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JP5435383B2 - オフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

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発明の詳細な説明
本発明は、印刷時にパイリングとネッパリトラブルの発生のないオフセット印刷用新聞用紙に関するものである。
近年のオフセット印刷用新聞用紙は、カラー印刷が多用されており、カラー印刷の見栄えは原紙の白色度が高いほど良くなることから、一般のオフセット印刷用新聞用紙の白色度のアップが要求されている。また、オフセット印刷用新聞用紙には軽量化(低坪量化)が求められている。低坪量の紙は表面の印刷が裏面から見える裏抜けが生じやすく、比較的多量のインクが付与されるカラー印刷では裏抜けが生じやすい。したがって、低坪量であっても高い不透明度が要求される。
新聞用紙の白色度を向上させる方法としては、填料を内添する方法が採用されている。填料を内添すると白色度を上げるとともに不透明度を上げることができる。
新聞用紙に通常使用される填料としては、ホワイトカーボン、タルク、クレー、二酸化チタン、炭酸カルシウム、尿素ホルマリン樹脂、などそれぞれの特性により使用されている。例えば、二酸化チタンは光散乱係数が非常に高いので、不透明度を向上させるには有効であるが、高価であり、新聞用紙では多用されていない。タルク、カオリンは安価であるが、吸油性はそれほど高くない。炭酸カルシウムは酸性抄紙では分解するので、中性抄紙に使用が限定される。そこで、特に吸油性の高いホワイトカーボンは比較的少量の添加量で印刷後不透明度向上の効果が高く、多く使用されている。
しかし、これらの填料は、添加量が多くなると、抄紙機のワイヤーでの歩留まりが悪くなるほか、印刷時に紙から脱落しブランケットにとられるパイリングを起こしやすくなるという問題がある。パイリングを防ぐためには、表面に塗工する澱粉やポリアクリルアミドなどの水溶性接着剤の塗工量を多くするが、このような対応をとると、ネッパリトラブルが発生しやすくなる。ネッパリとは、オフセット印刷において原紙に付着する湿し水により、接着剤が原因となり、紙表面の粘着性が増加する現象で、ネッパリトラブルが発生すると用紙がブランケットに貼り付いたり、断紙に至る場合もある。すなわち、パイリングは接着剤の塗工量を多くすると低減出来るが、接着剤の塗工量を多くするとネッパリトラブルが発生するという相反する性質があるため、両者を同時に改善するのが困難となっている。
ネッパリトラブルを解決する方法として、具体的には次のような技術が提案されている。
(1)特定の加工澱粉を含む表面処理剤の粘度と塗工量の積が特定範囲にあるオフセット印刷用新聞用紙。(特許文献1)
(2)乾燥塗工量が0.3〜3g/mの顔料塗工層にオレフィン系サイズ剤を含有するオフセット印刷用新聞用紙。(特許文献2)
(3)原紙の含む炭酸カルシウムが2%以上5%未満であり、塗工量が3g/m以下のサイズ剤を含む顔料塗工層を設けるオフセット印刷用新聞用紙。(特許文献3)
また、内添サイズ剤と表面サイズ剤を特定することにより、サイズ性に優れた中性紙を得る技術として、次の特許文献がある。
(4)でんぷん誘導体として置換度が0.02〜0.05の第4級アミンでんぷん誘導体を内添し、かつ内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー又はアルケニル無水コハク酸を用いた中性紙に、アニオン性スチレン−アクリロニトリル系共重合体の水溶液を塗工することを特徴とする中性紙の製造方法。(特許文献4)
特開2006−118114号公報 特開2006−169693号公報 特開2007−162173号公報 特許3205971号公報
特許文献1に記載の発明は、表面処理剤の組成や粘度、塗工量を特定したものであるが、本発明のように、原紙に含まれるサイズ剤について特定したものではない。
特許文献2に記載の発明は、顔料塗工層に表面サイズ剤としてオレフィン系サイズ剤を使用したものであるが、原紙に含まれるサイズ剤について特定したものではない。
特許文献3に記載の発明は、顔料塗工量が0.5g/m以上が好ましいとされており、顔料塗工量が多いので、接着剤の塗工量も多くなり、パイリングとネッパリトラブル防止のバランスをとることやインキ乾燥性を確保するのが難しいと思われる。
特許文献4に記載の発明は、原紙のサイジング方法と表面サイズ剤の成分を特定して抄造直後のサイズ性に優れた中性紙を得ようとするものであるが、パイリングやネッパリについて検討されたものではない。
このように、従来の技術ではパイリングとネッパリトラブルの発生を抑えたオフセット印刷用新聞用紙は得られなかった。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成とする。
(1)アルキルケテンダイマーを含む原紙の両面に、50℃、7%におけるB型粘度が7mPa・s以下である低粘度澱粉と、オレフィン系表面サイズ剤と、顔料としてカオリンを主成分とする表面処理剤が塗工乾燥されてなり、前記カオリンの塗工量が片面0.01〜0.03g/m2であって、ネッパリ強度が50mN/30mm以下、吸水時間(JAPAN TAPPINo.32−2に準拠、滴下水量5μl)が30〜80秒とされていることを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
(2)原紙に含まれるアルキルケテンダイマーの含有量が0.01〜0.5質量%であり、低粘度澱粉の塗工量が片面0.2〜1.0g/m2であり、表面処理剤に含まれる低粘度澱粉とオレフィン系表面サイズ剤の質量比率が99:1〜70:30の範囲であることを特徴とする(1)記載のオフセット印刷用新聞用紙。
本発明によれば、パイリング、ネッパリトラブルの発生のないオフセット印刷用新聞用紙を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明にかかるオフセット印刷用新聞用紙は、原料パルプの主成分として、古紙脱墨パルプ(DIP)を使用する。DIPは、通常、新聞古紙や雑誌古紙を離解工程で離解した後、除塵工程で除塵し、脱墨工程で脱墨剤を添加し、フローテーターによってインクを浮遊分離して除去する。そして、精選工程で異物を除いた後、漂白工程で漂白を行なう。
また、DIPと併せて使用するパルプとしては、機械パルプや化学パルプを使用する。機械パルプとしては、例えば、ストーングラウンドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等が挙げられ、化学パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)等が挙げられ、これらのパルプから適宜選択して使用することができる。不透明度の点では機械パルプを使用するのが好ましく、強度の点で化学パルプを使用するのが好ましい。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、必要に応じて、一般に公知公用の填料、抄紙用薬品を添加することができる。填料としては、ホワイトカーボン、クレー、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、合成樹脂填料(塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹脂など)などを添加できる。特に中性抄紙においては、炭酸カルシウムが白色度と不透明度の向上効果と費用の面で有効である。また、抄紙用薬品としては、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹脂などの紙力増強剤、アクリルアミド/アミノメチルアクリルアミドの共重合物の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合物などの歩留まり向上剤、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物などのサイズ剤、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、染料、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤などの助剤などを含有してもよい。
このオフセット印刷用新聞用紙の物性は、オフセット印刷機で印刷可能である必要があり、通常のオフセット印刷用新聞用紙程度の引張り強さ、引裂き強さ、伸びなどの物性を有するものであればよい。
中性抄紙用サイズ剤には、セルロースと直接反応する反応性サイズ剤と自己定着性を有するカチオン性サイズ剤がある。反応性サイズ剤にはアルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸無水物、その他の各種誘導体がある。一方カチオン性サイズ剤は、反応性サイズ剤に比べて低配合率での効果が低いという欠点がある。アルキルケテンダイマー系のサイズ剤は、比較的安定性が良く低添加量でも効果があるが、サイズ効果の立ち上がりが遅く、サイズ度に経時変化があるためサイズ度の調整が難しいという問題がある。また、アルケニルコハク酸無水物は、使用直前に乳化操作を必要とすることや、高添加量ではマシン汚れを起こしやすい欠点がある。
本発明ではサイズ剤として、アルキルケテンダイマー系のサイズ剤を使用する。従来、新聞用紙のような機械パルプや古紙パルプを多く含む品種では、抄紙系内にアニオントラッシュが多いので、カチオン性に乳化されているアルキルケテンダイマーはアニオントラッシュに定着してしまい、パルプへの定着が悪く、目標のサイズ度とするには添加量が多くなる問題を有しており、マシン汚れの原因となることから採用例が少なかった。本発明では、内添のアルキルケテンダイマーの添加量を少なくし、表面サイズ剤でサイズ度を補い、目標のサイズ度としている。
本発明でアルキルケテンダイマー系のサイズ剤を使用する理由は、表面処理剤塗工の際にはサイズ度が低く表面処理剤の浸透を促進させてパイリングとネッパリトラブルを防止することと、印刷時にはサイズ度の経時変化により原紙に吸水抵抗性を与えることにある。
すなわち、前述したように、アルキルケテンダイマーは、反応性サイズ剤であり、サイズ効果の立ち上がりが遅く、サイズ度に経時変化があるという特性があり、表面処理剤塗工時には原紙のサイズ度がほとんど発現していないので、表面処理剤の浸透を促進することができる。つまり、アルキルケテンダイマーを使用することで、他のサイズ剤を使用する場合に比べて、表面処理剤塗工時の原紙のサイズ度を低くすることができるので、表面処理剤の浸透を大きくすることができる。この効果を発現するためのアルキルケテンダイマー系サイズ剤の原紙への添加量は0.01〜0.5質量%である。0.01質量%より少ないと印刷時のサイズ度が不足し、0.5質量%より多いとサイズ度の経時変化の巾が大きくなるので、印刷時のサイズ度を目的の数値にコントロールするのが難しくなる。
本発明では、原紙の両面に接着剤と表面サイズ剤を含む表面処理剤を塗工乾燥する。
本発明で使用する接着剤としては、低粘度澱粉を使用する。その粘度は濃度7%、温度50℃で測定したB型粘度で7mPa・s以下のものである。低粘度澱粉とは、乾式澱粉などを例示することができ、例えば乾式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉などである。この乾式低粘度化ヒドロキシエチル化澱粉は、ヒドロキシエチル化澱粉を含水率5〜17%の固体の状態で、塩化水素ガス、塩酸、硫酸等で酸処理するか、若しくは過硫酸アンモニウム、過酸化水素、塩素ガス等で酸化処理することにより、低分子化したものである。このような低粘度澱粉は、ネッパリトラブルを起こしにくく、塗工時に原紙への浸透が大きくなる。なお、接着剤として、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ラテックスなどを低粘度澱粉と併用してもよい。
ここで、原紙には内添サイズ剤として、AKDが添加されているが、表面処理剤塗工時はAKDのサイズ効果が発現しておらず表面処理剤の原紙への浸透がさらに大きくなり、表面に残る表面処理剤が少なくなるのでネッパリトラブルを防止することができる。
表面サイズ剤としては、一般的にはアルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸無水物、スチレンアクリル系、スチレンアクリレート系などが知られているが、本発明ではオレフィン系表面サイズ剤を使用する。オレフィン系表面サイズ剤は、他の表面サイズ剤よりネッパリの傾向が少なく、ネッパリトラブルの発生を防止することができる。
本発明で使用するオレフィン系表面サイズ剤はオレフィン系不飽和モノマーを構成モノマーとして含む共重合体である。具体的には疎水性の不飽和モノマーであるオレフィン系不飽和モノマーとカルボキシ基含有の不飽和モノマーを構成要素とする共重合体である。
以上のような構成を組み合わせることにより、本発明のオフセット印刷用新聞用紙はネッパリ強度が50mN/30mm以下とされている。ここで、ネッパリ強度とは、次のように測定した値である。
オフセット印刷用新聞用紙を幅1インチ×長さ19cmに2枚切り取り、塗工面を温度20℃の水面上に5秒間浮かべた後、直ちに塗工面同士(濡らした塗工面と濡らしていない塗工面)を密着させる。続いて、外側両面に台紙を重ね、40kgf/cmのニップ圧でロールに2回通し、23℃、50%RHで24時間調湿する。引張り試験機で、引張り速度100mm/分の条件で剥離強度を測定する。測定値が大きいほど、剥がれにくい(粘着性が強い)ことを意味する。
さらに、本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、吸水時間(JAPAN TAPPINo.32−2に準拠、滴下水量5μl)が30〜80秒とされている。この範囲とすることでバランス良くネッパリトラブルとパイリングを防止することができる。吸水時間が30秒より低い(サイズ度が低い)と、ネッパリトラブルとパイリングを起こしやすくなり、80秒より高い(サイズ度が高い)と、インキ着肉が悪くなる場合がある。ただし、吸水時間は、試験片の前処理として、熱風乾燥機で105℃、20分間キュアリング後、23℃、50%で調湿して測定した。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、澱粉の塗工量が片面0.2〜1.0g/mであり、表面処理剤に含まれる澱粉と表面サイズ剤の質量比率が99:1〜70:30である。澱粉の塗工量が片面0.2g/mより少ないとパイリングを起こしやすく、1.0g/mより多いとネッパリトラブルを起こしやすくなる。
また、表面処理剤に含まれる澱粉と表面サイズ剤の質量比率が99:1〜70:30であり、この範囲を超えて表面サイズ剤が少ないと、澱粉の溶出が多くなるためネッパリトラブルを起こしやすく、この範囲を超えて表面サイズ剤が多いと着肉が悪くなり、着肉むらの原因となる。
本発明では、表面処理剤に顔料を使用するのも好ましい実施形態である。使用する顔料としては、例えば、二酸化チタン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、焼成カオリン、カオリンなどがあるが、二酸化チタン、ホワイトカーボンは高価であり、炭酸カルシウム、焼成カオリン、カオリンを単独あるいは併用して用いるのが好ましい。
一般的には、顔料を塗工すると、塗工しない場合に比べて、パイリングが起こりやすくなると考えられるが、本発明のように、顔料を極少量塗工すること、低粘度澱粉を使用すること、オレフィン系表面サイズ剤を使用することを組み合わせた場合、顔料を塗工することにより、顔料粒子が紙表面に表出してブランケットとの密着性を弱めネッパリを抑えることができ、パイリングを抑えることができる。また、顔料塗工による効果として白色度と不透明度の上昇がある。
ここで、顔料の塗工量は片面0.01〜0.3g/mとなるようにすることが好ましい。顔料の塗工量が片面0.01g/mより少ないと、前述した顔料のネッパリを抑える効果が低くなる。顔料の塗工量が片面0.3g/mより多いとパイリングの問題を起こすおそれがあり、これを防止するために接着剤の塗工量を増やすとネッパリトラブルを起こしやすくなり、両者をバランスさせるのが困難になる。
本発明では表面処理剤を塗工するための塗工装置として、ゲートロールコーターを使用することが好ましい。ゲートロールコーターは、低濃度、低粘度の表面処理剤を均一に塗工するのに適しており、ストリークなどのトラブルが少なく連続操業性が良好である。
ゲートロールコーターを用いて表面処理剤を塗工する際、表面処理剤の濃度は5〜20%とするのが好ましい。表面処理剤の濃度が5%より低いと塗工量が不足し、20%より高いと表面処理剤の粘度が高くなり、均一な塗工が難しくなる。ゲートロールコーターでの表面処理剤の塗工量は、表面処理剤の温度、濃度、粘度、アプリケーターロールとメタリングロールの周速比などによって調整される。
表面処理剤には、そのほか、分散剤、pH調整剤、防腐剤、蛍光染料など一般的に表面処理剤に使用されている薬品を使用することができる。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙の製造に際しては、表面処理剤の塗工、乾燥後に、カレンダー装置により平滑化処理する。かかるカレンダー装置としては、チルドカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダーなどの一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。以上のようにして、本発明のオフセット印刷用新聞用紙が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ固形分質量部、固形分質量%を表す。
(実施例1)
新聞古紙脱墨パルプ80質量部とサーモメカニカルパルプ20質量部をパルプ原料として使用し、アルキルケテンダイマー系サイズ剤をパルプ原料に対し0.3%添加し、硫酸バンドでpHを6.0に調整し、填料としてホワイトカーボンを1.5質量%添加してギャップフォーマー型抄紙機で抄紙し、ゲートロールコーターで下記表面処理剤を原紙両面に塗工して、ソフトカレンダー処理し、坪量43.0g/mのオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
表面処理剤 低粘度澱粉(王子コーンスターチ株式会社製 商品名GRS−T120、 50℃、7%におけるB型粘度6.2mPa・s)
オレフィン系表面サイズ剤(荒川化学工業株式会社製 商品名ポリマロン OM−25)
澱粉と表面サイズ剤の固形分質量比率90:10
固形分濃度5%(顔料混合前)
塗工量0.3g/m(片面、顔料除く)
顔料塗工 カオリン(ヒューバー社製 商品名カピムDG)0.03g/m(片面 )
(実施例2)
表面処理剤の固形分濃度を6.5%(顔料混合前)、塗工量0.4g/m(片面、顔料除く)とした以外は実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(実施例3)
表面処理剤の澱粉と表面サイズ剤の固形分質量比率を73:27とした以外は実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(実施例4)
表面処理剤の澱粉と表面サイズ剤の質量比率を95:5、固形分濃度を9%(顔料混合前)、塗工量を0.8/m(片面、顔料除く)とした以外は実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(実施例5)
顔料の塗工量を0.01g/m(片面)とした以外は実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(比較例1)
表面処理剤を下記のようにして、原紙両面に塗工した以外は実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
表面処理剤 澱粉(王子コーンスターチ株式会社製 商品名エースA、50℃、7%に おけるB型粘度7.5mPa・s)
オレフィン系表面サイズ剤(荒川化学工業株式会社製 商品名ポリマロン OM−25)
澱粉と表面サイズ剤の固形分質量比率90:10
固形分濃度5%
塗工量0.3g/m(片面、顔料除く)
顔料塗工 カオリン(ヒューバー社製 商品名カピムDG)0.03g/m(片面 )
(比較例2)
内添サイズ剤を変更し、ロジン系中性サイズ剤を(星光PMC株式会社製 商品名CC−1404)0.4%添加したこと以外は、実施例1と同様にオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(比較例3)
内添サイズ剤を使用しなかったこと、顔料を塗工しなかったこと以外は比較例1と同様にオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(比較例4)
表面サイズ剤として、スチレン系表面サイズ剤(荒川化学工業株式会社製 ポリマロンNS−25)を使用したこと、顔料を塗工しなかったこと以外は比較例1と同様にオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(比較例5)
表面サイズ剤として、スチレン系表面サイズ剤(荒川化学工業株式会社製 商品名ポリマロンNS−25)を使用したこと以外は実施例1と同様にオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
(比較例6)
澱粉と表面サイズ剤の固形分質量比率60:40とし、顔料を塗工しなかったこと以外は実施例1と同様にオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
実施例1〜5、比較例1〜6で得られたオフセット印刷用新聞用紙の吸水時間、ネッパリ強度の測定結果とパイリングの評価結果を表1に示す。各評価は以下のとおり行った。
(吸水時間)
JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.32−2:2000「紙−吸水性試験方法−第2部:滴下法」に準拠し、滴下水量5μl、表裏各2回測定した平均値を吸水時間とした。ただし、試験片の前処理として、熱風乾燥機で105℃、20分間キュアリング後、23℃、50%で調湿して測定した。
(ネッパリ強度の測定)
オフセット印刷用新聞用紙を幅1インチ×長さ19cmに2枚切り取り、塗工面を温度20℃の水面上に5秒間浮かべた後、直ちに塗工面同士(濡らした塗工面と濡らしていない塗工面)を密着させる。続いて、外側両面に台紙を重ね、40kgf/cmのニップ圧でロールに2回通し、23℃、50%RHで24時間調湿する。引張り試験機で、引張り速度100mm/分の条件で剥離強度を測定した。
(パイリング評価)
タック値13のインキを使用して、RI印刷試験機で印刷を行い、ブランケットに残ったインキをコート紙に転写して、白抜け部分を観察し、◎優れる、○良い、×悪い、の3段階で評価した。
Figure 0005435383
表1に示したように、本発明の実施例では、ネッパリ強度が低く、パイリングを起こさないオフセット印刷用新聞用紙を得ることができる。
一方、比較例1は、澱粉の粘度が7.5mPa・sと高いのでネッパリ強度が62mN/30mmと高くなっており、ネッパリトラブルを起こしやすいことが予想される。
比較例2は、内添サイズ剤にロジン系中性サイズ剤を使用した例であり、ネッパリ強度が高くなっている。この原因は、吸水時間は実施例1と同じであるが、表面処理剤塗工時の原紙のサイズ度が高いので、表面処理剤の浸透が抑えられた結果、表面処理剤が紙表面に多く残ったためと考えられる。
比較例3は、内添サイズ剤を添加しなかった例であり、ネッパリ強度は低いが吸水時間が短いので、パイリングの評価が悪くなっている。
比較例4は、表面サイズ剤としてスチレン系表面サイズ剤を使用した例であり、ネッパリ強度が78mN/30mmと高くなっており、ネッパリトラブルを起こしやすいことが予想される。
比較例5は、表面サイズ剤としてスチレン系表面サイズ剤を使用した例であり、低粘度澱粉を使用しているのでネッパリ強度は比較例4よりは低いが54mN/30mmと高めであり、ネッパリトラブルを起こしやすいと予想される。
比較例6は、澱粉と表面サイズ剤の固形分質量比率が60:40で、表面サイズ剤の比率が本発明で規定する範囲を超えて高いので、吸水時間が65秒と長くなり着肉不良が発生している。

Claims (2)

  1. アルキルケテンダイマーを含む原紙の両面に、50℃、7%におけるB型粘度が7mPa・s以下である低粘度澱粉と、オレフィン系表面サイズ剤と、顔料としてカオリンを主成分とする表面処理剤が塗工乾燥されてなり、前記カオリンの塗工量が片面0.01〜0.03g/m2であって、ネッパリ強度が50mN/30mm以下、吸水時間(JAPAN TAPPINo.32−2に準拠、滴下水量5μl)が30〜80秒とされていることを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
  2. 原紙に含まれるアルキルケテンダイマーの含有量が0.01〜0.5質量%であり、低粘度澱粉の塗工量が片面0.2〜1.0g/m2であり、表面処理剤に含まれる低粘度澱粉とオレフィン系表面サイズ剤の質量比率が99:1〜70:30の範囲であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用新聞用紙。
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