JP2002129489A - 紙用表面処理剤及びオフセット印刷用紙 - Google Patents
紙用表面処理剤及びオフセット印刷用紙Info
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Abstract
理剤の塗工適性を改善し、表面粘着性、インク着肉性及
び不透明度に優れたオフセット印刷用紙を提供する。 【解決手段】 コロイダルシリカを含有する紙用表面処
理剤に粘性改良剤を添加し、固形分濃度10重量%、25℃
におけるブルックフィールド粘度を5〜150mPa・sに
調製する。さらに、印刷用原紙に、コロイダルシリカ及
び粘性改良剤を主成分とする紙用表面処理剤を含有した
塗工層を設ける。
Description
ク着肉性、塗工適性に優れるとともに、オフセット印刷
後の裏抜けの少ない表面処理剤及びそれを塗工したオフ
セット印刷用紙に関する。
カラー印刷化、高速大量印刷化、自動化など大きな進歩
を遂げてきている。これに伴い、印刷用紙に対しても、
作業性、印刷適性の面から各種の物性の改良が求められ
ている。
紙)は、一般的に、機械パルプや脱墨パルプ(以下、
「脱墨パルプ」を「DIP」と略す)を主体とする紙で
あり、中・下級紙に分類される紙でありながら、他方で
は、指定された時間内に、指定された部数を確実に印刷
しなければならず、一般印刷用紙以上に厳しい品質を要
求される紙である。最近の新聞印刷用紙は、軽量化、D
IPの高配合化などが求められており、これらの品質要
求を克服しながら各種の改良を行う必要がある。このよ
うな観点から、新聞印刷用紙の改良は一般印刷用紙に比
較してかなり厳しいものとなっている。
の要求、カラー紙面の要求、多品種印刷の要求、自動化
の要求などの点から、新聞印刷へのコンピューターシス
テム導入と相まって凸版印刷からオフセット印刷への転
換が急速に進んでいる。
刷用紙に対して、凸版印刷用の新聞印刷用紙とは異なっ
た品質が要求されている。例えば、1)表面粘着性が小さ
い、すなわち剥離性がよいこと、2)ブランケットに紙粉
の堆積が少ないこと、3)吸水抵抗性が適度に保たれオフ
セット印刷時に湿し水による紙切れがないこと、4)印刷
インクのセット性が適度であること、5)不透明度が高く
裏抜けしないこと、6)摩擦係数が適度であることなどの
品質である。これらの要求品質の中でも、特に、1)表面
粘着性の低下、2)吸水抵抗性の向上、3)印刷インクの着
肉性の向上、4)不透明度が高く裏抜けしないことなどが
重要な課題となっている。
い新聞印刷用紙は、機械パルプの含有率が低く、広葉樹
晒クラフトパルプ(以下、LBKPと略す)の含有率が
高い一般印刷用紙とは異なり、微細化した繊維が多く、
紙粉の問題が発生しやすい。また、機械パルプの含有率
が高い場合、微細化した繊維同士の結合力は弱く、紙表
面の状態は粗であるので紙表面から紙粉が脱落して印刷
時にブランケットに紙粉の堆積が増加する傾向がある。
ば、1989年には、坪量46g/m2の新聞印刷用紙が96%
を占めていたが、1993年には、坪量43g/m2の新聞印
刷用紙が約80%を占めるに至っている。軽量化の進展に
より、新聞印刷用紙の不透明度の低下、紙力の低下など
の問題が生じている。そのため、このような不透明度の
低下、紙力の低下などを補うために、無機や有機の填
料、顔料を増配しなければならない。しかし、填料ある
いは顔料の増配は、用紙自体が薄く、軽くなっているこ
とと相まって、填料あるいは顔料をより脱離しやすくす
る。特に、湿し水を用いるオフセット印刷の場合には、
湿し水がパルプの繊維間結合を弱くすることから、その
脱離の傾向はさらに大きいものとなっている。これらの
脱離の傾向は、新聞印刷用紙のさらなる軽量化の進展に
伴って、さらに深刻な問題となってきており、例えば、
坪量40g/m2未満の新聞印刷用紙の改良は、坪量43g
/m2以上の新聞印刷用紙の改良より非常に困難となっ
ている。
由来の微細繊維、填料あるいは顔料の増加を招き、軽量
化と相まって紙粉の増加、紙力の低下などの問題が生じ
る。これらの問題もDIPの配合率が上昇するほど重大
な問題となっている。以上述べたように、新聞印刷用紙
の最近の傾向は、特に表面強度の点で大きなマイナス要
因となっている。
て非塗工による対策と塗工による対策が知られている。
紙条件の変更、紙力増強剤の増量などによる方法であ
る。しかし、これらの方法では、オフセット新聞印刷用
紙への厳しい品質要求に対応することは困難である。
(酸化澱粉、澱粉誘導体など)やポリビニルアルコール
などの表面処理剤を、新聞印刷用原紙に表面塗工(外
添)する方法であり、表面強度の改良に有効な手段とな
っている。
済的な側面からオンマシーン塗工が一般的であり、高速
塗工が可能な被膜形成転写方式であるゲートロールコー
ターが用いられている。このゲートロールコーター方式
の特徴は、例えば、紙パ技協誌 第43巻第4号(1989)
p.36、紙パルプ技術タイムスVol.36 No.12(1993)p.2
0などに簡単にまとめられているが、一般印刷用紙で用
いられている2本ロールサイズプレス方式と比較して、
塗工液を効率よく紙表面にとどめることが可能であり紙
表面の改良に効果的である。すなわち、2本ロールサイ
ズプレス方式では、原紙は塗工液のポンド(液溜り)中
を通過するため、塗工液の原紙への浸透が非常に大きい
のに対し、ゲートロールコーター方式では、塗工液があ
らかじめ被膜を形成しその膜が転写されるため、塗工液
の原紙への浸透がかなり抑制される。そのため、ゲート
ロールコーター方式では、塗工層が原紙表面に均一に形
成される。
たように、新聞印刷用紙の最近の傾向(軽量化、あるい
はDIPの高配合化の進展)は、表面強度の点で大きな
マイナス要因となっており、塗工による対策においても
表面処理剤の塗布量を増加させる必要が生じている。従
来から常用されている澱粉、加工澱粉やポリビニルアル
コールなどの表面処理剤を多量に用いた場合、表面強度
の向上効果は認められるものの、その表面処理剤が水で
湿潤された状態では表面粘着性を示すため、新聞印刷用
紙の製造時あるいは印刷時に、表面粘着性に起因するト
ラブル(いわゆる「ネッパリ」と呼ばれる現象)を起こ
す問題があった。また、このネッパリ問題は、表面処理
剤をゲートロールコーターのようなフィルム転写方式で
塗工を行った場合、2本ロールサイズプレスと比較して
より顕著で深刻な問題であった。さらに4色カラー印刷
では、新聞印刷用紙の同一印刷面が4回の湿し水で湿潤
されるため、ブランケット及び紙表面に水皮膜が生じや
すく疎水性のインクが着肉しにくい現象がみられた。
と、オフセット印刷時に湿し水が用紙内部に容易に浸透
してしまうため、その部分の強度が低下し、印刷時の張
力により断紙(以下、水切れ断紙と呼ぶ)が起こりやす
く、印刷時の重要な問題となっている。
に印刷された文字やカラー写真画像などが透けて見え
る、いわゆる“裏抜け”は非常にわずらわしいことであ
る。
ィルム転写方式による塗工において、新聞印刷用紙にお
ける表面強度の改善(紙粉の抑制)、表面粘着性(ネッ
パリ)の低下、インク着肉性の向上、裏抜け対策は極め
て重要な課題である。
号公報、及び特開平6-192995号公報などに、表面処理剤
に添加して表面粘着性を改善するような粘着防止剤が開
示されている。すなわち、特開平6-57688号公報では、
有機フルオロ化合物から成る粘着防止剤が、一方、特開
平6-192995号公報では、置換コハク酸及び/または置換
コハク酸誘導体を有効成分とする粘着防止剤が開示され
ている。これらの粘着防止剤を使用することによりネッ
パリが低減するので、表面処理剤の塗布量を増やすのに
有効である。しかし、これらの粘着防止剤の使用におい
ては、1)塗工材料が表面処理剤と粘着防止剤の2成分に
なるため塗工時の泡立ちが著しい、2)コスト上昇の要因
になる、3)カラー印刷時の墨の着肉が悪化するなどの問
題のあることが認められた。
公報には、ポリビニルアルコールとポリエーテル化合物
から成る紙用サイジング剤が開示されている。特に、特
開平5-59689号公報には、エチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドのブロック共重合体とポリビニルアルコ
ールから成る組成物を新聞印刷用原紙に塗布すると、表
面強度が改良され、かつオフセット印刷時の粘着性の低
い新聞印刷用紙が得られることが開示されている。この
組成物は、澱粉類やポリビニルアルコールを単独で塗布
した場合に比較して、表面粘着性をある程度改善できる
ものの、さらに軽量化、DIP高配合化が進んだ場合、
満足できるインク着肉性と表面粘着性を得ることはでき
なかった。
号において、コロイダルシリカを新聞用紙の表面塗工剤
として使用することによって表面粘着性を顕著に低減で
きることを見出した。しかしながら、コロイダルシリカ
単独の塗工液をゲートロールコーターにて新聞用紙に塗
工する場合、コロイダルシリカ塗工液の粘度が5mPa
・s未満で極めて低いため、十分な塗布量を得ることが
できない。さらに、ロール上に転写された塗工液の幅方
向のプロファイルが悪いので、塗工紙の塗工皮膜のプロ
ファイルが均一でなく、また、ロール上に転写された塗
工液皮膜の乾燥が速いため、ボトムロールとトップロー
ルの間でスリップを起こすといった塗工適性にも大きな
問題のあることが判明した。
リ)、インク着肉性、塗工適性に優れるとともに、オフ
セット印刷後の裏抜けの少ない紙用表面処理剤及びその
表面処理剤を含有する塗工層を設けたオフセット印刷用
紙の提供を課題とした。
した結果、コロイダルシリカ水分散液に粘性改良剤を添
加し、固形分濃度10重量%、25℃におけるブルックフィ
ールド粘度を5〜150mPa・sとすることにより塗工適
性が改善された紙用表面処理剤が得られることを見出し
た。さらに、印刷用原紙に、コロイダルシリカ及び粘性
改良剤、若しくはコロイダルシリカ、無機塩及び粘性改
良剤を主成分とする紙用表面処理剤を含有した塗工層を
設けることにより表面粘着性(ネッパリ)、インク着肉
性に優れるオフセット印刷用紙が得られることを見出し
た。
れるコロイダルシリカは、通常、無水ケイ酸を20〜40%
含有し、酸化ナトリウムとして換算したナトリウムの含
有率は1%以下で、pHは9.5〜10.5のコロイダルシリカ
である。無水ケイ酸は水分散液中でSiO2・XH2Oの
形であり、粒径5〜100nmのコロイド粒子となってお
り、粒径が非常に小さいので容易に紙面に浸透し、紙を
構成する繊維への吸着力あるいは付着力が強く、また粒
子相互の付着力も強いものである。
る粘性改良剤は、レオロジーモディファイヤー(粘度調
整剤、保水剤)とも言われ、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
アルギン酸ソーダ等の天然物、アクリルポリマー系の合
成高分子化合物などである。シリカゾル溶液に、これら
の粘性改良剤を少量添加することにより、ブルックフィ
ールド粘度及びハーキュレス粘度を上昇させ、塗布量の
調整、保水性向上、塗工表面の均一化、ゲートロール上
の塗工液皮膜の乾燥速度抑制等が可能となり、ゲートロ
ール塗工適性が向上する。特に、アクリルポリマー系及
びカルボキシメチルセルロースの粘性改良剤は有効であ
る。アクリルポリマー系の粘性改良剤は、アクリルポリ
マーを界面活性剤が取り囲んだミセル構造の合成樹脂エ
マルジョンであるが、pHが8〜10のアルカリ領域のシ
リカゾル溶液に添加すると、糸状の水溶性ポリマーとな
り、粘度が上昇し、保水剤としての性能を発揮する。具
体的には、アルコガムL−29K、アルコガムL−29
W(日本エヌエスシー株式会社製)、ソマレックス27
0、ソマレックス280(ソマール株式会社製)、プラ
イマルTT−935(ローム・アンド・ハース・ジャパ
ン株式会社製)などが挙げられる。また、カルボキシメ
チルセルロースとしては、サンローズA10SHG(日
本製紙株式会社製)が挙げられる。
と塩基の中和反応などにより得られる塩である。固体で
は多くの場合、イオン結晶となっている。本発明で使用
する無機塩は、白色度及び不透明度を向上させる機能も
付与することが好ましいため、白色結晶が最も望まし
い。さらに、無機塩には、水溶性の無機塩と非水溶性の
無機塩があるが、水溶性の無機塩が望ましい。具体的に
は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナト
リウム、リン酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、
硫酸アルミニウムなどが挙げられるが、コスト、性能を
考慮するとナトリウム塩が好ましく、硫酸ナトリウムが
最も好ましい。
は、コロイダルシリカ中の固形分100重量部に対して5〜
100重量部が望ましい。5重量部未満では本発明の効果が
低下してしまい、100重量部を超えるとコロイダルシリ
カの本来の特性が損なわれてしまう。
コロイダルシリカ溶液に添加してもよいし、コロイダル
シリカ製造時に副生成物として生成する無機塩を使用し
ても良い。
ム(水ガラス)を原料として、硫酸、塩酸、硝酸などの
鉱酸と高温下で反応させ、加水分解反応と珪酸の重合化
によるシリカ粒子の成長により、10〜100nmのコロイ
ド溶液として得られる。この反応時に、副生成物とし
て、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム
などの無機塩が生成するので、この無機塩を含有したコ
ロイダルシリカを表面処理剤として利用できる。この場
合、脱塩・精製処理をしないため、低コストの無機塩含
有コロイダルシリカ溶液が得られ、かつ本発明の効果を
十分に発揮するものである。
抜けが改善される理由は明らかではないが、以下のよう
に推定される。紙用表面処理剤溶液中で水溶性無機塩は
溶解しているが、塗布、乾燥の過程で水分の減少と共に
微結晶として析出する。この微結晶は無水ケイ酸のコロ
イド粒子に吸着、あるいは接着されることで安定して存
在する。析出した微結晶は紙表面のみならず紙内部にも
生成しており、それにより光の乱反射が強くなる結果、
不透明度が向上すると共に裏抜けが改善される。
合比率は、コロイダルシリカ中の固形分100重量部に対
して0.1〜45重量部が望ましい。0.1重量部未満では本発
明の効果が低下してしまい、45重量部を超えるとコロイ
ダルシリカの本来の特性が損なわれてしまう。
ダルシリカ本来の特性を損なわない範囲で有機バインダ
ーを混合させてもよい。本発明で用いられる有機バイン
ダーとしては、澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、ジアル
デヒド澱粉、カチオン化澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、
ケイ素変性澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコールな
どのポリビニル化合物、ポリアクリルアミド、ケイ素変
性ポリアクリルアミド類、カゼインなどの水溶性有機バ
インダー、スチレン、ブタジエン、メチルメタアクリレ
ート、アクリロニトリルなどのモノマーから重合体とし
て得られる合成樹脂ラテックスなどが挙げられる。
の比率は、コロイダルシリカ中の固形分100重量部に対
して5〜100重量部が望ましく、5〜70重量部が特に望ま
しい。5重量部未満では本発明の効果が低下してしま
い、100重量部を超えるとコロイダルシリカの本来の特
性が損なわれてしまう。
サイズ剤を添加しても良い。表面サイズ剤としては、ロ
ジン、ロジンエマルジョン、パラフィンワックスエマル
ジョン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハ
ク酸、シリコン樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸-アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−マレイン酸−マレイン酸エステ
ル共重合体、オレフィン−マレイン酸共重合体などが挙
げられる。これらの内、特にスチレン−アクリル酸共重
合体が好ましい。
比率は、コロイダルシリカ中の固形分100重量部に対し
て5〜40重量部が望ましい。5重量部未満では本発明の効
果が低下してしまい、40重量部を超えるとコロイダルシ
リカの本来の特性が損なわれてしまう。
せない範囲で所望の用紙物性に適合させるため、無機顔
料を併用することは差し支えない。
製紙用の填料、顔料として通常使用される炭酸カルシウ
ム、カオリン、クレー、タルク、シリカ、ホワイトカー
ボン、二酸化チタン等である。特に、二酸化チタンは少
量の添加でも不透明度が向上するので好ましい。
れる、比重3.8〜4.2程度の二酸化チタン及び水和二酸化
チタンが好ましい。結晶の形態は、ルチル型あるいはア
ナタース型のいずれもが使用できる。二酸化チタンのコ
ロイダルシリカに対する比率は、コロイダルシリカの種
類、原紙の組成、原紙中の内添剤の量と種類等により変
動するが、通常コロイダルシリカ中の固形分100重量部
に対して5〜40重量部で、不透明度及び裏抜け防止に最
大の効果が発現する。
塗工層を設けたオフセット印刷用紙について詳細に説明
するが、本発明が最も有効に作用する新聞印刷用紙を具
体例として記載した。
ドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TM
P)、セミケミカルパルプなどのメカニカルパルプ(M
P)、クラフトパルプ(KP)に代表されるケミカルパ
ルプ(CP)及びこれらのパルプを含む故紙を脱墨して
得られる脱墨パルプ(DIP)及び抄紙工程からの損紙
を離解して得られる回収パルプなどを、単独あるいは任
意の比率で混合したパルプを常法に従い抄紙したもので
ある。本発明の効果が顕著なのは、坪量37g/m2〜45
g/m2の範囲で抄造した原紙である。坪量46g/m2以
上の原紙の場合、その原紙は表面強度を十分に持ってい
ると考えられ、また、オフセット印刷時における湿し水
に起因する用紙の寸法変化、あるいは強度低下も無視で
きる程度であると考えられるので、必ずしも、薬品の外
添により表面強度を改良する必要はない。
率については、0〜100重量%の任意の範囲で配合するこ
とができる。最近のDIP高配合化の流れからすると、
30〜100重量%の範囲がより好ましい。特に、DIPを7
0重量%以上配合した用紙に対し本発明は有効である。
ー、カオリン、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの
無機填料、あるいは塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、尿素ホルマリン系樹脂、メラミン系樹脂、スチレ
ン−ブタジエン系共重合体系樹脂などの合成樹脂から製
造される有機填料を添加できる。特に中性抄紙には炭酸
カルシウムが有効である。
系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化
澱粉、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹
脂などの紙力増強剤;アクリルアミド/アミノメチルア
クリルアミドの共重合物の塩、カチオン化澱粉、ポリエ
チレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミ
ド/アクリル酸ナトリウム共重合物などのろ水性あるい
は歩留まり向上剤;硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、
耐水化剤、紫外線防止剤、退色防止剤、消泡剤などの助
剤などを含有してもよい。この原紙の物性は、オフセッ
ト印刷機で印刷できるものである必要があり、通常の新
聞印刷用紙程度の引張り強度、引裂き強度、伸びなどの
物性を有するものであればよい。
新聞印刷用原紙であってもよいし、中性あるいはアルカ
リ性新聞印刷用原紙であってもよい。
の片面、あるいは両面に本発明の紙用表面処理剤を含む
塗工液をゲートロールコーターなどのオンマシーン塗工
機により塗工することにより製造される。
される印刷用紙に対して求められる表面強度付与の程度
に応じて決定されるものであり、特に限定されるもので
はないが、表面強度付与の観点からすれば、塗布量が0.
1〜1.0g/m2(片面あたり)の範囲で有効にその効果
を発揮する。塗布量が0.1g/m2未満では、本発明の紙
用表面処理剤が十分な塗工層を形成しないため紙粉堆積
の改良が不十分である。他方、塗布量が1.0g/m2を超
える場合は、表面粘着性の悪化が懸念される。
て、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコータ
ー、ロッドメタリングコーターなどの被膜転写型のコー
ターを用いるのが好ましく、特にゲートロールコーター
を用いる時、その効果を大きく発揮する。すなわち、前
述したように、従来用いられている紙用表面処理剤は、
ゲートロールコーターでは、十分な表面強度を持たせる
と粘着性に問題が生ずるものであったが、本発明の紙用
表面処理剤は、この方式でも、前述の塗布量領域で、抄
紙速度600〜1800m/分の範囲でオンマシーン塗工する
ことにより効率よく表面強度と表面粘着性を改善するこ
とが可能である。
ロールコーター塗工適性も優れているので、新聞印刷用
原紙に、オンマシーンゲートロールコーターにより両面
塗工を行うのが最も望ましい。
は低く、ゲートロールコーター方式による比較的低塗布
量領域では、用紙表面に無機材料からなる塗工層を設け
ることは困難であると考えられてきた。しかしながら、
本発明の紙用表面処理剤は、抄紙速度600〜1800m/分
と高速の抄紙速度で、かつ比較的低塗布量でも、粘着性
の少ない表面強度、吸水抵抗性及びインク着肉性付与効
果が認められるという優れた特徴がある。
を設けた新聞印刷用紙は、摩擦係数が向上することも確
認されている。従って、特に防滑剤を配合させる必要も
ない。新聞印刷用紙に適用した場合、製造される新聞印
刷用紙の動摩擦係数は、0.40〜0.70の範囲にあることが
望ましい。
を設けた新聞印刷用紙は、表面強度を広い範囲でコント
ロールすることが可能なので、印刷時に使用する各種イ
ンクに幅広く対応することができる。例えば、油性イン
ク中に湿し水を混入させたエマルジョンインクなどの特
殊インク、水なし平版用のタック性の高いインクなどへ
の対応も可能である。
新聞印刷用紙について実施例及び比較例に従って、詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、説明中、パーセントは重量パーセントを示
し、重量比は乾燥固形分比率を示す。
について、塗布量、表面粘着性、インク着肉性、不透明
度、塗工適性を以下に示す方法にて測定し、総合評価を
行った。
アプリケータロール上の液膜の厚さを測定し、転移率を
95%として計算した。
cmに2枚切り取り、1枚の塗工面を温度20℃の水に5秒
間浸漬した後、塗工面同士を密着させた。外側両面に新
聞印刷用原紙を重ね、50kg/m2の圧力でロールに通
し、20℃、65%RHで24時間調湿した。これを3×6cmの
試料片とした後、水に浸漬されない上部2cm分を引張
り試験機のクランプでつかみ、引張り速度30mm/分の
条件で180°方向に剥離した。初期の剥離強度の高い値
をピーク値とした。次に安定した剥離強度の値を安定値
とした。剥離強度の測定値が大きいほど、剥がれにく
い、すなわち、粘着性が強い。本発明の新聞印刷用紙で
は、剥離強度の安定値が15.0gf/3cm以下のものを
“剥離性が良好である、即ち表面粘着性が少ない”とし
た。
リュフバウ印刷試験機により行った。プリュフバウ印刷
試験機のゴムロールに一定量の墨インキをのせ、新聞印
刷用紙(印刷面積: 4×20cm)に、印圧:15N/m、
印刷速度:6.0m/秒で印刷した。この時、新聞印刷用
紙の中央部2×20cm部分に湿し水が接触し、その0.15
秒後に印刷される。そして、両端の湿し水が付着してい
ない印刷部(DRY印刷部)及び中央部の湿し水が付着
した印刷部(WET印刷部)の印刷濃度をマクベス濃度
計で測定した。インク着肉性評価はDRY印刷濃度値か
らWET印刷濃度値を差し引いた値で行った。すなわ
ち、この印刷濃度差が小さい程、DRY印刷濃度とWE
T印刷濃度の差は小さく、WET印刷部は湿し水の影響
をあまり受けていないことを意味し、差が大きい程、W
ET印刷部は湿し水の影響を大きく受けインク着肉性が
劣ることを示している。
8138に基づき、ハンター反射率計を使用して、緑色フ
ィルターを用いて、新聞印刷用紙の試験片を白色板(反
射率89%)の上に重ねた時の反射率R0.89と黒色板(反
射率0.5%以下)の上に重ねた時の反射率R0を測定し、
次式で不透明度(%)を算出した。 不透明度(%)=R0/R0.89×100
した塗工液サンプルを新聞印刷用紙の両面に、ゲートロ
ールコーターを使用して、塗工速度300m/分、ロール
圧1.6kg、周速95%、乾燥温度120℃の条件で塗工し
た。この時の塗工液のブルックフィールド粘度(B型粘
度)を測定した。また、塗工時におけるゲートロールコ
ーターのボトムロールに転写された塗工液皮膜の幅方向
プロファイルの均一性を目視により観察した。 ;プロファイルが良好である。△;プロファイルが劣
る。×;プロファイルが非常に劣る。 さらに、ボトムロールに転写された塗工液皮膜の乾燥性
は、回転しているロールに直接手を当て乾燥度合いを評
価した。尚、乾燥性が低い程、ロールの滑りが少なく塗
工適性は良好であり、乾燥性が高い程、ロール滑りが多
くなり、塗工適性は悪くなる。 ;乾燥性が低くロール滑りがない。△;乾燥性が高くロ
ール滑りが多い。×;乾燥性が極めて高くロール滑りが
甚だしい。
に劣る。
ルプ)70部、TMP(サーモメカニカルパルプ)20部、
GP(グランドパルプ)5部、KP(クラフトパルプ)5
部の割合で混合離解し、フリーネスを200mlに調製し
た混合パルプをベルベフォーマー型抄紙機にて、抄紙速
度1100m/分で抄紙し、未サイズ、ノーカレンダーの新
聞印刷用原紙を得た。この原紙は、坪量43g/m2、密
度0.65g/cm3、白色度51%、平滑度20秒、静摩擦係
数0.45、動摩擦係数0.56であった。また、この原紙は内
添サイズ剤を含まず、点滴吸水度は8秒であった。
スノーテックスST−40、日産化学工業(株)製)の
40%水溶液を調製した。次に、アクリルポリマー系の粘
性改良剤(商品名:ソマレックス270、ソマール
(株)製)の30%エマルジョン液を調製した。そして、
コロイダルシリカに対して粘性改良剤の比率が重量比で
100対3.2となるように混合し、12%濃度の表面処理剤塗
工液を調製した。得られた表面処理剤塗工液を、前述の
新聞印刷用原紙の両面にゲートロールコーターを用い
て、塗工速度300m/分で塗工し、さらにスーパーカレ
ンダー処理を行い新聞印刷用紙を得た。この新聞印刷用
紙について、塗布量、B型粘度、表面粘着性、インク着
肉性、不透明度を測定し、同時に塗工適性も評価し、表
1に示した。
良剤としてアルコガムL−29K(日本エヌエスシー
(株)製)を使用した以外は実施例1と同様にして新聞
印刷用紙を製造し、得られた新聞印刷用紙について、塗
布量、B型粘度、表面粘着性、インク着肉性、不透明度
を測定し、同時に塗工適性も評価し、表1に示した。
良剤としてプライマルTT−935(ローム・アンド・
ハース・ジャパン(株)製)を使用した以外は実施例1
と同様にして新聞印刷用紙を製造し、得られた新聞印刷
用紙について、塗布量、B型粘度、表面粘着性、インク
着肉性、不透明度を測定し、同時に塗工適性も評価し、
表1に示した。
スノーテックスST−40、日産化学工業(株)製)の
40%水溶液を調製した。次に、有機バインダーとして酸
化澱粉(商品名:SK−20、日本コーンスターチ
(株)製)の12%溶液を調製した。さらに、アクリルポ
リマー系の粘性改良剤としてソマレックス270(ソマ
ール(株)製)の30%エマルジョン液を調製した。そし
て、コロイダルシリカに対して粘性改良剤の比率が重量
比で100対3.2、コロイダルシリカに対して有機バインダ
ーの比率が重量比で100対5となるように混合し、12%濃
度の表面処理剤塗工液を調製した。得られた表面処理剤
塗工液を、前述の新聞印刷用原紙の両面にゲートロール
コーターを用いて、塗工速度300m/分で塗工し、さら
にスーパーカレンダー処理を行い新聞印刷用紙を得た。
この新聞印刷用紙について、塗布量、B型粘度、表面粘
着性、インク着肉性、不透明度を測定し、同時に塗工適
性も評価し、表1に示した。
スノーテックスST−40、日産化学工業(株)製)の
40%水溶液を調製した。次に、無機塩として硫酸ナトリ
ウムの12%水溶液を調製した。そして、コロイダルシリ
カに対して硫酸ナトリウムの固形分比率が重量比で65対
35となるように両者を混合し、12%濃度の表面処理剤塗
工液を調製した。有機バインダーとして、酸化澱粉(商
品名:SK−20、日本コーンスターチ(株)製)の12
%溶液を調製した。さらに、粘性改良剤としてカルボキ
シメチルセルロース(商品名:サンローズA10SH
G、日本製紙(株)製)の3%水溶液を調製した。そし
て、コロイダルシリカに対して粘性改良剤の比率が重量
比で100対11、コロイダルシリカに対して有機バインダ
ーの比率が重量比で100対65となるように混合し、12%
濃度の表面処理剤塗工液を調製した。得られた表面処理
剤塗工液を、前述の新聞印刷用原紙の両面にゲートロー
ルコーターを用いて、塗工速度300m/分で塗工し、さ
らにスーパーカレンダー処理を行い新聞印刷用紙を得
た。この新聞印刷用紙について、塗布量、B型粘度、表
面粘着性、インク着肉性、不透明度を測定し、同時に塗
工適性も評価し、表1に示した。
スノーテックスST−40、日産化学工業(株)製)の
40%水溶液を調製した。次に、無機塩として硫酸ナトリ
ウムの12%水溶液を調製した。そして、コロイダルシリ
カに対して硫酸ナトリウムの固形分比率が重量比で65対
35となるように両者を混合し、12%濃度の表面処理剤塗
工液を調製した。有機バインダーとしてポリビニルアル
コール(商品名:PVA117、(株)クラレ製)の12
%溶液を調製した。さらに、粘性改良剤としてカルボキ
シメチルセルロース(商品名:サンローズA10SH
G、日本製紙(株)製)の3%水溶液を調製した。そし
て、コロイダルシリカに対して粘性改良剤の比率が重量
比で100対11、コロイダルシリカに対して有機バインダ
ーの比率が重量比で100対65となるように混合し、12%
濃度の表面処理剤塗工液を調製した。得られた表面処理
剤塗工液を、前述の新聞印刷用原紙の両面にゲートロー
ルコーターを用いて、塗工速度300m/分で塗工し、さ
らにスーパーカレンダー処理を行い新聞印刷用紙を得
た。この新聞印刷用紙について、塗布量、B型粘度、表
面粘着性、インク着肉性、不透明度を測定し、同時に塗
工適性も評価し、表1に示した。
スノーテックスST−40、日産化学工業(株)製)の
40%水溶液を調製した。次に、無機塩として硫酸ナトリ
ウムの12%水溶液を調製した。そして、コロイダルシリ
カに対して硫酸ナトリウムの固形分比率が重量比で65対
35となるように両者を混合し、12%濃度の表面処理剤塗
工液を調製した。有機バインダーとしてスチレン・ブタ
ジエン共重合体エマルジョンラテックス(商品名:LX
407 FT2196、日本ゼオン(株)製)の12%溶
液を調製した。さらに、粘性改良剤としてカルボキシメ
チルセルロース(サンローズA10SHG、日本製紙
(株)製)の3%水溶液を調製した。そして、コロイダ
ルシリカに対して粘性改良剤の比率が重量比で100対1
1、コロイダルシリカに対して有機バインダーの比率が
重量比で100対65となるように混合し、12%濃度の表面
処理剤塗工液を調製した。得られた表面処理剤塗工液
を、前述の新聞印刷用原紙の両面にゲートロールコータ
ーを用いて、塗工速度300m/分で塗工し、さらにスー
パーカレンダー処理を行い新聞印刷用紙を得た。この新
聞印刷用紙について、塗布量、B型粘度、表面粘着性、
インク着肉性、不透明度を測定し、同時に塗工適性も評
価し、表1に示した。
スノーテックスST−40、日産化学工業(株)製)の
40%水溶液を水で希釈して12%濃度の表面処理剤塗工液
を調製した。得られた表面処理剤塗工液を、前述の新聞
印刷用原紙の両面にゲートロールコーターを用いて、塗
工速度300m/分で塗工し、さらにスーパーカレンダー
処理を行い新聞印刷用紙を得た。この新聞印刷用紙につ
いて、塗布量、B型粘度、表面粘着性、インク着肉性、
不透明度を測定し、同時に塗工適性も評価し、表1に示
した。
スノーテックスST−40、日産化学工業(株)製)の
20%濃度の表面処理剤塗工液を使用した以外は比較例1
と同様にして新聞印刷用紙を製造し、得られた新聞印刷
用紙について、塗布量、B型粘度、表面粘着性、インク
着肉性、不透明度を測定し、同時に塗工適性も評価し表
1に示した。
0、日本コーンスターチ(株)製)の10%水溶液を表面
処理剤塗工液として用いた以外は、比較例1と同様にし
て新聞印刷用紙を製造し、得られた新聞印刷用紙につい
て、塗布量、B型粘度、表面粘着性、インク着肉性、不
透明度を測定し、同時に塗工適性も評価し、表1に示し
た。
ド(商品名:ハリコートN−240、ハリマ化成(株)
製)の10%水溶液を表面処理剤塗工液として用いた以外
は、比較例1と同様にして新聞印刷用紙を製造し、得ら
れた新聞印刷用紙について、塗布量、B型粘度、表面粘
着性、インク着肉性、不透明度を測定し、同時に塗工適
性も評価し表1に示した。
粘性改良剤を塗工したものは、サンプル紙が貼り付かな
いほど表面粘着性が低く、不透明度も高くインク着肉性
も優れたものであった。また、B型粘度も30mPa・s
前後で適正な粘度であり、塗布量も0.51〜0.55g/m2
の範囲で適正な塗布量が得られた。さらに、ゲートロー
ルのボトムロールに転写された塗工液皮膜の幅方向プロ
ファイル及び塗工液皮膜の乾燥性も良好であった。
塩、有機バインダーと粘性改良剤を塗工したものも、サ
ンプル紙が貼り付かないほど表面粘着性が低く、不透明
度も高くインク着肉性も優れたものであった。また、B
型粘度も30mPa・s前後で適正な粘度であり、塗布量
も0.51〜0.55g/m2の範囲で適正な塗布量が得られ
た。さらに、ゲートロールのボトムロールに転写された
塗工液皮膜の幅方向プロファイル及び塗工液皮膜の乾燥
性も良好であった。
たものでは、剥離強度は低いものの、インク着肉性も若
干劣っており不透明度も低下していた。また、粘度も2
mPa・sで極めて低いため、塗布量も0.15g/m2で
十分な塗布量が確保されなかった。さらに、ゲートロー
ルのボトムロールに転写された塗工液皮膜の幅方向プロ
ファイルも不均一であり、ボトムロールに転写された塗
工液皮膜の乾燥が速すぎてロールのスリップが認められ
た。
工液を塗工したものでは、剥離強度は低いものの、イン
ク着肉性も若干劣っており不透明度も低下していた。ま
た、粘度も4mPa・sで極めて低いため、塗布量も0.2
0g/m2で十分な塗布量が確保されなかった。さらに、
ゲートロールのボトムロールに転写された塗工液皮膜の
幅方向プロファイルも極めて不均一であり、ボトムロー
ルに転写された塗工液皮膜の乾燥も速すぎてロールのス
リップも多かった。
は、粘度は45mPa・sで適正な粘度であり、塗布量も
0.52g/m2で適正塗布量が確保されていた。また、ゲ
ートロールのボトムロールに転写された塗工液皮膜の幅
方向プロファイル及び塗工液皮膜の乾燥性は良好であっ
た。しかしながら、剥離強度は高く、インク着肉性も劣
っており不透明度も低下していた。
を塗工したものでは、粘度は35mPa・sで適正な粘度
であり、塗布量も0.53g/m2で適正な塗布量が確保さ
れていた。また、ゲートロールのボトムロールに転写さ
れた塗工液皮膜の幅方向プロファイル及び塗工液皮膜の
乾燥性は良好であった。しかしながら、剥離強度は高
く、インク着肉性も劣っており不透明度も低下してい
た。
擦係数については、例えば、実施例1の新聞印刷用紙で
は、動摩擦係数=0.61、静摩擦係数=0.55であったのに
対し、比較例3の新聞印刷用紙では動摩擦係数=0.50、
静摩擦係数=O.51であり、本発明の表面処理剤を塗工し
た新聞印刷用紙の動/静摩擦係数は向上した。尚、動/
静摩擦係数の測定は、JAPAN TAPPI No.30-79(紙および
板紙の摩擦係数試験方法)に従った。
くはコロイダルシリカ、粘性改良剤及び無機塩を一定の
比率で含有する表面処理剤の開発によって、以下の特性
を備えたオフセット印刷用紙が得られた。 1)表面粘着性が小さい 2)ブランケットに紙粉の堆積が少ない 3)吸水抵抗性が適度に保たれオフセット印刷時に水切
れがない 4)印刷インクのセット性が適度である 5)不透明度が高く裏抜けしない 6)摩擦係数が適度である 7)ゲートロール塗工適性が優れている
Claims (5)
- 【請求項1】 コロイダルシリカ及び粘性改良剤を含有
し、固形分濃度10重量%、25℃におけるブルックフィー
ルド粘度が5〜150mPa・sである紙用表面処理剤。 - 【請求項2】 コロイダルシリカ、無機塩及び粘性改良
剤を含有し、固形分濃度10重量%、25℃におけるブルッ
クフィールド粘度が5〜150mPa・sである紙用表面処
理剤。 - 【請求項3】 粘性改良剤がアクリルエマルジョン系高
分子化合物またはカルボキシメチルセルロースである請
求項1あるいは請求項2記載の紙用表面処理剤。 - 【請求項4】 粘性改良剤の配合比率がコロイダルシリ
カの固形分100重量部に対して0.1〜20重量部である請求
項1〜請求項3のいずれかに記載の紙用表面処理剤。 - 【請求項5】 オフセット印刷用原紙に、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の紙用表面処理剤を含有した塗
工層を設けたオフセット印刷用紙。
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