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JP5425645B2 - インテークマニホールドの固定構造 - Google Patents

インテークマニホールドの固定構造 Download PDF

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Description

本発明は、インテークマニホールドの固定構造に関する。
従来、多気筒エンジンの各気筒に吸気を分配するエンジンの各気筒に吸気を分配するインテークマニホールドの吸気入口側の端部をエンジンに固定する第1取付手段、及び、インテークマニホールドの吸気出口側の端部をエンジンに固定する第2取付手段を備えるインテークマニホールドの固定構造がある(例えば特許文献1参照)。そして、第1取付手段及び第2取付手段において、エンジンに設けられた設置面と、その設置面に接合されるインテークマニホールドに設けられた取付面との間に、インテークマニホールドの自由状態において角度差が0(ゼロ)°とされており、エンジンにインテークマニホールドを固定しても、インテークマニホールドに曲げモーメントは発生しない。
特開2003−201928号公報
従来のインテークマニホールドの固定構造によると、エンジンに第1取付手段及び第2取付手段により固定されたインテークマニホールドにおける剛性の低い部分(例えば、吸気管)に波打ちと呼ばれる局部振動が発生しやすいという問題点があった。なお、吸気管が樹脂製であると、局部振動の発生が甚だしいものとなる。
本発明が解決しようとする課題は、エンジンに固定されたインテークマニホールドにおける剛性の低い部分に発生する局部振動を防止することのできるインテークマニホールドの固定構造を提供することにある。
第1の発明は、エンジンの各気筒に吸気を分配するマニホールド本体を備えたインテークマニホールドの吸気入口側の端部をエンジンに固定する第1取付手段、及び、インテークマニホールドの吸気出口側の端部をエンジンに固定する第2取付手段を備えるインテークマニホールドの固定構造であって、第1取付手段及び第2取付手段のうちの少なくとも一方の取付手段は、エンジンに対するインテークマニホールドの当該端部を固定する固定力によって、マニホールド本体に曲げモーメントを発生させる構成としている。この構成によると、エンジンに対して、インテークマニホールドの吸気入口側の端部が第1取付手段により固定されるとともに、インテークマニホールドの吸気出口側の端部が第2取付手段により固定される。そして、第1取付手段及び第2取付手段のうちの少なくとも一方の取付手段が、エンジンに対するインテークマニホールドの当該端部を固定する固定力によって、マニホールド本体に曲げモーメントを発生させる。このため、エンジンに固定されたインテークマニホールドにおける剛性の低い部分(例えば、マニホールド本体の吸気管)に発生する局部振動を防止することができる。
第2の発明は、第1の発明において、第1取付手段及び第2取付手段のうちの少なくとも一方の取付手段において、エンジンに設けられた設置面と、その設置面に接合されるインテークマニホールドに設けられた取付面との間に、インテークマニホールドの自由状態において角度差が設定されている。したがって、エンジンに対してインテークマニホールドを固定するにともない、第1取付手段及び第2取付手段のうちの少なくとも一方の取付手段におけるエンジンの設置面にインテークマニホールドの取付面が接合されることによって、インテークマニホールドに曲げモーメントを発生させることができる。
第3の発明は、第1の発明において、第1取付手段は、マニホールド本体の吸気入口側に一体的に設けられたスロットルボデーをエンジンに固定し、かつ、エンジンに設けられた第1設置面と、その第1設置面に接合されるスロットルボデーに設けられた第1取付面との間に、インテークマニホールドの自由状態において角度差が設定されている。したがって、エンジンに対してインテークマニホールドのスロットルボデーを固定するにともない、第1取付手段におけるエンジンの第1設置面にスロットルボデーの第1取付面が接合されることによって、インテークマニホールドに曲げモーメントを発生させることができる。
実施例1に係るインテークマニホールドの固定構造を示す正面図である。 インテークマニホールドを示す正面図である。 インテークマニホールドを示す上面図である。 インテークマニホールドを示す下面図である。 第1取付手段を示す正断面図である。 図5のVI−VI線矢視断面図である。 第2取付手段を示す正断面図である。 インテークマニホールドの自由状態を示す正面図である。 実施例2に係るインテークマニホールドの自由状態を示す正面図である。 実施例3に係るインテークマニホールドの自由状態を示す正面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1を説明する。本実施例では、船外機に用いられるインテークマニホールドの固定構造について例示する。図1はインテークマニホールドの固定構造を示す正面図、図2はインテークマニホールドを示す正面図、図3は同じく上面図、図4は同じく下面図である。なお説明の都合上、図1の正面図を基準として前後左右上下の各方向を定めることにする。
図1に示すように、インテークマニホールド10は、多気筒エンジン(本実施例では4気筒エンジン)12上に配置されるものである。
図2〜図4に示すように、前記インテークマニホールド10は、その主体をなす樹脂製のマニホールド本体14と、そのマニホールド本体14の吸気入口側の端部(左端部)に装着されたスロットルボデー16とを備えている。
マニホールド本体14は、吸気入口側に形成されたサージタンク18と、サージタンク18から右方へ延びかつサージタンク18内に導入された吸気をエンジン12の各気筒に分配する複数本(4本)の吸気管19とを一体的に有している(図3及び図4参照)。4本の吸気管19は、エンジン12の気筒列方向すなわち前後方向に並んでいる。サージタンク18の左端部には、前記スロットルボデー16が複数本のボルト21(図2及び図4では1本を示す)により締結されている。
前記スロットルボデー16は、前記マニホールド本体14のサージタンク18内に連通する吸気通路22(図4参照)を備えている。スロットルボデー16は、吸気通路22が左下がり状となるようにマニホールド本体14に傾斜状に装着されている(図2参照)。また、スロットルボデー16には、吸気通路22を流れる吸入空気量を制御するスロットルバルブ(図示省略)を備えている。また、スロットルボデー16は、吸気通路22の上流側には図示しないエアクリーナに連通する配管部材が接続可能となっている。また、スロットルボデー16は、例えば樹脂製で、吸気通路22の前後の両側壁には、左右一対の金属製の第1カラー23がインサート成形により縦向きで埋設されている(図4参照)。なお、スロットルボデー16とスロットルバルブとによりスロットル装置が構成されている。
図2〜図4に示すように、前記マニホールド本体14の吸気管19の吸気出口側の端部(右端部)には、水平状をなす取付フランジ25が形成されている。取付フランジ25には、下面を開口する4つの吸気出口26が前後方向に並んで形成されている(図4参照)。また、取付フランジ25の外周部には、複数本(図3及び図4では5本を示す)の金属製の第2カラー27がインサート成形により縦向きに埋設されている。
次に、前記インテークマニホールド10のスロットルボデー16を前記エンジン12に固定する第1取付手段29(図1参照)について説明する。図5は第1取付手段を示す正断面図、図6は図5のVI−VI線矢視断面図である。
図5及び図6に示すように、スロットルボデー16に対応するエンジン12の固定側部材としては、図示しないエンジン本体(シリンダブロック)に固定されたブラケット30が相当する。なお、ブラケット30は、本明細書でいう「エンジン側の部材」に相当する。
前記第1取付手段29は、前記スロットルボデー16の第1カラー23内に挿通される第1ボルト31と、前記ブラケット30に設けられかつ第1ボルト31を螺合可能なネジ孔である第1ボルト孔32とにより構成されている。また、スロットルボデー16の下面には、第1カラー23の軸線23Lに直交する第1取付面34が形成されている。また、ブラケット30の上面には、スロットルボデー16の第1取付面34に対応する第1設置面35が形成されている。
次に、前記インテークマニホールド10の取付フランジ25を前記エンジン12に固定する第2取付手段39(図1参照)を説明する。図7は第2取付手段を示す正断面図である。
図7に示すように、マニホールド本体14の取付フランジ25に対応するエンジン12の固定側部材としては、図示しないエンジン本体(シリンダブロック)に固定されたシリンダヘッド40が相当する。なお、シリンダヘッド40は、本明細書でいう「エンジン側の部材」に相当する。
前記第2取付手段39は、前記マニホールド本体14の取付フランジ25の第2カラー27に挿通される第2ボルト41と、前記シリンダヘッド40に設けられかつ第2ボルト41を螺合可能なネジ孔である第2ボルト孔42とにより構成されている。また、取付フランジ25の下面には、第2カラー27の軸線27Lに直交する第2取付面44が形成されている。また、シリンダヘッド40の上面には、取付フランジ25の第2取付面44に対応する第2設置面45が形成されている。
図8はインテークマニホールドの自由状態を示す正面図である。
図8に示すように、前記インテークマニホールド10がエンジン12に固定される前の状態すなわち自由状態において、前記第1取付手段29におけるブラケット30の第1設置面35は、前記スロットルボデー16の第1取付面34に対して角度差θをもって傾斜する平面で形成されている。これにより、第1設置面35と第1取付面34との間に角度差θが設定されている。角度差θは、例えば3°である。また、第1設置面35は、マニホールド本体14の長手方向に関して吸気出口側(右側)が第1取付面34から離れる斜面となっている。なお、第1ボルト孔32の軸線32Lは、第1設置面35に対して直交している。
また、前記第2取付手段39におけるシリンダヘッド40の第2設置面45は、前記マニホールド本体14の第2取付面44に対して平行に面している。このため、第2設置面45と第2取付面44との角度差θは0(ゼロ)°である。なお、第2ボルト孔42の軸線42Lは、第2設置面45に対して直交している。
前記インテークマニホールド10を前記第1取付手段29及び前記第2取付手段39によりブラケット30及びシリンダヘッド40に固定する(図1参照)。すなわち、図7に示すように、インテークマニホールド10の吸気出口側の端部(右端部)においては、第2取付手段39の第2ボルト41をマニホールド本体14の取付フランジ25の第2カラー27内を通してシリンダヘッド40の第2ボルト孔42に螺合すなわち締付けて締結する。これにともない、シリンダヘッド40の第2設置面45に取付フランジ25の第2取付面44が面接触状に接合される。
また、図5に示すように、インテークマニホールド10の吸気入口側の端部(左端部)においては、第1取付手段29の第1ボルト31をスロットルボデー16の第1カラー23内を通してブラケット30の第1ボルト孔32に螺合すなわち締付けて締結する。これにともない、ブラケット30の第1設置面35にスロットルボデー16の第1取付面34が面接触状に接合される。このとき、第1取付手段29において、ブラケット30の第1設置面35と、スロットルボデー16の第1取付面34との間に、インテークマニホールド10の自由状態において角度差θが設定されている(図8参照)。このため、ブラケット30に対してスロットルボデー16を固定するにともない、第1取付手段29におけるブラケット30の第1設置面35にスロットルボデー16の第1取付面34が面接触状に接合されることによって、インテークマニホールド10に曲げモーメントが発生する。
前記したインテークマニホールド10の固定構造によると、エンジン12のブラケット30及びシリンダヘッド40に対して、インテークマニホールド10のスロットルボデー16が第1取付手段29により固定されるとともに、インテークマニホールド10のマニホールド本体14の取付フランジ25が第2取付手段39により固定される。そして、第1取付手段29が、エンジン12のブラケット30に対してスロットルボデー16を固定する固定力によって、マニホールド本体14に曲げモーメントを発生させる。このため、エンジン12に固定されたインテークマニホールド10における剛性の低い部分(例えば、樹脂製のマニホールド本体14の吸気管19)に発生する局部振動を防止することができる。
また、第1取付手段29は、マニホールド本体14の吸気入口側に一体的に設けられたスロットルボデー16をエンジン12のブラケット30に固定し、かつ、エンジン12のブラケット30に設けられた第1設置面35と、その第1設置面35に接合されるスロットルボデー16に設けられた第1取付面34との間に、インテークマニホールド10の自由状態において角度差θが設定されている(図8参照)。したがって、エンジン12のブラケット30に対してインテークマニホールド10のスロットルボデー16を固定するにともない、第1取付手段29におけるエンジン12のブラケット30の第1設置面35にスロットルボデー16の第1取付面34が接合されることによって、インテークマニホールド10に曲げモーメントを発生させることができる。
[実施例2]
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図9はインテークマニホールドの自由状態を示す正面図である。
図9に示すように、本実施例は、インテークマニホールド10の自由状態において、前記実施例1における第1取付手段29におけるブラケット30の第1設置面35が、スロットルボデー16の第1取付面34に対して平行に面している。このため、第1設置面35と第1取付面34との角度差θは0(ゼロ)°である。
また、前記第2取付手段39におけるシリンダヘッド40の第2設置面45が、マニホールド本体14の取付フランジ25の第2取付面44に対して角度差θをもって傾斜する平面で形成されている。これにより、第2設置面45と第2取付面44との間に角度差θが設定されている。また、第2設置面45は、マニホールド本体14の長手方向に関して吸気出口側(右側)が第2取付面44から離れる斜面となっている。
本実施例によると、第2取付手段39において、エンジン12のシリンダヘッド40に設けられた第2設置面45と、その設置面45に接合されるインテークマニホールド10のマニホールド本体14の取付フランジ25に設けられた第2取付面44との間に、インテークマニホールド10の自由状態において角度差θが設定されている。したがって、エンジン12のシリンダヘッド40に対してインテークマニホールド10のマニホールド本体14の取付フランジ25を固定するにともない、第2取付手段39におけるエンジン12のシリンダヘッド40の第2設置面45にインテークマニホールド10のマニホールド本体14の取付フランジ25の第2取付面44が面接触状に接合されることによって、インテークマニホールド10に曲げモーメントを発生させることができる。
[実施例3]
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図10はインテークマニホールド10の自由状態を示す正面図である。
図10に示すように、本実施例は、前記実施例1(図8参照)の第2取付手段39におけるシリンダヘッド40の第2設置面45が、マニホールド本体14の取付フランジ25の第2取付面44に対して角度差θをもって傾斜する平面で形成されている。これにより、前記実施例2と同様に、第2設置面45と第2取付面44との間に角度差θが設定されている。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、スロットルボデー16を備えたインテークマニホールド10に限らず、マニホールド本体14のみで構成されるインテークマニホールドにも適用することができる。また、前記実施例では、設置面(第1設置面35及び/又は第2設置面45)をインテークマニホールド10の長手方向に関して吸気出口側(右側)が取付面(第1取付面34及び/又は第2取付面44)から離れる斜面としたが、設置面をインテークマニホールド10の長手方向に関して吸気入口側(左側)が取付面(第1取付面34及び/又は第2取付面44)から離れる斜面としてもよい。また、取付面(第1取付面34及び/又は第2取付面44)を設置面(第1設置面35及び/又は第2設置面45)に対して傾斜する斜面としてもよい。
10…インテークマニホールド
12…エンジン
14…マニホールド本体
16…スロットルボデー(吸気入口側の端部)
25…取付フランジ(吸気出口側の端部)
30…ブラケット(エンジン側の部材)
31…第1取付手段
34…第1取付面
35…第1設置面
39…第2取付手段
40…シリンダヘッド(エンジン側の部材)
44…第2取付面
45…第2設置面
θ…角度差

Claims (3)

  1. エンジンの各気筒に吸気を分配するマニホールド本体を備えたインテークマニホールドの吸気入口側の端部を前記エンジンに固定する第1取付手段、及び、前記インテークマニホールドの吸気出口側の端部を前記エンジンに固定する第2取付手段を備えるインテークマニホールドの固定構造であって、
    前記インテークマニホールドのマニホールド本体は、吸気入口側に形成されたサージタンクと、サージタンク内に導入された吸気を前記エンジンの各気筒に分配しかつ剛性の低い複数本の吸気管とを有し、
    前記第1取付手段及び前記第2取付手段のうちの少なくとも一方の取付手段は、前記エンジンに対する前記インテークマニホールドの当該端部を固定する固定力によって、前記マニホールド本体に曲げモーメントを発生させることで、該マニホールド本体の吸気管に発生する局部振動を防止する
    ことを特徴とするインテークマニホールドの固定構造。
  2. 請求項1に記載のインテークマニホールドの固定構造であって、
    前記第1取付手段及び前記第2取付手段のうちの少なくとも一方の取付手段において、前記エンジンに設けられた設置面と、その設置面に接合される前記インテークマニホールドに設けられた取付面との間に、前記インテークマニホールドの自由状態において角度差が設定されていることを特徴とするインテークマニホールドの固定構造。
  3. 請求項1に記載のインテークマニホールドの固定構造であって、
    前記第1取付手段は、前記マニホールド本体の吸気入口側に一体的に設けられたスロットルボデーを前記エンジンに固定し、かつ、前記エンジンに設けられた第1設置面と、その第1設置面に接合される前記スロットルボデーに設けられた第1取付面との間に、前記インテークマニホールドの自由状態において角度差が設定されていることを特徴とするインテークマニホールドの固定構造。
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