JP5434747B2 - ダイシングフィルム - Google Patents
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Description
〔1〕基材フィルムの少なくとも1の面に粘着層を設けたダイシングフィルムであって、前記基材フィルムが8MPa以上の降伏点応力(測定方法:JISK7161準拠 測定温度:25℃)を有するとともに以下の破断エネルギー評価試験における破断エネルギーが30mJ以上であることを特徴とするダイシングフィルム。
[破断エネルギー評価試験]
フィルムの片面に下記切創作成条件にて十字の切創を作成する。
切創を作成した面を下側にし、十字の切創の交差点に対し下記の落錘試験条件にて、
落錘試験を実施し、基材が破断する錘の位置エネルギーを破断エネルギーとする。
[切創作成条件]
ブレードを用いて深さ20μm、長さ40mm以上の切創を十字に作成する。
[落錘試験条件]
錘 :1.02kg
錘形先端状 :直径20mmの半球状
試験片固定形状 :直径40mmの円形状
以下本発明の構成要件について図面を用いて説明する。
本発明に係るダイシングフィルム10は、図1に例示するように基材フィルム1と粘着層2とを少なくとも有するものである。
基材フィルム1には、降伏点応力(JIS 7161準拠 測定温度:25℃)が8MPa以上となるものが好ましく、更に好ましくは10MPa以上20MPa以下である。前記範囲下限値以上とすることによりピックアップ性に優れ、また、前記範囲上限値以下とすることによりエキスパンド性に優れる。
厚み80μmとなるφ50mm以上となる試験用フィルムを作成し、図2に示すように、試験片の片面に深さ20μm、長さ40mm以上の十字の切創3を作成する。
前記範囲下限値以上とすることによりエキスパンド性に優れ、前記範囲上限値以下とすることによりピックアップ性に優れる。
図1に例示するように本発明に係るダイシングフィルム10の基材フィルム1の少なくとも片面には、粘着層2が設けられる。粘着層2に用いられる樹脂組成物としては、アクリル系粘着剤、UV硬化性ウレタンアクリレート樹脂、イソシアネート系架橋剤等があげられる。これらの中でもウエハマント、チップ飛び及びチッピングを抑制するたためには極性基を含有したアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。特に極性基としてアミド基を含有するアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
<基材の作製>
下記原料を表1に示す比率でドライブレンドにより混合した後、50mmのフルフライト押出機(L/D=25 圧縮比=2.9 有効長=1245mm)、吐出=30kg/時、樹脂温度=210℃(スクリュー先端)でシーティングし、厚み80μmのシートを得た。
アクリル系樹脂(アクリルアミド系モノマー/アクリル(メタクリル)酸エステル/水酸基含有(メタ)アクリレートの共重合体、重量平均分子量:50万、ガラス転移温度:−15℃、アミン価:115mgKOH/g、水酸基価:10mgKOH/g)100重量部に対し、多官能ウレタンアクリレート(1290KAE ダイセルサイテック株式会社製)110重量部、トリレンジイソシアネートの多価アルコール付加体(コロネートL、日本ポリウレタン工業株式会社製)13重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン7重量部を酢酸エチルに溶解し、粘着剤を得た。
前記粘着剤を剥離処理したポリエステルフィルム(厚さ38μm)に乾燥後の厚さが5μmになるように塗工し粘着層を得た。
上述の粘着層を30℃でラミネートロールを用いて、表1の配合比で得られた平均厚み80μmのシートにラミネートしてダイシングフィルムを得た。
(ポリプロピレン樹脂)
ランダムポリピロピレン F327 (株式会社プライムポリマー製)
ホモポリプロピレン F704NP (株式会社プライムポリマー製)
ホモポリプロピレン VS200A (サンアロマー株式会社製)
ブロックポリプロピレン VB170A (サンアロマー株式会社製)
直鎖状低密度ポリエチレン FV202 (住友化学株式会社製 先行技術文献、特許文献2の実施例の基材に相当する)
(オレフィン系エラストマー)
スチレン・イソプレン共重合体 7125 (株式会社クラレ製)
スチレン・エチレン・ブチレン共重合体 H1221 (旭化成ケミカルズ株式会社製)
エチレン−αオレフィン共重合体 A0550S (三井化学株式会社製)
前記基材の降伏点応力をJISK7161に基づいて(サンプル幅10mm・引張速度500mm/min)測定を実施した。
基材フィルムに下記ダイシング条件1で十字にダイシングを実施後、カットラインを下にして基材裏面からカットライン十字の交差部に下記落錘試験条件1で落錘試験を実施し、基材が破断する錘の位置エネルギーを測定し、破断エネルギーとした。
ブレード :NBC−ZH 2050 27HEDD (株式会社ディスコ製)
ブレード回転数 :40000rpm
カット速度 :50mm/sec
ブレードハイト :60μm
錘 :1.02kg
錘形先端状 :直径20mmの半球状
試験片固定形状 :直径40mmの円形状
得られたダイシングフィルムを下記UV照射条件1にてUV照射を実施した。UV照射後のシートの貯蔵弾性率(E‘)を下記弾性率測定条件1で測定した。
照度 :65mW/cm2
積算光量 :200mJ/cm2
UVランプ :高圧水銀ランプ H03−L21 80W/cm
(アイグラフィックス株式会社製)
UV照度計 :UV―PFA1(アイグラフィックス株式会社製)
サンプルサイズ:4mmx20mm
測定周波数 :1Hz
測定温度 :25℃
測定機器 :DMS6100 (セイコーインスツルメンツ製)
(エキスパンド性)
前記条件で作製したダイシングフィルムを用い、下記ダイシング条件2でダイシングし、下記UV照射条件2にてUV照射後に下記エキスパンド条件にてエキスパンドを実施し、テープが破断しないものを○、テープが破断するものを×とした。
(ウエハをダイシングフィルムに貼付け常温にて1時間放置後ダイシングを実施)
ウエハ/リングサイズ:12インチ
ウエハ厚み :100μ(裏面仕上げ#2000 ウエハ研削後5分後のウエハをダイシングフィルムに貼付)
カットサイズ :10x13mm□
ブレード :NBC−ZH 2050 27HEDD (株式会社ディスコ製)
ブレード回転数 :40000rpm
カット速度 :50mm/sec
ブレードハイト :60μm
照度 :65mW/cm2
積算光量 :200mJ/cm2
UVランプ :高圧水銀ランプ H03−L21 80W/cm
(アイグラフィックス株式会社製)
UV照度計 :UV―PFA1(アイグラフィックス株式会社製)
エキスパンド装置 :DB―700
エキスパンド量 :7mm
エキスパンド速度 :100%
前記条件でエキスパンド後に下記ピックアップ条件1でピックアップを実施し、ウエハの上下左右中央の5箇所でチップがピックアップ可能な最低ニードルハイトを測定した。
ピックアップ装置 :DB―700
ニードル本数 :9本(9本=3×3 ニードル配置外周8x12mm)
ニードル突上速度 :10mm/sec
コレット吸引圧力 :−60KPa
コレット荷重 :0.5N
コレット待機時間 :100msec
上記特性の確認を実施し、以下のすべに当てはまるものを○、ひとつでも当てはまらないものを×とした。
降伏点応力 :6MPa以上
破断エネルギー :30mJ以上
エキスパンド性 :基材破断なし
ピックアップ性 :ニードルハイト 250μm以下
2・・・粘着層
3・・・切創
10・・・ダイシングフィルム
20・・・破断エネルギー評価試験用フィルム
Claims (7)
- 基材フィルムの少なくとも1の面に粘着層を設けたダイシングフィルムであって、前記基材フィルムが8MPa以上の降伏点応力(測定方法:JISK7161準拠 測定温度:25℃)を有するとともに以下の破断エネルギー評価試験における破断エネルギーが30mJ以上であることを特徴とするダイシングフィルム。
[破断エネルギー評価試験]
フィルムの片面に下記切創作成条件にて十字の切創を作成する。
切創を作成した面を下側にし、十字の切創の交差点に対し下記の落錘試験条件にて、
落錘試験を実施し、基材が破断する錘の位置エネルギーを破断エネルギーとする。
[切創作成条件]
ブレードを用いて深さ20μm、長さ40mm以上の切創を十字に作成する。
[落錘試験条件]
錘 :1.02kg
錘形先端状 :直径20mmの半球状
試験片固定形状 :直径40mmの円形状 - 前記基材フィルムがオレフィン樹脂を主成分とするものである請求項1に記載のダイシングフィルム。
- 前記オレフィン系樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリスチレンからなる群より選択される1または2以上の樹脂である請求項2記載のダイシングフィルム。
- 前記基材フィルムが更にオレフィン系エラストマーを含む請求項3記載のダイシングフィルム。
- 前記オレフィン系エラストマーが、スチレン・イソプレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、ブテン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・ブテン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・ブテン−αオレフィン共重合体及び、エチレン・プロピレン・ブテン−α・オレフィン共重合体、からなる群より選ばれる少なくとも1または2以上の樹脂を含む請求項2に記載のダイシングフィルム。
- UV照射後のフィルムの25℃での貯蔵弾性率(E‘)が1.0×105Pa以上、1.0×1010Pa以下である請求項1乃至5のいずれかに記載のダイシングフィルム。
- ダイシングフィルムと半導体部材とを貼付する工程と、前記半導体部材をダイシングする工程とを有する半導体装置の製造方法であって前記ダイシングフィルムが、請求項1乃至6のいずれかに記載のダイシングフィルムである半導体装置の製造方法。
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