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JP5548551B2 - 火花点火式エンジン - Google Patents

火花点火式エンジン Download PDF

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JP5548551B2 JP2010173375A JP2010173375A JP5548551B2 JP 5548551 B2 JP5548551 B2 JP 5548551B2 JP 2010173375 A JP2010173375 A JP 2010173375A JP 2010173375 A JP2010173375 A JP 2010173375A JP 5548551 B2 JP5548551 B2 JP 5548551B2
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Description

本発明は、火花点火式エンジンに係り、詳しくは、奥にプラグ取付孔を有してシリンダヘッドに形成されるプラグホールと、プラグ取付孔に螺装される点火プラグと、プラグホールに差込まれる状態で点火プラグに装着される点火コイル一体型プラグキャップ(ダイレクトイグニッションプラグキャップ)とを有する火花点火式エンジンに関するものである。
この種のエンジン、即ち、点火コイル一体型プラグキャップを採用する火花点火式エンジン(各気筒の点火プラグ毎に対応する点火コイルを割り当て、気筒タイミングに応じて配電制御する電子配電方式を採るエンジン)は、長寿命で高電圧配電機構からの電波ノイズが低減でき、点火時期の自由度があり、最適点火時期制御などでディストリビュータ方式に比べて有利であり、主流となってきている。
例えば、特許文献1において開示される点火コイル一体型プラグキャップは、その図2等に示されるように、対向配備される一対の吸排気バルブの間に配置される点火プラグ用の深いプラグホールに挿入させる構造のものである。点火コイルは、シリンダヘッドカバーの上面を下方に凹ませてなる取付凹部に載置して固定されている。
プラグホールを形成する遮蔽筒体は、シリンダヘッドの取付孔に嵌装させられ、その上端はシリンダヘッドのヘッドカバーを貫いている。従って、前記プラグキャップは、ヘッドカバーの上から遮蔽筒体の中に落とし込むようにして装着させることができる。
特開平5−099112号公報
遮蔽筒体は、シリンダヘッドカバーの内側で、シリンダヘッドのプラグホールに圧入されているため、プラグホールにエンジンオイルが進入するおそれがあるという問題があった。
本発明の目的は、点火コイル一体型プラグキャップを用いる構造を採るにあたり、エンジンオイルの進入するおそれが無く、安定した火花点火が行える火花点火式エンジンを提供する点にある。
(請求項1,4,11に係る発明に共通する発明特定事項)
請求項1,4,11に係る発明に共通する発明特定事項は、次の通りである。
図3に例示するように、奥にプラグ取付孔12を有してシリンダヘッド2に形成されるプラグホール13と、前記プラグ取付孔12に螺装される点火プラグ10と、前記プラグホール13に差込まれる状態で前記点火プラグ10に装着される点火コイル一体型プラグキャップ9とを有する火花点火式エンジンであって、
図3に例示するように、前記プラグホール13がシリンダヘッド2におけるヘッドカバー5より外側の箇所に配備され、前記シリンダヘッド2の前記プラグホール13が開口するヘッド面2aにプラグキャップ取付フランジ11が取付けられ、前記プラグキャップ取付フランジ11に前記プラグキャップ9が支持され、
図4に例示するように、前記シリンダヘッド2に噴射用孔24が形成され、前記プラグキャップ取付フランジ11のインジェクタ挿入孔11aには、前記噴射用孔24に臨む状態でインジェクタ25の先端部が挿入され、前記インジェクタ25が前記プラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備されている。
(請求項1に係る発明に固有の発明特定事項)
請求項1に係る発明は、図1、図2に例示するように、エンジン冷却ファン41で送風されるエンジン冷却風の導風路42内に前記点火コイル一体型プラグキャップ9のコイル部9Cが配置され、
図1、図2に例示するように、前記導風路42の左右導風ガイド部がインテークマニホルド8と前記ヘッドカバー5とで構成されていることを特徴とする。
(請求項4に係る発明に固有の発明特定事項)
請求項4に係る発明は、図1、図2に例示するように、エンジン冷却ファン41で送風されるエンジン冷却風の導風路42内に前記点火コイル一体型プラグキャップ9のコイル部9Cが配置され、
図1、図2に例示するように、前記ヘッドカバー5側からインテークマニホルド8側に至るブリーザ通路47が前記エンジン冷却風の吹き当たり個所に配置され、
前記導風路42の上側に導風路42を上側から覆う導風プレート45を配置し、この導風プレート45の上面に電子部品収容部46が設置されている、ことを特徴とする。
(請求項11に係る発明に固有の発明特定事項)
請求項11に係る発明は、図1、図8、9、11、12に例示するように、前記プラグホール13が複数設けられており、前記複数のプラグホール13に対応するように前記延長筒部15が複数設けられ、前記延長筒部15が前記プラグホール13に連通する延長ホール15Aを有し、前記延長ホール15Aから前記プラグホール13に前記プラグキャップ9が差し込まれ、
前記複数のプラグホール13に対応して装備される複数のインジェクタ25に燃料を分配するデリバリパイプ18を前記複数の延長筒部15の脇を通る状態で設け、前記デリバリパイプ18が前記複数の延長筒部15の少なくとも2本のそれぞれに固定手段32を介して取付けられていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、図3に例示するように、プラグホール13がシリンダヘッド2におけるヘッドカバー5より外側の箇所に配備されるから、エンジンオイルがプラグホール13に進入するのを防止することができる。
請求項1や請求項8の発明によれば、インジェクタ25がプラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備されているので、プラグキャップ取付フランジ11にプラグキャップ9やインジェクタ25を組み付けて一体化させる予備組付工程をサブラインで行い、それをメイン製造ラインを流れるエンジン本体のシリンダヘッド2に組付ける、という具合の効率作業が可能になる。
請求項1または4の発明によれば、図1〜4に例示するように、エンジン冷却ファン41で送風されるエンジン冷却風の導風路42内に点火コイル一体型プラグキャップ9のコイル部9Cが配置されているので、コイル部9Cの熱がエンジン冷却風に放熱され、コイル部9Cの過熱が抑制される。
請求項1の発明によれば、図1、2に例示するように、前記導風路42の左右導風ガイド部がインテークマニホルド8と前記ヘッドカバー5とで構成されているので、新たに部品を追加することなく、既存のインテークマニホルド8とヘッドカバー5とによって導風路42を形成することができる。
請求項2の発明によれば、図1に例示するように、前記インテークマニホルド8の主管7の前端部にスロットルボディ43が取り付けられ、前記導風路42の入口部分42Aの左右導風ガイド部がこのスロットルボディ43と前記ヘッドカバー5とで構成されているので、新たに部品を追加することなく、スロットルボディ43とヘッドカバー5とで導風路42の入口部分42Aを形成することができる。
請求項3の発明によれば、図1、2に例示するように、前記ヘッドカバー5側からインテークマニホルド8側に至るブリーザ通路47が前記エンジン冷却風の吹き当たり個所に配置されているので、インテークマニホルド8側に導入されるブローバイガスの熱がエンジン冷却風に放熱され、吸気の充填効率の低下が抑制される。
請求項4または請求項5の発明によれば、図1、2に例示するように、前記導風路42の上側に導風路42を上側から覆う導風プレート45を配置し、この導風プレート45の上面に電子部品収容部46が設置されているので、エンジン冷却風の上側への逃げが導風プレート45で遮られ、導風路42からのエンジン冷却風の流出が抑制される。
また、導風プレート45の上面に電子部品収容部46が設置されているので、導風プレート45を電子部品収容部46の設置部としても兼用することができる。
請求項6の発明によれば、図1、2に例示するように、前記導風プレート45の上面にワイヤハーネス48が支持されているので、導風プレート45をワイヤハーネス48の支持部としても兼用することができる。
請求項7の発明によれば、図1、2に例示するように、前記導風プレート45がインテークマニホルド8に取り付けられているので、導風プレート45の温度を比較的低温に維持することができ、電子部品収容部46内に収容した電子部品やワイヤハーネス48の過熱を抑制することができる。
請求項9の発明によれば、前記複数の延長筒部15が単一の前記プラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備されているので、サブ製造ラインにて複数のプラグキャップ9を予めプラグキャップ取付フランジ11に一括取付けした後に、この一括取付部品をメイン製造ラインでシリンダヘッド2に組付けする、という予備組付けが行えることによる効率の良い作り方が可能となる利点が追加される。
請求項10または請求項11の発明によれば、図1、図8、9、11、12に例示するように、デリバリパイプ18を前記複数の延長筒部15の脇を通る状態で設け、前記デリバリパイプ18が前記複数の延長筒部15の少なくとも2本のそれぞれに固定手段32を介して取付けられているので、デリバリパイプ18を介して複数の延長筒部15が相互に連結され、延長筒部15の揺動が抑制される。
請求項9,10または11の発明によれば、延長筒部15を備えるプラグキャップ取付フランジ11とシリンダヘッド2とが別体であるから、シリンダヘッド2に延長筒部15を一体成形する場合に比べて、シリンダヘッド2の加工や取り扱いが容易化される利点もある。
請求項12の発明によれば、図5(a)(b)に例示するように、前記複数の延長筒部15が単一の前記取付フランジ11に一体的に装備されているので、サブ製造ラインにて複数のプラグキャップ9を予めプラグキャップ取付フランジ11に一括取付けした後に、この一括取付品をメイン製造ラインでシリンダヘッド2に組付けする、という予備組付けが行えることによる効率の良い作り方が可能となる。
請求項13の発明によれば、図8のように、前記デリバリパイプ18に複数のインジェクタ25が取付けられ、図4、図5(a)(b)のように、単一の前記プラグキャップ取付フランジ11に設けられた複数のインジェクタ挿入孔11aに各インジェクタ25が挿入されているので、プラグキャップ9に加え、デリバリパイプ18や複数のインジェクタ25をプラグキャップ取付フランジ11に一括取付けした後に、この一括取付品をメイン製造ラインでシリンダヘッド2に組付けする、という予備組付けが行えることによる効率の良い作り方が可能となる。
請求項14の発明によれば、図3に例示するように、前記プラグキャップ取付フランジ11がシール手段17を介して前記ヘッド面2aに取付けられ、前記プラグキャップ9が前記延長ホール15Aの蓋となる状態に構成されているので、プラグキャップ9が収容されるプラグホール13及び延長ホール15Aが密封状態に維持されるようになり、エンジンオイルだけでなく雨水やゴミや埃等の異物がプラグホール13に進入することも防止される利点がある。この場合、請求項14のように、シール手段17として入手し易いガスケットを用いれば好都合である。
火花点火式エンジンの平面図 ヘッドカバーとその周辺部分の正面図 プラグキャップの装着構造を示す要部の断面図 燃料供給系の構造を示す要部の断面図 プラグキャップ取付フランジを示し、(a)は平面図、(b)は側面図 (a)はプラグキャップ取付フランジの底面図、(b)はガスケットの底面図 (a)はデリバリパイプの底面図、(b)は図7(a)のB−B線断面図、(c)は図7(a)のC−C線断面図、(d)は図7(a)のD−D線断面図、(e)は図7(a)のE方向の矢視図、(f)はインジェクタストッパの平面図、(g)はインジェクタストッパの側面図、(h)は図7(g)のH−H線断面図 ヘッドカバーとその周辺部分の吸気側を示す側面図 ヘッドカバーとその周辺部分の背面図 ヘッドカバーとその周辺部分の排気側を示す側面図 ヘッドカバーとその周辺部分の斜め上方から見た斜視図 火花点火式エンジンの全体斜視図
以下に、本発明による火花点火式エンジンの実施の形態を、立型の直列多気筒(4気筒)ディーゼルエンジンに適用した場合について図面を参照しながら説明する。
図1,図12にダイレクトイグニッション方式で、液体燃料とガス燃料とを選択して使用する立型の直列4気筒ディーゼルエンジンが示されている。まず、シリンダブロック1又はシリンダヘッド2の幅方向を横方向、クランク軸3の架設方向を前後方向とし、前後方向のうち、フライホイール4のある方を後、その反対側を前とする。そして、横方向のうち、エキゾーストマニホルド14のある方を左、その反対側のインテークマニホルド8のある方を右とする。シリンダブロック1の上部にシリンダヘッド2を組み付け、シリンダヘッド2の上部にヘッドカバー5を組み付けている。シリンダブロック1の前方に伝動ベルト6を介して駆動されるエンジン冷却ファン41を配置し、シリンダブロック1の後方にフライホイール4が配置されている。
図1,図2,図8〜図12に示すように、シリンダヘッド2の右側にインテークマニホルド8が配備され、左側にはエキゾーストマニホルド14が配備されており、ヘッドカバー5は、シリンダヘッド2の平な上面であるヘッド面2aにおける左側に偏った位置に載置されており、ヘッド面2aの右側には点火装置Aが配備されている。点火装置Aはシリンダヘッド2に螺装される点火プラグ10、点火プラグ10毎に装備される点火コイル一体型プラグキャップ9、4個のプラグキャップ9を支持するためのプラグキャップ取付フランジ11等を有して構成されている。
図3に示すように、奥にねじ孔であるプラグ取付孔12を有してシリンダヘッド2に形成されるプラグホール13と、プラグ取付孔12に螺装される点火プラグ10と、プラグホール13に差込まれる状態で点火プラグ10に装着される点火コイル一体型プラグキャップ9とを有する。プラグホール13は、シリンダヘッド2におけるヘッドカバー5より外側の箇所において上に行くほどインテークマニホルド7側に近づく傾斜穴として配備され、プラグホール13が開口するヘッド上面(ヘッド面の一例)2aにガスケット(シール手段の一例)17を介してプラグキャップ取り付けフランジ11が取付けられている。
図3に示すように、プラグキャップ取付フランジ11にプラグキャップ9が支持されている。
図4に示すように、シリンダヘッド2に噴射用孔24が形成され、プラグキャップ取付フランジ11のインジェクタ挿入孔11aには、噴射用孔24に臨む状態でインジェクタ25の先端部が挿入され、インジェクタ25がプラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備されている。
図8に示すように、インジェクタ25が複数設けられており、複数のインジェクタ25が単一のプラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備されている。
そして、プラグホール13に連通する延長ホール15Aを有する延長筒部15がプラグキャップ取付フランジ11に一体形成され、延長ホール15Aからプラグホール13に差込まれた状態のプラグキャップ9のコイル部(点火コイル)9Cをプラグキャップ取付フランジ11の延長筒部15にボルト(固定する手段の一例)16で固定している。尚、2bはシリンダヘッド2をシリンダブロック1の上面(図示省略)に接合するための平なヘッド下面である。
点火コイル一体型プラグキャップ9は、点火プラグ10に外嵌して導通挟持可能な装填穴9aを下端に有するホルダ部9A、蓋部9B、及びコイル部9C等を備える一体的な部品として構成されている。ホルダ部9A内には導電体が収容され、コイル部9Cから点火プラグ10への通電がなされる。蓋部9Bは、延長ホール15Aへのゴミ等の異物進入を阻止すべく、ホルダ部9Aを延長筒部15へ差込んでの装着時に延長筒部15の上端に隙間無く被さって蓋をする機能を有している。コイル部9Cは、コネクタ9cとフランジ9kを有しており、延長筒部15から突設される取付アーム部15aの上面(符記省略)にフランジ9kをボルト16止めすることにより、プラグキャップ9が延長筒部15に、即ちプラグキャップ取付フランジ11に固定されている。尚、図3において、19は排気バルブ、20はシリンダヘッド2に形成される排気ポート、21は排気側のロッカアーム、22は排気側のプッシュロッドである。
プラグキャップ取付フランジ11は、図3,図4(a)(b) ,図5,図6(a)に示すように、シリンダヘッド上面2aにガスケット17を介してボルト止め面接合される単一のフランジ部11Aと、フランジ部11Aから隆起形成される4箇所の延長筒部15、インジェクタ25装着用の4箇所のインジェクタ挿入孔11a、デリバリパイプ18をボルト止めするための4箇所の隆起ナット部11b、及び9箇所のボルト止め用の取付孔11cを有して一体形成されている。つまりシリンダヘッド2に、プラグホール13が4箇所(複数の一例)設けられており、4箇所のプラグホール13に対応するように延長筒部15が4箇所設けられるとともに、4箇所の延長筒部15がプラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備されている。尚、図示は省略するが、プラグキャップ取付フランジ11を、各気筒毎に独立させて4個形成し、その各々が別体である4個のプラグキャップ取付フランジ11が各別にシリンダヘッド2に取り付けられる構成としても良い。また、シール手段17は、ガスケット以外に液体ガスケット(ボンドシール)やその他の手段でも良い。
ガスケット17は、図6(b)に示すように、4箇所の延長ホール用孔17a、4箇所のインジェクタ挿入孔用孔17b、9箇所のボルト用孔17cを有して形成されている。延長ホール用孔17aとインジェクタ挿入孔用孔17bとはその孔周縁部がSPCC等の鋼板材でシール性が補強される構成となっている。
シリンダヘッド2には、図4及び図1,2,8,9に示すように、吸気ポート23と、これに連通するように傾斜した噴射用孔24とが形成されている。プラグキャップ取付フランジ11のインジェクタ挿入孔11aは、噴射用孔24に沿う傾斜姿勢で、かつ、噴射用孔24に臨む状態でインジェクタ25の先端部である下部25bを気密に挿入させる箇所である。4個あるインジェクタ25の基端部となる上部25aは、前後に亘る姿勢で横臥配置されるデリバリパイプ18に挿入支持されており、そのデリバリパイプ18はフランジ部11Aに設けた合計4箇所の隆起ナット部11bに固定手段32で固定することができる構造となっている。この4箇所の隆起ナット部11bのうち、3箇所のものはそれぞれ延長筒部15と一体に形成されている。尚、25cはインジェクタ25のコネクタである。
デリバリパイプ18は、図7に示すように、単一で太いパイプ部18Aと、そこから突設される4箇所の隆起部18Bとを有する部材であり、各隆起部18Bに形成される取付孔26を通して各隆起ナット部11bにボルト止めされる。隆起部18Bは、図7(a)〜(e)に示されるように、パイプ部18Aの主流路18aに連通するインジェクタ装着孔27、ボルト挿通孔26、及びインジェクタストッパ29をボルト止めするための螺着部28が形成されている。つまり、デリバリパイプ18は、4個のインジェクタ25を挿通支持するとともに、各延長筒部15の脇を通る状態で設けられ、3本の延長筒部15と一体に形成された3個の隆起ナット部11bと他の1個の隆起ナット部11bに、固定手段32で取付けられている。この固定手段32はボルトである。従って、デリバリパイプ18は、各インジェクタ25に燃料を分配供給する本来の機能の他に、各インジェクタ25を支持する機能、3本の延長筒部15を補強する機能も有しており、機能の兼用化による合理設計が為されている。
インジェクタストッパ29は、図7(f),(g),(h)に示すように、長尺部29A、及び4箇所の挟持部29Bとを有する板金材で構成されており、各インジェクタ25のデリバリパイプ18からの抜け出しを阻止する機能を持っている。長尺部29Aには、これをデリバリパイプ18の各螺着部28にビス止めするための4箇所の止め孔30が形成され、各挟持部29Bは、インジェクタ25を圧入して嵌合させるためのすり割り溝31が形成されている。つまり、図4に示すように、すり割り溝31がインジェクタ25の上部25aに位置するように挟持部29Bを差込んだ状態で、長尺部29Aを止め孔30を介して各隆起ナット部28にビス止めする。すると、下部25bがインジェクタ挿入孔11aにシール状態で挿入され、かつ、上部25aが装着孔27にシール状態で挿入されるので、4個のインジェクタ25を安定してしっかりとプラグキャップ取付フランジ11に支持させることができる。
なお、図7(g)中の符号31aは廻り止め溝であり、図4に示すインジェクタ25の廻り止め突起25dを係合させてインジェクタ25を廻り止めし、コネクタ25cを位置決めしている。
尚、実際の組付けにおいては、4個のインジェクタ25、4個のプラグキャップ9、デリバリパイプ18、及びインジェクタストッパ29を予めプラグキャップ取付フランジ11に取り付けて一体化させ、その一体化された予備組付(ASSY)状態のプラグキャップ取付フランジ11をシリンダヘッド2に装着すれば、効率良く点火装置Aの組付けを行うことが可能になる。まず、4個のインジェクタ25の上部25aを対応するインジェクタ装着孔27に挿入し、それからインジェクタストッパ29を各上部25aに差込んで各螺着部28にビス止めする。次いで、4個のインジェクタ25が装備されているデリバリパイプ18を、4箇所の下部25bが対応するインジェクタ挿通孔11aに挿入される状態としながら、4箇所の隆起部18Bを隆起ナット部11bに固定手段32であるボルトで止める。
そして、プラグキャップ9を、そのホルダ部9Aを4箇所の延長ホール15Aに挿入させてからフランジ9Kをボルト16で各取付アーム部15aに螺着させることにより、インジェクタ25、デリバリパイプ18、プラグキャップ9のそれぞれがプラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備される。例えば、生産工場においては、プラグキャップ取付フランジ11にプラグキャップ9等の各種部品を組付けて一体化させる予備組付工程をサブラインで行い、それをメイン製造ラインを流れるエンジン本体のシリンダヘッド2に組付ける、という具合の効率作業が可能になる。
図1〜4に示すように、エンジン冷却ファン41で送風されるエンジン冷却風の導風路42内に前記延長筒部15とインジェクタ25とデリバリパイプ18と点火コイル一体型プラグキャップ9のコイル部9Cとが配置されている。
前記導風路42の左右導風ガイド部がインテークマニホルド8と前記ヘッドカバー5とで構成されている。
図1、2に示すように、前記インテークマニホルド8の主管7の前端部にスロットルボディ43が取り付けられ、前記導風路42の入口部分42Aの左右導風ガイド部がこのスロットルボディ43と前記ヘッドカバー5とで構成されている。スロットルボディ43の内部に配置されたスロットル弁(図外)は、スロットルボディ43に付設された電動アクチュエータ49で駆動される。
図1に示すように、スロットルボディ43の前端部にガスミキサ44が取り付けられ、ガスミキサ44の横側にはベーパライザ52が取付けられている。
図1、2に示すように、前記導風路42の上側に導風路42を上側から覆う導風プレート45を配置し、この導風プレート45の上面に電子部品収容部46が取り付けられている。電子部品収容部46には、ヒューズ等の電子部品が収容されている。
前記導風プレート45の上面にワイヤハーネス48が支持されている。このワイヤハーネス48は、プラグキャップ9のコイル部9C、スロットルボディ43の電動アクチュエータ49、エンジン回転数センサ(図外)、クランク角度センサ(図外)、気筒判別センサ(図外)、吸気圧及び吸気温度センサ51等の電子部品とECU(図外)との電気的接続を行う。ワイヤハーネス48は、クランプ等で導風プレート45に固定する。なお、ECUはエンジン制御ユニットの略称である。
前記導風プレート45がインテークマニホルド8に取り付けられている。
図3に示すように、前記ヘッドカバー5側からインテークマニホルド8側に至るブリーザ通路47が前記エンジン冷却風の吹き当たり個所に配置されている。ブリーザ通路47は、ヘッドカバー5に設けられたPCVバルブ50とインテークマニホルド8とを連通させている。PCVはポジティブ・クランクケース・ベンチレーションの略称である。
以上説明したように、本発明による火花点火式エンジンにおいては次のような作用や効果が得られる。プラグキャップ9は、ヘッドカバー5を横に避けた位置においてシリンダヘッド2に形成されるプラグホール13に挿入して装填される構成とされているので、ヘッドカバー5内にて飛散するエンジンオイルがプラグホール13に漏れ入るおそれが解消又は軽減される。プラグキャップ9のホルダ部9Aの上部が延長筒部15の延長ホール15Aに収容され、かつ、延長ホール15Aの上端が蓋部9Bで閉塞されるとともに、プラグキャップ取付フランジ11はガスケット17を介してヘッド上面2aに取り付けられるので、プラグホール13及び延長ホール15A内にゴミや埃などの異物の侵入おそれが無く、良好な火花点火機能が維持される。
そして、プラグキャップ9の上部であるコイル部9Cが、フランジ9Kを介して延長筒部15の上端部(取付アーム部15a)にボルト止めされる構造であるから、上下に長い長尺状であり、かつ、上部に比較的重いコイル部9Cが配置されて上部バランス気味となるプラグキャップ9を、振れ動くことなくしっかりと固定支持させることができている。また、延長筒部15を用いてコイル部9Cがシリンダヘッド2から上方に離されているので、コイル部9Cの過熱が抑制される。加えて、プラグホール13及び延長ホール25Aが上部ほどヘッドカバー5から横側方に離れるように傾斜させてあるから、ヘッドカバー5の熱がコイル部9Cに及び難くなる利点もある。
延長筒部15を有するプラグキャップ取付フランジ11を独立部品として、ヘッドカバー5の取付条件から決まるシリンダヘッド2の上面2aに取付ける構成としてあるから、シリンダヘッド2にプラグキャップ取付フランジ11を一体成形させる場合に比べて、シリンダヘッド2の成形(加工)が容易になるとともに、大きく突出する延長筒部15が無いので、製造時等におけるシリンダヘッド2の取り扱いが容易化される。加えて、ヘッド上面2aは単一の平面として加工するだけで済むという加工性の良さもある。
フランジ部11Aから大きく突出する3箇所の延長筒部15が、それらの上部の脇に配置されるデリバリパイプ18を用いてボルト止めすることで一体的に補強されるので、延長筒部15の振動が抑制されるようになる。これにより、プラグキャップ取付フランジ11やプラグキャップ9の長寿命化が図られる。
2 シリンダヘッド
2a ヘッド面
5 ヘッドカバー
7 主管
8 インテークマニホルド
9 点火コイル一体型プラグキャップ
9C コイル部
10 点火プラグ
11 プラグキャップ取付フランジ
11a インジェクタ挿入孔
12 プラグ取付孔
13 プラグホール
15 延長筒部
15A 延長ホール
17 シール手段(ガスケット)
18 デリバリパイプ
24 噴射用孔
25 インジェクタ
32 固定手段
41 エンジン冷却ファン
42 導風路
42A 入口部分
43 スロットルボディ
45 導風プレート
46 電子部品収容部
47 ブリーザ通路
48 ワイヤハーネス

Claims (15)

  1. 奥にプラグ取付孔12を有してシリンダヘッド2に形成されるプラグホール13と、前記プラグ取付孔12に螺装される点火プラグ10と、前記プラグホール13に差込まれる状態で前記点火プラグ10に装着される点火コイル一体型プラグキャップ9とを有する火花点火式エンジンであって、
    前記プラグホール13がシリンダヘッド2におけるヘッドカバー5より外側の箇所に配備され、前記シリンダヘッド2の前記プラグホール13が開口するヘッド面2aにプラグキャップ取付フランジ11が取付けられ、前記プラグキャップ取付フランジ11に前記プラグキャップ9が支持され、
    前記シリンダヘッド2に噴射用孔24が形成され、前記プラグキャップ取付フランジ11のインジェクタ挿入孔11aには、前記噴射用孔24に臨む状態でインジェクタ25の先端部が挿入され、前記インジェクタ25が前記プラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備され、
    エンジン冷却ファン41で送風されるエンジン冷却風の導風路42内に前記点火コイル一体型プラグキャップ9のコイル部9Cが配置され、
    前記導風路42の左右導風ガイド部がインテークマニホルド8と前記ヘッドカバー5とで構成されている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  2. 前記インテークマニホルド8の主管7の前端部にスロットルボディ43が取り付けられ、前記導風路42の入口部分42Aの左右導風ガイド部がこのスロットルボディ43と前記ヘッドカバー5とで構成されている請求項1に記載の火花点火式エンジン。
  3. 前記ヘッドカバー5側からインテークマニホルド8側に至るブリーザ通路47が前記エンジン冷却風の吹き当たり個所に配置されている請求項1または請求項2に記載の火花点火式エンジン。
  4. 奥にプラグ取付孔12を有してシリンダヘッド2に形成されるプラグホール13と、前記プラグ取付孔12に螺装される点火プラグ10と、前記プラグホール13に差込まれる状態で前記点火プラグ10に装着される点火コイル一体型プラグキャップ9とを有する火花点火式エンジンであって、
    前記プラグホール13がシリンダヘッド2におけるヘッドカバー5より外側の箇所に配備され、前記シリンダヘッド2の前記プラグホール13が開口するヘッド面2aにプラグキャップ取付フランジ11が取付けられ、前記プラグキャップ取付フランジ11に前記プラグキャップ9が支持され、
    前記シリンダヘッド2に噴射用孔24が形成され、前記プラグキャップ取付フランジ11のインジェクタ挿入孔11aには、前記噴射用孔24に臨む状態でインジェクタ25の先端部が挿入され、前記インジェクタ25が前記プラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備され、
    エンジン冷却ファン41で送風されるエンジン冷却風の導風路42内に前記点火コイル一体型プラグキャップ9のコイル部9Cが配置され、
    前記ヘッドカバー5側からインテークマニホルド8側に至るブリーザ通路47が前記エンジン冷却風の吹き当たり個所に配置され、
    前記導風路42の上側に導風路42を上側から覆う導風プレート45を配置し、この導風プレート45の上面に電子部品収容部46が設置されている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  5. 前記導風路42の上側に導風路42を上側から覆う導風プレート45を配置し、この導風プレート45の上面に電子部品収容部46が設置されている請求項1〜3の何れか一項に記載の火花点火式エンジン。
  6. 前記導風プレート45の上面にワイヤハーネス48が支持されている請求項4または請求項5に記載の火花点火式エンジン。
  7. 前記導風プレート45がインテークマニホルド8に取り付けられている請求項4〜6のいずれかに記載の火花点火式エンジン。
  8. 前記インジェクタ25が複数設けられており、前記複数のインジェクタ25が単一の前記プラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備されている、ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の火花点火式エンジン。
  9. 前記プラグホール13が複数設けられており、前記複数のプラグホール13に対応するように延長筒部15が複数設けられ、前記延長筒部15が前記プラグホール13に連通する延長ホール15Aを有し、前記延長ホール15Aから前記プラグホール13に前記プラグキャップ9が差し込まれ、
    前記複数の延長筒部15が単一の前記プラグキャップ取り付けフランジ11に一体的に装備されている請求項8に記載の火花点火式エンジン。
  10. 前記プラグホール13が複数設けられており、前記複数のプラグホール13に対応するように前記延長筒部15が複数設けられ、前記延長筒部15が前記プラグホール13に連通する延長ホール15Aを有し、前記延長ホール15Aから前記プラグホール13に前記プラグキャップ9が差し込まれ、
    前記複数のプラグホール13に対応して装備される複数のインジェクタ25に燃料を分配するデリバリパイプ18を前記複数の延長筒部15の脇を通る状態で設け、前記デリバリパイプ18が前記複数の延長筒部15の少なくとも2本のそれぞれに固定手段32を介して取付けられている請求項1〜9の何れか一項に記載の火花点火式エンジン。
  11. 奥にプラグ取付孔12を有してシリンダヘッド2に形成されるプラグホール13と、前記プラグ取付孔12に螺装される点火プラグ10と、前記プラグホール13に差込まれる状態で前記点火プラグ10に装着される点火コイル一体型プラグキャップ9とを有する火花点火式エンジンであって、
    前記プラグホール13がシリンダヘッド2におけるヘッドカバー5より外側の箇所に配備され、前記シリンダヘッド2の前記プラグホール13が開口するヘッド面2aにプラグキャップ取付フランジ11が取付けられ、前記プラグキャップ取付フランジ11に前記プラグキャップ9が支持され、
    前記シリンダヘッド2に噴射用孔24が形成され、前記プラグキャップ取付フランジ11のインジェクタ挿入孔11aには、前記噴射用孔24に臨む状態でインジェクタ25の先端部が挿入され、前記インジェクタ25が前記プラグキャップ取付フランジ11に一体的に装備され、
    前記プラグホール13が複数設けられており、前記複数のプラグホール13に対応するように前記延長筒部15が複数設けられ、前記延長筒部15が前記プラグホール13に連通する延長ホール15Aを有し、前記延長ホール15Aから前記プラグホール13に前記プラグキャップ9が差し込まれ、
    前記複数のプラグホール13に対応して装備される複数のインジェクタ25に燃料を分配するデリバリパイプ18を前記複数の延長筒部15の脇を通る状態で設け、前記デリバリパイプ18が前記複数の延長筒部15の少なくとも2本のそれぞれに固定手段32を介して取付けられている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  12. 前記複数の延長筒部15が単一の前記取付フランジ11に一体的に装備されている請求項10または請求項11に記載の火花点火式エンジン。
  13. 前記デリバリパイプ18に複数のインジェクタ25が取付けられ、単一の前記取付フランジ11に設けられた複数のインジェクタ挿入孔11aに各インジェクタ25が挿入されている請求項10〜12の何れか一項に記載の火花点火式エンジン。
  14. 前記プラグキャップ取付フランジ11がシール手段17を介して前記ヘッド面2aに取付けられ、前記プラグキャップ9が前記延長ホール15Aの蓋となる状態に構成されている請求項9〜13の何れか一項に記載の火花点火式エンジン。
  15. 前記シール手段17がガスケットである請求項14に記載の火花点火式エンジン。
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