば、水溶性有機溶剤、界面活性剤、表面調整剤、湿潤分散剤、架橋剤、沈降防止剤、酸化防止剤、消泡剤、防錆剤、抗菌剤、防カビ剤等の各種の溶剤や添加剤を、単独で又は複数組み合わせて添加してもよい。親水性皮膜層3にも架橋剤を添加することによりフィン材10の親水性を更に一層向上させることができる。
[第2実施形態]
図2に示すように、フィン材10は、親水性皮膜層3上に、潤滑性樹脂を含む樹脂組成物(潤滑性樹脂組成物)からなる潤滑性皮膜層4を更に備えるのが好ましい。
図2に示すように、フィン材10は、親水性皮膜層3上に、潤滑性樹脂を含む樹脂組成物(潤滑性樹脂組成物)からなる潤滑性皮膜層4を更に備えるのが好ましい。
(潤滑性皮膜層)
親水性皮膜層3の表面に、潤滑性皮膜層4を形成することが好ましい。これにより、フィン材10の摩擦係数が低減される結果、熱交換器のフィンに加工する際のプレス成形性が一段と向上する。
潤滑性樹脂としては、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びそのアルカリ金属塩(CMCアルカリ金属塩)よりなる群から選択される1種以上を含むものであることが好ましい。
この中でも、ポリエチレングリコールとカルボキシメチルセルロースナトリウムとを併用することがより好ましい。これにより、造膜性及び潤滑性(プレス成形性)が一層良好となる。ポリエチレングリコールとカルボキシメチルセルロースナトリウムの質量比は、ポリエチレングリコール:カルボキシメチルセルロースナトリウム=5:5ないし9:1程度が好ましい。
親水性皮膜層3の表面に、潤滑性皮膜層4を形成することが好ましい。これにより、フィン材10の摩擦係数が低減される結果、熱交換器のフィンに加工する際のプレス成形性が一段と向上する。
潤滑性樹脂としては、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びそのアルカリ金属塩(CMCアルカリ金属塩)よりなる群から選択される1種以上を含むものであることが好ましい。
この中でも、ポリエチレングリコールとカルボキシメチルセルロースナトリウムとを併用することがより好ましい。これにより、造膜性及び潤滑性(プレス成形性)が一層良好となる。ポリエチレングリコールとカルボキシメチルセルロースナトリウムの質量比は、ポリエチレングリコール:カルボキシメチルセルロースナトリウム=5:5ないし9:1程度が好ましい。
なお、潤滑性皮膜層4が親水性皮膜層3の表面に形成されていても、潤滑性皮膜層4を構成する潤滑性樹脂も親水性を有することから、親水性皮膜層3により発現されるフィン材10の親水性の向上、親水性の長期間の維持等の機能が低下することはない。
[第3実施形態]
図3に示すように親水性皮膜層3上に、第2の架橋剤7を更に含む潤滑性樹脂組成物からなる潤滑性皮膜層4aを備えるのが好ましい。
図3に示すように親水性皮膜層3上に、第2の架橋剤7を更に含む潤滑性樹脂組成物からなる潤滑性皮膜層4aを備えるのが好ましい。
第2の架橋剤7は、水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物及び水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上であることがより好ましい。潤滑性皮膜層4aに第2の架橋剤7が含有されることによって、この第2の架橋剤7が、下地層となっている親水性皮膜層3を形成する親水性樹脂の構造中のカルボキシル基と架橋して、親水性皮膜層3のアルミニウム板1への密着性を更に向上させる。これにより、フィン材10の親水性が更に向上する。同時に、この潤滑性皮膜層4aが親水性皮膜層3を保護することにより、熱交換器の親水性の耐久性を更に向上させることが可能となる。
潤滑性樹脂と架橋剤7との合計固形分に対する潤滑性皮膜層4aに含まれる架橋剤7の含有率は0.2〜70%が好ましい。潤滑性樹脂と架橋剤7との合計固形分に対する潤滑性皮膜層4aに含まれる架橋剤7の含有率が0.2%未満の場合は、架橋剤7が潤滑性皮膜層4aを下層の親水性皮膜層3と架橋させることでフィン材10の親水性の持続性を向上させる効果が低下してしまう。一方、潤滑性皮膜層4aに含まれる架橋剤7の含有率が70%を超えると、潤滑性皮膜層4aを構成する潤滑性樹脂の含有率が低下し、摩擦係数が高くなる結果、フィン材10のプレス加工性が低下する。より好ましい架橋剤7の含有率は、1〜50%である。
[第4実施形態]
図4に示すように、フィン材10は、アルミニウム板1と耐食性皮膜層2との間に化成処理膜層5を更に備えていてもよい。
図4に示すように、フィン材10は、アルミニウム板1と耐食性皮膜層2との間に化成処理膜層5を更に備えていてもよい。
(化成処理皮膜層)
アルミニウム板1と耐食性皮膜層2との間には化成処理皮膜層5が形成されていてもよい。
この化成処理皮膜層5の上に耐食性皮膜層2が存在することで、耐食性皮膜層2のアルミニウム板1に対する密着性がより向上する。又、フィン材10を用いて熱交換器のフィンを加工する際に耐食性皮膜層2の密着性よりを高めることができる。又、空調機等の設置環境によるフィン材10の腐食をより抑制することができる。
アルミニウム板1と耐食性皮膜層2との間には化成処理皮膜層5が形成されていてもよい。
この化成処理皮膜層5の上に耐食性皮膜層2が存在することで、耐食性皮膜層2のアルミニウム板1に対する密着性がより向上する。又、フィン材10を用いて熱交換器のフィンを加工する際に耐食性皮膜層2の密着性よりを高めることができる。又、空調機等の設置環境によるフィン材10の腐食をより抑制することができる。
化成処理皮膜層5は、リン酸クロメート処理、若しくは、塗布型ジルコニウム処理等の無機酸化物処理、又は、有機−無機複合化合物による処理等の公知の化成処理を施すことにより形成されることが好ましい。化成処理皮膜層2の付着量は、Cr換算で1〜100mg/m2が好ましい。
<フィン材の製造方法>
本発明に係るフィン材10の製造方法としては、例えば、アルミニウム板1、又は、表面に化成処理皮膜層5が形成されているアルミニウム板1に対し、耐食性樹脂組成物及び親水性樹脂組成物を、バーコーター又はロールコート装置等を用いて、塗布、乾燥を繰り返し行うことで、耐食性皮膜層2及び親水性皮膜層3を形成することが可能である。同様に、潤滑性樹脂組成物を用いて潤滑性皮膜層4を形成することが可能である。
バーコーター又はロールコート装置のどちらを使用しても、同等の性能を有するフィン材10を作製できるが、生産性の観点から、ロール状のアルミニウム板1等に対し、ロールコート装置等を適用して、連続的に、脱脂、塗装、加熱、及び、巻き取り等を行うことが好ましい。
なお、フィン材の製造方法はこれら方法に限られるものではない。
本発明に係るフィン材10の製造方法としては、例えば、アルミニウム板1、又は、表面に化成処理皮膜層5が形成されているアルミニウム板1に対し、耐食性樹脂組成物及び親水性樹脂組成物を、バーコーター又はロールコート装置等を用いて、塗布、乾燥を繰り返し行うことで、耐食性皮膜層2及び親水性皮膜層3を形成することが可能である。同様に、潤滑性樹脂組成物を用いて潤滑性皮膜層4を形成することが可能である。
バーコーター又はロールコート装置のどちらを使用しても、同等の性能を有するフィン材10を作製できるが、生産性の観点から、ロール状のアルミニウム板1等に対し、ロールコート装置等を適用して、連続的に、脱脂、塗装、加熱、及び、巻き取り等を行うことが好ましい。
なお、フィン材の製造方法はこれら方法に限られるものではない。
以上、本発明に係るアルミニウム製フィン材は、親水性皮膜層がアルミニウム板に密着すると共に親水性が向上しているため、熱交換器に使用した際に結露水がフィン表面を流れやすくなり、結露水が隣接するフィン間を閉塞することも大幅に減少する。この結果、熱交換器の熱交換機能は従来以上に向上すると共に、熱交換器を小型化してフィンの集積度を高めることが可能となる。又、風圧でフィン表面の結露水が熱交換機外へ飛散することも減少する。更に、本発明に係るアルミニウム製フィン材は、親水性皮膜層の耐久性も向上しているため、フィン表面の親水性を長期間にわたって維持することが可能であり、熱交換器及び空調機の長寿命化といった効果も得られる。
以下に、これら本発明の効果を確認した実施例について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(供試材の作製方法)
まず、以下の方法により、フィン材を作製した。
従来公知の製造方法により、純アルミニウム系のA1200(JIS H4000)からなるアルミニウム板(板厚0.10mm)を製造した。次に、アルミニウム板をアルカリ性薬剤(日本ペイント製「サーフクリーナー(登録商標)360」)へ浸漬することにより脱脂を5秒間行った。又、リン酸クロメート液に浸漬してリン酸クロメートの皮膜Cr換算で30mg/m2をアルミニウム板表面に形成した。そして、このリン酸クロメート処理を施したアルミニウム板に表1に示す耐食性塗料を耐食性皮膜層の皮膜厚さとなるようにバーコーターで塗布して焼き付けた後、表2に示す親水性塗料を親水性皮膜層の厚さとなるようにバーコーターで塗布して焼き付けた。必要に応じて、耐食性皮膜層及び親水性皮膜層を塗装したアルミニウム板に、表3に示す潤滑性塗料を潤滑性皮膜層の厚さとなるようにバーコーターで塗布して焼き付けた。
まず、以下の方法により、フィン材を作製した。
従来公知の製造方法により、純アルミニウム系のA1200(JIS H4000)からなるアルミニウム板(板厚0.10mm)を製造した。次に、アルミニウム板をアルカリ性薬剤(日本ペイント製「サーフクリーナー(登録商標)360」)へ浸漬することにより脱脂を5秒間行った。又、リン酸クロメート液に浸漬してリン酸クロメートの皮膜Cr換算で30mg/m2をアルミニウム板表面に形成した。そして、このリン酸クロメート処理を施したアルミニウム板に表1に示す耐食性塗料を耐食性皮膜層の皮膜厚さとなるようにバーコーターで塗布して焼き付けた後、表2に示す親水性塗料を親水性皮膜層の厚さとなるようにバーコーターで塗布して焼き付けた。必要に応じて、耐食性皮膜層及び親水性皮膜層を塗装したアルミニウム板に、表3に示す潤滑性塗料を潤滑性皮膜層の厚さとなるようにバーコーターで塗布して焼き付けた。
作製したフィン材(試料1〜56)を用いて、親水性、摩擦係数、プレス加工性を以下の方法で評価し、その結果を表4に示す。
(親水性評価:親水性サイクル試験)
作製したフィン材(試料1〜56)を、流量が0.1L/分である流水に8時間浸漬した後、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとして、5サイクル行った。この親水性サイクル試験を実施した後、作製したフィン材(試料1〜56)を室温に戻して、表面に約0.5μLの純水を滴下し、接触角測定器(協和界面科学社製:CA−05型)を用いて接触角を測定した。流水には水道水、並びに、純水(イオン交換水)を使用してそれぞれについて測定した。
接触角が20°未満を特に良好(◎)、接触角が20°以上40°未満を良好(○)、接触角が40°以上、60°未満を概ね良好(△)、60°以上を不良(×)とした。
作製したフィン材(試料1〜56)を、流量が0.1L/分である流水に8時間浸漬した後、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとして、5サイクル行った。この親水性サイクル試験を実施した後、作製したフィン材(試料1〜56)を室温に戻して、表面に約0.5μLの純水を滴下し、接触角測定器(協和界面科学社製:CA−05型)を用いて接触角を測定した。流水には水道水、並びに、純水(イオン交換水)を使用してそれぞれについて測定した。
接触角が20°未満を特に良好(◎)、接触角が20°以上40°未満を良好(○)、接触角が40°以上、60°未満を概ね良好(△)、60°以上を不良(×)とした。
(加工性評価1:摩擦係数)
作製したフィン材(試料1〜56)を、バウデン式付着滑り試験機を用い、無塗油、荷重0.2kgf、移動速度4mm/秒の条件で摩擦係数を測定した。
評価基準は、摩擦係数が0.15未満では特に良好(◎)、0.15以上0.2未満では良好(○)、0.2以上0.35未満では概ね良好(△)、0.35以上では不良(×)とした。結果を表4に示す。
作製したフィン材(試料1〜56)を、バウデン式付着滑り試験機を用い、無塗油、荷重0.2kgf、移動速度4mm/秒の条件で摩擦係数を測定した。
評価基準は、摩擦係数が0.15未満では特に良好(◎)、0.15以上0.2未満では良好(○)、0.2以上0.35未満では概ね良好(△)、0.35以上では不良(×)とした。結果を表4に示す。
(加工性評価2:プレス加工性)
作製したフィン材(試料1〜56)にドローレス成形によるプレス加工、又はドロー成形によるプレス加工を施してフィンを作製し、連続1万ショットを実施後のフィンのカラー部の成形性を目視にて確認することによって評価した。
成形後のフィンのカラー部の内面に焼き付き等の成形不具合が全く確認されない場合を加工性良好(○)、カラー部の内面に軽微な焼き付き等の成形不具合が確認される場合を概ね良好(△)、カラー部の内面の全面に焼き付き等の成形不具合が確認される場合を不良(×)とし、ドローレス成形およびドロー成形の少なくとも一方の評価が概ね良好(△)以上を合格とした。
作製したフィン材(試料1〜56)にドローレス成形によるプレス加工、又はドロー成形によるプレス加工を施してフィンを作製し、連続1万ショットを実施後のフィンのカラー部の成形性を目視にて確認することによって評価した。
成形後のフィンのカラー部の内面に焼き付き等の成形不具合が全く確認されない場合を加工性良好(○)、カラー部の内面に軽微な焼き付き等の成形不具合が確認される場合を概ね良好(△)、カラー部の内面の全面に焼き付き等の成形不具合が確認される場合を不良(×)とし、ドローレス成形およびドロー成形の少なくとも一方の評価が概ね良好(△)以上を合格とした。
(フィン材の耐食性評価)
作製したフィン材(試料1〜56)について、JIS Z 2371に示された方法で、480時間の塩水噴霧試験を行い、表面の腐食の程度を確認し、規定のレイティングナンバ(Rating Number、以下R.N.と略す)で腐食程度の評価を実施した。R.N.9.8以上では特に良好(◎)、R.N.9.5以上9.8未満では良好(○)、R.N.9.3以上9.5未満では概ね良好(△)、R.N.9.3未満では不良(×)とした。その結果を表4に示す。
作製したフィン材(試料1〜56)について、JIS Z 2371に示された方法で、480時間の塩水噴霧試験を行い、表面の腐食の程度を確認し、規定のレイティングナンバ(Rating Number、以下R.N.と略す)で腐食程度の評価を実施した。R.N.9.8以上では特に良好(◎)、R.N.9.5以上9.8未満では良好(○)、R.N.9.3以上9.5未満では概ね良好(△)、R.N.9.3未満では不良(×)とした。その結果を表4に示す。
表4に示すように、試料1〜5(実施例)は、親水性皮膜層が架橋剤を含むと共に、フィン材の表面に表れているため、親水性は特に良好(◎)となり、本願発明の効果を発揮する。なお、潤滑性皮膜層を備えていないため、摩擦係数は0.25〜0.27と大きく概ね良好(△)であると共に、ドロー成形によるプレス加工性は概ね良好(△)であったが、ドローレス成形によるプレス加工性は不良(×)となった。
表4に示すように、試料6(実施例)は、親水性皮膜層がフィン材の表面に表れているため、親水性は良好(○)となり、本願発明の効果を発揮する。なお、潤滑性皮膜層を備えていないため、摩擦係数は0.25〜0.27と大きく概ね良好(△)であると共に、ドロー成形によるプレス加工性は概ね良好(△)であったが、ドローレス成形によるプレス加工性は不良(×)となった。
表4に示すように、試料7〜12(実施例)は、親水性皮膜層の上に潤滑性皮膜層を備えているため、親水性は概ね良好(△)となり、本願発明の効果を発揮する。又、摩擦係数は約0.1と特に良好(◎)であり、プレス加工性も良好(○)となった。
表4に示すように、試料13〜17、22、24〜26、30、31、34〜38、及び、41〜46(実施例)は親水性が特に良好(◎)となり、本願発明の効果を発揮する。又、摩擦係数は0.09〜0.12で特に良好(◎)となり、プレス加工性も良好(○)となった。
表4に示すように、試料19、23、29及び33は親水性が良好(○)となり、本願発明の効果を発揮する。又、摩擦係数は0.09〜0.12で特に良好(◎)となり、プレス加工性も良好(○)となった。
表4に示すように、試料47は親水性皮膜層が架橋剤を含まないが親水性が良好(○)となり、本願発明の効果を発揮する。又、摩擦係数は0.09〜0.12で特に良好(◎)となり、プレス加工性も良好(○)となった。
良好となった。
良好となった。
表4に示すように、試料18、28及び32(実施例)は、親水性が概ね良好(△)となり、本願発明の効果を発揮する。又、摩擦係数は0.1〜0.12で特に良好(◎)となり、プレス加工性も良好(○)となった。
表4に示すように、試料20、27、39(実施例)は、潤滑性塗料7により親水性は特に良好(◎)となり、本願発明の効果を発揮する。しかし、潤滑性塗料7によりドロー加工において概ね良好(△)となった。
表4に示すように、試料21、40(実施例)は、潤滑性塗料8により親水性は特に良好(◎)となり、本願発明の効果を発揮する。しかし、潤滑性塗料8によりドローレス加工及びドロー加工いずれにおいて概ね良好(△)となった。
表4に示すように、試料1、31、38(実施例)は、化成処理皮膜を有しないため、概ね良好(△)若しくは良好(○)となった。
表4に示すように、試料48〜58(比較例)は、いずれも耐食性皮膜層に含まれる架橋材の固形分比率が0.2%未満であるため、親水性が不良(×)となり、本願発明の効果を奏しない。試料54、及び、試料56は、潤滑性皮膜層がないためプレス加工性も不良(×)となった。
1 アルミニウム板
2 耐食性皮膜層
3 親水性皮膜層
4 潤滑性皮膜層
4a 潤滑性皮膜層
5 化成処理皮膜層
6 架橋剤
7 架橋剤
10 フィン材
2 耐食性皮膜層
3 親水性皮膜層
4 潤滑性皮膜層
4a 潤滑性皮膜層
5 化成処理皮膜層
6 架橋剤
7 架橋剤
10 フィン材
Claims (4)
- アルミニウム板又はアルミニウム合金板の表面に耐食性皮膜層と親水性皮膜層とをこの順に備えるアルミニウム製フィン材であって、
前記耐食性皮膜層は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、並びに、ウレタン系樹脂よりなる群から選択される1種以上の耐食性樹脂と
水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物、並びに、水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上の第1の架橋剤とを含み、
前記耐食性樹脂と前記第1の架橋剤の合計固形分に占める第1の架橋剤の固形分比率が0.2%以上である樹脂組成物からなり、
前記親水性皮膜層は、カルボキシル基を有する単量体のみから構成される重合体、並びに、カルボキシル基を有する単量体を含む共重合体、又は、それらの混合物を含む樹脂組成物からなる
ことを特徴とするアルミニウム製フィン材。 - 前記親水性皮膜層上に、潤滑性皮膜層を更に備え、
前記潤滑性皮膜層がポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、及び、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩よりなる群から選択される1種以上の潤滑性樹脂を含む樹脂組成物からなる
ことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム製フィン材。 - 前記潤滑性皮膜層が、
水溶性エポキシ樹脂、水溶性カルボジイミド化合物、水分散性カルボジイミド化合物、及び、水溶性オキサゾリン基含有樹脂よりなる群から選択される1種以上の第2の架橋剤を更に含む樹脂組成物からなる
ことを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム製フィン材。 - 前記アルミニウム板又は前記アルミニウム合金板と前記耐食性皮膜層との間に化成処理皮膜層を更に備え、前記化成処理皮膜層は無機酸化物又は有機―無機複合化合物からなる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアルミニウム製フィン材。
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